当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
①基本理念
当社グループは、企業として果たすべき使命、重視する価値観について、以下のとおりグループ共通の考え方を定めております。
この基本理念の下、新しいサービス・製品の差別化のために独自の先端SoCを必要とするお客様のパートナーとして、また、進化する半導体のエコシステムにおいてファウンドリ・OSATをはじめIP・EDAツール・ソフトウエアに至るまで最新の技術を提供するサプライヤーのパートナーとして、お客様、さらにはその先にいる世界中の人々に新しい価値を提供し、豊かな社会の実現に貢献していきたいと考えています。
・Mission(企業としての使命)
Together with our global partners, we bring innovation to everyone everywhere.
・Value(重視する価値観)
「Change」
非連続な変化への適応。ビジネス・技術・マインド・オペレーションなど環境の変化に合わせ我々自身も変化していく。
「Technology」
最先端技術の追求により、世界のイノベーションを支える開発競争力を持つ会社を目指す。
「Growth」
我々の成長が株主・お客様・パートナー・社員等のあらゆるステークホルダーへの貢献に繋がる。
「Speed」
ダイナミックかつ急激に変化する市場・お客様への迅速な対応。
「Sustainability」
お客様・パートナー・社会との共生により持続可能な未来を創る。
・行動指針
・各人が自身の仕事にオーナーシップを持ち、環境の変化に合わせ、お客様視点・マーケットインの視点から自立的に考え行動を起こす。
・成長市場・成長企業にアクセスし続けるために、最新の技術・知識に裏付けられた、お客様にとって価値のある課題解決に向けた提案を行う。
・各人が意欲的にあるべき姿に向かってチャレンジしプロフェッショナルを目指すことが、個人の成長・会社の成長につながる。
・個人単位・組織単位での迅速な判断と意思決定を行い、常に先を見て、お客様にとっての価値を生み出す。
・グローバル社会の構成員として、企業としての社会的責任を果たし、持続可能で豊かな社会の実現に向け貢献する。
・CSR基本方針
・法令・社会規範の遵守
私たちは法令・社会規範の遵守を徹底し、社会の信頼に応えます。
・人権の尊重
私たちは一人一人の人権を尊重し、差別などの人権侵害行為を許しません。
・社員の労働環境整備
私たちは社員の幸せを目指し、個性を尊重し、公平な処遇を実現するとともに、健康で働きやすい環境をつくります。
・環境への配慮
私たちは地球環境に配慮した企業活動を進めていきます。
・公正な商取引の推進
私たちは常に公正な商取引に則り、お客様・お取引先との信頼関係を築きます。
・情報管理の徹底
私たちは自社情報、お客様やお取引先などの第三者情報や個人情報などの管理を徹底し、機密を保持します。
・知的財産の尊重
私たちは企業価値の源である知的財産を守り、尊重します。
②経営方針
上記の基本理念実現のために、当社グループは、独自の先端SoCを必要とするお客様に向けて、最適な技術の組み合わせにより、お客様が求める機能を実現するSoCを開発・提供する事業を、ソリューションSoCという独自のビジネスモデルにより展開しています。「オートモーティブ」、「データセンター/ネットワーク」及び「スマートデバイス」といった先端成長分野に加えて、「インダストリアル」や「IoT&レーダーセンシング」の分野で、グローバルなお客様から地域的なバランスをとりながら、より多くの商談の獲得を目指します。
事業活動を通して、お客様の信頼を獲得し、世界の主要/成長企業のSoC部門となりお客様の成長を支えるとともに、当社の低消費電力技術などを活用して社会の課題解決に貢献します。また、お客様と協力した開発を通して、エンジニアの成長と会社の成長との好循環を実現し、会社の成長による企業価値の向上により株主への還元を図ります。
(2)経営環境及び対処すべき課題等
①経営環境
近年、ネットワーク、クラウド、AI等様々な革新的技術の普及と融合により、自動運転、AR/VR等今までにない新たなサービス/製品が次々と出現しています。それらのサービス/製品を取扱う企業においては、自社のサービスや製品を差別化するために独自のSoCへのニーズが増加しており、カスタムSoCの需要は拡大しています。
他方、半導体産業のエコシステムの進展により、カスタムSoC開発のコア技術であるIP、EDAツール、ソフトウエアからプロセス、アセンブリ、テストに至るまでの最先端技術をエコシステムから入手することが可能になっている反面、差別化の要求を実現するための組み合わせが広がったことで、最適な組み合わせによる独自SoCの開発が複雑化しています。
こうした事業環境を背景に、独自のカスタムSoCを開発したい顧客と進化する半導体のエコシステムとを繋ぐパートナーによるソリューションSoCビジネスモデルに対する需要が高まってきています。
2022年時点で、ソリューションSoCビジネスモデルで開発するSoCを含むカスタムSoCの市場規模は240億ドル(※2)であり、このうち自社製品にしかカスタムSoCを供給していない会社を除くと、市場規模は120億ドル(※2)で、当社グループは約10%、第2位のシェア(※1)を有しております。半導体市場全体の2021年から2025年までの年間平均成長率は2.6%(※2)であるのに対し、カスタムSoC市場は、同期間において年間平均成長率9.8%(※2)で成長していくと見込まれております。さらに、当社グループの注力分野(「オートモーティブ」、「データセンター/ネットワーク」及び「スマートデバイス」)は、2022年時点で56億ドルの市場規模(※2)で、上記期間において15.3%(※2)と更に高い年間平均成長率が見込まれております。
2021年3月期後半から続いていた世界的半導体需要の増加による半導体製造企業(ファウンドリやOSAT)の生産能力のひっ迫状況は、本書提出日時点では先端テクノロジを中心に緩和されていると認識しています。
※1 Omdiaの“Competitive Landscaping Tool CLT, Annual-4Q 2022”及び当社内部データをもとに当社が推計したものです。当社は当該データにおけるLogic ASICをカスタムSoCと定義して推計を行っており、実際の当社の対象市場とは異なります。また、一定の前提及び外部資料にもとづき推計しているため、実際の市場規模と異なる可能性があります。なお、自社製品にしかカスタムSoCを供給していないApple社は除いており、また、台湾の従来型ASICベンダーは、当該データに含まれておりません。
2 Omdiaの“Application Market Forecast Tool-1Q 2023”をもとに当社が推計したものです。なお、当該データの“Data Center Servers”、“Solid State Drives”、“Enterprise Ethernet Switches & Routers”、“Carrier Ethernet Switches & Routers”、“Optical Equipment”、“Broadcast & Streaming Video”、“Data Center Network Switches”、“Mobile Comm Infrastructure”、“Other Consumer Electronics”、“Connectivity & Telematics”、“Infotainment & Cluster”、“ADAS”、“Chassis & Safety”and “Security & Video Surveillance”を当社の注力分野として推計しております。
②優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
カスタムSoCは、商談を獲得してから量産を開始・終了するまでの期間が長いという特徴があります。このため、当社では各年度に新規に獲得した商談の需要見通しの総和である「商談獲得金額」と、商談獲得金額について、そこから売上実績や案件の中止、販売数量の見通しの変動等を反映した「商談獲得残高」を重要な経営指標としております。
これらの経営指標に基づき、当社は現時点において、すでに2025年3月期までの売上の推移をある程度見通しております。そこで、その先の2026年3月期以降に目を向け、当期と同レベルの年間2,500億円(1ドル=100円で換算)程度の商談獲得金額を継続して達成していくことが、当社グループの持続的成長のために必要であると認識しております(「商談獲得金額」及び「商談獲得残高」については、下記「(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照ください。)。
これを実現するため、企業文化の変革、開発競争力の向上、SCM体制の強化を経営の重要課題と位置づけ、取り組みを進めてまいります。
まず、グローバル企業として大型商談につながる海外顧客のニーズを理解し、顧客の求める製品やサービスを高い競争力で提供できる開発体制を整備してまいります。
次に、開発競争力の向上では、標準開発プロセスの確立やメソドロジー、ツールなど設計環境への先行開発投資等を積極的に実行してまいります。また、IPベンダーやツールベンダー、ファウンドリ、OSATなどの半導体エコシステムを構成するグローバルなパートナーとの関係をより強化するとともに、国際標準化機関への活動にも引き続き参画してまいります。
さらに、SCM体制の強化では、製造委託先の生産能力がひっ迫した状況となった場合でもタイムリーに対応できるよう、生産・調達・供給の各機能におけるビジネスプロセスを改善し、グループ全体での最適なSCM体制の構築を引き続き推進してまいります。
また、これらの活動に加えて、環境や人的資本などのサステナビリティに関する課題の解決にも積極的に取り組んでまいります。
当社グループは、営業から開発、生産・調達、コーポレートまでが一体となって、グローバル企業としてソリューションSoCという独自のビジネスモデルで新しい価値を創造し、社会に貢献してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
カスタムSoCは、一般的に商談獲得から設計開発及び顧客による評価期間を経て製品を出荷し売上計上するまで2年以上を要するため、当社グループは、より早い段階から将来売上見通しを見える化し、必要な対策をタイムリーに実行していくために、将来の売上見通しのベースとなる「商談獲得金額」、「商談獲得残高」を会社の重要経営指標としております。日々の商談獲得活動によるこれら指標の積上げ、見直しによる、中期的な売上高成長率の向上、並びに製品売上拡大による売上総利益の増加及び開発効率化等を通じた営業利益率の改善を目指しております。
当社グループの商談獲得金額は2018年3月期及び2019年3月期は1,000億円の水準でしたが、2023年3月期においては2,500億円の水準に増加しており、特に高成長が期待される注力分野において大型の商談を多数獲得しております。その結果、商談獲得残高は2022年6月末時点の約8,800億円から2023年3月末時点で約1兆円と増加しております。
当社グループは、商談獲得後、SoCの設計開発を行いますが、一般的に顧客から設計開発に要する費用の大半をNRE売上として段階的に受領します。その後、顧客の評価を経て製品の量産段階に入り、製品売上を計上します。2023年3月期において、当社グループの連結売上高に占めるNRE売上高の比率は18%でした。商談獲得から設計開発及び顧客の評価完了を経て製品売上が計上されるまでには、一般的に2年以上を要し、その間に案件の中止や仕様変更等に基づく製品単価の変化が発生しうるため、商品獲得金額が将来の売上を確実に保証するわけではありません。
