当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、『人類社会に役立つ存在感あふれる、開かれた、独自性ある、自己実現の場である企業を目指す』ことを経営理念とし取り組んでいます。「エレクトロニクス」「メカトロニクス」「ケミトロニクス」「コンポーネント」各分野に広がる独自技術を進化させ、さらには、新たな技術開発を通じてお客様の価値創造、豊かな社会に貢献します。
また、人が集まり情報が集まる企業、オンリーワン技術を磨く独自性ある企業、従業員が失敗を恐れず自己実現に向けて果敢に取り組む企業、お客様にとって掛け替えのない企業、となることを目指し、すべてのステークホルダーの信頼と期待に応えます。
当社グループは、経営の健全性、実効性及び透明性を確保し、企業価値の持続的な向上により社会から信頼・評価される企業として発展するべく、“コーポレート・ガバナンス基本方針”を定めています。
(2)経営戦略等
当社グループは、2022年4月より新たな5ヶ年中期経営計画(Change & Growth 2026)をスタートさせています。その内容は以下の通りであります。
①基本的考え方
急激に変化する事業環境の中において、現事業の足許を固めつつも、新市場開拓や新規事業創出等による事業構造の転換に向けた取り組みが不可欠と認識します。
事業面だけでなく、人事制度、企業カルチャー等の定性的な項目を含めた『変革』に取り組み、新たな『成長』のエンジンを創出し、中長期的な企業価値向上を図ります。中期的な視点で『変革』を推進し、『成長』の果実を収穫していくため、計画期間を5ヵ年としました。
②中計ビジョン
『ニッチ・トップ』を目指して
ニッチ・トップとは小さくても成長が期待できる市場において、技術の優位性により圧倒的な市場シェアを誇ることを示します。変化する市場ニーズを先取りして各事業分野のコア・テクノロジーを進化させ、お客様にとっての戦略的なパートナーとなることを目指します。
③中計テーマ
『変革』と『成長』
事業面・体制面において6つの変革に取り組んでまいります。
Ⅰ.事業を変える
・新市場開拓、新規事業創出等、成長戦略への重点的取り組み
・資本コストを意識した経営の徹底により戦略分野への資源集中
Ⅱ.技術を変える
・スタートアップ連携などオープン・イノベーションの加速
・カーボンニュートラルに向けた技術開発の強化
Ⅲ.営業を変える
・新市場開拓に向けた営業体制の整備等
Ⅳ.カルチャーを変える
・成長戦略を支える人事制度改革、運用の高度化
・従業員意識調査に基づいた施策展開
Ⅴ.コスト構造を変える
・DX推進等によるコスト構造の改革、戦略的IT投資
・成長分野への積極投資
Ⅵ.コミュニケーションを変える
・情報開示の充実、株主との積極対話
・役職員間等社内コミュニケーションの強化
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
中期経営計画(Change & Growth 2026)において、最終2026年度に目指すKPIは以下の通りです。
連結営業利益 25億円以上(2022年度実績 5億円)
連結ROE 7%以上(2022年度実績 1.5%)
足許、部材調達難による生産遅延や原材料価格の上昇等の厳しい経営環境ではありますが、新市場開拓、新規事業創出等、成長戦略への重点的取り組みによって、新たな成長エンジンの創出を図り、中長期的な企業価値向上を目指します。
(4)経営環境
今後の経営環境は、新型コロナウイルス感染症の影響による国内外の経済活動への制限が緩和され、景気の持ち直しが期待されるものの、地政学リスクの高まり及び一部の金融不安に端を発し世界的な金融引締めによる影響が懸念されており設備投資動向も先行き厳しい状態が続くものと思われます。
当社グループを取り巻く経営環境につきましては、長引く半導体不足、サプライチェーンの混乱などによる部品調達の遅れ及び顧客の製造拠点の稼働低下による受注、売上の減少、樹脂材料等の不足・値上がりなどによる営業利益を圧迫する環境が引き続き想定されます。
事業セグメント毎の経営環境は以下のとおりです。
[エレクトロニクス事業]
部材値上げ圧力は高まるものの、海外半導体など一部を除き納期は回復しつつあります。市場ではコロナ禍で活況だった医療用電源、半導体製造装置用電源の需要は一段落しています。一方、当社独自のEV関連商材に対し、これまでとは異なった顧客層から注目を集め多くの引き合いを頂いております。今後は、この分野に注力して売上拡大を目指して行きます。
[メカトロニクス事業]
車載・産業用DB(Display Bonder)分野は自動車及び各産業機器でのディスプレイ搭載拡大により、当該生産設備の伸長が予想されます。
大きな市場規模と成長が予想されるXR(クロスリアリティ)市場関連におけるOLB(Optical Lens Bonder)分野はAR(Augmented Reality:拡張現実)・VR(Virtual Reality:仮想現実)表示器市場において、現行のIT機器を代替するモバイル端末として本格立ち上がりの期待とともに関連設備投資が進むと思われます。
真空ソルダリング(VSM)分野はEV(Electric Vehicle:電気自動車)化の進展に牽引され、パワーデバイス関連設備投資や生産能力増強による需要が見込まれるものの、価格競争の激化が懸念されます。
各種部品の供給問題、納期の長期化問題等、予断を許さない状況が続いております。
[ケミトロニクス事業]
半導体供給難を含む部品調達不安定の影響から、主力の自動車関連が期待には届かず、売上が伸び悩む結果となりました。更には原材料価格の高騰が続き利益率を圧迫しました。非自動車では住宅設備関連やアミューズメント関連が好調に推移した他、機能性塗料とカーボンニュートラル貢献製品の拡充によりアプローチ先の拡大に至りました。売上積み上げを実現すべく販売組織体制の強化を進めます。
[コンポーネント事業]
金融市場においては、2024年からの新紙幣発行に伴い国内向けで需要増加が見込まれるため、供給体制の整備を行います。自動車市場においては、半導体供給難により停滞していたドア開閉部の電動化の回復が見込まれ、グローバル規格取得を追い風に営業活動を強化、需要増加に備え社内生産設備の自動化を進め、顧客要求に対処いたします。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループを取り巻く経営環境につきましては、長引く半導体不足、サプライチェーンの混乱などによる部品調達の遅れ及び顧客の製造拠点の稼働低下による受注、売上の減少、樹脂材料等の不足・値上がりなどによる営業利益を圧迫する環境が引き続き想定されます。
このような状況の中で新規市場の開拓・構築を進めることで安定した売上確保を図ると共にグループ全体で更なる成長に努めます。
