当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、
「物流の未来を見つめ、物流に関わるすべての事業の創造に挑戦します」
「お客様の期待に応えて信頼を築き、豊かな社会の創造に貢献します」
「社員の創意を活かし、仕事の喜びと心豊かな生活の創造を目指します」
を基本理念としております。
この理念に基づき、当社グループの総力を結集して品質の高い物流サービスを提供し、株主の皆様をはじめとしたステークホルダーの皆様の期待に応えて、企業価値を高める努力を続けてまいります。また、コンプライアンスの徹底とコーポレート・ガバナンスの強化に努め、経営品質を高めて社会の発展に貢献することを目指してまいります。
2024年3月期を初年度とする3ヶ年の中期経営計画(以下、「中期経営計画2025」)におきましては、「New Challenge」を基本方針としております。この方針の下、常に改善意識を持って新たな挑戦を行い、「環境変化に適応した強固な体制づくり」「適切な利益を安定確保できる収益構造の確立」「社会課題解決への貢献」を実現することにより、経済的価値および社会的価値を高め、信頼される企業グループとして成長を目指してまいります。
(2)経営戦略等
当社グループは、上記(1)の方針を踏まえ、「収益力の向上」「強固な物流サービスの構築」「サステナビリティの推進」「人財力の強化」「グループ経営基盤の強化」をテーマとし、それぞれに重点施策を定め、取り組みを進めております。
① 収益力の向上
・安定利益を確保できる収益構造の構築
・営業強化による得意先との取引範囲の拡大
・インドシナ半島地域における物流事業の拡大
② 強固な物流サービスの構築
・安全および品質の追求による現場力の強化
・物流DX推進による生産性の向上
・持続的に物流サービスを提供できる体制の整備
③ サステナビリティの推進
・サステナビリティ推進体制の構築
・SDGsを踏まえた重要課題への取り組み強化
・環境や社会への負荷低減につながる事業活動の推進
④ 人財力の強化
・リーダー人財、プロフェッショナル人財等の育成
・多様な人財が活躍できる組織、人事制度づくりの推進
・エンゲージメントの向上
⑤ グループ経営基盤の強化
・最適なグループ体制の検討
・リスクマネジメントの強化
・次期基幹システムの活用によるグループ経営管理および業務効率化の推進
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、営業収益の拡大および安定した営業利益の確保により、競争力ある収益性の高い事業展開が図れるものと考えております。この観点から、中期経営計画の策定にあたっては、目標とする指標に「営業収益」「営業利益」「売上高営業利益率」を採用し、最終年度に数値目標を設定しております。
現行の「中期経営計画2025」におきましては、最終年度となる2026年3月期に営業収益710億円、営業利益18億円、売上高営業利益率2.5%の達成を目指しております。
(4)経営環境および優先的に対処すべき課題
今後の経済の見通しにつきましては、経済活動が正常化に向かう中で、インバウンド需要の増加等により景気は緩やかな回復基調を維持する見通しであるものの、不透明なエネルギー価格の動向、さらに物価上昇や海外経済の減速による影響が懸念されるなど、依然として見極めの難しい状況が続くことが想定されます。
当社グループが属する物流業界につきましては、荷動きが横ばいで推移する状況にあって、貨物の多品種・小ロット化による積載効率の低下、燃料価格をはじめとするコストの上昇、慢性的な人手不足への対応が課題となっております。加えて、「2024年問題」が目前に迫っており、これによる物流の停滞を回避するため、社会全体で持続可能な物流の実現を目指す動きが加速しております。さらに、サステナビリティの観点から地球環境や社会課題に対する取り組みも重要な課題となっております。
このような状況において、環境変化に適応し今後も成長を続けるためには、現状維持に留まらず常に新たな挑戦を行い、持続的かつ強固な物流サービスを提供できる体制を構築すること、収益構造を見直し安定利益を確保することが必要であると考えております。同時に、社会の一員として当社グループが担う社会的な役割を果たすための取り組みも欠かせないものと認識しております。
以上のことを踏まえ、当社グループは、「環境変化に適応した強固な体制づくり」、「適切な利益を安定確保できる収益構造の確立」、「社会課題解決への貢献」に取り組むことにより、経済的価値および社会的価値を高め、信頼される企業グループとして成長を目指してまいります。
国内におきましては、前連結会計年度に開設した拠点の業績安定化を図るとともに、新規得意先の獲得および戦略的な拠点展開により営業基盤を強化し、収益力を高めてまいります。また、物流DXの推進による効率化、環境変化に見合った適正料金の収受等を進め、各種コストの増加に対応し安定利益を確保できる体制づくりに取り組んでまいります。
