第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

(経営方針)

当社グループは「熱技術」を核として、エネルギーの有効活用や地球環境の保全などの社会的要請に的確に応えるとともに、情報・通信の高機能化など先端分野にも新しい価値を創造し、公正な企業活動を行い社会の発展に貢献することを、企業活動の基本理念としております。

また、株主や取引先、従業員などのすべてのステークホルダーの期待と信頼に応えるべく、確固たる事業基盤を確立し、収益力ある安定した企業体質を形成していくことが経営の基本方針であります。

 

(経営環境及び対処すべき課題)

  今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルスの感染症法5類への引下げを契機として、経済は緩やかな回復基調を辿ることが期待されます。当社グループにおきましても、鉄鋼や自動車、半導体関連を中心に一定の需要が見込まれますが、エネルギーや原材料価格の推移、世界的インフレや政策金利の動向に伴う海外の景気が企業収益を下押しするリスクもあり、先行き不透明な環境と認識しております。
  このような状況下、ものづくりに不可欠な「熱技術」を社会のニーズに合わせて進化させ、カーボンニュートラルに資するべく水素やアンモニア燃焼などの技術開発と積極的な提案を行なうとともに、納入設備のライフサイクルに合わせたメンテナンス体制の更なる拡充を進めてまいります。
  また、中長期においても当社グループを取り巻く社会・経済環境は急激かつ大幅に変化することが予想されます。このような経営環境の下、2022年5月に発表した中期経営計画(「Chugai Ro Break Through(CBT)2022-2026」)の経営ビジョン2026「自らを変革し、カーボンニュートラル技術で未来をひらく!」に邁進すべく、3つの重要戦略:(1)カーボンニュートラルを中心に新市場の創出、(2)既存商品のニーズ適合ブラッシュアップで拡販と利益向上、(3)働きがいのある職場作り、に基づき計画を実行してまいります。
  具体的施策として現在、堺事業所内に2023年11月完成を目指して新研究所「熱技術創造センター」の建設を進めており、研究開発部門への設備・人材投資をすることで、新市場の創出が可能な土壌作りを行ないます。また、業務効率化に資するシステム投資として、あらゆるネットワークを兼ね備えた設計支援システムを導入し、労働時間の短縮を図り、より働きがいのある環境を整え、熱技術を取り扱う工業炉メーカとして社会的使命である「2050年カーボンニュートラル」へ貢献する先進企業を目指してまいります。
  さらには、コーポレートガバナンス・コードの原則を踏まえ、企業統治体制・経営の透明性・効率性の改善を図り、企業価値の向上や連結経営基盤の強化に努め、株主の皆様への還元拡充にも努めてまいりたいと存じます。

当社グループの目標とする経営指標は以下のとおりです。

 

経営指標(連結ベース)

2024年3月期目標値

2027年3月期目標値

受注高(百万円)

39,000

42,000

売上高(百万円)

34,000

41,500

営業利益(百万円)

1,900

3,620

売上高営業利益率(%)

5.6

8.7

自己資本利益率(ROE)(%)

5.9

10.0

 

   (注) 2027年3月期は、中期経営計画の最終年度になります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社のサステナビリティ方針は、経営理念として掲げている「熱技術を核として新しい価値を創造し、これを通じて社会に貢献するとともに企業の繁栄と社員の幸福を実現する」と同義と考え、当社グループの強みを活かした事業活動を通じてESG課題への取組みを推進しています。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
 

(1)ガバナンス

当社はリスクと考えられる重要課題につきまして、社長を議長とした取締役会メンバー等で構成される「リスクマネジメント委員会」で審議・決定しておりましたが、さらにESG/SDGsへの取り組み及び気候変動問題への対応を経営の主軸に据えるべく中期経営計画を推進する「事業進捗確認会議」と連携し、二酸化炭素(CO2)排出削減などについて経営による主導的な管理のもと、サステナビリティ推進に関して事業横断的に取り組みを進めています。

 

