当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等については以下のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、当社グループが当連結会計年度末現在において判断したものであり、将来において様々な要因により、実際の結果と異なる可能性があります。
(1)グループ経営理念
当社グループは、創業以来掲げてきた「生活文化創造企業」をグループ共通の経営理念とし、グループ全ての事業において生活文化創造=未来の『あたりまえ』を発見するという共通理念の下、事業運営に取り組んでおります。
また、この理念を経営戦略に反映させるため、3年ごとに中期経営計画を策定し、その時々の経営環境や課題を鑑みて計画ごとにテーマ並びに経営ビジョンとビジョン実現に向けた基本方針を設定しております。
(2)経営戦略等
当社グループは2023年3月まで第6次中期経営計画「Overtake!!」を掲げ、これまで進めてきた各セグメントの新しい取組みに加え、視野を更に広げることで幅広い分野の顧客の消費意識の変化を先取りした新しい価値の創出を進め、社会の要請に応えることを目指して営業活動に取り組んでまいりました。
そして、2023年4月から第7次中期経営計画「Evоlve!!」を策定いたしました。当社グループが取り巻く事業環境は現在進行形でめまぐるしく変化していると捉え、新たに発生する社会課題の解決のために「進化する」ことで社会課題の解決に資する価値を提供する存在であり続けることを目指しております。
(3)当社グループを取り巻く事業環境と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
第6次中期経営計画の策定時に想定していた各市場における事業環境の変化は、コロナ禍の影響により当初想定していた事業環境とは大きく異なるものとなりました。当社グループにおいては、各事業で計画通りの施策ではなく状況に応じた施策に切り替え、一部事業においてはマイナスの影響を受けましたが、グループ全体の業績は感染予防や感染拡大防止の意識の高まりから、当社グループの製品やサービスの需要が拡大し、伸長しました。
ワクチン接種や行動制限の解除等が進み社会が正常化しつつある中で、インターネット通販市場の拡大、テレワーク・オンライン会議の一般化や、郊外型の住宅環境と安全な移動手段としてのマイカー保有等、コロナ禍での外出自粛から始まった新しい生活様式については、今後も恒常的に残ると想定されます。
このような生活様式の変化は、足元の当社既存製品の需要掘り起こしに寄与するだけでなく、今後ユーザーの更なる価値観の変化と新たな市場を生み出す源泉にもなると考えております。特に自動車分野においては、改めてその価値が見直されることとなったマイカー保有とサステナビリティの両立の観点から、自動車メンテナンスの需要が増え、また、産業分野や生活分野においても、コロナ禍によって医療・衛生分野に向けた関心が高まっていることから、新しい提案を行う機会が増加すると考えております。
また、当社グループを取り巻く環境は、自動車保有形態の変化、カーケア関連製品の購買に関するユーザーの意識変化や、ハイテク関連分野の競争激化といった市場の変化が着実に進行している状況です。近年はこれらに加えて「所有から利用」「時間に対する価値意識」等、ユーザーの消費意識の変化が顕著に表れております。
さらにSDGsに代表されるサステナビリティへの社会的な取組みの進展や、デジタルトランスフォーメーションの進行・浸透により、これまで不便だったことがデジタル技術を用いて劇的に改善される可能性が高まっています。このようなユーザーや市場の変化は、当社グループにとって新たなビジネスチャンスが生まれてくる状況であると認識しております。
当社グループを取り巻く事業環境の変化に対応するためには、作業の効率化や時短、また付加価値を高めるために「デジタルの活用」を推進することは必要不可欠であると認識しております。倍速消費に代表されるようなデジタル化による「時短=善」、また「時間を費やす=悪」といった捉え方が広がりつつある中で、「心揺さぶられるアナログ的価値を提供すること」が重要であり、その価値を提供することができれば「時間を費やす=善」にも変換する流れを創ることができると考えております。
当社グループはデジタルによる製品・サービスの付加価値向上と併せてデジタルによる効率化によってもたらされる時間を活用し、「アナログ的価値」を提供することで利益の成長を推進し、経営効率の改善を伴う事業規模拡大の実現を目指します。事業運営上の効率性指標としては、第7次中期経営計画においても第6次中期経営計画より採用しているROICを継続し、ROICが資本コストを上回ることを目指します。その次のステップとして新分野・新事業に向けた投資による業容の拡大を指向しております。
・各セグメントにおける主要施策について
〈ファインケミカル〉
自動車分野では、消費者にカーライフの「キレイ」「安全・安心・快適」「修復」を届ける活動を推進していきます。
国内向け販売におきましては、サービスによる価値提供の強化をしつつ、業務用コーティング施策と連動した製品開発に努めてまいります。またWEBを経由した店舗との仕組み構築や集客施策の実施の強化や、新たな市場に対して意識を向けて当社製品が届いていない領域への進出に取り組んでまいります。
業務用製品の販売におきましては、施工業者様に対して、「磨き」を軸としたメニュー展開の推進や新たな得意先へのアプローチに力を入れるだけでなく、オンラインを活用することで集客システムの構築や海外G’zоxショップの研修強化に取り組んでまいります。また、自動車分野以外にもビルメンテナンスやクリーニングといった「キレイ」を求めるあらゆる業界へのアプローチの継続とコロナ禍以降で需要が高まっている抗菌・抗ウイルス効果を付与した衛生管理製品の提案や、表面改質技術を活用した印刷・接着業界に向けた問題解決提案を行うことにより、新たな事業領域の拡張につなげてまいります。
