第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。

 

(1) 経営方針、経営戦略等

① 会社の経営の基本方針

当社グループは、「『出逢いをつくり、期待をはこぶ』事業を通して、“あんしん”と“かいてき”と“ときめき”を提供しつづけ、地域とともに歩み、ともに発展します。」という「にしてつグループの企業理念」に基づき、鉄道・バスの運輸業を軸に、地域に密着した多様な事業を展開しています。

 

② 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、1908年の創業以来、様々な時代の変化を乗り越えながら今日に至りますが、今後のポストコロナ社会における長期的な経営環境につきましては、デジタル化の加速、脱炭素社会の進展、生活スタイルの多様化等、これまで以上に変化のスピードが急激で、不確実性の高い時代が続くものと認識しています。

このような環境下においてもサステナブルな成長を実現するため、これまでの事業モデルの延長ではなく、想定した未来像から遡るバックキャストの手法で、当社グループの存在意義と実現したい社会、ステークホルダーへ提供していたい価値、その達成に向けた基本的な事業戦略等で構成した新長期ビジョン「にしてつグループまち夢ビジョン2035」を策定いたしました。

本長期ビジョンでは、提供していたい価値を実現するための基本スタンスを「濃(こま)やかに、共に、創り支える ~Grow in harmony with you~」とし、「出逢いをつくり、期待をはこぶ」事業の進化と新領域への挑戦を両輪としたビジネスモデルの変革、そして従業員一人ひとりが自己成長やチャレンジを実現しながらいきいきと働き、最大のパフォーマンスを発揮できる環境の整備や、事業の効率性とサステナビリティを意識したポートフォリオの構築等に取り組んでまいります。

 

※長期ビジョン「まち夢ビジョン2035」の詳細は、当社グループホームページにてご確認ください。

 https://www.nishitetsu.co.jp/ja/ir/management/vison.html

 

(2) 経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 今後の経営環境の変化

わが国においては、より一層の生産年齢人口の減少、ICTの進展、消費行動の多様化や、アジアを中心とした新興国の経済成長と市場拡大等、経営環境が絶えず変化していくことが想定されます。

また、当社グループにおいても、「福ビル街区建替プロジェクト」等大型開発プロジェクトの集中的な実施や、事業基盤となる人財の確保等、様々な課題に直面しております。

加えて、コロナ禍を経た社会情勢の変化、ウクライナ情勢等の地政学的リスクの高まりによる原材料価格の上昇や金融資本市場の変動等、先行き不透明な状況が続くものと予想されます。

 

② 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループでは、2023年3月に、まち夢ビジョン2035の実現に向けた第1ステップとして、第16次中期経営計画(2023年度~2025年度)を策定いたしました。本計画では、テーマを『サステナブルな成長への挑戦~Challenge for sustainable growth~」とし、5つの重点戦略に基づき、将来に向けた持続可能な公共交通事業の構築、福ビル街区建替プロジェクトの完遂や、ノウハウを活用した固定資産に頼らない事業モデルの基盤構築、新領域事業への挑戦、多様な人財を確保するための待遇の見直し、サステナブルな成長を支える人財力強化等に取り組んでまいります。

  なお、各重点戦略における具体的な取り組みは以下のとおりです。

ア. 構造改革の継続と事業基盤の整備・再構築

鉄道事業やバス事業において、運賃改定に向けた検討を進めるとともに、鉄道事業においては駅の運営体制の見直しを進めるほか、バス事業においては福岡市営地下鉄七隈線延伸への対応等、需要に応じた柔軟なダイヤの設定を行ってまいります。

また、事業の基盤となる人財の確保のため、待遇改善等による乗務員等の採用強化と定着率の向上に努めてまいります。

 このほか、各事業において運営体制の効率化や構造改革を推進してまいります。

イ.持続可能で活力あるまちづくりの推進

多様な移動手段を組み合わせた経路検索や乗車券の予約・購入等ができる次世代移動サービス「MaaS(マース)」の取り組みとして、国・自治体および他事業者と共働し、スマートフォン向けサービス「my route(マイルート)」を活用し、シームレスなモビリティサービスの提供に努めるなど、持続可能な交通ネットワーク実現に取り組んでまいります。

また、「福ビル街区建替プロジェクト」において、2025年度の開業に向けて引き続き新築工事やテナント誘致等を推進するほか、天神(天神一丁目15・16番街区、天神二丁目駅前街区)における地権者共働の開発プロジェクト等を推進してまいります。

さらに、雑餉隈~下大利駅間連続立体交差事業において、沿線自治体や地域と連携し、駅商業施設や高架下の活用を図るなど、沿線主要拠点の開発プロジェクトを推進するほか、新駅「桜並木駅」の開業準備を進めてまいります。

このほか、ホテル事業や旅行事業において、自治体等と連携し、観光促進に積極的に取り組むほか、鉄道事業においてタッチ決済・QRコードの導入による決済手段の拡大を図るなど、国内外の観光・MICE需要獲得に取り組んでまいります。

ウ. 成長事業の拡充と新たな稼ぐ力の創出

住宅事業では、首都圏等域外でのマンション供給を強化するほか、福岡エリアにおいては、分譲マンションの販売や新規物件の開発を推進してまいります。

ホテル事業では、「ソラリアホテル台北西門」の開業準備を進めるほか、国内外への新規出店を進めてまいります。

国際物流事業では、海外現地法人のM&Aや既存法人の支店開設によるネットワークの拡充を進めるほか、取扱重点品目の営業強化を図ってまいります。

また、関東における新たな拠点として「関東ロジスティクスセンター」を開設するなど、ロジスティクス事業の拡大を図ってまいります。

そのほか、「再生可能エネルギー電源開発事業」において、当社グループの施設への太陽光発電導入を進めるなど、エネルギー領域における事業拡大に努めてまいります。

エ. サステナブル経営の強化

国が掲げる「2050年カーボンニュートラル」実現に向けた取り組みとして、TCFDシナリオ分析に基づくロードマップの策定や具体策への取り組みを進めてまいります。

鉄道事業では、省エネ車両への順次代替を推進するほか、バス事業においては、「レトロフィット電気バス」の導入を進めてまいります。

国際物流事業では、環境負荷の少ない輸送手段の活用を進めるとともに、CO2排出量の算出ツールを活用し、CO2排出量の見える化を進めてまいります。

そのほか、各事業において、資源の有効活用や循環活用に取り組んでまいります。

また、事業拡大を見据えた多様な人財の確保を図っていくほか、自己啓発支援やタレントマネジメント等の導入を行うなど、サステナブルな成長を支える人財力強化に努めてまいります。

オ. 安全あんしんの追求

鉄道事業では、西鉄福岡(天神)駅のホームドア整備を進めるほか、西鉄久留米駅および高宮駅周辺の耐震補強工事を進めてまいります。

バス事業では、乗務員の改善基準告示見直しへの対応として、乗務員の長時間労働是正を図るほか、乗務員の健康に起因する事故防止対策に努めてまいります。

 

※ 第16次中期経営計画(2023年度~2025年度)の詳細は、当社グループホームページにてご確認ください。

https://www.nishitetsu.co.jp/ja/ir/management/managementplan.html

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、持続的な成長と企業価値向上のため、収益力を高めると共に、経営の効率化を図ってまいります。達成状況を判断するための客観的な指標として、収益力の成長性を示す「連結事業利益」、「連結EBITDA」、財務健全性を示す「NET有利子負債/EBITDA倍率」、資産効率を示す「ROA」、資本効率を示す「ROE」を採用しております。

