第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 

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 当社が経営理念に掲げる建設エンジニアリングとは、安全性、経済性、実用性を兼ね備えた社会にとって有用なモノや環境を作り出すことです。私たちはこの目的を追求するために、これまで培ってきた建築・土木の専門的な知識に加え、土地や資金、情報等の様々な要素を統合することで、お客様のニーズを上回る付加価値を生み出していきます。

 多様化する社会にエンジニアリングによる新しい価値を提供し続けることで、従業員一人ひとりの成長と幸福の実現、そして企業の持続的成長を目指してまいります。

 

(2)会社の経営環境と対処すべき課題及び中長期的な会社の経営戦略と目標とする経営指標

 今後の経営環境につきましては、新型コロナウイルス感染症は沈静化へと向かっているものの引き続き今後の動向に注視が必要な状況であり、地政学リスクの長期化や急激な円安による影響により資源及び原材料価格の高騰や供給面での制約など先行き不透明な状況にあります。国内建設市場においては、公共投資は引き続き堅調に推移し民間住宅投資や民間設備投資も回復基調にあるものの、建設資材の価格高騰や納期遅延など今後の動向に注視する必要があります。加えて、中長期的には人口減少に伴う建設需要の減少や産業の担い手不足への対応、そしてSDGsやカーボンニュートラルをはじめとした社会課題への対応が求められています。

 このような事業環境のなか、当社グループは持続的成長を実現していくために、2030年度の目指す姿を「課題解決&価値創造型企業」と定めました。この「課題解決&価値創造型企業」とは、顧客・地域・社会が抱える課題を解決するだけにとどまらず、より良い社会を実現するために建設エンジニアリングによる新たな価値を創造・提供することで、顧客・地域そして社会の持続的発展に貢献する企業です。

 この目指す姿の実現に向けて、前半5年間を既存事業の深化・進化と新規分野・領域の探索・開拓を両立推進し、後半5年間で加速度的に成長するための基盤を構築する期間と位置づけ、2021年度を初年度とする中期経営計画を掲げております。

 

 「中期経営計画(2021年度~2025年度)」の事業方針及び数値目標等は以下のとおりです。

 

① 事業方針

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② 数値目標(連結)

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③ 配当方針

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④ 投資計画

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2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

(1)ESG戦略

 

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 当社グループは、「建設エンジニアリングによる価値創造を通して、従業員の自己実現と企業の持続的成長を目指す」という経営理念のもと、お客様が求める建設物を提供してきました。

 近年のコロナ禍は、産業構造やビジネスモデルの転換を一挙に前倒し、地球温暖化による自然災害の激甚化やカーボンニュートラルなど、社会の価値観も経済性重視からサステナビリティ重視へ転換しております。

 当社グループは、2021年に策定した中期経営計画において、2030年度の目指す姿を、顧客や地域が抱える課題を解決するだけにとどまらず、より良い社会を実現するために建設エンジニアリングによる新たな価値を創造・提供することで、顧客・地域、そして社会の持続的発展に貢献する企業(課題解決&価値創造型企業)と設定しました。また、2021年4月に「矢作建設グループSDGs宣言」を行うなど、環境、社会、ガバナンスに関わるさまざまな問題を解決しながら、持続可能な成長を目指すESG経営を推進し、グループ総力を挙げサステナビリティ社会への実現に取り組んでおります。

 

①ガバナンス

 当社グループは、取締役会の監督・指揮のもと、サステナビリティに対する取組みを進めるため、CSR/ESG委員会を設置しており、その下部組織として、SDGs部会、環境管理委員会、人事部会及び内部統制部会を設置しております。

 各下部組織の主な役割は、以下のとおりであります。

 

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②戦略

 当社グループは、「矢作建設グループSDGs宣言」にもとづき、その実現に向けて「環境」(Environment)、「社会」(Social)、「ガバナンス」(Governance)それぞれの観点について、リスクと機会を特定した上で、それらが顕在化した場合のインパクトを考慮し、取り組むべき課題を把握しています。その取り組むべき課題に対し、社会(ステークホルダー)と当社グループの観点から重要な戦略テーマ(マテリアリティ)を特定し、様々な取組みを推進しております。

 

A)マテリアリティ選定・運用プロセス

以下のプロセスによりマテリアリティを特定し、運用しております。

<STEP1:テーマの選定>

当社事業とSDGs・ESGの関係性(リスクと機会の特定)を分析し、取組み課題を把握し、テーマを選定。

<STEP2:マテリアリティの特定>

会社として重点的に取り組むべき課題と課題解決に向けた取組み方針を決定する。

<STEP3:KPIの設定>

行動計画のSDGsへの取組みをマテリアリティごとに分類・評価し、会社としての管理指標(KPI)、目標値の設定を行う。

<STEP4:運用と報告>

ステークホルダーの要望を把握し、進捗状況を定期的に報告し、コミュニケーションを実施。

 

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B)リスクと機会の特定と取り組むべき課題の把握

環境、社会、ガバナンスそれぞれについてリスクと機会を特定し、以下の取組み課題を把握しております。

<取り組むべき課題>

(環境)   環境に配慮した持続可能な社会の形成

□リスク

             気候変動に伴う異常気象や台風などによる大規模災害の頻発・激甚化

             気候変動に伴う気温上昇や無秩序な開発による自然環境の破壊

             炭素税(カーボンプライシング)の導入による材料・外注費の高騰

□機会

             気候変動に対応した建築物の増加(省エネ建築物の増加)・クリーンエネルギー需要の増加

(社会)   安全・安心で快適なまちづくりの推進

□リスク

             気候変動に伴う異常気象や台風などによる大規模災害の頻発・激甚化

□機会

 ICTの建設技術への応用

持続可能な生産基盤の確立

□リスク

             劣悪な労働環境

             労働者の高齢化・若年者の入職減少による技術力の衰退

             業務非効率による長時間労働

             労働環境における多様性の欠如

□機会

             高品質なインフラ需要の高まり

             ICTの建設技術への応用

地域貢献/パートナーシップの強化

□機会

             地域社会・企業との連携促進

 

(ガバナンス)健全な組織基盤の構築

□リスク

             ガバナンス機能の低下による成長戦略遂行の遂行不全

             内部統制、リスクマネジメント機能の低下、機能不全による業務遂行リスクの顕在化

 