「商談獲得金額」は、ある会計期間に獲得された商談について、顧客との間で設計開発に係る契約を締結した時点(商談獲得時点)における、将来の設計開発及び量産に至る販売全期間における顧客需要として当社が予測した金額を、1ドル100円により示したものです。商談獲得金額は、顧客需要の予測であるため、製造キャパシティの制約は考慮しておらず、また、商談獲得後の案件の中止、実際に計上された売上といった事後的な事象に基づき更新することはしていません。なお、商談獲得時において、製品単価は合意されます(但し、設計開発を経て製品の仕様が変更される場合には製品単価も変更されることがあります。)が、販売数量は合意されません。
当社グループは、商談獲得後、SoCの設計開発を行いますが、顧客から設計開発に要する費用の大半をNRE売上として段階的に受領します。その後、顧客の評価を経て製品の量産段階に入り、製品売上を計上します。商談獲得から製品売上の計上までに通常2年以上の期間が掛かり、製品の量産化、さらには量産を終了するまでには相当の期間にわたるビジネスとなります。このため、単価や数量の変動等個々の商談の状況変化を適時反映した「商談獲得残高」も重要な経営指標としております。
「商談獲得残高」は、その時点において存続している案件に関する商談獲得金額の累積値を当社が予測した金額で、同じく1ドル100円で計算しています。商談獲得残高は、商談獲得金額についての、商談を獲得した時点以降の案件の進捗又は変化を反映又は更新したものであるため、商談獲得残高の算定時点により大きく変動する可能性があります。これらの進捗又は変化には、①商談獲得後の案件の中止(2021年3月期及び2022年3月期における商談獲得金額のそれぞれ15%超及び20%超に相当する商談が事後的に中止となっており、現時点(本書提出日時点)以降も商談が中止となる可能性があります。また、2023年3月期に獲得した商談については、事後的に中止となっているものは現時点では存在しません。)、②実際に計上された売上の控除及び③仕様変更等に基づく製品単価の変化や製品の販売数量の見込みの変化が含まれます。現時点において、ビジネスモデルの変革以降2023年3月期までの商談獲得金額に対する商談獲得後の案件中止による影響は、その他の商談の商談獲得後の単価、数量増等により相殺されています。なお、2023年3月期には中国の一部顧客において短期的に当初の想定以上の特需が発生しており、また、当該特需の一部に係る売上は2024年3月期上期にも生じると予想しておりますが、当該特需に係る商談獲得金額は商談獲得残高には反映しておりません。
上記のほか、「商談獲得金額」及び「商談獲得残高」の留意事項については、下記「3 事業等のリスク (4)当社グループの経営指標について」もご参照ください。
●サステナビリティの基本的な考え方
当社グループは、「Together with our global partners, we bring innovation to everyone everywhere.」 というミッションのもと、サステナビリティへの取り組みを重要な経営課題と位置付け、新しいサービス・製品の差別化のために独自の先端SoCを開発する顧客のパートナーとして、また、進化する半導体のエコシステムにおいてファウンドリ・OSATをはじめ、IP・EDAツール・ソフトウエアに至るまで最新の技術を提供するサプライヤーのパートナーとして、顧客、さらにはその先にいる世界中の人々に新しい価値を提供し、社会の可能性を広げて行くことを目指して、持続可能で豊かな社会の実現に貢献していきたいと考えています。
地球温暖化や気候変動などの環境問題への配慮、人権尊重や多様性などの社会問題へのグローバルな関心の高まりを受け、企業を取り巻く環境は大きく変化しています。当社グループは、世界全体の様々な課題が引き起こすリスクを正しく認識し、それらの課題を解決するための対策に取り組んでいきます。
また、活動にあたっては、顧客、取引先、社員、地域社会、株主など、当社グループを取り巻く様々なステークホルダーとの対話や協働を通じて、課題の理解に努めるとともに信頼関係を構築し、持続可能な社会の実現を目指していきます。
●サステナビリティ情報開示の考え方
サステナビリティ情報の開示においては、TCFD(※1)提言やISSB(※2)が作成を進めているサステナビリティ開示基準に準拠し、ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標の4つの観点に沿って行う方針です。
※1:TCFDとは、気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)の略語です。
※2:ISSBとは、国際サステナビリティ基準審議会(International Sustainability Standards Board)の略語です。
(1)ガバナンス
グローバルな社会的課題への対応として、当社グループではサプライチェーン全体での気候変動を中心とする環境問題や人権問題への対応、人材育成や人材の多様化、品質・サービス向上への対応といった課題に真摯に取り組み、グローバル企業としての社会的責任を果たしていくことが私たちの責務であると考え、事業活動を通じてサステナブルな社会の実現に向けて取り組んでいます。
当社グループは、サステナビリティ活動を推進し、中長期的な課題を経営レベルで継続的に議論していくため、2022年4月にESG推進室を設置し、社内関連部門と連携した推進体制を構築しています。この推進体制を活動の基盤として経営委員会の実行指示のもと活動を推進しています。取締役会は、重要なサステナビリティ課題への取り組み方針・実行計画の審議・承認や、進捗確認等の監督を行っております。
<取締役会>
サステナビリティ活動に関する決定機関として、方針・戦略・各種施策等を審議・承認します。また、定期的に各種施策の進捗をモニタリングします。
<経営委員会>
取締役会での審議に先立ち、サステナビリティに関する方針・戦略・施策等の計画案を策定します。また、各施策に対する執行責任を持ち取締役会での承認の下、実行部門への指示を行い、各種施策を推進します。
施策の推進に当たり、ESG推進室は、方針・戦略・施策等の計画策定及び計画実行のサポート、施策の実行状況について取りまとめ、経営委員会への報告を実施します。
(2)戦略
①気候変動への対応に関する戦略
当社グループは、我々の提供するSoCによって、顧客のもとでのGHG排出量の低減へ貢献し続けていくことが、サステナブルな社会の実現に繋がると考えております。グローバル市場をリードする主要な顧客との開発連携や、独自のマルチコア設計技術・低電力なAIエンジン/アクセラレータの活用による高性能なカスタムSoCの開発を通し、顧客の製品の更なる小型化、高集積化、低消費電力化の実現を目指します。
2023年3月期は、当社グループの事業活動における気候変動の「リスク」と「機会」に関し、以下のとおり認識しました。今後は、「リスク」・「機会」について、シナリオ分析を通じた財務・事業インパクトの算出を行い、より実効性のある対策立案・実行に繋げていきます。
<気候変動に関連する主なリスクと機会>
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区分 |
気候変動が当社に及ぼす影響 |
当社の対策 |
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リスク |
移行リスク |
政策・ |
省エネ・GHG排出量削減に向けた取り組み・施策によるコスト増 (カーボンプライシングなどのエネルギーコスト増、省エネ設備導入によるコスト増など) |
グローバルな動向・法規制の変化を早期に捉えて、計画的に施策の検討・実行・評価を行う。また、サプライチェーンGHG排出量の把握、取引先への削減の働きかけを継続的に実施。 |
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技術 |
市場競争力維持・向上のための研究開発費増 市場競争力維持・向上のための製造コスト増 |
顧客、取引先と連携した低消費電力・省スペースな環境配慮型デバイスとソリューションの開発・提供。 |
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市場 |
顧客の需要変化による売上減 規制による材料/電力等仕入れ価格のコスト増 |
環境課題解決に繋がる製品・サービスの開発・提供。 使用部材の再検討。再生可能エネルギーの導入検討。 |
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物理的リスク |
急性 |
異常気象の激甚化による製造委託先の操業停止(当社の開発・物流も含む) |
製造委託先等の操業停止を想定した事業継続計画の定期的な見直し。 事業所、データセンターにおける電力の効率利用によるコスト削減可能性の検討。 |
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慢性 |
水不足による製造委託先の操業停止 気温上昇によるデータセンター等の空調コスト増 |
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機 会 |
資源の |
事業所、データセンターにおける資源(エネルギー、水)の効率利用によるコスト削減 |
SoC開発効率化(独自のマルチコア設計技術、低電力なAIエンジン/アクセラレータの活用)によるコスト削減。 |
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製品/ |
顧客の省エネ・GHG排出量削減への貢献に寄与する低消費電力製品を中心とした需要増 |
低消費電力・省スペースな環境配慮型デバイスとソリューションの開発・提供。 |
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市場 |
低消費電力技術を基盤とした新たな事業領域への参入による収益増 |
ADAS/AD/データセンター向けSoCを中心とした更なる低消費電力化・小型化の実現による新たな事業領域への参入。 |
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②人的資本に関する戦略
当社は、多様な社員や組織がお互いを高めて協働していくことが、最先端の技術力、グローバルな開発競争力、持続的成長の基盤となり、Missionである「Together with our global partners, we bring innovation to everyone everywhere」の実現につながると考えております。
当社は、人材こそが企業価値の源泉であると考え、「多様な人材が最大限に能力を発揮できる環境づくりと成長支援」に積極的に取り組んでまいります。
基本理念の「CSR基本方針」で「社員の幸せを目指し、個性を尊重し、公平な処遇を実現するとともに、健康で働きやすい環境をつくる」ことを宣言し、加えて環境整備と人材育成については、下記のとおり様々な対策に取り組んでいます。
<環境整備について>
当社は、様々な個性、考え方、価値観をもった社員一人ひとりが、働きやすく、能力を発揮することができる企業風土、文化の醸成に努めます。
当社は国籍・性別・年齢などを問わず、人材採用と登用を行い、かつ、多様な人材が生き生きと働くことのできる社内環境整備を推進しています。主な取り組みは以下のとおりです。
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支援制度 |
育児休暇制度/育児時短勤務制度 ベビーシッター費用補助 休職制度(チャイルドプラン、介護など) 積み立て休暇制度(看護、子育て、介護など) |
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多様性の確保 |
定年後再雇用制度の見直し 障がい者の継続的な採用と環境整備 視覚障がい者によるマッサージルーム運営 精神障がい者による社内業務代行制度 グローバル人材の採用と支援(新卒の10月入社、語学研修費用補助など) |
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働きやすい環境づくり 働き方の多様性 |
コアなしフレックスタイム勤務制度 看護、介護のための在宅勤務制度 在宅勤務の柔軟運用 長時間残業の抑制 エンジニア向けの人事制度 エンジニアが開発に専念できる環境づくり ハラスメント教育の全従業員受講 |
