第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、会社の経営の基本方針となるステートメント、ビジョン、ミッションのもと、企業としての成長と社会的な価値の創出に積極的に取り組んでおります。

 

GROUP STATEMENT

都市に豊かさと潤いを

GROUP VISION ~私たちはどうありたいか~

1.「&」マークの理念

私たちは、「&」マークに象徴される「共生・共存」「多様な価値観の連繋」「持続可能な社会の実現」の

理念のもと、社会・経済の発展と地球環境の保全に貢献します。

~「&EARTH」を掲げて、人と地球がともに豊かになる社会をめざします。

2.進化と価値創造

私たちは、不動産ビジネスを進化させることにより、人々に「新しい時代の夢と感動」をもたらします。

~多様な「知」をとりいれ融合させることにより、国内外で新たな価値を創造します。

~社会環境・市場構造などの変化と、そのグローバルな潮流を積極的にとらえます。

3.成長性と収益性に富んだ三井不動産グループ

私たちは、グループ総体の力を公正にいかんなく発揮することによって、「成長性と収益性に富んだ

三井不動産グループ」を実現します。

GROUP MISSION ~私たちに今求められていること~

1.ビジネスとくらしに関するソリューションとサービスの提供

豊かさと潤いをもたらし、安全・安心で魅力にあふれる空間とソフト、サービスを提供して、街の価値を

最大化する。

多彩で革新的なソリューションを提供して、不動産投資市場の成長に貢献する。

2.グローバルな視野で顧客のパートナーへ

顧客をビジネスの創造ならびに進化・発展の基盤と考える。

顧客が真に求めているものを多面的に把握し、グループの総力で提案・実現する。

顧客のパートナーとして、高い評価を獲得し続け、ブランド価値を高める。

3.企業価値の向上

持続的な利益成長を図るとともに、不断のイノベーションを行うことにより企業価値を向上させる。

経営資源の最適活用ならびに効率経営を追求する。

常にリスクに対して適正なマネジメントを行う。

4.個の力を高め結集してグループの力へ

多彩な人材、多様な価値観を融合し、パイオニア精神に満ちた独創性を育む。

個々人がプロフェッショナルな知識・能力を磨き、互いに共有して、付加価値創造力を高める。

企業倫理と規律、コンプライアンスについて、常に高い意識を持って行動する。

(注)1999年6月に制定し、2018年4月に改訂しております。

 

(2)経営環境、会社の長期経営方針及び対処すべき課題

 今後の社会経済環境の見通しにつきましては、社会経済活動の正常化に伴い、景気が持ち直していくことが期待されるものの、長期化するロシアのウクライナ侵攻や米中関係の緊張、両岸問題といった地政学的リスク等を背景とした、インフレ・コスト高の進行、主要各国の金融引き締め等により、世界経済の先行きは極めて不透明な状況にあります。わが国においても、エネルギー価格・原材料価格の上昇、金利上昇等のリスクに加えて世界経済の下振れがわが国の経済を下押しするリスクに備える必要があります。

 このような見通しのもと、新型コロナウイルス感染症によって生じた暮らし方や働き方における不可逆的な変化を的確に捉え、ビジネスモデルの変革をさらに加速してまいります。

 新型コロナウイルス感染症を契機として、「リモートの有用性」が認識された一方で、「デジタルでは代替できないリアル空間の価値」が再認識されました。人と人がリアルの空間で接触することにより生まれるイノベーション、雑談等の偶然性から生まれる新しい価値、五感で感動体験を得るスポーツ・エンターテインメント等がその代表的な例です。ポストコロナの街づくりには、リアルとデジタルの最適な組み合わせを考えていかなければなりません。デジタルが適している部分については徹底的にデジタル技術と街に蓄積したデータを活用するとともに、リアルが適している部分についてはリアル空間ならではの価値を最大限に高めてまいります。

 また、わが国における少子高齢化、人口減少の現状を踏まえると、あらゆる分野において「需要を創り出していく」ことが大変重要であると認識しております。それを実現するために、われわれ自らが不動産デベロッパーの枠を超え、企業や社会、それを構成する人々の英知を結集する「場」や「コミュニティ」を創出し、いわば「オープンイノベーションのプラットフォーマー」の役割を果たすことで、新産業の創造に貢献してまいります。住宅や商業施設、ホテル・リゾート、スポーツ・エンターテインメントなどのいわゆるBtoC事業においても、様々なステークホルダーと協働し、より豊かな暮らし方や働き方を提案することで、新たな需要の創出につなげてまいります。

 さらに、海外では、総合デベロッパーとしての当社グループの強みと、各国のマーケットに精通したパートナーの強みを組み合わせ、欧米・アジアそれぞれのエリア特性を活かし、安定性と成長性に富んだポートフォリオを構築してまいります。

 ESG・サステナビリティに関する取り組みとしては、「脱炭素社会実現に向けたグループ行動計画」に基づき、国内全ての新築物件におけるZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)・ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)水準の環境性能実現、国内全施設における電力グリーン化等の再生可能エネルギーの積極活用、メガソーラー事業の拡大、サプライチェーン全体での脱炭素に向けたパートナーシップ強化等に継続して取り組んでまいります。

 また、「ダイバーシティ&インクルージョン推進宣言」とその取り組み方針に基づき、社内公募型のワーキングチームを組成し、従業者の声を聞きながら様々な施策に取り組むとともに、当社グループ会社との定期的な推進会議の開催、合同研修をはじめとした共通施策を実施するなど、当社グループ全体でダイバーシティ&インクルージョンの取り組みを進めてまいります。

 さらに、当社グループ保有林等における「生物多様性」に配慮した持続的な取り組みや、「ビジネスと人権」に関する取り組みをより一層推進するなど、重要なESG課題についても当社グループ全体で取り組んでまいります。

 当社グループは、グループ長期経営方針「VISION 2025」の達成に向け、「街づくりを通して、持続可能な社会の構築を実現」、「テクノロジーを活用し、不動産業そのものをイノベーション」、「グローバルカンパニーへの進化」をビジョンに掲げ、引き続き「顧客志向の経営」、「ビジネスイノベーション」、「グループ経営の進化」の3つの基本ストラテジーの実践による価値創造に取り組み、社会全体のESG課題の解決やSDGsの達成に貢献いたします。また、グループ長期経営方針「VISION 2025」の先を見据え、事業環境変化を踏まえた競争戦略や成長戦略を描き、新たな経営方針を策定してまいります。

 さらに、内部管理態勢の強化など、引き続きコーポレートガバナンスを充実させ、企業価値の向上に一層努めてまいります。

 

①「VISION 2025」における3つのビジョン

 

a.街づくりを通して、持続可能な社会の構築を実現

 

当社グループは創立以来、私たちのDNAであるパイオニア精神を発揮し、各時代のパラダイム転換を捉えて新たな価値を創造しながら、街づくりを通した社会課題の解決に取り組んでまいりました。

例えば、「柏の葉スマートシティ」は、当社が2005年から千葉県柏市で開発している課題解決型の街づくり事業です。現在、公・民・学の連携のもと「環境共生」「健康長寿」「新産業創造」の実現を目指した取り組みを進めています。

また、「日本橋再生計画」においては、「残しながら、蘇らせながら、創っていく」をコンセプトに掲げて、地域社会や文化の活性化を図るとともに、地域全体の防災力強化に取り組むなど、当社グループの街づくりは持続可能な社会の構築の一翼を担っています。

アセットクラス毎の取り組みとしてオフィスビル事業においては、生産性向上や優秀な人材の獲得など、オフィステナントの経営課題の解決に資することを目的として、シェアオフィスサービス「ワークスタイリング」や健康経営支援サービス「&well」といったサービス等を展開し、オフィスビル事業の競争力を向上させてまいります。

住宅事業においては、元気な高齢者の方々に、より自分らしい豊かなくらしを実現していただくための新しいすまいのカタチである「シニアレジデンス事業」の推進、あるいは、環境負荷がより少ない木造大規模施設の受注拡大など、顧客ニーズの多様化や社会的要請に応じた新しい商品やサービスを展開しています。

こうした街づくりの一つ一つが、少子化・高齢化、環境問題、くらしの安全・安心、新産業創造など、社会が直面する幅広い課題の解決に寄与するものであり、「社会的な価値の創出」ひいては当社グループの「企業価値の向上」へと繋がっていくものと考えております。

 

b.テクノロジーを活用し、不動産業そのものをイノベーション

 

テクノロジーの進化によって様々な領域でイノベーションの創出やビジネスモデルの転換が進展するなか、デジタル技術の活用促進とリアルな空間の価値向上に同時に取り組んでまいります。既存の商品やサービスへのICTの活用、不動産とICTの融合による新たなビジネスの創出、リアルな空間でのデータの蓄積・活用など、リアルエステートテック活用によるビジネスモデルの革新を行うとともに、デジタル技術では生み出すことができない、人との出会い・ふれあいなどのリアルな空間の価値を高めることで、事業の競争力を一層高めてまいります。

例えば、商業施設事業では、リアル店舗における買い物とネットショッピングの双方の良さを同時に享受できる、リアル店舗共生型ECモール「&mall」の展開を通じて、リアル店舗とECモールが相乗効果で売上を拡大できるオムニチャネル・プラットフォームを構築しています。

また、ロジスティクス事業では、人手不足等が深刻な課題となっている物流業界において、フルオートメーション物流モデルを展示する物流ICT体験型ショールーム「MFLP ICT LABO」を活用し、倉庫内物流の自動化・省人化ソリューションを提供するとともに、入居企業の課題解決支援に取り組んでいます。

