第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものであります。

(経営の基本方針)

当企業グループは道路建設機械事業を通じて、国土開発という社会事業に貢献することを経営の基本方針としています。ユーザの方々に信頼のおける製品とサービスを提供すること、道路建設機械のスペシャリストとして常に技術の深耕を図り、道路事業の発展に有益な技術を創造して行くこと、そして道路建設機械で培った専門技術を周辺分野の事業にも役立てて行くことが、当企業グループの存在意義であり、責務であると考えております。

この基本方針に基づき、株主の皆様より出資された資金並びに社員の能力を最大限生かせる会社運営を行うことにより、株主の皆様の期待に応えられる業績を挙げて行くことに全力を尽くして参ります。

(中期的な会社の経営戦略)

当企業グループは、国内建設投資の成熟化と激動する世界経済の中で現在成長の踊り場を迎えております。我々と致しましては、強みである道路建設機械事業の更なる専門化と国際化を会社の進むべき方向とし、事業構造革新を強力に進めて行く方針であります。この為、①国内事業の安定化、②海外事業の更なる拡大、③魅力ある新製品開発とサービスの提供を中期経営課題として定め、国際競争力の向上と国内外事業による安定的収益構造確立によって、中長期的な持続的成長と国際市場におけるトップメーカーとしての地位を目指して参ります。

(中期的な経営方針)

当社は、2022年3月期から2026年3月期の5ヶ年を対象とした、中期的な経営方針を策定し、2021年6月に公表致しました。

1.当社の目指す企業像

(1)あるべき当社の姿

・ 道路建設機械における世界一流のグローバルニッチ企業

・ 中期経営計画として、売上規模300億円の基盤固め

・ 長期目標として、売上規模500億円企業への成長

(2)プライム市場への上場維持確保

・ これまでの安定志向の経営から脱却し、質実ともにグローバル水準の企業経営への脱皮

・ 「事業成長」と「資本政策」を二本柱とした経営への転換と、これを通じた企業価値の向上

 

2.中期的目標

売上高300億円、ROE8%を実現し、安定的に配当性向50%(DOE4%)を維持

 

3.KPI

KPI

21/3実績

24/3目標

26/3目標

売上高

216億円

265億円

300億円

営業利益

7億円

20億円

31億円

ROE

0.0%

5.5%

8.0%

配当政策

ROE3%を下回る場合は配当性向100%の還元

ROE3%~6%の間はDOE3%の還元

ROE6%を超えた場合は配当性向50%の還元

自己株買い

5~20億円規模を上限とした機動的な自己株買い

 

(経営環境)

国内市場

国内市場は、総額15兆円の防災・減災・国土強靭化の為の5ヵ年加速化対策(2021年~2025年)を背景として堅調な事業環境が続く見通しです。また日本の建設産業は、政府主導のデジタル化と脱炭素政策の下、ICT施工が益々加速する勢いです。

・ 政府建設投資

2023年度の建設投資予想は、前年同期比1.4%増の64兆3,300億円。その内、公共投資関連である政府建設投資予想は同0.6%増の23兆4,800億円と微増ながら、高水準の予算執行が確保される見通しです。

・ 国土強靭化加速化対策

2022年度の補正予算において、国土強靭化対策の3年目予算として国費1兆5,341億円が決定しました。3年目までの事業規模累計は9.6 兆円(総額15兆円計画)、国費累計は5兆円(総額7兆円計画)が進捗することになります。今後についても政府では、次期5ヵ年計画に向けて、今年の夏にも新たな国土強靭化計画を策定する予定です。

当社関連では、高規格道路と直轄国道のダブルネットワーク化、高規格道路のミッシングリンク解消、4車線化への取組み強化、老朽化対策では予防保全型メンテナンスが進みます。

道路維持補修では、ライフサイクルコストの観点から、表層だけでなく路盤からの補修工事が増加します。

・ 建設施工のデジタル化と脱炭素化

国土交通省では、i-Constructionによる建設生産性20%向上、インフラDXの全国展開、インフラの脱炭素化とCO2削減につながる材料活用、革新的建設機械導入拡大に向けた認証制度創出、中小建設業へのICT施工普及拡大を方針として進めています。

昨年10月には、中小建設業へのICT施工普及を狙ってICT建機認定制度が開始され、65件の建機と装置がICT建機として認定されました。当社では、締固め管理システムと切削管理システムが認定されています。