<人材育成について>
当社は、最先端のソリューションSoCビジネスを通じて、ステークホルダー(顧客、取引先、社員、地域社会など)の様々な期待・要望に応えるため、当社を取り巻く非連続な変化に適応しながら最先端技術を追求することで、世界のイノベ-ションを支える会社として持続的な成長を目指してまいります。
上記を実現するため、仕事にオーナーシップを持ち、自律的・意欲的にあるべき姿にチャレンジするプロフェッショナルな人材を、一人でも多く育成、輩出できるよう、人材育成に取り組んでまいります。当社は、社員が自律的・意欲的に学び、主体的にキャリア形成できるよう各種教育プログラムを整備しています。2023年3月期の教育実績は以下のとおりです。
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主な研修内容 |
一人当たり研修時間 |
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階層別教育 |
新入社員向け研修、新任管理職向け研修など |
1.3時間 |
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共通教育 |
全従業員がe-learning教育を毎年1回受講 コンプライアンス、情報セキュリティ、インサイダー取引防止、ハラスメント防止、環境、購買取引、安全保障輸出関連法令など |
4.6時間 |
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目的別教育 |
エンジニア向け技術教育、語学研修など |
5.5時間 |
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合 計 |
11.4時間 |
①新入社員、若手社員への研修
新入社員、若手社員のモチベーションとスキル向上を促し、早期に自律的な活躍ができる環境整備に取り組んでおります。
入社後の導入研修と入社後6ヶ月、1年、2年後にフォロー研修を行い、コミュニケーション力、コンプライアンスなどの基礎的なビジネススキルを養うとともに、入社2年間はトレーニー制度として、それぞれの若手社員ごとの育成計画を基に、先輩社員(トレーナー)の指導を受けながら、OJTで実務スキル、経験を高めることとしています。
②新任管理職への研修
管理職の登用時においては、役員との意見交換、集合研修、通信講座などを通じて、マネジメント、コミュニケーション、アカウンティングなど、管理職として必須となる知識とスキルを学ぶ場を提供しています。
③共通教育
コンプライアンス、情報セキュリティ、インサイダー取引防止、ハラスメント防止、環境、購買取引、安全保障輸出関連法令などについてe-learning教育を実施し、100%の社員が受講しております。
④エンジニア向け教育
グローバルで活躍できるエンジニアを育成するために、技術エンジニアとプロジェクトマネージャーとしての2つの複線的なキャリアパスを用意し、必要な経験、スキルを示すとともに、全てのエンジニアと上司が毎月1on1面談を実施し、エンジニアの自律的なキャリア形成を促しています。
また、技術講座や視聴教材、OJT、開発プロセストレーニングなど、エンジニアが経験、スキルを得る機会を提供しています。
⑤語学教育
社員のグローバルなコミュニケーション力を高めるため、オンライン英会話や語学学校、TOEIC試験の実施など、各種語学研修や費用補助などを整備しています。
(3)リスク管理
当社グループは、様々な経営リスク、事業リスクの抑制・低減に向け、半期ごとに全社リスクマネジメントを実施しております。このフレームワークの中で、気候変動・人的資本・多様性といったサステナビリティに関するリスクについても重要リスクと認識し、リスクアセスメントの実施、対策立案・実行、進捗・効果確認を定期的に実施しています。
(4)指標及び目標
①気候変動への対応に関する指標及び目標
2023年3月期の当社グループのGHG排出量(Scope1(※3)、2(※4))は、約8,534t-CO2となりました。事業規模拡大に伴い、GHG排出量は前年度より増加していますが、売上高当たりのGHG排出量は前年度より減少しております。
当社グループは、2050年までにGHG排出量(Scope1、2)のカーボンニュートラルを目指しており、目標達成に向けて、引き続き削減施策の検討を行い、実行してまいります。
※3:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出
※4:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
[GHG排出量]
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2022年3月期 (t-CO2) |
2023年3月期 (t-CO2) |
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Scope1 |
318 |
235 |
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Scope2 |
6,971 |
8,299 |
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合 計 |
7,289 |
8,534 |
[売上高当たりのGHG排出量(1億円当たり)]
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2022年3月期 (t-CO2) |
2023年3月期 (t-CO2) |
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Scope1、2 |
6.23 |
4.43 |
②人的資本に関する指標及び目標
<女性活躍について>
当社は短時間勤務制度や各種休職・休暇制度、ベビーシッターサービス費用補助制度など、仕事と家庭を両立する女性が働きやすい環境整備を推進してまいりました。
働き方の多様化を実現するために、コアなしフレックス勤務制度や、在宅勤務制度の運用などを進めるとともに、長時間残業の抑制策に優先的に取り組んでおり、女性をはじめとした多様な人材が健康で働きやすい職場づくりを進めています。
今後は、若手や女性への研修の充実といった社内の意識・風土改革に取り組み、更なる女性リーダーの活躍や男性の育児参加などを促進してまいります。
なお、女性管理職比率、男女間賃金格差、男性の育児休業取得率の実績は以下のとおりであり、これらの取り組みにより、現状以上の比率を目指してまいります。
[女性管理職比率、男女間賃金格差、男性の育児休業取得率]
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2021年3月期 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
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女性管理職比率 |
2.4% |
2.4% |
2.3% |
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男女間賃金格差 |
69.0% |
70.2% |
72.6% |
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男性育休取得率 |
25.0% |
25.9% |
16.7% |
(注)上記は当社単体での実績
<シニア人材について>
当社は、60歳定年後に継続雇用を希望する社員に対して、最長65歳まで継続雇用する定年後再雇用制度を整備しております。
シニア人材が培った経験・知識・スキル等を活かして引き続き社内で活躍できる環境づくりに努めており、2023年3月末時点で約170名のシニア人材が活躍しております。
<障がい者雇用について>
当社は、障がい者雇用の拡大を推進し、多様な障がいをもつ方が生き生きと働ける環境づくりに取り組んでいます。また、障がい者の活躍の場を広げるため、視覚障がい者5名による社員へのマッサージ制度(ヘルスキーパー制度)や、精神障がい者5名による社内の定型業務の代行制度(チャレンジスタッフ制度)を整備しております。
これらの取り組みの結果、法定障がい者雇用率2.3%を達成しており、今後も障がい者の雇用拡大と継続的かつ安定した雇用に努めてまいります。
<グローバル人材について>
当社は、新入社員、中途採用ともに国籍を問わず、通年で採用を進めており、日本語語学研修の費用補助なども行っております。約50名の外国籍社員が活躍しています。
本「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に含まれる上記の各取り組みや施策が当社の期待する効果を生じるとの保証はなく、また、上記の目標その他の将来に関する情報は、本書提出日時点における当社の認識、分析及び判断に基づき記載されたものであり、実際の結果が当該情報と大きく異なる可能性があります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
・リスクマネジメントに関する基本的な考え方及び体制について
当社グループがグローバルに事業活動を展開していく上で、複雑かつ多様なビジネス環境の変化によって生じるあらゆるリスクを早期に把握し、適切な対策を講じることが、当社グループの経営戦略・事業戦略の実現に必要不可欠であると考えております。
当社グループでは、組織的かつ継続的にリスクの抽出・評価を行い、抽出されたリスク項目ごとに主管役員を選任し、対応案の策定と実行を進めております。
また、これらの取り組みに関して、定期的に取締役会への報告を行い、想定しているリスクの網羅性、各種対策の有効性及び進捗状況等について確認する体制を構築し、リスクの発生可能性・損失規模の低減に向けてリスクマネドメントの強化に取り組んでいます。
・経営・事業を取り巻くリスク
(1)製造委託先について
当社グループは、経営資源を設計・開発業務に集中し、製品の生産を外部に委託するファブレスという事業形態を採用し、多くの資金が必要となる生産設備投資に制約されることなく事業を推進しております。生産は国内外のファウンドリ及びOSATといった製造委託先に分散して委託しておりますが、かかる事業形態に関して以下のようなリスクがあります。
①製造委託先が限定的であることについて
当社グループは台湾、日本、中国、シンガポール及び韓国の製造委託先に半導体の製造を委託しております。特に当社グループの取扱う最先端テクノロジ品や、車載品等の高い品質・信頼性を要求される製品については、製造委託先が限定される場合があり、特に半導体製造の前工程においてはTSMCに多くの製造を委託しています。そのため、当社グループの顧客への製品の供給は、製造委託先の方針、技術力や製造キャパシティの制約による影響を受けています。急速に技術革新が進む半導体業界において製造委託先が技術革新に乗り遅れた場合や、原材料・燃料価格の高騰が生じた場合には、当社グループによる当該製造委託先への委託が困難となる可能性がありますが、契約条件、事業上の関係性又は顧客の意向といった制約により、そのような場合に当社グループにおいて適時に合理的な条件で新たな製造委託先を確保できる保証はありません。また、近時は世界的な半導体需要の高まりや新型コロナウイルス感染症拡大等によるサプライチェーンへの影響により、製品の原材料の調達に支障が生じ、製造委託先の製造キャパシティに制約が生じておりました。この状況を受け、製造委託先が、各国で製造キャパシティを拡充する施策を講じた結果、当社グループが発注している最先端の半導体の製造キャパシティは徐々に増加し、2024年3月期以降は製造委託先のキャパシティの不足により当社グループの製造活動が制約される状況はほぼ解消されるものと想定しておりますが、当社グループの想定どおりに製造キャパシティの制約が解消する保証はありません。さらに、製造委託先において、半導体製造のために必要な水、エネルギー又は廃水処理能力の不足による制約が生じる場合、当社グループの製品の供給に遅延が生じる可能性があります。
