当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
《経営理念》信頼と限りなき挑戦
2018年に創業100周年を迎え、創業者である浅野総一郎の理念を踏まえ、当社の、現代の存在意義と将来に向けた夢のある発展を追い求めるため、2013年の持ち株会社体制への移行を機にグループ経営理念を掲げました。
当社グループは、社会と人々に貢献することが使命と考えます。そのためには「継続ある事業基盤の確立」と「不朽
なる技術の進展」は不可欠であります。ステークホルダーからの信頼確保を第一に、2030年のあるべき姿「持続可能な社会に貢献するために、〝化学〟と〝技術〟の力を合わせ、人びとの幸せな暮らしを支えたい」を実現するべく、積極的な新製品の開発と新規事業の開拓を行ってまいります。
社員一同、世界に信頼される「カーリットグループ」となるよう、飽くなき挑戦を日々積み重ねてまいります。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループでは2022年度を初年度とした中期経営計画「Challenge2024」を策定しました。経営方針として「事業ポートフォリオの最適化により企業価値の向上を目指す」を掲げ、その方針に沿った「成長事業の加速化」、「研究開発の拡充」、「既存事業の収益性改善」、「ESG経営の高度化」、「事業インフラの再構築」という5つの戦略を軸に具体的な施策を実行してまいります。
「成長事業の加速化」及び「研究開発の拡充」では、今後も活況が続くと予想できる半導体・電子機器・5G関連材料の需要と、EV化を起点に市場の拡大が見込める自動車関連需要の2つに焦点を当て、生産設備の新設や増強、国内外マーケットに向けた販売促進、当社コア技術の発展・応用の模索を進めてまいります。
「既存事業の収益性改善」では省エネ・省人化設備への更新や、事業ポートフォリオに基づいたリソースの適切な配分を進め、当社の利益を生み出す構造に改善してまいります。
また、当社グループは事業活動を通じて社会課題を解決することを使命とし、「モノづくり」を通じて「社会」と「会社」の持続性ある相互成長の関係を築き上げていくよう努めています。その実現のため、数ある社会的に影響のある項目について、ステークホルダーにとっての重要性、自社にとっての重要性、環境・社会にとっての重要性という3つの視点から4つのマテリアリティ(重要課題)を特定しております。
中期経営計画「Challenge2024」に掲げる5つの戦略における「ESG経営の高度化」、「事業インフラの再構築」の2つの戦略では、気候変動対策、カーボンニュートラルへの挑戦、ステークホルダーとのコミュニケーション、財務戦略の明確化、DX推進といった具体的な施策を進めることで、マテリアリティに取り組んでまいります。
これら5つの戦略を実行し、当社グループの社会貢献及びコーポレート・ガバナンスのさらなる充実を進めることで、「利益ある成長」と「ESG」を具現化し、社会に信頼される企業グループを目指してまいります。
加えて、中期経営計画の達成をより確実なものとするべく、PBR向上を意識し各種具体的な取り組みをお示しした中期経営計画「Challenge2024 ローリングプラン2023」を策定し、経営環境に対応した柔軟な戦略を推進してまいります。
世界経済はインフレ・高金利持続を受け、欧米は2023年にかけ景気が後退していく見通しです。またアジア圏は、ゼロコロナ政策を解除した中国を中心に、サービス消費主導の回復に向かうも、物価上昇に伴う内需の下押し・外需の減速が成長の足かせになっております。2024年に向け、世界経済はインフレ残存から緩慢な景気回復に向かっていくと想定しております。
それに対し、日本は物価高や海外経済減速が下押し要因となるも、サービス消費、インバウンド需要を中心に回復し、プラス成長を維持しており、2023年は主要先進国が軒並みマイナス成長の中、相対的には堅調に推移する見通しです。
当社グループでは世界経済の景気下振れ、日本国内のサービス消費やインバウンド需要の回復といったシナリオを想定した上で、当社グループに与える影響と対策について取締役会での議論を重ね、経営環境の変化に対し、迅速かつ適切な対応をとってまいります。
これらの社会背景、経済環境を踏まえ2024年3月期の連結業績予想を以下の通りとし、2023年5月15日付の「2023年3月期決算短信」にて開示いたしました。
(%表示は、通期は対前期、四半期は対前年同四半期増減率)
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|
売上高 |
営業利益 |
経常利益 |
親会社株主に帰属 する当期純利益 |
1株当たり 当期純利益 |
||||
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|
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
円 銭 |
|
第2四半期(累計) |
18,000 |
2.4 |
800 |
△27.6 |
900 |
△30.1 |
750 |
△21.1 |
31.57 |
|
通期 |
38,000 |
5.5 |
2,700 |
2.3 |
2,900 |
△0.4 |
2,300 |
2.4 |
96.80 |
今後も経営環境の変化による当社グループの事業への影響について慎重に見極め、業績予想に修正の必要が生じた場合は速やかに開示いたします。
当社グループのサステナビリティに関する考え方および取り組みは、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
『カーリットグループは《信頼と限りなき挑戦》という経営理念の下、モノづくりやサービスの提供を通じて社会課題の解決に貢献し、「持続可能な社会の実現」を目指します』というサステナビリティ基本方針を掲げて諸活動に取り組んでいます。
(1)ガバナンス
当社グループは取締役会の監督のもと、代表取締役社長を委員長、取締役・執行役員の全員と社外監査役を委員とするサステナビリティ委員会を設置し活動を推進しています。
