文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは「電子部品の製造とサービスを通じて世界のお客様に満足して頂ける仕事をいつも提供し続けることにより、豊かな社会の実現に貢献すること」を企業理念としております。
この理念のもと、可変抵抗器、固定抵抗器、センサー等の電子部品と、顧客のニーズに応えたカスタムユニットである前面操作ブロック[ICB]製品を開発、製造、販売してまいりました。ここで培った経験と蓄積された技術をベースに、「抵抗器のNOBLEから新生NOBLEへの深化と進化」を長期ビジョンに、Change(チェンジ:革新)、Challenge(チャレンジ:挑戦)、Communicate(コミュニケート:連携)の三つのCを行動指針として、これからの社会が求める新たな製品や技術に貢献できる部品やサービスを提供していく所存であります。
(2) 中長期的な経営戦略等
当社グループの置かれている市場環境は、顧客ニーズの高度化・多様化により、顧客からの要請への更なる対応が求められる一方で、EV車などの脱炭素化加速や5Gなどによる電子部品の需要増加が見込まれ、「顧客ニーズに合わせた製品ラインナップの拡大」「注力業界への対応力の強化」「時代のトレンドを先読みした製品開発」を目指し未来のNOBLEを見据えて、「抵抗器のNOBLEから新生NOBLEへの深化と進化」を長期ビジョンとして、2021年5月に中期5ヵ年計画を策定し、以下の項目を中長期的な基本戦略として取り組んでおります。
①既存領域の拡大
省エネ分野、EV分野へのセメント抵抗の拡販、医療・ヘルスケア分野の横展開によるセンサーの売り上げ拡大、ソフト(回路)の拡充による既存顧客への売り上げ拡大など、既存業界への製品の横展開を目指します。
②顧客ニーズを捉えた新製品展開
非接触スイッチ、非接触ポジションセンサー、チップ型固定抵抗など、顧客ニーズ・トレンドを捉えた新製品の開発を行います。
③新領域の確立(チャレンジ分野)
上記に加え、長期的なチャレンジ分野として、5Gに関連した通信・公共分野への参入など、トレンド分野への展開、防災、医療・ヘルスケア、介護分野への参入など社会課題解決への貢献を目指します。
(3) 目標とする経営指標
当社グループは、すべてのステークホルダーの視点に立った経営を進め、2021年5月に発表した中期経営計画の着実な実行による市場拡大、設備、インフラ、人材投資を含めた次期中期経営計画を見据えた投資計画による適正利益追求、適切な投資と株主への安定的な利益還元及び社員への還元を重要課題として捉えております。その中期経営計画の着実な実行の結果、2021年5月に策定した当初数値目標を上回る結果となり中期経営計画の数値見直しを行い、2022年5月に一部修正を行いました。今中期経営計画の最終年度である2025年度の修正後の数値目標につきましては、売上高180億円、営業利益17億円を目指します。
さらに、当社は脱炭素社会の実現のためカーボンニュートラル目標を設定し、グループ全体のScope2におけるサプライチェーン排出量の削減目標を2030年に2020年比50%、2050年には排出量ゼロ(再生可能エネルギー100%)を目指します。
(4) 経営環境と対処すべき課題
当社グループは、2021年5月に策定した、未来のNOBLEを見据えて、「抵抗器のNOBLEから新生NOBLEへの深化と進化」を長期ビジョンとした中期5ヵ年計画の3年目にあたる次期は、その目標達成に向けて、センサー・医療・非接触を合言葉に、医療や産業機器分野への拡販を推し進め、既存領域の拡大を図り、また、非接触センサー開発などにより、顧客ニーズを捉えた新製品の展開を行ってまいります。
加えて、次期中期経営計画の課題となる新領域の確立の取組を進めており、5G関連の製品開発強化による通信・公共分野の開拓や、当社技術「センサー」+新規開拓テーマ「水」+SDGs「社会貢献活動」をにらんで、社会課題解決への取組強化のため、防災、医療・ヘルスケア、介護分野の開拓を進めてまいります。一方、製造工場のDX化に向けた設備投資を進め、独自のI.o.T機能を持たせた製造ラインの導入・拡大や省人化、無人化など生産性向上とコストダウンを継続的に行い、競争力強化を図るとともに生産の最適化や環境問題・BCPの観点から生産地の見直しも検討してまいります。さらに、当社は脱炭素社会の実現のためカーボンニュートラル目標を設定し、グループ全体のScope2におけるサプライチェーン排出量の削減目標を2030年に2020年比50%、2050年には排出量ゼロを目指します。
今後の経済見通しにつきましては、半導体、電子部品や原材料等の供給難や、サプライチェーンの混乱は緩和しつつあり、中国におけるゼロコロナ政策解除等経済活動の正常化による上振れなど、景気回復の期待が高まったものの、ロシア・ウクライナ情勢や米中関係における緊張の継続など地政学リスクや、インフレの継続、米国・欧州における金融引き締めによる景気後退リスク等、先行きは不透明な状況の継続が想定されます。
当社グループの属するエレクトロニクス業界においては、世界的な半導体不足による顧客における生産計画調整の継続や在庫調整など、今後の受注動向に関し、依然として予断を許さない状況が続いています。利益面においても、エネルギー価格や原材料価格の上昇、為替変動等の懸念材料があります。
