第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 会社の経営の方針

当社グループは、「労働力不足を解決し 人と企業を豊かに」をビジョンに掲げております。

日本では2040年までに約1,600万人、約69兆円の労働力が失われるとされ、日々、「労働力不足」という大きな社会問題が深刻化しています。当社は新たな労働力を創出し活用できるようにすること、ITやAIを活用しDXを推進することで生産性を向上させていくこと、既成概念にとらわれずユニークな発想で新しい解決方法を考えて生み出していくことなどを通じて日本が抱える深刻な社会問題を解決し、さらには、世界全体の社会問題と向き合ってまいります。

 

(2) 経営環境

平成30年版「情報通信白書」によると、日本の生産年齢人口は2017年から2040年にかけて約1,600万人減少することが推計されており、労働力不足による経済規模の縮小、国際競争力の低下といった社会的・経済的な課題が深刻化することが危惧されております。そのような状況の中、当社グループはこれまで様々な領域において労働力の代替ソリューションとなる事業をSaaSを中心に複数展開してまいりました。

2022年4月には、コーポレートビジョンを「労働力不足を解決し 人と企業を豊かに」へと刷新し、今後は「労働力不足解決のリーディングカンパニー」を目指し、上記社会課題の解決に一層向き合ってまいります。

当社グループを取り巻く経営環境につきましては、富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場 2022年版」によると、国内SaaS市場規模は、2022年度において10,891億円となっており、2026年度には16,681億円に達すると予測されております。

また、CGS事業の中でも主力サービスである官公庁等の入札情報を提供する入札情報速報サービス「NJSS(エヌジェス)」を巡る環境として、国内入札市場における年間契約額は、2021年度において26.0兆円と、毎年安定的に年間20兆円超の発注がなされる市場規模が維持(中小企業庁「官公需契約の手引」より)されております。NJSSのTAM(Total Addressable Market)については、NJSSのメインターゲットとなる落札実績のある企業数が約40万社(NJSSのデータベースより)であることに加え、今後は入札資格未保有の企業もターゲットとなると想定されるのに対し、NJSSの有料契約件数は2023年3月末時点では5,722件に止まっていることから、将来的には数十倍の有料契約件数の拡大の余地があると考えております。

競合企業の状況や当社の優位性については、現在、国内でクラウドソーシング・サービスを展開する競合企業は複数存在しますが、当社グループは、クラウドソーシング・サービスのみならず、そのワーカーをリソースとするCGS事業、そして企業のアウトソーシング・ニーズの受け皿となるBPO事業を展開しており、それらの相互のシナジーによって優位性を築いていると考えております。優位性をさらに強固なものにするためにも当社では、新たなCGS事業を継続的に生み出し続けていきたいと考えております。

 

(3) 中長期的な経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは2019年5月14日に短期的な利益追求ではなく、中長期的な企業価値の向上を企図した5カ年の中期経営計画(2020年3月期~2024年3月期)を策定いたしました。中期経営計画最終年度となる2024年3月期においては、売上高は2021年5月14日に開示した5,800百万円を上回る6,000百万円の達成を、EBITDAはこれまで行ってきた広告宣伝費やシステム関連委託費などの先行投資を抑制することで同開示どおりの1,500百万円の達成をそれぞれ図る計画です。

 

 


同計画達成に向けては以下の課題に対処しなければならないと考えております。

 

① NJSSのSaaS事業としてのさらなる成長

今後NJSSをSaaS事業としてさらに成長させていくため「解約率を維持・改善しつつ、ARPU(一件当たり日割り売上高)と有料契約件数の最適化を図ることで将来に渡る売上高を拡大する」という方針のもと有料契約件数増加トレンドの継続・チャーンレートのさらなる抑制・プロダクトへの機能追加やこれまでターゲットとしていなかった顧客層へのアプローチの開始等により事業価値を向上させていきたいと考えております。

 

② CGS事業の成長促進

当連結会計年度においてはNJSS以外のCGS事業「fondesk」・「えんフォト」は、いずれも成長いたしましたが、依然としてNJSSが売上高の約半分及び利益の大半を占める状況が続いており、当社グループのさらなる成長にはNJSS以外のCGS事業の成長促進が必要であると考えております。2024年3月期においては、投資を抑制しつつ「fondesk」における機能拡充・改善及びマーケティング施策の展開や「えんフォト」におけるサービス成長・ユーザー利便性向上のためのシステム開発並びに「OurPhoto」とのシナジー創出等を進めることによって、これらの事業の成長を図る次第です。

 