本委員会において、気候変動対策を始め、サステナビリティに関する方針・戦略・計画・施策の検討・立案、グループ各社の課題の抽出と強化・改善に向けた方策の明確化等の審議を行っています。審議された内容は適宜グループ経営戦略会議・経営会議・取締役会に報告され、取締役会においてサステナビリティ課題への積極的・能動的な議論を推進しています。
また、サステナビリティ委員会の下にCSR推進責任者会議・CSR推進担当者会議を設置し、当社グループ全体でCSRの推進を図っています。
(2)戦略
当社グループのサステナビリティ基本方針および、TCFD提言にのっとり「4℃シナリオ」と「2℃シナリオ」についてリスク・機会の側面から分析を開始しました。各シナリオにおける当社グループへの影響と主要インパクトについては下記のとおりです。今後も当社グループを取り巻く環境変化に合わせ更新していきます。
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気候変動に関わる変化 |
主要インパクト |
当社グループへの 主な影響 |
具体的な影響イメージ |
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4℃ |
リスク |
物理 リスク (注)1. |
慢性リスク (注)2. |
降水・気象パターンの 変化 |
気温上昇、水不足 |
生産効率の低下、 対策費用の上昇、 働き方の再検討 |
|
水力発電所の稼働低下 |
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急性リスク (注)3. |
ライフスタイルの変化 |
感染症リスクの増加 |
従業員の健康配慮 |
|||
|
機会 |
市場・製品と サービス |
気温上昇によるライフ スタイルの変化 |
気候変動の進行に適応 する製品・サービスの 需要増加 |
ガラス破砕具付発炎筒への全量切り替え |
||
|
飲料の需要増加 |
||||||
|
2℃ |
リスク |
移行 リスク(注)4. |
法・規制に関する リスク |
カーボンプライシングの導入 |
炭素税の発生 |
コストの増加 |
|
テクノロジーリスク |
CO2排出規制の強化 |
省エネ対策が強化され、製造設備の高効率化への更新が必要 |
設備投資額の増加 |
|||
|
市場リスク |
再生可能エネルギー拡大 |
エネルギーコストの増加 |
製造コストの増加 |
|||
|
レピュテーション リスク |
投資家評価の変化 |
気候変動への対策が 不十分な場合、投資家の評判悪化、資金調達の 困窮 |
投資の縮小 |
|||
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顧客要求の変化 |
気候変動への対策が 不十分な場合、サプライチェーンからの除外 |
該当する製品の売上減少 |
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|
機会 |
市場・製品と サービス |
環境意識向上による ライフスタイルの変化 |
気候変動の緩和に貢献 する、環境に配慮した 製品・サービスの需要 増加 |
回生エネルギー用途の 電解液の需要増加 |
||
|
電気自動車の普及 |
||||||
|
水素循環社会の実現 |
||||||
|
蓄電池需要の増加 |
||||||
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2℃・4℃ 共通 |
機会 |
資源効率 |
省エネルギーの促進、 廃棄物処理の削減 |
コストの削減 |
燃料費・電気代削減 |
|
|
エネルギー |
創エネルギーの促進 |
クリーンエネルギーの 調達促進 |
水力発電所の稼働継続、太陽光発電への切り替え促進 |
|||
|
レジリエンス |
計画的な気候変動対策の経営反映 |
リスクの最小化 |
火災保険に水害付保、 防水設備強化 |
|||
(注)1. 物理リスク=気候変動によってもたらされる災害などの被害
2. 慢性リスク=降水パターンの長期的な変化や気象パターンの変動、平均気温や海面の上昇によって受ける影響
3. 急性リスク=台風や洪水、高潮などの異常気象の激甚化によって受ける影響
4. 移行リスク=気候変動緩和を目的とした脱炭素社会への移行に向けて発生するリスク
これらの気候変動は当社グループの事業へのリスクである一方で、製品・サービスの提供価値および企業価値を高める機会につながると認識しています。今後も脱炭素化に向けた当社製品・サービスの提供、新規事業の創出を促進します。
また当社グループは過去の100年の経験と知識を活かしながらも、過去にはとらわれない新たな教育や制度、職場環境の整備に挑戦し「人への投資」を一層進めていきます。今後は当社グループの多様な人財が皆さまから信頼され「新たな100年へ」積極果敢に挑戦し続けることができるよう育成し続けていきます。
現中期経営計画「Challenge2024」では「従業員一人一人にとって、働きがいのある職場づくり」に注力しており、人財の多様性の確保を含む人財育成に関する方針、および社内環境に関する方針は次のとおりです。
①女性活躍の推進
当社グループでは女性ならではの視点を活かし会社の成長につなげていくために、今後も引続き積極的な女性採用や女性中核人財育成の研修の実施、女性管理職の登用を進めていきます。
②ダイバーシティの状況
外国人採用や中途採用も継続的に進めており、2022年度までに外国人累計5名の新卒を採用しています。また管理職ポストにおける中途採用者割合は2022年度で28.7%となっています。今後も外国人採用や中途採用を進め従業員の多様性確保の諸施策に取り組んでまいります。
③人的資本の拡充
グループ横断的な教育制度を充実させることで、当社グループの未来を担う人財の育成に取り組んでいます。
職位別研修を始め、財務・語学、自己啓発として通信教育やマネジメントスクール通学の支援を行っており、将来の経営者人財を含む中長期的な人財戦略を支える諸制度を拡充してまいりました。2022年度の当社グループ人財一人当たりの研修費用額は2020年度対比127%となっています。
また、当社グループの人財が仕事を通してやりがいと誇りを感じ、いきいきと活躍できる場を提供することを目的に、当社および中核会社の日本カーリットではエンゲージメント調査を導入しました。職場環境改善を進めるため全社員の人事面談を行い社員からの要望・意見と、その対応策を示しました。今後もコミュニケーションを図りエンゲージメント向上に取り組んでいきます。