海外向け販売におきましては、SNSを積極的に活用して日本の洗車習慣を世界へ発信し、海外専売品のラインナップの強化や販売増加に取り組んでまいります。また、今まで取引がなかったアフリカや米国などの新たな市場に進出するため、現地生産も視野に入れて化学規制に対する調査や販路の確立に努めてまいります。
家庭用品販売においては、主力であるメガネケア製品での新たな販路開拓や、スポーツ用品向け等の販売カテゴリーでの売上拡大をはじめ、新たに業務用・眼科ルート開拓を軸にメガネケア習慣化推進に努めてまいります。
TPMS(タイヤ空気圧監視装置)の企画・開発・販売におきましては、既存の得意先様へのメンテナンスサービスの推進に加え、TPMSで得られる空気圧データを活用した運転管理サービスの推進により、提供価値の拡充に努めてまいります。
電子機器・ソフトウェア開発販売におきましては、従来取り組んできたインフラ設備に対する開発販売の知見を活かし、消費者向け製品の開発に積極的に取り組んでまいります。
〈ポーラスマテリアル〉
産業資材分野では、半導体・液晶・HDDなどのハイテク産業に向けた製造装置の消耗部材販売において更なる清浄度や作業性、耐久性等の技術向上に努め、シェアの維持・拡大を図ります。また、次の収益の柱となる用途の創造を目指し、環境・健康などの分野において、新たな製品開発と顧客の開拓に取り組んでまいります。特に医療分野においては、これを重点的な拡大分野と考えており、これまでの医療製品への部材提供から医療関連製品の自社開発への転換を目指して研究開発を進めてまいります。また、アズテック(株)による病院施設向け医療・衛生管理用品の企画・開発・販売事業の開始に併せ、医療現場ニーズに即した製品開発ノウハウの獲得による更なる開発力と販路の強化を進めてまいります。
生活資材分野では、国内向けには日本製高品質素材訴求によって競合との差別化を図るとともに、WEBを活用したアプローチによる販売拡大に取り組みつつ、自社ブランドの新たな開発に努めてまいります。また、海外向けには、スポーツ用途展開による新市場の開拓や、グループリソースを有効活用した新規市場開拓に取り組んでまいります。
また、更なる高品質製品の生産に向けて、生産体制の見直しや設備投資も進めております。
〈サービス・不動産関連〉
自動車整備・鈑金事業においては、自動車の更なるハイテク化を見据えたエーミング技術対応を強化することで入庫車両数の確保を進めるとともに、輸入車メーカー認証の取得による対応車両の拡充を進めてまいります。また、美装向けのサービスの推進に合わせ、鈑金・美装における直需を強化するため、エンドユーザー向けのサービスの推進に努める他、オートディテイリングビジネスの拡大に向けて、国内・海外両面の販売展開を進めてまいります。
自動車教習事業においては、兵庫県下でトップクラスの入所者数を維持しつつ、高齢者講習ビジネスの強化やドローンライセンスの強化に加え、教習所指導員のノウハウを活用した安全運転管理システムの商品開発を進めることで、新たな収益源の構築を目指します。
生活用品企画開発事業においては、生協向けの取引先や提案数の拡大に加え、ECサイトの再構築と自社による企画製品を強化することにより、これまでリーチできていなかった顧客層に向けて提案を行えるプラットフォームの確立を目指します。
不動産関連においては、新たに開始した倉庫サービスビジネスの推進に加え、介護予防支援事業でリハビリ特化施設としての認知を高めることで、他社との差別化や新規入所者獲得に努め、保有物件の更なる活用に取り組んでまいります。
・経営効率の改善について
当社グループは、経営効率改善のため、既存事業の運営効率向上と新規事業への投資による業容拡大の両面が必要であると認識しております。
第7次中期経営計画における既存事業の運営効率指標としては、直接事業に供している資産から得られる利益率(投下資本利益率:ROIC)が資本コスト(概ね5.5%~6.0%の水準)を継続的に上回ることを目指し、その次のステップとして新分野・新事業に向けた投資による業容の拡大を指向しております。
当社グループのROICの実績推移は以下のとおりです。
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第6次中期経営計画 |
第7次中期経営計画 |
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2023年 3月期 |
2024年 3月期 |
2026年 3月期 |
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連結営業利益(百万円) |
3,256 |
3,270 |
3,780 |
|
連結経常利益(百万円) |
3,440 |
3,450 |
3,960 |
|
親会社株主に帰属する 当期純利益(百万円) |
2,063 |
2,400 |
2,770 |
|
純資産(百万円) |
52,772 |
54,100 |
57,100 |
|
総資産(百万円) |
60,377 |
61,700 |
64,700 |
|
事業投下資本(百万円) |
31,997 |
32,200 |
32,700 |
|
ROIC(%)※ |
7.1 |
7.1 |
8.1 |
|
ROE(%) (参考) |
4.0 |
4.4 |
4.9 |
|
ROA(%) (参考) |
5.7 |
5.6 |
6.1 |
※ROIC算定に使用される営業利益は税引き後の数値となります。なお、税率は30%で算定しております。
当社グループはサステナビリティに対する方針として、2021年11月にソフト99グループ行動憲章を改定し、「省資源化による炭素源の削減や化学物質の適切な使用を推進することで、循環型社会の形成への貢献する」と新たに明示いたしました。従前より持続可能性をめぐる様々な課題への対応については、企業価値向上のための重要な経営課題の1つであると認識しており、日々事業と社会の持続可能性を高める取り組みを進めております。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ
(1)ガバナンス