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C)マテリアリティの特定

取り組むべき課題に対し、社会課題及び当社にとっての重要度の観点から以下のマテリアリティ(18個)を特定しております。

<環境>

(取り組むべき課題) 環境に配慮した持続可能な社会の形成

[マテリアリティ]① 環境に配慮したまちづくり

② 環境に配慮した事業活動

<社会>

(取り組むべき課題) 安全・安心で快適なまちづくりの推進

[マテリアリティ]③ 安全・安心なまちづくり

④ 快適なまちづくり

(取り組むべき課題) 持続可能な生産基盤の確立

[マテリアリティ]⑤ 良質な建設物の提供

⑥ 安全な労働環境の整備

⑦ 持続可能なサプライチェーンの実現

⑧ 協力会社とのリレーション強化

⑨ 技術力の継承・人材育成

⑩ 生産性の高い建設プロセスの実現

⑪ 働きがいのある職場の実現

 

(取り組むべき課題) 地域貢献/パートナーシップの強化

[マテリアリティ]⑫ 地域社会への貢献

⑬ 事業活動を通じたパートナーシップの強化

 

<ガバナンス>

(取り組むべき課題) 健全な組織基盤の構築

[マテリアリティ]⑭ コーポレートガバナンスの強化

⑮ 差別やハラスメントの撲滅

⑯ 情報セキュリティの確保

⑰ コンプラインアンスの徹底

⑱ リスクマネジメントの向上

 

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D)マテリアリティの内容と取組み事例

<環境> 環境に配慮した持続可能な社会の形成

(マテリアリティ)環境に配慮したまちづくり

省エネルギー化や脱炭素などに寄与する新たな技術メニューの拡充を図るとともに、環境に配慮した建設物やサービスの提案・提供を推進します。

(マテリアリティ)環境に配慮した事業活動

事業活動のあらゆる段階において、二酸化炭素の排出抑制、産業廃棄物の削減、生態系の保全、資源の有効利用、省エネルギー化等、環境負荷軽減に向けた取組みを推進します。

 

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<社会> 安全・安心で快適なまちづくりの推進

(マテリアリティ)安全・安心なまちづくり

防災・減災技術をはじめ、これまで当社が培ってきた建設に関する様々な技術・ノウハウを活用し、安全で強靭な建設物を提供します。

(マテリアリティ)快適なまちづくり

健康性・快適性に優れた建築物の提供や技術の開発、安全で暮らしやすく利便性の高い居住環境の提供等を通じて、人々が生き生きと快適に暮らすことができるまちづくりを実現します。

 

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<社会> 持続可能な生産基盤の確立

(マテリアリティ)良質な建設物の提供

         安全な労働環境の整備

         持続可能なサプライチェーンの実現

設計施工一貫体制のメリットを生かし、企画・設計段階から施工、維持管理に至る全てのプロセスにおいて、常に良質な建設物の提供と安全性の高い施工プロセスを追求します。

(マテリアリティ)協力会社とのリレーション強化

         技術力の継承・人材育成

協力会社とのリレーション強化や技術力の継承、人材育成などを通じて安定した技術力の維持に努めます。

(マテリアリティ)生産性の高い建設プロセスの実現

ICT・AI等のデジタル技術や省人化工法などの技術開発・導入による効率化を図るとともに、業務の見直しや生産体制を強化することで、事業活動における全てのプロセスにおいて生産性の向上を図ります。

(マテリアリティ)働きがいのある職場の実現

多様な人材が働きやすく、個々の能力を最大限発揮できる職場環境を整備することで、誰もが働きがいを感じることができる魅力ある職場を実現します。

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<社会> 地域貢献/パートナーシップの強化

(マテリアリティ)地域社会への貢献

地域との交流イベントや地域への貢献活動等へ積極的に取り組むとともに、不動産開発をはじめとした事業活動を通じて地域社会の活性化に貢献します。

(マテリアリティ)事業活動を通じたパートナーシップの強化

事業活動に関わるあらゆる分野のパートナー(自治体、大学、企業など)との価値共創を通じて、様々な社会課題の解決に貢献します。

 

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<ガバナンス> 健全な組織基盤の構築

(マテリアリティ)コーポレートガバナンスの強化

         差別やハラスメントの撲滅

         情報セキュリティの確保

         コンプラインアンスの徹底

         リスクマネジメントの向上

コンプライアンスの徹底、内部統制の実効性向上などコーポレートガバナンスの強化を通じて、健全な組織基盤の構築と企業価値の向上に努めます。

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③リスク管理

 上記②で設定した戦略テーマ(重要課題=マテリアリティ)の実現に向けては、これを阻害するリスクについて影響度や発生頻度に常に留意するとともに、機会についてもこれを確実に捉えていくために市場環境の変化や事業構成の推移を踏まえ課題を検討しております。

 また、これらリスク・機会これに対応するマテリアリティについては、定期的にCSR/ESG委員会にて評価・見直しが行われるとともに、その取組みやKPIに対する達成(進捗)についても定期的にCSR/ESG委員会へ報告されることとなっております。

 

④指標と目標

 上記のとおり、当社グループは持続可能な社会の実現に貢献すべく、ESG経営の観点から重要な戦略テーマ(マテリアリティ)を設定しております。この戦略テーマを実現すべく、それぞれについて重点的な取組みを明確化し、その取組みに係るKPI(2025年度目標)を定めております。

 

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(2)気候変動に関する情報(TCFD提言への取組)

 近年、気候変動が原因と考えられる異常気象や自然災害の増加が、私達にとって身近に迫った脅威となっており、社会全体で脱炭素に向けた動きが加速しています。

 矢作建設グループでは、気候変動への対応を重要な経営課題のひとつと捉え、2021年4月に公表した「矢作建設グループ SDGs宣言」の中で、「環境に配慮した持続可能な社会の形成」を重要課題に掲げ、温室効果ガス排出量の削減に向けた取組みを進めています。矢作建設グループはこれらの一連の取組みを、建設エンジニアリングによる価値創造を通して加速させるとともに、常に社会の要請にこたえる事業を展開してまいります。

 

 ① ガバナンス

 全社的な取組みを進めるため、取締役会の監督・指揮のもと、CSR/ESG委員会が中心となり、その傘下のSDGs部会や環境管理委員会が、本社、支店、その他拠点、作業所、グループ会社の気候関連に関する各取組みを支援しております。また、SDGs部会で取りまとめられた取組み結果はCSR/ESG委員会に定期的に報告され、その審議結果が取締役会に報告されることとなっております。

 

[気候変動に関するガバナンス体制]

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② 戦略

 建設業では、建物・構造物の建設時における重機・その他車両の使用や、鉄・セメントをはじめ多くの温室効果ガス排出を伴う資材の調達などで、気候変動に大きな影響を及ぼす傾向にあります。また、完成・引渡し後、建物・構造物の長期間にわたる利用は、建設時以上の温室効果ガスの排出が想定されます。

