当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する記載は、当連結会計年度末現在(2023年3月31日現在)において当社グループが判断したものであり、また当社グループとしてその実現を約束するものではありません。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「お客様の次世代ビジネスの成功を先端IT技術でリードし、お客様とIT業界にイノベーションを起こす」ことを共通の理念として集い設立された企業集団です。
この理念を具現化するために、当社グループでは、先端IT技術と独自のナレッジベース「ULBOK(ウルボック)」等を駆使し、顧客本位のIT戦略の立案とその実行を一貫して顧客サイドで支援することで、顧客企業の競争優位性を支える情報システム投資(戦略的IT投資)を成功に導く、顧客企業にとって唯一無二のビジネスパートナーになることを目指しております。
また、これらの理念に基づく事業を積極的に展開することにより、日本のIT産業の健全な発展に貢献するとともに、株主・投資家を始めとする当社を取り巻く利害関係者へ積極的に利益還元することを経営の基本方針としております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループが最重要視している経営指標は、経常利益とその中長期的成長です。経常利益は期間収益に対応している最終の利益項目であり、この成長は専門家集団としての当社グループの競争力の証であるとともに、株主を始めとする利害関係者への利益配分の源泉となる利益であります。このため、計数面では経常利益の中長期的な成長を最重要視した経営を行っております。
(3) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略
当社グループの事業戦略は、顧客企業の競争優位性を支える情報システム投資(戦略的IT投資領域)を事業ドメインとし、この領域において顧客の意思決定を最大限支援するデジタル・IT戦略立案支援、業務・システム変革支援、プロジェクトマネジメント支援、アジャイル開発等のコンサルティングサービスを行うコンサルティング事業を安定成長の基軸事業としつつ、この基軸事業で得られた知見をもとに、ソフトウェア開発やその他の先端技術領域への積極投資を行うことで多くの顧客層に当社ならではのソリューションを提供し事業を拡大していく戦略を採っております。
コンサルティング事業の事業ドメインである顧客企業の競争優位性を支える「戦略的IT投資領域」は、企業経営における戦略的IT投資の重要性が増し、多くの企業でいわゆるDX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みが本格化するなか、今後も中長期的に堅調に拡大推移するものと確信しております。その一方で、後述の「(4)対処すべき課題」や「3事業等のリスク」に記載のとおり、当該「戦略的IT投資領域」は、顧客企業の差別化要因の一翼を担う投資領域であるため、不断の改良と投資が必要であると同時に、必然として顧客企業からのニーズは複雑化、高度化し難易度も高くなる傾向にあります。
このように要求されるサービス内容(顧客の満足水準及びその内容)の質・量両面の変化に適切に対応するため、当社グループでは、最大の資産である人材(人財)の成長なくして当社グループの成長なしという認識のもと、人的資本への投資(採用・育成・アサイメント・品質管理)を最重要視した組織運営を行なって参ります。さらに、顧客企業や協業他社とのアライアンスを積極的に進めるとともに、将来有望と思われるFintech分野の金融技術、AI(人工知能)、クラウド技術、IoT(Internet Of Things)等の先端IT技術の調査・研究及びその取り込み・適用を積極的に進め、質・量とも組織的成長を果たすことで結果として中長期的な利益成長につなげて参ります。
今後、これらの投資と短期的成果のバランスを取りながら、顧客満足度の維持向上を図り、経常利益の中長期的成長を追求していく所存です。
(4) 対処すべき課題
2024年3月期においては、3年ぶりに国内の社会経済活動の正常化が期待できるものの、ウクライナにおける戦乱長期化に伴う資源高や急激な利上げに伴う海外景気後退懸念は続くと見込まれ、日本経済全体の見通しとしては、依然として不確実性の高い状態が続くことが想定されます。
一方で、社会の趨勢として民間企業の事業活動はもちろん社会経済活動全体のデジタル化への動きは、着実に広がりを見せており、いわゆるDX(デジタルトランスフォーメーション)を推し進める企業や公共部門からの需要は、益々堅調に推移するものと確信しております。
このような見通しに基づき、2024年3月期において当社グループは、旺盛なお客様からの需要に適確に応え、人的資本への投資を中心に経営基盤強化をさらに進めることで、コンサルティング事業を本格的な成長軌道に乗せてまいります。すなわち、マネジメント層や人材の採用・育成チームを含むバックオフィス部門の増強、大幅なベアを含む報酬制度の改善、人材育成や福利厚生制度の拡充及びプロジェクトの品質管理活動の徹底・強化など強固な経営基盤の構築により、優秀なエンジニア、コンサルタントの採用数を従前の年間50名-60名から年間100名-120名相当とし、結果として、まずはグループ全体で1,000名程度での事業活動が想定できるように必要な策を着実に進めてまいります。また、外部企業とのアライアンスやM&A並びに今後有望と思われる先端技術やシナジーの高い事業体への投資を必要に応じて実施し、コンサルティング事業のさらなる供給能力強化と高付加価値化を実現してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組の状況は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理