(2)戦略

日本政府の「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」に基づき、温暖化への対応を成長の機会と捉えて、グリーン成長戦略を推進してまいります。化石燃料を熱源とする工業炉の需要減少、自動車EV化に伴う部品点数の減少等、工業炉業界全体として影響が見込まれますが、その一方で車載用モーター、電池などのEVに関係する部品や、水素・アンモニア燃焼、電化のニーズが高まるなか、リジェネバーナ、酸素富化燃焼機器等、省エネ型燃焼機器及び設備改修に対する設備投資も当面の間継続することが見込まれます。さらに、中長期的には石炭火力発電のアンモニア専焼バーナによるカーボンニュートラル化を目指した開発も進めていきます。

当社が得意とする熱技術を核とした顧客ニーズに適合した技術・サービスを提供することにより、工場の効率化や環境負荷の低減に貢献することが出来ると考えております。加えて、当社が開発した水素・アンモニア燃焼、電化をはじめとするカーボンニュートラル技術やサービスを提供することで、顧客のCO2排出削減に大きく貢献することを目指します。
 当社においては、事業継続の最大の危機をもたらすと考えられる南海トラフ巨大地震と津波、台風・豪雨による風水害ならびに大規模感染症を想定し、顧客への影響を最小化するBCPを推進し、リスクの低減に努めてまいります。

また、人材の育成及び社内環境整備に関して、当社では多様な発想や視点、そして価値観を持った人材の採用を重視しております。性別、国籍、キャリアにおいて幅広く優秀な人材を積極的に受け入れ、これらの人材がより活躍できる人事制度や職場環境を整備してまいります。業種柄、これまで管理職を含む女性社員の割合は低かったものの、今後多様性の確保は極めて重要ととらえ、女性の新卒採用割合を増やし、社員全体における女性社員割合を増やしてまいります。また、在籍女性社員からの積極的な管理職登用を行っていき、加えて外国人管理職の比率についても今後向上を目指していきます。

 

(3)リスク管理

リスクマネジメント委員会と事業進捗確認会議において、当社の取り組み状況を確認し、取締役会に対して活動内容の報告、提言を行い、取締役会は必要な対応策を決議し、実行致します。
グループ全体を統括するリスク管理体制のもと、重大事態をはじめとするリスク発生の回避、およびリスク発生時の損害の最小化を可能にする組織づくりに努めています。加えて気候変動リスクは今後中長期的にさらに広がることが予想されるものとして認識したうえで、経営計画への反映や管理方法の検討を図っております。

 

 

(4)指標及び目標、実績

<中外炉工業脱炭素ビジョン2050>
 当社は、サプライチェーン排出量の中でも、「当社の製品の使用」の部分が大きいことから、当社基準による2050年に向けた脱炭素目標を設定しました。パリ協定における日本の削減目標基準となる2013年の当社の製品からのCO2排出量は約1千2百万トンであり、日本全体の排出量のおおよそ1%に相当します。
 これを2050年までに実質ゼロにする目標を設定しています。排出量をゼロにすることは不可能ですが、当社既存商品以外でのCO2削減も含め、2050年にはカーボンニュートラルを達成することを目標としています。
 具体的には、Scope3カテゴリー11に類する形式で脱炭素関連製品の拡販によって実現する削減貢献量を当社独自に算出し、2030年に20%削減、2040年度に58%削減、2050年に100%以上削減することを目標としてカーボンニュートラル実現に向けて積極的に取り組んでいます。Scope1およびScope2のCO2排出量につきましても、毎期、算出し、モニタリングしております。

 

 当社製品からのCO2排出量(推計)

 

CO2排出量

(万t/年)

排出削減量

(万t/年)

削減率

(%)

2013年度CO2排出量

1,200

削減目標:2030年度

960

△240

△20.0

削減実績:2022年度

994

△206

△17.2

 

 (注) CO2排出削減量は、設備能力及び稼働率に基づく排出量増減も加味している。

     (経産省発表製造工業生産能力指数、稼働率指数に基づき算出)

 

また、当社では多様な発想や視点、そして価値観を持った人材の採用を重視しております。将来的な女性管理職、外国人管理職、中途入社管理職を合わせた比率を30%とすることを目指し、管理職層の多様性確保を実現してまいります。

 

<多様性の確保の自主的かつ測定可能な目標、実績>
       項目      実績      目標           達成時期
   女性管理職比率       1.0%┐
   外国人管理職比率     2.1%├ 合計管理職比率30%以上     2027年3月末
   中途入社理職比率    24.7%┘
   合計                27.8%             
    (注)1 管理職は労基法上の管理監督者に該当し、部長相当クラス、課長相当クラスの合計。