これを踏まえ、脱炭素に向けた動きや気温上昇などの物理的な変化が進む中で、炭素価格や原材料コストの上昇、平均気温の上昇による労働生産性の低下などをリスクとして捉えています。加えて、温室効果ガスの低減技術への移行によるZEB、ZEHや再生可能エネルギー分野の新たな市場、豪雨災害の増加による防災・減災市場の拡大などを機会として特定しています。矢作建設グループでは、これらの評価・管理を通じて建設業が社会から求められる課題解決に貢献することで、リスクに備え、短期・中期・長期全ての視点から新たな事業機会を創出してまいります。

 

[シナリオ分析]

 リスク・機会について、気候変動が事業活動に与える短期・中期・長期の影響を把握するにあたり、2030年度における建築事業及び土木事業を想定し、シナリオ分析を実施しました。

なお、分析に際して2100年時点において産業革命前に比べて平均気温が4℃程度上昇する4℃シナリオと2℃程度の上昇に抑制される2℃シナリオを想定しています。

 

[リスクと機会]

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(注)国際エネルギー機関(IEA)によるシナリオを参照しております。

2℃シナリオ 気候変動に対して社会全体で様々な対策が取られ、2100年時点で産業革命前に比べて平均気温が2℃程度の上昇に抑制されるシナリオ

4℃シナリオ 気候変動に対して社会全体で有効な対策が取られず、2100年時点で産業革命前に比べて平均気温が4℃程度上昇するシナリオ

 

[対応策]

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③ リスク管理

 気候関連リスクについては、SDGs部会において識別し、リスクの影響度や発生頻度に応じて設定された対応方針に従って、各リスクに適切に対応しているかをモニタリングしています。加えて、市場環境や事業構成の変移を踏まえ、リスク毎の重要性について定期的に点検し、必要に応じて対応方針を見直すこととしています。また、気象災害等に対するBCP(事業継続計画)については、内部統制部会が全社のリスクマネジメントの状況を確認しており、SDGs部会に報告し、迅速かつ効果的に機能するよう改善を重ねています。

なお、気候関連リスクは、優先すべき経営課題のひとつとして管理することとし、定期的にCSR/ESG委員会において報告・審議され、リスク項目や対応方針を見直す際には、CSR/ESG委員会の承認を経て回避や低減などの施策を講じるとともに、委譲元である取締役会に報告することとしています。

 

④ 指標と目標

 矢作建設グループは、気候変動による事業への影響を管理すべく、2022年度より主要拠点及び作業所において温室効果ガスの排出量算出を開始しております。今後、2030年度の目標達成に向けて、気候変動に関するリスク・機会を定期的に見直しながら、温室効果ガス削減の実効的な取組みを進めてまいります。

 

[温室効果ガス排出量と削減目標]

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 (注)Scope1  :重機・その他車両の燃料使用に伴う温室効果ガスの排出

                  (算定範囲:作業所、本社、支店、その他拠点)

       Scope2  :購入した電力の使用に伴う温室効果ガスの排出

                  (算定範囲:作業所、本社、支店、その他拠点)

       排出原単位 :施工高1億円当たりの排出量

 

(3)人的資本に関する情報

①人財戦略に関する基本方針

当社グループは、『誠実・進取・創造』を企業理念に掲げ、『建設エンジニアリングによる価値創造を通して、従業員の自己実現と企業の持続的成長を目指す』ことを経営理念とし、企業の持続的成長を実現させる主体は「人財(従業員)」であるという考えのもと、人財戦略上の重要課題として「安全な労働環境の整備」「技術力の維持・人材育成」「働きがいのある職場の実現」「差別やハラスメントの防止」に取り組んでまいりました。

 また、2030年の目指す姿として『課題解決&価値創造型企業』、売上規模2,000億円程度を設定しており、目指す姿の実現には、「規模の成長」とともに「質の成長」が必要不可欠であります。特に人財戦略においては、キーとなる“課題解決&価値創造人財(課題解決と価値創造を実現できる人財)”を育成し、創出し続けるとともに、多様性(価値観・専門性)に富んだ人財を「量」と「質」の両面で確保すること、またそれらの人財が当社グループで働く誇りとやりがいを感じながらポテンシャルを最大限に発揮することが重要であると考えております。従業員一人ひとりが輝ける会社へ、人財を維持するにとどまらず、人財を魅了する、惹きつける会社へと変革し、「選ばれる会社、働き続けたい会社」を目指してまいります。

 その上で、人財戦略を支える3本の柱として、「① 多様性のある建設エンジニア人財の拡充」、「② 従業員一人ひとりの成長を後押しする仕組みづくり」、「③ 従業員一人ひとりが輝ける環境の整備」を据え、その取組みを推進していくことで、課題解決&価値創造人財を育成・創出し続けることができる企業風土を醸成し、従業員のエンゲージメントを向上させ、企業の持続的成長を実現してまいります。

 

人財戦略を支える3本の柱

多様性のある

建設エンジニア人財の拡充

1)採用領域の深化・拡大

2)ダイバーシティ&インクルージョンの実践

従業員一人ひとりの成長を

後押しする仕組みづくり

1)学びたいの後押し能力開発への積極投資

2)自身の将来目標を描くことができる仕組みづくり

従業員一人ひとりが

輝ける環境の整備

1)管理職のマネジメント改革

2)安心して働くことができる職場環境の整備

3)心身両面での健康経営の推進

 

〇従業員エンゲージメント

 人財戦略に基づいたあらゆる施策の効果は最終的にエンゲージメントに反映されるという考えのもと、2022年よりエンゲージメント調査を開始し、年に一度調査を実施することで従業員のエンゲージメント状況を可視化しております。調査結果については、組織別・役職別・項目別といった様々な角度から分析することで、現状の課題を抽出し各課題に対する施策を考える有効なデータとして活用しております。

 

②人財戦略における3本の柱の具体的な取組み

 イ 多様性のある建設エンジニア人財の拡充

 我が国の社会問題である人口減少や建設業就労者の減少に対し、建設DXやICT技術を活用した省人化・省力化等への取組みを強化・推進するものの、建設業の労働集約型の側面からは脱却しきれておらず、人口減少下における人材確保は大きな課題であります。加えて、人材獲得競争が激化する中で、当社グループの2030年の目指す姿である売上規模2,000億円程度の実現には、生産性の向上と併せて、人財の「量」を確保することが最重要課題であり、その解決には人材獲得に向けたあらゆる手段を活用し、多様性に富んだ人財をバランスよく確保していく必要があると考えており、具体的には「採用領域の深化・拡大」や「ダイバーシティ&インクルージョンの実践」への取組みを推進しております。

