当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積もりが必要になる事項については、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、見積もりは不確実性をともなうため、実際の結果はこれらと異なる場合がありあます。
当社連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況及び当該経営成績等に関する経営者の視点による認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
外食業界の市場規模は今後も大きな伸びは期待できない状況が続くものと見られ、加えて顧客嗜好の多様化が進み、今後ますます企業間の競争は激しくなると認識しております。
当社グループは、第一次産業から第三次産業までの領域で牡蠣の高付加価値化を図り、新しい牡蠣を通じた食文化の創造を目指しております。
経営環境につきましては、新型コロナウイルス感染症対策が更に緩和され、経済活動は回復傾向にあり、政府が、新型コロナウイルスの位置づけを2類相当から5類へ変更することを公表したこともあり、今後は更に正常化が進むことを想定しております。一方、ロシアのウクライナ侵攻による戦争状態の長期化、これに伴う世界的な物価上昇及び急激な米国の金利引上げ政策による景気後退懸念が重なり、先行きの不透明感が継続しております。
このような経営環境のもと、下記に掲げる事項を、対処すべき重要な課題としており、課題解決に向けて積極的に取り組んでまいります。
(1) 店舗事業について
当連結会計年度までは、既存店舗の収益性向上に注力して参りましたが、今後は集客力の高い商業施設を中心に出店を拡大して参ります。また、居抜き物件を優先的に検討し、投資金額を抑え、採算性の検証を十分実施の上、2024年3月期は3~5店舗の出店を想定しております。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響から売上が不安定であったことから、資金確保を最優先課題としていたため、老朽化店舗のリニューアルを先送りしてきましたが、積極的に実施して参ります。
また、引き続き原価低減を行い、効率的なシフト管理を徹底し、コストの抑制を継続するとともに、商品の品質、サービス力の向上にも注力し、顧客満足度の向上にも努めて参ります。
(2) 卸売事業について
グループの持つ、安心安全のプラットフォームの高付加価値を活かし、国内販売に関しては、営業力強化、取引先開拓により、取り扱い高増加に努めていきます。
また、海外販売に関しては、取引高を増加させるべく、東アジアのみならずアジア全体に販路の対象を拡大し、収益力向上を目指します。
(3) 加工事業について
岩手の加工工場の事業につきましては、2021年5月より、海産物の加工受託事業を開始しました。主にホタテの加工を受注しておりましたが、回転寿司チェーンの価格上昇によるホタテの取扱縮小等により、本年2月頃より受注が大幅に減少しております。
従いまして、今後は受託可能なラインナップを増やし、受注拡大を目指して参ります。また、ECサイト事業における牡蠣加工商品(牡蠣フライ等)の取り扱いを開始し、稼働改善を行い、収支を改善して参ります。
(4) そのほか(陸上養殖事業)について
沖縄の陸上養殖については、実証実験を続け、量産化に向け、ステップを歩んでおります。
また、牡蠣の販売チャネルを拡大させるべく、EC通販サイトを立ち上げた結果、リピーターも着実に増加し、販売量も拡大しております。今後もSNSなどを通じたマーケティングを強化し、収益拡大に努めて参ります。
(5) 人材の確保と育成及び定着化について
当社は、人材を最も重要な経営資源と位置づけ、優秀な人材の確保と育成及び定着化が今後の当社の成長にあたって不可欠であると認識しております。
今後は、将来の幹部人材の育成のため、若手採用を強化して参ります。また、国内外の環境が大きく変化する中、高い専門性を持ち、様々な課題に対処し、進化させることができる人材育成が必須と認識しております。従いまして、従業員の能力が最大限に発揮できる環境作りや研修制度を充実させる方針です。
(6) 衛生管理の強化、徹底について
当社グループは、各店舗、各センターや拠点では、衛生管理マニュアルに基づく衛生管理の徹底を行っております。また、定期的に本社衛生管理部門の人員による抜き打ち監査や外部検査機関による検査を実施しております。さらにノロウイルス検査に関しては、当社浄化センターへの牡蠣の入荷時及び出荷時における二重検査を行っております。
今後も、全従業員の健康管理に努め、お客様、お取引先様に安心・安全に利用していただけるよう、更なる衛生管理体制の強化を行っていく方針です。
(7) 内部統制の強化について
当社は、株主の皆様をはじめとするステークホルダーに信頼され、支持される企業となるために、コーポレート・ガバナンスの強化が不可欠であると考えております。そのため、権限に基づく意思決定の明確化、内部監査及び監査等委員会の監査並びに監査法人による監査との連携を強化するほか、全従業員に対して、継続的な啓蒙、教育活動を行っていく方針です。