当社グループは、気候関連のリスクと機会について代表取締役社長や各管掌部門の取締役が参加する会議で協議・特定し、重要事項については取締役会で情報を共有することにより、取締役会による監視体制は取れております。当社の代表取締役社長は、ISО14001に則った環境マネジメントシステムを活用することでソフト99コーポレーションの環境活動を統括しております。また、グループ各社においても、各種会議への参加により評価、管理に直接関与することで、グループ全体としての環境活動を統括しております。
(2)戦略
当社グループでは、車のお手入れ製品や半導体向け製品など、化学由来の製品を製造販売する事業が業績の大部分を占めております。そのため、従来から化学製品の品質や安全面に対する意識を高めて取り組んでまいりました。また、経営方針や経営戦略などに短期的・中期的・長期的に影響を与える可能性がある気候変動をはじめとした様々な事柄に関するリスクや機会にも対処するため、ソフト99グループでは行動憲章において持続可能性への取り組みとして方針を掲げ、代表取締役や各管掌部門の取締役が参加する会議で議論を重ね、日々の企業活動でも取り組みを強化しております。
(3)リスク管理
当社のリスク管理体制については、毎月開催される取締役会の中で各担当者より事業運営を把握するための定性情報及びこれに付随する定量情報を基に、事業運営や主要なリスクに関する報告がされており、経営陣が適宜状況を把握・評価・管理する体制を構築しております。
特に環境への取り組みにおける所轄部門として、管理部門がその主要な機能を有しております。管理部門が関係部門と連携を図りつつ、各事業部における運用状況のモニタリングや必要に応じて取締役会で経営陣に対して報告することで、気候変動に関するリスク及び機会について適切に把握・評価・管理しております。
(4)指標及び目標
事業活動に起因するGHG排出量については、Scоpe1及びScоpe2主要な算定対象として現状把握に努めてまいります。
また、それ以外の場面で発生するGHG排出量については、Scоpe3を算定対象とし、当社グループの特性に合わせた情報整理と集計を進めることで現状把握に努めてまいります。
(2)人的資本
持続的な事業運営の担保については、人口減少社会を踏まえ、若年層の人員確保やスキルアップ、単純・定型業務の機械化推進による人にしかできない仕事への注力などの課題を認識し、対処しております。
そして今後の事業拡大、特に海外展開の拡大を見据えた上で、これに必要なグローバル人財の確保育成を行うことは重要であり、従来よりも幅広い視点をもった採用・教育活動に取り組んでまいります。
(1)戦略
当社グループでは、人財の成長が企業の成長・発展の礎となると認識しており、新たな価値の創出や、提案を通じて、従業員が成長できる環境づくりに努めております。加えて、従業員の知識と技能の双方を高めることで、当社グループ全体として、効率的に成果を生み出す組織となるべく、労働環境の整備を進めるための取り組みを実施しております。
業務を通じて得た各自の経験・知見を最大限に活用し、必要に応じて外部研修も活用することで、知識の醸成を促します。また、個々の人財の適正や成長性を見極めつつ、常に新たな課題に挑戦する機会を与えることで、自律的な人財への成長を促します。経営層や管理職の育成については、出身組織部門以外の業務や、関係会社の事業運営への参画の機会を与えること、また、外部研修を活用することで、全社的な視野で業務執行を担える人財への成長を促進します。
そして、持続的な事業運営の担保のために、社内の多様性確保も重要な経営課題の一つとして認識しております。性別や国籍などの属性条件から生じる様々な視点や価値観を相互に理解、尊重しながら、公平かつ公正な採用活動や人事評価並びに人財育成を行っております。また、中核人財の登用等における多様性確保状況については、証券取引所に提出しておりますコーポレート・ガバナンスに関する報告書において開示いたします。
詳細につきましては、「当社ポリシー内「II.ステークホルダーとの協調(4)企業価値向上ⅱ.企業価値を担う人的資本への投資」並びに「II.ステークホルダーとの協調(5)持続可能性ⅱ.社内の多様性確保」及び「グループ行動憲章細目3-(1)、3-(2)
https://www.soft99.co.jp/corporate/profile/philosophy/doc/constitution.pdf」)」をご参照ください。
(2)指標及び目標
当社グループには多様な考え方やバックグラウンドを持つ人財がおり、公平かつ公正な採用活動や人事評価、育成に取り組んでおります。各従業員が最大限に能力を発揮できることを最重要項目として捉え、あえて目標とする指標は設けず状況に対して適切な対応ができる環境整備を進めてまいります。
(各従業員数(人)) 2023年3月31日現在
|
連結従業員数 |
837 |
|
うち、女性従業員 |
224 |
|
うち、外国人従業員 |
19 |
|
うち、中途採用従業員 |
251 |
|
うち、障碍者従業員 |
11 |
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)特定の市場への依存度について
当社グループは、「自動車」に関わる事業の売上構成比が高く、自動車関連産業の市況や制度の変更により業績に影響が出る可能性があります。ファインケミカル事業における一般消費者向け自動車ケミカル用品の一部の製品については、市場内でのシェアが高いことから、市場の縮小による業績への影響を受けやすく、売上高及び利益において減少する懸念があります。
また、自動車販売時に施工されるコーティング剤等の業務用製品は、自動車ディーラーへの販売依存度が高く、自動車販売の増減に影響されることから、売上高や利益において極端に浮沈する可能性があります。
サービス事業における自動車整備鈑金事業についても同様に、自動車関連産業の動向及び市況の影響を受け、売上高や利益において下降する懸念があります。