 

  a)採用領域の深化・拡大

 従来の最終学歴・専門分野に捉われた採用活動に固執せず、当社グループの理念や目指す姿に共感し、同じ思い持つ多様な人財を積極採用しております。具体的には、技術者の採用において従来の理系学科出身者だけでなく文系学科出身者へ採用の枠を拡大した他、豊富な専門知識や経験を持つ高齢者人材を採用するなどの取組みを進めております。

 更には、中期経営計画の事業方針に掲げている「既存事業の深化・進化」や「新規分野・領域の探索・開拓」を進めていくには、建設・不動産分野に関わらず、様々な専門分野で知識や経験を持った人財が必要であると考えており、様々な領域の高度専門人材の採用及び管理職への登用を図ることで、多様な考え方や経験を活かした新たな価値創出を目指してまいります。

 

〇採用実績(連結)

 

 

2019年度

2020年度

2021年度

2022年度

2030年度(目標)

新卒

採用

院卒・大卒

専門卒・高専卒

41名

44名

44名

53名

-

高 卒

5名

6名

4名

7名

-

中途採用

27名

17名

16名

31名

-

合 計

73名

67名

64名

91名

100名

(注)上記数値には当期末に子会社となった北和建設株式会社は含んでおりません。

 

  b)ダイバーシティ&インクルージョンの実践

 性別や国籍の垣根なく、女性や外国籍人材の積極採用と活躍できる仕組みづくりに取り組んでおります。女性人材の採用にあたっては、女性の入社希望者を増やすための様々な施策を実施しており、女性の活躍推進においても、女性の活躍を後押しし、より一層加速させる施策を実施してまいります。外国籍人材については2019年より積極的に採用を実施しており、2019年度から2022年度にかけ累計19名を採用しております。また、高齢者においても2021年より65歳定年制を導入し、高齢者の活躍推進を図っております。

更には、“課題解決&価値創造人財”の育成・創出には、個々人の多様な経験や専門性を尊重し、多様な意見を受け入れて活かすといった組織におけるインクルージョンが必要であると考えており、異動を伴う事業部門を超えた人財交流やグループ会社間の人財交流を積極的に実施しております。

 

〇女性人材(技術者)の新卒採用実績

 

2019年度

2020年度

2021年度

2022年度

採用人数

10名

6名

6名

8名

比 率

24%

13%

15%

15%

(注)1.比率は採用人数全体(技術者)に対する女性人材(技術者)の比率。

2.上記数値には当期末に子会社となった北和建設株式会社は含んでおりません。

 

〇女性管理職比率

連 結

1.0%

(参考)提出会社

1.1%

(注)上記数値(連結)には当期末に子会社となった北和建設株式会社は含んでおりません。

 

〇外国籍人財の採用実績

 

2019年度

2020年度

2021年度

2022年度

採用人数

6名

3名

0名

10名

(注)上記数値には当期末に子会社となった北和建設株式会社は含んでおりません。

 

 ロ 従業員一人ひとりの成長を後押しする仕組みづくり

 VUCA時代が訪れ、SDGsへの対応やデジタル化の進展など、企業を取り巻く環境が目まぐるしく変化する中で、産業構造やビジネスモデル、更には生産プロセス等も大きく変わってきており、その対応に伴い従業員一人ひとりに求められるスキルや能力も変化しております。また、2030年の目指す姿の実現に向けては事業規模拡大に伴う人財の「量」の確保と併せ、人財の「質」の向上、具体的には高い専門性や倫理観に基づき、自律的に考え行動し、成果に繋げることができる人財の増強が必要であると考えております。

 当社グループとしては、従業員一人ひとりがその変化の中で求められる知識・スキルを獲得し、キャリア自律によって個人のポテンシャルを最大限に発揮できるよう、従業員に対する「学びたいの後押し、能力開発への積極投資」や「自身の将来目標を描くことができる仕組みづくり」への取組みを推進しております。

 

  a)学びたいの後押し、能力開発への積極投資

 従業員自らの“学びたい”という気持ちを後押しし、個々人のキャリアアップを応援する仕組みづくりに取り組んでおります。具体的には、従来の現場におけるOJTを中心とした成長機会だけでなく、Off-JTを活用した体系的かつ専門性の高い知識を深める機会を提供し、各々を複合的に活用することで、その効果の最大化を図っております。今後は従業員自身のモチベーションを原動力に学習する自己啓発やリスキリングをサポートする仕組みを再整備し、自ら学ぶ風土の醸成を図ってまいります。また、経営の持続性の観点から、時代の変化に柔軟かつスピーディーに対応できる次世代の経営人財の育成にも取り組んでまいります。

 

〇研修・教育体系(2022年度)

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  b)自身の将来目標を描くことができる仕組みづくり

 当社グループが事業規模や事業エリアの拡大を図る上では、建設・不動産事業分野における大型工事現場を担当できる所長や不動産開発プロジェクトをマネジメントできる人財、新規領域・分野にチャレンジできる人財などの増強が必要であると考えており、課題解決力や発想力、事業構想力などを養うため、様々な工事を経験するための配置や様々な職種を経験するための部門・会社を超えた人財交流などの戦略的人財配置を行っております。

 また、企業の持続的成長の実現には、多様な価値観や専門性を持つ人財が、それぞれの個性を活かし、その持てる能力を十分に発揮できる環境の整備が必要不可欠であり、誰もが働きがいのある、成長を実感できる、また、従業員一人ひとりの価値観を尊重し、多様化する働き方に対応したキャリア形成を可能とする制度改革に取り組んでまいります。

 

 ハ 従業員一人ひとりが輝ける環境の整備

 少子高齢化に伴う労働力の減少や雇用形態の多様化等を背景に、様々な価値観を持った人材が、互いの価値観を受け入れ、活かし合いながら、従業員一人ひとりが持てる力を最大限発揮できる環境づくりが必要となっております。当社グループとしては、職場における心理的安全性を追求するとともに、従業員が仕事と生活を調和した働き方や永く健康に働くことができる職場環境を目指し、賃金制度の改定や働き方改革をはじめ、従業員が抱える様々な不安を取り除き、仕事に集中できる環境整備を進めてまいります。具体的には、以下のとおり「管理職のマネジメント改革」や「安心して働くことができる職場環境の整備」、「心身両面での健康経営の推進」への取組みを推進しております。

 

  a)管理職のマネジメント改革

 従業員のエンゲージメントを高め、働きがいのある職場環境づくりのキーパーソンである管理職に対して、継続的に教育・研修を実施することで、管理職のマネジメント力の向上を図り、職場の心理的安全性を高め、組織の活性化、人材の確保と定着、変化・リスクへの対応力向上に取り組んでおります。

 