当社グループのサステビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
気候変動は、地球温暖化による海水温の上昇等により、水産資源にも少なからず影響を与えております。当社が主に取り扱っている牡蠣についても、例外ではありません。
従いまして、敏速な状況把握及び対策の実施を目的に、毎週イノベーション会議を実施しております。当該会議体は、代表取締役社長、各子会社の事業責任者及び購買担当者が出席し、当社の仕入先の牡蠣の生育状況を共有し、必要な対策・中長期的な戦略等を協議しております。また、取締役会にも適宜必要な内容を報告しております。
牡蠣の安定した供給体制の構築
地球温暖化による海水温上昇等による要因から、一部地域での生育不良等も発生しており、短期的には、一部地域の生産者に依存せず、牡蠣の仕入先の分散化を進めております。また、小口の生産者から要望があれば、全量買い取りの提案を行う等、生産者と中長期的に共存できる関係構築に努めております。
長期的には、沖縄県久米島において、世界初の完全陸上養殖の実証実験を実施しており、当該陸上養殖は、生態系を変える魚粉等を利用せず、培養した微細藻類を餌として利用しております。現在は採算性等の課題があるものの、海水温の上昇等に影響を受けない牡蠣の量産化を目指しております。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略
当社グループの競争力は現場の「人材」であり、人材の「材」は「財」であるという認識のもと、人材育成を強化してまいります。具体的には、従前から「接客」「料理」「ワイン」等の研修は実施しておりましたが、今後は当該研修に加えて、牡蠣のプロフェッショナルを目指すべく、当社の牡蠣浄化センターや牡蠣養殖現場での研修会を実施し、現場社員の牡蠣に関する知識を向上してまいります。加えて、従業員の経営への参加意識を高めるため、業績に応じたボーナスの支給やストックオプションの配布を検討してまいります。
また、コロナ禍でコスト削減を優先し、人事異動を抑制していたことから、組織が硬直化しており、今後はジョブローテーションを拡大し、店舗事業のエリア外への異動やセグメントを跨ぐ異動を推進してまります。
気候変動に関するリスク管理につきましては、上述ガバナンスに記載したイノベーション会議において、牡蠣の生育状況を敏速に共有し、対策を講じることができる体制を構築しております。
牡蠣の安定した供給体制の構築に関する指標及び目標
当社の当事業年度の生牡蠣の仕入先は56社でしたが、3年以内に80社にすることを目指します。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標及び目標
当社の浄化センター(富山県入善町)では、海洋深層水で満たされた水槽内で牡蠣を蓄養し、牡蠣自体の生態活動の結果により、厚生労働省の指定する基準よりも厳しく規定している自社基準をクリアする生食用の牡蠣に仕上げております。当該設備で、店舗事業の現場社員に対して、研修を実施することにより、牡蠣に関する知識を向上して参ります。
当該研修については、業績低迷が続いていたことから長らく実施しておりませんでしたが、2024年3月末において、参加経験者100%を目指します(2023年3月末の参加経験者32.4%)。
2024年3月期は、当該浄化センターの研修に注力し、2025年3月期以降は牡蠣生産者の現場研修等を実施し、現場社員の牡蠣のプロフェッショナル化を目指していきます。
当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を以下のとおり記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に取り組む方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。
なお、本項記載のうち将来に関する事項は、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではなく、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経済状況の変化について
当社グループは、牡蠣を主体とするレストランであるオイスターバーの店舗事業を中心に展開しており、日本国内の景気変動の影響等が、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。特に、消費税の増税等に起因する個人消費の減速、原材料価格・人件費・賃料・水道光熱費・物流費等の上昇が、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(2) 各種法的規制について
① 食品衛生管理について