     2 管理職比率は国内・海外グループ会社への出向者を含めた数値にて算出。
         3 現状は2023年4月時点の実績。

 

<多様性の確保に向けた人材採用・育成方針、社内環境整備方針と取組内容>
方針①:多様性を重視した採用と女性従業員のキャリア形成支援
・新卒・中途を両輪とする採用活動の継続
・新人事制度による一般職社員の総合職への移行及び移行女性社員に対するキャリア研修実施


方針②:チャレンジする多様な人材の育成、積極登用、職場環境整備
・新人事制度による、チャレンジする人材を優遇する評価制度、優秀な社員の積極的な管理職登用
・働きがいのある職場づくりに資する柔軟な働き方の推進や職場環境整備の継続実施

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経済情勢について

当社グループの主要な製品である生産設備に対する需要は、国内外の経済情勢、特に設備投資動向の影響を受けます。従って、当社グループの関連する市場における景気後退、特に設備投資意欲の減退は当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(2) 為替相場の変動について

当社グループの海外売上比率は、2021年3月期21.0%、2022年3月期37.0%、2023年3月期24.5%、と推移しております。為替変動の影響を抑制するため、円建て契約の割合を増やすほか、現地調達の比率の増加や、為替予約によるリスクヘッジ等を行っておりますが、これにより当該リスクを完全に回避できる保証はなく、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(3) 品質問題による業績への影響について

当社グループは1997年に品質マネジメントシステムの国際規格ISO9001を取得し、品質確保を経営の最重要事項の一つとして掲げております。しかしながら一般的に、顧客仕様に基づいた製品の開発、設計あるいは製造上の契約不適合による製品品質に関わるリスクを、将来にわたって全て排除することは難しいものと認識しております。製造物責任等につきましては、保険付保によるリスクヘッジを行っておりますが、顧客からの訴訟等により高額の賠償請求を受けた場合には、十分なカバーができないケースも想定されます。これらに伴う当社グループ製品への信用低下、取引停止等も含め、当社グループの経営成績は品質問題の影響を受ける可能性があります。

 

(4)中国等海外への事業展開について

当社グループでは、中国、台湾、タイ、インドネシア、メキシコに拠点を構えており、製品の輸出入や現地における販売、生産など国際的な事業活動を行っております。これらの活動に関するリスクとして、海外における予期しない法律や規制の変更、産業基盤の脆弱性、感染症の流行、治安の悪化やテロ、戦争その他の要因による社会的または政治的混乱等の発生が考えられます。当社グループでは取引にあたり、各国の経済・社会情勢の変動を注視するとともに、取引先の状況等調査しつつ、受注活動を行っておりますが、これらの事象が顕在化することによって、当社グループの業績および財務状況に影響を受ける可能性があります。

 

(5) 法的規制等について

当社グループの事業は、事業を展開する各国において、事業・投資の許可、国家安全保障等による輸出制限などの政府規制の適用を受けるとともに、通商、独占禁止、環境・リサイクル関連の法的規制を受けております。万が一これらの規制を遵守できなかった場合、当社グループの活動が制限される可能性があります。

 

(6) 資材価格等の上昇について

当社グループの事業は、顧客仕様に基づく生産設備の設計・製作・施工がその大半を占めております。事業の性格上、見積・受注から引渡しまでに長期間を要する場合もあり、設備の製作・施工に要する資材・下請工事費用等について、需給のバランスから価格が高騰し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは購入先の多様化、資材発注の早期化、業者との協力関係構築などにより、リスクの低減に努めています。

 

(7) 株価の下落について

当社グループは、投資有価証券として日本企業の時価のある上場株式を保有していますが、株価の下落により、保有株式の評価損の計上が必要となる可能性があります。また、その他有価証券評価差額金の減少が当社グループの純資産に影響を与える可能性があります。

 

 

 