当社グループが生業としているDX(デジタルトランスフォーメーション)に関するコンサルティング事業の本質は、顧客企業における業務プロセス改善に留まらず事業のデジタル化を通じてビジネスモデルそのものに変革を促し、売上・利益の向上のみを目指す旧来モデルからサステナビリティの考え方を事業推進要素に取り入れた持続可能なビジネスモデルへのシフトを支援する活動であると認識しています。この認識に基づき、当社グループでは、顧客企業へ高品質且つ適切なコンサルティングサービスの持続的提供のため、多岐に渡る先端IT技術に関する知見・経験や、顧客事業視点でのサステナビリティ項目への取り組み支援に関する知見・経験について研鑽を重ねると同時に、サービス提供の土台となる人材の採用・育成、報酬制度、能力開発、アサイメント、福利厚生、健康増進活動、品質管理活動等の人的資本への投資を最重要視した人的資本経営を実践することで、中長期の持続的企業価値成長と社会のサステナビリティへの貢献を実現していきます。
上記の当社グループのサステナビリティに関する考え方に基づき、当社取締役会において当社グループのサステナビリティに関する基本方針を下記のとおり定め、取締役会の直下に設置したサステナビリティ委員会(委員長:当社代表取締役社長、事務局:当社人事・総務部)にて、サステナビリティに関して当社グループが具体的に取り組むべき事業機会やリスクの把握、課題の検討、目標の設定、諸施策の決定並びにその執行に関するモニタリングを行っています。
<当社グループのサステナビリティに関する基本方針>
①私たちは、先端IT技術を駆使し、企業に社会にイノベーションを起こし続けることを通じて、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
②私たちは、プロフェッショナル集団であることを自覚し、不断の能力開発、健康増進への投資とたゆまぬ改善努力により、中長期的企業価値成長を実現します。
③私たちは、成長ステージに応じた健全な企業統治体制に基づく経営を実現し、利害関係者のみならず社会全体と強固な信頼関係を構築します。
(2)重要なサステナビリティ項目
上記、ガバナンス及びリスク管理を通して識別された当社グループにおける重要なサステナビリティ項目は次のとおりであります。
<人的資本>
前述の当社グループのサステナビリティに関する考え方や基本方針並びに“人”が事業基盤の全てであるという当社グループ事業の特性から、当社グループにおいて最優先で取り組むべきサステナビリティ項目は、「人的資本」であり、当社グループの中長期の持続的企業価値成長は、すなわちこの人的資本の投資対象となる「人財」の成長であると認識し、人財の成長を最大限促す「人的資本経営」を推進しております。
当該「人的資本経営」に関するガバナンス及びリスク管理については前述のとおりですが、その「戦略」及び「指標及び目標」については次のとおりです。
また、当該「人的資本経営」に係る活動の具体的な指標に関する目標及び実績は次のとおりであります。なお、現在サステナビリティ委員会においては、当該活動に係る制度の更なる体系的整備及び効果的運用のため具体的な指標及び数値目標の追加の設定の検討を重ねており決定次第、制度の整備及び運用を行っていく所存です。
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指標 |
目標 |
実績(当連結会計年度) |
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健康診断の受診率 |
100% |
97% |
経営者が、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。
なお、文中に将来に関する記載がある場合には、当連結会計年度末現在(2023年3月31日現在)における当社グループの認識を基礎とした記載であり、将来の環境の変化によって当該認識は変化する可能性があります。
1.外部環境に起因するリスクについて
(1) 競合優位性について
当社グループは、主に次の施策をとることによって、情報サービス産業において独自のポジションを確立し、情報サービス産業全体の動きと一線を画して事業展開を図っております。
① 顧客事業の競争優位性を支える情報システム投資(戦略的IT投資領域)を事業ドメインとし、この領域において顧客の意思決定を最大限支援するデジタル・IT戦略立案支援、業務・システム変革支援、プロジェクトマネジメント支援、アジャイル開発等の高付加価値サービスに特化して事業展開を行うこと。
② いわゆる「戦略的IT投資領域」における顧客の意思決定を最大限支援することに特化した弊社の各種コンサルティングサービスの実行過程で生まれる膨大なナレッジやノウハウに加え、日々進化するIT技術に関する知見を、「ULBOK(ウルボック)UL Systems Body OF Knowledge」等の組織知として蓄積・整理・適用することで顧客の意思決定を組織として高い品質で支援できる体制を構築していること。
このような事業コンセプトに基づく当社グループ主要事業であるコンサルティング事業の競合相手となる企業は、現在のところ存在していないと考えています。しかしながら、このような事業領域において、他社による積極的な取り組みがあった場合には、その動向次第では当社グループの競合優位性が薄れ、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) IT技術動向について
当社グループは事業ドメインを、顧客の「戦略的IT投資領域」に絞り、この領域における顧客の意思決定を最大限支援するための各種コンサルティングサービスに経営資源を集中的に投入し、この領域において圧倒的な存在感を築き上げるべく事業を展開しております。
当面の事業方針においても、当社グループがターゲットとする顧客の高度な要求にスムーズに対応できる高度なIT技術と、これを適切な局面で適用するためのアイデアを着想し実行するノウハウを組織的に蓄積・向上することを最重要課題の一つとして位置づけており、「ULBOK(ウルボック)」等の組織知のメンテナンスは組織をあげて取り組んでおります。しかしながら、このような顧客の収益力に直結する「戦略的IT投資領域」におけるIT技術の革新のスピードは目覚しいものがあり、当社グループが想定している以上にIT技術の著しい進歩があった場合には、当社グループがこれに十分な対応を行えるか否かは不透明であり、十分な対応をできない場合には、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(3) 感染症の流行や大規模災害等の発生について
感染症の流行や地震等の大規模災害が発生した場合に備え、当社グループではこれらの非常時への備えを平時からシステム上、業務上行っておりますが、想定を超える規模や内容で感染症の流行や大規模災害等が発生した場合には、その復旧費用やプロジェクト中断/延期等により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