③ BPO事業の継続的成長と利益率向上

当連結会計年度においてBPO事業は紙の電子化需要などにより引き合いが好調に推移し、2023年3月より徳島第三センターの稼働を開始したことに加え、同月にSaaSの裏側を人力でサポートする業務において複雑かつ高難度な対応をメインとした業務の受け入れ体制づくりのため、大分県大分市に大分センターを設立いたしました。2024年3月期においても各センターにおける強固且つ多様な施工体制を土台に、インボイス制度開始や電子帳簿保存法施行に伴って発生する各種ニーズへの対応やSaaSの裏側のサポート等を通じて、継続的な成長と利益率の向上を図っていきたいと考えております。

 

この先、労働力不足が懸念される社会において「労働力不足を解決し 人と企業を豊かに」というビジョンのもと、「労働力不足解決のリーディングカンパニー」を目指して社会課題の解決に一層向き合いつつ、既存サービスの成長及び新規サービスの創出を図り、売上高成長を加速させて企業価値の最大化を目指していく所存です。

 

 

(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社では、中期経営計画達成に資するM&A等を積極的に検討するという観点から、EBITDAを経営上の目標の達成状況を判断するための重要指標として位置付けております。

 

《2023年3月期 実績及び2024年3月期 連結業績予想値》

 

2023年3月期

(実績)

2024年3月期

(業績予想)

売上高

4,862百万円

6,000百万円

EBITDA

105百万円

1,500百万円

 

 

なお、上記の業績予想は本資料の発表日現在において入手可能な情報に基づき作成したものであり、実際の業績は今後様々な要因によって予想数値と異なる結果となる可能性があります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) ガバナンス

当社グループでは、持続可能性の観点から企業価値を向上させるため、サステナビリティ推進体制を強化しており、代表取締役社長を中心としたプロジェクトチームによりサステナビリティに関する議論を行っております。特に重要な議題については取締役会で報告され、取締役、監査役による協議を行っております。

取締役会はサステナビリティ全般に関するリスク及び機会の監督に対する責任と権限を有しております。プロジェクトチームで協議された内容の報告を受け、当社グループのサステナビリティのリスク及び機会への対応方針について審議・監督を行っております。

 

(2) 戦略

当社グループは、労働力不足という大きな社会問題を解決し、労働力不足解決のリーディングカンパニーになるために、当社グループの価値観を大切にし、変化に対応しながら成長を続けられる組織であるべきと考えております。そういった組織を実現するための二大方針として、「強固な企業カルチャーの醸成」と「人材成長定着企業」を掲げております。

 


 

強固な企業カルチャーの醸成のため、当社グループでは「うるるスピリット」という価値観を重要視しており、高純度で組織全体にカルチャーを浸透させ、戦略を落とし込むため、「シナプス組織」という組織体制を構築しております。

 


 


 

また、理念・ビジョンの実現に向け、事業戦略を推進するためには「人材成長定着企業」であることが必要と考えており、そのために当社グループでは様々な取り組みを実施しております。

 


 


 

当社グループで定める人材育成方針及び社内環境整備方針は次のとおりです。

 

人材育成方針

従業員の自律的な学び・挑戦を是とする風土作りに取り組んでいます。また、社内での活躍に留まらず、従業員の市場価値向上にも繋がる制度・取り組みに力を入れています。

 

○主な取り組み内容

 ・人事制度

コンピテンシー評価・MBO評価を用いて半年毎に実施しています。年齢や社歴を問わず成果に応じて昇給・昇格ができる仕組みを導入しています。経営戦略との一貫性を大切に、従業員の成長・会社の成長共に実現できる制度を目指し運営しています。

 ・人材開発

新卒1年目・キャリア入社の新入社員それぞれに対し、オンボーディングプログラムを全社横串のプロジェクトとして導入しています。また、次期管理職を目指す従業員に対する研修として、外部パートナーと共に独自の人材開発プログラムを構築・実行しています。

 ・成長支援制度

資格取得補助制度・外部勉強会参加補助制度・書籍購入補助制度といった、自律的な学び・挑戦意欲に応えられる制度を導入しています。また、異なる部署やポジションへ異動希望を自主的に出せるジョブリクエスト制度・今後のキャリアに対する自身の考えを年に1度アウトプットするキャリアアンケートを通じて、挑戦したい従業員の声をキャッチできる機会として運営しています。

 

社内環境整備方針

自己成長とチャレンジを続けられる土台を社内環境とおき、一人ひとりが安心してキャリア・ライフ両軸のプランを描ける環境づくりに取り組んでいます。

○主な取り組み内容

 ・制度づくり

在宅勤務制度、時差勤務制度など、働くうえでの多様な選択肢を用意し、拡充していくことで、安心して働き続けられる環境構築を進めています。従業員のワークとライフ両方を充実させることで、より活力高く自らの仕事に取り組める状態を目指しています。

 ・組織開発

1カ月に1度実施をしているエンゲージメントサーベイ結果からチームの状態を把握し、スコアの高低に影響している因子を組織の活性化に役立てています。

 ・社内コミュニケーション促進

最重要視している価値観「うるるスピリット」への理解を深めることを目的に、年4回の全従業員参加型イベントを実施しています。全従業員が土台となる価値観に向き合い称賛し合うことで、良好な人間関係をベースに大いに挑戦できる環境をつくり上げています。