ポーラスマテリアル事業において、半導体業界向けの洗浄材及び研磨材の製造販売の依存度が高く、また、市場シェアも高いことから半導体の景気動向による業績への影響を受けやすく、売上高及び利益において浮沈する可能性があります。
また、半導体業界は製品技術の進歩が速く、業界を構成する企業の合併等の業界再編・市場再編が頻繁に行われます。これらの技術の切り替えや企業再編のタイミングにおいて需給調整が行われることにより、当社の売上高や利益に影響を与える可能性があります。加えて、国内外において性能面及び価格面での他社との競争が激化しており、競合品の台頭により主要得意先の販売が下落し、売上高及び利益において減少する懸念があります。
(2)石油加工品の原材料への依存度について
当社グループが提供する製品は、原材料及び容器等に合成樹脂や溶剤等を多く使用しており、石油加工品への依存度が高くなっております。このような事業構造のため、災害や国際情勢の悪化等により原材料の調達が不可能になった場合、中長期にわたって一部の製品供給が困難になる可能性があり、また、原油価格の上昇により原材料の調達コストが上昇し、売上高や利益面において下降する懸念があります。これに対して当社グループは、より付加価値の高い製品提供による利益の維持確保や、詰め替えタイプ・濃縮タイプ等の省パッケージ製品の開発によるトータルコストの低減に取り組んでおります。
(3)化学製品の法規制について
当社グループの製品及び製造過程において、化学物質を多く使用していることもあり、化学品規制に関する法律が変更された際に、従来通りの製造、販売活動を継続できなくなる懸念があります。当社グループでは、海外を含む化学品規制に関する法律改定の最新情報を常に更新し、更に製品の配合変更を適宜実施することで、市場に安定して製品を供給できる体制を構築しておりますが、法令の公布から施行までの期間が短い場合は、その製品の出荷を一時的に停止させる措置をとることが考えられます。
(4)仕入先企業の営業方針の転換に伴う影響について
当社グループは、多くの仕入先から原料や製品を仕入れ、それを加工・販売することで円滑な事業活動を継続しておりますが、仕入先において化学品の規制強化対応のための製品廃番や、経営合理化のための事業停止による品番統合・廃番などが発生する可能性があります。その結果、競合他社との仕入競争が激化し、仕入価格の高騰や、潤沢な原材料の確保が行えないことによる生産・販売計画の遅延などといった影響が出る懸念があります。
(5)製造物責任について
当社グループが提供する製品・サービスの欠陥により、人又は財産に被害が生じるリスクがあります。製造物責任賠償やリコール等が発生した場合は、当社グループのブランド価値低下を招くとともに、多額の費用負担が発生する可能性があります。これに対して、当社グループでは、ISOに準拠した開発・生産体制の構築を進め、製品・サービスの品質維持に取り組んでおります。
(6)季節商材の返品による業績への影響について
当社グループは、ファインケミカル事業において、冬季商材であるタイヤチェーンの販売を行っております。この製品は、積雪量の増減といった天候の変動により消費者の購買行動が左右されますが、天候を事前に予測し、生産計画を立てることは困難であるため、返品による在庫の増加や、製品が欠品する懸念があります。
(7)海外事業について
当社グループは、ファインケミカル事業において、拡大する海外市場への展開を進めており、展開する国や地域
において政治的・経済的・社会的不安定要素や、法律の改正や為替相場の変動、知的財産に関する問題、テロ・紛
争等による社会的混乱等により販売面で影響を受け、売上高や利益面において低下する懸念があります。
またポーラスマテリアル事業において、海外の売上構成比が高く、特に、海外向け半導体関連製品については、
米国・欧州・中国の政治経済状況の影響を受ける可能性が高くなっております。これら海外販売については、仕向
け地の増加拡大により、地域リスクの低減・平準化を目指しております。
(8)洪水・震災等の自然災害及び感染症の流行に伴うリスクについて
当社グループは、製造業の占める売上比率が高く、複数の製造工場を保持しておりますが、各種自然災害の発生
や感染症の流行などの影響により、当社グループの製造工場における燃料供給の不足、インフラの障害、操業の中
断などが発生し、製造工程の一部ないし全てを停止させることになる恐れがあります。BCP対策として、製品在
庫について外部倉庫を含む全国いくつかの倉庫に分散して預けておくことで、急な災害時にも欠品を起こさない体
制づくりを行っておりますが、これらの製造工場における被害が想定を上回る水準で被害を受けたことにより、営
業再開に想定以上の時間を要した場合、業績に大きく影響を与える可能性があります。
また、当社グループは原料や資材の調達網を世界に広げていることから、各種の自然災害や感染症の流行によっ
て流通網が寸断され、流通・製造・その他営業活動に関わる資源が不足することや、気候変動に伴い植生が変化す
ることで天然資源が安定的に供給されなくなるリスク等があります。事前の情報収集や、適切な在庫の確保に努め
てまいりますが、調達面では世界的に広がった調達網が機能しなくなることによる製造の停止や製品供給停止によ
り業績に大きく影響を与える可能性があります。重症化リスクの高く、治療方法が確立されていない感染症が流行
するなどした場合、各事業への影響度合いに違いはあるものの、収束までの期間が長引くと業績に大きく影響を与
える可能性があります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態について
当連結会計年度末における総資産は、60,377百万円(前連結会計年度末は59,231百万円)となり、1,146百万円増加いたしました。これは主に、棚卸資産が376百万円増加したことに加え、ポーラスマテリアルの新工場完成により建設仮勘定が863百万円減少し、建物及び構築物が1,570百万円増加したこと、ソフトウェア等の無形固定資産が188百万円増加したこと、有価証券及び投資有価証券が60百万円減少したこと、のれんが485百万円減少したことなどによるものです。