事業セグメント毎の具体的な施策は以下のとおりです。
[エレクトロニクス事業]
需要拡大に伴う部材調達の長期化・不透明化で、部材調達にかかる費用が上昇し原価増となる状況への対応が生じ、また、納期に合わせた製品供給が出来ない状況も発生しております。製品の安定供給のためのリスクの低減を図ります。
厳しい事業環境の中ですが、医療用電源や半導体製造装置用電源、エネスト市場への新製品上市を目指し開発を進めて行きます。
[メカトロニクス事業]
車載・産業用DB(Display Bonder)は多様化するディスプレイパネル需要に応じた製品対応に努め、欧州拡販への取組みとともに、ディスプレイ市場への販売を推し進めます。
光学レンズ貼合装置(OLB:Optical Lens Bonder)はXR(クロスリアリティ)関連市場と動向の把握に努め、顧客の製品化要求に応えてまいります。
ギ酸還元真空リフロー炉(VSM)をはじめ、海外生産推進による価格競争力向上を図り、関連市場での拡販を推し進めます。
これら製品の更なるグローバル化を推し進め、各分野の売上拡大による収益の安定化を目指します。
[ケミトロニクス事業]
短期的戦略として自動車部品メーカーを中心とした既存顧客の売上、シェアの拡大および長期的戦略として新市場分野への参入を両輪とした活動を行います。また、EV市場への積極的な拡販を行います。利益面では製造原価の削減を徹底し、安定した利益体質を目指します。製品面では速硬化塗料および植物由来原料塗料の充実を図り、使用エネルギーの削減やカーボンニュートラルに貢献し成長を目指します。
[コンポーネント事業]
自動車市場への拡販を図るべく新製品を開発、積極的な拡販活動が功を奏し国内メーカーへの新規参入を果たしました。新たな規格を取得しグローバル展開による売上拡大を図ります。半導体製造装置市場は低迷しておりそれに伴いベアリングの需要が減少、生産・在庫調整を図り棚卸資産管理に努めます。先行きの見通しが難しい市場であり急激な需要回復時には迅速に行動し対処いたします。
(1)サステナビリティ
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①ガバナンス
当社グループは、サステナビリティに関わる取り組みの意思決定機関として、取締役会の監督のもと、代表取締役社長を最高推進責任者とし、業務執行取締役及び事業部門の責任者である執行役員等によって構成されるサステナビリティ委員会を設置しています。関連する方針の決定や、マテリアリティの取り組み状況の進捗管理、各種施策の審議等の役割を担っています。その傘下にサステナビリティ実行委員会を設置し、サステナビリティ経営に関する実行計画の策定と各部門の実施事項の推進を図っています。なお、リスク管理については、リスクマネジメント委員会とも適宜連携して取り組みを進めています。
また、サプライチェーン全体でのサステナビリティ推進に向け、一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)の「責任ある企業行動ガイドライン」を使用し、調達パートナーの皆さまへサステナビリティ経営への働きかけを行うとともに、定期的な取り組み状況の把握を開始しています。
なお、関連する業務執行に関わる委員会などコーポレート・ガバナンス体制の詳細は、「
図 サステナビリティ経営推進体制
②戦略
当社グループは、経営理念、当社グループ行動憲章を基本的な考え方として、「気候変動など地球環境問題への配慮」、「人権の尊重、従業員の健康・働く環境への配慮や公正・適切な処遇」、「お取引先との公正・適正な取引」、に取り組むことを謳ったサステナビリティ基本方針を策定しております。製品・サービスの提供を通じて社会的課題を解決することで、持続的な社会づくりに貢献し、企業価値向上に努めていくことが責務と認識しております。5つのマテリアリティを抽出し、PDCAサイクルを回すことで取り組みを推進しています。
また、国際イニシアティブに関しては、「国連グローバル・コンパクト」(以下「UNGC」)に支持を表明し、2022年4月に参加しました。 併せて、日本におけるUNGCのローカルネットワークである「グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン」に加入しています。具体的内容は次のとおりであります。
a.サステナビリティ基本方針
Ⅰ. 気候変動などの地球環境問題への配慮
省エネルギー、クリーンエネルギー、化学物質排出削減などの環境に配慮した製品の技術開発や生物多様性の取り組みなど環境に配慮した活動に全社を挙げて取り組みます。
Ⅱ. 人権の尊重、従業員の健康・働く環境への配慮や公正・適切な処遇
ステークホルダーの皆さまとともに、人権と働き方に関する基本的権利に配慮し、明るく生き生きと働ける、安全な職場環境の実現に取り組みます。
Ⅲ. お取引先との公正・適正な取引
国内外の法令やルールを遵守し、公正、透明、自由な競争ならびに適正な取引を行うとともに、企業情報を積極的かつ公正に開示し、お取引先とも連携してサプライチェーン全体で公正な事業活動に取り組みます。
b.マテリアリティ
これまでの取り組みや今後の中長期経営計画にそった当社グループが取り組むべきと考える重要事項の中で、ステークホルダーの皆さまの関心が高いテーマとして、「社会課題の解決とオリジンの持続的成長(新技術、新事業へのチャレンジによる価値創造)」、「ガバナンス強化(リスクマネジメント、コンプライアンス)」、「人権啓発の推進と人材育成」、「製品の安全と品質」、「環境保全(気候変動問題への対処、CO2排出量削減)」の5つのマテリアリティを特定しております。
③リスク管理
リスク管理については、リスクマネジメント委員会で、リスク頻度と経営への影響の観点から事業活動のリスクを特定し、その対応策について進捗状況を定期的にモニタリングしております。
主要なリスク及び、リスク管理体制については、「
④指標及び目標
5つのマテリアリティについて、それぞれアクションプランを策定し、サステナビリティ委員会において進捗状況の確認・対処方針の修正など行うこととしております。特に気候変動については、カーボンニュートラルに向けた具体的な目標を掲げ取り組みを推進しています。具体的な内容は次のとおりであります。
表 マテリアリティのアクションプランの実施状況
SDGs:Sustainable Development Goals(持続的な開発目標)、ESG:Environment(環境)Social(社会)Governance(ガバナンス)、CSV:Creating Shared Value(共通価値の創造)
(2)気候変動への対応