さらに、ベンチャー共創事業では、コーポレートベンチャーキャピタルファンドを設立し、ベンチャー企業の積極的なサポートと日本のベンチャーエコシステムの発展に寄与していくとともに、出資先のベンチャー企業から得られた最新の技術やサービスを、当社グループの本業強化や事業領域拡大につなげてまいります。

 

c.グローバルカンパニーへの進化

 

海外事業について、これまでの海外事業経験を通じて確認できた当社グループの強みと、海外パートナー企業の経験やノウハウを掛け合わせながら、海外事業の飛躍的な成長を実現してまいります。

例えば、幅広いアセットクラスを手掛け、投資・開発・運営・リーシング/販売まであらゆる機能を備えているという当社グループの総合力は、海外において希少であり、大きな強みとなります。また、近年、海外においても複合型開発のニーズが高まっており、当社が国内事業において長年にわたり培ってきた複合開発のノウハウは海外でも強みとなります。こうした強みを海外のパートナーや顧客にしっかりと訴求し、優良な事業機会の獲得に努めてまいります。

また、不動産業はドメスティックな性格が強い産業であるため、用地情報の収集から、許認可の折衝、販売戦略に至るまで、現地のコミュニティに参画していくことが重要となります。現地の優良なパートナー企業と連携して事業に取り組むとともに、事業のローカル化を推進することで、着実に事業を推進させてまいります。

 

②人材戦略、組織・制度・ガバナンス、アセット・財務戦略

 

長期経営方針「VISION 2025」において、当社グループが目指す3つのビジョンを着実に実行するためには、人材戦略、組織・制度・ガバナンス、アセット・財務戦略など、その取り組みを支えるインフラを強化していく必要があります。

人材戦略では、目まぐるしく変化する社会のニーズに対応し、新たな価値を創造していくために、女性の活躍推進やグローバル人材・DX人材の採用・育成など、ダイバーシティを一層推進するとともに、働き方改革にも継続的に取り組むことで、多様な人材が活躍できる社会の実現を目指してまいります。

組織・制度・ガバナンスでは、当社グループの各社が、個社の利益ではなく、グループの利益が最大化するような取り組みを行っていく必要があり、そのため、グループ社員の意識や制度のあり方を変えていきます。また、新しいイノベーションを生み出す文化の醸成や制度創設にも改めて取り組んでいきます。さらに、事業領域が国内、海外を問わず今後も拡大を続けるなかで、企業活動におけるリスクマネジメントは非常に重要な課題と認識しており、当社およびグループ会社における内部管理態勢の強化など、引き続きコーポレート・ガバナンスを充実させ、企業価値の向上に一層努めてまいります。

アセット・財務戦略では、金融環境の変化に特に留意しながら、今後も厳選投資を継続してまいります。保有・開発・マネジメントのバランスの適切なコントロール、資産ポートフォリオの最適化に加えて、資産に応じた調達手法の最適化を図ることによって、財務の健全性を確保しながら持続的な利益成長を実現していきます。

 

③持続可能な社会の実現に向けて

 

当社グループは、「持続可能な社会」と「継続的な利益成長」を実現するため、E(環境)・S(社会)・G(ガバナンス)を重要な経営課題と位置づけ、グループ長期経営方針「VISION 2025」において、重点的に取り組むべき以下の6つの目標を掲げました。

・街づくりを通した超スマート社会の実現

・多様な人材が活躍できる社会の実現

・健やか・安全・安心なくらしの実現

・オープンイノベーションによる新産業の創造

・環境負荷の低減とエネルギーの創出

・コンプライアンス・ガバナンスの継続的な向上

かかる目標の達成に向け、例えば、「日本橋再生計画」においては、「日本橋室町三井タワー」内に、エネルギープラントを構築し、日本で初めて、既存ビルを含む周辺地域にも電気と熱を供給する「日本橋スマートエネルギープロジェクト」を開始し、災害に対して強靭で、環境性能の高いサステナブルな街づくりを推進しております。また、環境改善効果のある事業に充当する資金を調達するため、グリーンボンドの発行を行っております。

また、「三井不動産9BOX感染対策基準」等を通じ、引き続きパンデミックに強い安心・安全な施設運営を行ってまいります。中長期的な視野に立ち、様々なステークホルダーとの一層堅固で良好な関係の構築を目指すと共に、当社グループがこれまで以上に社会から必要とされる企業となれるよう努めてまいります。

今後も当社グループは、「&マーク」の理念のもと、ESG課題の解決に取り組むことで街づくりを一層進化させ、地域に根差したコミュニティの創出、良質なタウンマネジメントの推進を行うとともに、新技術を積極的に活用し、超スマート社会の「場」であるスマートシティを実現するよう努め、「持続可能な社会」と「継続的な利益成長」の実現を目指してまいります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、グループ長期経営方針「VISION 2025」において、2025年度前後に向けて、連結営業利益は 3,500億円程度、うち海外事業利益(※)は30%程度、ROAは5%程度となることを将来の見通しとしています。

 ※海外事業利益=海外営業利益+海外持分法換算営業利益(海外所在持分法適用会社について、各社の営業利益または営業利益相当額(当期純利益から税負担分を考慮して簡便的に算出した利益)に当社持分割合を乗じて算出した金額と海外所在持分法適用会社に係る関係会社株式売却益(不動産分譲を目的とした事業に係るものに限る)の合計額)

なお、グループ長期経営方針のもと、2023年3月期の通期業績予想は、売上高は2兆2,000億円、営業利益は3,000億円、経常利益は2,600億円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,900億円としておりました。セグメント別には、以下のとおりの業績見通しとしておりました。

 

 

2023年3月期通期業績予想

(2022.4.1~2023.3.31)

 

売上高

営業利益

賃貸

720,000

152,000

分譲

650,000

145,000

マネジメント

420,000

62,000

その他

410,000

△7,000

消去又は全社

△52,000

合計

2,200,000

300,000

 

 

 

(注)2022年11月9日公表時の通期業績予想となります。

 

また、当社グループの経営資源の配分・投入につきましては、有形・無形固定資産について、設備投資4,000億円、減価償却費1,200億円、販売用不動産について、新規投資5,000億円、原価回収4,800億円を見込んでいました。

 

これらの達成状況については、後記「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析/(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容/c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照ください。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)ガバナンス

・サステナビリティ推進体制

  当社は、サステナビリティ課題への取り組みを推進するため、「ESG推進委員会」(委員長:社長執行役員)および下部組織である「ESG推進部会」(部会長:サステナビリティ推進本部長)を設置しています。ESG推進委員会では、サステナビリティ課題における理念整理および方針策定、各部門における活動の目的・目標・計画の調整、進捗状況の監督・評価の機能を担っています。取り組みの推進にあたっては、ESG推進部会において部門別の年度目標を設定し、進捗管理等を行っています。なお、気候変動をはじめとするリスクについては、国や地方公共団体、一般社団法人日本経済団体連合会、一般社団法人不動産協会などの多様なチャネルから国内外の動向・要請等の情報収集を行い、専門性の高いESG推進部会でリスクの特定を行い、ESG推進委員会でその影響を評価しています。また、重要なリスクについては、業務委員会およびリスクマネジメント委員会にて当社事業への影響や、本業を通じた課題解決について対応検討を行うこととしています。

 このような取り組みについては、定期的に取締役会に報告され、目標および進捗状況のモニタリングが実施されるほか、必要に応じて都度取締役会における検討を行っています。また、経営層の報酬を決定する項目として、サステナビリティ課題に関する取り組みの状況が加味されています。

 

当社グループのサステナビリティ推進組織体制(2023年4月1日現在)

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※三井ホーム株式会社、三井不動産ファシリティーズ株式会社、三井不動産商業マネジメント株式会社、株式会社三井不動産ホテルマネジメント、東京ミッドタウンマネジメント株式会社では、グループ環境方針のもと、独自の環境方針を定めて環境活動を推進しています。また、個社独自の社会・環境報告も行っています。

 

(2)戦略

 三井不動産グループでは、グループのロゴマークである「&マーク」に象徴される「共生・共存」「多様な価値観の連繋」「持続可能な社会の実現」の理念のもと、グループビジョンに「&EARTH」を掲げ、社会・経済の発展と地球環境の保全に貢献しています。「&EARTH」は、三井不動産グループの街づくりが常に地球とともにあることを認識し、人と地球がともに豊かになる社会をめざしていることを表しています。長期経営方針「VISION 2025」では、「&マーク」の理念のもと、ESG課題に取り組み「持続可能な社会」と「継続的な利益成長」を実現することを目標としています。当社グループが目指していくあり姿の第一に「街づくりを通して、持続可能な社会の構築を実現」していくことを位置付け、以下の6つを重点的に取り組む目標「マテリアリティ」と定めています。これは、当社グループのサステナビリティ経営をさらに加速させていこうという意思の表れです。

1.環境負荷の低減とエネルギーの創出

2.オープンイノベーションによる新産業の創造

3.街づくりを通した超スマート社会の実現

4.健やか・安全・安心なくらしの実現

5.多様な人材が活躍できる社会の実現

6.コンプライアンス・ガバナンスの継続的な向上

 

