当社は「たくましい創造性と優れた技術を磨きあげ、社会を豊かにする価値を提供し、人々との共生を願い、限りなく前進する」ことを企業理念として掲げております。
この企業理念のもと、『①お客様に満足いただける新しい商品とサービスの提供、②地球環境保護の流れと調和のとれた事業展開、③企業環境の変化に迅速に対応して適正な利益を確保できる、強靱で柔軟性のある企業体質と、活力に満ちた明るい企業風土の確立』を経営方針としております。この経営方針を実践することで、グループ各社が一体となった事業活動を展開し、顧客、株主、取引先そして従業員等当社に関わる皆様にとって大きな存在価値を認めていただける企業グループとして、更なる発展・繁栄を目指していく所存であります。
当社グループでは、収益性と資本効率を重視する観点から、売上高営業利益率、自己資本利益率(ROE)を経営数値目標として掲げて企業経営に取り組んでおります。
当社は1907年の創業以来、社会インフラの一端を担うことを社会的使命として、船舶用機関で海上物流を、陸用機関で常用・非常用の電源を確保するなど、海と陸の両方から人々の安心安全な暮らしを支えてきております。
2020年10月に日本では2050年までにカーボンニュートラルを目指すことを宣言するなど、コロナ禍を経てネットゼロエミッションに向けた目標が世界的に前倒しされました。またデジタル化が加速するなど、当社を取り巻く事業環境は急速に変化しています。
造船・海運業界ではGHG削減の取り組みとして、海上物流での新たな動力源の開発や航行スピードの調整、船体設計や排出CO₂の回収などの取り組みを進めております。海上物流での新たな動力源の開発は、内燃機関の技術革新が寄与するものと考えられており、当社においては次世代燃料であるメタノール・アンモニア・水素・バイオ燃料などの次世代燃料対応機関を開発・市場投入することでGHG削減の貢献を目指しております。
船舶用内燃機関のライフサイクルは2050年までに重油燃料型ディーゼル機関から、重油とLNGの二元燃料を動力源とする環境負荷低減型のデュアルフューエル機関、そして次世代燃料対応機関へと機関移行が進むと想定しているものの、移行時期等は不透明な状況にあります。
当社では、2021年10月にデュアルフューエル機関4機種のラインアップを完了し、2022年度末までには約220台以上を販売・受注しており、重油燃料型ディーゼル機関からの置き換えが加速しました。次世代燃料対応機関の開発については見通しが不透明であることから、特定の燃料に限定せず幅広く開発し、各燃料に対応した機関研究開発を並行して進めております。併せて、造船業界での中国造船所へのシェアシフトに対応するため、コスト競争力をこれまで以上に強化する必要があります。
陸用分野では、我が国の人口減、財政逼迫、公共インフラの老朽化が同時並行で進む中、ゲリラ豪雨等の気候変動から人々の安心安全を確保することで、Society5.0※に貢献していくことが将来における当社のあるべき姿であると想定しています。
当社は、2022年11月に中長期ビジョン『POWER! FOR ALL beyond 2030』を公表し、2050年までの中長期的な事業戦略を示しました。不確実性の高い時代に当社グループが柔軟に対応し成長し続けるためには、次世代燃料対応機関の開発だけでなく、デジタルを駆使したサービタイゼーション事業を確立させ、アフターメンテナンス事業の収益性を高めることを2030年への最優先課題として取り組んでおります。
2030年以降の次世代燃料対応機関の本格移行までに、人的資本への投資を加速することで求める組織能力を構築・開発しつつ、新たな成長・収益ドライバーを構築するために注力すべき分野へ選択と集中を進めることで事業基盤を強化してまいります。
1.事業開発
・サービタイゼーション事業を成長ドライバーに据えるための関連投資やアライアンスの推進
・製品とデジタルを融合させた、付加価値の高いサービス事業の事業収益化
2.次世代燃料対応開発
・カーボンニュートラルに向けた各種次世代燃料対応機関開発の早期実現と市場投入
3.能力構築
・無形資産の投資強化によるデジタル化推進、中国市場における一層の事業拡大のための組織能力強化
・グローバル人材の育成・強化
4.サステナビリティ経営
・サステナブル投資の実行
・既存事業の深化
・ESG経営の実行
これら取組みを早期に実現するため、2023年度より5年間で総額500億円の投資を実施することで、モノづくりを通した社会貢献に加え、社員についても人材の多様化を図り、社員一人ひとりの成長と事業活動の両立を図ってまいります。今後もサステナブルな企業であり続けるため、ESGを経営の中核に据えた事業運営への展開を図ってまいります。
※Society5.0…現実空間と仮想空間が一体となり、さまざまな社会問題の解決と経済発展を実現する社会
(1)サステナビリティの基本方針と取り組み