 

 

(3) リスク管理

当社グループにおいて、全社的なリスク管理は、代表取締役社長を中心として、各部門責任者のモニタリングによって行っており、特に重要なリスク管理は取締役会にて報告され、取締役、監査役による協議を行っております。サステナビリティに係るリスクの識別、優先的に対応すべきリスクの絞り込みについて、プロジェクトチームの中でより詳細な検討を行い、共有しております。優先的に対応すべきリスクの絞り込みについては、当社グループに与える財務的影響、当社グループの活動が環境・社会に与える影響、発生可能性を踏まえ行われます。重要なリスクは、取締役の協議を経て戦略、計画に反映され、取締役会へ報告、監督されます。

サステナビリティに関するリスクへの対応状況は、プロジェクトチームにおいてモニタリングされ、その内容は取締役会へ報告されます。

サステナビリティ関連の機会の識別、評価や優先順位付けは、プロジェクトチームにおいて行われ、重要と認識された機会については取締役の協議を経て戦略、計画に反映され、取締役会へ報告、監督されます。

 

 

(4) 指標

当社グループでは、上記(2) 戦略において記載した「強固な企業カルチャーの醸成」と「人材成長定着企業」を目指すために人材の多様性の確保が重要と考えており、次の指標を用いております。当該指標に関する実績は次のとおりです。なお、今後プロジェクトチームにおける議論を経て、必要に応じて各指標の目標設定を行います。

 


 

 


 

 


 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。

記載したリスクはいずれも事業及び業績に影響を与えうる「重要なリスク」ですが、中でも全社的に中長期的な成長のための指針として掲げている中期経営計画に関連性の高いリスクを「特に重要なリスク」として定義しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生する可能性のある全てのリスクを網羅するものではありません。

 

(特に重要なリスク)

(1) 中期経営計画(2020年3月期~2024年3月期)における投資の進捗停滞のリスク

当社グループが掲げている中期経営計画では、「短期的な利益追求ではなく積極的に投資を実行し、さらなる成長と中長期的な企業価値の向上を図る」という方針を掲げております。したがって、投資の進捗が停滞すると中期経営計画の進捗に重大な影響が及ぶことが想定されますので、当社は当該リスクを「特に重要なリスク」と位置づけております。

当該リスクは、予期せぬ経済環境の変化等によるシステム投資や人件費、業務委託費等の追加的な支出の発生やその他予期せぬ制約の発生に伴って顕在化するものであり、顕在化した場合は、追加投資のための費用の増加や事業成長の鈍化に伴う売上高や利益成長の鈍化といった重大な業績への影響が発生することが予想されますが、顕在化の可能性や発生時期については、現段階で合理的に見積もることは困難だと考えております。

当社では、当該リスクの顕在化を未然に防ぐために、実行可能な投資計画を立案し、且つ各種投資に必要と想定される予算を確保するなどしているところですが、万が一リスクが顕在化した場合は、取締役会や部長会などで迅速に意思決定を行ったうえ必要な対応策を適宜実施していく次第です。

 

(2) 入札情報の様式・データ形式等の統一によるNJSSの独自性・優位性の希薄化のリスク

当社は、中期経営計画の柱となる施策の一つとして「NJSSの継続成長化」を掲げております。当該リスクが顕在化し、NJSSの独自性・優位性が希薄化した場合、中期経営計画の進捗に重大な影響が及ぶことが想定されますので、当社は当該リスクを「特に重要なリスク」と位置づけております。

現在、入札情報は入札実施機関ごとに様式・データ形式等が統一されておらず、独力での収集が困難である中、当社では数百名のクラウドワーカーが約8,300もの入札実施機関から人力で入札情報を収集しデータベース化できていることに「NJSS」の独自性・優位性がある状況です。当社としては約8,300もの入札実施機関の様式・データ形式等を統一するために必要となる労力・コスト・時間等を勘案すると当該リスクが顕在化する可能性は現時点では低いものと考えております。

しかしながら、万が一、当該リスクが顕在化した場合は、NJSSが誇る独自性・優位性の希薄化から顧客の他サービスへの流出による有料契約件数の減少並びに売上高や利益成長の鈍化といった重大な業績への影響が発生することが予想されます。

当該リスクへの対応策として、デジタル庁設立の動きなど当該リスクに関係する可能性のある行政機関の動向等を適宜チェックしておりますが、足元では喫緊に対処が必要な情報は見受けられない状況です。今後もチェックを継続し、アクションが必要な事態が発生した場合、迅速に対応できるよう体制を整備していく次第です。

 

 

