第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループは、当社の社是「誠意を貫く 信用第一主義」「不可能を可能にする 積極経営」「高収益・高賃金を実現する 生産性向上」を基本精神とし、『「暮らしを彩り 住まいをまもる」をトータルコンセプトに、優れた製品とサービスをお客様に提供し、住生活の質的向上と充実のために貢献する』ことを経営理念としております。

 この経営理念のもと、私たちは次の方針で経営に取り組んでおります。

社会に対して・・・・安全の確保と自然環境の保全先見性を持ち、責任ある態度で臨む。

顧客に対して・・・・競合他社よりも優れた価値とサービスを提供し、永続的に高い信頼と支持を得る。

取引先に対して・・・重要なビジネスパートナーと認識し、誠意と信用第一により共に繁栄することを目指す。

株主に対して・・・・株主に信頼され、また、繁栄ある未来のために誠実で魅力的な企業を目指す。

社員に対して・・・・会社の繁栄を通じ社員の豊かな生活を実現する。

 

(2)経営戦略等

 当社グループでは、企業価値を向上させることを重視した経営を推進しております。持続的な成長により企業価値を向上していくためには、「収益力の向上」が最重要であると考えており、その実現に向けて、特に下記の4点に注力しております。

① 当社の関わっている事業領域(Do it yourself市場)では、当社にとっての製品が、お客様にとっては顧客満足を得るための一つの手段であって最終商品ではありません。トップメーカーとして、お客様に満足していただける製品づくりだけでなく、技術的なサポート、製品活用事例や楽しさの紹介等の情報提供を通して、顧客満足度の向上に資するためのお客様支援の体制を引き続き整備、強化してまいります。

② 製品開発にあたっては、使用されるお客様のニーズを的確にとらえ、「安心」「安全」はもとより、「簡単」「きれい」「便利」「楽しい」の要望に応えた新製品を競合他社に先駆けて開発、上市してまいります。

③ グループ会社との連携強化により、物流や事務処理の効率化、原材料や仕入品の調達コストの削減等、全体コストの引き下げを推進してまいります。

④ 将来に向けた次なる事業の柱を確立すべく、新規事業への取り組みにも力をいれてまいります。

 

(3)経営環境

 当社グループを取り巻く経営環境といたしましては、国際的な情勢不安の影響による原材料価格や輸送費等の高騰により、当社グループにおいても先行きは不透明な状況であり、競合他社との価格競争の激化、主な販売先であるホームセンター業界の趨勢、物流コストの上昇、少子高齢化など、厳しい状況で推移しております。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループでは、2022年3月期を初年度とする中期経営ビジョン「APSPEC180」において10年後のグループ売上高250億円を掲げております。その目標達成に向けて、以下のことに重点的に取り組んでまいります。

① 収益力の向上

 新規販売チャネルの開拓やEC事業の強化、商品開発から販売までのスピードアップ等、営業力、商品開発力の強化を図ってまいります。また、グループ子会社においても、更なる収益力の強化に取り組んでまいります。

② 新規事業への取り組み

 当社は、2022年4月27日付で株式会社ザ・ペット(ペット用品事業)を完全子会社として取得し、一定の成果を得ております。今後も既存事業の枠にこだわらず、当社グループの事業基盤の拡大・強化に資する新規事業の検討、展開について積極的に取り組んでまいります。

③ グループ経営の強化と効率化

 グループ会社相互にシナジーが得られる事業展開、優秀な人材確保と育成、情報システムや物流等のインフラの拡充等により、グループ全体の経営力及び効率の向上に努めてまいります。

④ 新型コロナウイルス感染症の影響

 当社グループにおいて、新型コロナウイルス感染症における影響は限定的であり、財政状態及び経営成績への影響は軽微であります。また、今後の影響については、感染症法上の位置づけが「5類感染症」に変更されたこともあり、当感染症の業績への重大な影響はないと想定しております。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループにおいて、収益力の向上が企業価値の向上に極めて重要との認識に加え、各部門やグループ各社にとってわかりやすく共有しやすいとの考えから、売上高及び経常利益を目標とする経営指標として設定しております。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

 当社グループでは、サステナビリティ関連リスクも含め、当社グループ全体のリスク管理を行う機関としてリスク管理委員会を設置しております。当委員会は、代表取締役社長のほか、業務執行取締役及び常勤監査役で構成され、経営会議に合わせて適宜開催し、リスクマネジメント推進にかかる議題を審議しております。リスクの重要度によっては取締役会で報告・審議することとしております。

 