2.当社グループ固有のリスクについて
(1) プロジェクトのリスク管理体制について
プロジェクトの提案・受注・実行及びこれらを支援する業務は、当社グループの企業活動の主要な部分を占めており、これら一連の活動から発生する種々のリスク(見積もりリスク、信用リスク、契約内容に関するリスク、人繰りに関するリスク、プロジェクト管理に関するリスク、品質に関するリスク、外注管理リスク等)を回避又は管理することは当社グループ経営上の重要課題の一つとして認識しております。このため、当社グループではプロジェクトを直接運営する各子会社の各事業部による社内規程に基づいた厳格な手続きやレビュー等に加え、事業部から独立してプロジェクト・マネジメントを専門的に支援する部署としてプロジェクトサポート&アシュアランスチーム(PSAT)等を、また当社の社長直轄に内部監査室を設置し、プロジェクトに関わるリスクを専門的・全社的な見地から把握・管理する体制を整備し、運営しております。
現在の事業規模と事業内容を考慮すると現体制で十分機能しておりますが、現状のリスク管理体制に甘んじることなく将来の事業拡大や事業内容の変化に備え、組織的にリスク把握や解決手段に関するノウハウや経験を蓄積し、これを社内で共有しています。しかしながら、これらのリスク管理体制の能力の向上には一定の時間を要するものであり、将来の事業拡大や事業内容の変化が想定以上に速く進んだ場合には、当社グループのリスク管理体制が有効に機能しない可能性があり、この場合には、当社グループの円滑な事業拡大や経営成績に影響を与える可能性があります。
(2) 検収時期等の遅延による経営成績への影響について
当社グループでは顧客から受注する各プロジェクトの収益認識に関して、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2021年3月26日)を適用しております。当該会計基準の適用上、受託プロジェクトの成果物に関して、顧客の受入検査に基づく「検収」やその「検収」の確度は、収益認識額決定の重要な要素の1つであります。当社グループでは、当該検収を予定通りに受けることができるように、プロジェクトの品質管理について厳しい内規を定め運用しておりますが、顧客の都合等により検収時期が遅延又は遅延見込みとなった場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 投資目的のプロジェクト発生の可能性について
当社グループでは、顧客企業の高い要求水準に対応できる高いIT技術を組織的に維持・拡大していくため、先進性や革新性、更には将来の利用可能性等の観点から有望なIT技術の獲得には非常に貪欲であり、これらの技術の獲得のために意図的に収益性の非常に低い(投資目的の)プロジェクトを受注する場合があります。このような中長期的な競争力維持・向上のための投資目的プロジェクトの受注も想定して全体の収益計画に織り込んでおりますが、想定を上回る低採算のプロジェクトが発生した場合には、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(4) システム開発に関する工程見積もりリスクについて
国内外のシステム・インテグレーター各社がしのぎを削る受託システム開発業界においては、競合の多いケースでは特に、受注活動を優先し、顧客のシステム要件が確定していない段階でも請負契約形態による契約の締結が行われているケースがあります。請負契約は、一定の納期において、一定の品質以上での仕事の完了(システムの納品)を顧客に対して約する契約であり、作業開始時の開発作業量の見積もりを誤ると大幅なコストオーバーランや作業遅延もしくはこれに伴う損害賠償責任が生じる可能性があります。当社グループにおいても、業務の性格上システム開発を伴うプロジェクトの受託を行う可能性はあり、受託の場合には同様のリスクを内含します。このようなリスクに対処するため、当社グループでは、「ULBOK(ウルボック)」等の組織知として蓄積してきた業務ノウハウと経験及びプロジェクト遂行の方法論を十分に活かすことができ且つ先端のIT技術を適用できる参入障壁の高い開発案件にフォーカスしたり、可能な限り作業及び契約を細分化し、顧客の要件が明確化してから請負契約を締結する等の内部ポリシーを設定することにより、リスクを回避しています。しかしながら、こうした対処によっても全てのリスクを回避することは困難であり、将来において不測の事態が発生した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 契約不適合責任及び品質保証引当金について
当社グループが受注する一部のプロジェクトでは、顧客との間で請負契約を締結しております。当該契約には、一般に顧客による受入検査に基づく検収の後にも必要に応じて一定期間無償で役務の提供を実施する旨を約した契約不適合責任条項が含まれており、当社グループではこのような売上後の追加原価発生に備えて、当社グループ内規に従い必要に応じて品質保証引当金を計上しております。追加原価の最大の発生原因である不具合(いわゆるバグ)は完全に解消することは不可能といわれており、当社グループとしては不具合発生の低減のために品質維持・向上活動に注力し、且つそれでも発生する場合の追加原価に対応する品質保証引当金を見積もり計上しておりますが、実際のプロジェクトで発生した契約不適合等の補修費用が見積もり額を超える場合には、当該引当金の追加計上が必要となり、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(6) プロジェクトにおける委託先管理について
当社グループが受注する一部のプロジェクトでは、人的資源等の制約から外部業者に対して再委託をすることがあります。当社グループでは、委託先選定に当たっては、財務体質等の他、プロジェクト遂行能力を様々な側面から評価する手続となっております。しかしながら、委託先のプロジェクト管理が適切に行われない場合には、コストの増加や納期遅延あるいは品質の低下等を招く可能性があります。当社グループでは、社内規定に基づく厳格なプロジェクトリスク管理体制により早期の問題の顕在化及び対処を行っておりますが、不測の事態によりそのような問題の早期発見や対処を適切に行うことができない場合には、損失を計上しなければならず、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 人員の確保と育成について