また国土交通省主導で、建設機械施工の自動化・自律化協議会も発足し、無人化施工に向けたルールづくりとインフラづくりも着々と進んでいます。

海外市場

・ 米国

FRBによる急激な金利引き上げにより住宅建設投資の減速が予想される一方で、道路建設投資については2021年末に可決された総額1兆2,000億ドルのインフラ法案が動き出します。新規支出分として5年間で5,500 億ドル、その中で道路・橋梁に1,100億ドルが配分される予定です。前5ヵ年連邦道路予算(FASTACT)2,250億ドルが、今後約35%増の3,030億ドルに拡大される見通しですので、北米事業環境は底堅く推移するものと予想されます。昨年の建設投資は、前年同期比9.2%増の1兆7,949億ドル、道路建設投資は前年同期比11.9%増の1,140億ドルで推移しており、道路等の公共投資予算は引続き堅調に推移するものと予想されます。

・ ASEAN

欧米中央銀行による急激な金利引き上げによる影響が懸念されるものの、コロナ禍からの経済正常化が進む中、底堅い内需と堅調な輸出やサプライチェーンの脱中国化の動きを背景として、安定的な経済成長が期待されます。市場情勢も、各国政府の積極的なインフラ投資と資源価格高騰に伴う鉱山開発活発化により安定的に推移するものと予想されます。

・ ODA

日本政府は「インフラシステム海外展開戦略2025」で、日本企業の海外受注を、2020年の25兆円から5年間で34兆円に引上げる計画です。コロナでODA活動が停滞しましたが、その間に米中緊張激化、ロシアのウクライナ侵攻、台湾有事問題など国際情勢の緊張が高まり、政府では地政学的観点及び安全保障面から戦略的に「政府開発援助(ODA)大綱」を改定する計画です。

今後は「自由で開かれたインド太平洋」地域や「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」を中心にODAが活発化して行くものと予想されます。

 

世界ローラ需要

昨年の世界ローラ需要は、前年の54,770台から10.6%減の48,950台に減少しました。中国需要が14,140台から38%減の8,710台に減少したことが主因で、減少台数の93%を中国の需要減少が占めています。また75期は世界的な生産部材不足による製品供給制約が続き、強い需要回復の中で供給が伸び悩んだ面が多分にあります。

・ 日本は、前年同期比7.5%減の2,240台でしたが、製品供給制約のあった量を加味すればとても安定的な需要がありました。新年度はその反動増で11.3%増の2,500台に増加する見通しです。

・ 北米は、前年同期比4.7%増の8,660台です。新年度は同様に反動増で10,000台へ増加する見通しです。

・ ASEANは、前年同期比9.8%増の4,780台とコロナ禍からの回復が順調に進んでいます。国毎の対外債務や経済政策、中国経済との関係性により斑模様ではありますが、全体的には安定的な成長が続くものと期待されます。

・ 中国は、深刻な不動産不況が続く中、ゼロコロナ政策と米中対立で経済停滞が続き、前年同期比約4割減の8,710台に縮小しました。混乱の末、昨年末にゼロコロナ政策が緩和されましたが、回復にはしばらく時間を要するものと見込まれます。

(優先的に対処すべき事業上の課題)

今後とも国内では、総額15兆円の防災・減災・国土強靭化の為の5ヵ年加速化対策、米国では総額1兆2千億ドルのインフラ投資計画、ASEANや新興諸国でもインフラ投資や鉱山開発の活発化など、世界の建設機械需要は激動する世界情勢の中で一進一退を繰り返しつつも底堅く推移して行くものと期待されます。

一方で、世界的に急拡大するインフレと金融引き締め政策、安全保障環境激変に伴う国際社会のブロック化、ICTやAI技術の革新による社会変化など、世界経済の行方は予断を許しません。

このような情勢の下で当企業グループでは、販売価格改定と高付加価値化による収益構造改革、人的資本投資とDXを通じた生産性向上と新たな付加価値創造、経済ブロック化を前提としたサプライチェーンとグローバル事業活動の修正により、新たな事業環境に適応した経営体制への転換を進めて参ります。

また引き続き、アジア市場深耕と北米市場展開、海外事業領域拡大、新技術活用による次世代事業開発、需要変化対応力の強化を進めるとともに、積極的にESGを推進し、中長期的な企業価値向上を目指して参ります。

(目標とする経営指標等)

当企業グループは、道路機械という専門技術が求められるニッチマーケットにおいて、業界唯一の独立企業として自由で健全な成長と世界のインフラ整備に貢献出来るグローバルニッチメーカーを目指しており、売上高、営業利益を重要な経営指標として位置づけ、本業からの収益の着実な積み上げを目指します。

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

当企業グループは、以下のとおり、サステナビリティ基本方針を制定し、サステナビリティにおける課題に取り組んでおります。

 

 

サステナビリティ基本方針

 

当企業グループは、道路建設機械事業を通じて、世界の国土開発という社会事業に貢

献するという経営の基本方針のもと、ESG経営の推進・実践を通じて、持続可能な

社会の実現への貢献とグループの持続的な成長及び中長期的な企業価値の向上を目指

します。

 