当社グループは、店舗事業につきましては、「食品衛生法」に基づき、所管保健所より飲食店営業許可を受けて、全ての店舗に食品衛生責任者を配置しております。衛生管理マニュアルに基づき厳格な衛生管理と品質管理を徹底しておりますが、食中毒などの衛生問題が発生した場合には、食材等の廃棄処分、営業許可の取消し、営業の禁止もしくは一定期間の営業停止処分、被害者からの損害賠償請求等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
卸売事業につきましては、「食品衛生法」に基づき、所管保健所より魚介類販売許可を受けて、直営店舗及び一般飲食店への卸売販売を行っております。同免許は、子会社である株式会社海洋深層水かきセンターの富山入善センターで取得しておりますが、万一許可が取り消された場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
② 労働関連法令について
当社グループは、店舗や浄化センターにおいて多数の短期間労働者を雇用しておりますが、これら短時間労働者の厚生年金などの社会保険適用範囲の拡大実施により、当社グループの社会保険料負担が増大すること等によって当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(3) 主要食材(牡蠣)への依存について
当社グループは、主力食材を牡蠣という特定食材に依存し、かつ、生牡蠣がメインとなるオイスターバー店舗の売上構成比が高い状況にあります。したがいまして、ノロウィルス等の疫病発生、食品衛生問題等によるブランド毀損、風評被害による消費控えなどの変化が発生した場合、牡蠣の販売数量低下により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(4) 出退店政策について
当社グループは、直営店舗による店舗展開を行っており、2023年3月31日現在、25店舗の営業を行っております。出店は高い集客が見込める都心部、主要ターミナル駅周辺にて実施しておりますが、新規出店におきましては、立地条件、賃貸条件、店舗の採算性などを勘案して出店を決定しているため、すべての条件に合致する物件が確保できない可能性があります。また、出店にかかわる賃貸借契約のほとんどが定期建物賃貸借契約となっており、採算性が確保されている店舗につきましても、期間満了により退店する可能性があります。店舗採算が不採算による退店を含めて、退店の際には減損損失の計上、各種契約の解除による違約金、退店時の原状回復費用等が想定以上に発生する可能性があります。これらが生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(5) 差入敷金について
当社グループの店舗は賃借により出店等を行うことを基本方針としており、全ての店舗において敷金を差し入れております。この敷金は、退店時には貸主から返還されることになっておりますが、貸主の財政状態の悪化等により、差入敷金の一部又は全部が返還されない場合があり、これらが生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(6) 減損損失について
当社グループは、今後とも収益性の向上に努める所存でありますが、店舗業績の不振や加工食品の販売不振等により、固定資産の減損会計による損失を計上することとなった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
特に、加工工場については、取引先と合意した条件をもとに算出した海産物の取引数量を前提に、保守的かつ最善
の見積もりを実施しております。しかしながら、新型コロナウイルスの変異等による影響の長期化、または自然災害等による海産物への甚大な被害が発生した場合、見積もりに用いた仮定と相違する可能性が存在するため、将来において追加の減損損失を計上しなければならないという不確実性が存在しております。
(7) 特定仕入先への依存について
当社グループは、主要食材である牡蠣について、全国各地の生産者・漁協から直接仕入を行っております。当社グループとしましては、高品質の牡蠣の仕入が継続してできるよう生産者と一体となった養殖に取り組み、リスク分散を図っていく方針であります。しかしながら、天候不順をはじめ、海域の汚染状況など自然環境の悪化などにより、必要な牡蠣が十分に確保できなかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(8) 人材の確保及び育成について
当社グループは、優秀な人材の継続的な確保が重要な経営課題であります。このため、当社グループは、採用の仕組みを整え人材確保に努めるとともに、教育による育成を行っております。しかしながら、十分な人材の確保及び育成ができない場合、新規事業開発の遅れ、店舗での接客サービスの低下等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(9) 新規事業の展開について
