当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)企業理念、行動指針、必達
当社グループでは、創業者である高橋 義博が1968年に制定した<必達>を経営方針の中心に据えて経営に取り組んで参りました。職場の目に付くところに掲示し、<必達>に込められた精神、考え方を常に確認すると同時に、従業員への浸透を図ることを行ってきました。
<必達>の精神は、現在においても何らその価値を失っていないものと考えますが、既存の仕事、製品を軸に、役職員個々人の心構えや行動に重点を置いた内容としているため、近年の社会環境、経済環境が変化していく中で、社内外の人との関連性、新しい技術革新、製品開発への一層の目配り、社会の中における当社との連環という視点で、不十分さを感じるような状況になってきました。
そのため、2015年12月開催の当社取締役会において、<必達>の考え方に加える形で、新たに<企業理念>、<行動指針>を規定し、経営方針を一層充実したものといたしました。
これは、すべての経済原則や経営理論は「人」の行動原理に基づくものであるとの理解に立ち、まずは社内外を問わず全ての「人」に興味を持つべきであるとし、技術革新や商品開発など新しいことへの取り組みが、人や企業の活性化につながるという点を改めて確認し、一方、未来に目を向けると、人も企業も他者との連環(関連)の中で生き抜いていかざるをえないことを再認識した上で、社会に必要とされ、社会の発展に資する姿勢を打ち出していくべきとしたものであります。比較的平易な表現とすることで、若手従業員から経営トップに至るまで、<必達>と合わせて、浸透を図ることを企図したものであります。
これらを踏まえ、当社グループは以下の<企業理念>、<行動指針>、<必達>の社是の下、事業活動を行うに当たって人財の付加価値を一層高めることに努め、全てのステークホルダーを尊重し連携を図りながら、地球環境保全などサステナブル社会に対する企業責任を積極的に果たしてまいります。
<企業理念>
・人に興味を持とう
・新しいことに興味を持とう
・未来に興味を持とう
<行動指針>
人間は面白い。
その面白い人間が作っているのが企業であり、また顧客である。
全ての経済原則、経営理論は、人の行動原理に基本がある。
人に興味を持とう。
新しいことはワクワクする。
技術革新や商品開発は顧客や市場を開拓すると同時に、人間も活性化する。
新しいことに興味を持とう。
未来を考えることは楽しい。
未来は子供たちのものだ。
未来を考えれば、人も企業も自分だけでは生きて行けないことが分かる。
顧客の発展が無ければ、当社は富んでも長続きしない。
更に、社会に生かされなければ、人も企業も存続し得ない。
未来に興味を持とう。
一方、当社には1968年に制定した、社是「必達」が存在します。上記の企業理念と共に、歴史ある社是「必達」を、誇りを持って順守しています。
<必達>
私たちはカラーエイジを担う大日精化の社員として<必達>の社是のもとに誇りを持って仕事をすすめよう
1.仕事は必ず目標を立てこれを必達しよう
1.正しい製品知識を身につけ製品普及のチャンスを積極的に求めよう
1.仕事を通じ製品を通じて会社の信用を更に高めよう
1.社会人として常に教養を高め反省を深める機会を持とう
1.仕事を通じて社会に貢献し大日精化を最高の企業体としよう
(2)経営理念
創業者 高橋 義博の「自分の生活が好きな色彩によって包まれたいと思うのが私たちの念願」との言葉にもありますように、世界中の「もっと自由に彩りたい」という願いをかなえるために、当社グループでは、企業理念や社是<必達>のもと、企業としての持続的成長と価値向上を目指した「CSR・ESG基本方針」を制定するとともに、環境、社会、ガバナンス、人権尊重、情報管理、品質管理などの視点から各種方針を制定し、役職員に徹底することで、人財を磨き、全てのステークホルダーに寄り添った彩りと機能性を持った素材をさまざまな分野での企業活動を通じて提供し、社会やお客様の願いに貢献することとしております。お客様の声に十分に耳を傾け、これまで培ってまいりました3つのコア技術、すなわち、①有機無機合成・顔料処理技術、②分散加工技術、③樹脂合成技術と、これらを組み合わせ、素材が持つ特性や機能を生かした製品開発、すなわち、ファンクションテクノロジーを一体となって機能させることにより、お客様の課題解決を提案してまいりました。その結果、生み出してまいりました製品は、色材、機能材、合成樹脂、天然物由来高分子など多岐にわたっており、自動車・電気機器・建材などの部品から日常生活に関連する繊維・パッケージ・情報関連素材まで広範囲な製品に利用・活用されております。今後も、地道で着実な研究開発と、ものづくりを通してお客様や社会の課題解決に貢献することにより、持続的な成長と中長期的な企業価値の創出を目指してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2021年8月に公表の2021年を初年度とする中期経営計画において、ROA(総資産経常利益率)5%、ROE(自己資本利益率)9%とすることを経営目標として掲げましたが、初年度が経過した2022年3月末時点ではROA 4.2%、ROE 5.9%、2年目が経過した2023年3月末時点では、ROA 1.7%、ROE 1.8%の結果となりました。
(4)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題等
当社グループの置かれている経営環境については、以下のとおりと認識しております。
①お客様の国内外の事業展開に寄り添い、収益性、効率性をご提案するために、当社では国内外の拠点の強みを活かした積極的な業務展開、国内、海外の一方に偏することなくバランスのよい業務展開をするべきであることは重要な課題であると認識しております。
②持続的な成長のためには、ESGへの取組みがあらゆる事業活動の基本理念であり、環境配慮(E)、社会貢献(S)の実現のための研究・開発が果たす役割が、特に重要であると認識しております。このため社会全体の持続性、安全性、収益性、効率性、採算性などの側面から十分に検証の上で、前述の「(2)経営理念」に記載の「3つのコア技術」を更に深化させること、新たな技術を取り入れることに、人財と設備、資金を投入していく必要があるものと認識しております。
③ステークホルダーの皆様から信頼される企業として常に選ばれる企業であり続けるためには、上記②で述べたように、長期的・持続的な成長とともに、製品や事業活動を通して地球規模の環境や社会問題へ取り組む企業姿勢と、意思決定の透明性、公正性を確保できるガバナンス体制の下で従業員一人ひとりの思いが企業風土として醸成されることが企業価値の向上においても大きな影響を与えるものと再認識した上で、全社を挙げてE(環境配慮)、S(社会貢献)、G(企業統治)の側面から能動的に活動を促進することが必要と理解しております。
④今後更に、デジタル技術及びデータ分析の活用が、当社グループの競争力の源泉のひとつとして重要性を増し、経営目標を達成するための重要な手段であると認識しております。当社は2018年10月に基幹システムを刷新し、さらなる活用のための周辺システムの整備も着々と進めてきておりますが、より高度化していく外部環境からの要請事項に対し、これまで以上に、適時かつ的確に対応していく仕組みが必要であると認識しております。
⑤当社グループの掲げる中期経営計画の目標達成には、人的資本及び知的財産への投資と活用によるイノベーションの創出が不可欠であると認識し、企業にとって財産である「人財」の育成は重要な経営課題のひとつと考えております。別途定める「人財育成方針」「社内環境整備方針」に沿って、企業と人財が互いに高め合っていくビジョンを共有し、持続可能な成長に向けて、地道にかつ着実に、相互に磨き上げていくことにより、当社グループの成長と人財の成長との間に好循環を生み出すことができるものと確信しております。本件については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人的資本投資・人材育成及び人財の多様性の活用」にて詳細を記載しております。
これらを踏まえ、当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値の創出のため、2021年8月に公表しております中期経営計画の施策を重点的に進めております。
ア、技術主導による競争優位性確保
当社グループでは、技術マネジメント手法を用いて保有する技術を再評価し、社会的なニーズ(ESG)への貢献を最優先課題として、オープンイノベーション、セグメント間のシナジー、知財戦略などを組み合わせ、市場規模・収益性・成長性を評価して、保有している3つのコア技術(1 有機無機合成・顔料処理技術、2 分散加工技術、3 樹脂合成技術)を深化させた技術開発に取り組んでおります。これらを重要な基盤として、2021年、中期経営計画の施策を策定するにあたり、従来の注力4分野(環境、エネルギー、パーソナルケア、IT・エレクトロニクス)を改めて、①IT・エレクトロニクス 機能性材料、②ライフサイエンス・パーソナルケアの二つを新規発展分野、③モビリティ、④パッケージングの二つを継続発展分野として開発対象の中心に据え、資金と人財を積極的に投入することを行い、技術主導による競争優位の確保を目的とした「技術オリエンテッド」体制の構築を目指すことといたしました。これにより、製品の差別化、品質向上により社会貢献度を高め、同時に収益性の確保を図ることといたしました。
2年目が終了した2023年3月末時点における状況は、以下のとおりと認識しております。
①IT・エレクトロニクス 機能性材料
中期経営計画の初年度においては、二次電池用部材、導電性部材、熱伝導性材料、機能性ポリマーなどにおいて、基礎技術に目途を付けると同時に、サンプルワークによる性能評価を進め、また産学連携による新技術を付加することにより、着実な一歩を踏み出すことができました。
2年目においては、二次電池用部材、導電性部材、熱伝導性材料、機能性ポリマー、高付加価値顔料・分散体などにおいて、オープンイノベーション・産学連携を強化し、新技術導入を着実に進め、基礎技術力アップを図ると同時に、応用開発においてもお客様にご採用いただいたアイテムも多数獲得できました。今後、獲得アイテムの生産技術確立とともに、更なる実績化に向けて研究開発を進めてまいります。
②ライフサイエンス・パーソナルケア
中期経営計画の初年度においては、生分解性微粒子、化粧品材料において、量産化設備に目途を付け、また、植物由来キトサンの開発に着手するなど一定の進捗を得ることができました。
2年目においては、生分解性微粒子の高性能化やコストダウン製法の構築を進めております。キノコ由来キトサンや天然物由来生分解性樹脂のサンプルワークによる性能評価を開始しました。今後はパイロットスケールでの生産体制構築を進めるとともに、市場ニーズに合うアイテムを継続的に投入するべく研究開発を進めてまいります。
③モビリティ
中期経営計画の初年度においては、ウレタン、アクリル、シリコーンポリマー、軽量・高強度樹脂コンパウンドなどにおいて、水性化、バイオマス化などの環境配慮強化、リサイクル素材を利用した高強度コンパウンドの生産プロセスに目途をつけることができました。
2年目においては、ウレタン、アクリル、シリコーンポリマーにおいて、環境配慮強化した製品設計が完了したアイテムの量産体制を構築し、リサイクル素材を利用した高強度樹脂コンパウンドにおいてはサンプルワークを開始しました。今後も実績化、増産、拡販を目指し、応用開発、新規生産設備導入を進めていきます。
④パッケージング
中期経営計画の初年度においては、ガスバリア性を付与したインキ、パッケージおよびラベルのリサイクルが可能なインキ、バイオマス由来のインキなどを上市し、サンプルワークを開始しました。現時点でグラビアインキの50%以上をESG製品で占めることとなりました。
2年目においては、バイオマスインキ、水性インキといった環境配慮型製品の採用が進み、グラビアインキのESG製品の占める割合は60%となりました。今後も環境配慮型製品を中心にインキ開発スピードを上げてまいります。
イ、ESGを重視した経営による企業価値向上に向けた改革の推進
中期経営計画を実行するにあたり、ESGの取組みは、当社グループを取り巻くサプライチェーン全体の重要な課題として認識し、原材料調達段階から当社製品を使用した製品が廃棄されるまでを含めたライフサイクル全体において、(ア)ESG貢献製品開発・拡販、(イ)気候変動への取り組み、(ウ)資源循環促進、(エ)生物多様性への取り組み、(オ)社会貢献の一層の促進、(カ)コーポレート・ガバナンスへの一層の取り組みを実施することとし、生物多様性に対する取り組みに対しても、注力項目として追加することといたしました。
2年目が終了した2023年3月末時点における状況は以下のとおりと認識しております。
(ア)ESG貢献製品開発・拡販