1.(環境)

自社のCO2排出量削減に取り組むとともに、新技術の開発による付加価値創造

を通じて、脱炭素社会の実現に貢献します。

 

2.(社会)

道路建設機械事業を通じて社会的課題の解決と社会的価値の創造に取り組みます。

 

3.(人権)

性別・国籍・年齢等個人の属性に基づく差別を行わず、事業活動に関わるすべて

のステークホルダーの人権を尊重します。

 

4.(人材)

人材は企業発展のための原動力であり、安全・安心に働ける環境を整備するとと

もに、多様性を認め、人材の確保・育成に努めます。

 

5.(企業統治)

コーポレートガバナンス・コードに基づいた経営体制作りを進め、すべてのステ

ークホルダーとの信頼関係構築に努めます。

 

 

 

サステナビリティに関する重要事項につきましては、マネジメント・ボードとしての取締役会に報告、マネジメント・ボードにて審議され、モニタリング・ボードとしての取締役会にて監督がなされる体制を整備しております。なお、取締役会の運営に関する情報は、第4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要「② 企業統治の体制」に記載しております。

(1)気候変動への取り組み

気候変動への対応については、リスクと機会の両面において当企業グループの事業活動への影響が大きいことから、重要課題と位置づけ、2022年6月より、TCFDの提言に沿った気候変動に関する情報を開示しております。

① ガバナンス

気候変動問題への取組を加速化させることを目的として、2021年12月にカーボンニュートラル委員会を設立致しました。カーボンニュートラル委員会は、気候変動への対応の進捗状況、課題等を毎月、マネジメント・ボードとしての取締役会に報告する体制を整備しております。カーボンニュートラル委員会の構成員は、常務執行役員を筆頭に全社横断的なメンバーで構成されており、全社的な気候変動への対応についての議論、具体的な活動を推進しております。

② 戦略

TCFDの提言にて例示されている気候変動がもたらすリスク・機会を基にシナリオ分析を実施しており、2℃以下シナリオと4℃シナリオの2つのシナリオで分析しております。

a.2℃以下シナリオ

政府の環境規制強化にともなう炭素税導入、再生可能エネルギー需要の増加による価格上昇など費用の増加、電力消費量を削減するための設備投資の増加が想定されます。また、省資源・低炭素化の推進から厚板や鋼材などの部材価格が高騰することにより、製造コストが上昇し、当社の収益に多大な影響が及ぼされることが想定されます。

上記のリスクに対して、当社では、販売価格改定と物流効率改善に加え、再生可能エネルギーの導入、製造現場での省エネ等に取り組むことで財務的な負の影響を軽減させて参ります。また、ローラのEV化、DX化を推進することでお客様の建設施工現場のCO2削減に貢献することを新たな付加価値として提供して参ります。当社の道路建設機械事業を通じての環境問題への取組は、社会的課題解決に資するだけでなく、環境・社会リスクをマネジメントしながら、ビジネスチャンスを的確につかむことにより、企業価値向上にもつながると考えております。

b.4℃シナリオ

異常気象の増加、激甚化による自社工場の被災、さらにはサプライヤーの被災による部品供給の断絶が想定されます。平均気温の上昇や気象パターンの変化に伴う異常気象の慢性化からは、労働環境の悪化による従業員の生産効率の低下、良好な労働環境を維持するための対応コストの発生が想定されます。一方で気象パターンの変化に伴う堤防、盛土の強靭化、また自然災害により被害を受けたインフラ復旧の必要性から、当社の建設機械の需要が増加することも想定されます。

③ リスク管理

全ての部門が参加するカーボンニュートラル委員会にて、CO2排出量の削減計画を策定し、対応策を議論・検討するとともに、排出量削減の進捗管理を実施します。活動の中で認識されたリスクは、カーボンニュートラル委員会にて共有され、対応策について協議されるとともに、カーボンニュートラル委員会よりマネジメント・ボードとしての取締役会へ報告を行います。マネジメント・ボードは、当該報告に基づき、対応策等について審議を行い、カーボンニュートラル委員会に対して指示を行います。別途、モニタリング・ボードとしての取締役会にて監督がなされます。

かかるリスク管理を通じて、気候変動に伴うリスク、機会への対応を行っております。

④ 指標と目標

国内の2019年度におけるScope1+2のCO2排出量3,300tを対象に、「2030年度までに50%削減」「2050年度までにカーボンニュートラル」を達成する目標を設定しております。