当社グループは、複数の製造委託先を確保する等、不測の事態に備えてはいるものの、半導体業界に固有の急速な業界環境の変化、地政学的な要因や技術革新等により将来の需要予測には限界があり、製造キャパシティの制約に起因して製品の供給に遅延や中断が生じた場合には、当社グループの評判が悪化し、顧客から損害賠償請求を受ける可能性もあります。この結果、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響が生じる可能性があります。
②製造委託における価格について
当社グループの製造委託先は限定されており、また、製造委託先との間で長期的な製造委託契約を締結しているわけではないことから、製造キャパシティの制約、原材料・燃料価格の高騰(ウクライナにおける紛争によるものを含む。)、人件費、為替変動その他の理由による製造委託費の値上げの影響を大きく受けることとなります。実際に近時、世界的な半導体需要の高まりに伴う世界的な半導体不足によって、TSMCを含む主要な委託先による製造委託費の値上げも発生いたしました。当社グループと顧客との間の契約において製造委託先による値上げに応じた価格調整に関する規定を設けないことが通常であるため、製造委託先による値上げを顧客への製品価格に適切に転嫁できない場合には、当社グループの利益率が大きく低下することとなります。このような製造委託先における事情により、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響が生じる可能性があります。
③製品の品質について
当社グループの製品については、製造委託先の責任による歩留の低下や製品の欠陥が生じる可能性があります。これらの問題は製造過程の初期段階では発見することが困難であり、その改善に多くの時間や費用を要する可能性があります。また、このような場合に、他の製造委託先や製造拠点への移管を行おうとしても、対応可能な製造委託先等が存在しない等移管が困難である可能性や、移管に多くの時間や費用を要する可能性があります。
当社グループの製品に歩留の低下や製品の欠陥その他の製造に関する問題が生じた場合には、顧客への製品の供給に遅延が生じ又は供給ができないことや案件が中止となること等により、顧客から損害賠償請求を受ける可能性があります。仮にかかる請求が認められない場合でも、その対応には多くの時間や費用が必要となります。また、製造委託先の責任に起因する場合でも、製造委託先に対して費用償還を求めることが困難な可能性もあります。これらにより、当社グループの事業、経営成績、財政状態、ブランドイメージ及び社会的信用に悪影響が生じる可能性があります。
(2)当社グループの製品の設計開発について
当社グループの製品については、商談を獲得したのち、製造に向けた設計・開発を行うこととなりますが、設計・開発から顧客の評価完了までは2年以上という長期間にわたる可能性があるため、その間に生じる半導体や最終製品の市場環境及び顧客の戦略・需要の変化、新規技術の発明・市場への導入、製造委託先の製造キャパシティや繁忙状況の変化といった事象の影響を受け、顧客による仕様変更やプロジェクトが中止となる可能性があるほか、顧客の要求水準を満たす製品の開発や顧客が受入可能な価格及び数量での製造に成功しない可能性もあります。設計・開発段階でプロジェクトが中止となった場合、製品売上は一切受領できないこととなります。
また、当社グループは設計・開発段階において、一般的に顧客から設計・開発に要する費用の大半をNRE売上として段階的に受領しておりますが、上記のように設計・開発段階でプロジェクトが中止された場合には、残りの期間のNRE売上を収受できない可能性があるうえ、NRE売上は設計・開発段階で生じる費用の全てをカバーしない場合があるため、プロジェクトによっては損失が生じる可能性もあります。また、製品売上が当社グループの売上の大半を占め、当社グループの注力分野ではプロジェクトごとの規模が大きくなる傾向にあり、特定のプロジェクトにおける製品の価格もしくは数量の変更又はプロジェクトの延期や中止による当社グループの将来の経営成績への影響が大きくなります。従って、重要なプロジェクト又は複数のプロジェクトが設計・開発段階で中止となった場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響が生じる可能性があります。
(3)当社グループの製品の量産化について
設計・開発が完了した場合、製品の量産段階に進むこととなりますが、商談獲得段階では製品単価については顧客との間で合意している(但し、仕様変更により変更される場合があります)ものの、製造数量については合意しておらず、量産段階における顧客からの個別の発注により確定することとなります。そのため、当社が商談獲得時に予測した数量の製品を顧客が量産時点において購入する保証はありません。従って、当社グループが当初想定していた数量について製品の量産化が行われない場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響が生じる可能性があります。
(4)当社グループの経営指標について
上記「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、当社グループは「商談獲得金額」及び「商談獲得残高」を重要な経営指標としております。商談獲得金額及び商談獲得残高の算出には、製品の販売可能期間及び受注が中止される可能性に関する見込みのほか、開発計画、開発コスト、NRE売上、製品単価及び将来の製品の販売数量(なお、価格については、仕様変更による変更はありうるものの、商談獲得段階で合意されます。)に関する仮定及び見込みを含む当社グループによる将来の予測や主観的判断が相当程度考慮されています。製品の販売数量は、顧客から提示された初期的な数量見込みのほか、顧客との過去の取引履歴や第三者による市場データその他の情報に基づく当社グループ独自の予測、第三者による市場データその他の情報を基礎として判断したものですが、製造委託先の受注制限等、製造キャパシティによる制約は考慮していません。このように商談獲得金額及び商談獲得残高の算出は当社独自の方法により行われているため、他社が用いる同種の指標との比較は適切でない可能性があり、当社と他社の現在及び将来の業績の比較において当該指標に依拠することもできません。当社グループは、商談獲得金額及び商談獲得残高が過大な見積りとならないよう、モニタリング部門によるレビュー及び経営陣による承認に関する社内手続を定めていますが、かかる手続が有効である保証はありません。また、ある期間に獲得された商談獲得金額は、かかる期間の末時点における当社グループの仮定及び見込みを反映したものに過ぎず、その後の案件の中止、かかる案件に関連して実際に計上された売上、又は開発プロセス、当社グループによる将来の製品販売数量の見込み、製品単価、製造キャパシティ、その他事後的に発生する要因の変更に基づき更新することはしておらず、年度ごとの比較が適切でない可能性があります。商談獲得残高は月次でこれらの情報を考慮し更新していますが、更新時点における見積もりであることに変わりはなく、かかる見積もりが正確である保証はありません。当社グループは商談獲得金額及び商談獲得残高の算出方法を将来変更する可能性があり、また、過去にも変更しています。
以上のような制約により、商談獲得金額及び商談獲得残高は当社グループの将来予測される業績を示すものではなく、実際の売上と大きく異なる可能性があります。
(5)事業計画等の前提となる事項について
当社グループは、日々変化していく市況に対応し、持続的な成長を遂げていくため、事業計画の策定と実行、組織強化を目的とした各種施策を遂行しております。これら事業計画及び各種施策の策定においては、半導体及び最終製品の市場動向その他の経営環境について一定の前提を置いており、かかる前提には、例えば、当社グループが成長性のある注力分野において引き続き商談を獲得していくこと、商談獲得金額及び商談獲得残高がその需要予測に従いNRE売上及び製品売上として実現されること、製造委託先における製造キャパシティの確保が当社の想定どおりに実現されること、並びに為替変動が一定の範囲に収まること等が含まれます。しかしながら、これらの前提が現実と異なる場合には、当社グループの事業計画における各種施策の遂行及び経営指標の達成が困難となり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響が生じる可能性があります。
(6)主要顧客について
当社グループは、「オートモーティブ」、「データセンター/ネットワーク」及び「スマートデバイス」の注力分野において商談を獲得しており、今後当該分野の主要顧客への売上の割合が高くなることが予想されますが、主要顧客への売上は、商談の獲得時期及び規模並びに当該商談から得られた製品売上、当社グループの顧客基盤の多様化、消費者の嗜好の変化、業界の動向、法規制の変更、自然災害その他の要因により、大きく変動する可能性があります。当社グループにおける顧客との取引は、個別の発注に基づいており、顧客は長期的な購入義務を負わず、顧客が当社の期待する数量の製品を購入する保証はありません。主要顧客が最終製品の市場への投入を延期又は中止し、また、当社グループの製品の機能・性能、又は開発スケジュールが主要顧客の要求水準を満たさない場合には、当社グループの製品の採用を中止する可能性があります。主要顧客は、当社グループの製品を組み込んだ最終製品の売れ行きが芳しくない場合、当社グループの製品の発注数量を減少させ、又は納入期日を延期することがあります。さらに、当社グループの主要顧客が、競争力の低下又はM&Aや提携を契機として、当社グループの製品の購入量を減少し、また、当社グループとの契約条件が主要顧客に有利なように改定される可能性があります。これらにより、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響が生じる可能性があります。
(7)海外での事業活動について
当社グループは、顧客が世界の様々な地域に所在していることから、米国、欧州及びアジアの主要エリアに営業拠点を有しており、各地域の特色に合わせた営業活動を行っております。海外で事業活動を行うにあたっては、地政学上のバランス、各国の政治・経済情勢、海外輸送・生産の遅延やコストの上昇、為替の変動、外資規制・知的財産権等に関する法規制の新設又は変更、税制の変更等のリスクが存在すると考えております。これらのリスクが顕在化することにより、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響が生じる可能性があります。
(8)経済情勢について
当社グループは、グローバルな景気動向、最終製品の需要変動、技術革新、製品の陳腐化や価格の下落、半導体市場の市況変動の影響を受けております。足元では、各国の金融引締め政策による金利の上昇やインフレーションの進行が経済情勢の先行きを不透明にするとともに、欧米における一部の金融機関の破綻が金融市場に及ぼす影響も懸念されています。また、近年は半導体需要が高まりを見せていますが、かかる需要が今後も同水準で成長又は継続する保証はありません。特に、当社グループの事業領域である「オートモーティブ」、「データセンター/ネットワーク」及び「スマートデバイス」の注力分野においては、新型コロナウイルス感染症拡大やオンラインでの娯楽・コミュニケーションの浸透等による自動車の需要の減少、「スマートデバイス」に関する消費者の嗜好の変化、5Gインフラの開発の鈍化やデータセンターを含む企業のICT設備需要の減少等の影響を受けうるため、かかる分野における需要が当社グループの想定どおりに成長しない可能性があります。これらを含む経済情勢の停滞・減退局面においては、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響が生じる可能性があります。
(9)為替レートの変動について