当社グループは、「たくましい創造性と優れた技術を磨きあげ、社会を豊かにする価値を提供し、人々との共生を願い、限りなく前進します」を企業理念に、「社会インフラの一端を担う」ことで使命を果たしてまいりました。また、地球環境を守るため、提供する商品やサービスを通じて、温室効果ガス削減や資源の有効利用等に取り組み「自然環境との調和を図る」という責任を負ってまいりました。
中長期ビジョン「POWER! FOR ALL beyond 2030」の最終ゴールである2050年に向け、持続可能な社会を実現するためには、人々の豊かな暮らしのための技術革新と環境保全の両立は欠かせないものであると考えており、CO2削減、循環型社会への貢献、人権尊重など、社会の持続可能性に貢献する取り組みを進めております。
また、ダイバーシティ&インクルージョンの観点からも、多様な人材を積極的に採用し、それぞれの個性を尊重することで、イノベーションを生み出し強靭性ある組織形成を目指しております。
当社グループは、サステナビリティの観点でのリスクと機会の分析を行うとともに、ステークホルダーとの対話を通して、取り組むべき課題を示す重要課題を、地球環境課題、社会的課題、ガバナンス強化の3つの側面から特定いたしました。
取締役会は、ESGに関する各プロジェクトを通じ、ESG経営の取り組みの進捗と課題等についての意見交換を行い、実効性を高めております。また、リスクに関する内容については、内部統制委員会にて審議し、グループ全体のリスク管理体制の中で検討・管理しております。
(2)サステナビリティに関する取り組み
当社グループは、サステナビリティに関する取り組みの基本方針を実行するにあたり、事業を取り巻く経営環境や事業等のリスクを的確に把握するとともに、中長期ビジョン達成に向け、優先課題とする地球環境課題、社会的課題について取締役会で議論およびレビューしております。
社会価値の継続的な創出と企業価値の最大化を図るため、コーポレート・ガバナンスの強化が重要であると認識し、サステナビリティに関する取り組みの実施体制・事業評価の仕組み・情報開示のあり方および内容について継続的に検証しております。
②戦略
当社グループは、「社会インフラの一端を担う」ことを社会的使命として船舶用エンジンで海上物流を、陸用エンジンで常用・非常用の電力を確保する等、海のフィールドと陸のフィールドの両方から、人々の安心・安全な暮らしを支えております。
気候変動、エネルギー資源の枯渇、情勢不安等、さまざまな社会問題がある中、これらの問題に迅速かつ積極的に対応していくことが、企業価値と社会価値双方の向上に資すると認識しており、「人々の暮らしの安心・安全を支える:海と陸の社会インフラの一端を担う」、「豊かな自然環境を守る:クリーンなエネルギーへの転換」をミッションとして掲げております。
このミッションを基点とした事業展開について取締役会で審議・意思決定し、次世代燃料対応エンジンの開発、再生エネルギー活用および発電設備の高効率化、モーダルシフトの推進等、製品開発や事業活動を通してCO2排出量削減に取り組んでおります。
また、個人の価値観の多様化や企業を取り巻く環境が大きく変化する中で、当社グループが持続的な発展と成長を実現するためには、無形資産である人材を最適に活用することが重要であると認識しております。
当社グループは、全社リスク管理一覧表を毎年整備し、優先度の高いリスクに関する評価と対応について取締役会の報告事項とし議論しております。取締役会は、内部統制システムの整備・運用状況を定期的に検討・評価し、改善を促して実効性を高めております。
不確実性の高い事業環境の中で適切なリスクテイクを促すことを目的に、投資実施等の取締役会決議に際しては決議事項の目標達成を阻害するトップリスクを特定し、それに対してどのように対応していくかについて、議論を尽くし意思決定を行います。その後も目標設定時からの環境変化等を勘案し、実施状況について継続的なモニタリングを実施し、適時適切に方針変更も含めた意思決定を行います。
(3)人的資本に関する取り組み
①人財戦略
1)ダイバーシティ&インクルージョン
当社グループは、多様な人材を受け入れ、その個々の能力を最大限に発揮できる環境をつくることで、より革新的で長期的な成長につながると考えております。
国籍・人種・民族・宗教・思想・性別・年齢・障がい・性自認・性的指向・雇用形態などを含むいかなる理由であれ差別を認めない多様な価値観を尊重し、区別なく活躍できる環境を重視しております。
多様な視点、価値観を歓迎するためにも、新卒・キャリア採用の募集段階での当社グループの魅力付けにより女性や外国人の登用についても積極的に行い、いずれも現状より増加させるべく取り組んでおります。
2)ワークライフバランス