 第16次中期経営計画(2023年度~2025年度)における経営数値目標(連結)は次のとおりです。

 

2026年3月期計画

連結事業利益(注)1

250億円

連結EBITDA (注)2

500億円

NET有利子負債/EBITDA倍率

6.8倍

ROA(総資産事業利益率) (注)3

3.5%

ROE(自己資本当期純利益率)

7.0%

 

  (注)1 連結事業利益=連結営業利益+事業投資に伴う受取配当金・持分法投資損益等

    2 連結EBITDA=連結事業利益+減価償却費+のれん償却費(営業費)

     3 総資産は鉄道の受託工事前受金相当額を除いて算出しています。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方および取り組み】

(1) サステナビリティ全般に関する考え方および取り組み

(ガバナンス)

当社グループにとってサステナブル経営とは、企業理念の実践です。地域社会、お客さま、従業員等多くのステークホルダーの期待に継続して応え続けていくことであり、グループ全従業員の行動規範(準則)を「コンプライアンス方針」に定め、その他の重要なテーマについても、それぞれ方針を定めて事業活動の中で実践しています。

サステナブル経営を推進するために、サステナビリティに関する重要な方針・方向性を協議し、社長の意思決定を補佐する常務会、ESG進会議や各委員会を設置するなど推進体制を構築しています。

ESG推進会議は、社長執行役員が議長となり、全執行役員が参加して毎月開催しており、各委員会や各部・グループ各社の担当役員からサステナブル経営に関する活動報告を受け、実施状況を確認し、対応策の検討等

を指示しています。

取締役会は、ESG推進会議で協議した重要な事項について適宜報告を受け、適切に監督を行っています。

 

<サステナブル経営推進体制図>


 

 

<サステナブル経営における重要課題>

当社グループは企業理念のもと、社会の役に立ち、社会から信頼される企業であり続けるよう地域の持続的な発展に貢献してきました。

今後、当社グループが、社会課題に取り組み、地域とともに持続的に成長・発展するために、社会的に貢献度が高く、企業価値に大きく影響を与える重要課題について、ESG推進会議等での議論を経て、以下のとおり特定しました。重要課題に取り組むことで、「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成にも貢献していきたいと考えています。

 


 

 

(リスク管理)

当社は、サステナビリティ課題を含め、各事業においてリスク管理計画を策定しリスク回避を行うほか、当社が資産・資金を保有・調整することで、グループ全体のリスクのコントロールに努めています。(当社が認識している主なリスクについては、「3 事業等のリスク」に記載しています。)

サステナビリティに関連するリスクについては、ESG推進会議において報告を受け、各施策の実施状況の確認や対応策の検討等を指示するなど、評価・管理を行うとともに、特に重要なリスクについては、社長執行役員または社長執行役員が指名する執行役員が統括する部門横断組織を設置して対応しています。

 

 

 

(2) 重要なサステナビリティ項目に係る当社グループのサステナビリティに関する考え方および取り組み

① 気候変動への対応:TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に基づく情報開示
(ガバナンス)

「(1) サステナビリティ全般に関する考え方および取り組み」に記載のとおりです。重要課題の一つである気候変動問題はESG推進会議の重要議題の一つと位置付けています。ESG推進会議では、社長執行役員が議長となり、気候変動問題解決に向けた自主的目標の設定や環境負荷低減活動を取りまとめた「環境負荷低減計画」の進捗状況を確認し、対応策の検討等を指示しています。

 

(戦略)
ア.リスクと機会

気候変動がもたらすリスクは、脱炭素社会への移行に伴うリスク(移行リスク)と物理的な影響に伴うリスク(物理的リスク)に分けられます。

また、気候変動は、当社グループにとって成長の“機会”としての側面もあるため“リスク”に加え、“機会”の両面から重要度の評価を実施しました。

2022年3月に開示したバス事業に加え、鉄道事業においても実施した結果、電力コストや次世代技術導入コストに関わるリスクに加えて、CO2の排出量が少ない鉄道へのシフトが機会として特定されました。

 

バス事業における気候関連のリスクと機会

種類

評価

リスク

機会

移行リスク

政策

炭素税

・炭素税導入によるコスト増加

・EVバス等の導入による燃料調達コスト削減

規制

・EVバス等への転換要求による対応コスト発生

・対応できない場合は事業継続困難

・EVバス等の普及を促進する政策・補助金制度の実施・強化による先行投資・導入が可能

技術

低炭素技術の

普及

・EVバス等の調達コスト増加

・蓄電池の管理コスト、交換コスト等の運行コスト増加

・EVバス等のメンテナンスコスト増加

・燃料補給設備等のハード構築コスト増加

・EVバス等の低価格化、長距離走行可能による車両調達コストや導入障壁低下

・車両の軽量化による燃費の改善により、燃料調達コスト減少

・貨客混載型輸送の導入による売上増加

・蓄電池のエネルギーマネジメント等への活用による収入源獲得

次世代技術の

進展

・自動運転技術の導入コスト発生

・自動運転車車両のメンテナンスコスト増加

・自動運転技術普及に伴う燃料・人員抑制によるコスト低減

・MaaSやAI活用型オンデマンドサービス等の普及による交通機関の積極的利用で売上増加

評判

お客さまからの

評判/行動変化

・環境対策に積極的でない場合、お客さまの環境意識高まりにより売上が低減

・EV自動車等の普及によるバスの環境優位性低下に伴う売上減少

・テレワークの普及による売上減少

・お客さまの環境意識の高まりによる輸送量単位のCO2排出量が低いバス

への転移による売上増加

・自家用車の燃料負担増大に伴うバスへの転移により売上増加

投資家の

評判変化

・環境対策に積極的でない場合、株価低下や資本コスト上昇

・低炭素・環境配慮型の事業に移行できた場合は、ESG投資の拡大に伴い資本コスト減少

物理リスク

慢性

平均気温の上昇

・冷房コスト、設備投資コスト増加

・熱中症対応コスト増加

・路面・車両への影響に伴う運転能力低下による対応コスト発生

・外出手控えによる売上減少

・大雪による運行障害の減少によるコスト低減

急性

異常気象の

激甚化

・道路・トンネル等での通行停止発生による売上減少

・車両の損傷復旧、現場作業員の安全・健康対策等によるコスト発生

・外出手控えによる売上減少

・停電時に非常用電源として蓄電池を提供することによる評価上昇

・う回路を複数想定するなど災害に強い運営体制を整備することによるお客さまからの信頼獲得

 

 