気候変動がサプライチェーン全体に亘る事業環境に与える影響は大きく、当社グループでは、サステナビリティ基本方針のなかで「気候変動などの地球環境問題への配慮」を掲げ、温室効果ガス(GHG)排出量削減に向けた環境に配慮した製品の技術開発や生物多様性の取り組みなど環境に配慮した活動に全社を挙げて取り組むこととしています。
また、2050年のカーボンニュートラル実現に向け、自社分(Scope1、Scope2)のCO2排出量を2030年に半減する目標を定め、削減に取り組むとともに、サプライチェーンのCO2排出量(Scope3)を算定し、影響度の大きな事業活動を特定し、その削減に向けた新技術開発や新製品開発に取り組み、段階的に開示の充実を図ります。
①ガバナンス
気候変動に関するガバナンスは、サステナビリティのガバナンスに組み込まれています。詳細については、「
②戦略
気候変動は、その事業リスクへの対処を進めるだけでなく、自社製品・サービスの提供価値並びに企業価値を高める機会とも捉えています。気候変動により平均気温が上昇することで社会に大きな影響が及ぶことから、IEA(国際エネルギー機関)やIPCC(気候変動に関する政府間パネル)で示されている、1.5℃~2℃未満に気温上昇を抑えるシナリオ、気温上昇の抑制が4℃程度に留まるシナリオの二つを想定し、TCFDの提言を参考に事業活動に影響を与えるリスクと機会について、定性的な影響を評価しました。今後、評価結果を踏まえ、影響の大きいリスクの軽減、機会の獲得に向けた対応策を検討していきます。
表 気候変動に対する主な事業リスクと機会
③リスク管理
気候変動に関するリスク管理は、サステナビリティのガバナンスに組み込まれています。詳細については、「
なお、気候変動に対する主な機会については、リスクと合わせ全社のリスクマネジメント委員会で議論しています。
④指標及び目標
当社グループは、2021年に「2050年のカーボンニュートラルへの貢献に向けて、2030年に自社分(国内事業所)のCO2排出量を50%削減(2015年基準)するとともに、サプライチェーン全体でのCO2排出量削減に取り組みます。また、社会全体のCO2排出量削減に向け、メカニカルな機構で機能する機構部品への代替提案も進めていきます。」との目標を定め、全社を挙げてCO2排出量削減に取り組んでいます。自社分のCO2排出量は、省エネ設備の導入等に加え、新型コロナウィルスの感染拡大による事業への影響、間々田工場のクリーンルームの停止等により、ここ数年毎年継続的に削減しています。今後は、再生可能エネルギーの導入などの検討を進め、さらなる削減に取り組みます。詳細については、ホームページを参照ください。
https://www.origin.co.jp/sustainability/environment/protect/
グラフ Scope1、Scope2(国内事業所)のCO2排出量の推移
さらに、2022年には、20年3月期(※)のScope3のCO2排出量を算定するとともに、影響度の大きなScope3のカテゴリ毎に目標を定め公開しました。継続して新技術・新製品開発に取り組むとともに、調達パートナーに対してもCO2排出量削減への協力を要請していきます。
(※)21年3月期、22年3期は新型コロナウィルス感染拡大の影響で事業環境が大きく変動したことから、平均的な事業環境を反映したサプライチェーンのCO2排出量を評価するため、20年3月期分を算定しました。23年3月期以降は、毎年、算定を行う予定です。
<Scope3の削減目標>
カテゴリ1:CO2排出量の少ない原材料調達
・CO2排出量の少ない原材料の使用(非化石燃料由来の原材料の使用:樹脂、絶縁油)
・原材料調達時のCO2排出量削減(調達パートナーへの協力要請)
カテゴリ10:製品加工時のCO2排出量削減
・塗装工程の省エネルギー化に貢献する塗料の開発 (速硬化、高塗着効率の塗料開発)
カテゴリ11:製品使用時のCO2排出量削減
・さらなる電源の高効率化
・装置使用環境時の省エネルギー化(空調エネルギー、使用時ガス、製造工程の廃棄物、等の削減)
表 Scope3算定結果(20年3月期)
(集計範囲は、Scope1、Scope2は国内、Scope3は一部のグループ企業、海外拠点を含む)
(3)人的資本
当社グループは、中期経営計画において、ビジョンである『ニッチ・トップ』を目指していくこととしております。厳しい経営環境が続くと想定される中で、人事制度、企業カルチャー等の岩盤となる定性的な項目を含めた抜本的な「変革」と新たな「成長」によって中長期的な企業価値向上を図って行くことが課題と認識しております。
「変革」と「成長」というテーマの中で、6つの変革を設定しており、人的資本への投資については、「カルチャーを変える」において、積極的に取り組んでおります。
①ガバナンス
人的資本に関するガバナンスは、サステナビリティのガバナンスに組み込まれています。詳細については、「
②戦略
a.人材の多様性確保を含む人材の育成に関する方針
Ⅰ.成長戦略を支える人事制度運用の高度化、改革の実施
成長・変革に必要な人材を確保するために、人事制度全般(等級、評価、処遇)を刷新し、従業員の意欲向上や人材育成による将来環境の充実を進めております。また、人事評価が適正かつ公平に行えるよう、評価者のスキル向上・部下育成を主眼とした評価者研修ならびに自己申告制度による当人のキャリアプランや仕事の取り組み状況などについて話し合いができる機会を年1回設けております。さらに、従業員のスキルアップと教育を通じたコミュニケーション力の向上を図るため、各々のポジションに即したスキルアップと将来のリーダーとしての基礎固めを目的とした階層別役職教育を行っております。
Ⅱ. 女性の活躍促進を含む社内の多様性の確保
当社グループは多様な人材の多様な働き方を支援するため、社員一人一人が能力を発揮できる制度・環境の整備を進め、「従業員の幸福と自己実現」の両方を実現することを目指しています。女性活躍促進については、女性活躍推進法に適合した実施計画を策定し、女性キャリア育成に関する研修を計画しております。また、男性の育児休暇取得率向上を目指すとともに男女間の賃金差異を把握してダイバーシティ推進への環境整備を行うことで、優秀な人材の確保等、企業の持続的な成長のために欠かせない活動と認識して、取り組んでまいります。
Ⅲ. 健康経営推進委員会の設置
当社グループは健康経営を経営の重要な戦略と位置付けています。経営理念に基づき、積極的に従業員の健康保持・増進に取り組むため、健康経営推進委員会を設置いたしました。今後、社会の要請とステークホルダーの期待に応え、企業価値とブランドイメージ向上を図る施策の推進と社内外への情報発信を行ってまいります。
b.社内環境整備に関する方針
Ⅰ. 労働時間管理と人員配置の適正化