〇主な取組み

項  目

取 組 み

ハラスメント対応

・ハラスメント相談窓口の設置

・管理職を対象としたハラスメント研修の実施

コンプライアンスの徹底

・コンプライアンス教育の実施

 

  b)安心して働くことができる職場環境の整備

 従業員が安心して働くことができるよう、長時間労働の改善や育児・介護への支援制度の充実等、ワークライフバランスに配慮した柔軟な働き方ができる職場環境の整備に取り組んでおります。また、公正な処遇を確保し安心して働くことができる就業環境の向上にも取り組んでおります。

 

〇主な取組み

項  目

取 組 み

長時間労働の改善

・デジタル技術を活用した業務効率化

・現場のバックオフィス体制の整備

・勤務間インターバル制度や時差出勤制度の導入

処遇改善

・3期連続賃上げ実施(2022年度 前年基本給比3.5%UP)

・遠方勤務者手当の充実(2022年度制度改正)

インフレ対応

・物価上昇による生活への影響を軽減するため、従業員全員に一律10万円/人を支給(2023年2月)

ワークライフバランス

・男性育休取得の促進(周知活動など)

・リフレッシュ休暇制度

 

〇男女の賃金差異(男性の賃金に対する女性の賃金の割合)

 

全労働者

うち正規雇用

労働者

うちパート・

有期労働者

連 結

60.7%

61.9%

95.9%

(参考)提出会社

56.5%

59.6%

60.3%

(注)1.対象期間:2022年4月1日~2023年3月31日

2.上記数値(連結)には当期末に子会社となった北和建設株式会社は含んでおりません。

 

〇男性育休取得率

連 結

32.0%

(参考)提出会社

33.3%

(注)上記数値(連結)には当期末に子会社となった北和建設株式会社は含んでおりません。

 

  c)心身両面での健康経営の推進

 従業員の健康保持・増進への取組みが、従業員の活力向上や生産性向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や企業価値向上へ繋がるとの考えのもと、従業員の心身の健康を大切にし、従業員が一人ひとりの豊かなライフスタイルを支援する環境づくりに取り組んでおります。

 

〇主な取組み

項  目

取 組 み

メンタルヘルスケア

・社外EAP(従業員支援プログラム)を活用した相談窓口を設置

健康リスクの早期発見

・精密検査費用を全額会社が負担

・オプション検査費用の負担軽減策の実施

職場環境の整備

・2022年9月に本社ビル内にフレッシュ&コワーキングスペースを設置

※本社ビル内に従業員が気分を入れ替えて働くことができるリフレッシュ&コワーキングスペースを設置し、内装には緑や木などを積極的に取り入れ、従業員がリラックスでき、コミュニケーションが自然と生まれる空間を整備

 

0102010_029.png

(写真)リフレッシュ&コワーキングスペース

 

3【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼすおそれのあるリスクとして、当連結会計年度末現在において当社が認識しているものを以下に記載しております。ただし、全てのリスクを網羅したものではなく、予見できない又は重要とみなされていないリスクの影響を受けるおそれがあります。

 当社グループではこうしたリスクに備えるため、リスクマネジメント体制を整備し(下図[①リスクマネジメント体制図]参照)、グループ全社にわたりリスクマネジメント活動を遂行しております。

 具体的には、まず各部門・各子会社がリスク区分に基づいたリスク項目を抽出(下図[②リスク区分表]参照)し、影響度・頻度(下図[③リスク評価基準表]参照)の観点から各リスクについての評価を行います。これにより各部門・各子会社がリスクの統制手法を構築し、統制活動を実施した上でこれらの自己評価を行います。また、内部監査部門がモニタリングを通じ、各部門・各子会社のリスクマネジメントの評価を行っております。内部統制部会はこれら各部門・各子会社及び内部監査部門の活動を受けて是正に係るフィードバックを行うとともに、特に重要なリスクについては、個別にCSR/ESG委員会へ報告・検討する等、リスクマネジメントが有効にかつ効果的に機能するようにしております。

 

(注)[②リスク区分表]に掲げる各リスクには、「2[サステナビリティに関する考え方及び取組]」で記載したリスクと内容が重複するものがありますが、経営成績及び財務状況等に影響を及ぼすおそれのあるリスクという切り口から、改めて記載しております。

 

[①リスクマネジメント体制図]

0102010_030.png

 

[②リスク区分表]

0102010_031.png

 

 

0102010_032.png

0102010_033.png0102010_034.png

 

[③リスク評価基準表]

0102010_035.png

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する行動制限が緩和され、感染症対策と経済活動の両立への取組みが進んだことにより企業収益の改善や個人消費の回復等の景気持ち直しの動きが見られました。一方で長期化する地政学リスクの影響によるエネルギー価格や資源価格の高騰、急激な円安進行や物価高騰など、依然として景気の先行きは不透明な状況が続きました。

 建設業界におきましては、公共投資は堅調に推移し、民間住宅投資や民間設備投資では持ち直しの動きが継続したものの、建設資材の価格高騰や納期遅延等の影響により、経営環境は厳しい状況が続きました。

 このような状況のもと、当社グループは持続的成長をしていくために、2030年度の目指す姿を「課題解決&価値創造型企業」と定め、この目指す姿を実現するための前半5年間を計画期間とする新たな中期経営計画(2021年度~2025年度)を策定し、その2年目として計画達成に向けた取組みを推進してまいりました。

 この結果、当連結会計年度の業績は、受注高が98,520百万円(前期比6.3%増)、売上高は111,110百万円(前期比19.4%増)、営業利益は7,212百万円(前期比16.9%増)、経常利益は7,259百万円(前期比17.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,508百万円(前期比6.9%減)となりました。

 また、当連結会計年度末の資産合計は129,987百万円(前期比11.7%増)、負債合計は69,556百万円(前期比18.1%増)、純資産合計は60,431百万円(前期比5.0%増)となりました。

 受注高、売上高の部門別の内訳については、次のとおりであります。

 

〔受注高〕

区分

受注高

構成比

前期比増減率

建設事業

建築工事

64,034百万円

65.0%

6.6%

土木工事

34,485百万円

35.0%

5.9%

98,520百万円

100.0%

6.3%

 

〔売上高〕

区分

売上高

構成比

前期比増減率

建設事業

建築工事

64,329百万円

57.9%

27.9%

土木工事

29,936百万円

26.9%

4.3%

小計

94,265百万円

84.8%

19.3%

不動産事業等

16,845百万円

15.2%

19.5%

111,110百万円

100.0%

19.4%

 

 

(建設事業)

 建築工事では、物流施設や商業施設など複数の大型工事を受注したことにより、受注高は64,034百万円(前期比6.6%増)となりました。また、売上高は、物流施設を中心に前期に受注した複数の大型工事の施工が順調に進捗したことから、64,329百万円(前期比27.9%増)となりました。