(8) 災害及び感染症について

当社グループは、地震、津波、洪水、火災等の災害や感染症の発生などに対して、損害の発生及び拡大を防ぐため、防災設備の整備や点検、訓練、感染症の未然防止などに努めるとともに、事業継続計画(BCP)を策定し、安否確認システムを導入するなどの対策を講じておりますが、こうした災害による人的・物的被害により、当社グループの事業活動が影響を受ける可能性があります。また、発生する損害額が損害保険等によって十分にカバーされる保証はありません。

 

(9) 与信リスクについて

当社グループは、取引先の与信管理については、情報収集や社内規定に沿った受注前審査を徹底するとともに、必要に応じ保険を付保するなど、リスク回避に努めておりますが、不測の事態により取引先が信用不安に陥った場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 情報セキュリティへの脅威について

当社グループは、事業の遂行に必要な取引先情報の他、技術・営業・その他事業に関する秘密情報を保有しており、ITシステムを利用した基幹業務を行っていることから、コンピュータウイルスの感染や外部からの不正アクセス、サイバー攻撃など不測の事態により、システム障害や秘密情報の漏洩・滅失等が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、情報セキュリティにかかる管理規定を整備し、在宅勤務時は専用パソコン貸与によるVPN(仮想専用線)接続で通信の安全性を確保、ファイアウォールの設置など予防措置を図るとともに、定期的な対応訓練や監査を実施して、リスクの回避、影響の最小化に努めています。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況の概要及び分析・検討内容

当連結会計年度におけるわが国経済は、ウイズコロナの下で各種政策の効果もあって、景気は緩やかに持ち直し  ました。しかしながら、原材料・エネルギー価格の高騰など世界的インフレや政策金利の引上げに伴う、海外景気  の下振れが国内景気を下押しするリスクとなっております。半導体等の長期化する部品の供給不足による自動車の  生産活動は正常化しつつありますが、物価上昇や金融資本市場の変動などの影響により景気の先行きは依然として  不透明な状況にあります。
   一方で、2050年の脱炭素社会の実現に向けた政府の成長戦略を受け、企業の設備投資には持ち直しの動きがみら れました。

このような事業環境のもと、当社グループはカーボンニュートラルに資するべく水素やアンモニアを利用した技術提案を積極的に行い、受注活動を展開しました。
その結果、海外向け電熱式連続焼鈍設備や国内向け半導体関連の機能材熱処理炉、インドネシア向け機械部品熱処理炉などの成約を得て、受注高は前期比115.6%の32,522百万円と増加しました。
  売上面につきましては、国内鉄鋼向け省エネ型加熱炉や水素ガス加熱装置、インドネシア向け機械部品熱処理炉などの工事が進捗し、売上高は前期比106.3%の27,977百万円となりました。
  利益面につきましては、原材料・輸送費高騰の影響を受けましたが、為替ヘッジや調達コストダウンに取り組み、営業利益は1,309百万円(前期比103.7%)、経常利益は1,575百万円(前期比105.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,231百万円(前期比90.5%)となりました。

 

各分野別の概況は次のとおりです。なお、分野別の受注高及び売上高は、セグメント間取引相殺消去前の金額によっております。
 (エネルギー分野)
  受注面では、海外向け電熱式連続焼鈍設備や国内向け半導体関連の機能材熱処理炉、インドネシア向け機械部品熱処理炉などの成約を得て、受注高は27,072百万円(前期比119.0%)と増加しました。
  売上面では、国内鉄鋼向け省エネ型加熱炉や連続焼鈍設備、インドネシア向け機械部品熱処理炉や国内向け機械部品熱処理設備などの工事が進捗し、売上高は23,190百万円(前期比125.3%)と増加しました。
 (情報・通信分野)
  受注面では、国内向け次世代電池や半導体関連のRSコータや海外向け精密塗工装置の改造・予備品などの成約を得て、受注高は633百万円(前期比80.5%)となりました。
  売上面では、中国向け半導体パッケージ関連精密塗工装置や国内向け次世代電池関連のRSコータなどの工事が進捗しましたが、期初受注残高が少なかったこともあり、売上高は264百万円(前期比10.5%)に留まりました。
 (環境保全分野)
  受注面では、環境規制強化に対応した国内及び中国、タイ向け蓄熱式排ガス処理装置などの成約を得て、受注高は2,500百万円(前期比96.3%)となりました。
  売上面では、活性コークス用熱処理炉や国内及び中国、台湾向け蓄熱式排ガス処理装置などを納入し、売上高は2,500百万円(前期比113.0%)と増加しました。
 (その他)
  受注面では、海外子会社において、中国向けモータコア焼鈍炉や蓄熱式排ガス処理装置などの成約を得て、受注高は5,066百万円(前期比118.4%)と増加しました。
  売上面では、中国向けステンレス製造設備用機器や線材コイル焼鈍炉などを納入し、売上高は4,801百万円(前期比87.6%)となりました。