鉄道事業における気候関連のリスクと機会

種類

評価

リスク

機会

移行リスク

政策

炭素税

・炭素税導入によるエネルギー調達コスト増加

・燃料価格の高騰による車離れに伴う鉄道への転移の可能性

・環境配慮型車両・設備の導入によるエネルギー使用量減少

規制

・環境配慮型車両・設備の導入等対応コスト増加

・需要の増加による電力供給の不安定化

・ロードプライシング制度の導入による自家用車から鉄道への転移の可能性

・早期省エネ対応によるエネルギー使用量減少

業界/

市場

重要商品/製品価格の増減

・再生エネルギー普及に伴う材料コストの増加

・材料を工夫することによる車両・施設の延命

エネルギーミックスの変化

・再生エネルギー普及に伴うエネルギー調達コストの増加

・需要の増加による電力供給の不安定化

・環境配慮型車両・設備の導入によるエネルギー使用量減少

技術

低炭素技術の

普及

・環境配慮型車両・設備の導入コストの増加

・環境配慮型車両・設備の導入によるエネルギー使用量減少

・貨客混載や遊休地を活用した自家発電等による収入獲得

次世代技術の

進展

・電気自動車・自動車の自動運転技術の進展による鉄道の環境優位性低下

・次世代技術対応のコスト増加

・次世代技術の積極導入による運行・エネルギー・メンテナンスコストの減少

・MaaS等の普及による公共交通の積極利用の促進

評判

お客さまからの評判/行動変化

・環境対策に積極的でない場合、お客さまの環境意識高まりにより売り上げが低減

・お客さまの環境意識の高まりによる輸送量単位のCO2排出量が低い鉄道への転移が進む

投資家の

評判変化

・環境対策に積極的でない場合、株価低下や資本コスト上昇

・ESG投資の拡大に伴い資本コスト減少

物理リスク

慢性

降水・気象パターンの変化

・降雨・強風等への対応コストの増加

・外出手控えによる売上減少

・風水害に強い車両・設備を整備することによる評価上昇

平均気温の

上昇

・冷房に必要なエネルギーコスト・設備投資コスト増加

・屋外作業のある職場が敬遠されることによる 人財確保難

・外出出控えによる売上減少

・冬期の暖房コスト低減

・大雪による輸送障害の減少によるコスト減少

急性

異常気象の

激甚化

・台風・豪雨等への対応コストの増加

・施設被害の増加による事業継続困難

・外出手控えによる売上減少

・異常時の早期対応による信頼の上昇

 

 

 

 

イ.シナリオ分析

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)やIEA(国際エネルギー機関)等の専門機関が描く産業革命前と比較した世界の平均気温の上昇幅を示すシナリオの中から、パリ協定を踏まえたシステム移行により1.5℃未満に抑えられる1.5℃の外部シナリオと、新たな政策・制度が導入されずに21世紀末には4.0℃前後まで上昇する4℃の外部シナリオに基づき、バス事業および鉄道事業における気候変動の影響について分析を行いました。

使用した主なパラメータは以下の通りです。

 

使用パラメータ一覧

重要項目

想定パラメータ

パラメータ対象地域

単位

BAU

2030年

出所

4℃

1.5℃

各国の炭素排出

目標/政策

炭素税

先進国

円/tCO2

-

-

14,300

・IEA WEO2020

・IEA NZE2050

・4℃シナリオ

 現状と同等水準

環境配慮型車輛

世界

%

-

2%

23%

・IEA WEO2020

・IEA NZE2050

エネルギーミックスの変化

燃料の価格増減率

世界

%

-

21%

-5%

・IEA WEO2020

・IEA NZE2050

電力価格

日本

円/MWh

23,760

22,880

25,410

・IEA WEO2018

次世代技術の進展

自家用車・バス間の利用者数変化

世界

%

-

-

-

・IEA NZE2050

4℃シナリオ

 現状と同等水準

異常気象の激甚化

洪水発生頻度の

増加倍率

日本

 

4倍

2倍

・気候変動を踏まえた治水計画に係る技術検討会「気候変動を踏まえた治水計画のあり方 提言」から仮定

「降雨継続時間12時間以上」の変化倍率

日本

-

1.4倍

1.15倍

 

 

・バス事業

1.5℃シナリオでは、炭素税の導入による大幅なコストの増加が懸念されるところをEVバス等の導入を促進することで大きくリカバリー出来ることや、エネルギーミックスの変化によるコストの減少、MaaSの普及によるモーダルシフトの進展等により、自家用車からバスへのお客さまの転換が期待でき、売上を増加させる機会を獲得できるものと想定されます。

一方、4℃シナリオでは、軽油価格の上昇による大幅なコスト増加に対応できずに、事業存続が危ぶまれる事態に陥る可能性があることが分かりました。

このような炭素税リスクに対応するため、EVバスの導入を促進し、MaaSの普及に向け、他社との協働を推進していきます。

 

 

バス事業におけるインパクト評価(1年あたりの予想コストの増減(2030年))

リスク項目

想定される内容

影響度(注1)

1.5℃

4℃

移行

リスク

炭素価格

(1.5℃)

炭素税が導入される(ただし排出係数は減少)

▲▲▲

 

(4℃)

炭素税が導入されない

各国の炭素排出目標/政策

(1.5℃)

環境配慮型車両の導入が大幅に進む

++

 

(4℃)

環境配慮型車両の導入は僅か

エネルギーミックスの変化

(1.5℃)

原油価格が下落し、軽油価格も下落

++

▲▲▲

(4℃)

原油価格が高騰し、軽油価格も上昇

低炭素技術の普及

次世代技術の進展

(1.5℃)

VPP・V2Xへの参画等が進み、モーダルシフトの進展により、自家用車からバスへの顧客流入が進む

++

 

(4℃)

VPP・V2Xへの参画等は限定的、客数は成り行き

物理的

リスク

異常気象の激甚化

(1.5℃)

豪雨等による営業施設・車両等の被害がやや増加、運行収入がやや減少

(4℃)

豪雨等による営業施設・車両等の被害が増加、運行収入が減少

 

(注)1「+」は事業及び財務への正の影響、「▲」は負の影響を示し、符号の数は影響度の大きさを表現しています。

 

・鉄道事業

1.5℃シナリオでは、炭素税の導入やエネルギーミックスの変化に伴う再生可能エネルギー普及の進展の影響でコストが増加することが分かりました。

また、4℃シナリオでは、異常気象の激甚化等の影響が1.5℃シナリオに比較して2倍以上になることが分かりました。

脱炭素社会の実現に向け、1.5℃の世界の実現を目指し、省エネ車両への計画的代替や太陽光発電の導入等に取り組むとともに、風水害に強い施設・車両の整備や、BCPの継続的見直し等に引き続き取り組んでいきます。

 

鉄道事業におけるインパクト評価(1年あたりの予想コストの増減(2030年))

リスク項目

想定される内容

影響度(注1)

1.5℃

4℃

移行

リスク

炭素価格

(1.5℃)

炭素税が導入される(ただし排出係数は減少)

▲▲

 

(4℃)

炭素税が導入されない

エネルギーミックスの変化

(1.5℃)

再エネ普及が大幅に進み、電力価格が上昇

(4℃)

再エネ普及は進まず、電力価格は下降

物理的

リスク

異常気象の激甚化

(1.5℃)

豪雨等による鉄道施設・車両等の被害がやや増加、運賃収入がやや減少

▲▲

(4℃)

豪雨等による鉄道施設・車両等の被害が増加、運賃収入が減少

 

(注)1「+」は事業及び財務への正の影響、「▲」は負の影響を示し、符号の数は影響度の大きさを表現しています。

 

バス事業及び鉄道事業におけるシナリオ分析の結果を踏まえ、社会から信頼され長期にわたり発展し続ける企業であるために、誰一人取り残されない持続可能な社会が実現出来るよう、1.5℃の世界の実現に向けた取り組みを進めてまいります。

 

(リスク管理)