なお、2019年度における国内工場のCO2排出量約2,000tのうち、約1,000tについては再生可能エネルギー由来の電力への切替による削減対策実施済です。

(2)人的資本経営に関する取り組み

人材は企業発展のための原動力であり、人材の確保・強化は経営の最重要項目の1つと位置付けております。

① 戦略

a.人材の多様性の確保を含む人材育成方針

当企業グループは、中長期成長戦略の実現の為、当企業グループの強みである道路建設機械の専門的知見、成長戦略の中核であるグローバル活動力、そして国際的道路建設機械メーカー特有の管理力・モノづくり力・マーケティング力を持つ「プロ人材の育成」と「戦力化」を進めます。戦力化にあたっては、三現主義(現場、現物、現実)の経験に基づく本質的な仕事力を重視します。

当社の専門的技術力の源泉である開発部門においては、製品開発者が、製品企画から試験、量産化、建設施工現場でのユーザ使用まで一気通貫で業務に携わっております。このように、一般的な教育システムに加え、徹底したOJTを通じた現場経験の積上げによる人材育成に取り組んでおります。

また、多様性の観点では、女性社員、外国人社員、中途採用者の採用を引続き積極的に進めます。当企業グループでは、グループ社員の約半数が外国人社員であり、日本においても、日本語コミュニケーション能力のある外国人人材を多数採用し、海外事業において活躍しております。中途採用者については役員、経営幹部、管理職層も含め多数在籍しております。

女性の管理職登用については、特に注力すべき課題として認識しております。今後は、女性が活躍出来る環境づくりを進め、公平な管理職登用を徹底するとともに、積極的な登用を進めて参ります。

 

b.社内環境整備方針

企業発展の原動力である人材が働く職場を「社員による価値創造の場」とします。

安全・安心に働ける場、多様な情報や人材が集まる場、社員の創造性や成長を誘発する場、活発なチームワークを醸成する場、健全で躍動感ある場とすべく、職場環境の整備を進め、会社の持続的な成長を目指した職場づくりを進めて参ります。

また、社員の自律的なキャリアパス構築と人材育成を取り入れた人事政策の導入を検討して参ります。

② 指標と目標

上記「① 戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材育成方針及び社内環境整備方針について、以下のとおり指標と目標を設定しております。

目標の水準につきましては、女性社員に占める女性管理職比率を全社員に占める管理職比率とほぼ同水準まで引き上げることを基本的な考え方として設定しております。従いまして、今後の従業員数、管理職数等の変動により、目標が変動する可能性があります。

指標

目標

実績(当連結会計年度)

管理職に占める女性労働者の割合

2026年3月までに15%

3.0%

(注)上記「① 戦略」において記載した方針につきましては、当企業グループとしての方針ではありますが、指標の設定にあたりましては、データ管理の制約から提出会社での開示としております。

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当企業グループの経営成績及び財務状況等(株価等を含む)に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあり、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項と考えております。

当企業グループと致しましては、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものであります。

(1)当企業グループがとっている特異な経営方針

当企業グループは国内市場の販売力の強化はもとより、海外市場の開拓を積極的に進めております。売上高にしめる海外売上比率は、2021年3月期は39.7%、2022年3月期は46.3%、2023年3月期は51.7%となっております。主として、販売先であるアジア、北米の経済状況の影響を受けております。

これらの情報は第5[経理の状況]のセグメント情報等として開示しております。

また、当企業グループの事業では新規製品を継続的に市場に投入していく必要があるため研究開発力が経営の重要な要素となっております。そのため、将来の企業成長には主に新製品の開発の成果に依存するというリスクがあります。

前連結会計年度から引き続き、国土交通省及び米国連邦環境保護庁(EPA)等の4次排出ガス規制及び5次排出ガス規制に対応すべく新型エンジンを、切削機およびスタビライザー等の道路維持補修機械、振動ローラ、タイヤローラ、ロードローラなどの全機種へ適用しております。

(2)研究開発活動及び人材育成について

当企業グループは、道路建設機械関連の専門メーカーとして、市場において新規製品を継続的に投入していく必要があります。研究開発費の過去3年間の推移をみますと、2021年3月期は768,303千円、2022年3月期は844,896千円、2023年3月期は955,073千円となっており、新製品の開発等に積極的に取り組んでおります。

当連結会計年度においては、舗装作業時の安全性の更なる向上を図るため、「緊急ブレーキ装置(Guardman)」を他機種へ展開し、2023年3月、アメリカのラスベガスで開催されたCONEXPO建機展示会では、舗装用振動ローラのTW504G(3.7t)・SW884G(13.6t)、振動タイヤローラのGW754G(9.3t)、マカダムローラのR2H-4G(14.5t)を出展し、多くの工事関係者とメディアから注目を集めました。また、国土交通省が推進するi-Construction要請に対応すべく締固め管理システム「SAKAI転圧管理システム(Compaction Meister)」を主要な舗装および土工用の締固め機械に搭載し、さらに路面切削機ER555F(28.9t)用の切削管理システムを開発致しました。自律走行ローラの開発では、業界標準機を開発すべく国内の主要ゼネコンに共同体メンバーとして参画して頂き、各社の工事現場において共同実験を積極的に展開し、仕様の見極めおよび製品化を推進しております。