 

 

受注高、売上高、営業利益、売上高営業利益率、自己資本利益率(ROE)の期初目標に対する実績は以下のとおりです。

 

 

2023年3月期実績

期初目標

達成度(%)

受注高(百万円)

32,522

37,500

86.7

売上高(百万円)

27,977

32,500

86.1

営業利益(百万円)

1,309

1,450

90.3

売上高営業利益率(%)

4.7

4.5

104.4

自己資本利益率(%)

5.2

4.8

108.3

 

売上高営業利益率、自己資本利益率が目標を上回った主な要因は、原価・経費の削減であります。

 

(2)財政状態の状況の概要及び分析・検討内容

資産合計は、現金及び預金は減少しましたが、受取手形、売掛金及び契約資産の増加などにより、前期末比3,036百万円増加の41,178百万円となりました。
 負債合計は、買掛金の増加などにより、前期末比2,206百万円増加の17,136百万円となりました。
 純資産合計は、利益剰余金やその他有価証券評価差額金の増加などにより、前期末比830百万円増加の24,041百万円となり、自己資本比率は57.9%となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況の概要及び分析・検討内容

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

売上債権及び契約資産の増加により、2,500百万円の資金の減少となりました。(前期は6,090百万円の増加)

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

有形固定資産の売却はあったものの、有形固定資産や無形固定資産の取得による支出により、63百万円の資金の減少となりました。(前期は510百万円の増加)

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

配当金の支払や自己株式取得による支出により、727百万円の資金の減少となりました。(前期は2,508百万円の減少)

(資本の財源及び資金の流動性)

当社グループの運転資金及び設備・投融資資金は、主に営業活動によるキャッシュ・フローを財源とし、必要に応じ、金融機関からの借入を行うこととしております。また、資金の流動性を確保するため、取引金融機関と当座貸越契約を締結しております。

 

(4)生産、受注及び販売の状況

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

エネルギー分野

23,190

125.3

情報・通信分野

264

10.5

環境保全分野

2,500

113.0

その他

4,801

87.6

相殺消去

△2,778

115.1

合計

27,977

106.3

 

(注) 金額は売上高により表示しております。

 

 

b.受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

エネルギー分野

27,072

119.0

20,675

123.5

情報・通信分野

633

80.5

511

256.2

環境保全分野

2,500

96.3

1,543

100.0

その他

5,066

118.4

2,623

118.5

相殺消去

△2,749

120.6

△703

99.1

合計

32,522

115.6

24,649

123.3

 

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

エネルギー分野

23,190

125.3

情報・通信分野

264

10.5

環境保全分野

2,500

113.0

その他

4,801

87.6

相殺消去

△2,778

115.1

合計

27,977

106.3

 

   (注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

JFEスチール㈱

538

2.0

3,712

13.3

 

 

(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社が技術援助契約を締結している主なものは、次のとおりであります。

(1) 技術供与

 

契約先

内容

契約期間

(米国)
Surface Combustion, Inc.

一体化カテナリ型焼鈍炉の技術

自 1990年9月
至 1997年9月
以後は、1年毎自動延長

(韓国)
Hanwha Corporation/Machinery

工業炉、雰囲気ガス発生機及び蓄熱式脱臭装置に関する技術

自 2018年1月
至 2019年12月
以後は、2年毎自動延長

 