(3) コンプライアンスに関するリスク

当社はコンプライアンス重視の意識の強化とその定着を全社的に推進しております。当該意識が薄れると、重大な法令違反や不祥事件等が発生する懸念が高まるなど、会社の存続可否にも重大な影響を与えかねない可能性がありますので、当社は当該リスクを「特に重要なリスク」と位置づけております。

万が一、当該リスクが顕在化した際の具体的な影響として、当社グループ全体の社会的信用やブランドイメージの低下をはじめ、発生した損害に対する賠償金の支払い等の費用の発生に基づく重大な業績への影響等が発生する懸念がありますが、一方でコンプライアンス上のリスクを完全に回避することは極めて困難であると考えております。

当該リスクの顕在化を未然に防止するため、当社では全役員・社員への教育啓発活動を随時実施するなどし、企業倫理の向上及び法令遵守の強化等、強固なコンプライアンス推進体制を構築していけるよう努めている次第です。

 

(重要なリスク)

(1) 大規模自然災害や感染症に関するリスク

大規模自然災害や新型コロナウイルス感染症を含む各種感染症の拡大等が発生すると当社グループの事業活動の停止やそれに伴う業績への重大な影響が発生する可能性が予想されることから当社は当該リスクを「重要なリスク」と位置付けています。

当該リスクへの対応策として、各種緊急事態の発生を想定した事業継続計画書(BCP)を整備しており、緊急事態発生時にはCISOを緊急対応責任者とする対策本部を設置するなどして速やかに事業継続に向けた体制が構築できるよう努めている次第です。

 

(2) 市場環境変動のリスク

市場環境の変動により顧客の購買意欲が減退すると当社グループの事業及び業績へ重大な影響を与える可能性が予想されることから当社は当該リスクを「重要なリスク」と位置付けています。とりわけ、地政学リスクや感染症拡大等に起因するインフレ圧力の増大による個人消費の落ち込みは、えんフォトやOurPhotoといった主に一般消費者との取引を展開するサービスの業績に重大な影響を与える懸念があります。

当該リスクへの対応策として、適宜該当サービスにおける顧客の消費動向をチェックするなどしてリスク顕在化の兆候の有無をチェックし、万が一兆候が表れた際は事業部内で対応策を検討したうえ、適宜意思決定会議体等において事業方針を検討、打開策を実行するなどして速やかに対応できるような体制の整備に努める次第です。

 

(3) 競合他社の台頭のリスク

現在、国内でクラウドソーシング・サービスを展開する競合企業は複数存在しており、他社の成長によって弊社の市場における独自性・優位性が希薄化した場合、当社の事業及び業績へ重大な影響を与えることが予想されることから当社は当該リスクを「重要なリスク」と位置づけております。

しかしながら、当社グループは、クラウドソーシング・サービスのみならず、そのワーカーをリソースとするCGS事業、そして企業のアウトソーシング・ニーズの受け皿となるBPO事業を展開しており、それらの相互のシナジーによって市場での独自性・優位性を築いていると考えております。BPO事業を通して世の中のニーズをキャッチし、キャッチしたニーズへ応えるためのCGS事業をBPO事業を通じて長年培ったワーカーへのディレクションノウハウをフル活用しつつ効率的に運営していくといった各セグメント間のシナジーを土台にした経営体制は当社の強みであり、一朝一夕で模倣されるスキームではないと考えております。

万が一、当該リスクが顕在化した場合は、市場での当社の価値の希薄化により顧客の他社への流出による売上高や利益の減少等の重大な業績への影響が発生することが懸念されますが、上記のスキームのもと、新たなCGS事業を継続的に生み出すことにより、当社の市場における独自性・優位性をさらに強固なものにしていくことで、当該リスクの顕在化に対する未然防止を図っていく次第です。

 

 

(4) 法規制強化による既存事業への法的制約の発生や新規分野への事業展開に際する新たな法的制約の発生のリスク

現在、日本国内においてインターネットに関連する主要な法規制は電気通信事業法等があり、また、BPO事業に関連する法規制としてe-文書法等があります。当社はこれら法規制を厳格に遵守する体制を整備しているところですが、今後、法規制が強化された場合やCGS事業において新規領域へ進出する場合は、常に様々な法規制・法改正に注意を払い適切に対応することが求められることから当社は当該リスクを「重要なリスク」と位置づけております。

法規制強化については、現時点で合理的に顕在化の時期を見積もることができるものではないと考えておりますが、常に世間の動向をチェックしつつ、必要がある都度、適切に対応してまいります。新規領域へ進出する際の新たな法的制約発生のリスクについて、現時点では具体的な時期を名言できる材料となるような新規CGS事業の展開は検討されておりませんが、新規CGS事業の創出時期については特定の期間を定めているわけではございませんので、場合によっては当該リスクは2024年3月期中にも顕在化する可能性のあるリスクだと考えております。