研究開発の成果は不確実なものであり、必ずしも成果に結びつかないというリスクがあります。また、当企業グループの企業成長のためには、特に研究開発に係わる有能な人材に依存しますので、技術スキルの高い人材の確保と育成並びに研究成果の適正な評価が重要となっております。

このような人材を確保又は育成出来なかった場合には、当企業グループの企業成長、経営成績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

(3)海外活動に係わるリスクについて

当企業グループは、海外市場の開拓を積極的に進めている中で、海外の各国における次のようなリスクがあるため、これらの事象が発生した場合は当企業グループの経営成績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

① 予期しえない法律・規制、不利な影響を及ぼす租税制度の変更

② 社会的共通資本(インフラ)が、未整備なことによる当企業グループの活動への影響

③ 不利な政治的要因の発生

④ 戦争等による社会的混乱

⑤ 主要な市場である北米、アジアにおける景気及びそれに伴う予測を超えた需要変動

当企業グループと致しましては、このような猶予ない事態が発生した際には、政府関係機関及び各業界団体等より正確な情報収集に努め、臨機応変かつ積極的に対応策を講じ解決を図る所存であります。

(4)法的規制等について

当企業グループは、国内の法的規制のほかに事業展開している各国の法的規制、たとえば事業・投資の許可、関税・輸出入規制等の適用を受けております。また、将来において現在予期し得ない法的規制等が設けられる可能性があります。

(5)株式保有リスクについて

当企業グループは、金融機関や販売又は仕入に係る取引会社の株式を保有しているため、株式市場の価格変動リスクを負っております。株式の価格変動リスクについては特別のヘッジ手段を用いておりません。なお、有価証券に係る時価に関する情報は、第5[経理の状況]の有価証券関係の注記に記載しております。

(6)重要な訴訟等について

当企業グループは、国内及び海外事業に関連して、訴訟、紛争、その他の法律的手続きの対象となるリスクがあります。これらの法的なリスクについては当企業グループの管理部門が一括管理しており、必要に応じて取締役会及び監査等委員会に報告する管理体制となっております。また、契約中の顧問弁護士と連携を図りながらこれらの法的リスクに対応して参ります。当連結会計年度において当企業グループの事業に重大な影響を及ぼす訴訟は提起されておりませんが、将来重要な訴訟等が提起された場合には、当企業グループの経営成績及び財務状況等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

(7)為替変動リスクについて

当企業グループの事業は、北米、インドネシア、中国に製品等の生産拠点を設け、全世界に販売を行っております。各地域における売上高、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されております。換算時の為替レートにより、これらの項目は円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。一般に、他の通貨に対する円高は、当企業グループの事業に悪影響を及ぼし、円安は好影響をもたらします。

当企業グループが生産を行う地域の通貨価値の下落は、それらの地域における製造の調達コストを押し上げる可能性があり、コストの増加は、利益と価格競争力を低下させ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。これらの悪影響を最小限にくい止めるために為替予約等を行ってはおりますが、中期的な通貨変動により、計画された調達、製造、流通及び販売活動を確実に実行出来ない場合があるため、為替レートの変動は当企業グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当連結会計年度において、為替差損54,394千円を計上しております。

(8)製品保証及び生産物賠償責任リスクについて

当企業グループは道路転圧用各種ロードローラ等を製造しており、厳しい管理基準に基づき製品の設計・製造を行っておりますが、将来にわたり製品に欠陥が生じる可能性を完全に否定することは出来ません。製品の欠陥は将来の製品保証に係る費用の増加につながり、重大な欠陥が発生した場合には大規模な製品回収(リコール)や生産物賠償責任により多額の費用や賠償金を必要とするだけではなく当企業グループの評価に重大な影響を与え、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、生産物賠償責任については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバー出来るという保証はありませんし、引き続き当企業グループがこのような保険に許容出来る条件で加入出来るとは限りません。生産物賠償責任につながるような製品の欠陥は、多額のコストや当企業グループの評価に重大な影響を与え、それにより売上高が低下し、当企業グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当企業グループと致しましては、大規模な製品回収や生産物賠償責任を負う事の無いよう徹底した製品の品質管理やISO9001規格の維持等に努めて参ります。