その結果、現時点の2024年3月期通期の連結業績予想につきましては、売上高165億円、営業利益15億円を目指します。
前提となる為替レートはUS$1=¥130を想定しております。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) ガバナンス
当社グループは、サステナビリティに関わる基本方針、重要事項、リスク・機会などを検討・審議する組織として、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置して、当該委員会に対して取締役会が監督・指示を行います。
(2) 戦略
世界的な脱炭素社会の実現に向けた取り組みとして、当社グループは、中長期的なリスクの一つとして「気候変動」を重要なテーマとして捉え、関連リスクおよび機会を踏まえた戦略と組織のレジリエンスについて検討するため、IEA(国際エネルギー機関)やIPCC(気候変動に関する政府間パネル)による気候変動シナリオ(2℃未満シナリオおよび4℃シナリオ)を参照し、2050年までの長期的な当社グループへの影響を考察し、国内電子部品事業を中心にシナリオ分析を実施しております。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略
当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針を下記の通り定めております。
■人材育成と社内環境整備に関する方針■
当社グループは、豊かな社会の実現という企業理念を礎に長期ビジョンとして「抵抗器のNOBLEから新生NOBLEへの深化と進化」を掲げており、それを達成する源泉は人材であると位置づけています。人権を尊重し、人種・国籍・性別・信仰・信条・心身障害等を理由とする差別やセクシャルハラスメント、パワーハラスメント等の嫌がらせのない健全な職場環境を確保し、多様な人材が十分にその能力を発揮できる職場環境整備に努め、グローバルフィールドで活躍できる人材の育成に積極的に取り組んでいきます。
1.目指すべき人材像
グループ全体の行動指針として掲げる3つのC(Change・Challenge・Communicate)を主軸に置き、下記の人材を目指すべき人材像としています。
Change
「時代の変化を柔軟に捉え、未来に向かって革新できる人材」
Challenge
「自主・自立・自発の精神を持って挑戦し、現状に満足することなく前進していく人材」
Communicate
「世界中のステークホルダーと信頼関係を築ける質の高いコミュニケーション能力を有した人材」
2.環境整備
(1) 多様な人材の採用
女性、障がい者、外国人、キャリア採用など多様な人材の採用に取り組んでいきます。
(2)安全で働きやすい職場環境
労働安全衛生や労働条件に関する法令等を遵守し、安全で適正な労働条件のもと働きがいのある、働きやすい職場の実現を目指して取り組んでいきます。
(3)多様な働き方の実現
社員の多様な生き方を尊重し、在宅勤務制度や時差出勤制度等(セレクトタイム制度)による多様な働き方を推進していきます。
(4)教育研修の提供
社員が自身の知識や能力を磨いて、成長へとつなげられるよう公平かつ平等な教育研修の機会を提供していきます。
(3) リスク管理
当社グループの経営上のリスクを総合的に分析、把握して対策を講じる内部統制委員会と気候関連リスクを含むサステナビリティ全般の分析・対策の立案と推進を図るサステナビリティ委員会が連携し、全社的なリスクマネジメント活動を推進しております。また、緊急事態が発生した際には危機管理センターを設けて当社グループ全体で対応する体制をとっております。サステナビリティ全般に関するリスク管理は、当社の「サステナビリティ方針」に基づき、当社グループ全体のサステナビリティ関連リスクを分析、把握し、リスクの低減と機会獲得にむけた課題対応の実施状況等をモニタリングする体制としています。
(4) 指標及び目標
当社グループは気候関連問題が経営に及ぼす影響が重要であると認識し、その影響を評価・管理するため、Scope1とScope2に該当する温室効果ガス(GHG)のうち、CO2総排出量を指標とします。気候関連問題に対する目標値として下記を設定しております。
※Scope1とScope2の目標と実績は、「帝国通信工業株式会社および連結対象グループ企業」を対象としております。
主な削減への取り組みは、従来からの取り組みに加えて、さらなる再生可能エネルギー導入や設備投資等を踏まえて、CO2排出量削減策を検討、順次開示し、脱炭素社会への貢献に向けて取り組んでまいります。
(5) 人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標
当社グループでは、上記「(2) 戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む「人材育成に関する方針」及び「社内環境整備に関する方針」について、次の指標を用いております。
