当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、以下の企業理念、経営理念、品質・食品安全方針に基づいた活動を行うことを経営の基本方針としております。
企業理念
私たちは
お客様の生活文化の向上とともに歩み
より快適で健康な食生活を追求し
日々に新たに前進します。
経営理念
品質第一
参画経営
自主挑戦
品質・食品安全方針
私たちは、「企業理念」、「経営理念」を旨とし、法令を遵守してものづくりを行います。
私たちは、お客様の声に耳を傾け、安全で満足していただける商品を提供します。
私たちは、すべてのステークホルダーと充分なコミュニケーションを取り、
食品安全マネジメントシステムを継続して改善します。
当社グループは、凍豆腐をはじめとする大豆を原料とした食品の製造販売を主体に行っております。近年、お客様からは安心・安全で健康に配慮し、おいしさと便利さを追求した商品が求められております。そのための施策として、当社グループでは以下のことを行っております。
(品質に関する事項)
・食品安全マネジメントシステム「FSSC22000」を全工場で取得しバージョンの更新を継続しております。
・主原料である大豆は国際規格のグローバルGAP認証大豆とし品質面での向上を図っております。
(製造に関する事項)
・品質の確保・向上はコストアップ要因となりますが、継続的に生産性の向上を図るため、生産体制の改善、合理化投資などによりコストダウンに注力しております。
(販売に関する事項)
・健康機能について継続的に研究活動を行い、論文の発表などを通じお客様への認知を高めていく活動を行っております。
・お客様の節約志向は益々強まるものと思われますが、当社グループでは商品価値に見合った価格で購入いただける商品の販売を行っております。
当社グループの目標とする経営指標としましては、本業の収益力を表わす営業利益の向上に重点を置いております。
企業の継続的発展成長には売上高の増加は不可欠であり、既存事業の維持拡大はもとより、新たな事業・販売チャネルにも注力していく必要があります。とりわけ医療用食材は継続安定的に成長を続け、第3の柱として業績にも寄与してきております。但し利益を伴わない売上増加には一定の歯止めをかけ収益力の向上に努めてまいります。そのため、単品の収益管理を徹底し原価低減を推進してまいります。また、品質面での向上は企業の成長には欠かせない要件であり、FSSC22000の更新を継続してまいります。なお、増大する品質の維持・向上に伴うコストを吸収するため、生産体制の継続的な見直しと合理化等の設備新設、更新などを行ってまいります。これらにより売上高営業利益率を向上させ、高収益体制への転換を図るべく活動してまいります。
食品業界での熾烈な販売競争の中で生き残りと利益確保を目指し、お客様からの支持と信頼を獲得するため中長期的な戦略として次の項目に重点を置いて経営を進めてまいります。
①安心・安全を第一とした供給体制の確立と信用の醸成
・「安心・安全の日」は過去を振り返り、全社レベルでの安心、安全意識を高める
・商品設計から製造工程までのルールの見直し、安全性向上及び教育の徹底を図る
・FSSC22000及びSDGs(持続可能な開発目標)を基本とした経営の実践を推進する
②強靭な経営体力の形成
・商品設計開発(市場分析から発売まで:新商品、商品改廃等)の迅速化及び新規商品開発強化
・販売力強化(PR戦略含む)による売上及び収益アップ
・旭松グループ全体でのコスト削減、抑制対策による収益の向上
・省力化、効率化、合理化策(IoTも含めたシステム化)による収益構造の改善
・海外展開による販売機会の拡大
③将来に向けての人材確保
・働き方改革の推進と組織の見直し及び人事ローテーションによる人材の育成
・評価制度及び人材育成、教育体制(研修方法含む)の見直し
・規定・ルール等の周知徹底と社員の知識向上
当社グループでは、新型コロナウイルス感染症の5類への引下げにより企業活動の活性化が見込まれますが、東欧など地政学的リスクの継続、エネルギー価格の高止まり、人件費や物流コストの上昇、為替変動や原材料価格の変動などに伴う業績への影響など依然として厳しい収益環境が続くものと推測されます。
当社グループといたしましては、各事業での市場活性化を目指し、継続して新商品の開発・発売を行ってまいります。主力事業の凍豆腐におきましては、引き続き健康有用性に関する研究成果を訴求し続けるとともに利便性、簡便性の高い商品開発により売上拡大を図ってまいります。また、市場全体の維持拡大に向け、業界団体などとも連携し積極的かつ継続的に広報活動を行ってまいります。加工食品事業につきましては、過剰な低価格販売競争は抑制し価値訴求型の新商品の開発・発売の継続により競争力・収益力の向上を図ってまいります。