法的制約が新たに発生した場合は、対応にかかる費用の発生や法違反が生じた場合の信用低下といった影響が及ぶことが予想されますが、そのようなリスクの顕在化を防ぐためにも当社では担当部署を中心に適宜外部の専門家を活用しながら、厳格な法令遵守体制を構築しております。

 

(5) システム障害のリスク

当社グループの事業は、インターネット接続環境の安定した稼働を前提として運営されており、システム障害により安定的にサービスの提供ができない状況が発生すると、重大な影響が及ぶ懸念があることから、当社は当該リスクを「重要なリスク」と位置づけております。

当該リスクが顕在化する要因としては人為的なミスから自然災害に起因するものまで様々なものが想定されるため顕在化する時期を合理的に見積もることは困難だと考えておりますが、万が一、当該リスクが顕在化した場合に備えて当社ではバックアップ体制や強固なセキュリティの構築等に常時努めております。

 

(6) 人材成長の停滞のリスク

当社の中期経営計画においては、優秀な人材の採用のための投資を最重要項目の一つとして掲げており、同中期経営計画の4年目に当る当連結会計年度末においては、臨時雇用者を含む従業員数が338名(前連結会計年度比37名増)と施策自体は順調に進捗しております。一方で、今後は確保した人材の離職を抑えつつ適切に育成していくことが重要となり、仮に人材の成長が停滞した場合は、当社の成長鈍化に繋がり兼ねないことから、当社は当該リスクを「重要なリスク」と位置づけております。

当該リスクを顕在化させないために当社では定期的な従業者満足度調査と結果に基づく改善策の実施といった全社を挙げての働きやすい環境づくりやOJT・OFF-JTを織り交ぜた研修体制、各種成長支援制度の整備をしています。

 

 

(7) クラウド・ソーシングビジネスを展開することにかかるリスク(知的財産権侵害、風評被害、個人情報流出等)

当社はクラウド・ソーシングビジネスを展開しておりますが、同ビジネスは、不特定多数のクライアントとワーカーによる様々な案件の受発注が繰り返されるプラットフォームとなっております。

このような状況においては、ユーザー間における第三者の知的財産権侵害やユーザー間のメッセージ交換に際する風評被害、個人情報の流出、その他違法行為が発生する懸念があります。また、クラウド・ソーシングビジネスを展開するに当たり、当社はワーカーの個人情報を大量に保有していることから当社自身が保有する個人情報を流出させる懸念も拭いきれません。当該リスクが顕在化した場合は、当社の事業及び業績に重大な影響を及ぼすことが予想されることから当社は当該リスクを「重要なリスク」と位置づけております。

登録ワーカーの行動をすべて統制することは事実上不可能であり、これらリスクの顕在化を完全に排除することは困難だと考えております。これに対し当社では、各種禁止事項を定めた利用規約を制定し、当該利用規約の内容に同意したユーザーにのみ利用いただくなどの対応策を取っております。また、当社が保有する個人情報の流出リスクについては、リスクを顕在化させないために「個人情報の保護に関する法律」の適用を受けているうえ、当社において情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)認証を取得、子会社である株式会社うるるBPOにおいてISMS認証及びプライバシーマークを取得するなどの対応策を取っております。

万が一、当該リスクが顕在化した場合は、速やかに状況を整理したうえ、必要に応じて外部の専門家を活用しつつ、取締役会や部長会などで迅速に意思決定を行い、適切な対応策等を実施していく次第です。

 

(8) 国内BPO市場及び国内クラウド・ソーシング市場の縮小のリスク

当社は、クラウド・ソーシングビジネスやクラウドワーカーを活用したCGS事業並びに子会社である株式会社うるるBPOにおいて、BPO事業を展開していることから、国内クラウド・ソーシング市場や国内BPO市場が縮小した場合、当社の事業及び業績に重大な影響を与える影響があると思われることから、当社は当該リスクを「重要なリスク」と位置づけております。

 

(9) 株主還元にかかるリスク(配当政策、新株予約権の行使による株式価値の希薄化)

当社では、株主に対する利益還元を重要な経営課題と考えております。しかしながら、当社グループの主力事業である「NJSS」及び他の事業の投資余地は大きく、積極的な成長投資を行うことで中長期的な売上高成長の加速化を見込めること並びにSaaS企業として売上高成長を加速させることが企業価値の最大化につながるという考えから現時点においては配当をしないという判断をしております。

配当開始の時期は、中期経営計画(2020年3月期~2024年3月期)達成後の2024年3月期以降を目指しており、当社グループとしては、全社一丸となって計画の達成に尽力していく所存です。

また、当社では、当社グループ役員及び従業員等に対するインセンティブを目的として新株予約権を発行しております。これらの新株予約権が行使された場合には、保有株式の価値が希薄化する可能性があります。これらの新株予約権による潜在株式数は当連結会計年度末現在8,000株であり、発行済株式総数6,917,400株の0.12%に相当しております。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