備考:当社は女性活躍推進法に基づく開示対象義務会社には該当しておりません。ただし、社会からの要請などに基づき積極的な対応は検討しておりますが、従業員の女性比率の低さもあり充分な対応ができている状況ではございません。そのため、まずは女性比率を上げるため、企業価値の向上に務め誰からも選ばれる企業となるべく努力し、採用における応募者の元となる母集団形成における女性比率向上を目指してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下とおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは電子部品の製造販売を主たる事業としておりますが、その顧客のほとんどはグローバルに展開する電子機器セットメーカーであります。世界各地の経済状況やセット(電子機器製品)市場の変化が直接的・間接的に当社グループの業績に影響を与えることがあります。
当社グループはデジタル家電や自動車市場向け売上の比率が高く、これらの市場の変化が直接的・間接的に当社グループの業績に影響を与えることがあります。
当社グループはこれらの市場を構成する顧客に対して幅広く取引を行うように努めておりますが、特定顧客による市場の寡占化が進むケースもあり、その場合には特定顧客の動向が当社グループの業績に影響を与えることがあります。
当社グループは顧客に満足していただける品質の製品やサービスを提供することを企業理念としておりますが、不測の事態により顧客に多大な損害を与える場合があります。この場合、顧客から損害賠償を請求される可能性もあります。
当社グループの継続的な成長は、優秀な人材の確保と育成に大きく依存しております。労働力人口の変化や雇用環境の多様化が進む中で、人材の流出防止や新たな人材の獲得が出来ない場合は、当社グループの成長や業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの主要な製品である前面操作ブロック(ICB)ですが、この製品は顧客の機器の機種別に開発したカスタム製品です。従って、顧客の設計開発状況によりその受注成約が左右されることがあります。また、顧客の生産計画の変更により当社グループの生産・出荷が影響を受けます。
当社グループは常に国内外の同業他社と競合しております。優位に立ち続ける努力は継続しておりますが、他社に先行され優位に立たれ、当社グループの業績に影響を与えることもあります。
当社グループの生産及び販売は日本の他、タイ、中国、ベトナム、シンガポール、米国の各国で行われております。これらの海外事業所における財務諸表は現地通貨建あるいはUSドル建で作成されており、当社の連結財務諸表作成時に円換算されております。従ってこれらの通貨の日本円に対する為替の変動の影響を受けます。
また日本を含む各事業所の海外取引において日本円の他にUSドル等が使用されているため、それぞれの通貨の為替の変動の影響を受けます。
当社グループは、事業活動において取得する財務情報、機密情報、個人情報等を、電子情報等の形式で蓄積・利用しております。これらの情報の管理は、ハード・ソフト両面において、その都度必要なセキュリティ対策を講じるとともに、基幹システムの冗長化も図っております。しかしながら、コンピューターウィルスによる第三者からの攻撃、不正アクセス等によって、保有する機密情報・個人情報の漏洩、基幹システムの障害が発生した場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが事業展開する日本及び海外においていくつかのリスクが潜在しております。
当社グループは、一部の自然災害などの偶発的なリスクによって通常の業務運営が困難となった場合に備え、事業活動の低下を最小限にとどめるため、BCP計画の策定を進め、事業を継続するための対応を定めております。
また、新型コロナウィルス感染症対応についても、再拡大の懸念は完全に払拭されていませんが、社会活動の活性化に合わせて、リスク管理と並行しながら活動を正常化しております。
しかしながら、自然災害、火災、電力その他の社会的インフラの障害、通信・放送の障害、流通の混乱、大規模な事故、その他感染症流行、戦争、テロ、政情不安、社会不安等が発生した場合、事業継続に支障をきたす事象が発生して、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(経営成績等の状況の概要)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度の世界経済は、新型コロナウイルスによる行動制限緩和や、中国におけるゼロコロナ政策解除等、社会経済活動の正常化が進み、景気回復への期待が高まったものの、インフレ抑制に向けた欧米での政策金利引き上げにより、先行きの不透明感が増し景気回復にブレーキをかけることとなりました。一方で、半導体、電子部品や原材料等の供給難やサプライチェーンの混乱は緩和しつつありますが、長期化するロシア・ウクライナ情勢により資源価格の上昇やコロナ禍で抑制されていた需要回復により物価上昇は継続しており、依然として予断を許さない状況が続いています。
わが国経済は、新型コロナウイルス感染症の規制緩和による社会経済活動の正常化が進み、堅調に推移するも、円安による物価上昇圧力が強まり、天然資源、食料品やエネルギー価格高騰の影響から、回復は緩やかなものとなりました。
当社グループの属するエレクトロニクス業界においては、自動車電装市場やアミューズメント市場向けなどにおいて、半導体・部材不足やサプライチェーンの混乱の緩和に伴い、各社とも挽回生産を計画したものの、本格的な回復には至りませんでした。