海外におきましては、タイに新設した拠点の円滑な立ち上げに注力してまいります。また、インドシナ半島地域における国際陸上輸送網の拡充、ベトナム国内の拠点再編等により物流ニーズを的確に捉え、事業の拡大を図ってまいります。さらに、多様な事業を展開するベトナムにおきましては、新たな事業への挑戦も視野に営業活動を強化してまいります。
これらの施策に加えて、体制面としましては、人財育成およびエンゲージメント向上による人財力の強化、安全・品質の追求、リスクマネジメントの強化、基幹システムの刷新による経営の効率化を進めてまいります。また、サステナビリティの実現に向けて推進体制を構築し、当社グループにとって優先度の高い重要課題に事業活動を通じて取り組み、社会課題の解決に貢献してまいります。
(1)サステナビリティ推進体制構築への取り組みについて
当社グループでは、中期経営計画や年度方針において、ESGやSDGsの取り組みを課題として認識しております。また、環境に関しては、「活動理念」および「行動指針」を定め、具体的な目標を設定し、四半期ごとに進捗管理を行っております。
現在のところ、サステナビリティを巡る取組についての基本的な方針や戦略および指標・目標は策定しておりませんが、今後、基本方針の策定および更なる取組の推進を図るために、2023年4月1日付けでCSR本部を新設いたしました。
また、同時に、「行動規範」、「人権方針」および「調達方針」を新たに制定いたしました。
(2)ガバナンス
当社の既存のガバナンスの体制につきましては、「
今後、当社にとってのサステナビリティに関する重要課題を明確化のうえ、目標設定および推進体制を構築して、サステナビリティを推進いたします。さらに、ステークホルダーへの適切な情報開示、グループ会社全体へ展開を図ってまいります。
(3)リスク管理
当社の既存のリスク管理の体制につきましては、「
サステナビリティに関するリスク管理につきましては、2022年4月1日、リスクマネジメント本部を新設(発展的に、CSR本部に組織改編)し、コンプライアンス・ホットラインマニュアルを新規制定して、コンプライアンスに関わる対応を強化しました。
現在、サステナビリティに関するリスクと機会を統括管理する仕組み構築に取り組んでおります。
(4)戦略
当社グループは「物流価値の創造を通じて社会貢献すること」を使命とし、目指す姿として「日本一信頼される企業グループ」を掲げております。「人財」を最も重要なステークホルダーのひとつと位置付け、社員一人ひとりが個性や能力を活かして会社と共に成長できる組織と、社員が安心して意欲的に仕事にチャレンジできる「働きがい」と「誇り」をもてる会社を目指しております。
大きな環境変化の中で当社グループが持続的に成長するためには、あらゆる活動の根幹であり競争力の源泉となる人財の力を高めることが必要と考え「中期経営計画2025」における基本戦略の一つに「人財力の強化」を定め、その中で多様化するニーズに的確に応えられる人財の育成の強化や、エンゲージメントの向上に取り組んでおります。
今後はさらに、エンゲージメントサーベイによる組織課題の明確化と対策実行により、ライフステージの変化にも配慮した多様な人財が活躍できる制度づくりや、互いに認め合い言うべきことを言える風通しの良い働きやすい風土づくりを促進してまいります。
また、当社グループは、管理職および中核人財への登用では性別・国籍や採用形態等によらず、多様性の確保の重要性を認識し、能力や適性に応じて登用しており、外国人の幹部登用のほか、中途採用者の管理職登用についても多数の実績があります。一方で、女性の管理職への登用が十分ではないと認識しており、今後、その比率を高められるよう、測定可能な目標の設定を検討してまいります。
(5)指標および目標
当社グループは、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画において、「採用人数に占める女性社員の割合を20%以上」を目標としております。当連結会計年度の実績としましては、当社における採用人数に占める女性社員の割合は19.4%であります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)特定得意先との営業契約について
当社グループが営業契約を締結している得意先の中で、営業収益に占める割合が10%を超える大口得意先グループがあります。その契約期間は1年間で、双方より申し出のない場合は1年間の自動延長となっております。当社グループは、得意先の期待に応えるため品質の高い物流サービスを提供し、強固な信頼関係の構築および維持に努めておりますが、予期せぬ事象等により契約解消となった場合は、当社の業績等に多大な影響を与える可能性があります。
(2)法的規制等について