④健康経営の推進
マテリアリティの最上位に「安心・安全で活き活きとした職場環境づくり」を掲げています。ストレスチェックの実施、産業医による定期的な面談機会を設けるなど、従業員の健康保持・増進に向けた取り組みを推進しております。
取り組みをさらに強化すべく、代表取締役社長による「健康経営宣言」を2022年8月1日に表明し、2023年3月には当社グループにて「健康経営優良法人」の認定を取得しました。
健康経営を進める体制については、代表取締役社長を「健康経営管理責任者」、人事部担当取締役を「健康経営推進責任者」、人事部を「健康経営推進部署」とし、カーリット健康保険組合・グループ各社の産業医、総務人事関連部門、衛生委員会と共同して取り組んでまいります。
(3)リスク管理
当社グループは自然災害・感染症の発生等により経済環境に大きな影響を及ぼす可能性があり、また生産設備や人的資源への損害の発生、顧客の需要動向に大きな変化が起こる可能性があります。これらが当社の業績および財務状況に大きな影響を及ぼす重要なリスク要因の一つであると認識しています。
経済環境への大きな影響は経営企画部、人的被害の大きな影響は人事部と総務部、生産活動や品質は生産・品質統括部が担当し、それらの情報をステークホルダーに適宜・適切に開示する役割を広報・サステナビリティ推進部が担い重要なリスクの管理をより一層強化しています。
また、代表取締役社長を委員長とするグループリスクマネジメント委員会を設置し、気候変動を含む総合的なリスク管理体制を構築し、グループ各社からのリスク情報がタイムリーに経営陣に集約・報告され、グループ全体への影響を検証し、速やかな経営判断による対策の実行など、リスクを最少化するための管理を強化しています。
また、当社グループはサプライチェーン全体でサステナビリティへの取り組むことが重要であると認識し、モノづくりやサービスの提供における範囲に加え、調達、輸送過程でも「カーリットグループサステナブル調達ガイドライン」によって、社内外関係者への周知・徹底を図ることで社会と環境に配慮した活動を促進しています。
(4)指標及び目標
当社グループは、特に水資源等豊かな自然の恵みの上に成り立っていることから、気候変動は解決すべき重要な社会課題の一つと認識しています。
2050年までにカーボンニュートラルの実現に向け、省エネルギー対策や再生可能エネルギーの活用などを促進し、温室効果ガスの排出量削減に積極的に取り組んでおり、エネルギー使用量、CO₂排出量データの開示範囲の向上に努めてまいります。
①サプライチェーン排出量
当社グループは、気候変動に関するリスクと機会を測定・管理するための指標として、サプライチェーンCO₂排出量 (Scope1・2・3)を下記のとおり算定しました。排出量実績の可視化、定期的な管理体制を構築することで、温室効果ガスの排出量削減に取り組んでまいります。(下表算定値は2021年度実績)
②サプライチェーン排出量削減目標
Scope1・2は、そのマイルストーンとして2030年までに2013年度対比で46%削減することを目標として掲げています。目標の達成に向け、省エネルギー・創エネルギーの促進、再生可能エネルギーの活用促進、関連するエネルギー使用量の情報 開示範囲の拡大に取り組んでまいります。
Scope3は当社グループの総排出量のうち約8割を占めており、脱炭素社会の実現のためにはこのScope3排出量削減が不可欠であると認識しています。特に購入した製品・サービスに該当するカテゴリ1はScope3の約7割を占めています。サプライチェーンを通じた脱炭素の実現に向け、サステナブル調達アンケートや排出量算定システムを通じてサプライチェーンにおけるコミュニケーションを図り、削減に向けた取り組みを促進するとともに、2050年カーボンニュートラルを見据えた2030年までのScope3削減目標の設定についても具体化を進めてまいります。
また、当社グループでは上記(2)戦略において記載した人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針、および社内環境整備に関する方針は次の指標を用いています。
③新卒の女性採用比率
当社は2015年度から新卒女性の採用比率目標を30%以上とし、2022年度までの累計新卒女性採用比率は38.2%となっています。今後も30%以上の新卒女性採用比率を維持していきます。
④女性管理職比率
当社および中核会社の日本カーリットを合わせた2022年度の女性管理職比率は1.7%、女性の管理職候補層(係長・主任クラス)比率は14.8%となっています。
2026年度には新卒女性採用比率は維持しつつ、女性管理職比率5%台、女性の管理職候補層比率18%台を目指し、将来的に経営の意思決定に関わる女性社員を育成しています。
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2022年 |
2024年(予) |
2026年(予) |
|
女性管理職比率(%) |
1.7 |
3.0 |
5.0 |
|
女性管理職候補層比率(%) |
14.8 |
16.0 |
18.0 |
⑤男女間賃金格差
当社および中核会社の日本カーリットの男女間賃金格差は以下のとおりとなります。
これまで工場業務を中心とした製造業特有の採用活動により女性をほとんど採用していなかったことが背景にあり、男性の管理職比率や年齢が高いことにより差異が出ています。
現在、女性活躍推進の研修や女性管理職比率の向上などの施策を積極的に行い、格差縮小を推進しています。
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2022年度 男女の賃金差異(%) |
カーリット ホールディングス |
日本カーリット |
|
すべての労働者 |
73.1 |
67.8 |
|
うち正規雇用労働者 |
85.4 |
70.8 |
|
うちパート・有期労働者 |
64.6 |
62.9 |
⑥男性の育児休業取得率