上記アで一部述べたとおり、地球温暖化防止、資源循環促進、水資源保護、フードロス削減などの観点から、二次電池用部材、導電性部材、熱伝導性材料の開発やバイオマス由来製品の開発などを積極的に進めております。
今後も、この分野の製品開発・拡販に注力してまいります。
(イ)気候変動への取り組み
中期経営計画の初年度においては、省エネ対策として、太陽光発電設備の設置、ボイラーの運用改善、生産機械の高効率化、照明器具のLED化を実施すると同時に、買電を再生可能エネルギー由来の電力に切り換えることを進めました。併せて、インターナルカーボンプライシングに関する社内整備を進めました。
2年目においては、東海製造事業所で稼働していたガスコージェネレーションによる発電をやめ、再生可能エネルギー由来の電力への切替えを実施し、より一層の脱炭素化を進めました。
また、国内グループにおけるScope3カテゴリー1~8の算定と開示を開始、サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量における当社グループの影響度を把握し、削減に貢献できるように努めてまいります。
(ウ)資源循環促進
プラスチック製品の原材料のバイオマス化への対応を加速化させると同時に、廃プラスチックの排出量抑制とリサイクル促進を進めてまいりました。
今後も、これらの対策を鋭意継続するとともに、生産工程から生じるロスを削減するため工程管理を強化することなども行ってまいります。
(エ)生物多様性への取り組み
化学物質を扱う当社グループは、事業活動のみならず製品のライフサイクル全般において生態系に与える様々な影響をリスクと機会の両面から把握し、生態系への負荷を最小限に抑えると共に、当社技術を活かして生物多様性の保全と持続可能な利用に貢献する価値の創出に努める事が重要であると認識しています。
それに向けて、揮発性有機溶剤や特定化学物質の使用により生じる大気汚染や水質汚染等の環境負荷軽減に向けた自らの管理活動と当社グループの製品使用段階で生じる環境負荷軽減に貢献する製品開発の両輪でTNFDの枠組みに沿って推進してまいります。
また、当社グループが現在加盟しているCLOMAをはじめとするイニシアティブへの参加や事業所の近隣地域コミュニティーとの協働作業にも積極的に参加し、生物多様性の保全に努めてまいります。
(オ)社会貢献の一層の促進
お客様とのかかわりにおいては、適切な化学物質管理(新管理システムの導入、リスクアセスメントなど)、品質管理(ISO9001による全社的なQMS活動実施、内部監査実施)、責任ある原材料調達(CSR調達基準によるサプライヤー調査)、サステナブルな物流業務の展開(輸送ロットアップ、在庫拠点集約など)に取り組んでまいりました。従業員とのかかわりにおいては、ワークライフバランスの充実、女性、外国人、中途採用者の一層の活躍などの点から、人事制度の充実を図っております。
併せて地域社会とのかかわりにおいては、生産拠点の近隣に対する安全・安心を最優先に防災活動に加え、生物多様性の保全の一環として近隣の生態系に一層の配慮を行い、環境負荷の低減と自然環境の保全に努めてまいります。これらの諸施策は着実に、継続的に実施することにより効果を得られるものであるため、今後も注力して対応してまいります。
(カ)コーポレート・ガバナンスへの一層の取り組み
単に法令順守、ルール順守に留まるだけでは実質的なガバナンスの向上につながらないとの認識から、コンプライアンスの徹底のために経営層からのメッセージの発信・従業員からのフィードバックを継続的に実施し、経営層からのトップダウンと実行部門からのボトムアップを活性化させた双方向コミュニケーションを充実させ、経営戦略を社員ひとりひとりが「自分ゴト」として捉えて行動できるように社内環境を整備しています。また、社内イントラシステムなどを利用した継続的な研修の実施、ガバナンス体制上の委員会活動にESGの視点を大幅に追加するなど、より一層「風通し」のよい組織体制づくりに向けて、今後も地道な活動をひとつずつ積み上げてまいります。
ウ、海外事業拡大に向けた事業基盤の強化~海外売上高比率の向上~
当社グループの収益、成長の源泉は、国内・海外双方に存在し、GDP高伸長国での事業展開もバランスよく事業育成をしていく必要があるとの認識の基に、2021年に中期経営計画を策定以来、(ア)「地産地消」の推進と海外拠点の拡充、(イ)新規ビジネスの創出に注力しております。
中期経営計画の2年目が終了した2023年3月末時点における状況は以下のとおりと認識しております。
(ア)「地産地消」の推進と海外拠点の拡充
中期経営計画の初年度においては、自動車内装材用をはじめとした、環境配慮型ウレタン樹脂製品に対する海外からの強い供給要請に応えるため、積極的な事業展開を実施してきました。
併せて2年目においては、コロナ禍で強まった環境配慮型製品の現地生産要請に応え拡販活動を推進し、その他においても需要が見込める製品の現地生産を視野に活動を進めてきました。
今後も、現地生産の要請や顧客要求に応えながら、「地産地消」を推進してまいります。
(イ)新規ビジネスの創出
中期経営計画の初年度においては、東南アジア、中国、欧州におけるエンジニアリングプラスチック事業の展開と生産技術の増強、欧州の商業印刷分野におけるデジタル印刷需要取り込みなどの事業を展開いたしました。
併せて2年目においては、エンジニアリングプラスチック事業における新規ビジネスの安定供給体制の確立、欧州等での商業印刷分野におけるデジタル印刷需要増加に対応すべく安定供給体制の構築、などを進めてきました。
海外における新規ビジネスの創出は一朝一夕に成就しがたいものであるとの認識に立ち、これらの事業を中心におき、今後とも鋭意、注力していくことといたします。
中期経営計画の公表に合わせ掲げましたROA(総資産経常利益率)5%、ROE(自己資本利益率)9%の経営目標を達成するためにも、以上のような施策を引き続き強力に推し進めていくことといたします。
併せて、当社グループの置かれている経営環境と要請される事項に的確に対応するため、DXの推進により、デジタル技術を更に活用し、社内データの整備や業務改善に直結する事象の把握と改善への取組みなど、生産性の向上や経営基盤の強化に引き続き積極的に取り組んでまいります。また、デジタルリテラシー向上のための研修や、具体的なプロジェクトなどを活用したOJTなども効率的に行うことなどにより、一層のデジタル人財の基盤強化を図ることといたします。
なお、最近の当社グループを取り巻く経営環境及び過去数年の経営指標における低収益状況を鑑み、当社グループの強みを活かす分野への取組強化など、上に記載した諸施策について、不退転の決意をもって、これまで以上に、積極的、かつ前倒しで推進することといたします。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ共通
①ガバナンス
当社グループは、企業理念と社是<必達>のもと、企業としての持続的成長と価値向上を目指した「CSR・ESG基本方針」を制定し、化学メーカーとして製品のライフサイクル全体において取り組むべき社会的な課題解決と事業成長の為の価値創出に向けた推進体制を整えています。
「サステナビリティに関する戦略と取組」は、代表取締役社長の直轄組織であり、サステナビリティ関連の責任部署であるCSR・ESG推進本部にて、マテリアリティ(重要課題)を特定し、マテリアリティ毎のリスクと機会の抽出、指標と目標の設定、及びその進捗管理を以下の当社のガバナンス体制にて行っております。
マテリアリティに関しては後述「
CSR・ESG推進本部で立案された目標と施策は代表取締役社長の指示のもと実行部門にて対応しています。その実行結果は、四半期毎に各実行部門から内部統制に関する各委員会に報告され、監査されています。
更に内部統制に関する各委員会から代表取締役社長及び取締役会に実行結果を報告し、監督・指示され、その結果は内部統制に関する各委員会と実行部門にフィードバックされています。
当社グループでは、以上の体制で、サステナビリティに関する取り組みの全社的な計画立案・実行・管理・改善指示“PDCA”を推進しています。
また、サステナビリティ関連業務に対する業績評価を、人事考課制度に組み入れ、給与に反映させる仕組みを運用しています。2024年3月期は、ESG課題の考課ウェイトを10%に設定しています。
「CSR・ESG基本方針」とその方針に基づく各種方針は当社グループのホームページにてご確認下さい。
URL:https://www.daicolor.co.jp/csr/policy/index.html
②戦略
当社グループは、企業理念と社是<必達>のもと、化学メーカーとして製品のライフサイクル全体において取り組むべきマテリアリティを以下のように特定し、マテリアリティ毎にリスクと機会の両面から当社の成長に必要な取り組みを前述「
2024年3月期からは、これまでの「環境負荷低減」の活動内容をより充実させ「生物多様性の保全」に変更し、後述の取り組みを進めてまいります。
③リスク管理
当社グループのサステナビリティに関するリスク管理は、「
④指標と目標及び実績
当社グループでは、サステナビリティに関する指標と目標をマテリアリティ毎に設定し、実施状況を管理しております。
下表に主要なマテリアリティをご説明いたします。
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マテリアリティ |
短・中期指標 |
目標 |
2023年3月期 実績 |
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気候変動対策 地球温暖化対策
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a. 国内のエネルギー使用に 伴うGHG排出量(Scope1・2) |
a. 2024年3月期に2014年 3月期比で70%削減 |
a. 76%削減 (※1) |
|
b. ESG貢献製品、省エネに寄与 する製品の売上高 |
b. 2024年3月期に2021年 3月期比で20%増加 |
b. 19%増加 |
|
|
c. 国内製造拠点のエネルギー 原単位 |
c. 対前年度比1%削減 |
c.4%増加 |
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サーキュラー エコノミー推進
|
d. 国内製造拠点の廃プラスチックのリサイクル率を改善 |
d. 2024年3月期に2021年 3月期比3ポイント改善 |
d. 3.2ポイント 改善 |
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ダイバーシティ& インクルージョン
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e. 国内の新卒採用者の女性比率 |
e. 30%以上 |
e. 40.3% |
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f. 国内の有給休暇取得率 |
f. 70%以上 |
f. 70.4% |
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g. 国内の女性・外国人・中途 採用者の管理職比率 |
g. 2031年3月期までに2022年 3月期比6ポイント向上 |
g. 1ポイント 向上 |
(※1)Scope2はGHGプロトコル・マーケット基準にて算定
(2)気候変動への取り組み TCFD提言に沿った情報開示
①ガバナンス
気候変動対応に関するガバナンスは、「
②戦略
当社グループでは、気候変動に関する政府間パネル(以下、「IPCC」)が発表したIPCC第5次報告書、IPCC第6次報告書、及びIEA World Energy Outlook2020、当社グループの顧客、サプライヤーの対応情報を基にリスクと機会を分析し、対処すべきリスクとその対応策を進めています。
また、2015年に開催された国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)で合意された「パリ協定」では、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比較して、2℃より充分低く抑え、1.5℃に抑える努力を求められている事から、その目的を達成する為に、温室効果ガス(GHG)の排出量を削減し、将来的には実質ゼロ・カーボンニュートラルとする脱炭素化が必須課題と認識しています。
当社グループでは、代表取締役社長の指示のもと、サプライチェーンの一員として気候変動対策に貢献する為に、日本の脱炭素化に関する国際公約である、2030年度までに2013年度比で46%削減、更に50%削減という目標に加え、IPCC第5次報告書とIPCC第6次評価報告書及び環境省によるIPCC評価報告書の解説を基にリスク分析を行い、地球の平均気温の上昇を2℃未満に抑える為の2℃シナリオ、更に1.5℃未満に抑えるための1.5℃シナリオ及び2050年カーボンニュートラルに向けた移行計画の策定に取り組んでまいります。