当社グループは、店舗事業が主力でありますが、牡蠣という食材の六次産業化を目指し収入源の多チャネル化を図るため、生産及び加工に係る新規事業を展開しております。生産におきましては、沖縄県久米島町における海洋深層水を利用したウィルスフリー牡蠣の生産を、加工におきましては、岩手県大槌町において牡蠣の加工食品を製造する工場を稼動させ早期の収益化を目指しております。しかしながら、計画通りに進捗しなかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(10) 商標管理について
当社グループは、「ガンボ&オイスターバー」、「オイスターテーブル」などの複数の店舗ブランドをはじめとする商標権の登録を行っております。当社グループが保有する商標について、第三者の商標権等を侵害している事実はありませんが、第三者の商標権を侵害していると認定され、その結果、使用差し止め、使用料、損害賠償等の支払いを請求された場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(11) 個人情報の保護について
当社グループは、店舗事業において会員向けポイント還元やイベントなどを行い、会員の個人情報をデータとして蓄積しております。これらの情報については、「個人情報保護に関する法律」を遵守すべく、データへのアクセス制限や外部からの侵入を防止するための方策をとっております。また、「個人情報保護方針」や「個人情報管理規程」を制定し、個人情報を取り扱う関係者に対して情報漏洩防止の徹底を啓蒙しております。
しかしながら、内部管理体制の問題や外部からの侵入により、これらの情報が漏洩した場合には、信用低下や損害賠償等によって当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(12) 売上高の季節変動について
当社グループは、牡蠣を主食材とする店舗事業及び卸売事業を展開しており、食材に対する消費者の認識上、冬場である11月から3月に売上が偏重する傾向にあります。また、仕入原価も需給バランスが落ち着く冬場の方が低減されることから、損益面でも下半期に大きく偏重する傾向にあります。
当社グループとしましては、夏場における岩牡蠣など、旬の牡蠣による新しい食べ方提案などにより需要の掘り起こしを図るとともに、加工事業などにより外食市場以外での収入源を確保することで、年間を通じて売上の平準化を目指していく方針としております。
第23期(2023年3月期)における当社グループの四半期別売上高及び営業損失の構成は次のとおりであります。
(13) 自然災害等について
当社グループの25店舗は、全国に展開しておりますが、このうち14店舗を関東エリアで展開しております(2023年3月31日現在)。したがいまして、地震・台風などの自然災害や大雪などの局地的な気象状況の影響により、店舗の営業休止・縮小等、電力・ガス・水道等の使用制限及び消費者の消費意欲低下といった影響が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、天候不順に加えて、疫病のまん延により、営業制限等の経済的制約が発生した場合にも、売上の減少等の影響が見込まれ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(14) 競合について
外食業界は、参入障壁が低く新規参入が多い一方で、少子高齢化の流れの中で外食市場全体は横這いという状況下で激しい競合状態が続いています。その中で当社グループは、取扱食材として極めて高いレベルでの安全性が求められる牡蠣を扱っていますが、その安全性は、ノウハウなどのソフト面のみならず、浄化施設を自社保有するハード面の両面を兼ね備えることで、競争優位性の確保を図っております。しかしながら、今後、当社グループと同レベルのソフト及びハード機能を持つ店舗が出現した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(15) 配当政策について
当社では、株主に対する利益還元を経営上の重要課題と認識しており、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を勘案して、利益還元策を決定していく所存であります。しかしながら、当社は当期純利益を計上したものの、未だ内部留保が充実しているとは言えず、創業以来配当を行っておりません。現在は内部留保の充実を図り、事業の効率化と事業拡大のための投資等に充当し、なお一層の事業拡大を目指す方針であり、将来的には、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を勘案しながら株主への利益の配当を検討する方針であります。しかしながら、配当実施の可能性及びその実施時期等については、現時点において未定であります。
(16) 継続企業の前提に関する重要事象等
当社グループは、2017年3月期以降、継続企業の前提に関する重要な疑義が生じさせるような事象又は状況が存在していました。しかしながら、当該事象を解消すべく、持株会社の人員数の見直しによる経営合理化、不採算店舗の撤退、浄化センターの集約、店舗のDX化による少人数で運営できる体制作り、店舗メニューの戦略的見直しや予約システム強化による客単価及び客数の改善及び加工事業の収益性改善等に取組んで参りました。