負債の残高は、7,604百万円(前連結会計年度末は7,839百万円)となり、234百万円減少いたしました。これは主に、ファインケミカルにおいて海外への販売が好調であったことで支払手形及び買掛金が204百万円増加したことや、「従業員持株会支援信託ESОP」の開始に伴い長期借入金が295百万円増加した一方で、設備未払金の支払に伴い、未払金及び未払費用が402百万円減少したことや、未払法人税等で191百万円減少したこと、役員退職慰労引当金87百万円減少などによるものです。
純資産の残高は、52,772百万円(前連結会計年度末は51,391百万円)となり、1,380百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金が1,272百万円増加したことなどによるものです。
②経営成績の状況について
当連結会計年度における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症に起因する活動制限が緩和されたことで、
経済活動の正常化が進んでおります。しかしながら不安定な国際情勢によるエネルギーや原材料価格の上昇、また
継続的な円安などに起因する物価高が個人消費を下押しするなど、依然として先行きの不透明感は高まっておりま
す。
このような経営環境において、当社グループは「生活文化創造企業」の企業理念の下、コロナ禍によって新たに
発生した社会的ニーズを含めた幅広い社会課題の解決を事業機会と捉え、他にない製品やサービスの開発と事業化
に努めてまいりました。その結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高30,170百万円(前年同期比6.1%増)、営
業利益3,256百万円(同13.4%減)、経常利益3,440百万円(同13.2%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利
益は、2,063百万円(同25.1%減)となりました。
(ファインケミカル)
自動車販売において、新車販売は、下期以降に半導体の搭載量が少ない車両や普通乗用車を中心に生産が回復し
たことで、前期を上回りました。中古車販売は、新車販売の回復基調により、需給のギャップは縮小しつつありま
すが、通年では販売車両の不足により前期を下回りました。
国内の小売業界においては、ホームセンターなどの量販店では通年で季節商材を中心に販売が堅調に推移したも
のの、来店客数が減少傾向であることに加え、コストプッシュによる物価の上昇により生活防衛的な消費にシフト
していることで販売が減少しました。
カー用品の専門店では、来店客数が減少傾向にあるものの、既存車のメンテナンス需要の高まりを背景にタイヤ
やオイル製品の販売やサービスが好調に推移しました。
a.一般消費者向け販売(自動車分野)
ボディケア製品は、レジャーの活発化によって巣ごもり消費需要が落ち着き、車のお手入れ機会の減少したこと
で販売が低調に推移し、前期を下回りました。
ガラスケア製品は、ワイパーでは既存の得意先において売り場の獲得が進んだことや、メンテナンス需要の高ま
りによって販売が好調に推移しました。しかし撥水剤では、車のお手入れ機会の減少に伴い販売が低調に推移した
結果、ガラスケア全体では前期を下回りました。
リペア製品は、既存の得意先において売り場の獲得が進んだものの、車のお手入れ機会の減少に伴い販売が低調
に推移したことで前期を下回りました。
一般消費者向け販売全体では、巣ごもり消費需要による特需があった前期を下回る結果となりました。
b.業務用製品販売(自動車分野・産業分野)
新車向け製品販売は、下期以降、普通乗用車を中心に新車販売が回復傾向にあることや、高価格帯である高機能
製品の販売構成比が上がったことで、ОEМ製品や当社ブランドの業務用コーティング販売は好調に推移いたしま
した。その結果、新車向け販売製品は前期を上回りました。
また、第4四半期以降で中古車市場の流通量は回復傾向にあるものの、通年では中古車流通量が前期を下回って
おります。そのような中で中古車向け製品販売は、当社ブランドの業務用コーティング剤の価格改定実施や高機能・高価格帯の製品を使った施工が増えたことで単価が上がり、業務用製品販売全体では前期を上回りました。
c.家庭用製品販売(生活分野)
主力のメガネケア製品では、コロナ禍初期では除菌関連製品の需要増加に伴い「メガネのシャンプー」の新規顧
客獲得につながり、外出機会が増加した今期は洗浄ニーズが高まったことで詰替え用製品のリピートが好調に推移
しました。
一方、くもり止め製品では、CМと連動した店頭でのアプローチ施策を更に強化して進めたことにより、風邪対
策企画以降の店頭販売の落ち込み改善は行えたものの、需要の一巡によるマスク関連製品などの企画の追加導入減
少を補うまでには至らず前期を下回りました。
OEM製品においても、くもり止め製品の需要が落ち着いたことで前期を下回り、家庭用製品販売全体では前期
を下回りました。
d.海外向け販売(自動車分野)
中国では、国内での対コロナ政策の終了に伴い、一時的に感染者数が増加したものの、外食や旅行などのレジャ
ーや販売動向は回復基調にあります。そのような中で販路別の販売促進活動を強化したことでガラスケア製品を中
心に好調に推移し、前期を上回りました。
中国を除く東アジアでは、台湾においては、前期に引き続きSNSを活用したプロモーションの実施や、量販店
向けの企画が成功したことで販売が好調に推移しました。また、韓国においては、今期より上市した化学品規制に
対応した処方のボディケア製品「レインドロップ」の売上が好調だったことやガラスケア製品の販売も好調に推移
したことで、東アジア全体でも前期を上回りました。
東南アジアでは、ミャンマーやベトナムへの出荷が増加したことや、EC販売を強化し始めたマレーシアやシン
ガポールでの出荷が引き続き好調だったことにより、東南アジア全体では前期を上回りました。
ロシアでは、ウクライナ侵攻の継続により当社製品の出荷は減少しました。
欧州エリアでは、ウクライナ侵攻に起因する物流不安から景気が減速し、一部の国への出荷が落ち込んだことで