(注) 1 上記についてはロイヤルティとして売上高の一定率を受けとっております。

2 上記のうち、契約期間が自動延長とあるものは、各契約とも契約満了日前一定の日前に当事者の一方が終結通知を他方に提出しなければ延長されます。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、熱技術を核として、エネルギーの有効活用や地球環境の保全などの社会的要請に的確に応えるとともに、情報・通信の高機能化など先端分野にも新しい価値の創造と顧客が期待する製品を提供し、社会の発展に貢献するとの企業理念のもと、エネルギー分野、情報・通信分野、環境保全分野の3分野における研究開発を行っております。
 当社を取り巻く外部環境の変化や多様化は著しく、その潮流は今後、更に激化することが予想されます。その潮流に迅速に対応し、顧客の満足する技術、商品を創出すべく、開発のスピードアップと実行力の強化を図ることを目的とした「商品開発部」を第79期より社長直轄の開発専任組織として活動しています。商品開発部では新しい価値を探索・創造するイノベーション活動と、それらを実証し、商品化し、社会へ実装していくことで、当社のビジネスに繋げるインキュベーション活動を中長期的な視点も含めた次代の当社の柱商品を創出する開発活動として展開しております。また、社内各部門での既存技術のブラッシュアップ開発活動を管理・推進し、グループ全体の開発活動の活性化を図っております。
 さらに、当社は脱炭素化やDX、資源循環(ゼロエミッション)といった次世代への変革に応えるべく、経営理念に掲げる「新しい価値の創造」の主要拠点の整備・統合を目的として、第80期に熱技術創造センターの新設を含む研究開発施設の再編を決定し、2023年11月の開所に向けて工事を進めております。この刷新によって最新鋭設備による研究開発力の強化、社内外の開発共創の活性化を行い、「新しい価値の創造」を活発かつ迅速に行える次世代の開発型企業へと変革を遂げ、カーボンニュートラルをはじめとする持続可能な社会の実現に向けて貢献してまいります。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は844百万円であります。なお、研究開発は各事業部門が連携して行っているため、総額のみ記載しております各分野での研究開発のトピックスを下記に記載します。

(1) エネルギー分野

国内のみならず世界的な潮流である脱炭素エネルギーへのアプローチとして、従来から取り組んでいる水素燃焼技術については、堺事業所内に熱源を水素燃料化した熱処理試験炉を設置し、多くの御客様にご見学・導入に向けた検討をいただいております。また、水素と同様に燃焼時にCO2を排出しない非化石エネルギーとして注目されているアンモニア燃料を用いた燃焼技術開発については、当社の基幹領域である工業炉での適用に加え、新分野である火力発電所用の大容量アンモニアバーナの開発をNEDO国家プロジェクトにて、電源開発、電力中央研究所、産業総合研究所、大阪大学と共同開発を継続しております。
 CO2を排出しない電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)の普及により需要が高まっている高機能材料・機能部品事業領域分野に関しては、堺事業所内に設置している高機能材料用途の粉体焼成試験設備を用いて量産化に向けた実証試験を行い、開発段階から連続処理装置のプロセス提案に向けて継続して取り組んでおります。また、火炎を利用した高温加熱による粉体の球状化試験にも継続して取り組んでおり、成長著しい機能材料分野での用途拡大を図っております。

(2) 情報・通信分野

5Gや6Gといった高速、大容量の通信技術に必要となる、フレキシブル機能を用いたディスプレー、センサー、ウエラブル機器および、電池関連や携帯端末の製造プロセス用設備に対する商品開発にも継続して取り組んでおり、当社技術の用途拡大を目指しております。
 特に半導体パッケージ業界と車載用2次電池業界については、角型、円形その他異形状の塗布ニーズの拡大に対して、精密な塗布精度要求を満足し、かつ、塗工工程で廃棄せざるを得なかった塗料を格段に減らすことができる環境にも配慮された「RSコータ™」の開発、PRを進めております。

(3) 環境保全分野

CO2排出量削減に有効な電動車両に利用されているリチウムイオン二次電池のリサイクルやゼロエミッション化を目指す鉄鋼電炉から排出される製鋼ダストのリサイクルについては、有価物の回収といった資源循環や工場外への廃棄物排出の削減(ゼロエミッション)の観点からも関心が高まっています。
 また、プラスチック資源循環促進の観点より、廃プラスチック処理業界からは、資源リサイクル率の向上に向けた技術開発が求められています。従来技術である、燃料利用としてサーマルリサイクルだけでなく、化学原料に再生するケミカルリサイクル技術開発に取組むことで、カーボンニュートラルに資する資源循環技術の開発に取り組んでいます。