・環境

 気候変動への対応は、社会基盤の構築・発展を担う当社グループの社会的責務であり、脱炭素に向けた取り組みを当社グループの最重要課題と位置付けています。当社は企業等に対して気候変動リスクと機会に関する情報開示を推奨する気候関連財務情報開示タスクフォースである「TCFD」の提言に賛同し、それに基づく情報開示をしております。また、事業活動で消費する電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目標とする国際的なイニシアティブ「RE100」に加盟し、取り組みを推進しています。2021年11月には、温室効果ガス削減目標を、2030年度までに40%削減(2019年度比)、2050年までにネットゼロとする新たな目標を設定し、国際的枠組みである「パリ協定」達成のために科学的根拠に基づいた削減目標を設定することを推奨する「SBT(Science Based Target)イニシアティブ」より、世界の平均気温上昇を産業革命前と比べて1.5℃未満に抑えるという「1.5℃」目標としての認定を取得しました。また単に目標を掲げるだけでなく、不動産業界のリーダーとして求められるアクションプランとして「脱炭素社会実現に向けたグループ行動計画」を策定しました。

 行動計画では、保有・運用物件の環境性能の向上や共用部の電力グリーン化だけでなく再生可能エネルギーの安定確保に向けた施策や、入居企業の要望に応じて専有部にグリーン電力を供給するサービスなどを行っております。これは、お客様の脱炭素に向けた取り組みにお応えするとともに、当社事業の差別化を実現する取り組みであり、まさに“脱炭素の実現”という社会的価値と“企業の競争優位性の確保”という経済的価値を結び付けた事業展開と言えます。また2022年3月には、学識経験者、設計者と協働し、「建設時GHG排出量算出マニュアル」を策定しました。将来的には学会・業界団体・同業他社(不動産会社・設計事務所)・施工会社・建築資機材メーカーなど関係者へ幅広く共有して、業界全体に貢献する取り組みを推進していきます。

 また、気候変動の課題のみならず、生物多様性や水環境の保全、環境汚染の防止および省資源・廃棄物削減といった環境に関する諸課題に対しても、オフィス・商業・住宅などあらゆる事業領域で積極的に対応しています。

 

・人的資本

 &マークに込められた思いの一つである「多様な価値観の連繋」、すなわち、近年、企業経営における多様性確保のために重要視されている「ダイバーシティ&インクルージョン」についても気候変動への対応と同様に当社グループの最重要課題と位置付けています。不動産デベロッパーとして新しい価値を創造し続けるための原動力は人材という資産であると考えており、2021年11月、ダイバーシティ&インクルージョン推進宣言および取組方針を策定し、特に女性活躍推進を重要テーマと位置付け、グループとして定量目標および定性的な活動計画を定めました。人種・国籍・宗教・性別・年齢・障がいの有無・性自認・性的指向などに関わらず多様な人材が公正に評価され、従業者一人ひとりがお互いを認め合い、個々の能力を最大限発揮できる職場環境にするために、働き方改革の推進や人事制度の充実等により、組織の生産性向上や従業者のワークライフバランスの支援に努めています。

 人材育成については、「個々人がプロフェッショナルな知識・能力を磨き、付加価値創造力を高める」、「多様な価値観・能力が融合し、チームとしての推進力に換えていく」という2点を実現させるために「社員一人ひとりと向き合い、その活躍の舞台を整える」ことを人材マネジメントの考え方としております。OJT、キャリアビジョンヒアリング、ジョブローテーション、研修プログラムの4つの人材育成の機会を組み合わせて、能力伸長を図ることを基本方針としたうえで、特に、ジョブローテーションや研修プログラムにより、多様で幅広い知識・能力を向上させていくことで、常に変化し続ける環境に適応できる人材の育成を図っています。

 

・社会-サプライチェーンの人権

 当社グループが街づくりを通して人々にビジネスライフやくらしを提供していくうえでは、一人ひとりの人権を尊重することが何より大切です。国連が提唱する「ビジネスと人権に関する指導原則」や「労働における基本的原則および権利に関するILO(国際労働機関)宣言」で定められた基本的権利を支持・尊重することはもとより、人権に配慮した事業の推進を徹底してまいります。2021年度は当社事業に関連するサプライチェーンの代表ともいえる建設会社6社にアンケートを実施したほか、2022年5月よりJP-MIRAIが開始した「外国人労働者相談・救済パイロット事業」に参画するなど、サプライチェーンマネジメントおよび人権デューデリジェンスに関する取り組みを強化しています。

 

 

(3)リスク管理

 ・リスクマネジメント体制

 「経営会議」が当社グループのリスクマネジメント全体を統括し、そのもとで「業務委員会」が事業リスクを、「リスクマネジメント委員会」が業務リスクを、それぞれマネジメントしています。法務・コンプライアンス管掌役員である取締役が、リスクマネジメント委員会に所属しており、また経営企画管掌役員である取締役が、業務委員会に所属しており、それぞれの取締役が定期的に取締役会および社長にリスク管理について報告しています。

 

・気候関連課題への対処

 当社では、規制・法制度、技術、市場動向等について、原則年1回、大きな改正時はその都度、計画策定時に特定したリスクに大きな変化がないか、対処すべき短期的なリスクがないか検証しています。例えば既存の規制に関し、「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例(東京都環境確保条例)」の規制対象温室効果ガスの拡大や、規制水準の引き上げについて重要度の高いリスクとして識別しています。また、「建築物省エネ法」については、2021年4月より床面積300㎡以上の中規模を含む建築を対象に、省エネ基準への適合が義務化されました。また、事業活動全体の気候変動に対する影響度合いを鑑み、運営時におけるCO2排出量を優先課題として認識しています。その中でも電気に由来する排出量の割合が最も大きいことから、RE100に加盟する等取り組みを進めています。

 

・大規模自然災害への対処

 当社グループは、災害に強い街づくりを推進するとともに、当社グループが運営する施設の従業員やテナント、お客様の安全・安心を守るために、防災訓練や救急救護講習など、事業継続計画(BCP)に関する取り組みを推進しています。原則毎年3回、想定を変えた大規模地震に対するグループ総合防災訓練を実施し、様々な状況において円滑な対応が出来るように、訓練を行っております。

 

・業務委員会

 事業リスク(主として事業推進・利益獲得のために取るリスク)を管理することを目的として、「業務委員会」を設置し、経営計画および特定の経営課題の審議ならびに遂行管理等を行っています。

 

・リスクマネジメント委員会

 業務リスク(業務遂行上のオペレーショナルリスク)を管理することを目的として、「リスクマネジメント委員会」を設置し、リスクマネジメント方針・計画の策定およびリスク課題の把握・評価、対応策の策定ならびに指示などをしています。

「リスクマネジメント委員会」では、業務リスクを統括的にマネジメントするとともにPDCAサイクルを確立し、クライシス対応や予防的リスク管理をより的確に実施できる体制としています。コンプライアンス違反と判断された場合は、リスクマネジメント委員会が調査と対処を指示し、モニタリングを行います。

 

・内部相談窓口の設置

 当社は、内部相談窓口を設置しています。当社正社員および個別労働契約(契約社員)・出向協定・労働者派遣契約・アルバイト契約等に基づき当社業務に従事する者であれば利用できます。社内・社外の2か所設置しており、いずれの窓口に相談することも可能です。社外窓口は弁護士事務所に設置していますが、中立的な立場で相談を受理し、会社に対して相談内容を連絡し対応を促すものです。

 相談対象は法令・社内規程・一般的社会規範および企業倫理に反する不正等、セクハラ・パワハラ等のハラスメント、雇用問題、職場環境の課題等です。相談者のプライバシーは保護され、相談行為を理由とした報復行為および人事処遇上の不利益な取扱い等を受けることはありません。また、実名でも匿名でも相談可能です。

 

 

(4)指標及び目標

・環境(連結 注1)

グループ全体KPI

CO2排出量実績

評価指標

達成時期

数値目標

2021年度 注3

CO2排出削減比率

<2019年度比>

注2

2030年度

2050年度

:▲40%

:実質ゼロ

4,199

(注)1.2021年度からは三井不動産㈱および連結子会社のうち、建物保有会社もしくは従業員100人以上の会社

ならびにCO2排出量が大きい会社(2021年度は三井不動産TGスマートエナジー㈱のみ)が対象。

2.単位は「千t-CO2

3.Scope1,2,3の合計です。詳細については、当社ESGレポート2023をご参照ください。

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・人的資本

①三井不動産㈱(単体)

KPI

実績

評価指標

達成時期

数値目標

2022年度

従業者エンゲージメント注1

毎年

80%

92%

一人当たり研修時間

注2

毎年

前年度実績水準

28.2時間

一人当たり研修投資額 注3

毎年

前年度実績水準

13.1万円

女性管理職比率 注4

2025年

2030年

:10%

:20%

7.7%

女性採用比率

毎年

40%

44.1%

育児休業復帰率

毎年

100%

100%

男性育児休業等取得率

注5・6

毎年

100%

122.9%

有給休暇取得日数

毎年

年間14日

16.2日

障がい者雇用率 注7

毎年

2.3%以上

2.52%

健康診断/

人間ドック受診率

毎年

100%

100%

(注)1.「当社で働いていることを誇りに思う」に5段階で上位2つに回答した割合

2.2022年度研修時間を正社員数で除した数字

3.2022年度研修金額を正社員数で除した数字

4.2023年4月1日の数字

5.分母は該当年度に配偶者が出産した男性社員の数、分子は該当年度に出生時育児休業・育児休業・育児

を目的とした休暇制度による休暇のいずれかを取得した男性社員の数。

6.配偶者が出産した年度と、育児休業等を取得した年度が異なる男性労働者がいる場合、100%を超えることがあります。

7.2022年6月1日の数字

 