その結果、当連結会計年度において、営業利益127,244千円、経常利益128,621千円、親会社株主に帰属する当期純利益138,102千円を計上しました。また、新型コロナウイルス感染症による影響についても、政府が、当該感染症の位置づけを2類相当から5類相当に変更しており、収束しつつある状況にあります。従いまして、2024年3月期についても、外部環境等の改善から営業黒字を継続できる見通しであり、営業損失が継続する状況は解消したと判断しております。また、前連結会計年度において、新株予約権が行使された結果、242,457千円の資金調達が完了したことに加え、ネクスタ匿名組合及び阪和興業株式会社を割当先とする第三者割当増資499,290千円の払い込みが完了したことにより、財務基盤は強化されております。
以上により、2024年3月期の事業継続にあたり重要な不確実性は解消されたものと判断し、連結財務諸表及び財務諸表の注記として、継続企業の前提に関する注記は記載しておりません。
当連結会計年度における我が国経済は、期初から新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限や入国制限の緩和により、経済活動や個人消費活動の正常化に向けた動きが見られました。一方、ロシアのウクライナ侵攻による戦争状態の長期化、これに伴う世界的な物価上昇及び米国の金利引上げ政策による景気後退懸念が重なり、先行きの不透明感が継続しております。
外食産業におきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による営業自粛要請等がなかったこともあり、感染拡大時の経済的な影響は小さくなっております。一方で、原材料、エネルギー価格及び物流費の高騰に加え、慢性的な人手不足となっており、経営環境は依然として厳しい状況が続きました。
このような環境のもと、当社グループにおきましても、オミクロン株の感染者の増加により、店舗・卸売事業の一時的な売上減少等もありましたが、前年までの新型コロナウイルス感染拡大時と比べて、売上の減少幅は小さいものとなりました。主力の店舗事業については、この2年間進めてきた原価低減、モバイルオーダーシステム等の導入による少人数で運営できる体制作りを進めてきた結果、店舗事業の収支改善を実現することができました。一方、2022年6月には、「8TH SEA OYSTER Bar」(JRゲートタワー(名古屋市))をオープンし、5年ぶりの新規出店(リニューアルを除く)を実施しました。更に2店舗(水戸京成店、銀座コリドー店)のリニューアルを実施する等、売上拡大に向けた設備投資を強化しました。また、卸売事業についても、外部環境の改善及び営業強化により、コロナ前の2020年3月期を超える売上高を確保することができました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末における総資産は2,390,756千円となり、前連結会計年度末と比較して97,068千円の増加となりました。
当連結会計年度末における負債は1,371,886千円となり、前連結会計年度末と比較して23,011千円の減少となりました。
当連結会計年度末における純資産は1,018,869千円となり、前連結会計年度末と比較して120,080千円増加しました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高3,764,006千円(前年同期比48.2%増)、営業利益127,244千円(前年同期は営業損失283,676千円)、経常利益128,621千円(前年同期は経常損失288,617千円)、親会社株主に帰属する当期純利益138,102千円(前年同期比51.9%減)となりました。
なお、セグメントの概況は以下のとおりです。以下の売上高の数値はセグメント間の取引消去前となっております。なお、セグメントと事業の内容の関係性は次のとおりです。
(a)「店舗事業」は、直営店舗事業、富山入善ヴィレッジ事業の店舗から構成されます。
(b)「卸売事業」は、当社の店舗事業を除く外部飲食店等への牡蠣関連の国内卸売事業となります。
(c)「加工事業] は、店舗事業のセントラルキッチン機能及び外部からの受託加工事業から構成されます。
(d)「その他」は、浄化センター、陸上養殖の所在エリア内でのイベント事業及びECサイト事業から構
成されます。
(a) 「店舗事業」
当連結会計年度においては、2022年6月に「8TH SEA OYSTER Bar」(JRゲートタワー(名古屋市))をオープンしました。一方、「オイスターバー キンカウーカ小田急新宿店」が、小田急百貨店の建て替えに伴い、2022年10月に閉店することとなりました。この結果、2023年3月末現在の店舗数は25店舗となっております。