さらに、全体の売上拡大を図るため、成長が見込める医療用食材を第3の柱とすべく育成に注力するとともに、新商品開発を一層強化し新たな柱となる事業への展開を継続して進めてまいります。
収益力の改善につきましては、売上拡大と共にコスト上昇を極力吸収すべく効率的な生産体制への変更及び生産性向上のための設備投資や原材料調達方法の見直しなどを継続的に推進してまいります。しかしながら、企業努力では吸収しきれないコストの上昇につきましては、適切なタイミングで価格改定を判断してまいります。
また、企業価値の向上につきましては、引続きSDGsに沿った取組みを行い、「持続的成長を実現できる企業であること」を目指してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループでは、様々な社会課題の顕在化や価値観の変容に伴うESG(環境・社会・ガバナンス)を重視したサステナビリティ経営の重要性の高まりを受け、持続可能な社会の創造について責任をもって取り組んでいくべきであると考えております。そのため当社グループでは企業理念を軸として、SDGsへの取組みを推進すべく活動を行っております。
会社の経営方針においては「わが社の企業理念=SDGsの目指す方向」と掲げており、企業理念のもと、SDGsへの取組みを進めてまいりました。今後においても、当社グループの存在意義(パーパス)を明確にし、持続可能な経営を進めてまいります。
また、地球に優しく、身体に優しい製品を高い技術と品質で開発し、グローバルに発信できる企業を目指してまいります。
また、「社会の利益」と「企業の利益」を同時に追求する経営として、「Creating Shared Value(共通価値の創造)」(CSV経営)を推進し、当社グループの存在意義を「Soybeans for the Future」(大豆で創造する持続可能な社会)のキャッチフレーズのもと邁進してまいります。
サステナブルの推進組織としては、SDGs推進委員会を設置し、毎月委員会を開催しております。組織横断的に各部部課長から委員を選抜し、委員長は部長クラスが務め、さらにオブザーバーとして2名の役員を加えることで、経営との意思疎通のしやすさを意識した体制を構築しております。
当社ではSDGs推進委員会を設置しサステナビリティに関する重要課題を議論し経営会議、取締役会等へ答申しております。
また、当社グループでは、長野県SDGs推進企業に登録しESG経営に関する目標を定め具体的な活動を継続しております。その成果として主要取引銀行である株式会社八十二銀行と「ポジティブ インパクト ファイナンス」契約を締結し、企業活動が環境・社会・経済に及ぼすインパクト(ポジティブな影響とネガティブな影響)を包括的に分析・評価し、当該活動の継続的な支援を目的とした融資を受けております。当該融資について同ファイナンスを活用し、評価書作成と格付機関(株式会社日本格付研究所)からの第三者意見を入手しております。
「ポジティブ インパクト ファイナンス」および評価書に基づき、決定されたポジティブインパクトの増大とネガティブインパクトの減少に向けた取組みを継続しております。
(人材の多様性を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針)
当社グループの人材育成は当社グループで働く従業員を最大のステークホルダーとして認識し、以下の様な方針を掲げております。
・入社時、若手社員、中堅社員、管理・監督職などへの勤務期間に応じた定期的な教育研修の制度のほか、各種ハラスメント研修や考課者研修、各職務で必要となる専門スキル習得、資格取得のための研修などを行うこととしております。
・社員は年度の目標設定時に人材育成目標または自己成長目標を必ず設定し、その達成度を評価する制度を設けております。
・品質面に関しては全社員を対象にFSSC22000内部監査員資格認定を基本としており、一層の品質強化に寄与しております。
・安全面に関しては専門の委員会を設置し生産工場での労働災害防止や全従業員に対しての交通安全啓蒙などを行っております。
・設備面では、特に生産工場の技術担当者や製造設備研究開発部署のスキルアップなどのため専門の委員会を設置しております。
・QC活動については50年以上前から生産に関する小集団改善活動を実施しており、職場のコミュニケーション向上にも寄与しております。現在は営業、管理を含めた全従業員を対象として食品メーカーとしての知識向上と自主的な改善活動に取り組んでおります。
また、当社グループの社内環境整備については以下の取組みを行っております。