当社グループは、労働人口が減少する中でライフサイクルや生活環境を問わず、会社組織として、価値観の異なる多様な人材を受け入れる体制を整えるために、働き方に対する人々の意識が多様化することによるマネジメントのあり方や、業務プロセスの見直しなどを整備することが重要と考えております。
社員が時間や場所等にとらわれない多様な働き方を実現できるよう各種制度の整備を進めております。
3)安全衛生
当社グループは、社員の安全・健康に及ぼす影響が最小限となるよう企業活動の中で安全衛生管理を徹底しております。また、社員がいきいきと業務に従事できるよう、心身の健康が大変重要であるとの考えのもと、一人ひとりが安全衛生に対する意識を向上させ、自己の健康管理に努めることを推進するため、安全方針を策定しております。
安全衛生管理においては、安全衛生関係法令および社内基準を遵守し、職場の危険有害要因の明確化と対策の優先度を定めるリスクアセスメントを実施し、安全で快適な職場づくりを推進しております。安全衛生管理の確保に必要かつ十分な教育・訓練を継続的に実施し、全社に対する意識の啓蒙を図っております。
4)健康経営
当社グループは、健康がすべての基本であることを認識し、健康増進推進体制を整え、社員のこころとからだの健康の維持増進を推奨しております。このような取り組みを積極的に推進した結果、経済産業省より優良な健康経営を実践する企業として「健康経営優良法人2023」の認定を取得いたしました。
中長期ビジョン「POWER! FOR ALL beyond 2030」を実現するためには、社員一人ひとりが心身ともに健康でその能力を最大限に発揮して、いきいきと働くことが重要と考えており、健康経営を推進し、快適に働ける環境や仕組みの整備等、社員の健康と安全に配慮した取り組みを進めております。
5)人材育成
当社グループは、イノベーションを生み出す組織風土の醸成、ならびに、グローバル人材育成は極めて重要なものであると位置づけ、人材への成長投資を加速させております。
人事情報基盤を活用し人材スキルを把握したうえで、求める人材を社内から選抜・育成するとともに、社員の継続的な学びや新たな分野のスキルを習得する学び直しも導入してまいります。
②指標及び目標
経営戦略と人的資本戦略が連動した経営戦略実現に向けて、策定した人的資本戦略が急速な環境変化においても効果的に推進させるために、適正に機能し、効果が得られているかを測定し、迅速かつ適切に次のアクションへ移すために人的資本戦略と連動したKPIを設定いたします。
KPI設定の要件としては、設定したKPIを定期的に検証・確認することで問題点の因果関係が把握できるよう、施策の妥当性を検証および見直しできる数値を設定いたします。
当社グループの事業の状況および経理の状況等に関する事項のうち、経営者がリスクとなる可能性があると認識している主要な事項(事業等のリスク)は以下のとおりであります。
事業等のリスクの洗い出しに際して、事業遂行上に起こりうるリスクの発生要因に基づき、ビジネスリスクとオペレーションリスクに分類し、各リスクに応じた対策を立案・遂行し、リスク管理の実効性を検証し、対応しております。
主要なビジネスリスク、オペレーションリスクの内容と対策は以下のとおりです。
本項に記載した予想、予見、見込み、見通し等の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もあります。
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症による消費活動の自粛志向が薄らぎ経済活動の正常化が一段と進むことで、コロナ禍からのリバウンド需要を中心に回復基調となりました。その一方で、円安の進行、資源高の影響による物価上昇等もあり、引き続き先行きの見通せない状況が続いております。
世界経済におきましては、ウクライナ情勢の長期化に伴う食料・エネルギー危機、中国でのゼロコロナ政策に伴う経済活動の抑制、インフレが加速したことによる積極的な金融引き締めが行われる等、経済成長は低水準で推移いたしました。IMFが2023年4月に公表した世界経済見通しでは、世界のインフレ率は2022年の8.7%から2023年は7.0%に鈍化する見込みであり、世界経済の成長率は2022年の3.4%から2023年には2.8%へ低下するとの見通しが示されました。
当社の主要な販売先である造船・海運業界につきましては、2022年の新造船受注量は、鋼材価格高騰を背景とした船価の上昇で発注が控えられたこともあり2021年の特需は落ち着くものの、コンテナ船やばら積み船を中心に堅調に推移いたしました。また、海上輸送網の混乱も解消に向かい、人流制限等で停滞していた東南アジアを中心にメンテナンス需要も回復しております。