前期を下回りました。
その他エリアでは、主要仕向け地であるブラジルにおいて展示会への出展など新たなアプローチを実施しつつ、
現地語版製品の販売拡大や業務用関連製品の新規開拓が進み、前期を上回りました。
海外向け販売全体では、欧州エリア等での販売減少をアジア圏などの販売増加でカバーしたことにより、前期を
上回る結果となりました。
e.TPMSの企画開発販売(自動車分野)
下期以降はOEM製品の出荷が進んだことで前期と同水準で推移したものの、一部トラックメーカーの出荷停止
に伴う新車販売向け製品の出荷の落ち込みをカバーしきれず、前期を下回りました。
f.電子機器・ソフトウェア開発販売(産業分野)
3Gの停波に伴う4Gへの通信規格切り替え需要や新規案件の受注は好調に推移しております。また、前期は製
品を構成する半導体関連部材の供給が滞っていた影響から、製造・出荷を見合わせておりました。下期以降は部材
の入荷状況が改善したことで、前期を上回りました。
これらの結果、当連結会計年度のファインケミカル事業の売上高は、新車販売低迷に伴うTPMSの企画開発販
売の落ち込みや、コロナ禍から経済社会活動の正常化が進んだことで、一般消費者向け販売の巣ごもり消費需要や
家庭用製品販売に落ち着きが見られたものの、業務用製品販売や海外向け販売、電子機器・ソフトウェア開発販売
が好調に推移したことで、売上高は14,738百万円(同4.5%増)となりました。また、営業利益は原材料や光熱費高
騰の影響に加え、販売ミックスの変化により原価率が上昇したことで、1,724百万円(同22.0%減)となりました。
(ポーラスマテリアル)
a.産業資材部門(産業分野)
半導体市場は、5GやIoTの進展に伴い潜在的な需要は継続するものの、電子デバイスの需要が一巡したこと
や、主にメモリ用途の半導体において供給過多が発生し生産調整されるなど、各種半導体の需要状況にも変化が見
え始めております。コロナ禍で著しく高かった需要が落ち着き始め、今後の状況が予測しづらい状況です。
国内向け販売は、主力の半導体製造用途分野で一部在庫調整が発生したものの、二次電池などに使用される銅箔
用途で出荷を伸ばしたことで前期を上回りました。また、医療用途向け販売は、医療用フィルターや手術向け製
品、器械類等の出荷が好調に推移しました。その他の販売については、工作機械用の空圧機器向けやプリンター用
途、環境関連製品が好調に推移したことで、国内向け販売は前期を上回りました。
海外向け販売では、米国の輸出規制等の影響は限定的で、コロナ禍以前と比べると高い水準で半導体需要が継続
し、大手以外の半導体メーカーにおいても出荷が増加しております。医療用途においても、吸液材等の用途で他社
品からの切替えが進んだことで前期を上回る結果となり、産業資材部門全体でも前期を上回りました。
b.生活資材部門(自動車分野・生活分野)
国内向け販売は、自動車用製品は小売店でのセルアウトが不調だったものの、家庭用製品がメディアに取り上げ
られ販売が好調に推移したこと、スポーツ向け製品の需要がコロナ禍以前の水準に回復したことで、前期を上回り
ました。
海外向け販売は、主力仕向け地である米国において、急激なインフレによる生活必需品以外の消費停滞の影響で
販売が減少したものの、コロナ禍からの回復基調にあるインドネシアや韓国への出荷が好調だったことにより前期
を上回り、生活資材部門全体においても前期を上回りました。
これらの結果、当連結会計年度のポーラスマテリアル事業の売上高は8,554百万円(同11.7%増)となりました。
また、営業利益は、原材料や光熱費高騰による変動費の上昇や、新工場の稼働開始に伴う減価償却発生による原価
上昇に加え、販売増加に伴う物流費や人件費の増加により、1,042百万円(同5.7%減)となりました。
(サービス)
a.自動車整備・鈑金事業(自動車分野)
鈑金事業では、入庫台数の回復には至っていないものの、滞っていた部品供給が一時的に回復したことや業務効
率化による見積精度の向上により、出庫台数や修理単価が増加し前期を上回りました。美装事業においては、自動
車用プロテクションフィルムにかかる施工・物販が好調に推移したことで、自動車整備・鈑金事業全体でも前期を
上回りました。
b.自動車教習事業(自動車分野)
普通車の入所者数については、前期に緊急事態宣言などの影響から外出を制限され時間のできた学生の入所が増
加しましたが、今期は通常に戻りつつある中で、新たに職業用免許の取得需要が高まるなど、コロナ禍の影響は
徐々に弱まりつつあります。高齢者講習や企業研修についても受講者数が回復しましたが、教習事業全体では特需
対応のため教習数を増やしていた前期を下回りました。
c.生活用品企画販売事業(生活分野)
採用アイテム数は増加しているものの、通販需要が落ち着いたことで単品当たりの販売数量が減少したことで、
前期を下回りました。
これらの結果、当連結会計年度のサービス事業の売上高は、生活用品企画販売事業や、教習事業においてコロナ
禍による特需がなくなったものの、自動車整備・鈑金事業での出庫台数の増加や美装事業の強化で売上をカバーし
たことにより売上高は5,455百万円(同0.5%増)となりました。また、営業利益は人件費や燃料費高騰により原価
が増加したものの、自動車整備・鈑金事業で他の利益減少をカバーしたことで226百万円(同13.0%増)となりまし
た。
(不動産関連)
a.不動産賃貸事業(生活分野)
保有物件において一部賃貸物件における事務所の退去などが発生したことで、前期を下回りました。
b.温浴事業(生活分野)
前期は、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発出されたことにより、営業時間の短縮やアルコール提供中止
などの対応を行っておりました。今期は、通常通りの営業活動を行えていることに加え、コラボイベントなどの実
施により新規利用者も増加したことから来場者数が回復傾向にあり、前期を上回りました。
c.介護予防支援事業(生活分野)