労働時間の適正化を図り、従業員が常に十分なパフォーマンスを発揮できるよう休暇・残業の労働時間管理を行っております。また、各事業部の労働時間管理結果を踏まえながら、人員不足等への対応として、社内人材から適正を考慮した従業員の振り分けおよび社外から広く人材を募集する等による中途採用活動を行っております。さらに年次の有給休暇取得率の向上のため、従業員に対し、年次に付与される有給休暇の取得を促し、2027年までに年間10日以上の取得を目標にしています。23年3月期の有給休暇取得率は68.9%となっています。
Ⅱ. 社内環境の充実化による従業員のパフォーマンス・エンゲージメントの向上
働き方改革の一環やコロナ禍における感染対策措置を機に試行運用してきた在宅勤務制度を正式に導入いたしました(2023年5月16日から施行)。今後も事業運営上における業務効率化により生産性の向上を推進してまいります。
また、「カルチャーを変えて、組織全体が活性化するとともに企業価値を向上させる」ことを目的として、従業員意識調査を年1回実施しております。結果のフィードバックから課題抽出・施策検討・実行により、従業員の満足度や士気などの活力を向上させ、従業員のパフォーマンスおよびエンゲージメント向上を図っております。
③リスク管理
人的資本に関するリスク管理は、サステナビリティのガバナンスに組み込まれています。詳細については、「
なお、リスクマネジメント委員会において、人的資本に対する主なリスクとして、「人材の確保・育成」を抽出し、モニタリングを実施しています。
④指標及び目標
人的資本に関する従業員の状況は、「
(4)知的財産への投資など
当社グループは、知的財産への投資について、事業に用いるまたはその可能性がある技術に関して戦略的に特許等の権利化を行い、競合他社との差異化を図っております。特許保有数は、幅広い事業領域にわたり、国内外あわせ約500件となっています。第三者の権利を侵害しないよう調査を行い、権利化阻止対応、実施許諾を得る等のリスクの解消を行うこととしています。また、幹部会議において、定期的に権利化状況、権利化に係る投資状況等を報告し、適宜、取締役が助言を行っております。
事業の成長の源泉である研究開発活動への投資については、「
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)設備産業関連事業としての構造
当社グループの中でも、国内外での機器製造産業での設備投資に必要とされる各種機器の部品等を製造する分野、特にエレクトロニクス事業とメカトロニクス事業の売上高は、かかる設備産業の投資動向の趨勢に大きく左右されることが多いのが実情となっております。そのため、かねてより売上高や営業利益等が大幅に振れ、顕在する跛行性を平準化することを課題として、事業の柱を増やす及び各事業の柱を太くするなどの取り組みを含めた事業の構造変革に注力して参りましたが、近年一部の市場では投資規模が減少する中、早急にそれを補完する新規市場の立上げを加速させる必要があります。しかしながら、新規市場の立上げには時間が掛かると共に、各事業とも市場の需給水準とサイクルの始期と終期が極めてランダムに推移するために、予測できない大きな増減が発生する場合が想定されます。また昨今の部材入手難では、部材の集合体である設備製品の納期対応遅れ及び受注機会損失が顕在化いたしました。その他メカトロニクス事業の主力製品は、海外輸出が大半を占めることから、大幅な為替変動は、原材料費及び売上高へ影響が大きく、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)サプライチェーン
当社グループは、主に外部の取引先を通じてサプライヤーから原材料を調達しております。主要な原材料はリスク管理の観点からも可能な限り複数の取引先から購入を行っておりますが、製品の製造において用いるいくつかの原材料、部品については、特定のサプライヤーに依存しているものがあります。購買ルートの検討等対策を講じておりますが、サプライヤーの生産設備における事故など、当社グループがコントロールできない要因により、それらのサプライヤーを通じた原材料・部品の調達が困難となった場合、当社グループの生産能力に影響を与え、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社製品を構成する半導体部品は製品ライフサイクルが短いものもあり、代替部品などでの対処は行っていますが、製品改定費用や収益面から生産中止を余儀なくされる場合など経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループと各サプライヤーとの間は、概ね良好な協力関係にありますが、一般的な経済動向およびサプライヤー個別の事由により、需給の急激な変動や価格の高騰が起きた場合には、必要な部材の入手に支障を来し、当社グループが顧客企業に対し供給責任を果たせない、あるいは部材価格高騰による原価の上昇など、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
サプライチェーンに対するサステナビリティの取り組みが顧客からより強く求められているなか、当社のサプライヤーに対してもサステナビリティに対する取り組みを働きかけることが必要となってきています。
顧客企業が部材調達の支障を原因とする大幅な稼働低下をした場合、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)製品の価格競争・競合・新規開発関連
当社グループは自社の技術力・開発力を持続的成長の源泉と考えており、常に市場動向を把握し研究開発に取り組んでおりますが、製品のタイムリーな市場投入が出来なかった場合あるいは製品が市場に受け入れられなかった場合、当社グループの収益性が低下し財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。より一層研究開発に注力することにより競争優位を維持していくことを目指しておりますが、国内外に多様な競合企業が存在するため、当社グループの競争優位が脅かされ、当社グループの製品を上回る性能の新製品が競合企業により開発・上市されるリスクがあります。そのため、当社グループは新製品の販売機会を逸失し、研究開発投資の回収が困難になるなど、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)災害対策関連
供給元、納入先、当社グループの工場などのサプライチェーンが地震、台風等の自然災害や、火災、停電等の事故災害が発生した場合、当社グループの経営成績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。また、損害を被った設備等の修復費用が発生した場合、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)感染症並びにパンデミック関連気候変動