このような企業環境下、当社グループにおきましては、大型機関やデュアルフューエル機関の受注が好調に推移するとともに、メンテナンス関連も好調に推移いたしました。その結果、当連結会計年度における連結売上高は72,113百万円(前期比25.2%増)となり、利益面におきましては、営業利益は3,601百万円(前期比72.1%増)、経常利益は3,660百万円(前期比46.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、2,948百万円(前期比49.8%増)になりました。
なお、当連結会計年度の当社および連結グループのセグメント別の業績は次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注) セグメント利益の調整額は全社費用であり、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。
<内燃機関部門>
イ)舶用機関関連
コンテナ船向けを中心に大型機関やデュアルフューエル機関の売上構成比率が増加したことに加え、メンテナンス関連の売上増加ならびに為替の影響等により、売上高は56,854百万円(前期比30.1%増)、セグメント利益は4,603百万円(前期比98.7%増)となりました。
ロ)陸用機関関連
機関売上は増加したものの、一部の物件の採算性が悪化したこと等により、売上高は10,997百万円(前期比7.9%増)、セグメント利益は817百万円(前期比48.6%減)となりました。
従いまして、当部門の売上高は67,852百万円(前期比25.9%増)、セグメント利益は5,420百万円(前期比38.8%増)となりました。
<その他の部門>
イ)産業機器関連
アルミホイール部門に関しましては、売上構成の変化および原材料費の高騰により売上高は増加となり、セグメント利益は減少となりました。
ロ)不動産賃貸関連
不動産賃貸関連に関しましては、売上高、セグメント利益とも微増となりました。
ハ)売電関連
売電関連に関しましては、売上高、セグメント利益とも増加となりました。
精密部品関連に関しましては、売上高、セグメント利益とも増加となりました。
従いまして、当部門の売上高は4,261百万円(前期比14.5%増)、セグメント利益は670百万円(前期比60.1%増)となりました。
創業以来100年以上にわたり、当社の社会的使命は一貫して「社会インフラの一端を担う」ということであり、「私たちは、たくましい創造性とすぐれた技術を磨き上げ、社会を豊かにする価値を提供し、人々との共生を願い、限りなく前進する」を企業理念に掲げ、技術力で社会を豊かにする、つまり、舶用機関で海上物流を、陸用機関で常用・非常用の電力を確保する等、海のフィールドと陸のフィールドの両方から人々の安心安全な暮らしを支えてまいりました。
新型コロナウイルス感染症がもたらした未曽有のパンデミックを契機とし、先行きが不透明で将来の予測が困難な時代に突入しております。また、造船・海運業界におきましては、脱炭素化機運の高まりを受けて石油系燃料から次世代燃料へと本格移行が進むとの予測があり、当社グループにとっては新たなチャンスである一方で、その移行スピードや、どの燃料が舶用機関の主力となるのかについて等、不確実な部分を抱えているのが現状です。このような変動性や不確実性の高い経営環境の中で、持続的な成長と、長期的な企業価値・株主価値の最大化を実現するため、昨年11月に中長期ビジョン「POWER! FOR ALL beyond 2030」を発表いたしました。
この中長期ビジョンにおきましては、「GHG(温室効果ガス)削減と経済的価値向上の両立」そして、「新たなお客様価値のご提供」この2点を2030年へ向け取り組むべき最重要テーマであると位置付けております。
次世代燃料対応機関の開発だけではなく、AI・IoTを積極的に活用してお客様をサポートする技術を加速させ、新たなお客様価値をご提供することで、サービタイゼーションによるビジネスモデルの構築に取り組んでまいります。
また、アフターメンテナンスの収益性を高めることを最優先課題の一つとして取り組むとともに、2030年以降の次世代燃料対応機関の本格移行までに人的資本への投資を加速させ、既存事業の経営体質強化と今後の事業環境の変化に備えた組織能力強化を図ってまいります。
今後もサステナブルな企業であり続けるため、成長分野への選択と集中による事業構造改革を推進し、グローバルな市場において成長性と収益性の向上に努めてまいります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の増減は、営業活動によるキャッシュ・フローは4,488百万円の増加、投資活動によるキャッシュ・フローは3,076百万円の減少、財務活動によるキャッシュ・フローは1,981百万円の減少となりました。結果として、資金は539百万円の減少(前連結会計年度は6,844百万円の増加)となりました。
・営業活動によるキャッシュ・フロー