(2)戦略

 当社グループは、「「暮らしを彩り 住まいをまもる」をトータルコンセプトに、優れた製品とサービスをお客様に提供し、住生活の質的向上と充実に貢献する。」を経営理念として掲げております。これは、DIYを通じ社会に貢献するという考えであり、これまでも環境に配慮した製品を開発してまいりました。持続可能な社会の実現にあたり、環境保全は当社においても重要な要素であり、環境を意識した製品の開発のみならず、社内においても資源の節約やリサイクルに取組んでおります。

 また、当社グループでは、企業は人であり、従業員の成長なくして会社の成長と発展はなしえないとの考えから、優秀な人材の確保と育成をテーマに掲げ、従業員がよく働き、成長できる社内環境を目指しており、従業員の上位職への抜擢や女性活躍の推進などに取組んでおります。

 

(3)リスク管理

 代表取締役社長のほか、業務執行取締役及び常勤監査役をメンバーとしたリスク管理委員会において、当社グループにおけるリスクについて分析、評価し、その対応方針を決定しております。また、リスク管理委員会と同じメンバーでコンプライアンス委員会も設置しており、両委員会にて当社グループにおけるリスク全般について監視、分析、評価、対応を行っております。

 

(4)指標及び目標

 これからの社会や企業におけるサステナビリティの重要性は認識しておりますが、現在その取組に対する具体的な指標及び目標は定めておりませんので、今後検討してまいります。

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)原材料価格の変動による影響

 当社グループの使用する主要原材料は顔料、石油化学製品及び容器包装類であります。これら原材料の市場価格は、原油・ナフサ及び原料鉱石等の価格の影響を受けることがあり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)為替相場の変動による影響

 当社グループの取扱商品には海外からの輸入商品が含まれており、為替変動の影響を受けております。このため、適時為替予約取引を行っておりますが、これにより当該リスクを完全に回避できる保証はなく、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)天候不順による影響

 当社グループの取扱商品のうち、家庭用塗料や園芸用品は、季節の移り変り及び天候の良し悪しによって需要に大きな影響を受けます。このため、需要期における天候不順等環境条件によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)自然災害による影響

 大規模な地震等の自然災害による生産設備の損壊や道路等のインフラの混乱等により、製品の製造、運搬及び販売が影響を受ける可能性があります。その被災規模によっては、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)新型コロナウイルス感染症による影響

 当社グループにおいて、新型コロナウイルス感染症における影響は限定的であり、財政状態及び経営成績への影響は軽微であります。また、今後の影響については、感染症法上の位置づけが「5類感染症」に変更されたこともあり、当感染症の業績への重大な影響はないと想定しております。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 なお、当連結会計年度の期首より表示方法の変更を行っており、経営成績については当該表示方法の変更を反映した組替え後の前連結会計年度の連結財務諸表の数値を用いて比較して説明しております。

 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(表示方法の変更)」に記載のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う行動制限の緩和や観光支援策等の各種政策の効果もあり、経済・社会活動が正常化に向かう中で、雇用情勢や設備投資は回復の傾向にあり、また、個人消費についても緩やかな回復がみられました。一方では、ウクライナ情勢の長期化、世界的な原材料価格やエネルギー価格の高騰及び急激な円安の進行等の影響、これらに伴う消費者物価の上昇により、節約志向が強まるなど、依然として景気の先行きは不透明な状況で推移いたしました。

 このような状況のもと、当社グループにおいては、2022年4月27日付でペット用品を取り扱う株式会社ザ・ペットを子会社化したことにより、当連結会計年度の売上高は171億3千万円(前年同期比20.5%増)となりました。

 利益面につきましては、原材料価格等高騰の影響及び株式会社ザ・ペットの株式取得関連費用の計上等により、営業利益は7億9千1百万円(前年同期比12.5%減)となりましたが、営業外収益において、東日本物流センター開設に伴う補助金収入及び株式会社ザ・ペットにおける生命保険解約返戻金収入の計上による増益要因により、経常利益は9億9千5百万円(前年同期比1.9%増)となりました。

 親会社株主に帰属する当期純利益は、前期において、繰延税金資産の回収可能性について当社の分類の見直しを行ったことにより税金費用が減少したこと、当期においては、株式会社ザ・ペットの株式取得費用に係る税効果が認識されないこと等による法人税等の負担率の増加等により、6億5千3百万円(前年同期比34.9%減)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。

 なお、従来の当社グループの報告セグメントは、「塗料事業」、「DIY用品事業」、「その他」の3つとしておりましたが、株式会社ザ・ペットの子会社化に伴い、当連結会計年度の期首より、「塗料事業」、「DIY用品事業」、「ペット用品事業」、「その他」の4つの報告セグメントに変更しております。

 塗料事業は、夏季の天候不順等の影響により、売上高は79億3千万円(前年同期比4.1%減)、利益面では、急速な円安の進行や国際的な情勢不安の影響による原材料価格の高騰等の影響を受けて、セグメント利益は3億8千7百万円(前年同期比37.9%減)となりました。