感染症の世界的大流行(パンデミック)により、供給元、納入先、当社グループの工場等のサプライチェーンに影響が生じた場合や、当社グループの従業員に影響が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
新型コロナウイルス感染症に於いては世界的に規制の緩和や解除がされており、当社グループに於いても、インフルエンザなどの基本的感染症対策へ移行を進めつつ、従業員とその家族の安全とステークホルダーに対する責務を考え、基本的な感染予防やWeb会議の活用を継続しております。
一方で、国内ではこれまでの新型コロナウイルスに感染した人の割合が低いことなどから、国内に於いて感染が再拡大する場合や、輸出割合の多い事業に於いては、海外渡航制限などにより海外での装置据付に影響が出る場合など、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)退職給付費用及び債務
当社の従業員退職給付費用及び債務は、年金資産の運用収益率や割引率などの数理計算上の前提に基づいて算出され、数理計算上の差異は発生年度で全額費用処理しております。年金資産運用環境の悪化により前提と実績に乖離が生じた場合や退職金・年金制度が変更された場合は、退職給付費用及び債務が増加し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)公的規制等
当社グループでは、日本国内のほかに諸外国を含め7か国に事業を展開しており、国家安全保障またはその他の理由による輸出制限、関税をはじめとするその他の輸出入規制、事業や投資の許可等、様々な政府規制の適用を受けております。また、通商、独占禁止、特許、消費者、租税、為替管制、環境・リサイクル関連の法規制の適用も受けております。当社グループは事業活動を行うにあたり、これらの規制に細心の注意を払っておりますが、これらの公的規制の変更により適時に対応することが困難な場合を含めて、万一、これらの法的規制を遵守できなかった場合、当社グループの事業活動が制限されることはもとより社会的信用の低下を招き、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。さらにペナルティを課せられるなど発生費用の増加を伴い、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
加えて、各市場においては、各国・地域の定める様々な法律・規制等の変更により、適時に対応することが困難な場合には受注あるいは生産活動等に支障が生じるリスクがあり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)コンプライアンス
当社グループでは、国内外拠点の従業員による個人的な不正行為等を含めたコンプライアンスに関するリスクもしくは社会的に信用が毀損されるリスクを排除できない場合があります。結果として、当社グループの信頼性や企業イメージが低下し、財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、法令遵守は極めて重要な企業の責務であるとの認識のもと、米国・アジアを中心とした諸外国の贈収賄防止法等の厳格化も睨み、国内外を問わず、より一層のコンプライアンスの強化に、継続的に取り組んで参ります。具体的にはオリジングループ行動憲章を設定、コンプライアンス委員会による啓蒙活動を実施して、当社グループのコンプライアンス意識高揚に努めております。また、海外を含めた当社グループ従業員が利用可能な専門業者による内部通報の外部受付窓口を設けて、不正行為が有った場合の早期洗い出しや不正行為の抑止に活用し、コンプライアンス体制の維持を図っております。
(9)人材の確保・育成
当社は、経営理念として、人類社会に役立つ存在感あふれる、開かれた、独自性ある、自己実現の場である企業を目指しておりますが、当社事業活動においては技術開発力・生産力・販売力・経営管理力が重要な要素であり、各分野において基幹となる人材の確保・育成に向けた活動が必要不可欠となります。それら重要な要素の強化につながる人材の育成に注力し社員の教育・研修を実施するとともに、有能な人材の確保に取り組んでいますが、そうした必要な人材を確保・育成できない場合、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)為替変動
当社グループの海外売上高比率は、2021年3月期37.4%、2022年3月期48.1%、2023年3月期49.1%と高い比率であり、為替変動の影響を受ける状況にあるため、リスクヘッジを検討しております。為替の動向によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、海外の関係会社の経営成績は、連結財務諸表作成のために円換算されています。換算時の為替レートにより、円換算後の価値が影響を受ける可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)減損会計
当社グループの固定資産の時価が著しく低下した場合、又は事業の収益性が悪化した場合には、固定資産減損会計の適用により固定資産について減損損失が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(12)情報セキュリティ及びサイバー攻撃
近年、サイバー攻撃による被害や情報漏えい等の事件が社会問題となる等、情報セキュリティに関する脅威の高度化・多様化への対策が大きな課題となっております。
取引先又は当社グループの機密情報や個人情報の保護については、社内規程の制定、従業員への教育、情報インフラの整備、業務委託先も含めた指導等の対策を実施しておりますが、万が一、情報漏洩等が惹起した場合、当社グループの信用は低下し、取引先の情報を漏洩した場合、法的責任が発生するおそれがあります。その結果、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの重要な事業活動基盤の一つである社内ネットワークについては、安定した運用のため万全の体制を構築し、セキュリティ対策を実施しております。しかしながら、マルウェアの侵入や不正アクセス等のサイバー攻撃による社内ネットワークやシステムの運用停止等を完全に防げるとは限りません。
このようなリスクを踏まえ、当社グループでは、最新のセキュリティシステムの導入を推進し、ネットワークにおけるセキュリティを常に強化するとともに、より高度なスキルを持つセキュリティ人材の育成に向けた取り組み等を強化しております。
(13)製品品質関連