舶用内燃機関を中心とした売上の計上により、税金等調整前当期純利益4,007百万円を確保し、減価償却費計上(2,753百万円の増加)、仕入債務の増加(3,144百万円の増加)がありましたが、棚卸資産の増加(1,862百万円の減少)、売上債権の増加(2,509百万円の減少)、法人税等の支払額(1,488百万円の減少)等により、営業活動によるキャッシュ・フローは4,488百万円の増加(前連結会計年度は7,870百万円の増加)となりました。
・投資活動によるキャッシュ・フロー
次世代燃料対応機関開発のための設備投資を行ったこと等から有形固定資産の取得による支出が3,033百万円ありました。これにより投資活動によるキャッシュ・フローは3,076百万円の減少(前連結会計年度は1,300百万円の減少)となりました。
・財務活動によるキャッシュ・フロー
借入金の返済による支出が1,150百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出が319百万円、配当金の支払による支出が476百万円ありました。これにより財務活動によるキャッシュ・フローは1,981百万円の減少(前連結会計年度は84百万円の増加)となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 ( )内は輸出受注高、輸出受注残高を示し、内数であります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 ( )内は輸出高を示し、内数であります。
2 主要な輸出地域およびその割合は次のとおりであります。
アジア(74.3%)、欧州(17.8%)、中南米(4.7%)、北米(2.5%)、その他(0.7%)
3 「その他の部門」には精密機器関連(1,690,693千円)、産業機器関連(1,939,745千円)および不動産賃貸関連等(630,942千円)を含んでおります。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
当連結会計年度末における資産の部では、前連結会計年度末に比べ、現金及び預金が、518百万円減少しました。受取手形、売掛金及び契約資産は、前連結会計年度末に比べ、2,546百万円増加し、売掛債権回転日数は、前連結会計年度では115.0日でしたが、当連結会計年度は99.3日となっております。また、棚卸資産につきましては、前連結会計年度末に比べ、1,862百万円増加し、棚卸資産回転日数は、前連結会計年度では74.2日に対し、当連結会計年度は68.9日となっております。有形固定資産は、前連結会計年度末に比べ、682百万円増加しました。その結果、資産の部合計については、前連結会計年度末に比べ、6,108百万円増加し、95,377百万円となりました。
負債の部では、支払手形及び買掛金と電子記録債務の合計が、前連結会計年度末に比べ、3,158百万円増加し、買掛債務回転日数は、前連結会計年度では69.2日に対し、当連結会計年度は、70.2日となっております。一方、短期借入金と長期借入金の合計は、約定返済等により、1,050百万円減少しました。当連結会計年度末における売上高有利子負債比率(リース債務を除く)は、前連結会計年度末から6.5ポイント低下して18.4%となっております。その結果、負債の部合計では、前連結会計年度末に比べ、3,453百万円増加し、49,652百万円となりました。
純資産の部では、利益剰余金が、前連結会計年度末に比べ、2,471百万円増加し、40,865百万円となりました。純資産の部合計では、前連結会計年度末に比べ、2,654百万円増加し、45,724百万円となりました。その結果、当連結会計年度末における自己資本比率は47.9%となっております。自己資本比率の推移につきましては、「第1企業の概況 1主要な経営指標等の推移 (1)連結経営指標等」に記載のとおりであります。
② 当期の経営成績について
コンテナ船向けを中心とした大型機関やデュアルフューエル機関の売上比率増加および移動制限緩和によるメンテナンス関連売上の増加により、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ25.2%増収となる72,113百万円となりました。
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度の44,318百万円に比べ13,181百万円増加し、57,500百万円となりました。なお、売上高原価率は、前連結会計年度から2.8ポイント上昇して79.7%となっております。また、販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ176百万円減少し、11,012百万円となりました。売上高販管費率は、前連結会計年度から4.2ポイント低下して15.3%となっております。