このような状況の中当社グループは、2021年5月に策定した中期5ヵ年計画の第2ステップにあたる今期は、その目標達成に向けて、医療や産業機器分野への拡販を推し進め、既存領域の拡大を図り、また、非接触センサー開発などにより、顧客ニーズを捉えた新製品の展開を行ってまいりました。その結果、特に医療分野においてはまだ比率は低いものの、着実に成果が出てきております。
加えて、次期中期経営計画の課題となる新領域の確立の取組を進めており、5G関連の製品開発の強化による通信・公共分野の開拓や、当社技術「センサー」+新規開拓テーマ「水」+SDGs「社会貢献活動」をにらんで、社会課題解決への取組強化の為、防災、医療・ヘルスケア、介護分野の開拓を進めており一部で試験的な供給を開始いたしました。さらに製造工場のDX化に向けた設備投資を進め、独自のI.o.T機能を持たせた製造ラインの導入・拡大や、省人化、無人化など生産性向上とコストダウンを継続的に行い、競争力強化を進めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は164億93百万円(前年同期比9.2%増)となりました。営業利益は16億1百万円(前年同期比5.7%減)、経常利益は21億92百万円(前年同期比8.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は13億85百万円(前年同期比12.4%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
電子部品事業においては自動車電装市場やカメラ関連市場、アミューズメント市場等全体的に半導体等の供給不足が改善されてきており、当連結会計年度は前連結会計年度と比較し、アミューズメント市場向けや医療ヘルスケア向けが大きく伸び、自動車電装向け、生活家電向けも順調に推移いたしました。
この結果、電子部品の売上高は159億64百万円(前年同期比9.7%増)となり、営業利益は15億19百万円(前年同期比9.0%減)となりました。
その他の事業においては環境対応緩衝材が医療機器向けや自動車電装向けに順調に推移しましたが、半導体関連市場向けは顧客の生産調整の影響を受けました。また、機械設備の製造販売は低調でした。
この結果、その他事業の売上高は5億28百万円(前年同期比4.4%減)、営業利益は82百万円(前年同期比713.2%増)となりました。
財政状態の状況は次のとおりであります。
当連結会計年度末の財政状態につきましては、総資産が前連結会計年度末に比べ12億18百万円増加し、303億6百万円となりました。その内訳は、流動資産が12億62百万円増加し190億74百万円、固定資産が43百万円減少し112億32百万円となっております。
負債は前連結会計年度末に比べ1億29百万円減少し、46億9百万円となりました。その内訳は、流動負債が2億31百万円減少し26億62百万円、固定負債は1億1百万円増加し19億46百万円となっております。
これらの結果、純資産は前連結会計年度末に比べ13億48百万円増加し256億97百万円となり、自己資本比率は前連結会計年度末の81.9%から82.9%となりました。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、次のとおりとなりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られたキャッシュ・フローは、16億34百万円(前年同期は17億88百万円)となりました。これは、税金等調整前当期純利益20億43百万円(前年同期は20億30百万円)、減価償却費8億21百万円(前年同期は7億75百万円)、仕入債務が4億42百万円減少(前年同期は2億45百万円の増加)したことなどによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は5億34百万円(前年同期は7億57百万円の使用)となりました。これは、有形固定資産の取得に8億60百万円(前年同期は5億92百万円)、投資有価証券の償還により4億0百万円獲得したことなどによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は7億50百万円(前年同期は6億48百万円の使用)となりました。これは配当金の支払い6億37百万円(前年同期は4億92百万円)などによります。
この結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物の残高は、6億2百万円増加(前年同期は6億67百万円の増加)し、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は81億12百万円(前年同期は75億10百万円)となりました。
(3) 生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 金額は販売価格によっております。