以下、想定シナリオです。
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2℃シナリオ 想定概要 |
地球温暖化防止に向けた規制強化や地球温暖化防止に貢献する需要構造の変化が加速。自然災害の影響も現在よりも重視する必要があると想定。 |
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4℃シナリオ 想定概要 |
地球温暖化が深刻化し、平均気温上昇による需要構造の変化と労働環境への影響が発生。大規模な自然災害による事業活動への影響が頻発すると想定。 |
シナリオに基づく想定リスクとその対応策は以下のとおりです。
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リスク分類 |
想定リスク |
対応策 |
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2 ℃シナリオ |
移行 リスク |
炭素税導入による財務負担増 GHG排出量削減規制の強化 顧客からのGHG削減要請の強化 |
・適切な価格で再生可能エネルギーを調達する事で、GHG排出量の削減と財務面への影響を軽減させる ・継続的な省エネ対策の実施 |
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化石資源由来の原材料調達が困難になる |
・原材料の脱炭素化の開発を進める |
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需給構造の変化により商機を損失する |
・業界動向を迅速に社内展開し、事業活動を強化する |
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物理的 リスク |
自然災害によるサプライチェーン寸断による事業活動停滞の影響 |
・原材料調達地域、購入会社の分散化 ・物流への影響軽減に備えた在庫管理 |
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製造現場の作業環境の悪化及びそれによる設備投資額の増加 |
・作業環境改善と生産効率向上に寄与する効率的な設備投資を行う |
||
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4 ℃シナリオ |
移行 リスク |
需給構造の変化に対応する製品開発力の強化 |
・業界動向、市場動向を迅速に社内に展開し、製品開発と事業計画に反映させる |
|
物理的 リスク |
大規模な自然災害による当社設備の損傷による事業活動停滞の影響 豪雨時の浸水による製品と原材料在庫の損失(想定額算出済み非公開) |
・ハザードマップに応じた設備改修促進 ・生産拠点の分散化 ・豪雨災害時の有害物質の流出防止策 |
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製造現場の作業環境の悪化を改善する為の設備投資増加 |
・製造現場の暑さ対策、人的負荷軽減の設備投資を行い生産効率の低下を防止 |
||
シナリオに基づく機会分析と戦略は以下のとおりです。
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想定機会 |
戦略(以下の製品開発と販売促進) |
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2 ℃シナリオ |
脱炭素化に貢献する製品の需要拡大 ・車両のEV化、自動運転化の促進 ・車両の軽量化促進 ・電力インフラの需要拡大 |
・二次電池向け製品 ・車両向けワイヤーハーネス関連製品 ・車両の軽量に寄与する製品 ・太陽電池向け製品 ・CO2を原材料とするポリウレタン樹脂 |
|
サーキュラーエコノミーに向けた需要変化 ・プラスチック資源リサイクルが加速 ・バイオマス由来の製品需要が拡大 |
・軟包装材向け脱墨型インキ ・バイオマス由来原材料の樹脂ビーズ ・バイオマス由来原材料のインキ、接着剤 |
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4 ℃シナリオ |
気温上昇による生活様式、需給構造の変化 ・暑さ対策のための建築物の仕様変更 ・飲料容器需要の拡大 |
・建築物の空調の省エネ向け遮熱塗料 ・飲料用軟包装向けインキ関連製品 |
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激甚自然災害に備えたインフラ強化事業の拡大に向けた製品の需要拡大 ・電力、通信インフラの更新需要が拡大 ・建築物の改修工事需要の拡大 |
・高速大容量通信線向け被覆材用着色剤 ・建築外装材向け高耐候性塗料用色材 ・高強度、高耐久繊維向け着色剤 |
③リスク管理
当社グループでは、CSR・ESG推進本部にて、気候変動により生じるリスクについて、法令改正や業界動向の変化などによる規制強化や需給構造の変化を移行リスクと特定し、自然災害へのレジリエンス強化や温暖化の進行による労働環境の悪化を物理的リスクと特定しております。これらリスク内容は前述「
リスクの特定結果とリスク対応業務とその実施状況は、内部統制に関する環境委員会に四半期毎に報告され、取締役会にて年1回以上報告され、監督されています。
④指標と目標及び実績
気候変動に関する指標と目標は、前述「
2022年3月期においては、省エネ対策として、太陽光発電設備の設置、ボイラーの運用改善、生産機械の高効率化、照明器具のLED化を実施すると同時に、買電を再生可能エネルギー由来の電力に切り換えることを進めました。併せて、インターナルカーボンプライシングに関する社内整備を進めました。
2023年3月期においては、東海製造事業所で稼働していたガスコージェネレーションによる自家発電をやめ、再生可能エネルギー由来の買電への切替えを実施し、より一層の脱炭素化を進めました。
インターナルカーボンプライシングでは、炭素税単価を8,000円/t-CO2と仮定し、各製品に対する収益性への影響を分析し、その影響を回避するための販売価格の値上げの必要性を確認しております。
また、国内グループにおけるScope3カテゴリー1~8の算定と開示を開始、サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量における当社グループの影響度を把握し、削減に貢献できるように努めてまいります。
(3)人的資本投資・人財育成及び人財の多様性の活用
①ガバナンス
人的資本投資・人財育成及び人財の多様性の活用に関するガバナンスは「
②戦略
当社グループでは、時代の変化と共に社会から求められる企業価値も変化している事を認識し、企業価値の向上と新たな価値の創出に向け、サステナビリティを意識したESG経営に取り組んでいます。
新たな価値の創出には、新たな発想が必要であり、それには“人の力”が不可欠と考えています。“人の力”を引き出し、“人を育成する”ことで人は価値を生み出す企業の財産になるとの認識から、当社では「人材」ではなく「人財」と表現しております。
当社グループの掲げる中期経営計画の目標達成に向けて、人的資本及び知的財産への投資と人財育成の重要性を認識し、2023年4月に以下の「人財育成方針」「社内環境整備方針」を制定しました。
全社員が共通の目標をいだき、当社グループの成長と人財の成長との間に好循環を生み出し、エンゲージメントを高めてまいります。
a.「人財育成方針」
大日精化グループは、企業の成長は人に拠って立ち、人の成長も企業に拠って立つという互いに切磋琢磨していく関係にあると理解しています。このため、財産である「人財」の育成は、企業価値の向上に必要不可欠であり、重要な経営課題のひとつと考えております。
大日精化グループでは、「人に興味を持とう、新しいことに興味を持とう、未来に興味をもとう」という企業理念を礎として、従業員の多様性や仕事に対する考え方を十分に尊重しつつ、企業と人財が互いに高め合っていくビジョンを共有し、自らがありたい姿の実現に向けて、地道にかつ着実に、相互に磨き上げてまいります。
更に「人財育成方針」を実現させるための「社内環境整備方針」を以下のように定めております。
b.「社内環境整備方針」
大日精化グループは、人財育成方針を実現し、魅力ある会社となることを目指し、全社目標の達成に向けて社員ひとりひとりの能力を十分に発揮できるように、以下の社内環境整備に取り組んでまいります。
・世代を問わず自ら学ぶ姿勢を支援します。
・成果に対する適切な評価と対話を行います。
・社内・外との知識交流・文化交流の機会を創出します。
・達成欲求・貢献意欲を高める人事制度を推進します。
・多様性と価値観を尊重し、人財を活かせる人事制度を推進します。
・長く働ける職場環境整備と人事制度を推進します。
c.戦略と人的資本、知的財産(知恵・経験・人脈)の連携
当社グループの掲げる中期経営計画の基本戦略の実現に向けて、人的資本及び知的財産の投資と活用は、競争優位性確保を実現するイノベーションの創出に不可欠な取り組みです。必要な人的資本と知的財産の現状を把握し、企業文化としての定着促進などの視点を踏まえ、以下のような取り組みを行っています。
現・中期経営計画(2021年8月開示)に基づく手段と取り組みは以下のとおりです。
各テーマの指標と目標は事業の状況を鑑み、適宜見直しを行ってまいります。
経営戦略:技術主導による競争優位性確保
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実現のための手段 |
取り組み |
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・技術者の採用強化 ・技術者の育成 ・知財の獲得及び知財の市場ニーズへの展開 |
・魅力ある研究テーマの創出 ・処遇水準、処遇制度の柔軟な運用 ・研究開発費の強化 ・研究施設(産学連携)、職場環境の充実 ・スキル発揮を主軸とした人事評価制度の運用 ・技術者をハブとした社内、外との情報交換促進 ・知財戦略の積極的展開 |
経営戦略:海外事業拡大に向けた事業基盤の強化
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実現のための手段 |
取り組み |
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・海外営業力の強化 |
・外国人や海外駐在経験者の中途採用強化 ・海外ビジネススキル向上の機会の提供 ・多様性を認め合う企業風土づくり |
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・海外法人の経営能力の強化(育成) |
・海外ビジネススキル、ノウハウの蓄積・継承 |
経営戦略:国内の労働人口減少に対する生産性確保
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実現のための手段 |
取り組み |
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・成長する人財の確保 ・熟練者による知識や技能の継承 |
・年齢、性別、国籍、宗教に対する偏見を排除する 社風の維持向上 ・即戦力となる中途採用の推進 ・技能継承のためのベテラン社員の活用 ・IoT、DXを活用した労働生産性の向上、属人化からの脱却を推進 ・新しい働き方に必要なスキルの獲得:リスキリング |
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・製造現場の労災防止 |
・現場リーダーの育成 ・労働安全衛生の管理強化 |
③リスク管理
当社グループでは、社会全体がサステナブルな成長を達成するためには、人財育成と多様性の活用を進めると同時に人権に配慮した事業活動、製品の提供が必要であると認識しております。
当社グループでは、以下に述べる取り組みを通して、サプライチェーンパートナーと共に価値を創出し、サステナブルな成長を目指してまいります。
a.人権尊重に関する取り組み
ⅰ)「人権方針」
当社グループでは、基本的人権尊重の原則を定めた「国際人権章典」、国際労働機関(ILO)の定めた「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」、国連の定めた「ビジネスと人権に関する指導原則」及び「国連グローバル・コンパクト10原則」などの人権に関する国際的な規範を支持、尊重し、「CSR・ESG基本方針」に基づき「人権方針」を定め、人権尊重に関する取り組みを推進しております。
「人権方針」は当社グループのホームページにてご確認下さい。
URL:https://www.daicolor.co.jp/csr/policy/index.html#no01
ⅱ)プロセス
ⅲ)人権デュー・ディリジェンス