この結果、営業利益は、前連結会計年度の2,092百万円から72.1%増益の3,601百万円となり、売上高営業利益率は、前連結会計年度から1.4ポイント上昇して5.0%となりました。経常利益は、前連結会計年度の2,506百万円から46.0%の増益となる3,660百万円となり、売上高経常利益率は、前連結会計年度から0.7ポイント上昇して5.1%となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の1,968百万円から979百万円の増益となる2,948百万円となりました。なお、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の62.01円に対し、当連結会計年度は93.37円となりました。自己資本利益率(ROE)は、前連結会計年度から1.9ポイント上昇して6.6%となっております。目標とする経営指標の推移につきましては、以下のとおりであります。
当社グループのキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源および資金の流動性につきましては、以下のとおりであります。
当社グループは現在、必要な運転資金および設備投資資金につきましては、自己資金または金融機関からの借入金を基本としております。今後も原価低減等により利益確保に努め、併せて在庫の適正化や取引条件の改善等を通じて、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出すことで、事業運営上必要な資金の流動性を高めていく考えであります。
なお、当連結会計年度末における借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高は前連結会計年度末に比べ、1,291百万円減少し、13,601百万円となりました。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ539百万円減少し、25,815百万円となりました。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態および経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
なお、当社グループの事業は新型コロナウイルス感染症の影響が即座に及ぶものではなく、今後海運、造船業界全体を通じて間接的に影響を受けることから、不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることは困難であります。その中、期末時点で取引先および公的機関より入手可能な情報を基に、今後、新型コロナウイルス感染症は収束していくという想定のもと、当社グループでは会計上の見積りについて、連結財務諸表作成時までに入手可能な情報に基づき、合理的な金額を見積もって計上しております。
(棚卸資産の評価)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(繰延税金資産の回収可能性)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識および測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
当社グループの研究開発活動は、主力となるディーゼル機関については、将来的な環境規制の強化を見越して環境負荷低減技術や燃費向上、新燃料対応などを進めております。
また、デュアルフューエル機関(DF機関)については、機関出力として890kWから4,080KwまでのDF機関のラインアップ化を完了し、舶用・陸用分野にかかわらず厳しい環境規制へ対応するために、機関の効率アップ、ガス燃料の多様化(天然ガス、プロパンガス等)への対応などに取り組んでおり、舶用発電機関を市場に投入しました。
IoTやAIなどのデジタル技術活用に関しては、ディーゼル機関やDF機関等の不具合を未然に検知する異常診断技術の開発を行い、主にお客様の安心・安全な機関運用をサポートする技術開発を行っています。
また、船舶等に設置される当社製エンジンの異常診断/遠隔監視サービスの開発と提供を行っており、アフターサービス事業のさらなる充実に向けた技術開発を積極的に進めてまいります。
当連結会計年度における研究開発費は、
当部門に係る研究開発費は、2,018百万円であります。また、研究開発投資額は1,258百万円であります。
(注)1 有限要素法(Finite Element Methodの略)。微分方程式を近似的に解くための数値解析方法の一つ。
2 数値流体力学(Computational Fluid Dynamicsの略)を用いた計算手法。