当社グループでは、社長執行役員を議長とするESG推進会議において、各部門・グループ各社において作成した CO2排出量(※1)の削減を含む「環境負荷低減計画」をベースにし、グループ全体計画を策定しています。その進捗状況をモニタリングし、各部門・グループ各社に修正等を指示するなど、リスクマネジメントのPDCAサイクルを実施しています。

(※1) 当社グループで把握している CO2 排出量はGHGプロトコルに基づく Scope1、Scope2 を対象としており、Scope 3の把握手法について現在検討しております。

    Scope 1:事業者自らによる燃料を使用して直接排出する量

    Scope 2:他社から供給された電気、熱・蒸気を使用して間接的に排出する量

    Scope 3:Scope 1、Scope 2以外の事業者の活動に関連して排出する量

 

(指標および目標)

当社グループは、2022年11月に2035年度を目標年次とする長期ビジョン「にしてつグループまち夢ビジョン2035『濃やかに、共に、創り支える』」を策定し、ロードマップである「カーボンニュートラル(2050)を目指して」を明示しております。また、第16次中期経営計画(2023年度~2025年度)における削減目標をロードマップに合わせ設定しております。

CO2削減目標を

・2025年度 2013年度比38%削減(第16次中期経営計画)

・2035年度 2013年度比50%削減(長期ビジョン)

とし、国の目標である「CO2排出量2030年度 2013年度比46%削減」を達成し、カーボンニュートラル(2050年)をグループ全体で目指します。

 

<カーボンニュートラル(2050年)を目指して>


 

 

※ TCFDに基づく情報開示に関する詳細は、当社グループホームページにてご確認ください。

https://www.nishitetsu.co.jp/ja/sustainability/management_promotion/tcfd.html

 

 

② 人的資本・多様性に関する取組

(ガバナンスおよびリスク管理)

「(1)サステナビリティ全般に関する考え方および取り組み」に記載のとおりです。なお、健康経営を推進するにあたっては、最高責任者を社長執行役員として取り組んでおり、具体的な方針等については、代表取締役、各部門の執行役員等で構成される常務会で審議したうえで、社長執行役員が決定しています。また、産業医や協会けんぽ等とも連携を図り、実効性のある体制としています。

 

(戦略)

当社グループは、従業員の多様性を尊重し、働く喜びや生きがいが実感できる「人を活かす経営」を目指しています。従業員一人ひとりの目指すべき姿と人財育成に臨む姿勢を明らかにした「西鉄グループ人財育成方針」にもとづき、「西鉄グループの未来を自ら創る人財」の育成を行っています。また、当社グループのサステナブルな成長を実現するため、多様な経験や価値観を尊重し、それらを積極的に活かしていくこととしています。これらの方針のもと、多様な人財の確保を図っていくほか、従業員一人ひとりが未来を見据えて、自己成長やチャレンジを実現しながらいきいきと働き、最大のパフォーマンスを発揮できる環境の整備や、風土の醸成に取り組んでまいります。

当社では、具体的には以下の環境を整備しています。

・人財育成

各年次、職位ごとに求められる役割意識や能力の習得を目的とした階層別研修だけでなく、通信教育やeラーニング等の自己啓発支援を実施しています。また、自律的な成長を促進するための施策として、キャリア面談制度や留学・通学休職制度等を導入しています。これらの取り組みに加え、自己啓発支援の拡充やタレントマネジメントシステムの導入等の検討を行っています。そのほか、海外事業の拡充にむけ、グローバル人財の確保・育成にも努めてまいります。

・ダイバーシティ

女性活躍推進に取り組むほか、中核人財の登用においても、性別や国籍、新卒または中途等の別なく、個々の能力に応じて行い、多様性の確保に努めています。また、フレックスタイム制度や法定を上回る短時間勤務制度、育児・介護を目的とした休業・休暇制度等の導入、年次有給休暇の取得促進等により、多様な働き方を支援しています。そのほか、多様な価値観、ライフステージに寄り添った施策の拡充に努めてまいります。

・健康経営

企業理念の実践のためには、従業員の健康が最も重要であるとの考えのもと、「西鉄グループ健康宣言」を制定し、それにもとづき健康経営を推進しています。健康診断後の再検査受診の徹底や禁煙への動機づけ、ストレス関連疾病の発生予防・早期発見・治療、運動機会の増進、飲酒習慣および食生活の改善等に取り組んでいます。

 

(指標および目標)

当社グループでは、当社およびグループ各社の事業特性等に応じてそれぞれ具体的な取り組みをすすめているため、指標および目標については連結会社での記載が困難であります。このため、指標に関する目標および実績は当社のものを記載しています。

 

指標

目標

実績(当連結会計年度)

管理職に占める女性労働者の割合

2035年度までに10%

4.9%

男性労働者の育児休業取得率

30%以上

30%

年次有給休暇取得率

80%以上

87%

 

 

 

 

3 【事業等のリスク】

当社グループは「第1 企業の概況」に記載のとおり、多岐にわたる事業を営んでおり、各事業においてリスク管理計画を策定しリスク回避を行うほか、当社が資産・資金を保有・調整することで、グループ全体のリスクのコントロールに努めていますが、当社の営む事業の内容や経営方針等に照らし、当社の財政状態及び経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性のあると考えるリスクとしては、主として以下のようなものがあります。

なお、これらのリスク、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」および「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」のうち将来に関する記述は、有価証券報告書提出日(2023年6月29日)現在において入手可能な情報に基づき当社グループが判断したものであり、実際の業績等はこれらの見通しとは異なることがあります。

また、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期につきまして、合理的に予見することが困難であるものについては記載していません。

 

(1)事業運営に影響を及ぼす可能性があるリスク

①自然災害・感染症拡大

地震や大雨等の自然災害が発生し、営業活動に必要な駅施設や車両、商業ビル等の施設が毀損した場合や電カ・燃料・建設資材・商品等の調達が困難となった場合、営業活動の停止に伴う減収や復旧のための多額の費用の支出、動カ・資材等の調達コストの増加等により、当社グループの業績に深刻な影響を与える可能性があります。

また、当社グループの事業エリアにおいて、新型ウイルス感染症等の疾病が発生・流行した場合、個人消費者の出控えに伴う減収、勤務する従業員の確保が困難となることによる営業活動の縮小等のほか、感染症収束後の個人消費者の志向や消費行動の変化に伴う既存事業の不振等により、業績に深刻な影響を与える可能性があります。

(リスクへの対応策)

当社グループでは多角的な事業を展開するとともに、福岡以外の地域での事業を拡大することでグループ全体の事業継続性を確保するよう努めており、各事業においても安全性の確保を最優先とし、危機管理体制や事業継続計画の継続的な改善を行うことで、社会的使命の実現と業績への影響の最小化を図っています。

また、安定的かつ継続的な調達を行うため、調達先との良好な取引関係の維持発展に努めるとともに、日頃から調達先の分散化や計画的な発注、十分な価格交渉を行うことで、影響の最小化を図っています。

 

②海外の社会情勢

海外における政治経済情勢の大幅な変動、テロや紛争の発生、各国の法的規制の変更等によって、海外における事業活動の縮小・停止が生じた場合、各事業の営業収益の減少等により、業績に深刻な影響を与える可能性があります。

(リスクへの対応策)

当社グループでは、経営会議や常務会等の会議体において、適宜、事業の状況をモニタリングし、社会情勢の変動等によるリスクを踏まえたうえで戦略等の見直しを行うとともに、各事業間の連携や専門家の活用により、法的規制等に適切に対応しています。