当社グループは、設計開発・製造・販売活動をグローバルに展開しており、多くの収益を海外から得ているため、米ドルを中心とする為替レートの変動に伴う影響を受けます。当社グループは為替レートの変動の影響を極小化する対応に努めていますが、かかる影響を完全に排除することはできないため、為替レートの変動状況によっては、外貨建取引の売上高、外貨建の設計開発や製造販売コスト等への影響により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。
(10)競合について
当社グループによるカスタムSoCの製造は独自のビジネスモデルであり、直接的な競合先は少ないと認識しているものの、個別の商談獲得においては、従来型のASIC、汎用的なASSP及びASSPをベースにカスタマイズされたASICが競合しており、それらのベンダーとはなお競合関係にあります。
当社グループの半導体製品・サービスは主に先端テクノロジを必要とする各種エレクトロニクス製品に採用されておりますが、当該分野は技術革新の速度が速く、激しい市場競争に晒されております。競合他社の設計・開発能力の向上、異業種からの新規参入、現状ごく一部の巨大テック企業によるSoCの自社製造の拡大、従来型のASICや汎用的なASSPのベンダーによる開発の動向、顧客の嗜好・需要、各国政府による自国企業の優遇措置、競合他社間の統合・提携により、競争がさらに激化する可能性があります。また、当社グループの注力分野のうち、「オートモーティブ」においては、現状当社グループは優位な地位にあると認識しておりますが、技術革新・他社の積極的な攻勢等によりその地位を維持できない可能性があります。他方、データセンターやネットワーク等の既存市場ではより厳しい競争状況にあるところ、当社グループは顧客との共同開発を通じて顧客にとってより最適なカスタムSoCを提供することができるという強み、先端分野への研究開発投資及び多様な製品の提供を通じてより多くの商談を獲得することを目指しておりますが、そのような施策が奏功する保証はありません。
(11)地政学リスクについて
当社グループが製造する半導体は、近年経済安全保障上重要な製品と認識されておりますが、米中貿易摩擦、ロシアによるウクライナ侵攻等の地政学リスクの顕在化や台湾有事の懸念の高まりにより、各国が輸出管理規制、関税や制裁措置等を発動・強化した場合、当社グループの主要な販売地域における当社グループの製品に対する需要の減退、競争力の低下、又はサプライチェーンの寸断や遅延が生じ、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響が生じる可能性があります。当社グループにおける中国での売上高が増加傾向にあることや当社グループがTSMCに多くの製造を委託していることから、これらの地域における地政学リスクが顕在化した場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響が生じる可能性があります。
(12)研究開発活動について
当社グループが属する半導体業界は技術革新の速度が速く、既存技術の陳腐化、それに伴う新たな市場の創出及び既存市場の縮小が起こる可能性があります。このような業界で、日々高まる顧客の要求水準を満たす新製品を開発し顧客が受入可能な価格及び数量で製造するためには、多額の研究開発費用を要し、かかる費用が商談獲得や将来の製品売上に繋がらない場合には損失を被る可能性があります。当社グループは今後も積極的な研究開発活動を行う予定ですが、このような技術革新に当社グループが対応できず、当社グループの市場シェアや製品価格が低下する場合や、研究開発を効率化できず研究開発費用が増加する場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響が生じる可能性があります。
(13)新型コロナウイルス感染症その他の感染症の世界的な感染拡大に係る影響について
当社グループ、当社グループの製造委託先及びサプライチェーンにかかわる取引先が事業を行っている台湾等の地域において、新型コロナウイルス感染症その他の感染症の感染拡大により事業活動等が禁止・制限されるような事態に陥った場合、製造委託先の工場閉鎖や生産停止及びそれらに伴う製造・輸送の遅延、部材調達の制限等の予期できない事象により、当社グループの製品に対する需要の減少や供給能力に対する制約を受ける可能性があります。また、それらに伴う当社グループの取引先の経営状態の悪化、通信・金融・サプライチェーンを含む公共及び民間のビジネスインフラの混乱等が生じる可能性もあります。
(14)災害等による影響について
当社グループは日本のみならず、世界各地で設計開発・製造・販売活動を行っており、当社グループが事業を展開する各地域において大規模な地震、津波、干ばつ、暴風雨、洪水、大雨、噴火その他の自然災害や火災、停電、感染症の流行、戦争・紛争、テロ行為や政治・社会騒動、セキュリティ侵害又はコンピュータ関連システムの障害その他の事故・事件等が発生した場合、当社グループの事業拠点、当社グループの製造委託先、取引先、顧客及びサプライチェーンに関係する当事者に対して大きな被害が発生する可能性があります。特に、当社グループは、台湾に本拠を置くTSMCに多くの製造を委託しているため、これらの災害等が台湾において発生した場合、当社グループの製品の製造及び供給に悪影響が生じる可能性があります。
当社グループにおいては、リスクの予防・回避及び発災時の人命の安全、並びに被害の抑制・軽減、二次災害の防止、早期の業務再開を図ることを目的に事業継続に関する規範・規程類を定めており、リスクの軽減に向けた施策を実施しておりますが、かかる施策が奏功しない可能性があり、その場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響が生じる可能性があります。
(15)資金調達について
当社グループにおいては、新技術や新製品のための研究開発への継続的な投資が必要となります。当社グループは、これまで必要な資金を主に営業活動から得られるキャッシュ・フローにより賄ってきましたが、業績、資金需要や市場環境並びにこれらの見込みにより資金調達を検討することがあります。しかしながら、当社グループの将来的な資金需要に必要な資金を、適時かつ受入可能な条件で調達できる保証はありません。また、金融市場の混乱、日本銀行を含む各国中央銀行の金融政策の変更、半導体業界の低迷、金融機関の貸付方針の変更、当社グループの信用力の低下等により、当社グループに有利な条件で資金調達をできない可能性もあります。これらの結果、負債の金利や株式の希薄化等、資金調達コストが増加する可能性や、研究開発や必要となる各種投資を適時かつ適切な範囲で実施できない可能性があります。
(16)M&A・提携協業等について
半導体業界では、M&Aや提携が頻繁に行われており、当社グループにおいても、技術や大口顧客の獲得、事業領域の拡大、競争力の強化や収益力向上を図るため、M&Aや提携を実行する可能性があります。しかしながら、当社グループが適切な対象会社や提携先を発見できる保証はなく、また、デュー・デリジェンスで重大な問題点を検出できない可能性や、競争法その他の法規制による事業活動への制約等により当初期待した効果が得られない可能性があります。このような場合には、保有株式やのれんの減損が生じ、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響が生じる可能性があります。
(17)知的財産権について
当社グループは他社製品と差別化を図るための様々な技術やノウハウを開発・保持しております。当社グループでは、これらの技術やノウハウを知的財産権として保護しており、知的財産権が流出・不正利用されることのないよう、専門部門で管理するとともに、従業員との秘密保持契約の締結や、第三者によるオフィス・施設へのアクセスの管理等の施策を講じております。しかしながら、知的財産権に対する十分な保護が得られない地域もあり、かかる施策にかかわらず、当社グループの知的財産権が競合他社により不正に取得又は利用される可能性があります。
また、当社グループの製品には第三者からライセンスを受けて製造・販売しているものがありますが、今後第三者から必要なライセンスを受けられなくなる可能性や、引き続きライセンスを受けられるとしても従前より不利な条件でしかライセンスを受けられない可能性があります。さらに、半導体業界では、多数の特許が存在し、また新たな特許の発明が急速に進んでおります。当社グループ又はその顧客が事前の調査にかかわらず第三者の権利を侵害する場合、第三者より当社グループ又はその顧客に対して知的財産権に関する訴訟を提起され、当社グループが重要な技術を利用できなくなる可能性や、当社グループに帰責事由がある場合には当社グループが多額の損害賠償責任を負う可能性があり、また、当社グループに帰責事由がない場合でも、訴訟対応のため、時間、費用その他当社グループの経営資源が費やされる可能性があります。
(18)製造物責任について
当社グループでは、様々な施策を通じて最適な品質を確保できるよう品質管理に取り組んでおりますが、当社グループの製品に用いられる技術の高度化、製造委託先に起因する欠陥等により、出荷時に発見できない不具合や異常が製品に存在する可能性があり、顧客への出荷後にそれらが発見される場合があります。この場合、製品の回収及び交換、製品の採用中止等により多額の費用が発生する可能性、当該顧客から損害賠償請求を受ける可能性、当該顧客又は他の顧客からの将来の受注を失う可能性があります。
また、当社グループの製品は、顧客がエンドユーザーに販売する最終製品に組み込まれますが、その方法次第で、当社グループがエンドユーザーから損害賠償責任を追及される可能性もあります。顧客における当社グループの製品の使用方法は多様化しており、当社グループが当初想定していなかった方法で使用されることがあるところ、当社グループの製品が顧客の製品に組み込まれた後になって問題が発見される可能性もあります。このような場合には、当社グループもエンドユーザーによる損害賠償請求の対象となる可能性があります。かかる事態に備えて、当社グループは、製造物責任保険やリコール保険に加入していますが、これらの保険により当社グループの負う多額の費用や損害賠償の全額が補填される保証はありません。
(19)人材確保について
当社グループが厳しい事業環境下において競争優位性を確保するためには、経営陣、経営管理、設計・開発、製造技術支援、営業等の各分野において優秀な人材を確保することが重要です。しかしながら、専門性の高い優秀な人材の数は限られており、人材の採用及び確保の競争は激化しています。特に当社グループのカスタムSoCの設計開発において、エンジニアは重要な役割を担っていますが、当社グループがエンジニアを含む優秀な人材を十分に採用及び確保できない場合は、設計・開発に支障をきたす可能性があります。また、当社グループから、専門性の高い優秀な人材が競合他社に移籍した場合、その者が有する当社グループの知識やノウハウの流出により、当社グループの競争優位性が損なわれる可能性があります。これらにより、当社グループの事業、財政状態、経営成績、ブランドイメージ及び社会的信用に悪影響が生じる可能性があります。
(20)情報セキュリティについて
当社グループは、事業活動全般において、様々な情報システムを利用しており、災害、戦争、テロ行為、コンピュータウイルスの感染やサイバー攻撃等により、システム障害が発生する可能性があります。また、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う在宅勤務者の増加等の働き方の変化により、新たなサイバー攻撃等のリスクが生じています。これらにより、当社グループの業務活動や製品の製造委託及び供給の停止、重要なデータの喪失、多額の対応費用の発生等が生じた場合には、当社グループの事業、財政状態、経営成績、ブランドイメージ及び社会的信用に悪影響が生じる可能性があります。