・働く上で健康保持・増進が重要であるとの考え方から、従業員への健康面での福利厚生を継続的に充実させており、三年連続で健康経営優良法人の認定を受けております。
・食品製造を通じ食品安全の知識を広く身に着けてもらうためFSSC22000の継続取得を通じ食品安全の知識向上のための研修機会を充実させてまいります。
・従業員の柔軟な働き方に対応するため、時間有給取得制度を導入しております。
・障害者雇用については積極的に推進し平均を上回る実績を上げているほか、障害者施設との協業により間接的ではあるが多様性も維持した雇用の確保に努めてまいります。
当社グループでは経営リスクの管理について、管理部門を主要メンバーとした検討会議により定期的にモニタリングと検討を行い、コンプライアンス委員会へ報告し、最終的に取締役会へ報告されております。特に経営への影響が大きな項目についてはリスクを低減する仕組み、方法等を経営会議などで検討し実施に向け対応しております。また、特に商品の品質に関するリスクについてはFSSC22000の仕組みを活用しリスク低減に向けた取組みを行っております。
当社グループでは企業理念を軸に毎期の経営方針にてSDGsに沿った目標を定めており、その具体的内容は長野県SDGs推進企業に登録され開示しており、主なものは以下となっております。
・持続可能な原料調達への取組としてGAP認証大豆の調達を2030年までに100%とする。
・全社CО2の削減への取組としてCО2総排出量を2018年比で2030年までに11.6%削減する。
・地元産大豆栽培をとおした地域循環型社会実現への取組として2030年までに累計20商品を開発・発売する。また、これに関連し大豆栽培にあたっては農福連携の取組を行う。
また、特段の目標数値等の設定はしておりませんが、工場の排水処理に含まれる、余剰微生物を肥料化する施設「旭松バイオセンター」を竣工し、食品廃棄物の発生を抑制し食品循環資源の再生利用を行うことで、循環型農業への寄与と地域活性化を推進しております。
(人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標)
当社グループでは、上記「(2) 戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標については、当社においては関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組みが行われているものの、連結グループに属する会社では行われてはいないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは主として下記のような事項が考えられます。当社グループはこれらのリスクに対して、その発生の回避、また、発生した場合の影響について最小限に止める努力をいたします。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 食の安全性
近年、食品業界におきましては、遺伝子組換え、農薬混入、BSEや鳥・豚インフルエンザ更には震災後の放射能汚染など様々な問題が噴出し続けており、消費者の食の安全性に対する関心は非常に高いものとなっております。当社グループでは、食の安全性については最重要課題と位置づけており、国際的な食品安全マネジメントシステム規格である「FSSC22000」を認証取得し品質管理の強化を図っております。さらに当社製品の主原料である大豆については凍豆腐ではグローバルGAP認証済みに切り替え食の安全性の向上に努めております。しかし、全く予期せぬ問題等の発生によっては当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 主要原材料等
当社グループの主要原材料は農産物であり、米国、中国等からの輸入に大きく依存しております。輸入制限等により原材料の調達が困難になった場合、生産活動に支障を来し当社グループの存続に重大な影響を及ぼします。
なお、穀物や原油などの相場の変動や為替相場の変動によっても当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの大幅な変動
当社グループは、日本国内での食料品の製造及び販売を主体に事業活動を行っておりますが、人口減少による総需要の減少、安全性確保によるコスト増、市場での安価販売競争など様々な減益リスクに晒されております。安定的な利益の計上を目指し事業活動を行っておりますが、急激な経営環境の変化があった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に大幅な変動が発生する可能性があります。
(4) 自然災害