②女性活躍におけるモデル会社

サンライフ・クリエイション㈱

KPI

実績

評価指標

達成時期

数値目標

2022年度

女性管理職比率 注1

-

-

62.5%

女性採用比率

-

-

91.7%

育児休業復帰率

毎年

100%

100%

有給休暇取得率

毎年

取得率70%

79.1%

 

三井不動産商業マネジメント㈱

KPI

実績

評価指標

達成時期

数値目標

2022年度

女性管理職比率 注1

2025年

2030年

:20%

:25%

17.6%

女性採用比率

-

-

46.5%

育児休業復帰率

毎年

100%

100%

有給休暇取得率

毎年

取得率80%

83.5%

 

㈱三井不動産ホテルマネジメント

KPI

実績

評価指標

達成時期

数値目標

2022年度

女性管理職比率 注1

2025年

2030年

:15%

:20%

17.7%

女性採用比率

-

-

81.6%

育児休業復帰率

毎年

100%

92.3%

有給休暇取得率

毎年

取得率70%

77.0%

(注)1.2023年4月1日の数字

2.当社は国内外多数のグループ会社が存在しているため、①三井不動産(単体)と②女性活躍における

  モデル会社について開示しています。

 

 

3【事業等のリスク】

 当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

  (1)当社グループの事業リスク

リスク名称

リスク内容

対策

①事業環境の変化によるリスク

景気変動、国内外の経済状況の変化、金利上昇、為替変動、物価変動、少子高齢化および人口減少等は、不動産需要の低下、市況の悪化による地価等の下落、個人消費の低迷等をもたらす可能性があります。

また、DXの進展、全世界的な気候変動への意識の高まり、地政学的リスクの顕在化や新型コロナウイルス感染症等によって、人々の生活様式や働き方、企業ニーズ、消費者ニーズおよび個人消費動向、産業構造等に変化が生じています。

こうした事業環境の変化に伴い、オフィスや商業施設等の賃貸用不動産の稼働率の低下や賃料の減少、分譲住宅等の販売用不動産の売上の減少の他、その対応のための費用の増加が生じ、当社グループの事業、財政状態および経営成績等は悪影響を受ける可能性があります。

当社グループは、事業環境や顧客ニーズの変化等を見極めながら、グループ会社の連携強化、顧客ニーズを先取りした商品開発、街づくりの一層の強化、新たなビジネスインフラの顧客への提供、DXの推進、人口動態や供給動向を見据えた立地戦略、海外を含めた資産ポートフォリオの戦略的構築等を進めてまいります。

②市場金利に関するリスク

当社グループは、事業の運営・発展のため、金融機関等から短期および長期の有利子負債を調達しています。新規の資金調達が必要となる場合、市場金利の上昇局面においては資金調達コストが増加する可能性があります。

また、市場金利の上昇は、住宅購入者の購買意欲の減退や、投資家の要求する不動産の期待利回りの上昇をもたらすことで、当社グループの分譲収益の減少や所有資産の価値の下落につながるおそれがあり、当社グループの事業、財政状態および経営成績等は悪影響を受ける可能性があります。

当社グループでは、かねてより大半の必要資金を長期かつ固定金利を中心に調達しており、既存の有利子負債については市場金利の上昇の影響を比較的受けにくい状況にあります。

また、今後の国内外の金利動向による、住宅ローン金利の動向や不動産取引市場におけるキャップレートの変動には、引き続き注視するとともに、今後もバランスシートの適正なコントロールを通じて、金利上昇リスクの軽減に努めてまいります。

③為替変動に関するリスク

為替の大幅な変動は、輸入価格の変動を通じ、建築コストやエネルギーコスト等に影響を与え、当社グループの個別事業におけるコストの変動要因となる可能性があります。

また、為替の変動が、テナント企業の業績へ影響を与えることを通じて、当社グループの賃貸収入等に影響を及ぼすおそれがあります。

加えて、当社グループは、国外で事業展開を進めており、為替の変動は、海外事業における資金調達時のコストや、当社連結決算上の海外事業損益の取り込み額、資産・負債の計上額の変動要因となります。

これらにより、当社グループの事業、財政状態および経営成績等に影響を与える可能性があります。

当社グループは、為替の変動を含む、各種原価の価格変動の要因・動向を注視し、個別事業において適切な対策を講じることを通じ、各種原価のコントロールに努めています。

また、当社グループの賃貸事業では、商品の競争力維持に努めるとともに、テナントリーシングの強化・推進に取り組むことで、事業環境変化に伴う賃貸収入の減少等の影響を抑えています。

海外事業においては、原則、現地通貨建てでの資金調達を実施することや、国内外のエリアにおける適度なポートフォリオ分散により、為替変動に伴うリスクを抑えるよう努めています。

④気候変動リスク

大規模な気候変動または気候変動リスクを考慮した企業ニーズや消費動向の変化により、国内外の経済環境や社会環境の変化が発生した場合、不動産需要の低下、地価等の下落、個人消費の低迷等が起こる可能性があり、その結果、当社グループの事業、財政状態および経営成績等は悪影響を受ける可能性があります。

当社グループは、気候変動への対応を重要な経営課題と位置づけ、「脱炭素社会実現に向けたグループ行動計画」を策定するとともに、気候変動の予測および変化の対応に努めてまいります。

⑤地政学的リスク

当社グループは、国内外において事業を展開しています。国・特定エリアが抱える政治的、軍事的、社会的な緊張の高まりが顕在化し、国・特定エリア間における関係の悪化、政治体制の混乱、経済環境の変動等が生じた場合、当該国・エリアで展開する当社グループの事業に対して直接的に影響を及ぼすおそれがあるほか、国際的なサプライチェーンの混乱等による燃料・原材料価格高騰や、その他事業環境の変化が生じることにより、当社グループの事業に対して影響を及ぼすおそれがあります。

これらの影響により、当社グループの事業、財政状態および経営成績等は悪影響を受ける可能性があります。

当社グループは、エリアおよび商品における適度なポートフォリオ分散を図っています。また、個別事業においても、一定のリスクを織り込んでの投資判断および事業推進を行っております。

⑥感染症リスク

新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、商業施設、ホテル等の当社事業活動に多大な影響を与え、当社グループの事業、経営成績に一時的に大きな悪影響を及ぼしました。

さらに、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって人々の生活様式や働き方に変化が生じ、シェアリングオフィスの需要増加、EC市場の拡大に代表されるような顧客ニーズの変化が生じています。そういった変化に伴って、賃貸用不動産の稼働率の低下や賃料の減少、販売用不動産の売上の減少の他、経済環境の変化や、その対応のための費用の増加が生じ、当社グループの事業、財政状態および経営成績等は悪影響を受ける可能性があります。

また、新型コロナウイルス感染症とは異なる新たな感染症が発生し流行する可能性もあり、当該新たな感染症の性質や感染症の発生・拡大に起因した国内外の事業環境の変化等によっては、当社グループの事業、財政状態および経営成績等は新型コロナウイルス感染症と同等またはそれ以上の悪影響を受ける可能性があります。

当社グループにおいては、「三井不動産9BOX感染対策基準」を策定し、新型コロナウイルス感染症の被害を軽減または防止するための措置を講じることで、ウイルスの特性に合わせた感染対策を行いながら施設営業の正常化を図りました。

さらに、当社グループは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を経たことによる顧客ニーズや事業環境の変化等を見極めながら、グループ会社の連携強化、ニーズを先取りした商品開発、街づくりの一層の強化、新たなビジネスインフラの顧客への提供、DXの推進等を進めることで競争力を維持・強化してまいります。

また、新型コロナウイルス感染症とは異なる新たな感染症が発生し流行した場合にも、人命保護を最優先としつつ当社グループの事業活動とのバランスを図り対応してまいります。

⑦不動産事業における競合リスク

当社グループが推進する不動産事業は、総じて競争的な環境にあります。

例えば、開発用地の取得においては、適した立地を巡り他社と競合することがあります。また、オフィス、商業施設等の賃貸事業におけるテナント誘致や、住宅分譲事業における顧客獲得、ホテル・リゾート事業における労働者の確保等の様々な面で他社と競合する可能性があります。さらに、DXの進展に代表される技術革新や、価値観の変化が既存のビジネスモデルを破壊する、いわゆる破壊的イノベーションは、競争環境に多大な影響を与える可能性があります。これらの要因が、費用の増加や収益の減少につながり、その結果、当社グループの事業、財政状態および経営成績等は悪影響を受ける可能性があります。

当社グループは、グループ会社の連携強化、顧客ニーズを先取りした商品開発、街づくりの一層の強化、新たなビジネスインフラの顧客への提供、DXの推進、既存施設の価値向上、既存事業を通じた顧客とのネットワークや建替・コンバージョン等グループ力を活かした事業機会の獲得等を通じて、競争力を維持・強化してまいります。

⑧賃貸収入に関するリスク

当社グループの賃貸事業においては、テナントが賃貸借契約を中途解約した場合や賃貸期間満了時に賃貸借契約を更新しない場合および、テナントの賃料を減免せざるを得ない場合には、収入が減少するおそれがあります。

また、テナントが倒産した場合、賃料の支払遅延や回収不能が発生するだけでなく、当該テナントの退去が遅延した場合、後継のテナントリーシングや当該物件の売却活動にも不利な影響が及ぶ可能性があります。これらの結果、当社グループの事業、財政状態および経営成績等は悪影響を受ける可能性があります。