《経営成績等の状況の概要》

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における売上高は4,862,379千円(前年同期比20.7%増)、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額(以下同様))は105,905千円(前連結会計年度は△164,280千円)、営業利益は8,859千円(前年同期は241,449千円の営業損失)、経常利益は5,976千円(前年同期は251,790千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は45,507千円(前年同期は64,401千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

なお、2022年5月13日に開示(2022年6月24日に一部訂正)いたしました業績予想との対比は以下のとおりです。

 

 

当連結会計年度

(当初業績予想)

当連結会計年度

(実績)

当初業績

予想比

売上高

4,850百万円

4,862百万円

100.3%

EBITDA

50百万円

105百万円

211.8%

営業利益又は営業損失(△)

△50百万円

8百万円

経常利益又は経常損失(△)

△60百万円

5百万円

親会社株主に帰属する当期純損失(△)

△90百万円

△45百万円

 

 

 各セグメントの業績は、次のとおりです。

 

事業区分

第 22 期

2022年3月期)

(前連結会計年度)

第 23 期

2023年3月期)

(当連結会計年度)

前連結会計年度比増減

金額

構成比

金額

構成比

金額

増減率

CGS事業 NJSS

1,997,792

千円

49.6

2,386,369

千円

49.1

388,577

千円

19.5

CGS事業 fondesk

454,669

千円

11.3

660,035

千円

13.6

205,366

千円

45.2

CGS事業 フォト

465,072

千円

11.5

572,539

千円

11.8

107,466

千円

23.1

CGS事業 その他

千円

千円

千円

BPO事業

1,081,690

千円

26.8

1,216,020

千円

25.0

134,329

千円

12.4

クラウドソーシング事業

30,068

千円

0.7

27,415

千円

0.6

△2,652

千円

△8.8

合計

4,029,292

千円

100.0

4,862,379

千円

100.0

833,087

千円

20.7

 

 

 

① CGS事業 NJSS

CGS事業の主力SaaSである「NJSS」については、「ARPU(一件当たり日割り売上高)と有料契約件数の最適化を図ることで将来にわたる売上高を拡大する」という方針に基づき各種施策を展開した結果、有料契約件数は、解約数を抑えつつ新規契約を着実に獲得することができたことから、2023年3月末時点で5,722件と、2022年3月末比で1,018件増加いたしました。ARPUは1,164円となりましたが、今後、新機能リリース等により、中長期的に維持・増加を目指してまいります。

また、カスタマーサクセスの強化により、有料契約件数をベースにした12ヶ月平均の解約率は1.44%(同2022年3月末1.48%)と前連結会計年度から1.4%台を維持し、ARR(年間経常収益)も約25億円と成長を続けております。

この結果、当連結会計年度におけるCGS事業 NJSSの売上高は2,386,369千円(前連結会計年度比19.5%増)となり、セグメントEBITDAは940,901千円(前連結会計年度比33.8%増)、セグメント利益は920,757千円(前連結会計年度比32.3%増)となりました。

 

NJSS KPI

前連結会計年度

当連結会計年度

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

売上高(百万円)

467

490

518

520

552

584

608

640

EBITDA(百万円)

191

178

188

145

191

216

268

265

有料契約件数

4,139

4,388

4,480

4,704

4,968

5,183

5,398

5,722

ARPU (円)

1,226

1,199

1,232

1,213

1,195

1,195

1,190

1,164

解約率(%)

1.55

1.48

1.46

1.48

1.45

1.46

1.42

1.44

LTV(千円)

2,153

2,229

2,337

2,220

2,255

2,264

2,318

2,189

ARR(百万円)

1,891

1,972

2,048

2,127

2,215

2,312

2,374

2,471

 

(注) 1.ARPU:有料契約一件当たりの日割り売上高。

     2.解約率:前月末有料契約件数に対する当月解約件数の割合上表は12か月平均の数値。

     3.LTV:「顧客生涯価値」。ARPU×1/解約率×粗利率90%で算出。

     4.ARR:「年間定額収益」。各四半期末時点のMRRに12を乗じて算出。

 

② CGS事業 fondesk

CGS事業におけるSaaSである「fondesk」は、マーケティング施策の実施など成長投資を行ったことによりコストが増加いたしましたが、バックオフィス業務のDX化を支援するサービスの一つとしての認知をさらに拡大させ着実に需要を取り込んだことで、2023年3月末時点で有料契約件数が4,054件(2022年3月末比739件増加)と成長いたしました。また、2022年7月1日に行った料金改定による従量料金の増加によりARPUが14,810円となりました。加えて継続的なプロダクト・サービス改善によって、直近12ヶ月の平均月次解約率は過去最低水準の1.5%を維持しております。