当社グループは、人権デュー・ディリジェンスの仕組みを構築し、自らの事業活動に関連した人権に対する負の影響を特定し、その予防と軽減に努めてまいります。
ⅳ)体制
当社グループでは、人権尊重のみならず、コンプライアンスの徹底に向けた推進体制を整えています。
人権尊重に関しては、公益通報者保護法第7条第3項第1号及び第2号に基づき、「内部通報規程」を制定し、人権リスクの発生防止と早期発見、早期是正に努めています。その取組状況は、総務・人事本部の担当取締役を委員長とするハラスメント防止委員会にて確認しております。
詳細は以下のサイトにてご確認下さい。
https://www.daicolor.co.jp/csr/basis/index.html
ⅴ)教育
当社グループでは、人権の尊重、法令や社会規範の順守はもとより、高い倫理観と良識を身に付け、人権リスクの発生防止の為に、コンプライアンス研修と管理職を対象としたハラスメント防止研修を行っています。その研修結果は取締役会に報告、指示を受けています。
ⅵ)通報・評価
当社グループでは、法令違反、社会規範に反する行為等の不適正行為の早期発見、早期是正に向けて、公益通報者保護法第7条第3項第1号及び第2号に基づき、「内部通報規程」を制定し、その規程に基づき指名した「企業倫理ホットライン窓口」を設置しています。窓口は、当社の従業員による「CSR・ESG推進統括部窓口」、当社の監査役による「監査役窓口」、当社から委託した法律事務所の弁護士による「外部窓口」の3種類を設けています。各窓口に通報された事案は直ちにCSR・ESG推進本部長に報告され、「内部通報規程」にて選任されている調査業務従事者による調査と評価が行われます。
これらの取り組みの結果、重大な人権リスクは発生しておりません。
b.パートナーシップ構築宣言
当社グループでは、サプライチェーンの様々な企業との新たな価値を創出し、共存・共栄を目指すと共に、取引先との適切な関係を維持するために、2023年3月1日にパートナーシップ構築宣言に登録いたしました。
当社グループの積極的に取り組む個別項目は以下の2項です。
・オープンイノベーションによる企業間の連携
・脱炭素化社会の実現に貢献する製品の拡販、生産工程等の脱・低炭素化によるグリーン化の取組み
詳細は以下のサイトにてご確認下さい。
https://www.biz-partnership.jp/declaration/23418-05-08-tokyo.pdf
c.マルチステークホルダー方針
当社グループでは、様々なステークホルダーとの協働により生み出された収益をステークホルダーの皆様に適切に分配し、共に成長していく事を目指して、2023年3月1日にマルチステークホルダー方針を制定しました。
従業員に対しては、積極的な人財育成と適正な賃金の引き上げによりエンゲージメントの向上に取り組むと共に、取引先の皆様に対しては上記のパートナーシップ構築宣言に沿った取り組みを進めてまいります。
詳細は以下のサイトにてご確認下さい。
https://www.daicolor.co.jp/csr/policy/index.html
④指標と目標及び実績
当社グループでは、多様化する社会のニーズに対する経営戦略において、異なる経験・経歴、技能、属性を持つ者を幅広く採用し、「人財の化学反応」を早期に起こすことを優先すべきとの観点から、人財育成方針、社内環境整備方針、マルチステークホルダー方針等に沿って、性別、国籍、採用時期等の区別なく積極的に採用の機会を設け、仕事に対する考え方、思いも十分に尊重した人事配置とジョブ・ローテーションにより、従業員に活躍の場を平等に提供しております。
その結果、女性・外国人・中途採用者の比率は着実に増加しており、特に、女性社員の比率、就業年数、管理職・中核人財への登用の比率が確実に伸びてきておりますが、女性・外国人・中途採用者に固執することなく優れた社員を管理職に登用するべきであり、属性別に数値目標を掲げることは寧ろ機会平等に反する結果になりかねないとの方針により、現状では、敢えて、女性・外国人・中途採用者ごとの目標は設定しておりません。このため、女性・外国人・中途採用者を合計した数値で管理職登用の中期目標を定め状況をモニタリングしておりますが、今後の進捗状況等も勘案し、個別数値目標を設定することも課題として認識しております。
人財の多様性及び女性活躍推進に関する開示 指標と目標及び実績(集計範囲:当社国内グループ)
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女性の職業生活における活躍の推進に関する法律 (以下、「女性活躍推進法」)の開示項目(指標) |
当社の目標 |
2023年3月期 実績 |
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区分 |
項目 |
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女性活躍推進法の開示 項目(指標) |
新卒採用者に占める 女性の比率 |
2026年3月期までに新卒採用者に 占める女性正社員比率30%以上 |
40.3% |
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職業生活と家庭生活の 両立 |
有給休暇取得率 (役員、海外赴任者除く) |
2026年3月期までに正社員の有給 休暇取得率70%以上 |
70.4% |
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男女の賃金の 差異 |
区分 |
大日精化工業㈱ |
浮間合成㈱ |
ハイテックケミ㈱ |
大日カラー・ コンポジット㈱ |
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全労働者 |
69.8% |
63.6% |
56.6% |
63.0% |
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うち 正社員 |
70.9% |
62.4% |
73.9% |
62.5% |
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うち パート・ 有期社員 |
63.7% |
72.1% |
62.8% |
53.4% |
男女の賃金の差異:女性の平均賃金÷男性の平均賃金(%)
対象期間:2022年4月1日から2023年3月31日
賃金:基本給、超過労働に対する報酬、賞与等を含み、退職手当、通勤手当を除く
正社員:当社から社外への出向者は除き、社外から当社への出向者を含む
パート・有期社員:期間工、パートタイマー、嘱託を含み、派遣社員を除く
(補足説明)
基準外賃金を除いた正規社員職階(※)別男女の賃金差異の平均値
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男女の賃金の 差異 |
C1 |
C2 |
C3 |
C4 |
C5 |
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101.3% |
93.8% |
96.9% |
93.2% |
91.8% |
※新卒入社者はC1に格付けられ、C5が管理職層となる
当社のキャリアパス制度は職階制を用いております。各人が担う役割や責任を負う層ごとに区切った上で、所定時間外労働や休日労働に起因する賃金を除いて比較すると、大きな差は存在しません。
当社では、「賃金は労働の対価である」という原則に基づき賃金制度を運用していることから、賃金の設定・支給について性別を理由とする区別は設けておりません。
(4)生物多様性の保全に関する取り組み
生物多様性の保全に関する考え方
当社グループでは、事業活動による生態系への負荷を最小限に抑えるために、事業活動が生物多様性の保全に与える影響をTNFDの枠組みの素案に基づき製品のライフサイクル全般においてリスクと機会の両面から把握し、TCFDと相互に連携させ、当社技術を活かして生物多様性の保全と持続可能な利用に貢献する価値の創出に努める事が重要であると認識しています。
その実現に向けて、揮発性有機溶剤や特定化学物質の使用により生じる大気汚染や水質汚染等の環境負荷軽減に向けた自らの管理活動と当社グループの製品使用段階で生じる環境負荷軽減に貢献する製品開発の両輪で推進してまいります。
また、当社グループが現在加盟しているクリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)をはじめとするイニシアティブへの参加や事業所の近隣地域コミュニティーとの協働作業にも積極的に参加し、生物多様性の保全と再生に努めていまいります。
①ガバナンス
生物多様性の保全に関するガバナンスは、「
②戦略
当社グループのライフサイクルにおけるリスクと機会を以下の様に特定し、取り組んでおります。
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ライフ サイクル |
リスクと機会 |
当社グループの取り組み |
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原材料調達 |
リスク |
生態系の破壊や貴重な種の絶滅を防止、保全するために植物や鉱物の採取の制限が生じる |
購買方針に基づき、生態系に悪影響を与える事が確認されたサプライヤーからの原材料調達を停止する |
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水リスク地域における揚水量の制限が生じる |
冷却水の循環利用に努め、揚水量を削減する |
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機会 |
貴重な資源の枯渇防止に繋がる製品の市場価値が高まる |
汎用原材料を使用してレアメタルの代替品となる製品の開発を検討する |
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製品開発 製造・物流 |
リスク |
水系の生態系の保全のために、工場からの排水管理の規制が強化される |
工場の排水処理設備の管理を徹底し、水系の生態系への負荷を低減させると共に保全に努める 水系、特に廃プラスチックによる海洋汚染防止の為に廃プラスチックのリサイクルを促進する |
|
大気汚染に繋がる有害物質を含む原材料、資材の使用に関する規制が強化される |
当社製品の製造工程で発生する有害物質(主に揮発性有機溶剤)や温室効果ガスを低減させると共に保全に努める |
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機会 |
有害物質の使用量を減らした環境配慮型製品の市場価値が高まる |
お客様から大気系に排出される有害物質(主に揮発性有機溶剤)や温室効果ガスを減らせる製品の開発と販売を促進する お客様の工場から水系に排出される有害物質を低減できる製品の開発と販売を促進する |
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廃プラスチックによる水系の汚染防止の意識が高まる |
水系での生分解性プラスチックの開発を促進する |
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その他 |
リスク |
過去に発生した当社グループ敷地内の土壌汚染物資が拡散する |
土壌汚染が確認された事業所では、直ちに行政と協議の上、汚染の拡散防止対策と浄化作業に着手している |
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機会 |
当社グループの事業所外の近隣地域の生態系の保全活動を行い、社会的な価値を高める |
近隣のコミュニティーと協働し、事業所周辺の美化活動、緑化の支援、水系の保全活動を推進する |
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想定機会と注力事業は以下のとおりです。
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想定機会 |
注力事業(以下の製品開発と販売促進) |
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大気への有害物質の使用量を減らした環境配慮型製品の市場価値が高まる |
・揮発性有機溶剤(VOC)の使用量を減らした水性塗料、インキ、ノントルエンインキ。 ・塗工工程の乾燥段階で揮発性有機溶剤(VOC)の排出と乾燥エネルギー消費に伴うCO2排出量を削減できるUVコート剤、EBコート剤 |
|
水系への有害物質の使用量を減らした環境配慮型製品の市場価値が高まる |
・化学染料を使用した繊維着色工程の排水による水系への環境負荷を避ける為に化学繊維の紡糸段階で着色する原液着色剤 |