当社の主要な生産拠点は長野県南部に集中しており地震、台風などの自然災害により生産活動に支障を来す可能性があります。また、直接的な被害だけでなく交通機関、電力などの社会インフラに支障を来した場合、原材料の調達、製品の製造及び供給が出来なくなるおそれがあります。
(5) 情報セキュリティ
当社グループは、事業活動を通して、お客様や取引先の個人情報及び機密情報を入手することがあり、また、営業上・技術上の機密情報を保有しています。当社グループでは、これらの情報についての厳格な管理体制を構築し、情報の取扱い等に関する規程類の整備・充実や従業員等への周知徹底を図るなど、情報セキュリティを強化しております。しかしながら、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウィルスの侵入等により、万一これら情報が流出した場合や重要データの破壊、改ざん、システム停止等が生じた場合には、当社グループの信用低下や業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 感染症の拡大
当社グループは、食品製造を主たる業務としており、お客様に対し安定的に供給する責務を負っております。そのため感染症の発生・拡大に対応するBCP(事業継続計画)を策定しております。しかしながら、サプライチェーンの崩壊や従業員の安全配慮、行政等の指示など、想定を超える環境の変化があった場合、生産、販売活動が滞り契約を履行できないリスクがあります。
なお、当連結会計年度において新型コロナウイルス感染症の蔓延が当社グループの財政状態や経営成績に及ぼす影響は軽微でありましたが、今後、国内外の状況の変化に伴い翌年度の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症再拡大の影響を大きく受けてきましたが、同感染症の分類が2023年5月より「5類感染症」に移行する政府方針もあって、行動制限の緩和・解除に向けた動きも見られ、ようやく景気の回復や経済活動の正常化が期待される環境となりました。しかし一方では、ウクライナ情勢に起因する原油価格や原材料価格の高騰、急速な円安の進行などにより、依然として先行き不透明な状況が続いております。
食品業界におきましては、世界的な小麦・油脂などの原材料高騰や原油高による包装資材や物流費など各種コストの大幅な上昇に加え、円安の影響も重なって経営環境は一段と厳しい状況となり、価格改定を実施する企業が相次ぎました。今後も更なる物価上昇が懸念され、消費者の節約意識は一層高まっております。また、安全・安心への関心は依然として強く、高い品質・衛生管理体制の維持・向上が求められており、そのためのコストも増大しております。
このような状況のなか、経営面では、当社グループでも主要原料である輸入大豆の価格が円安の急速な進行もあり高止まりしております。さらに、電力料や燃料、資材や物流費の高騰など製造コストの急激な上昇も加わって、収益面への影響が深刻な状況となりました。このため、2021年9月に続き2022年10月1日出荷分より凍豆腐の価格改定の再度実施を余儀なくされました。品質面では、HACCPを包括した食品安全の国際規格FSSC22000のバージョン5.1の追加要求事項をクリアするなど、一層の向上を図っております。また、合理化、省エネルギー、品質向上のため継続的かつ積極的に設備投資を行うとともに、SDGsに沿った取り組みを引き続き推進しております。具体的には、プラスチック削減、紙容器の森林認証素材使用の推進、健康経営優良法人の認定などに継続的に取り組んでまいりました。これらの活動を基に、当社の経営姿勢とSDGsへの取り組みについて第三者機関及び金融機関にて評価を受け、ポジティブ・インパクト・ファイナンスによる融資を受けることができました。なお、新型コロナウイルス感染症への対応については、状況に応じた感染予防対策を講じており、市場への円滑な商品提供に万全を期しております。
当社グループの当連結会計年度の業績につきましては、営業活動の制限は新型コロナウイルス感染症予防措置緩和により段階的に解除されているものの、売上高は79億3千7百万円(前年同期比1.2%減)となりました。利益面では、引き続き合理化や諸経費の削減などを図ってまいりましたが、原材料やエネルギー価格の急激な高騰などによる製造コスト急増の影響が大きく、営業損失は4千9百万円(前年同期は2億5百万円の利益)、経常利益は2千8百万円(前年同期比89.4%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は投資有価証券売却益を計上したものの、従業員の勤務時間の整理・改善による支払補償金の計上もあり6千8百万円(前年同期は1億9千6百万円の利益)となりました。