新型コロナウイルス感染症については、一時的に影響を受けることもありましたが、前年までの感染拡大時と比べて、売上の減少幅が小さく、影響を受ける期間が短くなっており、前年と比べて売上を大きく回復させることができました。また、この2年間進めてきた原価低減、少人数で運営できる体制作りを進めてきた結果、店舗事業の収支についても、大幅に改善することができました。
以上の結果、店舗事業における売上高3,082,986千円(前年同期比40.3%増)、セグメント利益444,790千円(前年同期比639.0%増)となりました。
(b) 「卸売事業」
卸売事業では、自社店舗のほか、グループ外の飲食店舗などに牡蠣を卸売販売しています。店舗事業と同様に、感染拡大による一時的な売上減少等もありましたが、前年までの新型コロナウイルス感染拡大時と比べて、売上の減少幅は小さいものとなった一方、外部環境の改善及び営業強化により、コロナ前の2020年3月期を超える売上高を確保することができました。
以上の結果、卸売事業における売上高336,137千円(前年同期比94.7%増)、セグメント利益110,951千円(前年同期比84.1%増)となりました。
(c) 「加工事業」
加工事業は店舗事業のセントラルキッチンとしての役割が主でありましたが、2021年5月より、海産物の受託事業を開始しました。受託事業により、本セグメントの収支の改善が進んでおりましたが、当社が主に取り扱っているホタテの価格上昇により、回転寿司チェーンの取扱いが縮小したため、本年2月以降大幅に受注が減少しました。
以上の結果、売上高287,351千円(前年同期比123.4%増)、セグメント損失38,782千円(前年同期セグメント損失41,224千円)となりました。
(d) 「その他」
その他には、イベント事業及びECサイト事業などが含まれます。当連結会計年度においては、浄化センター及び陸上養殖エリア内でのイベント事業で売上が計上されたほか、ECサイト事業で売上が計上されました。ECサイト事業における販促強化のための広告費増加により、セグメント利益は減少しております。
以上の結果、その他の事業における売上高65,028千円(前年同期比27.2%増)、セグメント損失2,974千円(前年同期セグメント利益6,650千円)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ61,503千円増加し、1,334,296千円となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は218,809千円(前連結会計年度は、376,160千円の獲得)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益114,748千円、減価償却費56,514千円、未払消費税64,844千円の増加によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動から使用した資金は105,857千円(前連結会計年度は、42,393千円の使用)となりました。これは主として、店舗等の設備更新に伴う有形及び無形固定資産の取得による支出66,706千円、敷金及び保証金の差入による支出39,468千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は51,449千円(前連結会計年度は、397,962千円の獲得)となりました。これは主として、長期借入金の返済による支出54,949千円によるものです。
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は仕入価格であり、セグメント間の内部振替前の数値となります。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格であり、セグメント間の内部振替前の数値となります。
2.総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がありませんので、主要な販売先の記載を省略しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。
その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
当連結会計年度末における総資産は2,390,756千円となり、前連結会計年度末と比較して97,068千円の増加となりました。これは主として、現金及び預金が61,503千円増加したことによるものです。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債は1,371,886千円となり、前連結会計年度末と比較して23,011千円の減少となりました。これは主として、長期借入金が54,949千円減少し、未払金19,788千円が増加したことによるものです。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産は1,018,869千円となり、前連結会計年度末と比較して120,080千円増加しました。これは主として、利益剰余金が138,102千円増加したことによるものです。