当社グループは、貨物自動車運送事業、センター事業、アセット事業を主要な事業としております。これらの事業を営むにあたっては、貨物自動車運送事業法や倉庫業法などの許認可をはじめ、安全や環境に関する各種法的規制を受けております。そのため、各種法令の改正や新たな法令の制定があった場合には、それらに対応するための費用負担が生ずる可能性があります。また、当社グループは、法令順守に努めておりますが、何らかの事由により各種法令に違反した事実が認められた場合には、事業の停止や許可の取り消しなどの罰則を受ける場合があります。したがって、これらの事象が発生した際には当社グループの経営成績および財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(3)重大事故について
当社グループは、法令順守と安全最優先を原則とした安全方針を掲げ、安全研修の強化、事故撲滅運動の実施、事故防止対策などに取り組んでおりますが、万一重大な交通事故または労災事故を発生させ、得意先の信頼および社会的信用の低下、事業許可取消し等の行政処分、被害者からの損害賠償請求等を受けた場合には、当社グループの経営成績および財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(4)自然災害等について
当社グループは、大地震や風水害などの天災地変による大規模災害の発生に備え、事業継続計画書(BCP)を策定し、事業の中断を早期に復旧させるための方針、体制、手順を定めるなどの対策を講じておりますが、事業活動の停止および社会インフラの大規模な損壊や機能低下などにつながる様な予想を超える事態が発生した場合には、当社グループの経営成績および財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(5)人財の確保・育成および労務費について
当社グループは、ドライバーや商品管理士など多様な人財を雇用し事業を営んでおります。人手不足が深刻化する中、貨物自動車運送事業およびセンター事業においては、従来から労働集約型産業の側面が強いことに加えて、物流ニーズの多様化・高度化への対応などから一定割合の労働力を要する環境にあります。当社グループは、定期採用や中途採用により人財確保を図るとともに、人財育成の強化、労働環境の整備等により定着率の向上に努めておりますが、これらの取り組みが不十分であった場合には適正なサービスの提供ができない事態となる可能性があります。また、人財の確保や育成を進める一方で、自動化や省人化を推進し作業生産性の向上を図ること等により労務費の抑制に努めておりますが、今後の法改正や労働需給の動向等により労務費が上昇した場合には、当社グループの経営成績および財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(6)外部委託費について
当社グループの貨物自動車運送事業は、運送の一部を外部の協力会社等に委託しております。また、センター事業においても、物流3PL事業者として倉庫内作業を外部の協力会社に委託する場合があります。当社グループは、これらの協力会社等との連携を強化し強固な信頼関係の構築に努めておりますが、需給状況や時季により委託費が上昇した場合には、当社グループの経営成績および財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(7)施設等の稼働率について
当社グループのアセット事業は、倉庫保管および不動産賃貸を中心に展開しております。その施設、設備につきましては自社保有または賃借にて営業しており、これらの費用は固定費となっております。当社グループは、営業活動を推進し一定水準の稼働率維持に努めておりますが、景気変動、得意先の荷動き動向により稼働率が低下した場合には、当社グループの経営成績および財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(8)燃料価格の動向について
当社グループは、貨物自動車運送事業を展開しております。そのため、燃料価格の上昇により運送費用が増加する可能性があります。当社グループは、運送の効率化、エコドライブの推進、自家用給油設備の導入などの自助努力に加え、得意先に対して料金改定交渉を行うなど、価格変動に伴う影響の低減に努めておりますが、その費用増加相当分を運賃に転嫁できない場合には、当社グループの経営成績および財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(9)為替レートの変動について
当社グループの海外売上高比率は、2021年3月期11.7%、2022年3月期11.7%、2023年3月期13.7%であります。換算時の為替レートにより、現地通貨における価値が変わらないとしても、円換算後の価値に影響を及ぼす可能性があります。
(10)与信リスクについて
当社グループは債権管理委員会を定期的に開催し、売上債権の回収状況の把握や適正な与信限度額の設定を行っておりますが、今後の社会情勢、景気の動向ならびに企業収益状況の変化等により、売上債権回収が悪化した場合には、当社グループの経営成績および財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(11)経済動向について