部門別概況は、次のとおりであります。
[凍豆腐]
凍豆腐では、需要が微減傾向にある市場の拡大・活性化を図るべく他メーカーとコラボレーションしたインスタグラムキャンペーンを展開したほか、業界団体と協調し肉様の食感がある元祖大豆ミートとして訴求するPR活動などを行ってまいりました。また、新商品開発面では、需要喚起の一環として2022年10月に、従来のイメージを脱却した斬新な商品形態として、カップにお湯を注ぎ1分で食べられる即食タイプの「TОPURО(トプロ)」や「カップ新あさひ豆腐」を発売しました。しかし、前述の企業努力では吸収しきれない各種コストの大幅な上昇を受け収益面でも厳しい状況となっており、前期に続き、2022年10月1日より2回目の価格改定を実施いたしました。これら値上げによる販売数量減少の影響もあり売上高は前期を下回る35億6千7百万円(前年同期比0.9%減)となりました。なお、海外への展開を目指して、オランダ・フードバレーに加入しワーゲニンゲン大学と共同研究を実施してきており、ヨーロッパ人への凍豆腐の健康機能性試験の成果を論文発表いたしました。加えて、2022年12月6日には、オランダ・フードバレーにて、凍豆腐の健康機能性に関するシンポジウム「Kori Tofu scientific study」を開催し、今後の販売につなげるべく広く海外での広報活動を実施いたしました。
[加工食品(即席みそ汁等)]
加工食品では、単品収益管理の徹底により不採算アイテムの改廃を進め収益力の改善を図る一方、好調に推移しているカップ入りタイプのオートミールのアイテムアップなど新商品の発売を強化してまいりました。また、即席カップみそ汁や同スープ関係は主力商品のリニューアルなどを行いましたが定番商品の採用競争は激しく、売上高は23億1千8百万円(同5.4%減)と減少しました。
[その他食料品]
その他食料品では、売上高は20億5千1百万円(同3.4%増)となり、主力の医療用食材や大豆素材の商品が好調に推移いたしました。しかし、この分野でも製造コストが急速かつ大幅に上昇してきており、収益の圧迫を余儀なくされております。そのため医療用食材におきましても、製造コストの上昇を受け2022年10月1日より価格改定を実施しております。
当連結会計年度の資産合計は、前連結会計年度に比べ1億4千3百万円減少し94億3千6百万円(前連結会計年度比1.5%減)となりました。これは増加の要因として、棚卸資産の増加2億5千1百万円があったものの、減少の要因として、現金及び預金の減少1億4千1百万円や有形固定資産の減少1億9千8百万円があったことが主な要因です。
当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度に比べ1億9百万円減少し19億1千8百万円(同5.4%減)となりました。これは増加の要因として、支払手形及び買掛金の増加3千9百万円や設備関係支払手形の増加2千3百万円などがあったものの、減少の要因として、返済に伴う長期借入金の減少2千1百万円や短期借入金の減少9千7百万円、未払法人税等の減少4千1百万円などが主な要因です。
当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度に比べ3千3百万円減少し75億1千8百万円(同0.4%減)となりました。これは増加の要因として、その他有価証券評価差額金の増加4千5百万円や為替換算調整勘定の増加2千9百万円などがあったものの、減少の要因として、利益剰余金の減少1億3千4百万円があったことによるものです。
以上により自己資本比率は前連結会計年度に比べ0.7ポイント増加し79.0%となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の増加は、2億5百万円であります。増減の主な内訳は、減少要因として棚卸資産の増加で2億4千8百万円、法人税等の支払額で5千1百万円、税金等調整前当期純損失の計上2千8百万円があり、増加要因としては、減価償却費5億1千6百万円、仕入債務の増加額3千9百万円などであります。
また、前連結会計年度に比べ資金の流入額が4億6千9百万円減少しています。減少の要因としましては、売上債権の増減差額で5千8百万円の増加があったものの、税金等調整前当期純利益の増減差額で2億9千万円の減少、棚卸資産の増減差額で1億3千3百万円の減少、仕入債務の増減差額で3千6百万円の減少などがあったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、2千8百万円であります。減少の主な要因は、定期預金の預入による支出と収入の差額による増加1億2千8百万円があったものの、有形固定資産の取得による支出2億2千2百万円などがあったことによるものです。