当社グループは、製品品質の維持向上のためISO9001 認証を取得し、顧客の仕様及び品質基準を満足する製品を供給しております。しかしながら、将来的に全ての製品に欠陥がなく、製品の回収や賠償が発生しないという保証はありません。当社製品は、エレクトロニクス事業、メカトロニクス事業、ケミトロニクス事業、コンポーネント事業、半導体デバイス事業の5事業の分野にて亘っており、それぞれ特有の制約条件があって生産工程の安定性や収率等に影響が出る可能性があり、またそれに関連して欠陥を含む製品が出荷されないという保証はありません。当社製品において欠陥が発生した場合、製品回収や顧客への賠償に多額のコストを要するとともに社会的信用の失墜を招き、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また製造物責任賠償については保険加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできる保証はありません。当社グループにおいては、5事業それぞれに品質状況の月度確認を実施し、不具合が確認された場合には迅速な対処を行うとともに、日常的な品質改善活動を展開して、製品品質に関するリスク低減に努めております。なお、紛争鉱物の規制拡大傾向により、急な規制物質制定への対応が困難になる可能性があり、サプライヤーと情報交換しながら注意してまいります。
(14)財務制限条項
当社のコミットメントライン契約等の一部借入金の契約には財務制限条項が付されております。今後、財務制限条項への抵触等があった場合、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(15)繰延税金資産
当社グループは、将来の課税所得に関する予測・仮定に基づき、繰延税金資産の回収可能性の判断を行っておりますが、将来の課税所得の予測・仮定が変更され、繰延税金資産の一部ないしは全部が回収できないと判断された場合、繰延税金資産は減額され、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の財政状態および経営成績は以下のとおりであります。
a.財政状態
当連結会計年度末における流動資産は275億4千3百万円となり、前連結会計年度末に比べて25億1千4百万円減少しました。また、固定資産は165億8千6百万円となり、前連結会計年度末に比べて5億2千万円増加しました。
これにより、総資産は441億3千万円と前連結会計年度末に比べて19億9千3百万円減少しました。
当連結会計年度末における負債は174億7千7百万円となり、前連結会計年度末に比べて22億4千6百万円減少しました。
当連結会計年度末における純資産は266億5千3百万円となり、前連結会計年度末に比べて2億5千3百万円増加しました。
なお、自己資本比率は前連結会計年度末に比べて3.3ポイント増加し、55.0%となりました。
b.経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、ウィズコロナの下での各種政策の効果もあり、景気は緩やかに持ち直しの動きが見られました。しかしながら、半導体不足による生産活動の制限、ウクライナ情勢による資源価格の高騰が継続し、加えて世界的な金融引き締めが進むことによる景気の下振れ懸念、不安定な為替相場など、先行き不透明な状況が続いております。
このような中、当連結会計年度の売上高は、320億3千6百万円(前期比1.0%減)となりました。
利益面におきましては、営業利益5億7千4百万円(前期比73.0%減)、経常利益14億6千1百万円(前期比48.4%減)、特別損失に福利厚生施設の固定資産解体費用引当金繰入額6千6百万円及び土壌汚染対策の調査費用として環境対策引当金繰入額5千2百万円を計上したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は3億6千5百万円(前期比83.2%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
[エレクトロニクス事業]
エレクトロニクス事業の売上高は前期比8.2%減の62億8千5百万円(総売上高の19.6%)となりました。
主力の高圧系製品である医療用電源や半導体製造装置電源は堅調な受注継続も、部品調達難を主因とした生産遅延により売上減となりました。
[メカトロニクス事業]
メカトロニクス事業の売上高は前期比10.2%増の60億6千7百万円(総売上高の18.9%)となりました。
光学レンズ貼合装置(OLB:Optical Lens Bonder)が大きく寄与し、売上増となりました。
[ケミトロニクス事業]
ケミトロニクス事業の売上高は前期比4.0%減の100億9百万円(総売上高の31.3%)となりました。
国内外で半導体の供給不足や自動車部品の調達難が長期化し、相次ぐ自動車メーカーの減産の影響を受け厳しい結果となりました。
[コンポーネント事業]
コンポーネント事業の売上高は前期比2.6%増の80億4千1百万円(総売上高の25.1%)となりました。
主要の事務機器関係が第4四半期に入り生産・在庫調整により需要減、産業機器関係は半導体製造装置の市場低迷が継続するも、新紙幣対応により金融機器関係が大きく伸長し、自動車関係への新製品採用も貢献したことにより売上増となりました。
[その他]
その他(半導体デバイス事業)の売上高は前期比5.8%減の16億3千3百万円(総売上高の5.1%)となりました。
産業機器関係と自動車関係の減少が影響し売上減となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は65億7千7百万円となり、前連結会計年度末より11億7千7百万円減少いたしました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られた資金は、17億7千2百万円(前期は16億5千5百万円の資金の獲得)となりました。主な資金の増加要因は売上債権の減少額15億6千3百万円、税金等調整前当期純利益12億6千9百万円であり、主な資金の減少要因は仕入債務の減少額18億6千4百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって使用された資金は、14億6千4百万円(前期は17億5千6百万円の資金の獲得)となりました。主な資金の減少要因は有形固定資産の取得による支出6億9千6百万円、定期預金の純増加額6億4千1百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって使用された資金は、18億8千2百万円(前期は11億3千4百万円の資金の使用)となりました。減少要因は長期借入金の返済による支出5億7千9百万円、非支配株主への配当金の支払額5億1千1百万円、配当金の支払額4億円、自己株式の取得による支出3億9千2百万円であります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