この結果、当連結会計年度におけるCGS事業 fondeskの売上高は660,035千円(前連結会計年度比45.2%増)となり、セグメントEBITDAは△30,178千円(前連結会計年度は△73,437千円)、セグメント損失は31,014千円(前連結会計年度は74,019千円の損失)となりました。

 

fondesk KPI

前連結会計年度

当連結会計年度

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

売上高(百万円)

102

110

120

121

136

167

175

180

EBITDA(百万円)

1

2

1

△78

△4

11

35

△72

有料契約件数

2,552

2,814

3,105

3,315

3,550

3,718

3,896

4,054

ARPU (円)

13,361

13,074

12,920

12,230

12,840

14,987

15,056

14,810

解約率(%)

2.5

2.0

1.9

1.6

1.6

1.6

1.5

1.5

ARR(百万円)

481

486

547

668

703

720

 

(注)1.ARPU:有料契約一件当たりの月割り売上高。

    2.解約率:前月末有料契約件数に対する当月解約数の割合。上表は12か月平均の数値。

    3.ARR:「年間経常収益」。各四半期サブスクリプション売上高と各四半期リカーリング売上高の合計に4を乗じて算出。

 

③ CGS事業 フォト

CGS事業におけるSaaSである「えんフォト」は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けながらも、着実に契約園数を増加させることができ、ARR(年間経常収益)も約6億円と成長を続けております。また、2020年12月に完全子会社化した出張撮影マッチングサービス「OurPhoto(アワーフォト)」を運営するOurPhoto株式会社とのシナジー創出等に注力しつつ、サービス成長やユーザー利便性向上のための施策を着実に実施いたしました。

この結果、当連結会計年度におけるCGS事業 フォトの売上高は572,539千円(前連結会計年度比23.1%増)となり、セグメントEBITDAは△210,421千円(前連結会計年度は△219,286千円)、セグメント損失は241,967千円(前連結会計年度は250,396千円の損失)となりました。

 

フォト KPI

前連結会計年度

当連結会計年度

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

売上高(百万円)

101

90

139

133

126

114

170

161

EBITDA(百万円)

△32

△54

△64

△67

△56

△74

△40

△38

えんフォト 契約園数

3,072

3,207

3,318

3,662

3,757

3,835

3,942

4,186

えんフォト 園当たり売上高(円)

23,517

28,711

32,347

27,097

25,222

28,983

34,882

えんフォト ARR(百万円)

381

473

407

386

457

584

OurPhoto 撮影件数(件)

4,022

3,206

9,648

2,760

4,551

3,165

9,381

3,138

 

(注) ARR:「年間経常収益」。各四半期リカーリング売上高に4を乗じて算出。

 

 

④ BPO事業

BPO事業におきましては、SaaS型自動化サービス「eas(イース/Entry Automation System)」におけるマーケティング施策などの成長投資を行いつつも、新型コロナウイルスの影響によるリモートワークの社会浸透を背景とする紙の電子化需要などにより引き合いが好調に推移いたしました。また、引き合いが好調な状況を背景に2023年3月より徳島第三センターの稼働を開始したことに加え、同月にSaaSの裏側を人力でサポートする業務において複雑かつ高難度な対応をメインとした業務の受け入れ体制づくりのため、大分県に大分センターを設立しております。

この結果、当連結会計年度におけるBPO事業の売上高は1,216,020千円(前連結会計年度比12.4%増)となり、セグメントEBITDAは62,698千円(前連結会計年度比30.6%増)、セグメント利益は28,136千円(前連結会計年度比56.5%増)となりました。

 

BPO KPI

前連結会計年度

当連結会計年度

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

売上高(百万円)

247

297

253

282

239

323

288

364

EBITDA(百万円)

18

50

△20

△1

△7

50

7

11

 

 

⑤ クラウドソーシング事業

クラウドソーシング事業におきましては、「シュフティ」に登録されているクラウドワーカー数は2023年3月末時点で約45万人となっておりますが、CGSにリソースを供給するためのプラットフォームとして、ユーザー利便性向上のためのサービス改修や安定的運営のためのカスタマーサポート改善に継続的に取り組んでおります。

この結果、当連結会計年度におけるクラウドソーシング事業の売上高は27,415千円(前連結会計年度比8.8%減)となり、セグメントEBITDAは△13,993千円(前連結会計年度は△30,123千円)、セグメント損失は14,370千円(前連結会計年度は30,604千円の損失)となりました。

 

クラウドソーシング KPI

前連結会計年度

当連結会計年度

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

売上高(百万円)

7

7

8

7

7

7

6

6

EBITDA(百万円)

△9

△7

△5

△8

△2

△4

△7

0

 

 

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ409,032千円減少し、2,396,104千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減率