当社および中核会社の日本カーリットでは労働環境整備の施策として育児休業の取得を制度面から整備してまいりました。特に男性育児の休業取得率向上のため、出生時育児休業期間の有給化などを進めてまいりました。それらにより、2022年度の2週間以上の男性育児休業取得率は当社および中核会社の日本カーリットの合計で80.0%となっています。
また、当社および中核会社の日本カーリットの女性の育児休業取得率は100%、男性についても上記施策導入後100%を継続しています。男性従業員による育児休業取得状況は下記のとおりです。
|
|
2022年度 |
|
男性育児休業取得者数(人)(注) |
12 |
|
取得比率(%) |
80.0 |
(注)2022年の7月本施策導入以降、男性育児休業取得率は100%であります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2023年3月31日)現在において当社グループが判断したものであり、事業のリスクはこれらに限られるものではありません。
1. 技術革新のリスク
電子材料製品、機能材料製品、シリコンウェーハ製品等については、技術革新のスピードと市場のニーズの変化が
非常に速いことに加え、販売価格の下落圧力が強いことなどから、既存製品が陳腐化する可能性があります。当社
グループとしては可能な限り顧客からの要求に応え、生産設備を安定的に稼働させることを基本戦略とすることから
ある程度の価格下落圧力は容認せざるを得ません。絶えず原価低減に努めますが、同一製品を製造・販売し続ける限
り、長期的には利益が低下傾向となります。
これに対応するべく、製品ラインアップの拡充、新製品の市場投入により利益水準の維持・向上を図りますが、ニ
ーズの変化があまりに急激である場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
2. 市場動向変動のリスク
ボトリング事業では、多様化する消費者の飲料に対する嗜好に応えていかなければならないブランド各社の販売
戦略や天候状態に大きく左右される可能性があります。
当該事業部門では、ブランド各社と関係を強化することで安定受注に努めてまいりますが、天候等の要因による
販売量の増減は完全には避けられず、当社グループの業績及び財務状況に顕著な影響を与える可能性があります。
3. 原材料調達・価格変動のリスク
原材料調達については、複数購買を基本戦略とし、安定調達を図っておりますが、原材料価格の変動を製品価格に
転嫁できなかった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
近年ではロシア・ウクライナ情勢の悪化に伴いエネルギー供給に大きなリスクが生じており、重大なリスク要因と
して認識しております。重油、LNG価格の変動は、ボトリング事業では燃料費への影響、また、化学品事業の製造
にあたっては相当量の電力を使用するため、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
4. 為替相場の変動リスク
当社グループは国内販売を中心に営業活動を展開しておりますが、製品の価格競争力を強めるため、原価低減の
一環として原材料の一部を輸入品により調達していることから、為替相場の変動や海外政情・海外物流事情等により
安定調達面で影響を受ける可能性があります。また、海外での事業や輸出に関連した取引での為替レートの急激な
変動により影響を受ける可能性があります。
これらに対し、複数購買による調達リスクの分散、為替予約により仕入価格をあらかじめ確定させるなど、変動
の影響を極力軽減する方策を採っておりますが、近年は急激な円安局面にあることから、重要モニタリング項目とし
て留意してまいります。
5. 事故・災害のリスク
化学品事業では、火薬類、塩素酸塩類などの危険物を数多く扱っており、事故・災害等について最大限の安全対策
を講じております。重大事故等の発生可能性は極めて低いですが、万一大きな事故・災害が発生した場合は、設備の
損害、事業活動の中断等により、当社グループの業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。工場内
の定期的巡視を実施し事故を未然に防止し、また災害発生時に備え消火訓練等を強化し被害を最小限に抑える対策を
とっています。
6. 品質に関するリスク
当社グループの事業は多岐にわたっており、各社の事業に合致した品質管理体制が要求されます。グループ各社に
おいて、原材料調達から製造・出荷まで、一貫した品質管理体制の構築、運用を行っていますが、予期せぬ事態に
より製品の品質問題が発生した場合には、該社のみならず当社グループの信用が低下し、また製品の回収、手直し、
代替製品の納入および製造にかかわる費用の発生により、当社グループの業績及び財務状況に少なからず影響を及ぼ
す可能性があります。当社グループは、大きな品質問題として顕在化する前の兆候の段階から品質担当者間で情報を
共有化し、異なる業種からの視点も参考にしつつ対応を検討して実施するとともに、グループ各社への水平展開によ
り品質管理態勢の向上を図っております。
7. 法的規制のリスク
当社グループでは事業の特性上、化学物質の取り扱いに関する法令等により規制を受けております。環境問題に対
する意識の高まりなどから、化学物質を対象とした各種規制は、ますます強まる傾向にあり、対象製品の製造・販売
に支障が生じた場合には当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。環境問題、化学物質、
輸出等の業務にかかる法規制改正動向を常に注視し、コンプライアンスを徹底しつつ、適正な業務運営を行っており
ます。
8. 訴訟のリスク
当社グループは、事業活動または知的財産権について、訴訟、係争、その他法律的手続きの対象となる可能性があ
り、重要な訴訟等が提訴されることにより、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。契
約締結・取引開始時の所管部門の審査、およびトラブル発生時の適切な初動対応によりリスクの低減を図っておりま
す。
9. 資産評価の変動リスク
当社グループは、市場価格のない株式等以外のものを保有しているため、株式相場が大幅に下落した場合、また、
固定資産の回収可能額を測定した結果が帳簿価額を下回る場合、これらの資産評価により、当社グループの業績及び