当社グループは、2023年3月31日現在、当社役員8名(独立社外取締役2名を含む)、子会社役員5名(当社役員及び従業員との兼務は含まず)、従業員475名からなる事業体グループであり、このうちコンサルティング事業に携わるコンサルタントは合計421名(当社グループへの出向者を含み、当社グループ外への出向者を含まないコンサルタントの人数)です。コンサルティング事業については、労働集約的な要素を極力排除しておりますが、当社グループのコンサルタントの数が当社グループの売上の額を決定する大きな要因の1つになると考えられます。従って、今後当社グループが事業を拡大するためには、既存のコンサルタントに加えて当社グループのコンサルティング事業に関して業務遂行能力を有する人員の確保が重要課題となります。また、これと同時に、人員の育成と定着率の向上が不可欠です。このため、当社グループでは各人の適性とキャリアプランを考慮した人材の配置(アサイメント)、透明性の高い人事考課の徹底、充実した報酬・人材育成・福利厚生制度の運用等の諸施策を実施していますが、当社グループのこれらの施策が将来にわたって効果的である保証はなく、今後退職者の増加や採用の不振等により必要な人員確保ができなかった場合には当社グループの事業拡大に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(8) 代表取締役への依存度について
当社の代表取締役社長である漆原茂は、当社の設立以来、当社の経営方針や戦略の決定を始め、事業開発、ブランド力の向上等において重要な役割を果たしております。また、漆原茂は2003年12月に当時の筆頭株主であったWP Japan Holdings, L.L.C.から当社株式の大半を買い取り、2023年3月31日現在当社発行済株式総数の40.7%を有する筆頭株主でもあります。当社は、事業拡大に伴い社長に過度に依存しない経営体質の構築を進めておりますが、何らかの理由により社長に不測の事態が生じた場合、または社長が退任するような事態が生じた場合には、当社グループの今後の経営成績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 組織体制について
2023年3月31日現在、当社グループは、当社役員8名(独立社外取締役2名を含む)、子会社役員5名(当社役員及び従業員との兼務は含まず)、従業員475名からなる事業体グループであり、そのうちコンサルティング事業を直接推進する人員438名(各事業本部のコンサルタント、事業本部長並びに営業部員(当社グループへの出向者を含み、当社グループ外への出向者を含まない人数))を支える持株会社である当社及び連結子会社所属のいわゆる管理部門の従業員は37名と現在の事業規模に応じたものとなっております。今後は、事業の拡大に伴い、人員の質・量とも強化し充実した内部統制組織の構築を図っていく方針でありますが、採用活動が計画通りに進まなかった場合には、事業規模に適した組織体制の構築に遅れが生じ、適切な組織的対応ができないことにより当社グループの業務運営に支障が生じる可能性があります。
(10) 知的所有権に関する訴訟の可能性について
当社グループの着実な事業発展のためには、積極的な知的所有権の蓄積及び活用が重要な要素になると考えられます。当社グループは、現在のところ研究開発活動の一環として数件の特許申請及び商標登録並びに著作権登録をしており、今後も積極的に当社グループの権利保護や収益の拡大を目的とした知的所有権の出願・登録を実施してまいります。当社の法務部はこれらの司令塔的役割を担っており、特許事務所又は法律事務所を通じて知的所有権の調査・確認及び契約上の責任の限定(損害賠償責任制限条項等)を随時行っております。現時点では、当社グループが第三者から他人の特許権、著作権、商標権等の知的所有権の侵害を理由として、また取引先から当社グループの過失等による契約違反を理由として、裁判上又は裁判外の損害賠償等の請求を受けたという事実は存在しません。しかしながら、IT産業における知的所有権の調査・確認作業も煩雑化しており、また、想定されるトラブル事例も不足しているのが実情であります。このため、当社グループの調査・確認作業の遅れ、不測のトラブル等により、当社グループが提供するサービス又は製品及び当社グループが使用している著作物、商標等に関して第三者から知的所有権の侵害を理由とする裁判上又は裁判外の損害賠償請求又は差止請求を受ける可能性があります。また、当社グループが提供する各種サービス及び製品に起因する知的所有権侵害があり且つ契約に損害賠償責任制限条項がないときには間接損害まで含めた多額の損害賠償請求を受ける可能性があります。
(11) 情報管理について
当社グループの事業においては、その性格上、個人情報を含む顧客に関する機密情報を取り扱うケースが多くあります。当社グループでは、これらの顧客情報について社内規程に基づく厳格な管理を行っており、過去に顧客情報の重大な漏洩が起きた事実はありません。また、これらに起因する損害賠償請求を受けた事実もありません。しかし、今後、顧客情報管理について何らかの問題が生じた場合には、損害賠償責任の発生や当社グループに対する信頼の低下により当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(12) 投資有価証券等の減損処理の可能性について
当社は、将来有望と思われるIT技術を有する企業や潜在的に大きな相乗効果が見込まれる顧客企業・協力企業等との間では、業務上の関係のみならずより強固な関係を構築するため、当該企業へ直接または間接に投資(株式等の取得)を行っています。このような活動は、将来の相乗効果の発現による当社資産価値増大を通じてより多くの果実を当社グループにもたらす可能性がある反面、当初見込んでいた相乗効果が発現しない場合や、対象企業の事業の成長性や収益性が期待通り実現しない場合には、株価や実質価額の下落等により取得した投資有価証券等について減損処理が必要となる可能性があり、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
経営成績等の状況の概要