当社グループは、グループ会社の連携強化、顧客ニーズを先取りした商品開発、街づくりの一層の強化、新たなビジネスインフラの顧客への提供、DXの推進、既存施設の価値向上等を通じて、競争力を維持すると共に、テナントリーシングの強化・推進に取り組んでいます。

⑨資産価値変動リスク

当社グループは、不動産事業に関連する資産を多く保有しております。

当該資産については、市場金利の上昇等により、住宅購入者の購買意欲の減退および投資家の要求する不動産の投資期待利回りの上昇等が生じた結果、売却による利益の減少や損失の発生等に繋がる可能性があります。加えて、当該所有資産について、減損損失や評価損の認識等を行う可能性があります。

また、当社グループは、投資有価証券を保有しており、当該有価証券の資産価値が低下した結果、売却による利益の減少、損失の発生等に繋がる可能性があります。加えて、当該有価証券について、評価損の認識等の可能性があります。かかる資産価値の変動により、当社グループの事業、財政状態および経営成績等は悪影響を受ける可能性があります。

当社グループは、バランスシートの適正なコントロールや、最適なポートフォリオの構築を通じて、リスク耐性のある事業基盤の構築を目指しております。

また、マーケットにおける資産価値変動の要因・動向を注視するとともに、商品企画やサービスの向上等を通じた市場競争力の強化により、資産価値変動リスクの軽減に努めています。

⑩原価変動リスク

当社グループが推進する事業は、建築工事費、エネルギーコスト、人件費等、様々な原価の価格変動にさらされています。

当社グループの個別事業において、各種原価の上昇分を必ずしも顧客への販売価格や賃料等に反映することができず、収益性に悪影響を与えるおそれがあります。

その結果、当社グループの事業、財政状態および経営成績等は悪影響を受ける可能性があります。

当社グループは、マーケットにおける各種原価の価格変動の要因・動向を注視し、個別事業において適切な対策を講じることを通じ、各種原価のコントロールに努めています。

⑪資金調達リスク

当社グループは、金融機関等からの借入金、コマーシャル・ペーパーおよび社債の発行等により、事業に必要な資金を調達しています。市場金利の上昇や、金融市場の混乱、当社格付の引下げ、または金融機関や機関投資家等の融資および投資方針の変更等により、当社グループの資金調達への制約、あるいは資金調達コストの増大のおそれがあり、当社グループの事業、財政状態および経営成績等は悪影響を受ける可能性があります。

当社グループは、かねてよりD/Eレシオ管理による健全な財務体質を維持するとともに、調達先・調達手段の多様化や、コミットメントライン等の活用により十分な流動性を確保し、安定資金の確保に努めております。

⑫不動産開発リスク

当社グループの不動産開発事業においては、用地取得、開発、建設等の各段階において多額の投資を行っており、投資回収までには一定の年月を要します。不動産開発事業に要する期間および投資額は、不動産需要の変化、天候、自然災害、事故、不祥事、請負業者の倒産、政府の規制または政策の変更、市場環境の変化、規制当局からの許認可の取得の遅延、埋設物または土壌汚染の発見、地域住民による反対、その他予期し得ない問題等、当社グループではコントロールできない多くの要因により、コストの増加、開発スケジュールの遅延等の影響を受ける場合があります。

これらにより、当社グループの事業、財政状態、経営成績等および当社グループの市場での評価は悪影響を受ける可能性があります。

当社グループは、個別事業において、一定のリスクを織り込んでの投資判断のうえ、事業推進および施工管理を行っています。

また、当社事業に特に大きな影響を及ぼす問題が発生した場合は、速やかに経営に報告し、適切に対応するガバナンス体制を構築しています。

⑬海外事業に伴うリスク

当社グループは、日本国内だけではなく、米国、英国およびアジアを中心に国外でも事業展開を進めています。

海外事業においては、各国・地域の法令や許認可の遵守、多様な国籍、言語、文化を踏まえた人員配置や労務管理等が必要となります。加えて、法規制や税制の変更、金利水準の上昇、インフレおよび為替水準の変動、内乱または紛争、テロ事件、疫病の流行、国際関係の悪化等による政治的または経済的不安定等の世界的または各国の事業環境の変化や、当社グループに対する訴訟等、当社グループのコントロールの及ばない様々なリスク要因の影響を受けるおそれがあります。

また、当社グループは、現地企業との提携を通じて海外事業を推進することが多く、当該提携先の財務状態や提携関係等により、現地での事業展開に影響を受けるおそれがあります。

これら様々なリスク要因により、当社グループの事業、財政状態および経営成績等は悪影響を受ける可能性があります。

当社グループは、海外での事業展開において必要な情報収集や、現地の市場や法規制等に精通した現地企業を提携先として選定するように努めています。

また、海外事業共通のガバナンス指針として、「グローバル・ガバナンス・ガイドライン」を定めており、現地法人・本社海外事業本部・本社スタッフ部門の3つの階層により適切なリスク管理を実施しています。

⑭物件ポートフォリオの立地に関するリスク

地震、台風、大雨、洪水、津波、噴火等の自然災害や、火災、事故、暴動、テロ、ミサイル攻撃等の人為的な災害が発生した場合、従業員が被災し業務に支障をきたすおそれがあるだけでなく、当社グループの資産が保険では担保しきれない重大な被害を受けるおそれがあります。

これらの被害を軽減または防止するために様々な事業継続計画(BCP)を講じていますが、想定外の災害等が発生した場合には、当社グループの事業、財政状態および経営成績等は悪影響を受ける可能性があります。

当社は、オフィスビル、商業施設、ホテル・リゾート、ロジスティクスなどの商品を国内各エリアで展開しており、さらに、海外での事業展開も進めるなど、ポートフォリオのエリア分散に取り組んでおります。

また、建物の耐久性向上や、被災度判定システムの導入や非常用発電機の72時間稼働化、コジェネレーションシステムを活用した特電事業等のBCP対策を推進しています。

今後もリスク耐性のある事業基盤の構築に努めてまいります。

⑮法令・政策の変更に関するリスク

当社グループは、新たな法令、規制の制定や、既存の法制の変更により、これらに即して当社グループにおける事業構造や資金調達方法を変更せざるを得ない、または、これらの制定や変更に対応するための費用が発生する可能性があります。

このような法規制の変更等によって、当社グループの事業、財政状態および経営成績等は悪影響を受ける可能性があります。

当社グループは、国内外の各種法令、規制、法制の動向について、各種団体や専門家等からの情報を収集・分析して当社の各組織にて対応の検討を行い、影響の度合いや内容に応じて必要と判断したものについては、速やかに情報を共有の上、適切に対応しています。

⑯多様な人材確保に関するリスク

当社グループを取り巻く事業環境は一段と変化を速め、少子高齢化、社会の成熟化、女性の社会進出やグローバリゼーションのさらなる進展に加え、新型コロナウイルス感染症の感染拡大がもたらした人々のくらしや行動の変容、サステナビリティの重要性の高まり等により、当社がサービスを提供する顧客の多様性と個別性が一層拡がりを増しています。また、このような環境変化に伴い、従来の個別事業の枠組みのなかだけでは解決できない社会課題が生じてきています。

当社グループを取り巻く事業環境の変化や新たに生じる社会課題等に対応するための人材の継続的な確保や育成が不十分である場合には、当社グループの事業、財政状態および経営成績等は悪影響を受ける可能性があります。

当社グループが新しい価値を創造し続け、競争優位性を確保していくための原動力は人材であると考えております。そして、ダイバーシティ&インクルージョンの推進を重要な経営戦略の一つと位置付け、「ダイバーシティ&インクルージョン推進宣言」とその取り組み方針を策定し、グループ一体となって推進しています。

 

 

 

  (2)当社グループの業務リスク

リスク名称

リスク内容

対策

①被災リスク

地震、風水害、感染症等の自然災害および戦争、テロ等の人為的災害により、従業者が被災し業務に支障をきたす恐れがあるだけでなく、当社グループが保有・管理等をしている不動産の毀損または滅失等を招くおそれがあり、その場合、当社グループの事業継続や財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、災害時の安心・安全の確保に努めるとともに、災害が発生した場合には、その影響を最小限に抑え、生活や事業を継続できるよう防災に取り組むとともに、災害発生時の事業継続計画や行動計画等を策定し、当社グループにおける事業継続に関する取り組みを行っております。

 各種災害に関し、事業継続計画(BCP)を策定し、非常時の指揮命令系統、事業継続のための任務分担、各任務の災害対応マニュアルを定め、災害の影響を最小限に抑える体制を整備しています。また、参集拠点として常設の災害対策本部室を用意し、年に複数回大規模地震災害を想定した「災害対応訓練」を実施し、事業継続計画(BCP)に定められている対応の確認(役職員の生命や安全の確保、指揮系統の確立、事業復旧等)を行っています。

 その他、宿日直制度による24時間365日体制を整えるとともに、災害に強い施設づくりとしてBCP関連の投資や中圧ガスを活用した電気・熱供給事業、建物管理研修施設の「三井不動産総合技術アカデミー」を開校する等、様々な施策を実施しています。