 土木工事では、官庁工事を中心に概ね順調に受注したことにより、受注高は34,485百万円(前期比5.9%増)となりました。また、売上高も、高速道路関連工事などの官庁工事を中心に施工が順調に進捗したことから、29,936百万円(前期比4.3%増)となりました。

 

(不動産事業等)

 不動産事業では、分譲マンション事業において、新規物件2件の販売が好調であったことなどから、売上高は16,845百万円(前期比19.5%増)となりました。

 

セグメントの業績(セグメント間の内部売上高等を含む)は次のとおりであります。

(建築セグメント)

耐震補強工事を含む建築工事全般及び建設用資材販売事業等から構成され、セグメント売上高は69,751百万円(前期比26.2%増)となり、セグメント利益は4,016百万円(前期比8.7%増)となりました。

(土木セグメント)

土木・鉄道工事全般及びゴルフ場の経営・コース維持管理に関する事業から構成され、セグメント売上高は30,877百万円(前期比4.8%増)となり、セグメント利益は4,527百万円(前期比0.6%増)となりました。

(不動産セグメント)

マンション分譲事業を中心とした不動産の売買、賃貸等に関する事業から構成され、セグメント売上高は16,500百万円(前期比19.5%増)となり、セグメント利益は2,885百万円(前期比41.3%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、22,721百万円(前期比829百万円増)となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により得られた資金は、4,152百万円(前期は15,841百万円の資金の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を計上したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により使用した資金は、3,069百万円(前期は1,549百万円の資金の使用)となりました。これは主に、賃貸事業用の収益物件を取得したことなどから固定資産が増加したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により使用した資金は、253百万円(前期は14,351百万円の資金の使用)となりました。これは主に、配当金の支払いを行ったことによるものであります。

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 受注実績

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

   至 2022年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

   至 2023年3月31日)

(百万円)(増減率)

建築セグメント

      60,072

      64,034(  6.6%)

土木セグメント

      32,567

      34,485(  5.9%)

合計

      92,639

      98,520(  6.3%)

 

b. 売上実績

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

   至 2022年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

   至 2023年3月31日)

(百万円)(増減率)

建築セグメント

     50,256

     64,333(  28.0%)

土木セグメント

     29,310

     30,545(   4.2%)

不動産セグメント

      13,524

      16,231(  20.0%)

合計

      93,090

      111,110(  19.4%)

 (注)1.当社グループでは、不動産セグメントは受注生産を行っておりません。

2.セグメント間の取引については相殺消去しております。

3.当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。

4.最近2連結会計年度の主な相手先別の売上実績及び当該売上実績の総売上実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

   至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

   至 2023年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

建築セグメント

DH弥富開発特定目的会社

18,045

19.4

1,346

1.2

 

 ※ なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。

 

④ 建設事業における受注工事高の状況

a. 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高

期別

前期繰越

工事高

(百万円)

当期受注

工事高

(百万円)

 

(百万円)

当期完成

工事高

(百万円)

次期繰越

工事高

(百万円)

前事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

55,255

65,627

120,882

53,549

(67,332)

67,155

23,617

23,573

47,191

20,676

(26,514)

24,936

78,872

89,200

168,073

74,226

(93,847)

92,091

当事業年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

67,155

64,049

131,204

67,485

63,718

24,936

26,787

51,723

22,652

29,071

92,091

90,836

182,927

90,137

92,790

(注)1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含めております。

2.次期繰越工事高は、(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)に一致しております。

3.前事業年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)については、経済情勢の変化等により事業計画が変更、中止となった工事(受注高1,180百万円)および会計基準の変更による影響額(575百万円)について、次期繰越高から控除しております。なお、()内は控除前の金額であります。

 

b. 受注工事高の受注方法別比率

工事受注方法は、特命と競争に大別されます。

期別

区分

特命(%)

競争(%)

計(%)

 前事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

建築工事

68.8

31.2

100.0

土木工事

24.4

75.6

100.0

 当事業年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

建築工事

60.8

39.2

100.0

土木工事

31.7

68.3

100.0

(注)百分比は請負金額比であります。

c. 完成工事高

期別

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

 前事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

建築工事

0

53,549

53,549

土木工事

5,356

15,320

20,676

5,356

68,869

74,226

 当事業年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

建築工事

67,485

67,485

土木工事

7,980

14,671

22,652

7,980

82,156

90,137

(注)1.完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。

前事業年度

北本ロジスティック特定目的会社

 

GLP北本プロジェクト

積水ハウス株式会社

 

「読売新聞中部支社跡地」有効活用計画

JR春日井駅南東地区市街地再開発組合

 

JR春日井駅南東地区第一種市街地再開発事業に係る施設建築物新築工事

矢作地所株式会社・トヨタホーム株式会社

 

(仮称)安城市桜町プロジェクト新築工事

名古屋鉄道株式会社

 

犬山線 布袋駅付近鉄道高架化事業に伴う本線土木(その4)工事

 

当事業年度

DH弥富開発特定目的会社

 

DPL名港弥富新築工事

三菱地所レジデンス株式会社・三菱商事都市開発株式会社・野村不動産株式会社

 

名古屋市西区則武新町3丁目計画新築工事

野村不動産株式会社・アイシン開発株式会社

 

(仮称)豊橋駅西口駅前再開発プロジェクト新築工事

独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構

 

北陸新幹線、福井橋りょう他

名古屋高速道路公社

 

令和元年度高速3号大高線橋梁修繕工事(白金工区)

 

2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。

前事業年度

DH弥富開発特定目的会社

名古屋鉄道株式会社

18,045

9,094

百万円

百万円

24

12

 

当事業年度

合同会社はまぐりONE

9,666

百万円

11

 

d. 次期繰越工事高(2023年3月31日現在)

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

建築工事

28

63,690

63,718

土木工事

10,437

18,634

29,071

10,465

82,324

92,790

(注)次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりであります。

イケア・ジャパン株式会社

 

(仮称)イケア前橋プロジェクト

2023年10月完成予定

東急不動産株式会社

 

(仮称)埼玉県白岡市篠津計画新築工事

2024年3月完成予定

東洋エンジニアリング株式会社

 

田原グリーンバイオマス発電所建設工事

2025年3月完成予定

野村不動産株式会社

 

(仮称)四谷三丁目計画新築工事

2025年9月完成予定

名古屋鉄道株式会社

 

河和線 高横須賀~南加木屋駅間(都)養父森岡線立体交差及び新駅設置事業に伴う本線土木(その1)工事

2024年12月完成予定

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。

 

a. 経営成績の分析

(売上高)