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウィルス感染症対策の進展により、国内の社会経済活動は正常化に向けて動き出しましたが、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化による物価高や欧米の金融引き締めに伴う海外景気の後退懸念も台頭し、先行き不透明な状況となりました。
このような経営環境のなか、当社グループの属するIT市場、とりわけ先端デジタル技術を活用し企業・組織変革を支援するいわゆるDX(デジタルトランスフォーメーション)コンサルティング市場については、民間部門・公共部門問わず非常に旺盛な需要が継続しており、当社グループもこれらの需要に適確に対応するため、人的資本を中心に果断な成長投資を実施してまいりました。特に人材採用面については、採用チームの増強やエージェントとの連携強化を図り、採用活動を強力に推し進めた結果、コンサルタント数は前連結会計年度末比61名増(16.9%)の421名と過去最高の大幅な増員を実現しました。また、今後の事業成長加速を見据えた経営基盤強化のため、マネジメント層や管理部門の増強、大幅なベアを含む報酬制度の改善、人材育成・福利厚生制度の拡充及びオフィスやITインフラ環境整備を進めました。なお、前述のコンサルタント数を含めた当社グループ全体の従業員数は、前連結会計年度末比73名増(18.2%増)の475名となっております。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、以下のとおりとなりました。
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売上高 |
8,515,251千円 |
(前連結会計年度比15.6%増) |
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営業利益 |
1,727,852千円 |
(前連結会計年度比7.6%増) |
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経常利益 |
1,726,119千円 |
(前連結会計年度比7.4%増) |
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親会社株主に帰属する当期純利益 |
1,233,679千円 |
(前連結会計年度比23.5%増) |
当連結会計年度の業績の概要は以下のとおりです。
①売上高
売上高については、主に金融、情報通信、サービス、製造及び自治体等を中心とする既存顧客が推し進めるDX投資の拡大に伴い、引き続き受注が堅調に推移し、前連結会計年度比1,148,115千円増加(15.6%増)の8,515,251千円となり、過去最高を記録しました。
②売上原価、売上総利益、販売費及び一般管理費、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益
損益面については、採用活動を加速させるとともにマネジメント層や管理部門の増強など経営基盤強化策を積極的に実施し、販売費及び一般管理費は前連結会計年度比307,409千円増加(23.2%増)と大幅に増加したものの、堅調な売上高の拡大と品質管理の徹底を継続したことにより、営業利益は前連結会計年度比121,628千円増加(7.6%増)の1,727,852千円、経常利益は前連結会計年度比118,706千円増加(7.4%増)の1,726,119千円となり、それぞれ過去最高を記録しました。
また、親会社株主に帰属する当期純利益については、主に前述の理由に加え投資有価証券の一部を売却したことにより、前連結会計年度比235,119千円増加(23.5%増)の1,233,679千円と過去最高を記録しました。
③資産、負債及び純資産の状況
総資産は、主に事業拡大による流動資産の増加により前連結会計年度末比788,497千円(9.0%)増加の9,564,185千円となりました。また、負債についても、賞与引当金及び未払法人税等の増加により前連結会計年度末比211,952千円(13.4%)増加の1,792,410千円となりました。当連結会計年度末における純資産合計は、自己株式599,971千円の取得があった一方で、親会社株主に帰属する当期純利益1,233,679千円の計上があったこと等により、前連結会計年度末比576,545千円(8.0%)増加の7,771,774千円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、売上債権の増加、有形固定資産の取得、自己株式の取得、配当金の支払いによる支出等の要因により一部相殺されたものの、税金等調整前当期純利益が1,924,161千円(前年同期比19.7%増)と増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ129,925千円増加し、当連結会計年度末には5,603,498千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、837,240千円(前年同期比47.3%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益1,924,161千円、売上債権の増加554,852千円、法人税等の支払額631,554千円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は、45,107千円(前年同期は85,853千円の支出)となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入197,682千円、有形固定資産の取得による支出150,372千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は752,423千円(前年同期比343.5%増)となりました。これは主に自己株式の取得による支出599,971千円、配当金の支払額201,753千円等によるものです。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当社グループは単一セグメントであり、当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