②システムリスク

 当社グループでは、情報システムおよび制御システムにおけるシステム障害や、不正アクセス・ウイルス被害による情報漏洩等の不測の事態により、万一、当社のシステムが正常に利用できない場合や個人情報が外部へ漏洩した場合、当社グループの営業活動や業務処理の遅延、信用の失墜およびそれに伴う売上高の減少や損害賠償費用の発生等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 セキュリティの確保はこれまで以上に重要性を増していくと考え、情報システムおよび制御システムにおいて計画的なセキュリティ診断・年次点検を実施し、標的型攻撃メール訓練等による役職員へ啓蒙を行うとともにインターネット接続時における情報アクセスへの制限やログ管理、情報端末の紛失に備えた対策の強化、第三者によるシステム・セキュリティ診断の実施、ウイルススキャンや異常な動きに対する検知システムの導入等を行い、サイバー攻撃や情報漏洩に備えた環境整備を進めています。

 個人情報に関しては、関係する諸法令の遵守と適正な取扱いの確保に努めており、当社グループにおける情報の組織的管理とセキュリティレベルの維持向上を図る目的として「情報管理規則」「秘密情報取扱規程」を定め、定期的に役職員の教育・啓蒙を行っています。

③コンプライアンスリスク

 当社グループの主たる業務である宅地建物取引業に関して、顧客に対する重要事項説明の誤りや不実告知等の法令違反により当局から行政処分等を受ける場合があります。また、建築基準法、金融商品取引法、会社法、個人情報保護法等、当社グループが事業を行う上で関係する法令に違反した場合、当社グループの信用の失墜、罰金等が課されることにより、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループでは、役職員の不正、業務上の過失等によるリスクが発生する可能性があります。当該リスクが顕在化した場合には、当社グループの信用の失墜及びそれに伴う売上高の減少や損害賠償費用の発生等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 役職員が法令等を遵守し、より高い倫理観に従って行動するための基本的な事項を定める「三井不動産グループコンプライアンス方針」をはじめ、社内規程の制定と定期研修によるその周知徹底・啓蒙を推進しております。また、宅地建物取引業法等の主要な法令に関しては、法令遵守のため、各法令に応じた業務フローの策定を行い、研修やOJTによる周知徹底と法令遵守の定期的な自主点検を行っております。

④品質リスク

 当社グループが行う不動産開発事業において設計・施工等の不備が発生した場合、また、当社グループが賃貸・管理する施設において管理上の不備が発生した場合は、当社グループの信用の失墜、想定外の費用及び開発計画、運営計画の遅延が生じる等、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 不動産開発事業においては、一定の信用力・技術力を有する第三者に建物の設計・施工業務等を発注し、その設計・施工における品質を確保するため、当社グループにて独自の品質基準を定め、設計・施工業務等の発注先による遵守徹底を図るとともに、発注者として施工状況の確認及び品質検査を実施しております。賃貸・管理する施設に関しては、業務内容に応じたマニュアルを策定の上、研修・OJTを通じて業務品質を確保しています。また、万一の不備や事故等に備え、損害保険を付保しております。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

  当連結会計年度における当社グループの財政状態及び経営成績の状況の概要は、以下のとおりです。

 

①財政状態および経営成績の状況

a.財政状態

◆資産

  当期末の総資産は、8兆8,413億円となり、前期末比で6,333億円増加しました。

  主な増減としては、販売用不動産(仕掛販売用不動産、開発用土地、前渡金を含む)が1,119億円増加、新規投資等により有形・無形固定資産が3,789億円増加し、また、投資有価証券が時価評価等により411億円増加しました。

  なお、当期の設備投資額は3,865億円、減価償却費は1,252億円でした。

◆負債

  当期末の有利子負債(短期借入金、ノンリコース短期借入金、コマーシャル・ペーパー、1年内償還予定の社債、ノンリコース1年内償還予定の社債、社債、ノンリコース社債、長期借入金、ノンリコース長期借入金の合計額)は、4兆485億円となり、前期末比で3,812億円増加しました。

  なお、資金調達の流動性補完を目的として、コミットメントラインを複数の金融機関との間で設定しており、未使用のコミットメントラインが4,000億円あります。

  また、当期末の流動比率(流動資産/流動負債)は、前期末の201%から低下し183%となりました。

◆純資産

  当期末の純資産合計は、3兆312億円となり、前期末比で1,174億円の増加となりました。これは、利益剰余金が1,090億円、為替換算調整勘定が572億円増加した一方で、その他有価証券評価差額金が448億円減少したこと等によります。

  当期末の自己資本比率は32.8%と前期末の34.1%から低下し、D/Eレシオ(有利子負債/自己資本)は1.40倍と前期末の1.31倍から上昇しました。なお、1株当たり純資産額は、3,107.37円(前期末は2,942.11円)となりました。

 

b.経営成績

 当社グループの連結業績につきましては、売上高は2兆2,691億円(前期比1,682億円増、8.0%増)、営業利益3,054億円(前期比604億円増、24.7%増)、経常利益2,653億円(前期比404億円増、18.0%増)となりました。これに特別利益として投資有価証券売却益440億円を計上し、特別損失として固定資産除却損81億円や投資有価証券評価損31億円等を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,969億円(前期比200億円増、11.3%増)となりました。

 

 

 報告セグメント別の業績は、次のとおりです。

 各セグメントの売上高は、外部顧客に対する売上高を記載しており、特に記載のない場合、単位は百万円となっております。

賃貸

 

当期

(2022.4.1~2023.3.31)

前期

(2021.4.1~2022.3.31)

増減

売上高

754,306

668,167

86,138

営業利益

149,153

129,983

19,169

 

「50ハドソンヤード(米国・オフィス)」の収益・利益の拡大に加え、既存商業施設の前期比での回復、「ららぽーと福岡(商業)」「ららぽーと堺(商業)」の新規開業効果等により、セグメント全体では、861億円の増収、191億円の増益となり、売上高・営業利益ともに過去最高を更新しました。

なお、当期末における当社の首都圏オフィス空室率(単体)は3.8%(当第3四半期末の6.4%から2.6pt改善)となりました。

 

<売上高の内訳>

 

当期

(2022.4.1~2023.3.31)

前期

(2021.4.1~2022.3.31)

増減

オフィス

426,928

389,811

37,116

商業施設

261,394

226,218

35,176

その他

65,984

52,137

13,846

合計

754,306

668,167

86,138

 

・貸付面積の状況(単位:千㎡)

 

当期

(2023.3.31)

前期

(2022.3.31)

増減

オフィス  所有

1,960

1,894

66

      転貸

1,491

1,502

△11

商業施設  所有

1,873

1,758

115

      転貸

651

634

17

 

・期末空室率推移(%)

 

2023/3

2022/3

2021/3

2020/3

2019/3

2018/3

2017/3

2016/3

オフィス・商業施設(連結)

4.3

3.0

2.9

2.3

1.8

2.4

3.1

2.2

首都圏オフィス(単体)

3.8

3.2

3.1

1.9

1.7

2.2

3.4

2.6

地方オフィス(単体)

2.8

3.7

3.5

1.3

1.8

2.3

2.3

3.1

 

 

<当期における主要な新規・通期稼働物件>

・新規稼働物件(当期稼働物件)

ららぽーとブキッ・ビンタン

シティ センター

マレーシア

クアラルンプール

2022年1月開業

商業施設

三井アウトレットパーク台南

台湾台南市

2022年2月開業

商業施設

ららぽーと福岡

福岡県福岡市

2022年4月開業

商業施設

50ハドソンヤード

米国ニューヨーク市

2022年6月竣工

オフィス

東京ミッドタウン八重洲

東京都中央区

2022年8月竣工

オフィス・ホテル・商業施設

ららぽーと堺

大阪府堺市

2022年11月開業

商業施設

 

・通期稼働物件(前期稼働物件)

ららぽーと上海金橋

中国上海市

2021年4月開業

商業施設

大宮門街 SQUARE

埼玉県さいたま市

2021年10月竣工

オフィス

イノベーション スクエア PhaseⅡ

米国ボストン市

2021年11月竣工

オフィス

ららステーション上海蓮花路

中国上海市

2021年12月開業

商業施設

 

<単体の賃貸事業内訳>

・全体

 

当期

(2022.4.1~2023.3.31)

前期

(2021.4.1~2022.3.31)

売上高

650,667

579,326

粗利益

94,703

76,227

粗利益率(%)

14.6

13.2

 

・オフィス・商業施設

 

オフィス

商業施設

 

首都圏

地方

合計

首都圏

地方

合計

売上高

314,687

24,123

338,811

160,403

82,959

243,363

貸付面積(千㎡)

2,550

284

2,835

1,423

832

2,255

棟数(棟)

96

23

119

71

26

97

空室率(%)

3.8

2.8

3.7

2.0

2.5

2.2

 

分譲

 

当期

(2022.4.1~2023.3.31)

前期

(2021.4.1~2022.3.31)

増減

売上高

640,662

643,851

△3,189

営業利益

145,711

138,343

7,367

 

国内住宅分譲は、「パークコート千代田四番町」等の引渡しの進捗等により増収増益となりました。投資家向け・海外住宅分譲等は、資産回転の継続により、投資家等への国内・海外の物件売却を推進し、前期と同様、1,000億円を超える営業利益を計上しました。セグメント全体では、31億円の減収、73億円の増益となり、営業利益は過去最高を更新しました。

なお、国内の新築マンション分譲の次期計上予定戸数3,350戸に対する契約達成率は77.5%となりました。

 

<売上高・営業利益の内訳>

 

当期

(2022.4.1~2023.3.31)

前期

(2021.4.1~2022.3.31)