(9)売上債権管理上のリスクについて

当企業グループの販売形態については、商社及び有力代理店を通した間接販売とユーザへの直接販売があります。販売先において資金繰り等の財政困難な状況にあった場合、当企業グループの事業及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当連結会計年度において、重大な貸倒れの発生はありません。

(10)繰延税金資産の回収可能性について

繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存しますので、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。

(11)感染症の拡大等に関するリスクについて

新型コロナウイルス等の感染症の流行により、国内外において都市封鎖、外出制限等実施された場合、また、役員及び従業員が感染症に罹患した場合には、需要の減少や生産ラインの閉鎖等により当企業グループの事業運営に支障を来たし、財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当企業グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)における当企業グループを取り囲む事業環境は、米中対立激化とロシアのウクライナ侵攻による国際安全保障環境の緊張が続く中、エネルギー・部材価格を始めとした世界的なインフレの拡大、グローバルサプライチェーンの混乱による供給能力の低下、欧米中央銀行の利上げ政策に伴う国際資本市場の潮流変化など、激動する世界情勢の中で底堅い回復基調に推移しました。

このような情勢の下で当企業グループでは、価格決定力と製品供給力の強化、ESGとDXによる持続可能な経営体制づくり、海外事業と次世代事業による中長期成長戦略を進めて参りました。

その結果、当連結会計年度における売上高は、サプライチェーン問題に伴う生産・販売活動への下押し圧力がありましたものの、海外販売の拡大により前連結会計年度比18.3%増の31,459,945千円となりました。営業利益は、海外事業において価格改定と合理化による収益構造改革が進み、前連結会計年度比81.2%増の2,506,092千円とすることが出来ました。これに伴い経常利益は、同65.4%増の2,327,800千円、親会社株主に帰属する当期純利益は同18.7%増の1,694,399千円となりました。

 

セグメントの業績は次のとおりであります。

日本

堅調な需要環境に対して部材欠品が続きましたものの、国内販売、製品輸出、海外工場向け部品輸出ともに好調に推移し、総売上高は前連結会計年度比14.9%増の24,556,607千円、営業利益は原価上昇に対して国内向け販売価格改定が遅れ、前連結会計年度比5.4%減の836,734千円となりました。

海外

米国では、力強い需要環境に対して部材欠品に伴う供給制約がありましたものの、販売が好調に推移し、総売上高は前連結会計年度比53.4%増の7,802,036千円、営業利益は販売価格改定と輸送コスト低減により収益構造改革が進み、前連結会計年度比109.8%増の688,856千円となりました。

インドネシアでは、国内販売が順調に回復するとともに、第三国向け輸出が好調に推移し、総売上高は前連結会計年度比35.9%増の7,012,128千円、営業利益も前連結会計年度比204.4%増の836,317千円となりました。

中国では、国内需要の低迷が続く中で、グループ企業向けの製品・部品輸出を拡大させました結果、総売上高は前連結会計年度比63.3%増の1,589,026千円、営業利益は前連結会計年度比213,649千円改善の133,880千円の黒字に転換することが出来ました。

財政状態は次のとおりであります。

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,946,074千円増加し、40,804,658千円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ811,608千円増加し、15,508,820千円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,134,466千円増加し、25,295,837千円となりました。

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、売上債権の増加と棚卸資産の増加及び仕入債務の増加等により、前連結会計年度末に比べ509,702千円減少し、当連結会計年度末には7,416,549千円(前連結会計年度比6.4%減)となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果増加した資金は、1,893,239千円(前連結会計年度は2,359,626千円の増加)であります。

これは主に、税金等調整前当期純利益2,329,533千円や、棚卸資産の増加額1,864,770千円、売上債権の増加額683,522千円、仕入債務の増加額1,003,336千円及び減価償却費、製品保証引当金等の非資金的損益項目を反映したものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果減少した資金は、399,429千円(前連結会計年度は263,604千円の減少)であります。

これは主に、有形固定資産の取得による支出361,094千円、投資有価証券の取得による支出16,718千円を反映したものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果減少した資金は、2,242,051千円(前連結会計年度は1,227,318千円の減少)であります。

これは主に、短期借入金の減少額958,165千円、長期借入金の返済による支出526,211千円、配当金の支払額780,956千円を反映したものであります。

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前連結会計年度比(%)

日本(千円)

21,635,811

112.4

米国(千円)

4,838,510

190.4

インドネシア(千円)

3,222,973

160.5

中国(千円)

132,309

36.4

合計(千円)

29,829,605

123.5

(注)金額は、売価換算額によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

b.受注実績

当企業グループ製品のほとんどが見込生産であるため、受注状況の記載は省略しております。

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前連結会計年度比(%)

日本(千円)

20,730,312

105.9

米国(千円)

7,751,729

153.8

インドネシア(千円)