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コンサルティング事業(千円) |
5,152,447 |
16.3 |
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合計(千円) |
5,152,447 |
16.3 |
(2)受注実績
当社グループは単一セグメントであり、当連結会計年度における受注実績は次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
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受注高 (千円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (千円) |
前年同期比 (%) |
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|
コンサルティング事業 |
9,340,561 |
18.8 |
3,312,369 |
24.7 |
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合計 |
9,340,561 |
18.8 |
3,312,369 |
24.7 |
(注)受注高及び受注残高は作業指示書入手済みの案件を記載しております。
(3)販売実績
当社グループは単一セグメントであり、当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
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コンサルティング事業(千円) |
8,515,251 |
15.6 |
|
合計(千円) |
8,515,251 |
15.6 |
(注)前連結会計年度及び当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、特定の顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の10%未満であるため記載しておりません。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中における将来に関する記載は、当連結会計年度末現在(2023年3月31日現在)において判断したものであり、当社グループとしてその実現を約束するものではありません。
(1)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
①経営成績
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、下記のとおりとなりました。
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売上高 |
8,515,251千円 |
(前連結会計年度比15.6%増) |
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営業利益 |
1,727,852千円 |
(前連結会計年度比7.6%増) |
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経常利益 |
1,726,119千円 |
(前連結会計年度比7.4%増) |
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親会社株主に帰属する当期純利益 |
1,233,679千円 |
(前連結会計年度比23.5%増) |
現在、当社グループの展開する事業のセグメントはコンサルティング事業の単一セグメントです。また、中期経営計画等の策定・公表は行っておりませんが、経常利益の中長期の成長を重要指標として事業展開を行っており、以下に示す分析・検討は、原則、前連結会計年度との対比で行っております。
売上高は、前連結会計年度比15.6%増加の8,515,251千円となり、過去最高を記録しました。売上高に重要な影響を与える主な要因は、顧客企業のIT投資動向等の市場動向や当社グループのコンサルティング事業直接人員数及び当社グループの品質管理に適合したパートナー事業者の確保などですが、その他の要因については前述の「3事業等のリスク」に記載のとおりです。
当連結会計年度の売上高増加の主な要因は、主に金融、情報通信、サービス、製造及び自治体等を中心とする既存顧客が推し進めるDX投資の拡大に伴い、当社グループが得意とするデジタル・IT戦略立案支援、業務・システム変革支援、プロジェクトマネジメント支援等の高付加価値ITコンサルティングサービスの受注・売上が堅調に推移したことにあると分析しております。
コンサルティング事業直接人員数(期末人数)及び外注費の推移は下記のとおりです。
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2021年3月期 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
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コンサルティング事業直接人員数(期末人数)※1 |
342 |
377 |
438 |
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(内)コンサルタント数(期末人数)※1 |
326 |
360 |
421 |
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外注費(千円)※2 |
- |
770,473 |
784,296 |
※1 当連結会計年度の当社グループの業績は、前連結会計年度末のコンサルティング事業直接人員数及びその内数としてのコンサルタント数の多寡にも影響を受けることから、上表では直近3連結会計年度の各期末人数を記載しております。
※2 外注費については、売上高に対応する外注費のみ記載しております。