また、当社グループは、事業活動の遂行に関連して、自己又は顧客その他の第三者の秘密情報や個人情報を多数有しております。これらの情報については、セキュリティシステムを整備し、法令や社内規則等に基づき管理しておりますが、不正行為や妨害行為の手法は多様化しており、かつ発見が困難であることや、関係者による意図的な漏洩の可能性もあるため、予防策が奏功せず、予期せぬ事態により情報が流出するおそれがあります。そのような事態が生じた場合、営業秘密の流出による競争力の低下や、顧客の信用や社会的信用の低下を招く可能性があるほか、システム改修等の対応に要する費用の発生や顧客からの損害賠償請求により、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響が生じる可能性があります。
(21)環境について
当社グループは、大気汚染、水質汚濁、有害物質、廃棄物処理、製品リサイクル、地球温暖化防止、エネルギー等に関し、世界各国において様々な環境関連法令の適用を受けています。当社グループは、これらの規制に細心の注意を払いつつ事業を行っておりますが、過失の有無にかかわらず、過去分を含む環境問題に対して法的又は社会的責任を負う可能性があり、そのような事態が生じた場合、その対応のために多額の費用負担が発生する可能性、当社グループの事業が停止する可能性や当社グループの社会的信用の低下を招く可能性があります。また、将来、環境に関する規制や社会的な要求がより厳しくなり当社グループ及び製造委託先の事業活動に制約が生じ、かかる規制に対応するためのコストが増加する可能性や、環境関連の規制又は社会的要請に適切に対応しないことにより当社グループに対する社会的評価・信用が低下する可能性があるほか、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響が生じる可能性があります。
(22)法規制等について
当社グループはグローバルに事業活動を展開しており、当社グループが事業活動を行っている国及び地域における安全保障、外国貿易管理、労働、競争政策、税制、腐敗防止及び環境保護等に関連する様々な法律及び規制の対象となっています。当社グループは、かかる法律及び規制のコンプライアンス体制の整備、業務の適正化のために必要な社内体制を構築しておりますが、かかる体制が適切に機能する保証はなく、また、これらの法律及び規制の新設又は改正により法規制等の遵守が困難になる可能性もあります。これらの法律又は規制に違反した場合、当社グループに民事上の損害賠償請求や、刑事上又は規制上の罰則等が科せられ、当社グループの事業、財政状態、経営成績、ブランドイメージ及び社会的信用に悪影響が生じる可能性があります。
(23)訴訟等について
当社グループは、グローバルに事業を展開しているため、様々な国又は地域において、取引先、従業員、競合他社等から契約違反、労働問題、知的財産権の侵害等に関して訴訟の提起を受け、又は規制当局による措置、処分等に服するリスクを有しています。訴訟やその他の法的手続、当局による調査の結果、当社グループに不利益な決定がなされた場合、その決定の内容によっては当社グループの事業、財政状態、経営成績、ブランドイメージ及び社会的信用に悪影響が生じる可能性があります。
(24)内部統制の整備について
当社グループは、財務報告に係る内部統制の整備・運用及び評価のための体制を整備しております。しかしながら、内部統制が有効に機能しなかった場合、又は財務報告に係る内部統制の不備もしくは開示すべき重要な不備が発生した場合、当社グループの内部統制への信頼性が失われる結果、株価に重大な悪影響が生じ、又は法令違反、行政処分及び損害賠償請求を受けることにより、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響が生じる可能性があります。
(25)販売特約店について
当社グループは、販売特約店を通じて販売を行ったり、商談を獲得する場合があります。特に、当社の継続的な販売特約店である加賀FEI株式会社及びその子会社を通じて相当の取引を行っております。そのため、販売特約店の事業活動が中止する又は販売特約店との取引が中止される等の場合、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響が生じる可能性があります。
(26)大株主との関係について
株式会社日本政策投資銀行、富士通株式会社、パナソニックホールディングス株式会社は、当連結会計年度末日現在、当社の発行済株式総数の37.5%を保有しております。当社設立の発起人でもある3社は段階的に当社株式を売却する意向を有しており、今後これら3社が当社株式を売却しようとする場合には、当社株式の市場価格等に悪影響が生じる可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a 経営成績
当連結会計年度における世界経済は、需要と供給の両面で新型コロナウイルス感染拡大の危機から回復傾向にあり、穏やかな持ち直しの動きもありました。一方、高いインフレ率と金融引き締めにより、当連結会計年度後半にかけては景気回復のペースが鈍化しました。為替相場は、2022年11月以降は円高方向に振れたものの、前連結会計年度と比較して円安が進行しました。また、ロシアのウクライナ侵攻の長期化、米中貿易摩擦、新型コロナウイルス変異株の出現等で、将来に対する不透明感がますます高まりました。
このような経済環境のもと、スマートフォン、PC、コンシューマ製品等の需要低迷により、2022年の半導体市場の成長率は前年比で大幅に低下しました。一方、当連結会計年度後半からは、半導体供給の制約条件となっていた半導体製造企業(ファウンドリやOSAT)の生産能力のひっ迫状況は緩和されました。
当社グループにおいては、2018年4月の現CEO就任以降、ビジネスモデルの転換、グローバルな大型商談が見込まれる成長分野/先端分野へのシフト、さらに大胆な事業体制の変革などの構造改革を進めてまいりました。その結果、注力分野であるオートモーティブ、データセンター/ネットワーク、スマートデバイス分野を中心に多くの商談を獲得しています。年間の商談獲得金額(1USドル=100円で換算)は、構造改革以前は1,000億円程度でしたが、構造改革後の3年間は2,000億円程度、さらに当連結会計年度は2,500億円程度の規模へと拡大しました。
当連結会計年度は開発をより効率的に行うため、当社グループ独自のソリューションSoCのビジネスモデルに最適な開発体制への変革を行いました。グローバルな半導体エコシステムの中で各パートナーとの連携を強化し、システムアーキテクチャーやIP、デザインメソドロジーなど先端テクノロジを熟知したエンジニアで構成されるチームの役割を明確にしました。それに加え、決定されたSoCの仕様に基づいた開発を管理するプロジェクトマネジメント部門、実際に開発を行う部門の3つの階層で構成された開発体制とし、各々の階層でグローバル競争力を強化する取り組みを開始しました。この取り組みにより、商談の初期段階から顧客との連携をより密にして、顧客ニーズにあったSoC開発を実現しております。
当社グループにおける研究開発費は、注力分野における商談獲得に繋げるための先行開発と獲得した商談の製品開発から構成されています。当連結会計年度の研究開発費は、前連結会計年度比14.2%増の49,324百万円となりました。これは主に獲得した商談の開発が増加していることによるものです。先行開発では、日々進化する半導体のエコシステムにおいて最新の技術を活用するために、パートナー各社とも密に連携し、3nm以細のプロセステクノロジ、チップレットなどの先進的なパッケージング技術、最新設計ツールの実用化及びプラットフォーム化の推進等に対して積極的に投資を行いました。一方、製品開発においては、ADAS向け5nm世代品のテープアウトを当連結会計年度第1四半期に完了いたしました。また、当連結会計年度よりデータセンター/ネットワーク向けに7nm製品の本格量産を開始し、2024年3月期には自動車向け7nm製品の量産がスタートします。
当社グループにおける売上は、設計開発に要する費用を段階的に受領するNRE売上と、量産段階で受領する製品売上から構成されています。当連結会計年度のNRE売上は、昨今のテクノロジの進展もあり、前連結会計年度比24.0%増の34,867百万円となりました。また、当連結会計年度の製品売上は大幅に増加し、前連結会計年度比85.3%増の156,751百万円となりました。これは、2020年3月期以降に獲得した商談で製品開発が完了し、徐々に量産段階に移行していることで先端プロセスを中心に製品の売上数量が増加したことや、中国の一部顧客において短期的に当初想定以上の特需が発生したこと等によるものです。さらに、製造委託先での生産能力ひっ迫の状況が緩和されたことも、製品売上の増加に寄与しました。当連結会計年度における為替が円安に推移したことも売上及び営業利益の増加に影響しています。なお、海外売上比率が55.6%と半数を超える水準に増加したことから、グローバルにサプライチェーンマネジメントを担うために台湾に支店を新設しました。これにより、顧客へのタイムリーな製品の供給とリードタイムの短縮等によるコスト削減を実現しました。
これらの結果、当連結会計年度の経営成績は、製品売上の拡大及び円安影響により、売上高は192,767百万円(前連結会計年度比64.7%増)、売上原価は103,922百万円、販売費及び一般管理費は67,134百万円となり、営業利益は21,711百万円(前連結会計年度比156.5%増)となりました。これに加え、営業外収益の為替差益の発生により経常利益は23,440百万円(前連結会計年度比159.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は19,763百万円(前連結会計年度比164.2%増)となりました。円安に推移したことによる経営成績に与える影響は、前連結会計年度比(当連結会計年度の米国ドルの平均為替レートは135.5円、前連結会計年度に比べ23.1円の円安となりました。)で、売上高256億円、営業利益98億円、経常利益106億円のプラスとなりました。
なお、当社グループの事業セグメントは、ソリューションSoCビジネスモデルで開発するSoCを主とする単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載は行っておりません。
b 財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は156,067百万円となり、前連結会計年度末に比べ65,451百万円増加しました。これは主に、ウエハーの供給がひっ迫していたことから顧客要望に基づく先行手配を行っていることで棚卸資産及び未収入金が増加したことに加え、製品売上の拡大に伴い売掛金及び棚卸資産等が増加したことによるものであります。固定資産は37,878百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,066百万円増加しました。これは主に、獲得した商談の製品開発に係るレチクルやIPマクロ等の取得に加え、開発規模拡大に伴うデータセンターの増強によるものであります。
この結果、総資産は193,945百万円となり、前連結会計年度末に比べ75,517百万円増加しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は82,338百万円となり、前連結会計年度末に比べ54,897百万円増加しました。これは主に、顧客要望に基づく先行手配や、製品売上拡大に伴う製造委託先からの購入金額増加による買掛金、有償支給に係る負債及び未払金の増加によるものであります。
この結果、負債合計は84,081百万円となり、前連結会計年度末に比べ55,262百万円増加しました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は109,864百万円となり、前連結会計年度末から20,255百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加19,763百万円によるものであります。