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廃プラスチックによる水系の汚染防止の意識が高まる |
・プラスチックによる海洋汚染防止に寄与できる生分解性を有する樹脂パウダー、及び天然高分子素材(キチン、キトサン) |
③リスク管理
当社グループでは、CSR・ESG推進本部にて、生物多様性の保全に関するリスクについて、気候変動への取り組みと同様に法令改正や業界動向の変化などによる規制強化や需給構造の変化を把握し、リスクと機会を特定し、事業計画に反映させています。これらリスクと機会の内容は前述「
リスク内容に応じてCSR・ESG推進本部から実行部門である各機構及び関係部署にリスク対応業務を指示しています。リスクの特定結果とリスク対応業務とその実施状況は、内部統制に関する環境委員会に四半期毎に報告され、取締役会にて年1回以上報告され、監督されています。
④指標と目標及び実績
生物多様性の保全に関する指標と目標は、「
(1)リスク管理体制
当社グループはCSR・ESG推進本部が内部統制に関する体制を整備するとともに、全般的なリスク管理を統括しております。各組織単位の長がリスクの自己点検を行い、これにより確認されたリスクから重大なリスクを抽出、評価・選別の上、経営リスクについて対応を審議し、リスク管理に必要な情報の共有化を図っております。重大リスクについては、CSR・ESG推進本部が取締役会に報告すると共に、リスク低減の為の活動状況を確認しております。重大リスクとなり得る問題が発生した場合は、適宜、対策本部等を設置し、対応を図ってまいります。
(2)事業リスク
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
Ⅰ.戦略リスク
グローバル化への対応と事業の長期発展に対応するための戦略に起因するリスクのうち、現状、以下の3つを主要なリスクと認識しております。
*短期:1~2年以内、中期:3~5年以内、長期:5年超、不明:想定困難
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1)需要構造変化への対応 |
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顕在化する可能性:高 |
顕在化し得る時期*:短期~中期 |
顕在化した場合の影響度:大 |
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リスク: |
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当社グループは、車両業界、情報・電子業界、建材業界、パッケージ業界など様々なお客様向けに製品を提供し、グローバルに事業展開をしております。好調・不調を相互に補完できる幅広い業界とお取引がありますが、個々の業界で大きな需要変動があった場合にはその事業範囲で影響を受けることとなり、経営成績に影響を与える可能性があります。 |
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対応:① |
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特に車両業界において車の生産台数が減少したことと、液晶ディスプレイの需要減による在庫調整が続いたことから、これら業界向けに販売している事業領域で影響を受けました。お客様の情報を元に当社生産計画を適時修正することにより適切な在庫管理を行うとともに、サプライチェーン上の在庫調整が終了した際の出荷増・販売増にも対応できる体制を継続しました。 |
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対応:② |
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パッケージ業界向けの、食品包装用やペットボトルラベル用のグラビアインキは、比較的景気に左右されにくい事業と認識しております。2019年6月にグラビアインキ等を生産する埼玉県川口市から茨城県坂東市への新工場移転計画を発表以降、フードロス問題に起因する販売数量の減少、コロナ禍での人流減と原材料価格高騰の影響を受け、当初想定していた移転計画の根拠となる事業計画と乖離が生じ、減損損失を計上することとなりました。移転計画を着実に進め、国内3拠点(川口、滋賀、坂東)稼働を2拠点(滋賀、坂東)稼働とし固定費負担等を削減するとともに、新設備での合理化推進、当社の強みを生かせる市場への注力、また、塗加工技術を生かした成長が見込める情報電子・産業資材への拡大を進めてまいります。 |
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対応:③ |
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オンデマンド印刷やデジタルサイネージの普及に加え、リモートワークなど働き方改革が広まった事により、商業印刷市場に依存したオフセットインキ事業においては市場縮小の影響を受けております。このトレンドは一層強まることとなると予想しており、オフセットインキ事業の経営効率化に取り組んでおります。一方、オンデマンド印刷向けの事業としてトナー用、インクジェットインキ用色材及び液晶ディスプレイパネル向けの事業として、カラーフィルター用顔料、パネル用コーティング剤などの開発と拡販に注力しております。 |
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対応:④ |
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気候変動対策やサーキュラーエコノミーなど、環境に配慮した最終消費財の供給、消費のありかたやその廃棄・処理に関する社会の考え方は大きく変わってきております。今後も環境にやさしい素材への転換、また廃プラスチックの再資源化に向けて、従来のサーマルリサイクル、マテリアルリサイクルからケミカルリサイクルへの取り組みが進むなど、資源循環型社会への移行が加速すると想定しております。これらサステナビリティ、SDGsの動きに遅れることのないように、お客様との協働、あるいは当社グループ独自に、社会に十分受け入れられる製品開発を進めてまいります。 |
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対応:⑤ |
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世界的なプラスチックを取り巻く事業環境が変化し、日本ではプラスチック資源循環戦略により、プラスチックの再資源化とバイオマス化の動きが加速しており、将来は新たに採掘された石油由来原料でプラスチックを製造する従来型の事業は持続可能が困難と認識しています。当社グループのポリウレタン樹脂の事業においては、これまで培ってきたウレタン樹脂合成技術を活かし、ケミカルリサイクル技術の開発、ポリウレタン樹脂の原料のバイオマス化、ポリウレタン樹脂の水性化・無溶剤化といったイノベーションを創出していく事に取り組んでいます。 これらのイノベーションを創出させるには、サプライチェーンパートナーとの連携に加え、設備投資や人的資本・知的財産への投資にも取り組んでいきます。 |
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対応:⑥ |
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世界的な動きである生物多様性の保全に向けた取り組みの強化を受け、生態系への負荷の少ない製品が求められております。当社グループの各種インキ、塗料、表面処理剤、ウレタン樹脂などは、顧客側で使用される段階で揮発性有機溶剤(VOCs)から有害なガスを発生させるものがあり、それらが大気汚染の原因になると認識しています。これらの製品を通じて生物多様性の保全に寄与すると共に、これら事業の持続可能な成長を目指して、製品の水性化、溶剤使用量の低減に取り組んでいます。 サプライチェーンパートナーと連携し、従来の溶剤系製品を順次環境負荷の少ない製品に切替えを進めています。 |
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対応:⑦ |
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「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」(以下「対処すべき課題等」という。)において、海外事業拡大に向けた事業基盤の強化を掲げており、アメリカ、中国を始めとした諸外国への製品の輸出、海外拠点における製品の製造、販売を積極的に展開しております。諸外国の経済的、社会的環境の変化が当社グループ売上高に大きな影響を与えることがあります。特にインドなど特定の地域における事業環境を鑑みると、当該国における社会的、経済的環境の変化から、当初想定していた時間軸での利益確保が困難となると予想されることもあり、当面、事業の内容を精査しつつ、抜本的対策も視野に入れた検討を進めてまいります。 |
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2)海外事業活動に関するリスク |
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顕在化する可能性:低 |
顕在化し得る時期*:不明 |
顕在化した場合の影響度:大 |
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リスク:政治・地政学変動に関するリスク |
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上記「1)-⑦」で言及したことと合わせ、当社グループの海外生産拠点は、当該国の政治体制、各種法令・規制の変更、経済的基盤及び自然災害発生のリスクがあり、これらが、グループ危機管理の想定以上に深刻化した場合には、各生産拠点の生産活動に重大な支障が生じ、当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、長期化するロシアのウクライナ侵攻や台湾有事が発生した場合の影響として、資源価格の高騰やサプライチェーン及び物流の混乱等のリスクがあると想定しております。 |
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対応: |
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このリスクを回避するためには、特定国への投資に過大にシフトすることなく、リスク要因も考慮の上で適正な水準・割合に投資配分することで全体的なリスク緩和を図ることとしてまいります。 |
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3)金融リスク |
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顕在化する可能性:中 |
顕在化し得る時期*:短期 |
顕在化した場合の影響度:小 |
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リスク:①為替リスク |
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2022年3月期を初年度とする中期経営計画の施策として、「海外事業拡大に向けた事業基盤の強化」を掲げております。現状の海外売上高比率は約30%にとどまっているものの、為替変動の影響を受けやすい水準であることは事実であり、今後同比率が高まっていくことにより、一層の為替リスクに直面することが想定されます。 |
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対応: |
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当社グループでは、国内における外貨建て輸出・輸入と海外連結子会社の外貨建て損益の円換算時に為替影響が生じます。現在、損益の均衡が比較的取れている状況であるため、為替の変動による収益への影響、リスクは小さいと認識しております。また、本リスクを極力回避するため、収入、支出を極力同一通貨で支払うこと、海外拠点における現地通貨の借入れを検討すること、必要に応じて為替先物契約を締結することなどにより、リスクヘッジを図ってまいります。 |
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リスク:②金利変動リスク |