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上を占める相手先がいないため記載を省略しております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績は、電子部品事業においては、半導体、電子部品や原材料等の供給難やサプライチェーンの混乱は緩和しつつあり、中国におけるゼロコロナ政策解除等経済活動の正常化による上振れなど、景気回復の期待が高まったものの、ロシア・ウクライナ情勢や米中関係における緊張の継続など地政学リスクや、インフレの継続、米国・欧州における金融引き締めによる景気後退リスク等、先行きは不透明な状況の継続が想定されます。
そのような中、電子部品事業においては自動車電装市場やカメラ関連市場、アミューズメント市場等全体的に半導体等の供給不足が改善されてきており、当連結会計年度は前連結会計年度と比較し、アミューズメント市場向けや医療ヘルスケア向けが大きく伸び、自動車電装向け、生活家電向けも順調に推移いたしました。
一方、その他の事業においては、環境対応緩衝材が医療機器向けや自動車電装向けに順調に推移しましたが、半導体関連市場向けは顧客の生産調整の影響を受けました。また、機械設備の製造販売は低調でした。
連結売上高は前連結会計年度と比べ9.2%増加し164億93百万円となり、営業利益は前連結会計年度と比べ5.7%減少し16億1百万円となりました。
当社グループの主要セグメントである電子部品事業を地域別に分析いたしますと、日本では、第4四半期に一部の客先で半導体入手難がぶり返したものの、全体的には好調なアミューズメント需要に引っ張られた形ですが、自動車電装向け前面操作ブロックや産業機器向け機構部品も順調に推移しました。この結果、売上高は79億72百万円(前年同期比8.9%増)、営業利益は2億円96百万円(前年同期比67.0%減)となりました。
アジアでは、第1四半期に発生した上海ロックダウンの影響で落ち込んだ受注は、第2四半期以降順調に回復し、アミューズメント市場向けやデジタルカメラ向け前面操作ブロック等が好調に推移いたしました。この結果、売上高は77億11百万円(前年同期比11.3%増)、営業利益は11億44百万円(前年同期比44.3%増)となりました。
北米では、自動車電装向けやプロ用オーディオ向けは、顧客においてコロナ禍による過剰発注をした結果、在庫調整により低調に推移しました。この結果、売上高は2億81百万円(前年同期比7.2%減)、営業利益は17百万円(前年同期比37.0%減)となりました。
経常利益については、後半に円安が進行し前連結会計年度は1億57百万円の為替差益が当連結会計年度は3億48百万円の為替差益となり、前連結会計年度と比べ8.4%増加し21億92百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比べ12.4%減少し13億85百万円となりました。
2021年5月に策定した中期5ヵ年計画の取組施策により、既存領域の拡大や顧客ニーズを捉えた新製品開発を実行し、一部新製品の拡販を開始し、加えて、医療・ヘルスケア分野への取り組みを強化した結果、医療・ヘルスケア向けの売り上げ拡大と、新たな引き合いも増えており既存領域が確実に拡大しております。また、既存市場への製品の横展開、顧客業界のニーズ・トレンドを捉えた新製品開発を進め、既存領域の拡大を目指しております。特に車載分野におけるEV化でも継続使用が見込まれる製品に関しては、確実に横展開が見込まれており、加えて、カメラレンズ向けの当社独自の製品の横展開も図っております。
そのうえで、中期5ヵ年計画を第1、第2、第3ステップの3段階に分け、段階毎の売上高・営業利益の目標値を再設定、既存領域の拡大を目指しており、中期5ヵ年計画第2ステップは基礎となる地固めの年と位置づけ、その着実な実行のための人的投資や設備インフラ投資等による体制強化を図り、将来の事業拡大を見据え積極的な投資計画を策定し、当初2023年度(2024年3月期)中期計画売上高160億円、営業利益14億円から売上高165億円、営業利益15億円に修正いたしました。さらに新領域の拡大を目指す2024年度~2025年度を第3ステップとし、売上高180億円、営業利益17億円を目指してまいります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、顧客の設計、製造が外部のOEMやODMといわれる第三者に委託するケースが発生する等により、受注成約に大きな影響を与える要因となり、また、顧客商品の市場販売状況についても、当社グループの売上高に大きく影響を与えます。
また、ロシアによるウクライナ侵攻の動向、インフレの継続、米国・欧州における金融引き締めによる景気後退リスク、世界的な半導体不足による顧客における生産計画調整の継続や在庫調整、新型コロナウイルス感染症収束後の市場ニーズの変化や供給問題、エネルギー価格や原材料価格の上昇、為替変動の動向等により、当社グループの将来の業績に影響を与える懸念があります。
(2) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (経営成績等の状況の概要) (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源及び資金の流動性として、当連結会計年度末において有利子負債残高が41百万円ありますが、この有利子負債は非連結子会社からの借入金であります。これは当社グループでは財務体質の健全性を堅持し、継続的に効率よく事業投資が行えるよう本社にて資金管理を行い、グループ内の資金を効率よく活用するようにしているためです。