2,656,996

162.9

中国(千円)

320,906

88.6

合計(千円)

31,459,945

118.3

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績

当連結会計年度における売上高は、サプライチェーン問題に伴う生産・販売活動への下押し圧力がありましたものの、海外販売の拡大により前連結会計年度比4,860,860千円増(18.3%増)の31,459,945千円とすることが出来ました。営業利益は、海外事業において価格改定と合理化による収益構造改革が進み、前連結会計年度比1,122,788千円増(81.2%増)の2,506,092千円とすることが出来ました。これに伴い経常利益は同920,085千円増(65.4%増)の2,327,800千円、親会社株主に帰属する当期純利益は同267,065千円増(18.7%増)の1,694,399千円となりました。

連結地域区分別売上高につきましては、次のとおりであります。

国内向け売上高は、国土強靭化加速化対策を背景として堅調な需要環境が続き、前連結会計年度比6.4%増の15,208,870千円となりました。

海外向け売上高は、北米及び東南アジア市場で需要回復が進み、前連結会計年度比32.0%増の16,251,074千円となりました。

北米向け売上高は、金利上昇に伴い住宅着工件数が減少に向かう中、インフラ投資法を背景とした道路建設投資が好調に推移し、前連結会計年度比53.8%増の7,751,729千円となりました。

アジア向け売上高は、一部市場で成長鈍化の兆しが見られましたものの、大市場であるインドネシアとベトナムを中心に底堅い市場環境が続き、前連結会計年度比20.1%増の7,796,330千円となりました。

その他市場向け売上高は、大洋州市場が堅調に推移しましたが、前連結会計年度比9.3%減の703,015千円となりました。

当連結会計年度の業績及び事業活動の状況は、以下のとおりとなります。

1.第75期業績概要

・ 好調な事業環境の下、サプライチェーン問題をこなして海外販売を拡大(連結売上高前年比18.3%増)

・ 海外事業を中心とした価格改定と合理化により収益構造改革が進展(営業利益前年比81.2%増)

・ 国内販売:国土強靭化加速化対策を背景に堅調な需要環境が継続(前年比6.4%増)

・ 北米販売:インフラ投資法を背景とした道路建設投資が拡大(前年比53.8%増)

・ アジア販売:大市場のインドネシアとベトナムを中心に底堅い市場環境が継続(前年比20.1%増)

2.事業環境変化対応

(1)資本収益性向上に向けた取組み

・中期経営方針の進捗

5ヵ年中期計画:売上高300億円、営業利益31億円、ROE8.0%

第2年度実績 :売上高314億円、営業利益25億円、ROE7.0%

・東証プライム市場上場維持基準への対応

流通株式時価総額:103億円達成(前々年6月対比63%増)により全基準適合

(2)価格改定とコスト低減による収益構造改革

原価率改善:74.0%(前年比1.9ポイント改善)

海外事業を中心に価格改定と輸送コスト低減が進み、収益構造改革が進展

(3)製品供給力強化

・サプライチェーンの強靭化(調達先の修正とデュアルソース化)

・グローバル事業活動の修正(国内工場の生産能力拡大、中国工場の部品事業拡大)

(4)需要変化対応

棚卸資産回転数:3.33回転(前年比0.36回転減少)

増産と部材欠品問題低減の為、在庫水準を31.2%積上げ

3.中長期成長戦略

(1)アジア市場深耕  インドネシア拠点を中核とした市場開拓(前年比売上高20.1%増)

(2)海外事業領域拡大 道路維持機械の海外市場展開(インドネシアでの現地生産化)

(3)北米市場開拓   ニッチマーケティングによるシェア拡大(前年比売上高53.8%増)

(4)次世代事業開発  緊急ブレーキの海外展開、転圧管理システムの市場づくり、

自律走行式ローラの現場試験展開、EVローラの研究開発

 

b.財政状態

当連結会計年度末における総資産は40,804,658千円となり、前連結会計年度末に比べ2,946,074千円の増加となりました。

流動資産につきましては、受取手形及び売掛金が931,134千円増加、棚卸資産が2,244,513千円増加し、現金及び預金が509,069千円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ2,364,702千円増加し、27,440,377千円となりました。

固定資産につきましては、有形固定資産が398,452千円増加、投資有価証券が404,839千円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ581,371千円増加し、13,364,280千円となりました。

流動負債につきましては、支払手形及び買掛金が436,104千円増加、電子記録債務が743,227千円増加し、短期借入金が937,693千円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ847,514千円増加し、14,377,834千円となりました。

固定負債につきましては、前連結会計年度末に比べ35,905千円減少し、1,130,986千円となりました。

純資産につきましては、利益剰余金が913,443千円増加、その他有価証券評価差額金が273,366千円増加、為替換算調整勘定が853,675千円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ2,134,466千円増加し、25,295,837千円となりました。

これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ0.7ポイント増加し、61.8%となりました。

②キャッシュ・フローの状況及び資本の財源及び資金の流動性

(キャッシュ・フロー)

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、(1)経営成績等の状況の概要「② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

(資金需要及び流動性について)

当連結会計年度において、有形固定資産と無形固定資産(ソフトウェア等)で395,174千円の設備投資を行っております。所要資金は自己資金及び銀行借入等によって賄い、新株式発行等による資金の調達は行っておりません。

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当企業グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当企業グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5 経理の状況 連結財務諸表 「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

a.貸倒引当金の計上基準

当企業グループは、売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しております。しかし、この計算は本質的に将来に対する見積りであり不確実性を含んでおります。実際に発生する貸倒れは見積りと異なる事があり、見積額以上の貸倒損失計上の必要性が生じる可能性があります。

b.製品保証引当金

製品の保証期間に発生した費用の支出に備えるため、過去の実績の製品売上高に対する比率を算定して当連結会計年度の売上高に乗じた額を計上しております。

また、個別に保証対応が見込まれる場合は、将来発生する修理費用の見積額を計上しております。しかし、この計算は本質的に将来に対する見積りであり不確実性を含んでおります。実際の補償額、修理費用は見積りと異なる事があり、製品保証引当金の追加計上の必要性が生じる可能性があります。

c.繰延税金資産の回収可能性の評価

当企業グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して将来の課税所得を合理的に見積っております。しかし、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が減少した場合に繰延税金資産が減額され税金費用を計上する可能性があります。

 

d.有形固定資産の減損

当企業グループは、固定資産の減損に係る会計上の見積りにあたり、他の資産又は資産グループのキャッシュ・フローから概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位でグルーピングを行った上で、グルーピングごとに減損の兆候の有無を判定し、減損の兆候が識別された場合には、将来キャッシュ・フローを利用して減損損失の計上の要否を検討しております。

対象資産の業績が当初計画を下回り、回収可能価額が減少し帳簿価額を下回る状況となった場合には、減損損失が発生し当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

特記すべき事項はありません。

6【研究開発活動】

研究開発活動は、主に開発本部において行われております。

開発本部は、製品開発部と新技術開発部の二部から構成され、製品開発部ではCAE解析ツール活用による開発アウトプットの3倍化と開発管理強化による新製品のQCDの更なる向上を引続き目指しております。一方、新技術開発部では、中長期経営戦略に基づく新技術とその応用製品の研究開発を行っております。例えば、次世代スマートローラ、自律走行式ローラおよびカーボンニュートラル対応の電動(EV)機の研究開発などです。

当連結会計年度の主な活動状況としては、次のとおりです。

前連結会計年度から引き続き、国土交通省及び米国連邦環境保護庁(EPA)等の4次排出ガス規制及び5次排出ガス規制に対応すべく新型エンジンを切削機およびスタビライザー等の道路維持補修機械、振動ローラ、タイヤローラ、ロードローラなどの全機種へ適用しております。

次世代スマートローラの研究開発では、舗装作業時の安全性の更なる向上を図るため、「緊急ブレーキ装置(Guardman)」を他機種へ展開し、2023年3月、アメリカのラスベガスで開催されたCONEXPO建機展示会では、舗装用振動ローラのTW504G(3.7t)・SW884G(13.6t)、振動タイヤローラのGW754G(9.3t)、マカダムローラのR2H-4G(14.5t)を出展し、多くの工事関係者とメディアから注目を集めました。また、国土交通省が推進するi-Construction要請に対応すべく締固め管理システム「SAKAI転圧管理システム(Compaction Meister)」を主要な舗装および土工用の締固め機械に搭載し、さらに路面切削機ER555F(28.9t)用の切削管理システムを開発致しました。自律走行ローラの開発では、業界標準機を開発すべく国内の主要ゼネコンに共同体メンバーとして参画して頂き、各社の工事現場において共同実験を積極的に展開し、仕様の見極めおよび製品化を推進しております。また、低炭素・脱炭素(カーボンニュートラル)に向けた電動(EV)ローラの研究開発では、東京ビッグサイトにおいて2023年3月に開催されたスマートグリッドEXPOへEVハンドガイドローラのコンセプトモデル(本田技研工業株式会社様の電動パワーユニット搭載)を出展し、市場調査など製品開発に向けて継続・推進しております。

当連結会計年度における産業財産権の総数は、108件(出願件数149件)となっています。

なお、当連結会計年度における研究開発費は955,073千円(前連結会計年度は844,896千円)で、そのほとんどが日本で発生しております。