この結果、自己資本比率は56.6%となりました。顧客要望に基づく棚卸資産の先行手配等により一時的に比率が低下しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末より1,135百万円減少し、45,136百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは18,019百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益23,440百万円に対して、製品売上の拡大による売上債権が15,162百万円増加したことによるものであります。棚卸資産の増加につきましては、このうち主な要因である顧客要望に基づく先行手配分については顧客にキャッシュの負担を頂いており、当該取引による影響が「その他の資産の増減額」及び「その他の負債の増減額」に含まれています。この取引によるトータルでのキャッシュへの影響はありません。
投資活動によるキャッシュ・フローは19,725百万円の支出となりました。これは主に、獲得した商談の製品開発に係るレチクル、テストボード及び開発環境増設のための有形固定資産の取得による支出12,629百万円と、IPマクロ等の無形固定資産の取得による支出7,144百万円によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは333百万円の支出となりました。これは、リース債務の返済によるものであります。
当社は、従来株式会社みずほ銀行との間で10,000百万円の借入枠に係るコミットメントライン契約を締結しておりましたが、製品売上水準拡大に伴う運転資金の増加や、世界景気の減速や地政学リスクの高まりなどに対応して、2022年12月に株式会社三井住友銀行との間で新たに10,000百万円の借入枠に係るコミットメントライン契約を締結し、その結果合計で20,000百万円の借入枠を確保しております。なお、当連結会計年度においてコミットメントライン契約に基づく借入は行っておりません。
③ 生産・受注及び販売の実績
当連結会計年度における生産実績、受注実績及び販売実績は次のとおりであります。
なお、当社グループの事業セグメントは、ソリューションSoCビジネスモデルで開発するSoCを主とする単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
a 生産実績
当社グループは、ファブレスモデルのビジネス形態となっており、製品の製造については、製造委託先(ファウンドリ、OSAT)へ委託しております。当社グループ製品は、顧客の特定製品向け専用で設計し搭載されるものが主であり、受注生産を行っていることから、生産実績は販売実績と概ね同等の金額となるため、生産実績の記載は省略しております。
b 受注実績
当社グループは、商談獲得後、設計開発業務に係る受注を受けて設計開発を開始し、開発終了後にサンプルを製作の上、顧客に提供し評価を受けます。設計開発開始後、顧客の評価完了までの間、受注した設計開発業務に係る売上が段階的に計上されます。顧客により製品の性能等に問題がないことが確認されると、製品の量産段階に移行し、顧客の買取責任が発生する形で製品の量産に係る受注を受け、当社グループは製造委託先へ製造を委託します。当社グループの当連結会計年度における設計開発及び製品の量産に係る受注高及び受注残高は以下のとおりです。製品の量産に係る受注については、通常受注後1年以内に製品を出荷し、随時売上として計上されますが、昨今の半導体不足等を背景とした顧客の在庫確保及び積上げのため、例年よりは前倒しで受注を受ける傾向にあり、受注した製品の出荷に1年以上を要することがあります。なお、下記の受注高及び受注残高は、当社グループの経営指標である商談獲得金額及び商談獲得残高とは算定方法及び基準時点が異なります。
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前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年度比 |
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受注高 (百万円) |
274,605 |
180,018 |
65.6% |
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受注残高(百万円) |
243,196 |
256,897 |
105.6% |
c 販売実績
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前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年度比 |
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売上高 (百万円) |
117,009 |
192,767 |
164.7% |
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
・加賀FEI株式会社への前連結会計年度及び当連結会計年度の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、42,403百万円、36.2%及び、57,178百万円、29.7%であります。
・KAGA FEI AMERICA,Inc.への前連結会計年度の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、12,062百万円、10.3%であります。
・CRS TECHNOLORY Co., LTDへの当連結会計年度の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、35,779百万円、18.6%であります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.売上高
当連結会計年度の売上高は192,767百万円(前連結会計年度比64.7%増)となりました。うち「製品売上」は156,751百万円(同85.3%増)となりました。ビジネスモデルや事業領域の転換以降獲得したデータセンター/ネットワーク分野の商談等で一部量産段階に進んだほか、スマートデバイスやオートモーティブ等の分野で増加しました。また、中国の一部顧客において短期的に当初想定以上の特需が発生したことや、当連結会計年度における為替が円安に推移したことも製品売上の増加に影響しています。「NRE売上」は34,867百万円(同24.0%増)となりました。海外顧客を中心に商談獲得が大きく増加し、それらのプロジェクトの開発が繁忙となり、対価としてのNRE売上が増加しました。今後、開発が完了し顧客での評価後量産段階に移行した場合には製品売上高の増加に貢献することが見込まれます。「その他」は、知的財産等の譲渡及びライセンスによる収入が減少しました。
・財務指標
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前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年度比 |
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製品売上 (百万円) |
84,584 |
156,751 |
185.3% |
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NRE売上(百万円) |
28,117 |
34,867 |
124.0% |
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その他 (百万円) |
4,308 |
1,149 |
26.7% |
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売上高合計(百万円) |
117,009 |
192,767 |
164.7% |
b.売上原価・販売費及び一般管理費並びに営業利益
①売上原価
当連結会計年度の売上原価は103,922百万円、売上総利益は88,845百万円(前連結会計年度比32.1%増)となりました。主に、製品売上及びNRE売上の増加による売上総利益の増加になります。売上原価率は、製造委託先の能力確保のための一時的なコスト負担や品種構成の変動により上昇しました。
・財務指標
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前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年度比 |
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売上原価率 |
42.5% |
53.9% |
11.4ポイント |
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売上総利益(百万円) |
67,258 |
88,845 |
132.1% |
(注)各指標の計算方法は下記のとおりであります。
売上原価率:売上原価/売上高×100
②販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は67,134百万円で前連結会計年度比8,339百万円増加しました。商談獲得が大きく進んだことから研究開発費が49,324百万円と前連結会計年度比6,147百万円増加したことによるものです。研究開発費を除いた販売費及び一般管理費は17,810百万円で前連結会計年度比2,192百万円増加しました。
③営業利益
当連結会計年度の営業利益は21,711百万円、前連結会計年度比13,248百万円増加となりました。主に、売上高の増加及び円安影響によるものです。当連結会計年度の米国ドルの平均為替レートは135.5円、前連結会計年度に比べて23.1円の円安となりました。
・財務指標
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前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年度比 |
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営業利益(百万円) |
8,463 |
21,711 |
256.5% |
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営業利益率 |
7.2% |
11.3% |
4.1ポイント |
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EBITDA(百万円) ※ |
17,282 |
33,786 |
195.5% |
※ EBITDAは、「営業利益」及び「減価償却費」を合計して算出しております。
c.税金等調整前当期純利益
円安の継続により営業外収益として為替差益1,601百万円が発生し、営業外収益及び営業外費用の差引額は1,729百万円の収益となりました。
以上の結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は23,440百万円、前連結会計年度比14,390百万円の増加となりました。
d.親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税の額が7,382百万円、法人税等調整額が△3,705百万円となった結果、親会社株主に帰属する当期純利益は19,763百万円、前連結会計年度比12,283百万円の増加となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、経営環境が急激に変化したとしても、顧客にとっての基幹部品である当社製品を長期にわたり供給していく責任があることから、内部留保を厚くし資金の流動性を高く維持する方針としております。
当連結会計年度末における総資産は193,945百万円(前連結会計年度末比75,517百万円増)となりました。当社グループはファブレスによる事業運営のため、資産構成上流動資産の割合が高く、総資産の80.5%を流動資産が占めております。流動資産のうち、前連結会計年度末と比較すると、棚卸資産が31,306百万円増加しました。これは主に、ウエハー供給がひっ迫していたことから顧客要望に基づく先行手配を行っていることによるもので2024年3月期以降の売上に貢献いたします。