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当社グループは、事業資金の一部を主として金融機関から借入金として調達しております。総資産の効率的な運用を行い、財務体質の改善・強化を図るべく有利子負債の返済に努めておりますが、2023年3月末時点において長短期借入金合計で約304億円あり、今後の金利水準が上昇した場合には、支払利息の金額水準が上昇することにより、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。 |
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対応: |
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足元の金融環境を勘案すると、長期金利は上昇基調にありますが、本リスクが当社グループに与える影響は比較的小さいと思われます。同時に、新たに資金需要が生じた場合においても、当社グループ内に存する資金を効率的に活用することを検討し、次に、資金使途や資金繰りなどを勘案し、取引金融機関との間で調整の上で、長期固定金利借入や金利スワップ契約等を導入することで、長期にわたって低金利を享受できる契約構成を維持できるよう進めてまいります。 |
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Ⅱ.オペレーショナルリスク
事業系オペレーショナルリスク(仕入・生産・販売活動)及び管理系オペレーショナルリスク(事業継続するための管理体制とCSR対応)に起因するリスクのうち、現状、以下の4つを主要なリスクと認識しております。
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1)購買に関わるリスク |
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顕在化する可能性:高 |
顕在化し得る時期*:短期 |
顕在化した場合の影響度:大 |
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リスク:原材料調達リスク、原材料及びエネルギー価格の変動リスク |
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主力原材料である石油化学誘導品及びエネルギー(電気、ガス等)は、原油価格の動向に伴う価格変動のほか、天災、事故、政策なども含めた生産国での状況の変化などにより、価格変動のみならず、調達不安に陥る可能性もあります。当社グループ製品が使用されている最終消費財の市況や供給責任なども勘案しますと、原材料及びエネルギー価格の上昇をすぐさま製品価格に反映させるには時間を要すことから、結果として原材料及びエネルギー価格の上昇が当社グループの収益を圧迫することにつながります。 |
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対応: |
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本リスクは、化学メーカーである当社グループにとって回避しづらいものであることは事実ですが、生産計画策定にあたっては、価格予測、需要予測をできうる限り丁寧に行い、また、一定の原材料在庫を保有した上で市場状況を見ながら原材料購入のタイミングを図る、あるいは、特定の企業・国に偏することなく、原材料の代替購入先を常日頃から調査の上で確保することなどにより、当社グループの業績に与える影響を緩和することに努めております。 また販売活動においては、お客様へ原材料及びエネルギーの市場動向を説明し、販売価格の見直しにご理解をいただけるように努めております。 |
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2)コンプライアンスに係わるリスク |
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顕在化する可能性:中 |
顕在化し得る時期*:中期 |
顕在化した場合の影響度:大 |
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リスク:①化学物質管理リスク、品質管理リスク |
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当社グループでは、多種の化学物質を取り扱っており、その保管、使用、移動、排出、廃棄において法令順守を徹底しております。しかしながら、化学物質管理や環境管理関連において、国内・海外を問わず法的要件が強化されることがあり、順守できていない場合には罰則を受けるだけでなく、輸出入の禁止や生産活動の停止による、収益機会の喪失、あるいは対処するための投資を招く蓋然性があり、当社グループの業績に与える影響は甚大となる可能性があります。 |
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対応: |
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特定のセグメント(事業機構)から独立した化学物質管理体制及び環境、安全衛生体制(組織)を充実させることと同時に、特に化学物質管理においては要件変更への対処に遺漏が生じることのないように、システムによる管理(新化学物質管理システム)の構築を進めているところであり、これによりリスクコントロールを行うこととしております。 |
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リスク:②製造物責任、補償のリスク |
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環境、安全衛生上の問題や、製品の品質管理上の問題などに起因して、大規模な損害賠償につながるリスクが現実化し、賠償金支払いが生じる可能性があります。 |
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対応: |
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現在、当社グループが付保しております賠償責任保険等、保険契約の内容を勘案すると、これらの発生する蓋然性は比較的小さいものと判断しておりますが、引き続き、保険内容を十分に検討した上での付保手続きを進めてまいります。 |
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3)情報セキュリティリスク |
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顕在化する可能性:中 |
顕在化し得る時期*:短期 |
顕在化した場合の影響度:大 |
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リスク: |
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当社グループは事業活動の中で取引先の情報、技術、契約、人事等の機密情報を取り扱いますが、多くは情報システムで管理しております。サイバー攻撃、不正アクセス等によるデータの改ざん、逸失、情報の漏洩、また災害や障害によるシステムの停止が引き起こす事業活動の停止などが発生した場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
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対応: |
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ネットワーク監視、ウイルス対策、アカウント管理などの基本的な情報セキュリティ対策、バックアップなどの適切なデータ保全、従業員に対する情報セキュリティ教育に取り組んでおります。 |
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4)人員・人財不足のリスク |
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顕在化する可能性:中 |
顕在化し得る時期*:中期 |
顕在化した場合の影響度:大 |
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リスク: |
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当社グループの持続可能な成長には、優秀な人財の継続的な獲得が欠かせないと認識しております。出生率低下で新卒者減少に伴う優秀な人財の採用逸失、有能な社員など人財の流出が頻発する場合は、当社の長期的な成長戦略に影響を及ぼす可能性があります。 |
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対応: |
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新卒者へのきめ細かいアプローチ、中途採用を積極的に行うと同時に、従業員の定着率を維持するため、ワーク・ライフバランスに配慮した社内制度の充実、多様な人財が能力を発揮できるような複数のキャリアパスの設定、従業員自身が成長を実感できるような能力開発の支援、仕事のやりがいなど環境改善を高める取り組みを進めております。 |
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Ⅲ.ハザードリスク
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1)自然災害、疫病等のリスク |
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顕在化する可能性:中 |
顕在化し得る時期*:不明 |
顕在化した場合の影響度:大 |
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リスク: |
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近年、大規模地震や大雨等の自然災害のリスクは高まっており、被害の規模によっては生産設備や情報処理システムの毀損、従業員の出勤不能、物流機能の停滞、原材料の調達難などにより当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、感染症の大流行(パンデミック)は、世界的な経済活動の停滞、需要減による販売減、感染者の拡大による営業拠点や工場の操業停止などにより、一時的に事業の継続が困難になる可能性があります。 |
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対応: |
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当社グループは、自然災害等の発生に備えて順次対策を進めておりますが、当該リスクが発生する蓋然性を事前に評価することは極めて困難ですので、建物、機械設備等の状況を十分に把握の上で合理的な内容で損害保険を付保することを行っております。同時に、製造・輸送コスト等も十分に検討しながら、お客様への製品供給が不合理に途切れることなく維持できるようにBCPの観点から、製造場所の複数化なども実施しております。 |
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当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績
当連結会計年度の世界経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限緩和により経済活動が活発化する一方、ロシアによるウクライナ侵攻長期化等の影響による原材料価格高止まり及びインフレ進行により景気は不透明な状況となりました。
このような環境の中、当社グループは、2年目となる中期経営計画の基本戦略として「技術主導による競争優位性の確保」「サステナブル社会の実現に向けたESG重視の経営推進」「事業基盤の強化のための海外事業の拡大」に基づく施策を引き続き推進しました。
当社グループの主要な販売先である輸送業界の自動車向けは半導体等の部品不足等による生産調整及びサプライチェーン上の在庫調整の影響により、また、情報電子業界の液晶ディスプレイ向けは、コロナ禍の巣ごもり需要の反動減等により低迷しました。一方、包装業界向けのインキ及び着色剤は、人流の活発化等により堅調に推移しました。この結果、売上高は、販売価格の見直しを進めたこともあり、1,220億5百万円(前年同期比0.1%増)と増収になりました。