当社グループが事業活動を行う主要な市場である日本、アジア(ベトナム、中国、台湾、タイ、ラオス、ミャンマー、カンボジア)の国および地域の経済環境の動向につきましては、グループ各社との月次会議等により情報を収集し状況把握に努めておりますが、不測の事態が発生し経済環境が急激に変化した場合には、当社グループの経営成績および財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(12)減損会計について
当社グループは、所有する土地や建物、リース資産等を事業用不動産・倉庫設備として使用しておりますが、土地の時価下落、事業環境の変化による収益性の低下に伴い、固定資産の減損に係る会計基準および適用指針を適用し減損処理を行った場合には、当社グループの経営成績および財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(13)株価の下落について
当社グループは、中長期的な経済合理性や取引先との総合的な関係の維持・強化の観点から、事業の円滑な推進を図るため必要と判断する日本企業の株式を保有しております。保有の意義が薄れたと考えられる株式については、できる限り速やかに処分・縮減をしていく方針でありますが、これらの株式が日本経済の停滞等によって急激に下落し、保有株式の評価損が発生した場合には、当社グループの経営成績および財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、コロナ禍が続く中、行動制限の緩和により経済活動の正常化が進み、緩やかながらも景気に持ち直しの動きがみられました。しかしながら、原材料やエネルギー価格の高騰、急激な円安の進行に加えて、これらに起因する物価上昇の影響が懸念されるなど、依然として先行き不透明な状況が続きました。
当社グループが属する物流業界につきましては、生産関連や建設関連貨物の荷動きが伸び悩んだほか、燃料価格の高止まり、電気料金の値上がり等による各種コストの増加が収益を圧迫するなど、取り巻く環境は厳しいものでありました。
このような状況の中、当社グループは、中期経営計画(2020年度から2022年度まで)においてテーマとした「強固な収益基盤づくり」および「環境変化に適応できる体制づくり」に取り組んでまいりました。
国内におきましては、「上尾営業所」(埼玉県上尾市)、「藤井寺センター」(大阪府藤井寺市)、「群馬太田センター」(群馬県太田市)、「海老名センター」(神奈川県海老名市)を開設するなど、得意先ニーズに応じた拠点展開を進めるとともに、その安定稼働に注力いたしました。また、物流現場の効率化を図り、AMR(自律型協業ロボット)等の先端技術を活用した物流機器・システムの導入を推進いたしました。
海外におきましては、ロックダウンの影響や需要回復に遅れがみられる地域があったものの、総じて事業環境が改善したことを受け、既存業務の再強化に取り組みました。また、タイにおける新たな営業基盤としてレムチャバン港近郊に新倉庫を建設するなど、次の成長を見据えた施策を実施いたしました。
環境変化に適応できる体制づくりとしましては、多様化・複雑化するリスクへの対応強化、現場力の強化に向けた人財育成を推進いたしました。
これらの取り組みにより、営業収益につきましては、新設拠点の稼働開始等によりセンター事業およびアセット事業が拡大したほか、ベトナムやタイの現地通貨に対して為替が円安で推移したことなどから、増収となりました。営業利益につきましては、コスト高の影響があったものの、増収効果により増益となりました。一方、経常利益につきましては、営業外収益において持分法による投資利益が減少したことなどから、減益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、経常利益の減少に加えて、特別利益において固定資産売却益が減少したこと、さらに特別損失において前連結会計年度を超える減損損失を計上したことなどから、減益となりました。
その結果、当連結会計年度の営業収益は624億77百万円(前連結会計年度比7.5%増)、営業利益は10億41百万円(同1.2%増)、経常利益は9億93百万円(同5.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は5億23百万円(同17.3%減)となりました。
セグメント業績は、次のとおりであります。
貨物自動車運送事業
営業収益につきましては、得意先の輸送ニーズに対応し幹線便の取り扱いが拡大したこと、ベトナムにおいて食品やエレクトロニクス関連の貨物輸送量が増加したことなどから、増収となりました。一方、セグメント利益につきましては、国内外ともに燃料価格等の輸送コストが増加したことなどから、減益となりました。
その結果、営業収益は、251億67百万円(前連結会計年度比2.6%増)、セグメント利益は、18億80百万円(同2.6%減)となりました。
当事業の営業収益は、当社グループ営業収益全体の40.3%を占めております。
センター事業