営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益については、1,727,852千円、1,726,119千円及び1,233,679千円となり、いずれも過去最高を記録するとともに、経営上重要視している経常利益については、11期連続で過去最高益を達成しております。これらの利益項目に重要な影響を与える主な要因としては、売上高の増加要因に加え、当社グループの品質管理活動の改善活動及び経営管理活動の適正化・効率化と認識しておりますが、その他の要因については前述の「3事業等のリスク」に記載のとおりです。
当連結会計年度の営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益の主な増加要因は、採用活動の加速に加えマネジメント層や管理部門の増強など経営基盤強化策を積極的に実施したことにより、販売費及び一般管理費は前連結会計年度比307,409千円増加(23.2%増)と大幅に増加したものの、前述の売上高の増収要因に加え、プロジェクトの品質管理活動と経営管理活動の適正化・効率化を引き続き徹底した点にあります。品質管理活動については、当社グループの信用創造の礎になる活動であるとの認識のもと、重層的な品質管理活動の徹底と不断の改善努力を続けており、当連結会計年度については、重要な不採算案件は発生しておりません。また、経営管理活動の適正化・効率化は、事業拡大に伴い業務量が増大するなか、優秀な経営管理要員の獲得に加え、能力の専門化・適材配置、ナレッジの共有化、業務のIT化等を推し進めることにより、将来の事業拡大に備えつつ販売費及び一般管理費を拡大局面においても適切に管理することに
より利益額の増加に貢献しております。前連結会計年度及び当連結会計年度の管理業務従事者数(期末人数)及び販売費及び一般管理費は下記のとおりです。
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2022年3月期 |
2023年3月期 |
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管理業務従事者数(期末人数) |
25 |
37 |
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従業員総数に対する割合 |
6.2% |
7.8% |
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販売費及び一般管理費(千円) |
1,327,541 |
1,634,950 |
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対売上高比率 |
18.0% |
19.2% |
②財政状態
総資産は、主に事業拡大による流動資産の増加により前連結会計年度末比788,497千円(9.0%)増加の9,564,185千円となりました。また、負債についても、賞与引当金及び未払法人税等の増加により前連結会計年度末比211,952千円(13.4%)増加の1,792,410千円となりました。当連結会計年度末における純資産合計は、自己株式599,971千円の取得があった一方で、親会社株主に帰属する当期純利益1,233,679千円の計上があったこと等により、前連結会計年度末比576,545千円(8.0%)増加の7,771,774千円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
①キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容について
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、売上債権の増加、有形固定資産の取得、自己株式の取得、配当金の支払いによる支出等の要因により一部相殺されたものの、税金等調整前当期純利益が1,924,161千円(前年同期比19.7%増)と増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ129,925千円増加し、当連結会計年度末には5,603,498千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況の分析及び検討内容につきましては以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、837,240千円(前年同期比47.3%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益1,924,161千円、売上債権の増加554,852千円、法人税等の支払額631,554千円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は、45,107千円(前年同期は85,853千円の支出)となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入197,682千円、有形固定資産の取得による支出150,372千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は752,423千円(前年同期比343.5%増)となりました。これは主に自己株式の取得による支出599,971千円、配当金の支払額201,753千円等によるものです。
②資本の財源及び資金の流動性について
(A)資金需要について
現在の当社グループの事業活動に伴う資金需要としては、運転資金需要と投資資金需要があります。運転資金需要の主な内容は、従業員への給与、パートナー企業への外注費、従業員の採用費、オフィスの賃借料、その他の販売費及び一般管理費の支払いです。また、投資資金需要としては、主に先端IT技術の取り込みや事業拡充を目的とした資本提携資金やM&A資金などがあります。
(B)財務政策及び株主還元の基本方針について
まず、当社グループの基本的な財務政策については、当社グループが支援する顧客企業には各業界を代表する大規模事業者様や社会的に重要な機能を担っている事業体が多く含まれ、また当社グループは当該顧客企業の競合優位性を直接支えるIT関連業務に深く関与するケースが多いことから、当社グループの財務上最も重視すべき事項は「安定性」であると認識しており、この認識に基づき比較的厚めの自己資本を保持する方針を採っております。