一方、営業利益は、販売価格の見直しを進めましたが、原材料価格高止まりの影響を受け26億3千5百万円(同64.6%減)、経常利益は、33億7千3百万円(同59.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益に政策保有株式売却による投資有価証券売却益を計上しましたが、特別損失に固定資産の減損損失を計上した結果、20億7百万円(同67.4%減)とそれぞれ減益になりました。
次に報告セグメントの業績についてご報告いたします。
(カラー&ファンクショナル プロダクト)
当事業は、顔料・繊維用着色剤・プラスチック用着色剤・コンパウンド・顔料分散体・機能性材料の製造・販売を行っております。
情報電子業界向けの顔料及び分散体の売上高は、オフィス事務機器用途は回復が続きましたが、ディスプレイ用途は、液晶パネルの在庫調整及び巣ごもり需要の減少により低調となりました。家電OA機器及び車両業界向けのコンパウンド・着色剤の売上高は、国内は半導体不足等による自動車生産低迷により低調となりましたが、海外は、東南アジア・インドが好調に推移しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は、672億8百万円(同4.3%減)と減収になり、営業利益は20億5百万円(同59.3%減)と減益になりました。
(ポリマー&コーティング マテリアル)
当事業は、UV・EBコート剤・ウレタン樹脂・天然物由来高分子の製造・販売を行っております。
ウレタン樹脂の売上高は、主要販売先の在庫調整等により車両業界向け、衣料品・服飾品業界向け等全般的に低調に推移しました。情報電子業界の液晶ディスプレイ向けのコーティング剤は、巣ごもり需要の減少等により低調に推移しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は、236億4千9百万円(同0.2%増)と増収になりましたが、営業利益は19億7千6百万円(同40.2%減)と減益になりました。
(グラフィック&プリンティング マテリアル)
当事業は、グラビアインキ・オフセットインキの製造・販売を行っております。
包装業界向けのグラビアインキは、国内は飲料ラベル用途等が堅調に推移しました。海外は、インドネシア子会社でコロナ鎮静化により大幅に増収となりました。オフセットインキは、需要減少により低調に推移しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は310億7千1百万円(同10.9%増)と増収になりましたが、原材料価格の高止まり及び新工場移転費用の計上により、13億6千2百万円の営業損失(前年同期は8億2千5百万円の営業損失)となりました。
②財政状態
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は1,927億6千5百万円となり、前連結会計年度末と比べ39億4千3百万円減少しました。これは主に「売掛金」及び「現金及び預金」が減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は784億6千4百万円となり、前連結会計年度末と比べ77億5千8百万円減少しました。これは主に「支払手形及び買掛金」及び「有利子負債」が減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は1,143億1百万円となり、前連結会計年度末と比べ38億1千4百万円増加しました。これは主に「為替換算調整勘定」が増加したことによるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ17億7千5百万円減少し、231億3百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりとなっております。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、30億2百万円(前年同期比60.4%減)となりました。これは主に「減価償却費」及び「税金等調整前当期純利益」を計上した一方、「仕入債務」が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、21億9千5百万円(前年同期比67.0%減)となりました。これは主に「有形固定資産の取得による支出」として支出したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、38億3千6百万円(前年同期比66.4%減)となりました。これは主に借入金の返済及び配当金の支払いにより支出したことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:t)
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
カラー&ファンクショナル プロダクト |
216,391 |
88.4 |
|
ポリマー&コーティング マテリアル |
23,779 |
87.7 |
|
グラフィック&プリンティング マテリアル |
36,248 |
100.0 |
|
報告セグメント計 |
276,418 |
89.7 |
|
その他 |
- |
- |
|
合計 |
276,418 |
89.7 |
b.受注実績
当社グループは過去の販売実績と将来の予想に基づいて見込生産を行っており、受注生産は行っておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
カラー&ファンクショナル プロダクト |
67,208 |
95.7 |
|
ポリマー&コーティング マテリアル |
23,649 |
100.2 |
|
グラフィック&プリンティング マテリアル |
31,071 |
110.9 |
|
報告セグメント計 |
121,929 |
100.1 |
|
その他 |
75 |
93.9 |
|
合計 |
122,005 |
100.1 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討等
ⅰ経営成績の分析
当連結会計年度の当社グループの経営成績に対して特に重要な影響を与えた事象は、以下のとおりと考えております。
当連結会計年度の事業環境については、世界経済は新型コロナウイルス感染症による行動制限緩和は進んだものの、ロシアによるウクライナ侵攻長期化等の影響による原材料価格高止まりやユーティリティ費用の増加に見舞われインフレが進行しました。加えて、巣ごもり需要から一転、需要減に見舞われたディスプレイ用途や半導体不足で生産調整を余儀なくされた車両用途への出荷減少があり生産調整を継続して行いました。
こうした社会的、経済的状況のもとで、売上高は、販売価格の見直しを進めたこと、円安による為替換算の影響を受けたことにより1,220億5百万円(前年同期比0.1%増)となりましたが、利益面ではコスト上昇と主要得意先業界での大幅な需要減少の影響が大きく、営業利益は26億3千5百万円(同64.6%減)、経常利益は33億7千3百万円(同59.4%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、政策保有株式の売却を進め投資有価証券売却益を計上しましたが、「グラフィック&プリンティング マテリアル」セグメントにおいて減損損失が発生したことなどにより、20億7百万円(同67.4%減)となりました。
足元では、インフレの進行により最終需要の減少が懸念される中、景気変動を先読みした金利変動が為替への影響も出始めており先行き不透明な状況が続くことが想定されます。
当社グループでは「3 事業等のリスク」で記載したとおり、引き続き各リスクに対応したリスク回避・削減策を積極的に推進していくことといたします。
各報告セグメントの概況は以下のとおりであります。
なお報告セグメント毎の実績は上記「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績」に、生産実績・受注実績・販売実績は、同「④生産、受注及び販売の実績」にて、それぞれ記載しております。
(カラー&ファンクショナル プロダクト)
当事業は、顔料・繊維用着色剤・プラスチック用着色剤・コンパウンド・顔料分散体・機能性材料の製造・販売を行っております。
情報電子業界向けの顔料及び分散体の売上高は、オフィス事務機器用途は回復が続きましたが、ディスプレイ用途は、液晶パネルの在庫調整及び巣ごもり需要の減少により低調となりました。家電OA機器及び車両業界向けのコンパウンド・着色剤の売上高は、国内は半導体不足等による自動車生産低迷により低調となりましたが、海外は、東南アジア・インドが好調に推移しました。
当事業はお客様の必要とされる品質とスペックの製品を適時にかつ的確に供給することが必要ですので、市場動向、需要動向・原材料動向に関してお客様と情報交換を緊密にしつつ、引き続き国内外で収益確保・拡大を図ってまいります。また、お客様の需要予測に対して生産能力が将来不足することが明確になった事業に対しては、積極的に増能力投資を計画し実行すると同時に、研究開発に必要な設備についての増強も計画し実行しております。
(ポリマー&コーティング マテリアル)
当事業は、UV・EBコート剤・ウレタン樹脂・天然物由来高分子の製造・販売を行っております。
ウレタン樹脂の売上高は、主要販売先の在庫調整等により車両業界向け、衣料品・服飾品業界向け等全般的に低調に推移しました。海外市場で高い評価をいただいている産業資材向けは、引き続き堅調に推移しました。自動車内装材をはじめとした、環境配慮型ウレタン樹脂製品についても国内外で積極的な事業展開を行っております。また、二酸化炭素を原料とするヒドロキシポリウレタン(HPU)については、NEDOグリーンイノベーション基金事業として開発を進めております。情報電子業界の液晶ディスプレイ向けのコーティング剤は、巣ごもり需要の減少等により低調に推移しましたが、足もとでは在庫調整から増産に向けた動きも出始めております。
(グラフィック&プリンティング マテリアル)
当事業は、グラビアインキ・オフセットインキの製造・販売を行っております。
包装業界向けのグラビアインキは、国内は飲料ラベル用途等が堅調に推移しました。海外は、インドネシア子会社でコロナ鎮静化により大幅に増収となりました。グラビアインキにつきましては、継続してバイオマス由来の原材料を使用した製品の開発を進めた結果、グラビアインキの60%以上が環境配慮型製品となりました。グラビアインキ事業は、茨城県坂東市に開所しました新工場への生産移管の推進を引き続き当面の重要な課題と捉え進めております。一方で、原材料価格の高止まりの影響を大きく受けた事業であることから販売価格の見直しを引き続き進め利益の確保に努めることとし、最新の合理化された生産設備を用いたお客様の必要とされる品質とスペックを適時・的確に供給していくことについても進めてまいります。なお、需要減少の流れを踏まえた合理化施策を進めてきているオフセットインキは、引き続き低調に推移しました。
ⅱ財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における総資産は1,927億6千5百万円となり、前連結会計年度末と比べ、39億4千3百万円減少いたしました。これは、原材料の価格の上昇により「商品及び製品」や「原材料及び貯蔵品」などの在庫金額が増加する一方、これまでコロナ禍における経営環境を勘案し手元流動性を確保してまいりましたが、引き続き資金の平準化を目途として借入金の返済などへ充当いたしました結果、「現金及び預金」を15億円減少させたことによるものです。
また、「投資有価証券」の減少は政策保有株式の持合いの解消に伴い売却を進めたことなどによるものです。保有している政策保有株式については、毎年取締役会において、保有目的の適切さや保有に伴う便益・リスクが資本コストに見合っているか等を精査し、保有の適否を検証してきておりますが、外部環境の変化から、引き続きお客様と話し合いのうえで合意ができたものから解消を進めてまいります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は784億6千4百万円となり、前連結会計年度末と比べ、77億5千8百万円減少いたしました。