営業収益につきましては、新設拠点において通販関連の物流センター業務を開始したこと、エレクトロニクス関連等の取扱量が増加したことなどから、増収となりました。一方、セグメント利益につきましては、新設拠点の早期安定稼働を図るため作業人員を増強した結果、人件費が増加したことなどから、減益となりました。
その結果、営業収益は、142億52百万円(前連結会計年度比8.8%増)、セグメント利益は、12百万円(同96.6%減)となりました。
当事業の営業収益は、当社グループ営業収益全体の22.8%を占めております。
アセット事業
拠点の拡充により保管面積が増加したほか、新たな保管貨物の誘致が進捗し倉庫稼働率が上昇したこと、また前連結会計年度は、倉庫の仕様変更に伴う費用を計上していたことなどから、増収増益となりました。
その結果、営業収益は、162億25百万円(前連結会計年度比18.1%増)、セグメント利益は、9億39百万円(同117.9%増)となりました。
当事業の営業収益は、当社グループ営業収益全体の26.0%を占めております。
その他事業
入国制限が撤廃されたベトナムにおいて、出張者や旅行者等の増加に伴うバス・ハイヤー需要の回復により、旅客自動車運送事業が好調に推移したこと、香港における新規得意先の獲得もあり、輸出入関連事業が拡大したことなどから、増収増益となりました。
その結果、営業収益は、68億32百万円(前連結会計年度比1.6%増)、セグメント利益は、10億70百万円(同14.3%増)となりました。
当事業の営業収益は、当社グループ営業収益全体の10.9%を占めております。
財政状態の概況は、次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ、前払費用が2億61百万円増加したこと等により、147億27百万円(前連結会計年度末比3億23百万円増)となりました。固定資産は主にLOGITEM(THAILAND) CO.,LTD.での新倉庫建設のため、土地が3億2百万円、建設仮勘定が7億70百万円増加したこと、また、主に当社で無形固定資産が2億70百万円、敷金及び保証金が2億74百万円増加したこと等により315億84百万円(前連結会計年度末比17億76百万円増)となりました。これらにより、総資産は463億12百万円(前連結会計年度末比21億円増)となりました。
(負債)
流動負債は、167億19百万円(前連結会計年度末比76百万円減)となりました。固定負債は、長期借入金が14億22百万円増加したこと等により158億78百万円(前連結会計年度末比12億71百万円増)となりました。これらにより、負債合計は325億98百万円(前連結会計年度末比11億95百万円増)となりました。
(純資産)
純資産は、利益剰余金が4億14百万円および為替換算調整勘定が5億96百万円増加したこと等により、137億14百万円(前連結会計年度末比9億5百万円増)となり、自己資本比率は29.5%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて29百万円減少し、当連結会計年度末は31億39百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、20億24百万円(前連結会計年度比1億83百万円減)となりました。これは、主に法人税等の支払額が7億62百万円あったものの、税金等調整前当期純利益が9億1百万円および減価償却費が21億46百万円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、28億42百万円(前連結会計年度は14億20百万円の資金の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が23億57百万円および敷金及び保証金の差入による支出が3億67百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果増加した資金は、6億95百万円(前連結会計年度は4億48百万円の資金の減少)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出が43億69百万円あったものの、長期借入れによる収入が55億94百万円あったことによるものであります。
③輸送・保管能力の状況
a.貨物自動車運送事業
輸送能力
|
2023年3月31日現在 |
|
区分 |
保有台数(台) |
前年同期比(%) |
積載トン数(t) |
前年同期比(%) |
|
普通車 |
354 |
100.0 |
2,899.6 |
99.9 |
|
小型車 |
388 |
101.8 |
462.9 |
135.5 |
|
特殊車 |
158 |
95.8 |
2,310.9 |
94.1 |
|
軽貨物 |
38 |
97.4 |
13.3 |
97.4 |
|
合計 |
938 |
99.9 |
5,686.8 |
99.5 |
b.アセット事業
保管能力
|
2023年3月31日現在 |
|
セグメントの名称 |
所有倉庫 |
借用倉庫 |
合計 |
||||
|
棟数(棟) |