(a) 売上高
当連結会計年度の売上高は3,764,006千円(前連結会計年度比48.2%増加)となりました。当社グループの報告セグメントごとの内訳は、店舗事業が3,082,986千円、卸売事業が336,137千円、加工事業が287,351千円、その他65,028千円となっております。
店舗事業は、オミクロン株の感染者の増加により、一時的な売上減少等もありましたが、前年までの新型コロナウイルス感染症拡大時と比べて、売上の減少幅は小さいものとなりました。その結果、店舗事業の売上は、前年対比40.3%の増加と、大きく回復させることができました。
卸売事業についても、店舗事業と同様に、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が限定的に留まったことから、前年に比べて売上を大きく回復することができました。加えて、安心・安全の高付加価値戦略が評価され、取引先数も順調に伸ばすことができたことにより、前年対比94.7%の大幅増加となりました。
加工事業は、2021年5月より、海産物の受託事業を開始しました。受託事業により、本セグメントの収支の改善が進んでおりましたが、当社が主に取り扱っているホタテの価格上昇により、回転寿司チェーンの取扱いが縮小したため、本年2月以降大幅に受注が減少しました。その結果、売上高が前年対比123.4%の増加に留まりました。
その他にも、浄化センター、陸上養殖の所在エリア内でのイベント事業に加え、ECサイト事業などで売上がございました。
(b) 営業利益
当連結会計年度の営業利益は127,244千円(前連結会計年度は営業損失283,676千円)となりました。
当社グループの報告セグメントごとの内容は、店舗事業のセグメント利益444,790千円、卸売事業のセグメント利益110,951千円、加工事業のセグメント損失38,782千円、その他のセグメント損失2,974千円となり、合計でセグメント利益513,985千円となっております(営業損失との差額は、全社費用となります)。
店舗事業については、新型コロナウイルス感染症拡大の影響緩和による売上拡大に加えて、コロナ禍で進めてきた店舗メニュー見直しによる客単価の引き上げ、モバイルオーダーシステム等の導入による生産性向上、経費の見直し徹底が奏功し、セグメント利益については、対前年比639.0%の大幅な増加となりました。
卸売事業につきましては、卸売事業という業態から、固定費等が少ないため、売上の増加により、セグメント利益は対前年比84.1%の増加となりました。
加工事業については、加工受託事業の拡大により、稼働改善が進み、セグメント損失は38,782千円(前連結会計年度のセグメント損失41,224千円)となり、損失幅を縮小することができました。
その他、各報告セグメントに配分していない全社費用386,741千円を計上しました。
(c) 経常利益
当連結会計年度の経常利益は128,621千円(前連結会計年度は経常損失288,617千円)となりました。これは、主に営業外収益として受取協賛金6,068千円、営業外費用として借入れによる支払利息4,714千円を計上したことによるものです。
(d) 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は138,102千円(前連結会計年比51.9%減少)となりました。これは、特別利益として補助金収入12,052千円、特別損失としてアドバイザリー等費用13,400千円、減損損失6,810千円、固定資産除却損5,715千円を計上したことによるものです。
該当事項はありません。
(1) 研究開発戦略
当社グループの研究開発戦略は、「海洋深層水を用いたウィルスフリーの牡蠣の陸上養殖」を軸としております。
ウィルスフリーの牡蠣の陸上養殖とは、ノロウィルスに代表される食中毒の原因となるウィルスに汚染されていない牡蠣を陸上養殖することです。牡蠣に代表される二枚貝がウィルスに感染する経路は、ウィルスが残留している生活排水が海の表層海域に流入した際に、養殖されている牡蠣がウィルスを取り込むケースや、牡蠣の餌となるプランクトンがウィルスを取り込み牡蠣体内に入るケースといわれております。特に、ノロウィルスは、牡蠣の消化器官の中腸線細胞に特異結合した場合には、無菌海水を体内に循環させて浄化しても排出除去できないことが分かっております。当社グループは、この感染経路中の表層海域という点に注目し、ウィルスが存在せず清浄な海水である深度200m以深の海洋深層水を利用して陸上において取水した海洋深層水で牡蠣を養殖することを目指して沖縄県久米島で実証実験を行っております。
現在は、ウィルスフリーの牡蠣の商品化に向け、スモール・スケールでのプラントで、研究開発を加速化しております。
(2) 研究体制
海洋深層水を用いた環境安全型ウィルスフリー牡蠣の陸上養殖は、連結子会社の株式会社ジーオー・ファームにおいて行っており、外部の専門家や研究者の知見を取り入れながら研究を行っております。
(3) 連結会計年度における研究開発費
研究開発費の総額は