・財政状態及び財務指標
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前連結会計年度末 (2022年3月31日) |
当連結会計年度末 (2023年3月31日) |
前年度比 |
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流動資産(百万円) |
90,616 |
156,067 |
65,451 |
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流動資産比率(%) |
76.5 |
80.5 |
4.0ポイント |
(注)各指標の計算方法は下記のとおりであります。
流動資産比率:流動資産/総資産×100
当連結会計年度末の負債合計は84,081百万円(前連結会計年度末比55,262百万円増)となりました。これは主に、顧客要望に基づく先行手配や、製品売上拡大に伴う製造委託先からの購入金額増加による買掛金、有償支給に係る負債及び未払金の増加によるものです。
・財政状態及び財務指標
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前連結会計年度末 (2022年3月31日) |
当連結会計年度末 (2023年3月31日) |
前年度比 |
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流動負債(百万円) |
27,441 |
82,338 |
54,897 |
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流動比率(%) |
330.2 |
189.5 |
△140.7ポイント |
(注)各指標の計算方法は下記のとおりであります。
流動比率:流動資産/流動負債×100
純資産は109,864百万円(前連結会計年度末比20,255百万円増)となりました。利益剰余金が19,763百万円の増加、為替換算調整勘定が492百万円の増加となっております。
以上の結果、自己資本は109,852百万円となり、自己資本比率は56.64%に、ROEは19.82%となりました。引き続き、経営環境の変化に柔軟に対応できるよう、収益力と財務体質の改善に取り組んでまいります。
・財政状態及び財務指標
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前連結会計年度末 (2022年3月31日) |
当連結会計年度末 (2023年3月31日) |
前年度比 |
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自己資本比率(%) |
75.66 |
56.64 |
△19.02ポイント |
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ROE(%) |
8.74 |
19.82 |
11.08ポイント |
(注)各指標の計算方法は下記のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
ROE(自己資本利益率):親会社株主に帰属する当期純利益/((前連結会計年度末自己資本+当連結会計年度末自己資本)/2)
従来株式会社みずほ銀行との間で10,000百万円の借入枠に係るコミットメントライン契約を締結しておりましたが、製品売上水準拡大に伴う運転資金の増加や、世界景気の減速や地政学リスクの高まりなどに対応して、2022年12月に株式会社三井住友銀行との間で新たに10,000百万円の借入枠に係るコミットメントライン契約を締結し、その結果合計で20,000百万円の借入枠を確保しております。なお、当連結会計年度においてコミットメントライン契約に基づく借入は行っておりません。
b.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当社グループは、売掛債権の回収期間及び棚卸資産の滞留日数の短縮に取り組んでおり、運転資金及び成長に必要な資金を、営業キャッシュ・フローから確実に確保できるよう努めております。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは18,019百万円のプラス、投資活動によるキャッシュ・フローは19,725百万円のマイナスとなり、フリー・キャッシュ・フローは1,706百万円のマイナスとなりました。製品売上の増加による売掛金の増加や、商談獲得が進んだことによる製品の開発、製造に必要なレチクル等の固定資産の取得等によるものです。
・当社グループのキャッシュ・フロー関連指標
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前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年度比 |
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Ⅰ 営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円) |
16,355 |
18,019 |
1,664 |
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Ⅱ 投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円) |
△7,938 |
△19,725 |
△11,787 |
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Ⅰ+Ⅱ フリー・キャッシュ・フロー(百万円) |
8,417 |
△1,706 |
△10,123 |
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末の残高は45,136百万円と、前連結会計年度比で1,135百万円減少しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当社グループの見積りが当連結会計年度に及ぼすと考えられる特に重要な会計方針は以下のとおりであります。
a.繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産に関して、将来の業績予測やタックス・プランニングを基に将来の課税所得を見積り、繰延税金資産の回収可能性を判断しています。経営環境等の悪化により、その見積りに変更が生じた場合は、繰延税金資産が取り崩されることにより税金費用を計上する可能性があります。
b.棚卸資産の評価
棚卸資産に関して、正味売却価額が取得原価より下落した場合に簿価の切下げを行います。また、一定期間を超えて滞留する棚卸資産について、将来の需要や市場動向を反映した正味実現可能額まで簿価の切下げを行います。
c.固定資産の減損
固定資産に関して、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、減損の要否を検討し、固定資産に減損が見込まれる場合は、将来キャッシュ・フローの現在価値又は正味売却価額に基づいて減損損失を計上いたします。将来の事業計画の変更や経営環境等の悪化による将来キャッシュ・フローの見積りが著しく減少する場合は、減損損失を計上する可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループのビジネスモデルである「ソリューションSoC」は、自社のサービス/製品の差別化を求める顧客に、先端テクノロジを用いて、顧客に最適な先端SoCを提供するものです。そのため、最先端技術に対して積極的に投資を行っており、それにより当社グループ独自のビジネスモデルをより強化し、継続的な成長の実現に繋げていきます。
また、当社グループは、経営理念のもと、進化する半導体のエコシステムにおいてプロセス技術、パッケージ技術、テスト技術をはじめIP、EDAツール、ソフトウエアに至るまで最新の技術を提供するサプライヤーとも密に連携を行い、開発活動を実施しております。現在も半導体のエコシステムは進化拡大しており、先端技術を使った様々な選択肢の中から最適な技術を組み合わせたSoCを開発することの難易度が上昇しています。そのため、当社グループは、技術の組み合わせとその実証にも積極的な投資を行っています。
当連結会計年度における研究開発費は
また、個々の製品開発を行う場合には、顧客と開発受託契約を締結した上で設計開発を経て、顧客に対して試作品を提供しております。当該開発受託契約に基づき当社グループが行う研究開発の成果物に係る知的財産は、当社グループに帰属することが定められていることから、個々の顧客の製品開発にかかる費用は研究開発費(販売費及び一般管理費)に含めております。
なお、当社グループの事業セグメントは、ソリューションSoCビジネスモデルで開発するSoCを主とする単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載をしておりません。
<先行開発>
「ソリューションSoC」ビジネスモデルでは様々な機能の実装が求められております。従来その解決策としては、プロセステクノロジの微細化による回路規模の拡大により対応する方法が一般的でした。一方、最先端のプロセステクノロジの使用に関しては、費用、開発期間の問題や量産工場の供給能力の問題もあり、必ずしもそれだけが最適解とはならないケースが増えつつあります。当社グループでは、そうした環境のもと、プロセステクノロジの微細化(5nm、3nm、2nm)への対応はもちろんのこと、コンピュータアーキテクチャを前提としたSoCや先端パッケージング/高密度実装(2.5D-IC、3D-IC)技術への対応、低消費電力化や設計期間短縮のための新たな設計技術/手法の導入等、各サプライヤーの最先端技術を実際のSоC開発に適用するための先行開発を積極的に実施しております。当連結会計年度の先行開発の成果の例は以下のとおりです。
・スケーラブルな大規模先端カスタムSoC設計技術の研究開発
SоCをメモリ等の他チップと一緒にワンパッケージ化するための高密度実装(2.5D-IC、3D-IC)に関する各種要素技術の開発が進んでおり、大規模かつ高性能なカスタムSоCに適用するには、テストチップや特定製品向けにおいて実証された要素技術を実装するための技術が必要です。当社グループでは、顧客のニーズを先取りするために、現在開発の主流となっている先端プロセステクノロジを使用して、一辺が25mmを超える大型のSoCを高密度実装(2.5D-IC)するための技術開発を行い、すでに実際のカスタムSoCの製品開発においてその技術を適用した製品の開発を完了しております。
また、当社の設計資産や開発ノウハウを活かした当社SoC設計環境と設計開発フローの先端プロセステクノロジ(3nm)への対応も完了しました。このような先行開発の成果は、今後の製品開発に順次適用していく予定です。
<製品開発>
2020年3月期以降、オートモーティブ、データセンター/ネットワーク、スマートデバイスの注力分野で、商談獲得が進み、自動運転等今までにない新たなサービス/製品に向けた、7nm、5nmプロセスを使用する開発案件が増加しました。当連結会計年度の製品開発の一例は以下のとおりです。
・特定顧客向けの車載用(先端テクノロジの活用/大規模/高信頼)カスタムSoCの開発
自動車分野では、自動運転を実現するためのコンピューティング化が進んでおり、独自のSoCを使用した高性能、高機能な自動車システムの製品開発競争が激化しています。当社グループでは、顧客の自動車システムの信頼性と高性能、高機能、開発期間の短縮を実現するニーズに対応するために、車載品質を前提とした最先端テクノロジの活用や車載向けSoCの開発では不可欠である機能安全への対応など、当社のこれまでの車載向け製品や大規模SoC開発のノウハウをフルに活用し、特定顧客向けに先端プロセステクノロジを使用した大規模な車載向けSoCを開発しました。