エレクトロニクス事業 |
6,774,052 |
96.9 |
|
メカトロニクス事業 |
4,780,192 |
70.3 |
|
ケミトロニクス事業 |
8,571,151 |
93.9 |
|
コンポーネント事業 |
2,056,791 |
80.4 |
|
その他 |
1,836,077 |
115.8 |
|
合計 |
24,018,265 |
88.8 |
(注)金額は販売価額によっております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
エレクトロニクス事業 |
8,329,133 |
121.5 |
3,688,548 |
224.3 |
|
メカトロニクス事業 |
2,671,635 |
30.5 |
1,655,120 |
32.8 |
|
ケミトロニクス事業 |
10,070,913 |
97.0 |
415,800 |
117.4 |
|
コンポーネント事業 |
7,994,521 |
99.3 |
1,216,788 |
96.3 |
|
その他 |
1,628,233 |
85.9 |
473,690 |
98.8 |
|
合計 |
30,694,435 |
85.4 |
7,449,946 |
84.7 |
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
エレクトロニクス事業 |
6,285,061 |
91.8 |
|
メカトロニクス事業 |
6,067,505 |
110.2 |
|
ケミトロニクス事業 |
10,009,277 |
96.0 |
|
コンポーネント事業 |
8,041,089 |
102.6 |
|
その他 |
1,633,982 |
94.2 |
|
合計 |
32,036,917 |
99.0 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
Interface Technology (Cheng Du) Co., LTD |
4,055,325 |
12.5 |
5,003,241 |
15.6 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
また、新型コロナウイルス感染症の影響による国内外の経済活動への制限が緩和され、景気の持ち直しが期待されるものの、地政学リスクの高まり及び一部の金融不安に端を発し世界的な金融引締めによる影響が懸念されており設備投資動向も先行き厳しい状態が続くものと思われます。
当社グループを取り巻く経営環境につきましては、長引く半導体不足、サプライチェーンの混乱などによる部品調達の遅れ及び顧客の製造拠点の稼働低下による受注、売上の減少、樹脂材料等の不足・値上がりなどによる営業利益を圧迫する環境が引き続き想定されます。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
当連結会計年度末の総資産は441億3千万円と前連結会計年度末に比べて19億9千3百万円減少しました。
流動資産は275億4千3百万円となり、前連結会計年度末に比べて25億1千4百万円減少しました。これは主に原材料及び貯蔵品が3億7百万円、電子記録債権が2億4千7百万円増加しましたが、受取手形、売掛金及び契約資産が20億6千6百万円、仕掛品が5億8千4百万円、現金及び預金が4億5千5百万円減少したことなどによるものであります。
固定資産は165億8千6百万円となり、前連結会計年度末に比べて5億2千万円増加しました。これは主に繰延税金資産が1億6千6百万円減少しましたが、投資有価証券が6億7千5百万円増加したことなどによるものであります。
負債は174億7千7百万円となり、前連結会計年度末に比べて22億4千6百万円減少しました。これは主に繰延税金負債が2億6千4百万円増加しましたが、支払手形及び買掛金が12億8千3百万円、電子記録債務が5億2千4百万円、1年内返済予定の長期借入金が2億7千5百万円、長期借入金が2億5千3百万円減少したことなどによるものであります。
純資産は266億5千3百万円と前連結会計年度末に比べて2億5千3百万円増加しました。これは主に純資産から控除する自己株式が3億8千9百万円増加しましたが、その他有価証券評価差額金が4億6千8百万円、為替換算調整勘定が3億5千8百万円増加したことなどによるものであります。なお、自己資本比率は前連結会計年度末に比べて3.3ポイント増加し、55.0%となりました。
2)経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、部材調達難による生産遅延が影響し、前期比1.0%減の320億3千6百万円となりました。
(売上原価)
売上原価は、前期比4.1%増の246億3千7百万円となりました。資源価格の高騰による原材料価格の上昇などにより、売上原価率は76.9%となり、前期比3.7ポイント増となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、人件費の増加等により、前期比4.3%増の68億2千5百万円となりました。
(営業利益、経常利益)
上記要因により、営業利益は前期比73.0%減の5億7千4百万円となり、営業外収益に為替差益4億7千6百万円などを計上しましたが、経常利益は前期比48.4%減の14億6千1百万円となりました。
(特別損益)
特別利益は、固定資産売却益の8百万円となりました。
特別損失は、固定資産除却損7千1百万円、福利厚生施設の固定資産解体費用引当金繰入額6千6百万円及び土壌汚染対策の調査費用として環境対策引当金繰入額5千2百万円を計上したことなどにより2億円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、上記要因の他、法人税等6億9千7百万円及び非支配株主に帰属する当期純利益2億6百万円の計上により、前期比83.2%減の3億6千5百万円となりました。
また、セグメントにおける分析につきましては次のとおりであります。
[エレクトロニクス事業]
主力の高圧系製品である医療用電源や半導体製造装置電源は堅調な受注継続も、部品調達難を主因とした生産遅延により、売上高は前期比8.2%減の62億8千5百万円(総売上高の19.6%)、セグメント利益は前期比48.6%減の4億3千2百万円となりました。
[メカトロニクス事業]
光学レンズ貼合装置(OLB:Optical Lens Bonder)が大きく寄与し、売上増となりました。売上高は前期比10.2%増の60億6千7百万円(総売上高の18.9%)となりました。セグメント利益は前期比10.5%減の5億6千1百万円となりました。
[ケミトロニクス事業]