財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
10. パンデミックに関するリスク
当社グループは、国内を中心に多岐にわたる事業を行っております。パンデミックに伴う経済活動や物流の停滞、
公共民間工事の遅延、花火大会の延期中止等は、当社グループの業績にネガティブな影響を及ぼす可能性がありま
す。しかし、人々の生活様式の変化は、半導体、電子部品市場等の伸長等により、当社グループの業績にポジティブ
な影響を及ぼす可能性もあります。
新型コロナウイルス感染症は収束しつつありますが、今後新たなパンデミックの発生も懸念し、サプライチェーン
への供給責任の維持を第一に、引き続きリモートワークの推進を含めたIT化や働き方改革を進めてまいります。
11. 自然災害等によるリスク
当社グループの事業拠点は国内を中心に分布しております。大地震や津波、台風、大雨等の自然災害の際には、
当社グループの生産設備や人的資源への影響・損害や、顧客の需要動向に大きな変化が起こる可能性があります。
12.情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、顧客および取引先の機密情報、開発・生産・販売などの情報ならびに会計、企業戦略等様々な情
報を有しており、これらの情報は外部流出や破壊、改ざん等がないようにグループ全体で管理体制の構築ならびに従
業員教育、ITセキュリティ等の強化策を継続的に実施しております。
しかし、対応不可能な技術による外部からの攻撃や、内部的過失、盗難および自然災害や事故等によりこれらの情
報の流出、破壊、改ざんまたは情報システムの停止等が引き起こされる可能性があります。このような事態が発生し
た場合は当社グループの信用が低下し、また損害賠償等の費用の発生、業務の停止等により、当社グループの業績及
び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
13. 金利変動のリスク
当社グループは、事業運営に必要な資金調達を行っており、金利が上昇した場合は、当社グループの業績及び財務
状況に影響を及ぼす可能性があります。
14.海外拠点のガバナンス不全のリスク
当社グループは、上海に販売拠点を保有しております。現地の法律や規制、社会文化の違い等に対応するための
ガバナンスが行き届かなかった場合、法令違反や腐敗・不正、誤った経営判断等が発生し、当社グループの業績およ
び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。業務の適正を維持するための人材確保や、業務執行状況・財務状況等
の定期的な報告の要請、業務監査を行うことで、透明性の高い経営体制の構築を図っております。
15. 気候変動に関するリスク
気候変動による地球温暖化の影響で、集中豪雨、熱波・干害などの異常気象が発生し、洪水や渇水など自然環境に
大きな被害をもたらしています。当社グループは、特に水資源等豊かな自然の恵みの上に成り立っていることから、
気候変動は解決すべき重要な社会課題の一つとして認識しています。
気候変動シナリオに基づくリスク分析を行い、分析結果を経営・事業戦略へ具体的に反映させることに努め、経営
のレジリエンス(強じん性)の向上につなげてまいります。基本姿勢・対応は、2 サステナビリティに関する考え
方及び取組において記載しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」と
いう。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ11億5千2百万円増加し512億3千万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ11億2千3百万円減少し180億5千1百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ22億7千5百万円増加し331億7千9百万円となりました。
b.経営成績
化学品事業部門(化成品分野・受託評価分野・セラミック材料分野)および産業用部材事業部門(耐熱炉内用金物・各種金属スプリングおよびプレス品)等の販売が好調に推移いたしました。一方で、原材料価格・エネルギーコストの高騰がありましたが、その影響は最小限に留めることができました。この結果、当連結会計年度の経営成績は、連結売上高360億8百万円(前年同期比6.2%増)、連結営業利益は26億4千万円(前年同期比5.3%増)、連結経常利益は29億1千万円(前年同期比6.1%増)となりました。
また、投資有価証券売却益4億2千4百万円を特別利益に計上、三協実業株式会社および株式会社西山フィルターの売却に伴う関係会社株式売却損8千2百万円を特別損失に計上しています。
なお、前期は、支払補償費1億3千9百万円を営業外費用、受取保険金1億1千万円を営業外収益に計上しています。加えて、南澤建設株式会社の株式を取得したことに伴う負ののれん発生益3億9千2百万円、および投資有価証券売却益1億8百万円を特別利益として計上いたしました。
これらにより、親会社株主に帰属する当期純利益は22億4千6百万円(前年同期比3.8%減)となりました。
(参考) (単位:百万円)
|
区 分 |
連 結 売 上 高 |
連 結 営 業 利 益 |
||
|
前 期 |
当 期 |
前 期 |
当 期 |
|
|
化学品 |
16,950 |
17,896 |
1,172 |
1,294 |
|
ボトリング |
4,360 |
4,774 |
218 |
151 |
|
産業用部材 |
9,313 |
9,741 |
654 |
700 |
|
エンジニアリング サービス |
4,173 |
4,203 |
892 |
651 |
|
小 計 |
34,798 |
36,615 |
2,937 |
2,798 |
|
その他・消去 |
△904 |
△607 |
△430 |
△158 |
|
合 計 |
33,894 |
36,008 |
2,506 |
2,640 |