コロナ禍から回復基調にあるものの、高齢のお客様の感染症に対する警戒は継続しており、登録者数は低水準で
推移しております。下期以降は感染者数が増加傾向にあることで全体の利用者数が減少し、前期を下回りました。
これらの結果、当連結会計年度の不動産関連事業の売上高は1,422百万円(同14.0%増)となりました。また、営
業利益は、温浴施設での光熱費高騰の影響はあったものの、コロナ禍の影響を受けた前期に比べ、温浴事業におい
て売上が好調だったことにより、251百万円(同7.8%増)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ72百万円の減少となり、当連結会計年度末の残高は19,813百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、2,619百万円の流入(前年同期は3,090百万円の流入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が3,083百万円、減価償却費が802百万円、減損損失が353百万円発生したことや、棚卸資産が376百万円増加したこと、仕入債務が204百万円増加したこと、法人税等の支払額1,202百万円などを要因としております。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、2,176百万円の支出(前年同期は736百万円の支出)となりました。これは主に、ポーラスマテリアルの新工場建設などに伴って有形固定資産の取得による支出1,960百万円が発生したことや、投資有価証券の取得による支出1,125百万円、また投資有価証券の売却及び償還による収入1,210百万円を要因としております。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、516百万円の支出(前年同期は1,120百万円の支出)となりました。
これは主に配当金の支払額791百万円と自己株式の取得による支出323百万円、自己株式の処分による収入350百万円などを要因としております。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
ファインケミカル (千円) |
13,701,646 |
101.6 |
|
ポーラスマテリアル (千円) |
7,542,898 |
108.2 |
|
合計(千円) |
21,244,544 |
103.9 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.サービス事業、不動産関連事業については、生産活動を伴わないため、記載しておりません。
b.受注実績
該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
ファインケミカル (千円) |
14,738,445 |
104.5 |
|
ポーラスマテリアル (千円) |
8,554,330 |
111.7 |
|
サービス (千円) |
5,455,270 |
100.5 |
|
不動産関連 (千円) |
1,422,452 |
114.0 |
|
合計(千円) |
30,170,498 |
106.1 |
(注)セグメント間の取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。また、連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項については、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。これらの概要については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」の「注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
また、繰延税金資産の回収可能性及び固定資産に関する減損損失の認識の判断に関する会計上の見積りの仮定においては、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえて、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」の「注記事項 (追加情報)」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、仕入に係る費用と販売費及び一般管理費などの営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資及び新事業創出のための投資によるものであります。
当社グループの運転資金は自己資金を基本としており、金融機関からの借入は行っておりません。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は、営業預り保証金168百万円のみとなります。長期借入金295百万円については、従業員の福利厚生に資する「従業員持株会支援信託ESОP」導入に際しての信託スキームによる借入です。これは実質的に当社が利息の支払いを行うものではないため、有利子負債の残高には含んでおりません。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は19,813百万円であります。当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について
第6次中期経営計画(2020年4月~2022年3月)最終年度である2023年3月期の達成・進捗状況は以下のとおりであります。
|
指標(連結) |
第6次計画値 (計画) |
2023年 3月期 (計画) |
2023年 3月期 (実績) |
第6次計画値 達成状況目標比 (%) |
2023年3月期 達成状況目標比 (%) |
|
売上高 (百万円) |
27,100 |
29,000 |
30,170 |
111.3 |
104.0 |
|