国内外で半導体の供給不足や自動車部品の調達難が長期化し、相次ぐ自動車メーカーの減産の影響を受け厳しい結果となりました。
売上高は前期比4.0%減の100億9百万円(総売上高の31.3%)、セグメント利益は前期比52.5%減の5億8百万円となりました。
[コンポーネント事業]
主要の事務機器関係が第4四半期に入り生産・在庫調整により需要減、産業機器関係は半導体製造装置の市場低迷が継続するも、新紙幣対応により金融機器関係が大きく伸長し、自動車関係への新製品採用も貢献したことにより売上増となりました。売上高は前期比2.6%増の80億4千1百万円(総売上高の25.1%)、セグメント利益は前期比13.9%減の10億8千5百万円となりました。
[その他]
産業機器関係と自動車関係の減少が影響し売上減となり、売上高は前期比5.8%減の16億3千3百万円(総売上高の5.1%)、セグメント利益は前期比96.6%減の6百万円となりました。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、資金需要の主なものは、新製品開発、製造及び生産性向上、品質向上のための設備投資などの設備投資需要及び新製品開発及び製造のための材料及び部品の購入のほか、労務費、製造経費、販売費及び一般管理費等の運転資金需要であります。
これらの資金需要に対して当社グループは、自己資金のほか、銀行借入等の間接金融により賄っております。また、当社は機動的な財務戦略をとり、資金の効率的な調達を行うため、特定融資枠契約(シンジケーション方式によるコミットメントライン)を締結しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
この連結財務諸表の作成にあたりまして、過去の実績、法令や会計制度等の変更など様々な要因に基づき、見積りおよび判断を行っております。実際の結果は、見積り特有の不確定要素が内在するため、これらの見積りと異なる場合があります。
(有形固定資産及び無形固定資産の減損処理)
固定資産の減損処理に係る会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(繰延税金資産)
当社グループは、将来の課税所得に関する予測・仮定に基づき、繰延税金資産の回収可能性の判断を行っておりますが、将来の課税所得の予測・仮定が変更され、繰延税金資産の一部ないしは全部が回収できないと判断された場合、繰延税金資産は減額され、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
一般定期借地権設定契約
|
契約先の名称 |
契約 締結日 |
契約内容 |
土地面積 |
契約期間 |
|
東京建物株式会社 |
2016年10月21日 |
一般定期借地権設定契約 (東京都豊島区高田一丁目) |
12,348.42㎡ |
2020年2月1日から 2092年5月31日 |
当社グループの研究開発活動は、主として提出会社が行っております。
当連結会計年度の研究開発活動は、下記のとおりであります。
当社における研究開発は、基本的技術あるいは共通的な技術を研究開発本部で、事業展開に直結する新製品、新商品の開発を各事業部門の開発グループが担当して活発に行っております。
技術分野としては、電源を主とするエレクトロニクス技術、システム化を指向するメカトロニクス技術、高機能・高性能のプラスチック用塗料を主とするケミトロニクス技術、精密機器を中心とするコンポーネント技術、そして電力用半導体部品を中心とするその他技術の5分野にまたがっております。それぞれの技術分野でより高度な技術の開発を目指すとともに5分野の技術を融合することにより独自性のある技術の確立を目指して積極的に技術開発に取り組んでおります。
当連結会計年度は研究開発費
(1)エレクトロニクス事業
1)新型医療用電源の開発を行い従来機と比較し54%の小型化を達成しました。
2)新分野の医療用電源の試作装置の評価を完了しました。
3)新分野の超低ノイズ医療用電源の試作機を完成させ、低ノイズ化技術を習得しました。
4)次世代半導体製造装置用電源の試作機を完成させました。
5)新型電子銃用電源装置の試作機を完成させました。
6)電欠対応用POCHA V2Vのデモ機を製作しEV車両との接続確認を実施しました。
7)10kW双方向DC/DCコンバータに三相磁束キャンセル方式トランスを採用し効率98%以上を達成しました。
当事業に係る研究開発費は
(2)メカトロニクス事業
1)新型低容積チャンバー搭載の大量生産向けギ酸還元真空リフロー炉「MPXシリーズ」を製品化しました。
2)新型低容積チャンバー搭載の研究開発向けギ酸還元真空リフロー炉「SQ1Ver.2」を製品化しました。
3)40~70インチのディスプレイを貼合するオプティカルボンディング技術を確立しました。
4)インクジェット塗布工法に対応したオプティカルボンディング技術を確立しました。
5)塗工幅自動可変式のオプティカルボンディング用ダイヘッドを改良し、塗工幅変更時間3秒を達成しました。
6)ウエアラブルデバイス用レンズの貼合装置を改良し、貼合厚さ精度を従来比1/5の20µm以下に向上させました。
7)PCD切削工具に関する抵抗溶接技術の開発を進めました。
当事業に係る研究開発費は
(3)ケミトロニクス事業
1)カーボンニュートラルに貢献するハイサイクル塗料「プラネットHI-C」を製品化しました。
2)無反射塗料「プラミーズBK」のポリオレフィン基材対応製品を開発しました。
3)サテンめっき調塗料「エコネットFX-2」を製品化しました。
4)クロムめっき用プライマー「オリジンプライマーU-03MKD」を製品化しました。
5)電子部品用防湿コート剤「オリジキャスト0-21」を製品化しました。
当事業に係る研究開発費は
(4)コンポーネント事業
1)自動車電動バックドアのアクチュエータ用トルクリミッタ高付加価値モデルの開発を進めました。
2)自動車内装機構部のヒンジやモータ保護機構として、バックラッシレスで小型化を図ったトルクリミッタの開発に取り組み、技術を確立しました。
3) 自動車/自転車向けに、安全機構に特化したコンパクトかつ廉価なトルクリミッタの開発を進めました。
4)住宅設備市場におけるブラインド降下速度抑制機構として、負荷調整機能を内蔵した複合型遠心ブレーキの開発に取り組み、技術を確立しました。
5)コンシューマ向けプリンタに展開可能な廉価なトルクリミッタの生産ライン構築に向けた検討を開始しました。
当事業に係る研究開発費は
(5)その他
産業機器向けに高圧パルス発生用ダイオードを開発しました。
当事業に係る研究開発費は
(6)全社共通
研究開発本部で行なっている、部品素材に関する基礎研究、AI活用や電気、機械、化学シミュレーションなどの応用技術開発等、各セグメントに配賦できない研究開発費は335百万円であります。