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて2億1千9百万円増加し、38億9百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られたキャッシュ・フローは20億6千4百万円となりました(前期と比較して9億9千8百万円の減少)。これは、主に収入として税金等調整前当期純利益32億4千3百万円と、減価償却費が17億1千2百万円、支出として棚卸資産の増加11億3千1百万円、法人税等の支払い8億8千万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用されたキャッシュ・フローは6千5百万円となりました(前期と比較して9億1千8百万円減少)。これは、主に固定資産の取得による支出10億7千5百万円、投資有価証券の売却による収入6億5千4百万円、利息及び配当金の受取り2億3千5百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入1億4百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用されたキャッシュ・フローは17億8千4百万円となりました(前年と比較して21億9千7百万円減少)。これは、主に借入金の減少額9億9千2百万円、配当金の支払い3億8千2百万円等によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前期比(%) |
|
化学品事業 |
9,786 |
△2.1 |
|
ボトリング事業 |
4,752 |
18.8 |
|
産業用部材事業 |
6,031 |
3.6 |
|
エンジニアリングサービス事業 |
- |
- |
|
報告セグメント計 |
20,570 |
3.8 |
|
その他 |
- |
- |
|
合計 |
20,570 |
3.8 |
(注)金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b.受注実績
当社グループは主として見込み生産によっているため記載すべき事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
化学品事業 |
17,541 |
5.7 |
|
ボトリング事業 |
4,774 |
9.5 |
|
産業用部材事業 |
9,573 |
4.7 |
|
エンジニアリングサービス事業 |
3,961 |
8.9 |
|
報告セグメント計 |
35,851 |
6.3 |
|
その他 |
156 |
0.6 |
|
合計 |
36,008 |
6.2 |
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
㈱伊藤園 |
3,484 |
10.2 |
3,747 |
10.4 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2023年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績
1)財政状態
(総資産)
当連結会計年度末の総資産は、前期末に比べ11億5千2百万円増加し、512億3千万円となりました。これは、現預金が1億9千7百万円増加、棚卸資産が11億8百万円増加、その他の流動資産に含まれる未収入金が1億8千3百万円増加、投資有価証券が4億8千2百万円増加した一方、受取手形、売掛金及び契約資産が1億8千8百万円減少、有形固定資産が4億6千3百万円減少したことなどによります。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ12億4千2百万円増加し220億2千7百万円となりました。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ9千万円減少し292億2百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前期末に比べ11億2千3百万円減少し、180億5千1百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が6億3千3百万円減少、有利子負債が13億1千9百万円減少した一方、未払法人税等が1億5百万円増加、繰延税金負債が2億2千4百万円増加、退職給付に係る負債が1億4百万円増加したことなどによります。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ10億7千万円減少し100億2千9百万円となりました。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ5千2百万円減少し80億2千1百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前期末に比べ22億7千5百万円増加し、331億7千9百万円となりました。これは、当期純利益等の計上により利益剰余金が18億6千2百万円増加、その他有価証券評価差額金が5億6千7百万円増加した一方、自己株式が7千5百万円減少、退職給付に係る調整累計額が8千1百万円減少したことなどによります。
この結果、1株当たり純資産は、前期末に比べて102.29円増加し1,402.70円となり、自己資本比率は前期末
の61.7%から64.8%となりました。
株主資本は、前連結会計年度末に比べ17億8千5百万円増加し284億2千万円となりました。
その他の包括利益累計額は、前連結会計年度末に比べ4億8千9百万円増加し47億5千8百万円となりました。
2)経営成績
(売上高)
当連結会計年度の連結売上高は前連結会計年度の338億9千4百万円から21億1千4百万円増の360億8百万円、前年同期比6.2%増となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、前連結会計年度の252億4千6百万円から20億7千4百万円増の273億2千1百万円となりました。売上に対する比率は前年同期の74.5%から1.4ポイント増の75.9%となりました。
また、販売費及び一般管理費は前連結会計年度の61億4千万円から9千4百万円減の60億4千6百万円となりました。売上高に対する比率は前年同期比の18.1%から1.3ポイント減少し16.8%となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