また、海外投資にはそのリスクの大きさを反映し制限を設け、その範囲内で実施することで、当社グループ全体の経営成績等に甚大な影響を及ぼすことがないようにしています。

 

③外交関係等の国際情勢

外交関係の悪化等国際情勢の変化によって、訪日旅行者が減少した場合、各事業の営業収益の減少等により、業績に深刻な影響を与える可能性があります。

また、外交関係等の国際情勢の悪化により電力や燃料や建築資材等の調達が困難となる場合や調達価格が高騰した場合等には、事業規模の縮小や費用の増加等により、業績に影響を与える可能性があります。

(リスクへの対応策)

当社グループでは、経営会議や常務会等の会議体において、適宜、事業の状況をモニタリングし、社会情勢の変動等によるリスクを踏まえたうえで戦略等の見直しを行っています。

また、燃料や建築資材等の調達については、安定的かつ継続的にこれを行うため、調達先との良好な取引関係の維持発展に努めるとともに、調達先の分散化や計画的な発注、十分な価格交渉を行うことで、影響の最小化を図っています。

 

④事故・法令違反・不祥事等

当社グループが大規模な事故や火災を発生させた場合、死傷した利用者等の補償等の対応だけでなく、事業の安全性に対する利用者の信頼や当社グループ全体に対する社会的評価が失墜し営業活動に支障をきたすなど、業績に深刻な影響を与える可能性があります。

また、各種コンプライアンス違反(雇用問題、ハラスメント、人権侵害等)、独占禁止法等の法令違反、個人情報の漏洩等の不祥事が発生した場合、罰則金支払、損害賠償請求のほか、信用失墜による売上減少等により業績に影響を与える可能性があります。

(リスクへの対応策)

当社グループでは、安全性の確保を最優先とし、特に重要なものについて、代表取締役である執行役員が統括する部門横断組織を設置し、グループ横断的に対応する等、各事業において事故の絶滅のための取り組みを実施するとともに、保安施設や防災設備の整備・管理に努めることで、事故等の防止に取り組んでいます。

また、法令・倫理遵守等、従業者が従うべき行動準則となる「にしてつグループコンプライアンス方針」を制定し、役員が率先してこれを遵守するとともに、具体的行動指針等を示したコンプライアンスマニュアルを定め配布するなど、コンプライアンス体制の整備、充実に努めています。

なお、各種損害保険に加入し、業績に与える影響を低減していますが、すべての損害や賠償費用の支出に対応できるものではありません。

 

⑤国内の社会情勢、法的規制等

鉄道事業やバス事業において運行本数や運賃を変更しようとする際には、原則として、国土交通大臣の認可や事前届け出が必要であるため、社会情勢が変動し当社グループの事業環境に急激な変化が生じた場合、需要との乖離をただちに修正することができず、これらの事業の利益率が低下するなど、業績に大きな影響を与える可能性があります。

また、法的規制が強化された場合や新設された場合、あるいは国や地方公共団体の各種政策が変更された場合、その対応のための費用の増加、事業戦略の見直しによる収支の変動等により、業績に影響を与える可能性があります。

(リスクへの対応策)

当社グループでは、社会情勢の変化を踏まえ、国や地方公共団体とも連携しながら、事業戦略の策定や事業運営にあたるとともに、監督官庁の指導のもと法的規制等に適切に対応するよう努めています。

また、経済情勢の変化や規制等の変更に伴う顧客需要の変化を適切に捉え、魅力ある商品・サービスを提供するよう努めています。

 

⑥金融情勢、株価・為替相場の変動

為替相場に大幅な変動が生じた場合、為替差損等の発生により、業績に影響を与える可能性があります。

また、株価の大幅な変動等により投資有価証券について時価の著しい下落等が生じた場合には、評価損の計上等により、業績に影響を与える可能性があります。

(リスクへの対応策)

海外事業の展開にあたり、投資判断基準を設け、経営会議や常務会等の会議体において為替変動等によるリスクを踏まえたうえで実施の可否を判断しています。

また、投資有価証券については、毎年、保有の適否について経営への影響を分析したうえで個別銘柄毎にその保有目的や資本コストを考慮した便益とリスク、将来の見通し等を踏まえて総合的に検証し確認を行っており、評価損の計上を最小化するよう努めています。

 

 


(2)中長期的な経営戦略に影響を及ぼす可能性があるリスク

①国内人口の減少、少子高齢化

当社グループの事業エリアの人口減少傾向に歯止めがかからない場合や高齢者の利便性に資する移動手段の提供等高齢者に対する新たなサービスを提供できない場合、当社グループの鉄道事業およびバス事業の輸送人員の減少による売上の継続的な減少や各事業の縮小、廃止を招くなど、業績に深刻な影響を与える可能性があります。

また、人口減少や少子高齢化の進行により、当社グループが想定する人員体制を必要な時期に確保できない場合には、各事業の規模縮小等により、業績に深刻な影響を与える可能性があります。

(リスクへの対応策)

当社グループでは、沿線各エリアの「まちづくり構想」の策定・実現への取り組みや交通ネットワークの強化・再整備等により住みたくなる沿線づくりを進めるとともに、住宅事業やホテル事業においてアジアや首都圏等の域外での事業拡大を進めています。

また、MaaS等持続可能な公共交通のあり方の研究やオンデマンドバス・自動運転の実証実験等、ICTを活用した商品・サービスの提供に取り組むとともに、シニアマンション「サンカルナ」の事業拡大やサービス付き高齢者向け住宅「カルナス」の開業等、シニアマーケットを捉えた収益力強化に取り組んでいます。

人員体制については、積極的な採用活動のほか、有資格者確保のためのバス運転士の教習所の設置等により、必要な人員の確保に努めるとともに、AIを活用した自動運転技術の実験を進めるなど、人手不足の状況下においても事業規模を維持できるための対策に取り組んでいます。

 

②ICT・デジタル化、省人化技術の社会実装

当社グループの既存事業において、ICTの進展やデジタル化等への適切な対応が進まない場合や、これらに対応した新たな商品・サービスを提供できない場合、各事業の営業収益等の減少や人財のミスマッチによる利益の減少等により、業績に深刻な影響を与える可能性があります。

また、情報システムや通信ネットワークに重大な障害が生じた場合、事業運営に支障を来たし、営業収益が減少するなど、業績に深刻な影響を与える可能性があります。

(リスクへの対応策)

当社グループでは、「西鉄グループDX・ICT委員会」を設置し、グループ全体のDX推進、ICT統制を強化するとともに、MaaSの研究やキャッシュレス決済システムの導入を推進するなど、デジタル技術を活用した商品・サービスの提供に取り組んでいます。

また、情報システム等については、通信ネットワーク機器にファイアウォール等の物理的対策を講じるとともに、データセンターの常時有人監視やセキュリティ規則の整備とそれに基づく体制を構築するなど、システム障害等の防止に努めています。

 