当社グループの資金需要は主に製造費用、販売費用、設備投資や研究開発費用等であり、これらは日常の営業活動によって得られた資金で賄っております。
(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。連結財務諸表の作成にあたり、期末時点の状況をもとに、種々の見積りと仮定を行っていますが、それらは連結財務諸表、偶発債務に影響を及ぼします。連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下のとおりです。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく将来事業計画等の見積りに反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報に基づいて検証等を行っております。
①棚卸資産の評価
当社グループは、棚卸資産について、正味売却価額に基づき収益性の低下を検討しております。また、一定期間を超えて在庫として滞留する棚卸資産についても、簿価を切り下げております。今後の市況や需要動向によっては、追加の評価減が必要となる可能性があります。
当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しています。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。
将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積りに影響を与える要因が発生した場合は、回収懸念額の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、当期純損益額が変動する可能性があります。
退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて計算しています。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い長期債利回りを参考に決定し、また、年金資産の長期期待運用収益率は、過去の運用実績及び将来見通し等を基礎として設定しています。割引率及び長期期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。
④固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、資産のグルーピングをセグメント別に行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しています。
固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
特記事項はありません。
(1) 研究開発の主体、規模
当社グループにおける研究開発は、主として当社の開発部門があたり、新製品の開発等、技術開発を担当しております。また、生産における設備の自動化等の開発は、当社生産技術部門が担当しております。
これらの研究開発にあたっては必要に応じて、他企業等と共同研究開発を行っております。特に当社の提唱する前面操作ブロック製品(ICB製品)及び生体系センサー等の設計開発においては、顧客との密接な共同開発が必要であり、デザイン等顧客の設計初期段階から顧客と一体となって開発を進めております。
(2) 目的及び主要な成果
新製品開発にあたっては、SMDタイプ及びメカトロニクスの原点となるセンサー系製品の開発と、HMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)の一翼を担うICB製品の開発とに主力を注いでおります。特にセンサー用途に使われる抵抗エレメントの新規開発、更なる高精度化、高寿命化を図っております。更に、磁気や光等の非接触センサ-にも取り組んでおります。また固定抵抗においては、素材から見直しを行い、コスト競争力のアップ及びチップ化を図っております。機器のデザインコンセプトに重要な関わりをもつICB製品は、単にディスクリート製品をプリント基板上に搭載しただけのものとは異なり、当社のエレメント技術・成型加飾技術・プレス技術等を駆使して一体に形成したものであります。
その結果、コンパクト化が進展する映像機器事務機器分野においてプロジェクターやデジタルカメラ向けに、多岐にわたるICB製品を市場に送り出すことができました。
更に、当社独自のフィルム技術を応用し、フレキシブル性を生かした3Dデザインに貢献する曲面センサーや、医療分野への商品を展開することができました。
(3) 活動の方針
事務機器・車載・産業機器・住宅設備・医療・AV機器・ゲーム機に、エレメント技術やICB技術を応用できるよう、環境に配慮した要素技術開発に磨きをかけて参ります。そして、HMIとしての新しいデバイス、スクリーン印刷技術や部品実装技術を生かしたフレキシブルなI.o.Tデバイス等の開発に注力し、通信関連やインフラ等の新規市場にも、新たなモジュール製品を提案していく所存であります。更に、新たに参入した医療分野、ヘルスケア分野への生体センサー開発を進化させていく所存であります。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は