営業利益は、前連結会計年度の25億6百万円から1億3千3百万円増の26億4千万円となりました。営業外収
益から営業外費用を差し引いた純額は、前連結会計年度の2億3千6百万円の収益から、3千4百万円増の2億7千万円の収益計上となりました。
その結果、経常利益は前連結会計年度の27億4千2百万円から1億6千8百万円増の29億1千万円となりました。
特別利益から特別損失を差し引いた純額は、前連結会計年度の2億6千2百万円の収益から、7千万円増の3億3千2百万円の収益計上となりました。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度の30億5百万円から2億3千8百万円増の32億4千3百万円となり、法人税、住民税及び事業税や法人税等調整額を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度の23億3千6百万円から8千9百万円減の22億4千6百万円となりました。
b.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
世界経済はインフレ・高金利持続を受け、欧米は2023年にかけ景気が後退していく見通しです。またアジア圏
は、ゼロコロナ政策を解除した中国を中心に、サービス消費主導の回復に向かうも、物価上昇に伴う内需の下押
し・外需の減速が成長の足かせになっております。2024年に向け、世界経済はインフレ残存から緩慢な景気回復に
向かっていくと想定しております。
それに対し、日本は物価高や海外経済減速が下押し要因となるも、サービス消費、インバウンド需要を中心に回
復し、プラス成長を維持しており、2023年は主要先進国が軒並みマイナス成長の中、相対的には堅調に推移する見
通しであります。
当社グループでは世界経済の景気下振れ、日本国内のサービス消費やインバウンド需要の回復といったシナリオ
を想定した上で、当社グループに与える影響と対策について取締役会での議論を重ねております。
上述の経済環境を踏まえ、各セグメントの今後の見通しは以下の通りです。なお、2024年3月期より、事業ポー
トフォリオ経営をより実効的に行うべく、セグメントの内容を変更する予定です。以下は、2023年3月期にあわせ
たセグメントにて記載しております。
化学品事業部門は、中国経済の影響から電子機器関連材料の需要の落ち込みはある一方、日本国内の経済成長を
受け、自動車向け製品や基礎化学品関連製品の販売は堅調に推移する見通しです。ボトリング事業部門はインバウ
ンド需要回復によって国内飲料消費が増え、増収増益と予想しております。産業用部材およびエンジニアリングサ
ービス事業部門は、日本経済の動向に合わせ、堅調に推移する見通しです。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
グループ経営理念である「信頼と限りなき挑戦」の下で長期展望を見据え、当社の2030年にありたい姿を「持続
可能な社会に貢献するために、〝化学〟と〝技術〟の力を合わせ、人びとの幸せな暮らしを支えたい」と定めまし
た。また、新たに事業ポートフォリオ経営を導入し、成長性と収益性を基準に当社事業群を「注力領域」「育成領
域」「基盤領域」という3つの領域に分け、それぞれの領域に適した戦略を推進し、「利益ある成長」の達成を目
指します。
ありたい姿の実現に向け、当社グループは2022年度を初年度とした中期経営計画「Challenge2024」を
策定しました。経営方針として「事業ポートフォリオの最適化により企業価値の向上を目指す」を掲げ、その方針
に沿った「成長事業の加速化」、「研究開発の拡充」、「既存事業の収益性改善」、「ESG経営の高度化」、
「事業インフラの再構築」という5つの戦略を軸に、具体的な施策を実行し、当社グループの社会貢献及びコーポ
レート・ガバナンスのさらなる充実を進めることで、「利益ある成長」と「ESG」を具現化し、社会に信頼され
る企業グループを目指してまいります。
また、中期経営計画の達成をより確実なものとするべく、PBR向上を意識し各種具体的な取り組みをお示しし
た中期経営計画「Challenge2024 ローリングプラン2023」を策定し、経営環境に対応した柔軟な戦略を
推進してまいります。なお、2024年3月期の連結業績予想は、以下の通りです。
(%表示は、通期は対前期、四半期は対前年同四半期増減率)
|
|
売上高 |
営業利益 |
経常利益 |
親会社株主に帰属 する当期純利益 |
1株当たり 当期純利益 |
||||
|
|
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
円 銭 |
|
第2四半期(累計) |
18,000 |
2.4 |
800 |
△27.6 |
900 |
△30.1 |
750 |
△21.1 |
31.57 |
|
通期 |
38,000 |
5.5 |
2,700 |
2.3 |
2,900 |
△0.4 |
2,300 |
2.4 |
96.80 |
d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
「化学品事業部門」
化薬分野 =増収増益
・産業用爆薬は、不採算製造拠点からの撤退による減収に加え、原材料価格・エネルギーコストの高騰により
減益。
・自動車用緊急保安炎筒の新車向けは増収。車検交換向けはガラス破壊具付きが豪雨災害対策と安全意識向上に
より増収。利益面では、原材料価格の高騰などにより減益。
・高速道路用信号焔管は、交通量の回復と工事規制需要の増加に加え、適正価格の維持により増収増益。
・煙火関連は、花火大会の一部再開により増収増益。
・宇宙産業分野では固体推進薬の開発を顧客と共同で進行中。推進薬の製造を行い初号機打上げに向け、射場へ
の納入を完了しました。
受託評価分野 =増収減益
・危険性評価試験・電池試験とも電池開発の活況継続により増収となった一方で、電力価格の高騰などの影響に
より減益。
化成品分野 =増収増益
・塩素酸ナトリウム(紙パルプ漂白剤)は、適正価格の維持により増収増益。
・過塩素酸アンモニウム(ロケット・防衛用ミサイル推進薬原料)は、原材料価格・エネルギーコストの高騰の