③気候変動と地球環境悪化

当社グループの鉄道事業、バス事業および国内物流事業においては、その動力として、電力や軽油を使用していますが、これら鉄道やバスは、輸送量単位(人キロベース)のCO2排出量が自家用車等に比較して低いという特徴を有しており、使いやすいダイヤの提供や他の公共交通機関との連携により、利便性を高め、自家用車からの転移を促すことで、社会全体のCO2排出量削減に寄与するほか、環境対応車両の導入、エコドライブの徹底等により、CO2排出量の削減等に取り組んでいます。しかしながら、これらの取組みについて消費者の理解を得られない場合や消費者にとって魅力のあるサービスを提供できなかった場合、鉄道事業やバス事業の利用者減による営業収益の減少等により、業績に影響を与える可能性があります。
 また、当社の地球環境保全のための取組みについて、投資家の理解を得られない場合、投資市場からの資金調達を困難にし、必要な時期に必要な資金を調達できなくなる可能性があります。
(リスクへの対応策)

当社グループでは、地球環境の保全を重要課題と認識し、環境との調和ある事業活動を通じて、脱炭素社会と循環型社会の実現を目指すとともに、これらの取組みについて適切な開示に努めています。

 

※気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)のフレームワークに基づく開示情報は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取り組み (2) ①気候変動への対応」に記載しております。

 

④人権の尊重、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)

当社グループは、異なる経験・技能・属性を反映した多様な視点や価値観が存在することは、当社グループの持続的な成長を確保する上での強みとなるとの認識のもと、従業員一人ひとりがいきいきと働き、それぞれの個性や能力を発揮できる機会および環境の整備・拡充を進めています。また、当社グループが事業を展開する国・地域には、人種差別や政治不安に起因する人権課題が存在する地域もあり、取引先と協働した取り組みが求められています。

しかしながら、当社グループの事業拠点、協業先や顧客等を含む範囲において、これらの課題に適切に対応できなかった場合、多様な人財を持続的に確保できず各事業の縮小、廃止となる可能性に加え、地域住民、顧客・消費者、株主・投資家等のステークホルダーからの批判にさらされることによるブランド価値の低下等、業績に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応策)

当社グループでは、多様な人財の確保、サステナブルな成長を支える人財力強化を重要課題と認識し、女性活躍推進に取り組むほか、中核人財の登用においても、性別や国籍、新卒または中途等の別なく、個々の能力に応じて行うとともに、働きがいを向上させる環境の整備やワーク・ライフ・バランスの推進に取り組んでいます。

また、2022年3月に制定した「西鉄グループ人権方針」に基づき事業活動に関わるすべての人の人権の尊重を求めるとともに、人権・同和問題、ハラスメント・障がい者・LGBTQ等の職場研修等を通じて人権意識の醸成に努めています。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

(1) 経営成績

(連結経営成績)

当連結会計年度におけるわが国の経済は、ウィズコロナでの社会・経済活動の正常化に向けた各種政策等により、緩やかな持ち直しの動きが見られたものの、長期化するウクライナ情勢等に起因する原材料やエネルギー価格の高騰、物価の上昇等により、先行き不透明な状況で推移しました。

このような情勢のなか、当社グループでは、“修正”第15次中期経営計画(2019年度~2022年度)の目標達成に向け、重点戦略に基づく各施策に取り組みました。

構造改革の取り組みとして、鉄道事業において天神大牟田線の駅集中管理方式の拡大を進めたほか、バス事業において高速バス路線の値上げを含む運賃施策の見直しを行うなど、従来の需要が戻らない前提での事業モデル変革を図りました。 

また、ホテル事業において、さらなる競争力強化のため、2023年4月より経営主体を当社から㈱西鉄ホテルズに移行し、経営および事業運営を一体的に行う体制にするなど、グループ経営体制の見直しを図りました。

一方、成長戦略に基づく取り組みとして、大型開発プロジェクトを着実に進め、「福ビル街区建替プロジェクト」では、2025年度の開業に向けた新築工事やテナント誘致を進めたほか、当社が参画する「旧大名小学校跡地活用事業」では、施設名称を「福岡大名ガーデンシティ」とし、2023年1月に広場の供用を開始し、4月にはオフィス、カンファレンスおよび一部の商業施設を開業しました。

また、持続可能な交通ネットワークの実現のため、多様な移動手段を組み合わせた経路検索や乗車券の予約・購入等ができる次世代移動サービス「MaaS(マース)」の取り組みとして、国・自治体および他事業者と共働し、スマートフォン向けサービス「my route(マイルート)」の利用エリアを拡大するなど、公共交通の課題解決に取り組みました。

さらに、鉄道・バスの魅力向上のため、メタバース上に鉄道とバスのミュージアムを構築した「にしてつバース」をオープンしたほか、観光列車「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」や古民家宿泊施設「HOTEL CULTIA太宰府(ホテルカルティア太宰府)」において地域資源と連携した観光需要の創出を図りました。

このほか、国が掲げる「2050年カーボンニュートラル」達成に向けた取り組みとして、中古バス車両を電動化した「レトロフィット電気バス」の製作を開始するなど、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを推進しました。

その結果、当連結会計年度の経営成績は以下のとおりとなりました。

 

 

前連結会計年度
(百万円)

当連結会計年度
(百万円)

増減額
(百万円)

増減率
(%)

営業収益

427,159

494,643

67,483

15.8

営業利益

10,451

26,150

15,699

150.2

経常利益

13,953

27,901

13,947

100.0

親会社株主に帰属する当期純利益

9,873

18,368

8,494

86.0

 

 

なお、連結損益計算書の主要項目ごとの前連結会計年度との主な増減要因等は、次のとおりです。

 

 

① 営業収益及び営業利益

当連結会計年度の営業収益は、物流業で輸送需要の減少により航空輸出取扱高が減少したものの、販売価格は前年に比べ高い水準を維持したことや、運輸業やレジャー・サービス業で新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和されたことなどにより前期からは需要が回復したことから、前連結会計年度から674億8千3百万円増加し、4,946億4千3百万円(前期比 15.8%増)となりました。

営業利益は、前連結会計年度から156億9千9百万円増加し、261億5千万円(前期比 150.2%増)となりました。

セグメントごとの営業収益及び営業利益又は営業損失(△)は、次のとおりです。

 

セグメントの名称

営業収益

営業利益又は営業損失(△)

前連結
会計年度
(百万円)

当連結
会計年度
(百万円)

増減率
(%)

前連結
会計年度
(百万円)

当連結
会計年度
(百万円)

増減率
(%)

運輸業

63,857

72,069

12.9

△4,699

76

不動産業

74,098

76,793

3.6

8,158

8,133

△0.3

流通業

68,736

68,993

0.4

629

87

△86.1

物流業

186,168

231,813

24.5

11,482

17,078

48.7

レジャー・サービス業

21,203

32,711

54.3

△6,625

84

414,064

482,383

16.5

8,945

25,461

184.6

その他

30,146

31,665

5.0

1,708

1,224

△28.3

調整額

△17,051

△19,405

△201

△535

連結

427,159

494,643

15.8

10,451

26,150

150.2

 

 

② 営業外損益及び経常利益

営業外収益は、雇用調整助成金の減少等により、前連結会計年度から15億7千8百万円減少し、46億4千5百万円となりました。

営業外費用は、前連結会計年度から1億7千3百万円増加し、28億9千5百万円となりました。

この結果、経常利益は、前連結会計年度から139億4千7百万円増加し、279億1百万円(前期比 100.0%増)となりました。

 

③ 特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益

特別利益は、鉄道事業における天神大牟田線連続立体交差事業の一部完了に伴う受託工事金受入額の計上などもあり、前連結会計年度から722億2千5百万円増加し、776億3百万円となりました。