「短期借入金」「1年以内返済予定の長期借入金」及び「長期借入金」の合計となる外部借入債務は、322億6千1百万円から304億4千1百万円へと減少いたしました。(資産)で述べましたとおり、通常の運転資金について、コロナ禍で確保しておりました手元流動性の水準から、資金の水準の見直しを行い、また金利の上昇局面に備えて、借入債務の返済を進めたことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、1,143億1百万円となり、前連結会計年度末と比べ38億1千4百万円増加いたしました。この結果、自己資本比率は58.1%となり、前連結会計年度末に比べ3.0ポイント上昇いたしました。財務の健全性に加えて、今後は資本の効率性を重視し活用を行ってまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、231億3百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。なお、連結キャッシュ・フロー計算書も併せてご参照ください。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動から得られたキャッシュ・フローは30億2百万円となりました。これは「税金等調整前当期純利益」に「減価償却費」「売上債権」「仕入債務」及び「棚卸資産」などの増減を考慮したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、21億9千5百万円となりました。
IT顔料向け増産設備・ウレタン樹脂増産設備など有形固定資産の取得に51億9百万円支出する一方で、政策保有株式の持合解消にともなう投資有価証券の売却収入などが20億7百万円あったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、38億3千6百万円となりました。
(単位:百万円)
|
主な項目 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日) 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日) 至 2023年3月31日) |
|
短期借入による収入 |
2,444 |
2,543 |
|
短期借入金の返済による支出 |
△3,751 |
△1,813 |
|
長期借入による収入 |
- |
4,500 |
|
長期借入金の返済による支出 |
△8,451 |
△7,315 |
|
リース債務の返済による支出 |
△267 |
△201 |
投資活動に支出した資金をまかなうために、当社グループ内にて保有する資金のうちから営業活動の遂行にあたり必要となる資金相当分を控除した資金を活用することと合わせ、当該資金で不足する場合には、調達までの機動性や増資等による株式の希薄化を回避するためにも、主として銀行借入により調達しております。
③資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、主として営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入金などにより、資金を調達しております。財務上の方針としては、キャッシュ・フローの創出能力を最大化し、当社の中長期的な経営指標としているROA(総資産経常利益率)5%、ROE(自己資本利益率)9%の達成に向けて、継続的に財務面から支援を行うこととし、規律ある積極投資の基準を設けるとともに、経済の不安定要素に対する影響を抑えるため有利子負債の上限値を設け、資金調達コストを抑制しております。
有利子負債に関する数値基準としては、D/Eレシオ1倍以下を目安としており、当連結会計年度末におけるD/Eレシオは0.28倍となっております。金融機関には充分な借入枠を有していること、また、取引銀行3行と総額80億円、個別に取引銀行1行と25億円の貸出コミットメントラインを設定しており、流動性の補完にも対応が可能となっております。
④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、環境の変化に的確に対応し、持続的な社会の実現に貢献する製品、サービスを提供する技術オリエンテッドのソリューションカンパニーとして、事業の収益性・資本効率を重視する点から、ROA(総資産経常利益率)5%、ROE(自己資本利益率)9%を中長期的な経営目標として掲げております。
なお、技術開発に鋭意取り組んでいる新規発展分野及び継続発展分野への投資や海外新規ビジネス投資については、事業単位でのEBITDA(償却前・利払前利益)分析を駆使して事業評価を行うことなどにより積極的な成長機会を追求し、併せて、経営環境の変化に適時に対応するために、財務基盤の安定と成長を両立させることも重要な課題として認識しております。
⑤重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当社は、運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行3行と総額80億円、個別に取引銀行1行と25億円の貸出コミットメントライン契約を締結しております。
詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結貸借対照表関係)」及び「第5 経理の状況 2.財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (貸借対照表関係)」に記載しております。
当社グループは、企業の持続的な成長には新しい価値を創出し、社会貢献を行うことが必要という原点に立ち返り、変化する経済環境にも迅速に対応できる事業基盤を強化し、お客様へ課題解決を提案する化学メーカーとなるべく積極的に活動を進めております。2021年8月に公表した中期経営計画の施策を策定するにあたり、社会的ニーズ(ESG)への貢献を最優先に、従来の注力4分野(環境、エネルギー、パーソナルケア、IT・エレクトロニクス)を改めて、①IT・エレクトロニクス 機能性材料、②ライフサイエンス・パーソナルケアの二つを新規発展分野、③モビリティ、④パッケージングの二つを継続発展分野として開発対象の中心に据え、製品開発に注力しております。
当社グループの研究開発組織は当社コーポレート研究部門である「合成研究第1本部」「合成研究第2本部」「分散研究第1本部」「分散研究第2本部」及びスタッフ部門である「技術管理本部」、それに加えて各事業部の「技術統括部」から構成されます。新事業・新製品開発のスピードアップと効率化を図るため全社技術を集約し、重点テーマの選定とリソース(人財・物資・資金・情報)の集中を図り、開発を進めてまいります。
当連結会計年度における各セグメント別の研究開発費の金額は次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日) 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日) 至 2023年3月31日) |
増減率 |
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カラー&ファンクショナル プロダクト |
1,453百万円 |
|
7.2% |
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ポリマー&コーティング マテリアル |
870 |
|
9.3 |
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グラフィック&プリンティング マテリアル |
444 |
|
4.3 |
|
合計 |
2,768 |
|
7.4 |
なお、複数の報告セグメントに係る研究開発費については、適切な配賦基準によって各報告セグメントへ配分しております。
また、当連結会計年度における各セグメント別の研究開発活動の状況は以下のとおりであります。
(カラー&ファンクショナル プロダクト)
当事業では、顔料合成技術を基に粒子形状や表面性質を高度に制御することで各種用途への高付加価値製品を提供するとともに、分散加工技術を基に繊維用・プラスチック用着色剤を内外の様々な産業分野に提供しております。また、自社技術の多角的な展開を図り、機能性材料の開発・製品化にも取り組んでおります。
当該セグメントに該当する分野は以下のとおりです。
IT・エレクトロニクス 機能性材料分野では各種用途へ適性を持つ高品位製品の開発とともに、社内の関係技術部門との連携を緊密にし、要素技術の複合化により、色特性、省エネルギー化の向上に寄与するディスプレイ向けカラーフィルター用顔料やオフィス事務機器用顔料、電子部品の熱制御素材として高熱伝導性・放熱機能を付与した無機複合材料・コンパウンド、情報端末などに使用される特殊配線被覆材向け着色剤、半導体関連材料向け導電コンパウンドなどの開発・改良に取り組みました。
特に、オフィス事務機器用では高機能化研究として高分散マスターバッチの開発に取り組み、実績化しました。また、IJプリンターの印刷対象の広がりに対応した高意匠性を発現するIJインキ用顔料及び顔料分散体の開発に取り組み、実績化が進んでいます。
ライフサイエンス・パーソナルケア分野では海洋生分解性をもち、「マイクロプラスチック」の課題を解決する化粧品材料として天然物由来材料「RUBLALEAFシリーズ」の開発・改良に注力しました。また、医療用材料向けコンパウンドの開発に取り組み、実績化につながりました。
モビリティ分野では微分散化技術と調色・配合設計技術を基に、顔料及び機能性材料を加工したマスターバッチやコンパウンドを、様々な内外装材向けとして開発・改良に取り組み、採用に結び付けてきました。
また、新たな加工技術の開発に注力しつつ、金属からの樹脂代替(軽量化)、電気自動車、安全運転や自動運転化に貢献するマスターバッチ・コンパウンドの研究開発に取り組みました。
(ポリマー&コーティング マテリアル)
当事業では、樹脂合成技術を軸に、社会環境課題を背景に、独自技術の無溶剤と水系ウレタン樹脂、原材料メーカーとの協創で進めるバイオマスウレタン樹脂などの樹脂の開発・製品化と、天然物由来材料を使用した素材の開発・製品化に取り組んでおります。また、分散加工技術を基に各種コーティング剤を内外の様々な産業分野に提供しております。
当セグメントに該当する分野は以下のとおりです。
IT・エレクトロニクス 機能性材料分野ではBeyond5Gや6Gなど「高速通信技術」の深化、スマート社会実現に着目し、プリント基板向けなどに高機能フィラーとしてウレタン微粒子、耐熱性・耐久性を向上したウレタン樹脂、フラットパネルディスプレイやタッチパネル、半導体関連向け紫外線・電子線硬化型コーティング剤、精密機器などに表面に機能付与する熱硬化型コーティング剤の開発・改良に加え、VOCレスの無溶剤や水性化、バイオマテリアル材料の活用やマテリアルリサイクルに配慮したコーティング剤の開発・改良に取り組みました。
ライフサイエンス・パーソナルケア分野ではウレタンナノファイバー用樹脂の適用を目指した開発に取り組みました。
また、カニ殻からキチン・キトサンの開発・製品化に取り組みました。化粧品原料向けに、新たに非動物由来原料による甲殻類アレルゲンフリータイプのキトサン誘導体を開発し、保湿性や抗菌性などの機能が注目され、ユーザー評価が進行しました。
モビリティ分野ではコーティング剤とウレタン樹脂及び接着剤の開発・改良とともに、耐熱性や耐久性を向上させたウレタン樹脂の開発に取り組みました。
また、水系やバイオマスウレタン樹脂はESG貢献製品としてモビリティ分野にとどまらず、アパレルやパッケージ分野等への応用展開を図りました。
新たな環境対応素材として炭酸ガスを原料とするヒドロキシポリウレタン(HPU)については、NEDOグリーンイノベーション基金事業として開発を進めております。
(グラフィック&プリンティング マテリアル)
当事業では、分散加工技術を基に汎用の印刷インキの提供とともに、独自の配合技術などを活用し、特殊インキ・コーティング剤の開発・製品化に取り組んでおります。
当セグメントに該当する分野は以下のとおりです。
パッケージ分野では、環境負荷低減に寄与する製品として、VOC排出量削減に繋がる水性フレキソインキ「ハイドリックFCシリーズ」や水性グラビアインキ「ハイドリックPRPシリーズ」、循環型社会に貢献するためのリサイクルインキ「CycleFineシリーズ」などを上市したほか、CO2を原料とするウレタン樹脂「HPU」を利用した製品開発などに取り組みました。
特に石化由来材料を植物由来材料に代替したバイオマスインキは、食品パッケージや飲料ラベル、食品トレーなどに数多く採用され、実績化が進んでいます。
また、市場でニーズの高まっている抗菌・抗ウイルス機能を有するニス「UV REX SEALS(シールズ)」や意匠性に優れたメタリックインキ「輝(かがやき)」など、紙に対する印刷の特殊オフセットインキの拡充に取り組んでおります。
(その他の研究開発活動)
社会が抱える課題を解決する技術開発から新規事業創出と評価技術の導出を目的として、電池用材料やバイオマス樹脂等の研究開発に注力しました。
外部研究機関との連携も行っており、代表的なものとして「リビングラジカル重合による機能性材料の開発」が挙げられます。また、国内外の大学と共同研究を進めており、具体例としては「濃厚ポリマーブラシ(CPB)の工業的製造方法の確立」などがあり、摺動部材や機械部品に向けた新規トライポロジー材料の研究開発を行っています。