 当社グループの当連結会計年度における売上高は、111,110百万円(前期比19.4%増)となりました。これは、建設事業において、鉄骨造の大型建築工事を中心に建築工事及び土木工事とも施工が順調に進捗したことに加え、不動産事業のうち分譲マンション事業において、新規物件2棟の販売が好調であったことなどによるものであります。

(売上総利益)

 当社グループの当連結会計年度における売上総利益は、16,590百万円(前期比11.1%増)となりました。これは、建設事業は採算の厳しい一部大型工事の影響により小幅な増益に留まったものの、不動産事業において分譲マンションの増収に加え、産業用地の販売も進んだことなどによるものであります。

(営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益)

 不動産事業の増益により、営業利益は7,212百万円(前期比16.9%増)、経常利益は7,259百万円(前期比17.6%増)となりました。一方、保有有価証券の評価損に伴う特別損失の計上などにより、親会社株主に帰属する当期純利益は4,508百万円(前期比6.9%減)と、前期実績を下回りました。

 

b. 各事業の概況

 当社グループは、建設事業においては、限られた経営資源の中で利益を最大化すべく、生産性の高い大型の一般建築・土木工事への取り組みを強化してまいりました。

 また不動産事業では、分譲マンション事業を中核とする総合不動産デベロッパーとして、分譲マンション事業のみならず、工業団地や商業施設などの開発事業や、不動産賃貸事業、仲介・販売代理などの流通事業、マンション及びビルの管理事業に注力してまいりました。

 

 なお、各セグメントごとの業績は、次のとおりであります。

(建築セグメント)

 建築工事の受注高は、物流施設や商業施設など複数の大型工事を受注したことにより、前期実績を上回りました。また、売上高は、物流施設を中心に前期に受注した複数の大型工事の施工が順調に進捗したことから、前期実績を大きく上回りました。

(土木セグメント)

 土木工事の受注高は、官庁工事を中心に概ね順調に受注したことにより、前期実績を上回りました。また、売上高も、高速道路関連工事などの官庁工事を中心に施工が順調に進捗したことから、前期実績を上回りました。

(不動産セグメント)

 不動産事業では、分譲マンション事業において、新規物件2件の販売が好調であったことなどから、売上高は前期実績を大きく上回りました。

c. 財政状態の分析

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産の残高は92,223百万円となり、前連結会計年度末に比べ11,788百万円増加しております。これは建設事業の施工高が伸長したことに伴い、受取手形・完成工事未収入金等が増加(32,351百万円から42,427百万円へ10,076百万円増)したことが主要因であります。

(固定資産)

 当連結会計年度末における固定資産の残高は37,763百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,775百万円増加しております。これは賃貸物件の取得などにより有形固定資産が増加(27,272百万円から28,497百万円へ1,225百万円増)したことが主要因であります。

(流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債の残高は56,843百万円となり、前連結会計年度末に比べ11,695百万円増加しております。これは建設事業の施工高が伸長したことに伴い、支払手形・工事未払金等と電子記録債務が増加(合計で10,394百万円から18,697百万円へ8,302百万円増)したことが主要因であります。

(固定負債)

 当連結会計年度末における固定負債の残高は12,712百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,030百万円減少しております。これは長期借入金が減少(5,000百万円から3,800百万円へ1,200百万円減)したことが主要因であります。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産の合計は60,431百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,899百万円増加しております。これは親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加が主要因であります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」をご参照下さい。

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、内部留保資金と金融機関からの借入などの調達手段により確保しております。当連結会計年度末のグループ全体の現金預金残高は約228億円、金融機関からの借入は約319億円となっており、緊急時の対応を含めて、必要な量を確保しております。来期以降につきましても、適時適切な資金調達によって、安定的な資金運営を実施してまいります。

 当社は財務の健全性確保と資本の有効活用のバランスを最優先に、安定的な株主価値の向上に努めることを資本政策の基本方針としておりますが、今後も収益基盤の確立に向けた成長投資を適切に行っていく考えです。

 当期も継続的に開発案件への投資などを進め、その資金につきましては、当期の営業活動によって獲得した資金と財務活動による借入にて賄っております。

 また、経営基盤の強化と企業価値の向上に向けて、長期的な視点に立って株主資本の充実に努めるとともに、企業収益の配分については、株主への安定的な配当を継続実施することを基本方針としております。

 

③ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、持続的成長を実現していくために2030年度の目指す姿を「課題解決&価値創造型企業」と定め、この目指す姿を実現するための前半5年間を計画期間とする新たな中期経営計画(2021年度~2025年度)を策定し、その数値目標(最終年度)を売上高1,300億円、営業利益100億円、配当性向30%以上としております。

 本中期経営計画期間においては、2030年度の目指す姿の実現に向けて建設生産プロセスの改革、新規技術・サービスの開発、事業エリアの拡大、様々なパートナーとの価値共創等に取り組むとともに、安全・品質レベルの向上、魅力的で働き甲斐のある職場環境の整備、SDGsへの積極的な取組みなど成長を支える経営基盤の確立に取組み、顧客・地域、そして社会の持続的発展に貢献する会社を目指してまいります。

 

a. 数値目標

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b. 配当方針

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c. 投資計画

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④ 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。これらの財務諸表の作成にあたっては、当社グループは重要な見積りや仮定を行う必要があります。会計方針の適用にあたり、特に重要な判断を要する項目は以下のとおりであります。

 

a. 収益及び原価の処理

 当社の主要な事業である建築事業、土木事業において、一定の期間にわたり履行義務が充足される工事契約の収益認識については、工事原価総額を基礎として期末までの実際発生原価額に応じた進捗度に工事収益総額を乗じて完成工事高を算定しています。

 一定の期間にわたり履行義務が充足される工事契約の収益認識については、以下の理由により、収益及び原価が変動する場合があるため、適時適切な見積りを実施する必要があります。

Ⅰ.工事収益総額・・・施工中の工法変更あるいは施工範囲の変更に伴う契約変更や対価の変動などにより、請負金の変動が発生する可能性があること

Ⅱ.工事原価総額・・・施工条件や資材、労務費、外注費等に係る価格変動などにより、工事原価総額の変動が発生する可能性があること

Ⅲ.工事進捗度・・・・工事原価総額を基礎として算定されるため、工事原価総額の変動により工事の進捗度の変動が発生する可能性があること

 

b. 退職給付

 当社グループでは、確定給付型の制度として、退職一時金制度及び企業年金基金制度を採用しております。

 従業員に対する確定給付費用及び確定給付制度債務は

・債務の割引率

・企業年金の期待収益率

・退職率及び死亡率などの数理計算上の基礎率

などにより見積られており、実績と見積りとの差異は「その他の包括利益」として認識され、包括利益及び純資産へ影響を及ぼします。

 したがって、これらの変数(見積り)については適時適切に見直しを実施しておりますが、実績との差異や仮定の変動は確定給付費用や債務に影響を与えます。

 なお、これらに関する見積りや前提条件については、「第5 経理の状況 1. 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(退職給付関係)」を参照願います。