特別損失は、鉄道事業における天神大牟田線連続立体交差事業の一部完了に伴う固定資産圧縮損の計上などもあり、前連結会計年度から746億6千5百万円増加し、778億5千8百万円となりました。

この結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度から115億8百万円増加し、276億4千6百万円(前期比 71.3%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度から84億9千4百万円増加し、183億6千8百万円(前期比 86.0%増)となりました。

 

 

(セグメント別概況)

①  運輸業

鉄道事業において、駅におけるバリアフリー設備の整備を着実に推進することを目的として、国により創設された「鉄道駅バリアフリー料金制度」を導入し、1乗車あたり10円を基本とした運賃への加算を開始しました。また、福岡県および福岡市が行う雑餉隈~下大利駅間連続立体交差事業において、雑餉隈~下大利駅間の高架切替が完了したほか、下大利駅の新駅舎を開業しました。

バス事業において、「三井ショッピングパーク ららぽーと福岡」の開業に合わせ、路線の新設や増便を行いました。また、太宰府ライナー「旅人」や「博多駅~福岡空港国際線ターミナル線」の増便を行い、回復基調にあるインバウンド需要を取り込むなど、収益力の強化に努めました。
 経営成績については、鉄道事業及びバス事業で、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和等により前期からは需要が回復し増収となりました。その結果、運輸業の営業収益は720億6千9百万円(前期比 12.9%増)、営業利益は7千6百万円(前期は営業損失46億9千9百万円)となりました。

 

 

イ  業種別営業成績

 

前連結会計年度
(百万円)

当連結会計年度
(百万円)

増減額
(百万円)

増減率
(%)

営業収益

63,857

72,069

8,212

12.9

 

鉄道事業

17,153

19,506

2,353

13.7

 

バス事業

43,439

48,845

5,405

 ※ 12.4

 

タクシー事業

2,584

3,146

562

21.8

 

運輸関連事業

9,532

9,298

△234

△2.5

 

消去

△8,851

△8,727

124

営業利益又は

営業損失(△)

△4,699

76

4,776

 

※バス事業の内部取引を除くと13.7%の増となります。

 

ロ  提出会社の鉄道事業の運輸成績

種別

単位

前連結会計年度

当連結会計年度

増減率(%)

営業日数

365

365

営業キロ

キロ

106.1

106.1

走行キロ

千キロ

38,414

38,339

△0.2

旅客人員

定期

千人

51,104

53,578

4.8

定期外

千人

33,040

38,926

17.8

千人

84,144

92,504

9.9

旅客収入

定期

百万円

6,920

7,172

3.6

定期外

百万円

8,710

10,656

22.3

百万円

15,630

17,829

14.1

手小荷物・その他収入

百万円

0

0

43.2

運輸雑収

百万円

703

790

12.4

運輸収入合計

百万円

16,334

18,620

14.0

乗車効率  (注)

22.5

26.6

 

 

ハ  提出会社のバス事業の運輸成績

種別

単位

前連結会計年度

当連結会計年度

増減率(%)

営業日数

365

365

営業キロ

キロ

4,262.0

4,296.6

0.8

走行キロ

千キロ

72,411

73,469

1.5

旅客人員

定期

千人

59,540

60,074

0.9

定期外

千人

81,232

92,701

14.1

千人

140,773

152,775

8.5

旅客収入

定期

百万円

6,790

7,103

4.6

定期外

百万円

18,440

21,968

19.1

百万円

25,230

29,071

15.2

手荷物・その他収入

百万円

0

0

3.0

運輸雑収

百万円

2,691

2,862

6.4

運輸収入合計

百万円

27,923

31,934

14.4

乗車効率  (注)

17.2

19.0

 

 

(注)

乗車効率算出方式

延人キロ

×100

 

1車平均定員×走行キロ

 

 

 

②  不動産業

賃貸事業において、「福岡大名ガーデンシティ」の商業施設部分等の運営管理業務を当社グループ施設以外では初めて受託し、テナントの誘致等開業に向けた準備を進めるなど、収益の拡大を図りました。

住宅事業において、首都圏でのマンションの供給・販売に努めたほか、フィリピンで現地デベロッパーと共同で住宅開発を行うなど、海外における不動産事業の拡大を図りました。
 経営成績については、住宅事業で、「サンリヤン相模原ステーションヴィラ」等の分譲マンション販売戸数が増加し増収となりました。また、賃貸事業で、商業施設の賃貸収入が回復したことなどにより増収となりました。これらの結果、不動産業の営業収益は767億9千3百万円(前期比 3.6%増)となりました。営業利益は、賃貸事業で商業施設の改装費用や諸税等の費用の増加等により81億3千3百万円(前期比 0.3%減)となりました。

 

イ 業種別営業成績

 

前連結会計年度
(百万円)

当連結会計年度
(百万円)

増減額
(百万円)

増減率
(%)

営業収益

74,098

76,793

2,695

3.6

 

賃貸事業

24,389

24,922

533

2.2

 

住宅事業

42,016

44,237

2,220

5.3

 

その他不動産事業

11,748

11,887

138

1.2

 

消去

△4,055

△4,252

△196

営業利益

8,158

8,133

△24

△0.3

 

 

ロ 分譲販売区画数

 

単位

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

増減率
(%)

分譲販売区画数

区画

893

920

27

3.0

 

マンション

693

763

70

10.1

 

戸建

区画

194

142

△52

△26.8

 

リノベーション

6

15

9

150.0

 

 

 

③  流通業

ストア事業において、下大利駅に新店舗を出店したほか、無人決済システムを採用した店舗1号店をオフィスビル内に出店するなど、収益力の強化に努めました。

生活雑貨販売業において、「雑貨館インキューブ」を福岡県福津市および広島県に出店するなど、収益力の強化に努めました。
 経営成績については、ストア事業で、物価上昇による節約志向の高まりなどを受け、既存店売上が減少した一方、生活雑貨販売業で、新規店舗の寄与などにより増収となりました。これらの結果、流通業の営業収益は689億9千3百万円(前期比 0.4%増)となりました。営業利益は、ストア事業でエネルギー価格の上昇に伴う水道光熱費の増加などにより8千7百万円(前期比 86.1%減)となりました。
 

 

業種別営業成績

 

前連結会計年度
(百万円)

当連結会計年度
(百万円)

増減額
(百万円)

増減率
(%)

営業収益

68,736

68,993

257

0.4

 

ストア事業

63,914

63,804

△109

△0.2

 

生活雑貨販売業

4,832

5,191

358

7.4

 

消去

△10

△2

8

営業利益

629

87

△541

△86.1

 

 

 

④  物流業

国際物流事業において、フォワーディング事業の拡大を進めたほか、運賃仕入の最適化に努めるなど、収益力の強化に努めました。また、ロジスティクス事業拡大のため、「福岡ロジスティクスセンター」を開設しました。さらに、半導体、自動車部品、食品等の取扱重点品目の営業強化に努めました。

経営成績については、国際物流事業で、輸送需要の減少により航空輸出取扱高が減少したものの、販売価格は前期に比べ高い水準を維持し増収となりました。その結果、物流業の営業収益は2,318億1千3百万円(前期比 24.5%増)、営業利益は170億7千8百万円(前期比 48.7%増)となりました。

 

 イ 業種別営業成績

 

前連結会計年度
(百万円)

当連結会計年度
(百万円)

増減額
(百万円)