影響はあったものの、ロケット推進薬向けの増販により増収増益。
・電極は、適正価格の維持に加え、新規のメッキ用途の受注により増収増益。
・過塩素酸は、海外需要の低迷により減収減益。
電子材料分野 =減収減益
・電子材料関連製品は、電気二重層キャパシタ用電解液が増収となった一方で、パソコン需要の減退や中国の
ロックダウン・電力制限の影響により減収減益。
・機能材料関連製品は、近赤外線吸収色素が認証センサーなどの需要拡大により増収となった一方で、中国の
ロックダウンの影響によるスマートフォンおよびフラットパネルディスプレイ市場の不調などにより減益。
セラミック材料分野 =増収増益
・シェア拡大および新規拡販に加え、適正価格の維持により増収増益。
これらの結果、当事業部門全体の売上高は178億9千6百万円(前年同期比 9億4千5百万円増、同5.6%増)、営業利益は12億9千4百万円(前年同期比 1億2千1百万円増、同10.4%増)となりました。
また資産は、前連結会計年度の267億4千6百万円から16億9千3百万円増の284億3千9百万円となりました。
「ボトリング事業部門」
・ペットボトル飲料は、需要の回復に加え、新規製品の受注により増収。
・缶飲料は、自販機向けコーヒーの販売減少により減収。
・委託品は、新規品の受注などにより増収。
・事業部門全体としては、エネルギーコストの高騰により減益。
この結果、当事業部門全体の売上高は47億7千4百万円(前年同期比 4億1千3百万円増、同9.5%増)、営業利益は1億5千1百万円(前年同期比 6千6百万円減、同30.4%減)となりました。
また資産は、前連結会計年度の45億8千8百万円から2億8百万円減の43億8千万円となりました。
「産業用部材事業部門」
・シリコンウェーハは、上半期においては世界的半導体好況の継続により増収傾向であったものの、下半期
は中国のロックダウンを発端とした需要の落ち込みに加え、エネルギーコスト高騰の影響が重なったことに
より減収減益。各種センサー・マイクロフォン等に使用されるMEMS(微小電気機械システム)および
高平坦度ウェーハを始めとする高付加価値製品の開発・販売は引き続き注力。
・耐熱炉内用金物は、都市ごみ焼却向けを中心に主要製品であるアンカー・リテーナとも好調により増収
増益。
・各種金属スプリングおよびプレス品は、建機向け需要の好調により増収増益。
これらの結果、当事業部門全体の売上高は97億4千1百万円(前年同期比 4億2千7百万円増、同4.6%増)、
営業利益は7億円(前年同期比 4千6百万円増、同7.1%増)となりました。
また資産は、前連結会計年度の82億1千1百万円から4億3千1百万円増の86億4千3百万円となりました。
「エンジニアリングサービス事業部門」
・建築・設備工事は、収益性の高い案件の減少により減収減益。
・塗料販売・塗装工事は、市場環境の好調により増収増益。
・構造設計は、市場の競争環境が激化傾向にあり、収益性の高い案件が減少したため減益。
これらの結果、当事業部門全体の売上高は42億3百万円(前年同期比 2千9百万円増、同0.7%増)、営業利益は6億5千1百万円(前年同期比 2億4千万円減、同27.0%減)となりました。
また資産は、前連結会計年度の37億7千万円から2億8千4百万円増の40億5千5百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金調達については安定的な事業運営を行うため、資本効率を高めつつ事業運営に必要な
流動性と多様な調達手段を確保することとしています。
(契約債務)
2023年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
|
|
年度別要支払額(百万円) |
||||
|
契約債務 |
合計 |
1年以内 |
1年超3年以内 |
3年超5年以内 |
5年超 |
|
短期借入金 |
157 |
157 |
- |
- |
- |
|
長期借入金 |
1,788 |
847 |
706 |
235 |
- |
|
リース債務 |
1,120 |
187 |
330 |
603 |
0 |
(財務政策)
当社グループは、必要な資金は銀行等金融機関からの借入及び増資等の最適な方法により調達しております。借
入金のうち、短期借入金は主に営業取引に係る資金調達であり、長期借入金(原則として5年以内)は主に設備投
資に係る資金調達であります。資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え緊急時の資金調達確保等を目
的として、一部取引銀行とコミットメントライン契約を締結しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。これらの連結財務諸表の作成にあたり、開示すべき財政状態および経営成績の報告数値に影響を与える見積りや仮定設定を行わなければなりませんが、当社経営陣は、売上債権等の貸倒見積額、棚卸資産の評価、繰延税金資産の回収可能性等に関して継続してその妥当性の評価を行い、過去の実績や状況に基づき合理的な判断を行っております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当連結会計年度の研究開発費の総額は
今後、SDGs関連製品の準量産型設備として新規パイロットプラントの建設を計画しており、さらに本部内はもとより、営業部門や工場技術部門、その他関連部門と連携し開発業務の効率化を図ることにより、製品の早期上市と新事業の創出を加速しています。
また、日本カーリット㈱研究開発本部が中心となり、当社グループの研究開発のサポート対応も引き続き行っております。当連結会計年度における研究開発活動の状況については以下のとおりです。
化学品事業部門:
当事業部門では、環境エネルギー分野でコンデンサ関連材料、電極関連部材、次世代二次電池関連材料、ライフサイエンス分野でヘルスケア製品関連や化粧品関連材料の研究開発、電子機能材料分野でバイオベース機能性材料の開発や次世代機能性色素材料および電子材料製品の研究開発を行いました。
また、宇宙産業向け固体推進薬の開発を、顧客と共同で進めております。
産業用部材事業部門:
当事業部門では、半導体分野における半導体材料および半導体加工用材料の製品開発を行いました。
<研究開発体制図>