 

c. 販売用不動産の評価

 当社グループは、建設事業に加えてマンション販売や開発事業など不動産事業も手掛けており、これに係る資産を「販売用不動産」として連結貸借対照表に計上しております。

 個々の販売用不動産の評価に係る会計方針としては、原価法(収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)を採用しており、毎期行う収益性の評価の結果、評価額が帳簿価額を下回る場合は、評価損を計上することとなります。

 販売用不動産の評価に際しては、個々の特性に応じて一定の評価手法で評価額を算定しておりますが、予測を超えた市場変化などが発生した場合、販売用不動産の評価に影響を及ぼす可能性があります。

 

d. 繰延税金資産の評価

 当社グループにおいて繰延税金資産の計上に当たっては、個々の発生原因ごとにその解消時期の予測及びこれらを考慮した将来の課税所得予測に基づき、その回収可能性が確実でない場合については「評価性引当」を計上し減額しております。

 繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りや発生原因の解消時期の予測に依存するため、その前提とした条件や仮定に変化が生じた場合には、繰延税金資産の回収可能性に影響を及ぼし評価性引当額の増減が発生します。

 当社グループの繰延税金資産及び評価性引当額については、「第5 経理の状況 1. 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(税効果会計関係)」を参照願います。

 

e. 減損損失

 当社グループは、固定資産の減損損失の判定に際しては原則として継続的に損益の把握を実施している建築、土木、不動産の3つの報告セグメント区分をベースに、資産のグルーピングを行っております。また、賃貸用不動産と遊休資産については個々の物件ごとにグルーピングを行い、本社・福利厚生施設等については、独立したキャッシュ・フローを生み出さないことから共用資産としております。

 これらのうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。

 なお、減損を認識した当該資産の回収可能価額は、主として正味売却価額(不動産鑑定評価に基づく鑑定価額)により測定しております。

 

f. 投資有価証券の評価

 当社グループが保有する有価証券については、投資その他の資産に「投資有価証券」として計上しておりますが、個々の有価証券の実質価値が帳簿価額を著しく下回り、その低下が一時的でないと判断される場合には、評価損を計上しております。

 評価損の計上に際しては、下落の期間や下落の程度など一定の基準により四半期ごとに計上の判断をしておりますが、予測を超えた市場変化などが発生した場合、有価証券の評価に影響を及ぼすおそれがあります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

 特記すべき事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費は、408百万円であります。

 当社グループは、研究開発プロジェクトを一元管理するエンジニアリングセンターを中心に、建築・土木分野における生産性向上や事業領域の拡大に加え、高度化・多様化するニーズやSDGs達成への貢献に対応するための新工法・新技術の研究開発を、施工部門・グループ企業と連携を図りながら進めております。また、企業や大学等との技術交流・共同開発にも注力しており、更なる技術メニューの拡充を推進しております。

 当連結会計年度におけるセグメント別の主な研究開発活動は、以下のとおりであります。

 

1.建築セグメント

(1)大規模建築におけるコスト競争力向上に関する技術の拡充

 大規模・超高層建築の競争力向上を目的に、コスト低減や省力化を実現できる設計方法について、更なる改良を継続しています。外部環境の変化により発生が予想される課題について迅速に対応すべく、各種コスト・技術検証手順の変革にも着手しております。引き続き、顧客への提案技術の拡充に向けて、設計・施工技術の底上げと新工法の開発を進めてまいります。

 

(2)デジタル技術を活用した業務改革

 顧客との合意形成の迅速化や業務効率化の観点から、建物の3次元モデルデータにコストや仕上げ、管理情報などの属性データを兼ね備えたBIMデータの活用を継続しております。設計・施工フェーズにおいて、社内だけでなく、顧客や協力会社など社外関係者とのデータ連携を目指し、設計・施工一貫システムの実績を積み重ね、最適なしくみを構築してまいります。また、建物の維持管理をはじめ建物のライフサイクルのあらゆる場面においてBIMなどデジタルデータを活用すべく、各種データ収集・分析するプラットフォームの構築やAI(人工知能)活用に向けた研究も進めております。

 

(3)SDGs達成に貢献する技術の拡充

 環境問題など社会課題を背景に多様化する市場に対して持続的に価値を提供する取組みの一環として、学識者や他企業など社外関係者とともに、環境配慮技術をはじめとする各種研究開発・改良を継続しております。データ測定や実証実験から得られたエビデンスを蓄積し、技術力・提案力の拡充を図ってまいります。

 

 

2.土木セグメント

(1)技術提案力の向上

 公共工事の受注力向上に向けて、総合評価方式における技術提案の評価向上に取り組んでおります。また、提案技術の高度化と差別化を図るべく、活用実績の確保、活用効果の検証、公的認証の取得などに取り組んでおります。

 

(2)課題解決力の向上

 発注者が抱える課題・困りごとや、工事現場が直面している課題に対して技術的に解決する活動を活発化しております。解決の過程で習得する創意改善実績や技術的ノウハウをヒントにすることで、新たな技術開発にもつなげてまいります。

 

(3)環境技術の開発

 SDGsの一環として、脱炭素や環境負荷低減につながる技術の開発を積極的に実施しております。保有技術である「パンウォール工法」の低炭素化や自然由来の原材料を用いた新工法の開発に着手しております。

 

(4)省人省力化技術の開発

 現場の生産性向上、施工管理業務の効率化、社内連携の最適化などを目指し、機械化施工、DXの活用、管理システムの開発などに取り組んでおります。具体的には、自動設計・積算システムの開発、安全管理アプリケーションの開発、データ基盤(プラットホーム)の構築と連携ツールの開発を進めております。

 「パンウォール工法」については、機械化施工の実証実験を完了し、一部の実用化については近日公開の予定です。

 また、軌道工事の安全な施工と技能労働者不足の解消を目的とした次世代型道床締固め機械やマクラギ更換機械の開発を完了し、実用を開始しました。

 

(5)保有技術の改良

 防災・減災の機能に優れ、全国で数多くの施工実績を持つ地山補強土工法「パンウォール工法」と「キャブウォール工法」では、ニーズの多様性を考慮して、適用範囲の拡大、耐久性・施工性・経済性などの価値向上に向けた改良を継続的に進めております。

 

3.不動産セグメント

 研究開発活動は特段行われておりません。