増減

国内住宅分譲

 

 

 

   売上高

270,530

245,155

25,374

   営業利益

39,368

24,028

15,340

投資家向け・海外住宅分譲等

 

 

 

   売上高

370,132

398,696

△28,564

   営業利益

106,342

114,315

△7,972

売上高合計

640,662

643,851

△3,189

営業利益合計

145,711

138,343

7,367

 

<国内住宅分譲内訳>

・売上高等の内訳

 

当期

(2022.4.1~2023.3.31)

前期

(2021.4.1~2022.3.31)

増減

マンション

235,638

(3,196戸)

206,669

(3,208戸)

28,968

(△12戸)

  首都圏

196,655

(2,324戸)

180,674

(2,539戸)

15,980

(△215戸)

  その他

38,983

(872戸)

25,995

(669戸)

12,987

(203戸)

戸建

34,892

(420戸)

38,485

(507戸)

△3,593

(△87戸)

  首都圏

34,787

(418戸)

36,149

(467戸)

△1,362

(△49戸)

  その他

104

(2戸)

2,335

(40戸)

△2,231

(△38戸)

売上高合計

270,530

(3,616戸)

245,155

(3,715戸)

25,374

(△99戸)

 

・契約状況

 

 

マンション

戸建

合計

期首契約済み

(戸) (A)

4,002

155

4,157

期中契約

(戸) (B)

3,450

383

3,833

計上戸数

(戸) (C)

3,196

420

3,616

期末契約済み

(戸) (A)+(B)-(C)

4,256

118

4,374

完成在庫

(戸)

55

0

55

新規発売

(戸)

3,340

377

3,717

(注)契約済み戸数、新規発売戸数には、次期以降に計上が予定されている戸数も含まれております。

 

・期末完成在庫推移(戸)

 

2023/3

2022/3

2021/3

2020/3

2019/3

2018/3

2017/3

2016/3

マンション

55

82

150

128

141

108

321

88

戸建

0

7

17

58

30

40

69

127

合計

55

89

167

186

171

148

390

215

 

・当期における主要な計上物件(国内住宅分譲)

パークコート千代田四番町

東京都千代田区

マンション

パークシティ柏の葉キャンパスサウスマークタワー

千葉県柏市

マンション

SHIROKANE The SKY

東京都港区

マンション

パークホームズ日本橋時の鐘通り

東京都中央区

マンション

ファインコート稲城南山

東京都稲城市

戸建

 

・当期における主要な計上物件(投資家向け分譲・海外住宅分譲)

200アムステルダム

米国ニューヨーク市

マンション

ウェストエッジタワー

米国シアトル市

賃貸住宅

豊洲ベイサイドクロスタワー

東京都江東区

オフィス

コートランド

米国ニューヨーク市

マンション

飯田橋グラン・ブルーム

東京都千代田区

オフィス

ザ・ゲージ

米国デンバー市

賃貸住宅

 

マネジメント

 

当期

(2022.4.1~2023.3.31)

前期

(2021.4.1~2022.3.31)

増減

売上高

445,924

429,350

16,573

営業利益

63,383

57,205

6,178

 

 プロパティマネジメントは、リパーク(貸し駐車場)における前期比での稼働向上や費用削減効果等により増収増益となりました。仲介・アセットマネジメント等は、プロジェクトマネジメントフィーが増加した一方で、リハウス事業(個人向け仲介事業)における経費の増加等により増収微減益となりました。

 セグメント全体では、165億円の増収、61億円の増益となり、売上高・営業利益ともに過去最高を更新しました。

 

<売上高・営業利益の内訳>

 

当期

(2022.4.1~2023.3.31)

前期

(2021.4.1~2022.3.31)

増減

プロパティマネジメント

 

 

 

   売上高(※1)

334,973

321,572

13,400

   営業利益

37,547

31,296

6,251

仲介・アセットマネジメント等

 

 

 

   売上高

110,950

107,777

3,172

   営業利益

25,836

25,909

△72

売上高合計

445,924

429,350

16,573

営業利益合計

63,383

57,205

6,178

 

※1 当期末のリパーク(貸し駐車場)管理台数の状況

   リパーク管理台数:250,515台(前期末:251,506台)

 

・三井不動産リアルティの仲介事業の状況(仲介・アセットマネジメント等に含む)

 

当期

(2022.4.1~2023.3.31)

前期

(2021.4.1~2022.3.31)

増減

 

取扱高

件数

取扱高

件数

取扱高

件数

仲介

1,918,415

(39,106件)

1,892,665

(41,183件)

25,749

(△2,077件)

 

・三井不動産レジデンシャルの販売受託事業の状況(仲介・アセットマネジメント等に含む)

 

当期

(2022.4.1~2023.3.31)

前期

(2021.4.1~2022.3.31)

増減

 

取扱高

件数

取扱高

件数

取扱高

件数

販売受託

57,180

(702件)

55,484

(765件)

1,695

(△63件)

 

その他

 

当期

(2022.4.1~2023.3.31)

前期

(2021.4.1~2022.3.31)

増減

売上高

428,209

359,499

68,709

営業利益

△4,239

△29,641

25,402

 

 ホテル・リゾートのRevPARが大幅に改善したことや、東京ドームにおいて稼働日数・来場者数が増加したこと等により、セグメント全体では、687億円の増収、254億円の営業損失の改善となり、売上高は過去最高を更新しました。

 

<売上高の内訳>

 

当期

(2022.4.1~2023.3.31)

前期

(2021.4.1~2022.3.31)

増減

新築請負

150,741

158,307

△7,565

施設営業

93,930

46,803

47,127

東京ドーム

73,142

59,388

13,754

その他

110,394

95,000

15,393

合計

428,209

359,499

68,709

 

・受注工事高内訳

 

当期

(2022.4.1~2023.3.31)

前期

(2021.4.1~2022.3.31)

増減

新築請負

137,806

139,797

△1,991

 

 

 

②キャッシュ・フローの状況

 当期末における現金及び現金同等物の残高は、前期末比で103億円減少し、1,323億円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次の通りです。

 

◆営業活動によるキャッシュ・フロー

 当期は、営業活動により2,977億円の増加となりました。これは、税金等調整前当期純利益2,959億円や減価償却費1,252億円等によるものです。一方で、法人税等の支払額又は還付額1,098億円等による減少がありました。

 

◆投資活動によるキャッシュ・フロー

 当期は、投資活動により4,220億円の減少となりました。これは、有形及び無形固定資産の取得による支出3,627億円、投資有価証券の取得による支出948億円等によるものです。一方で、預り敷金保証金の受入による収入517億円、投資有価証券の売却による収入505億円等による増加がありました。

 

◆財務活動によるキャッシュ・フロー

 当期は、財務活動により1,114億円の増加となりました。これは、借入金の調達等によるものです。

 

③生産、受注および販売の状況

 生産、受注および販売の状況については、「①財政状態および経営成績の状況」における報告セグメント別の業績に関連付けて示しています。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下の通りです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

 当社グループの連結業績につきましては、売上高は2兆2,691億円(前期比1,682億円増、8.0%増)、営業利益3,054億円(前期比604億円増、24.7%増)、経常利益2,653億円(前期比404億円増、18.0%増)となりました。これに特別利益として投資有価証券売却益440億円を計上し、特別損失として固定資産除却損81億円や投資有価証券評価損31億円等を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,969億円(前期比200億円増、11.3%増)となりました。また、当連結会計年度末の総資産は8兆8,413億円となり、有利子負債残高は4兆485億円となりました。

 

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症抑制と経済活動の両立が進み、緩やかな持ち直しの動きが続きました。一方、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、米中関係の緊張、台湾・中国間の両岸問題といった地政学的リスク、エネルギー価格および原材料価格の上昇、世界的な金融引き締め等により、先行きの不透明感が一層高まりました。

 当不動産業界では、オフィス賃貸事業については、働き方の変化に伴うオフィスの集約や縮小の動きが一部でみられたものの、リアルなコミュニケーションの重要性を意識した館内増床や拡張移転の動きもあり、都心の好立地物件を中心として堅調に推移しました。商業施設賃貸事業については、上半期を中心に新型コロナウイルス感染症の影響を受け、売上・客数が伸び悩んだものの、秋以降は、新型コロナウイルス感染症に対する人々の意識が変化したことによる来館者の増加等を受け、回復基調で推移しました。ホテル施設運営事業については、宿泊主体型ホテルやリゾートホテルにおいて、上半期は入国制限等の影響により、引き続き厳しい状況となりましたが、秋以降は入国制限の緩和や円安によるインバウンドニーズの戻りに加え、「全国旅行支援」による国内旅行の活性化を追い風に、首都圏を中心に急速に回復しました。物流施設賃貸事業については、EC事業拡大等による物流施設への需要の高まりから、新規供給面積が増えるなど、市場規模の拡大が継続しました。住宅分譲事業については、住環境に対する関心の高まりやニーズの多様化、低金利の継続等により、顧客の購入意欲は高い状況が続き、マーケットは好調に推移しました。