面積(㎡) |
棟数(棟) |
面積(㎡) |
棟数(棟) |
面積(㎡) |
前年同期比 (%) |
|
|
アセット事業 |
23 |
109,909 |
103 |
1,072,415 |
126 |
1,182,325 |
102.7 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績につきましては、「3(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
また、当連結会計年度が最終年度となった「中期経営計画2022」(2021年3月期から2023年3月期まで)におきましては、「既存事業の強化」、「新たな収益の創造」、「経営基盤の強化」、「人財力の向上」を基本戦略に定め、数値目標として営業収益580億円、営業利益15億円の達成を目指してまいりました。当該計画に関する取り組みの成果および数値目標の達成状況は以下のとおりであります。
(既存事業の強化)
貨物自動車運送事業において、輸送効率の向上を図ったほか、環境変化に見合った料金の収受に取り組みました。また、取引が本格化した通販関連の取り扱い強化を図り、拠点を拡充いたしました。さらに、AMR(自律型協業ロボット)等の先端技術を活用した物流機器の導入や物流現場のデジタル化を進めるなど、倉庫内作業の効率化に取り組みました。
(新たな収益の創造)
国内において「坂戸営業所」、「平塚営業所」、「上尾営業所」等の大型拠点を開設したことに加え、ベトナムやタイにおいても新たな拠点を開設するなど、国内外で保管能力を強化し新たな物流ニーズの取り込みを図りました。また、インドシナ半島地域において、コロナ禍により行動制限等の影響を受けたものの、営業活動を着実に進め、新たな国際陸上輸送案件を獲得いたしました。さらに、国内子会社において新規事業に着手するなど新たな収益の創造に取り組みました。
(経営基盤の強化)
労務や人権等に関する監査の強化、コンプライアンスやリスクに対する管理体制を整備いたしました。また、頻発化・甚大化する自然災害に備え、BCP(事業継続計画)を策定し、その運用を開始いたしました。さらに、リスクアセスメントの推進、車両バックソナーの導入等により、安全管理体制の強化に取り組みました。
(人財力の向上)
人事評価制度の刷新など、働き方改革やコロナ禍に伴い変化する労働環境に即した人事制度の再整備に取り組みました。また、高度化・多様化が進む物流ニーズを的確に捉え、最適なサービスを提供できる人財の育成を図るため、教育研修を強化いたしました。
これらの取り組みの結果、中期経営計画2022の最終年度(2023年3月期)は、当該計画開始の前年度(2020年3月期)と比較して、営業収益は18.4%増の624億77百万円、営業利益は6.5%減の10億41百万円となりました。また、数値目標の達成率は、営業収益107.7%、営業利益69.4%となり、営業収益は目標を達成することができたものの、営業利益に関しましては、改善の遅れや外部環境の変化への対応もあり、収益性に課題を残す結果となりました。
新たに開始した2024年3月期を初年度とする中期経営計画におきましては、この課題克服に向けて「適切な利益を安定確保できる収益構造の確立」に取り組む計画を策定しております。各施策を着実に実行し持続的な成長を目指してまいります。
②資本の財源および資金の流動性
a.キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b.契約債務
2023年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
|
|
年度別要支払額(千円) |
||||
|
契約債務 |
合計 |
1年以内 |
1年超3年以内 |
3年超5年以内 |
5年超 |
|
短期借入金 |
5,492,755 |
5,492,755 |
- |
- |
- |
|
長期借入金 |
12,450,348 |
3,877,810 |
5,299,626 |
2,972,871 |
300,040 |
|
リース債務 |
5,704,129 |
1,132,623 |
1,970,898 |
1,724,413 |
876,194 |
上記の表において、連結貸借対照表の1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
c.財務政策
当社グループは、運転資金および設備資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、設備投資などの長期資金は、固定金利の長期借入金で調達しております。
2023年3月31日現在、長期借入金の残高は12,450,348千円であります。
③重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」および「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
特記すべき事項はありません。