また、前連結会計年度に比べ資金の流出額が1億5千9百万円減少しております。流出額減少の要因としましては、定期預金の預入による支出の減少、同払戻による収入の増加を合わせ7千2百万円の支出増加があったものの、有形固定資産の取得による支出の減少1億5千2百万円や投資有価証券の売却による収入の増加9千3百万円などがあったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、2億6百万円であります。減少の主な要因は、増加要因としては、長期借入金による収入が3億円あったものの、減少の要因として、長期借入金の返済による支出4億1千9百万円や配当金の支払額6千3百万円があったことによるものです。
また、前連結会計年度に比べ資金の流出額が3億9千3百万円減少しております。資金流出減少の主な要因は、長期借入による収入の増加3億円などによるものです。
以上により当連結会計年度末における資金は、前連結会計年度末に比べ1千3百万円減少し8億3千1百万円となりました。
当社グループは、食料品の製造販売を行っており、管理しているセグメントにつきましても「食料品事業」の単一セグメントとしております。食料品事業セグメントの内訳としては下記のとおりとなります。
(注) 金額は期中平均販売価格で表示しております。
当社グループは見込生産をしておりますので、受注状況について記載すべき事項はありません。
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されておりますが、この連結財務諸表の作成にあたっては、当社グループの判断により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なる可能性があります。引当金項目につきましては、「第5 経理の状況 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4 会計方針に関する事項 (3)重要な引当金の計上基準」に、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。なお、当連結会計年度での新型コロナウイルス感染症の拡大の影響については軽微であると判断しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績等は、前連結会計年度と比較し減収減益となりました。食料品セグメントのうち、主力事業である凍豆腐の売上高は35億6千7百万円(前年同期比0.9%減)となりました。凍豆腐は、食の多様化・人口減少等で長期的には市場が縮小傾向にありますが、当社グループではその健康機能性に着目し、研究成果を論文として継続的に発表し市場の活性化に努めております。当連結会計年度は、ヨーロッパ人を対象に凍豆腐の健康機能性の臨床試験を行い、その成果を論文発表いたしました。また、オランダ・フードバレーにて、健康機能性に関するシンポジウム「Kori Tofu scientific study」を開催し、今後の販売につなげるべく広く海外での広報活動を実施し、国内外での市場の維持拡大に努めております。当連結会計年度は、世界的な小麦・油脂など原材料価格の高騰や原油高による包装資材や物流費など各種コストの大幅な上昇に加え、円安の影響などにより価格改定を行わざるを得ないこととなりました。業界では他社に先行して価格改定を行った結果、販売数量への影響もあって減収を余儀なくされました。なお、新商品の発売にあたっては、簡便性の追求や食シーンの提案など新たな側面からの訴求を積極的に行い、SDGsにもつながるグローバルGAP認証大豆を使用した即食タイプの「カップ新あさひ豆腐」や「TОPURО」シリーズなどの発売につなげております。加工食品(即席みそ汁等)の売上高は23億1千8百万円(前年同期比5.4%減)となりました。競合他社との価格競争が激しく単純な量的拡大での業績向上は困難となってきております。そのため、当社の強みである具材のバリエーションの強化や、より一層環境面に配慮し、プラスチック削減を目指したカップ入りタイプ商品の強化を引き続き行い、売上の維持・拡大を図ってまいります。また、新たなジャンルとして今話題の「オートミール」を調理の手間を省いて手軽に食事に取り入れることができるように、当社のカップ入りみそ汁のノウハウを生かしたカップ入りタイプとして新発売し、アイテムアップを行っております。その他食料品のうち医療用食材は、長期化する新型コロナウイルス感染症拡大防止対策により病院や介護施設等への訪問自粛など営業活動への影響や原材料価格の高騰に対応するための価格改定を実施したにもかかわらず、完全調理済み食品としての利便性が評価され、需要は安定的に推移しており引続き市場の成長が期待されております。