増減率
(%)

営業収益

186,168

231,813

45,645

24.5

 

国際物流事業

196,205

247,340

51,135

26.1

 

国内物流事業

10,577

10,345

△231

△2.2

 

消去

△20,614

△25,872

△5,258

営業利益

11,482

17,078

5,596

48.7

 

 

 ロ 国際貨物取扱高

 

単位

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

増減率
(%)

 航空輸出

千トン

146

127

△19

△13.0

 航空輸入

千件

394

375

△19

△4.9

 海運輸出

千TEU ※

96

102

6

6.4

 海運輸入

千TEU ※

129

140

10

8.2

 

※TEU:20フィートの海上輸送コンテナを1単位とした換算個数

 

 

⑤  レジャー・サービス業

ホテル事業において、予約からチェックアウトまでの手続を総合的にサポートする「西鉄ホテルグループ公式アプリ」を開発し、2023年4月よりサービスを開始したほか、ポストコロナの観光復活に向けた取り組みとして、ワーキングスペースや中長期滞在者向け客室を設けた「西鉄ホテル クルーム 博多祇園 櫛田神社前」の開業準備を進め、2023年4月に開業しました。
 経営成績については、ホテル事業で、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和等により前期からは稼働が上昇し増収となりました。その結果、レジャー・サービス業の営業収益は327億1千1百万円(前期比 54.3%増)、営業利益は8千4百万円(前期は営業損失66億2千5百万円)となりました。

 

業種別営業成績

 

前連結会計年度
(百万円)

当連結会計年度
(百万円)

増減額
(百万円)

増減率
(%)

営業収益

21,203

32,711

11,507

54.3

 

ホテル事業

16,338

26,981

10,642

※ 65.1

 

旅行事業

1,329

2,633

1,303

98.0

 

娯楽事業

4,019

4,243

224

5.6

 

飲食事業

25

36

11

44.2

 

広告事業

2,402

2,824

421

17.5

 

その他サービス事業

6,085

7,930

1,844

30.3

 

消去

△8,997

△11,937

△2,939

営業利益又は

営業損失(△)

△6,625

84

6,710

 

※ホテル事業の内部取引を除くと96.9%の増となります。

 

⑥  その他

 ICカード事業において、nimocaが堀川バス㈱に採用されるなど、導入事業者の拡大に努めました。

経営成績については、建設関連事業で大型工事の受注が増加したこと等によりその他の営業収益は316億6千5百万円(前期比 5.0%増)となりました。営業利益は、金属リサイクル事業で販売数量が減少したこと等により12億2千4百万円(前期比 28.3%減)となりました。

 

業種別営業成績

 

前連結会計年度
(百万円)

当連結会計年度
(百万円)

増減額
(百万円)

増減率
(%)

営業収益

30,146

31,665

1,519

5.0

 

ICカード事業

1,046

1,139

93

8.9

 

車両整備関連事業

12,864

13,553

688

5.4

 

建設関連事業

10,781

12,248

1,466

13.6

 

金属リサイクル事業

5,805

5,325

△480

△8.3

 

消去

△353

△601

△248

営業利益

1,708

1,224

△483

△28.3

 

 

 

(2) 財政状態

 

前連結会計年度
2022年3月
(百万円)

当連結会計年度
2023年3月
(百万円)

増減額
(百万円)

資産合計

734,500

685,795

△48,705

負債合計

555,416

483,913

△71,502

純資産合計

179,084

201,881

22,797

有利子負債

347,793

334,875

△12,918

 

 (注)有利子負債は、借入金 + 社債により算出しています。

 

資産は、鉄道事業における天神大牟田線連続立体交差事業の一部完了に伴い、前受金として計上してきた工事負担金を取得した固定資産の取得原価から直接減額したこと等により、前連結会計年度末に比べ487億5百万円減少し、6,857億9千5百万円となりました。

負債は、鉄道事業における天神大牟田線連続立体交差事業の一部完了に伴う前受金の減少や有利子負債の減少等により、前連結会計年度末に比べ715億2百万円減少し、4,839億1千3百万円となりました。

純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等による利益剰余金の増加や為替換算調整勘定の増加等により、前連結会計年度末に比べ227億9千7百万円増加し、2,018億8千1百万円となりました。

 

(3) キャッシュ・フロー

 

 

前連結会計年度
2022年3月
(百万円)

当連結会計年度
2023年3月
(百万円)

増減額
(百万円)

現金及び現金同等物の期末残高

70,612

72,559

1,946

 

 

 

通期

増減額
(百万円)

2022年3月
(百万円)

2023年3月
(百万円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

30,591

43,775

13,184

投資活動によるキャッシュ・フロー

△10,344

△24,600

△14,256

フリー・キャッシュ・フロー(営業活動+投資活動)

20,247

19,174

△1,072

財務活動によるキャッシュ・フロー

△1,676

△19,164

△17,488

 

 

 

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ19億4千6百万円増加し、725億5千9百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益276億4千6百万円、減価償却費183億5千4百万円、法人税等の支払額62億1千8百万円等により437億7千5百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ131億8千4百万円の収入増となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出222億6千2百万円、投資有価証券の取得による支出61億4千万円等により、246億円の支出となり、前連結会計年度に比べ142億5千6百万円の支出増となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の純減による支出141億3千1百万円、配当金の支払額25億6千6百万円等により、191億6千4百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ174億8千8百万円の支出増となりました。

 

 

 

 

 

 当社グループの資金調達については、鉄道事業における設備投資に対する㈱日本政策投資銀行からの借入金のほか、社債および民間金融機関からの借入金等、市場環境や金利動向等を総合的に勘案しながら行っています。

 なお、当社グループでは資金効率向上のため、キャッシュマネジメントシステム(CMS)を導入しています。

 資金の流動性については、当社グループは、運輸業や流通業を中心に日々の収入金があることから、必要な流動性資金は十分に確保しており、これらの資金をCMSにより集中管理することでグループ内において有効に活用しています。

 資金の配分方針については、手許現金及び現金同等物は、売上高の約1ヶ月分程度を安定的な経営のための適正な水準としています。

 成長投資については、2022年度は「“修正”第15次中期経営計画(2019年度~2022年度)」に沿って、「福ビル街区建替プロジェクト」や西鉄ホテルクルーム博多祇園櫛田神社前新築工事等を進めました。2023年度は「第16次中期経営計画(2023年度~2025年度)」に沿って、「福ビル街区建替プロジェクト」やタイ王国・バンコク2号店ホテル(仮称)新築工事等について着実に進めてまいります。投資計画の詳細については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。

株主還元については、経営における重要課題の一つと考えており、当社は、株主の皆様への安定した利益還元を重視し、適切な内部留保の確保による財務体質及び経営基盤の強化を図りながら、安定的・継続的な配当を実施することを利益配分についての方針としています。当社の配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご確認ください。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。

この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

 また、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 2財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

 

(5) 生産、受注及び販売の実績

当社グループの各事業において提供するサービスや製品は多種多様であり、同じセグメント内のサービスや製品であっても、その内容、形式等は必ずしも一様ではないため、生産、受注及び販売の実績について、セグメントごとに生産規模あるいは数量で示すことはしていません。

そのため、生産、受注及び販売の状況については、「(1) 経営成績」における各セグメント業績に関連付けて示しています。

 

5 【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、経営上の重要な契約等はありません。

 

6 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。