 このような事業環境のもと、当社グループにおきましては、六本木、日比谷に続く3施設目の東京ミッドタウンとして、「JAPAN VALUEを世界に発信しつづける街」という理念のもと、「東京ミッドタウン八重洲」(東京都中央区)を開業させました。新型コロナウイルス感染症による働き方の不可逆的な変化を捉え、多様なニーズに合わせた最適な働き方や、快適でプレミアムなビジネスライフの実現を支援する、ポストコロナ時代の「行きたくなるオフィス」を提案することで、テナント企業から高い評価を受けました。当社グループの海外事業における旗艦物件に位置づけられる「50ハドソンヤード」(米国・ニューヨーク)については、オフィスを「対面によるコラボレーションを通じた新たな価値創造を促す場」として戦略的に捉える企業から高く評価され、順調なリーシング状況の中で竣工を迎えました。また、新たに開業させた「三井ショッピングパーク ららぽーと堺」(大阪府堺市)では、スポーツやエンターテインメントを主軸とした施設づくりにより、多くのお客様にご来館いただき、好調なスタートを切りました。さらに「フォーシーズンズホテル東京大手町」(東京都千代田区)等のラグジュアリーホテルを中心に、的確なマーケティングにより、秋以降のインバウンドの戻りに伴う高額宿泊ニーズを捉え、競合施設との差別化を実現いたしました。

 また、様々な社会課題の解決を通して、持続可能な社会の構築に貢献することが、「&マーク」の理念を掲げる当社グループの社会的使命であると認識しており、特に「脱炭素社会の実現」と「ダイバーシティ&インクルージョンへの取り組み」を最重要課題と位置づけ、積極的に取り組んでおります。

 「脱炭素社会の実現」については、2021年11月に策定した、「脱炭素社会実現に向けたグループ行動計画」に基づき、新築物件におけるZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)・ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)水準の環境性能実現、国内全施設における電力グリーン化等の再生可能エネルギーの積極活用、メガソーラー事業の拡大など、様々な施策を着実に推進してまいりました。また、国内不動産会社では過去最高額のグリーンボンドを「東京ミッドタウン八重洲」の開発資金に充当するなど、サステナブルファイナンスによる資金調達も行ってまいりました。このような取り組みの結果、当社は、国際的な環境調査・情報開示を行う非営利団体であるCDPより、気候変動部門において最高評価にあたる「CDP2022 気候変動Aリスト」に2年連続で選定されました。

 また、「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」については、「ダイバーシティ&インクルージョン推進宣言」とその取り組み方針に基づき、特に女性活躍推進を重要なテーマと定め、社外のロールモデルによる座談会を実施するなど、多様なマネジメント像について学ぶ機会の提供、各本部・各部門がそれぞれ女性活躍推進施策を議論・策定したうえで主体的に実行する仕組みづくり、当社グループ各社における女性活躍推進に向けたロードマップ策定とその実行など、当社グループ全体での取り組みを進めてまいりました。このような取り組みの結果、経済産業省と東京証券取引所が女性活躍推進の分野で、業種ごとに最も優れた企業を選定する「なでしこ銘柄」に選ばれました。

 さらに、「サステナブル調達基準」の当社グループ内および取引先への周知徹底や、人権デューデリジェンスの対象拡大等、「ビジネスと人権」の取り組みを進めたほか、当社グループ全体で生物多様性に配慮した事業活動を行うとともに、サプライチェーンにおける生物多様性への影響に配慮するとした「三井不動産グループ生物多様性方針」を策定するなど、重要なESG課題についても当社グループ全体で取り組んでまいりました。

 これらの様々な施策を通じて、営業収益、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のすべてにおいて、期中に公表した連結業績予想を上回る結果となりました。

 

c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループでは、2018年5月にグループ長期経営方針「VISION 2025」を策定し、2025年度前後に向けて、連結営業利益は3,500億円程度、うち海外事業利益(※)は30%程度、ROAは5%程度を達成することを目標指標といたしました。

 当連結会計年度は新型コロナウイルス感染症の影響を受けたものの、営業利益は3,054億円、うち海外事業利益は18.9%、ROAは3.9%となりました。グループ長期経営方針公表からの5年間で、目標指標の達成に向けて着実に推移していると判断しております。

 ※海外事業利益=海外営業利益+海外持分法換算営業利益(海外所在持分法適用会社について、各社の営業利益または営業利益相当額(当期純利益から税負担分を考慮して簡便的に算出した利益)に当社持分割合を乗じて算出した金額と海外所在持分法適用会社に係る関係会社株式売却益(不動産分譲を目的とした事業に係るものに限る)の合計額)

 当社グループの連結業績につきましては、売上高は2兆2,691億円となり、通期業績予想2兆2,000億円に比べて691億円上回り(3.1%増)、営業利益は3,054億円となり、通期業績予想3,000億円に比べて54億円上回り(1.8%増)、経常利益は2,653億円となり、通期業績予想2,600億円に比べて53億円上回り(2.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,969億円となり、通期業績予想1,900億円に比べて69億円上回り(3.7%増)ました。

 報告セグメントごとの連結業績に関する通期業績予想比については次のとおりです。

 賃貸セグメントにおいては、商業施設が上期に新型コロナウイルスの影響を受け、売上・客足が伸び悩んだこと等により営業利益は1,491億円となり、通期業績予想1,520億円よりも28億の減益となりました。

 分譲セグメントにおいては、国内住宅分譲では利益率の改善等により営業利益は想定を上回りました。投資家向け・海外住宅分譲等の営業利益は概ね想定通りとなりました。セグメント全体では営業利益は1,457億円となり、通期業績予想1,450億円よりも7億円の増益となりました。

 マネジメントセグメントにおいては、主にリパーク(貸し駐車場)の稼働改善や費用削減効果等により、営業利益は633億円となり、通期業績予想620億円よりも13億円の増益となりました。

 その他セグメントにおいては、ホテル・リゾートの需要が回復したこと等により営業損失は△42億円となり、通期業績予想△70億円より27億円の損失の改善となりました。

 

<連結セグメント別業績(通期予想比)>

 

当期

(2022.4.1~2023.3.31)

2023年3月期通期業績予想

(2022.4.1~2023.3.31)

増減

 

売上高

営業利益

売上高

営業利益

売上高

営業利益

賃貸

754,306

149,153

720,000

152,000

34,306

△2,846

分譲

640,662

145,711

650,000

145,000

△9,337

711

マネジメント

445,924

63,383

420,000

62,000

25,924

1,383

その他

428,209

△4,239

410,000

△7,000

18,209

2,760

消去又は全社

△48,603

△52,000

3,396

合計

2,269,103

305,405

2,200,000

300,000

69,103

5,405

 (注)2022年11月9日公表時の通期業績予想となります。

 

 当連結会計年度の当社グループの経営資源の配分・投入につきましては、有形・無形固定資産について、設備投資3,865億円、減価償却費1,252億円となり、販売用不動産について、新規投資4,697億円、原価回収4,405億円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの主要な資金需要は、国内のビル賃貸事業や商業施設賃貸事業等における新規投資や、販売用不動産の取得、および海外事業の拡大に伴う開発資金等であります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、金融機関からの借入や社債およびコマーシャル・ペーパーの発行による資金調達等にて対応していくこととしております。また、手元の運転資金につきましては、当社及び一部の連結子会社においてキャッシュ・マネジメント・システムを導入することにより、資金効率の向上を図っております。

 当連結会計年度においては、「東京ミッドタウン八重洲」、「ららぽーと福岡」、「50ハドソンヤード」等への投資等により、投資活動によるキャッシュ・フローが4,220億円減少しましたが、営業活動によるキャッシュ・フロー2,977億円と財務活動によるキャッシュ・フロー1,114億円で充当し、現金及び現金同等物の期末残高が1,323億円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因につきましては、前記「(1)経営成績等の状況の概要/②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 来期においては、新規・既存物件への投資等が計画されておりますが、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、借入金の調達等の財務活動によるキャッシュ・フローで対応していく予定です。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表で採用する会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

   該当事項はありません。

 

 

6【研究開発活動】

 当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は1,803百万円となっており、報告セグメントごとの内訳は、マネジメントセグメントで189百万円、その他セグメントで408百万円、全社セグメントで1,205百万円であります。なお、その他セグメント、全社セグメントの主な研究開発活動は次のとおりであります。

 

(1)その他セグメント

 三井ホーム㈱では、高性能・高品質な住宅の供給およびスマート設備等の様々な技術の実用化に向け、住生活向上・エネルギー利用の効率化・環境の低炭素化のための基礎的研究や開発等(住宅部資材・設備・工法・性能等)の研究開発活動を実施しております。

 基礎的研究および応用開発においては、脱炭素の推進に向け、建物居住時のエネルギー削減と快適性を両立させる技術である全館空調システム「Smart Breeze One(スマートブリーズワン)」について、採用が好調に推移しているため、さらなる普及に向けた改良開発を実施しました。また、木造マンション「MOCXION(モクシオン)」をはじめ賃貸住宅の遮音性向上とコストダウンの両立のための技術開発を実施し、さらに、大規模・非住宅建築の木造化促進による新たな事業領域を拡大するため、木材を用いた空間や木造建築物の価値向上に向けた研究開発にも取り組んでおります。

 住宅商品の開発においては、近年の環境意識の高まりやニューノーマルな暮らしなど顧客ニーズの多様化を受けZEHに対応した新商品「IZM(イズム)」を開発いたしました。

 

(2)全社セグメント

 当社では、社会経済環境の変化を端緒とした生活者の価値観の多様化を背景に「不動産業そのもののイノベーション」を推進するための価値検証・新規サービス開発等の研究開発活動を実施しております。

 主な活動として、社員個人が有するアイデアを引き出して新事業創出を促すための社内公募型事業提案制度を通じ、新たな住む・働く・楽しむのあり方に関する研究開発等を実施しております。