営業活動によるキャッシュ・フロー

△30,696千円

328,863千円

投資活動によるキャッシュ・フロー

△416,772千円

△695,046千円

財務活動によるキャッシュ・フロー

△39,205千円

△42,849千円

 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは328,863千円の収入(前連結会計年度は30,696千円の支出)となりました。この主な要因は減価償却費68,619千円の計上のれん償却額28,426千円の計上契約負債の増加282,805千円によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは695,046千円の支出(前連結会計年度は416,772千円の支出)となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得による支出81,133千円無形固定資産の取得による支出205,809千円連結の範囲の変更を伴う子会社株式取得による支出260,629千円投資有価証券の取得による支出138,911千円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは42,849千円の支出(前連結会計年度は39,205千円の支出)となりました。この主な要因は、長期借入金の返済による支出41,810千円によるものです。

 

 

(3) 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績

当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

b.受注状況

BPO事業において受注が発生するものの、受注から納品までの期間が短く見込納品額は変動するケースがあるため、受注額の掲載を省略しております。

 

c.販売実績

最近2連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

(単位:千円)

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

CGS事業 NJSS

1,997,792

2,386,369

CGS事業 fondesk

454,669

660,035

CGS事業 フォト

465,072

572,539

CGS事業 その他

BPO事業

1,081,690

1,216,020

クラウドソーシング事業

30,068

27,415

報告セグメント計

4,029,292

4,862,379

合計

4,029,292

4,862,379

 

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の販売先がないため、省略しております。

 

《経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容》

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(財政状態及び経営成績等)

「《経営成績等の状況の概要》 (1) 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。

 

 

(経営成績等に重要な影響を与える要因)

当社グループのCGS事業は、いずれもストック型・サブスクリプション型のビジネスモデルであるため、その有料契約件数及び一有料契約当たりの総契約額が経営成績等に重要な影響を与えます。

CGS事業の主力サービスである「NJSS」においては、過去に営業体制とプロダクトが抱える課題によって成長が鈍化していたという認識があります。具体的には、営業体制に関しては、組織構造及び重視するKPI等が適切ではなかったことにより各社内部門が部分最適に陥っておりました。また、プロダクトに関しては、抜本的システム改修がなされていなかったことにより顧客利便性が不十分となっておりましたが、営業体制については人員強化を図ったうえプロダクトに関しては2021年7月にフルリニューアル第一弾を実施いたしました。今後はNJSSをSaaS事業としてさらに成長させていくため「解約率を維持・改善しつつ、ARPU(一件当たり日割り売上高)と有料契約件数の最適化を図ることで将来に渡る売上高を拡大する」という方針のもと有料契約件数増加トレンドの継続・チャーンレートのさらなる抑制・プロダクトへの機能追加やこれまでターゲットとしていなかった顧客層へのアプローチの開始等により事業価値を向上させていきたいと考えております。

BPO事業においては、紙の電子化需要などにより引き合いが好調に推移し、2023年3月より徳島第三センターの稼働を開始したことに加え、同月にSaaSの裏側を人力でサポートする業務において複雑かつ高難度な対応をメインとした業務の受け入れ体制づくりのため、大分県大分市に大分センターを設立しております。引き続き2024年3月期においても各センターにおける強固且つ多様な施工体制を土台に、インボイス制度開始や電子帳簿保存法施行に伴って発生する各種ニーズへの対応やSaaSの裏側のサポート等を通じて、継続的な成長と利益率の向上を図っていくことが重要であるという認識でございます。

クラウドソーシング事業については、CGS事業のためのプラットフォームとしての位置付けであり、当面横ばいの業績を見込んでいることから経営成績等への重要な影響を与える要因はないという認識です。

 

その他の経営成績等に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりです。

 

(2) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容)

キャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

当連結会計年度においては、無形固定資産の取得による支出205,809千円や連結範囲の変更を伴う子会社株式取得による支出260,629千円、投資有価証券取得による支出138,911千円なども行った結果、現金及び現金同等物は409,032千円減少いたしました。しかしながらそれでもなお当連結会計年度末における現金及び現金同等物は2,396,104千円、有利子負債控除後のネットキャッシュの金額は2,357,224千円となっており、手元流動性には懸念がないものと認識しております。

 

(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)

当社グループは、2017年3月の東証マザーズ上場時に第三者割当増資によって約13億円の資金調達を行いました。また、主力事業であるNJSSにおいて、原則として契約金額全額を顧客から前払いで受領していることにより、契約が増加すればするほど貸借対照表上の契約負債が増加していくため、正常運転資金は基本的に発生しない財務構造となっております。

これらの要因により、当連結会計年度末時点において、現金及び預金が約24億円、有利子負債控除後のネット・キャッシュも約23.5億円あるなど、当社の資金の流動性は当面十分であると考えております。

上記資金は、今期については中期経営計画(2020年3月期~2024年3月期)達成に向けて一定程度抑制する見込みですが中長期的には成長投資(人材採用・システム開発・広告宣伝等)等やM&Aに投下してまいります。

 

 

(3) 重要な会計方針及び見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択、適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成の基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。