コスト面につきましては、凍豆腐、医療用食材で急激な原材料・動力費・運送費等の値上がりによる大幅なコスト上昇を企業努力だけでは吸収することができず、やむを得ず2022年秋より出荷価格改定を実施いたしました。また、品質に関して万全を期すため、引き続き積極的に品質投資を行っております。消費者の皆様に安心して召し上がっていただけるよう、また、その品質をアピールできるよう外部審査機関の認証「FSSC22000」のバージョンアップを継続して行い周知してまいりました。また、当社グループ凍豆腐製品の主原料である大豆につきましては、SDGsにも則したグローバルGAP(※)認証済みに全面的に切り替え持続可能な生産活動に寄与し、より一層の品質向上に努めてまいりました。品質コストは食品メーカーとして安定的、継続的に企業価値の向上を目指すためには必要不可欠なものであります。短期的な利益の創出には相反するものですが、長期的な視野に立ち今後も積極的に推進してまいります。コスト削減策としては生産体制の継続的な見直し、製造方法の研究・技術開発による原材料使用量の削減などを行っております。
利益面につきましては、固定費等諸経費の削減努力を続ける一方、当然ながら採算確保できない売り上拡大には一定の歯止めをかけ、安定的な適正利益の計上を目指した経営を継続してまいります。
国内の食品市場は人口減少に伴い長期的には縮小していくものと思われますが、その中でも当社グループの製品を選択していただけるよう差別化、付加価値の増大を推進してまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に対しての当社グループとしての対応は、従業員をはじめ関係者の安全確保を最優先としたうえで、食料品の安定生産、供給に万全を期すよう、関係省庁などの通達、情報を念頭に経営を進めてまいりました。今後も状況の変化に柔軟に対応し業績の維持拡大に努めてまいります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、(1) 経営成績等の状況の概要②財政状態の状況及び③キャッシュ・フローの状況に記載しております。
資産、負債・資本につきましては、安定した経営基盤を継続するため、また、利益向上のため将来性のある事業への投資を積極的に行っております。とりわけ、主力の凍豆腐事業は健康機能性のさらなる周知により海外を含む潜在的な市場拡大の余地があると考えております。その他食料品として区分しております医療用食材については高齢化人口の増加や介護需要の高まりもあって継続的・安定的に成長しており、当社グループにおいて第3の柱として欠かせない事業となってきております。
キャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローの向上を第一に考え、利益の向上、在庫圧縮などに取り組んでおります。資金調達に関しましては、事業活動による資金の調達を前提としておりますが、将来的な投資に関するものは一部を金融機関からの借入を行っております。なお、借入につきましては、約定により返済しております。
(※)グローバルGAPとは、世界120か国以上で食品の安全、労働環境、環境保全などに配慮した生産活動を行っている優良事業者を認証する農業生産工程管理の国際規格です。
該当事項はありません。
当社グループでは、「お客様により快適で健康な食生活を提供する」という企業理念のもとに、常にお客様の立場に立った商品開発を基本方針にして、以下のような研究開発を行いました。
商品開発においては、凍豆腐では1分で食べられる即食タイプ「TОPURО チキンブロス」、「カップ新あさひ豆腐液体調味料付」等一般市販品16アイテム、業務用は「新あさひ豆腐業務用1/60」を発売しました。
加工食品(即席みそ汁等)では、カップタイプで発売以来好評いただいている、オーツ麦を使用した「カップオートミールトマトバジル風」等28アイテムを発売しました。
その他食料品においては、「ふんわりなめらか焼き鳥」等16アイテム、乾燥納豆では「旭松納豆やくみ3食」等9アイテムを発売しました。また、オリジナル製法で丸大豆100%の「旭松大豆ミートサステナブルチキン」を発売しました。
基盤研究ではワーゲニンゲン大学と共同研究し凍豆腐の代謝改善効果に関して論文発表しました。
既存事業における新商品とリニューアル商品の商品開発・技術開発は商品開発部、技術開発部と研究所が連携し進めております。
新規事業については研究所が経営企画部と連携し行っています。
当連結会計年度における研究開発費は