営業利益 (百万円) |
2,850 |
3,200 |
3,256 |
114.3 |
101.8 |
|
経常利益 (百万円) |
3,000 |
3,400 |
3,440 |
114.7 |
101.2 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 (百万円) |
2,100 |
2,250 |
2,063 |
98.3 |
91.7 |
|
(参考)ROE(%) (純利益/純資産) |
4.0 |
- |
4.0 |
- |
- |
|
(参考)ROIC(%) (税引後営業利益/投下資本) |
6.1 |
- |
7.1 |
- |
- |
第7次中期経営計画期間中のROICは概ね7.0~8.0%を推移する想定としており、当社の資本コストについては中長期的には概ね5.5~6.0%の水準であると認識しております。
今後も余資を活用した業容拡大に向けて、新しい製品・サービスの開発、新市場への進出に向けて、より一層注力してまいります。
該当事項はありません。
当社グループは多様化、高度化、精密化した顧客ニーズに対応していくため、ファインケミカル事業とポーラスマテリアル事業にて製品の研究開発を進めております。
当連結会計年度における各事業別の研究開発活動の状況及び研究開発費の金額は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、
(ファインケミカル)
当事業における当連結会計年度の研究開発費は
主な研究成果は次のとおりであります。
(1)自動車ボディ・ガラス・車内
①ディグロス 鬼黒タイヤワックス
カーボンブラックとブラックシャインカルナバを使用しており、タイヤを黒々と輝かせ、2か月以上も効果が持続します。耐久性に優れ、雨や汚れ、UVからタイヤを守り、白化や赤茶けを防止します。水性タイプで石油系溶剤を使用していないため、ニオイが少なく快適に使用することができます。
②ルームピア トレタナ本革用
車内の本革用クリーナーで、ボトル一体型容器を握ってシートをこするだけで、汚れを簡単に除去することができます。極細毛を高密度で配置した「MVB」ブラシを採用し、皮革を傷めずに奥まで入り込んで汚れをかき取ることが可能です。また、特殊界面活性剤とカルナバロウを配合し、色移り汚れもしっかり落とし、レザーに自然なツヤと柔らかさを与えます。特殊レジンを配合することで、レザーシートだけでなく塩ビやウレタンなどの合成皮革へも対応しており、着座時に滑りにくくさせることで、快適なドライビングポジションを維持することができます。
③G‘zоx ハイモースコートジ・エッジ
2層構造のガラス系ボディコーティングで、モース硬度レベル8の超高硬度被膜が高い光沢を生み出し、撥水・耐久性能に優れ、ベース層には高いバリア性、トップ層には高い撥水性能を発揮させることで、美しいボディを長期間維持することが可能です。発揮被膜は滑り性に優れ、水が弾かれた瞬間に流れ落ちるほどの圧倒的なパフォーマンスを実現しております。
(2)衛生対策
①PROSPEC抗菌抗ウイルスメンテナンスコート
このコート剤は、ドアノブや手すり、エレベーターの操作パネルなど手が触れる部分に簡単に施工できます。液剤を吹きかけて軽く拭き伸ばすだけで、抗菌・抗ウイルス効果が得られます。また、定着安定化剤と静電相互作用によって摩擦に強い耐久被膜を形成し、接触や擦れにも強く、効果は約1カ月持続します。素材に優しいアルコールフリー設計で、当社防汚コーティング剤のメンテナンスとしても活用することが可能です。
(3)家庭用製品
①スポルファ フォグシールド
スポーツアイウェアのレンズやゴーグルに直接拭き上げるだけで使えるクロスタイプのくもり止め商品です。スノーボードやスキー、ランニング、自転車、釣りなどのスポーツシーンで、アイウェアがくもるストレスを解消します。高吸着防曇成分HASを配合しており、強力で耐久力のあるくもり止め効果を発揮します。約150回使用可能で、エラストマー製ケースも付属しており、携帯にも便利です。屋外で手軽に使えるので、スポーツ中でもすぐに使用することができます。
当連結会計年度において、特許出願数は2件、実用新案出願数が3件でした。
当事業の研究開発活動は合計8名で行っております。
(ポーラスマテリアル)
当事業における当連結会計年度の研究開発費は
主な研究成果は次のとおりであります。
(1)メディカル関連
第2種医療機器製造販売業の業許可を取得し、クラスⅠ、Ⅱの商品開発が可能となりました。クラスⅠの商品開発は、医師による評価で課題が明白になり改良に着手しました。また、クラスⅡの商品開発を進め、医療機器申請に必要な安全データ等の取得を開始しました。
(2)電極材関連
大学との基礎研究を行いつつ、当社電極材の特性を有効に活用できる用途、パートナーを模索しております。
(3)新規テーマ関連
今年度も引き続き、大学とは下記の共同研究を進めております。
・硬脆材料用研磨材の開発:SiC基板だけではなく、他材料の砥粒レス研磨の可能性について検討を進めております。
・医療系に向けたPVAスポンジへの機能付与:PVAスポンジのQS抑制効果検証に加え、遺伝子検査に最適なPVAスポンジの選定を目的とした評価を実施しました。
・脱窒処理用担体の開発:嫌気性処理に適する担体の開発と処理性能の評価を実施しました。
(4)半導体用洗浄関連
ユーザーからのBreak-in時間短縮要求に対し、洗浄性能の向上、ブラシの改良、後洗浄方法等について開発を進めています。
(5)HD用研磨剤関連
HD基板の薄肉化に伴い、ユーザー毎に改良点の異なるリクエストに基づいて、砥石の開発、提案、及び品質安定化の取り組みを続けております。また、次世代の基板に対応する砥石の開発も継続しております。
(6)生活資材関連
新規ブランド「STTA」で展開している「Stick type」については、引き続き営業サイドで拡販活動を続けております。
当連結会計年度において、特許出願が2件、実用新案出願が2件ありました。また、特許の登録は3件、実用新案の登録が2件でした。
当事業の研究開発活動は合計27名で行っております。