また、当面の運転資金や投資資金需要については、安定的に創出される営業キャッシュ・フローと手許流動性で十分対応できるものと想定しておりますが、特にM&A資金等の中長期的な資金で且つ自己資金で十分対応できないケースでは、前述の財務政策の方針に基づき、財務の安定性・健全性を中心に資本の効率性をも考慮しつつ機動的に間接金融及び直接金融による調達を実施していく予定です。なお、当連結会計年度末の現金及び預金残高は5,603,498千円、有利子負債残高はゼロです。
また、現在の当社グループの株主還元に関する考え方は、次のとおりです。すなわち、企業経営における戦略的IT投資の重要性が増すなか、現状、当社グループのコンサルティング事業は重要な成長局面にあると同時に、事業成長機会は潜在的に多数存在していると認識しております。このため、現在の20%から30%の連結配当性向を基準とした業績連動型の配当方針と機動的な自己株式取得を通じた株主還元は確保しつつ、手許流動性をできるだけ高め、コンサルティング事業の拡充と有望なIT技術や企業体への機動的な成長投資による企業価値向上を通じた株主還元を最重要視する方針を当面採ってまいります。
(C)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
現在当社グループでは、中期経営計画等の策定・公表は行っておりませんが、前述の「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)目標とする経営指標」に記載のとおり、経常利益とその中長期的成長を最重要視した経営を行っております。
当連結会計年度における経常利益は、1,726,119千円を計上することができ、11期連続で過去最高益を達成することができました。その主な要因は前述の「(1)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 ①経営成績」に記載のとおりであります。引き続き当該指標のさらなる中長期的成長に注力してまいる所存です。なお、直近5連結会計年度の経常利益とその成長率の推移は下記のとおりです。
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2019年3月期 |
2020年3月期 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
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経常利益(千円) |
1,162,746 |
1,334,957 |
1,419,666 |
1,607,413 |
1,726,119 |
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前連結会計年度比増減率(%) |
30.7 |
14.8 |
6.3 |
13.2 |
7.4 |
(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しています。この財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「第5経理の状況 2財務諸表等(1)財務諸表 重要な会計方針」に記載しておりますが、特に以下に示す重要な会計方針が財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
①重要な資産の評価基準及び評価方法
当社グループでは、将来有望と思われるIT技術を有する企業や潜在的に大きな相乗効果が見込まれる企業に対し戦略的な投資を行う場合がありますが、その他有価証券のうち市場価格のない株式等以外のものについては、決算期末日の市場価格等に基づく時価法(評価差額は、全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)により、市場価格のない株式等については、移動平均法による原価法により評価しております。
その他有価証券のうち市場価格のない株式等以外のものについては、時価の変動により貸借対照表価額が変動するため純資産額が増減します。さらに、その他有価証券については、株式相場の下落や投資先企業の業績不振等により時価又は実質価額が著しく下落した場合には、回復する見込みがあると認められる場合を除き、当該時価又は実質価額まで減損処理を行う可能性があります。
②重要な引当金の計上基準
(A)受注損失引当金
当社グループでは、手持ち受注プロジェクトのうち当連結会計年度末で将来の特定の損失の発生可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることができるプロジェクトについては、連結会計年度末以降に発生が見込まれる損失について引当計上しております。当社グループでは、プロジェクトのリスク管理を経営上の最重要課題として位置づけ、各子会社の担当事業部及び品質管理の専門部署を中心にリスクの把握とその解決手段に関する知識・経験の蓄積に注力しています。上記の引当金の計上についても蓄積した知識と経験に基づく最も合理的な数値を算出するよう最善の注意を払っておりますが、実際のプロジェクトで発生した損失額が、見積額と異なる場合には引当金の追加計上等が必要になる場合があります。なお、当連結会計年度末においては、対象となる案件がなかったため、受注損失引当金は計上しておりません。
(B)品質保証引当金
当社グループでは、プロジェクトの契約不適合責任期間において、契約に従い顧客に対して無償で役務提供を実施する場合があります。このような売上計上後の追加原価に備えるため、個別に追加原価の発生可能性を勘案し計算した見積り額を品質保証引当金として計上しております。具体的には、契約不適合責任期間に対応する必要な工数を見積り、標準単価を乗ずる方法によっております。当社グループでは、プロジェクトの品質管理を経営上の最重要課題の一つとし、受注時から検収・納品まで最善の努力を傾けていますが、実際のプロジェクトで発生した契約不適合等による補修費用が見積りと異なる場合には、引当金の追加計上が必要になる場合があります。なお、当連結会計年度末においては、対象となる案件がなかったため、品質保証引当金は計上しておりません。
該当事項はありません。
当社グループにおけるコンサルティング事業の研究開発活動として、様々な技術テーマで技術検証活動を実施しており、この活動に伴う当連結会計年度の研究開発費の総額は
主な活動テーマは以下の通りです。
新技術を適用したアーキテクチャ構築ニーズに迅速に応えるための技術動向調査及び実適用に向けた検証・設計