 DIY用品事業は、売上高は55億8千万円(前年同期比3.3%減)となり、販促宣伝関連の費用の減少等により、セグメント利益は2億7千8百万円(前年同期比53.5%増)となりました。

 ペット用品事業は、売上高は34億6百万円となり、セグメント利益につきましては、株式会社ザ・ペットの株式取得関連費用等の計上により当初は損失を見込んでおりましたが、最終的に2百万円の利益となりました。

 その他は、売上高は2億3千1百万円(前年同期比10.8%増)、セグメント利益は1億2千2百万円(前年同期比22.6%増)となりました。

 財政状態は、次のとおりです。

 当連結会計年度末の資産合計は215億1千9百万円となり、前連結会計年度末に比べて17億9千3百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金の減少2億7千7百万円、売掛金の増加3億3千7百万円、電子記録債権の増加1億1千1百万円、有価証券の減少1億9千9百万円、商品及び製品の増加2億9千2百万円、有形固定資産の増加2億2百万円、のれんの増加8億7千9百万円、投資有価証券の増加1億9千6百万円、投資その他の資産その他の増加2億5千6百万円によるものです

 当連結会計年度末の負債合計は79億8千9百万円となり、前連結会計年度末に比べて15億1千4百万円増加いたしました。これは主に支払手形及び買掛金の増加2億7千8百万円、短期借入金の増加7億円、社債の減少5億円、長期借入金の純増額11億1千4百万円によるものです。

 当連結会計年度末の純資産は135億2千9百万円となり、前連結会計年度末に比べて2億7千8百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金の増加4億4千6百万円、自己株式の増加2億7千1百万円、その他有価証券評価差額金の増加1億1千2百万円によるものです。この結果、自己資本比率は62.9%(前連結会計年度末は67.2%)となりました。

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して2億7千7百万円減少し、41億9百万円(前年同期比6.3%減)となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、得られた資金は3億5千万円(前年同期比72.2%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益10億8千万円、減価償却費3億4千5百万円、のれん償却額1億3千2百万円、棚卸資産の増加額2億2千万円、仕入債務の減少額2億5千8百万円及び法人税等の支払額4億3千5百万円によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、使用した資金は14億5百万円(前年同期は1億3千5百万円の獲得)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出3億3千5百万円、有形固定資産の売却による収入1億円、投資有価証券の償還による収入2億円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出11億7千4百万円及び保険積立金の積立による増加額1億8千万円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、得られた資金は7億7千2百万円(前年同期は5億6千9百万円の使用)となりました。これは主に、長短借入金の純増額18億1千4百万円、社債の償還による支出5億円、自己株式の取得による支出3億5百万円及び配当金の支払額2億8百万円によるものです。

 

③生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

塗料事業(千円)

5,747,951

90.9

DIY用品事業(千円)

31,909

197.2

ペット用品事業(千円)

報告セグメント計(千円)

5,779,861

91.1

その他(千円)

合計(千円)

5,779,861

91.1

 (注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

 上記のほかに、外注生産され製品、商品として仕入れたものは次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

塗料事業(千円)

2,091,204

100.9

DIY用品事業(千円)

5,837,780

101.7

ペット用品事業(千円)

3,415,037

報告セグメント計(千円)

11,344,022

145.2

その他(千円)

合計(千円)

11,344,022

145.2

 (注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

 

b. 受注実績

 当社グループは主として見込生産によっており、受注及び受注残高については特に記載すべき事項はありません。

 

c. 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

塗料事業(千円)

7,912,351

96.0

DIY用品事業(千円)

5,580,493

96.7

ペット用品事業(千円)

3,406,158

 報告セグメント計(千円)

16,899,003

120.6

その他(千円)

231,856

110.8

合計(千円)

17,130,859

120.5

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

コーナン商事株式会社

2,268,626

16.0

4,502,293

26.3

DCM株式会社

1,797,781

12.7

3,504,325

20.5

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、夏季の天候不順等の影響により、塗料事業、DIY用品事業ともに売上が減少しましたが、ペット用品事業である㈱ザ・ペットを子会社化したことにより、当連結会計年度の売上高は、171億3千万円と前年同期に比べ20.5%の増加となりました。

 利益面につきましては、原材料価格の高騰の影響等により、主力事業である塗料事業の利益率が減少したことや㈱ザ・ペットの株式取得関連費用の計上等により、営業利益は前年同期に比べ12.5%減少し7億9千1百万円となりましたが、営業外収益に東日本物流センター開設に伴う補助金収入及び㈱ザ・ペットにおける生命保険解約返戻金収入を計上したことにより、経常利益は、9億9千5百万円と前年同期に比べ1.9%の増加となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度においては、繰延税金資産の回収可能性について分類の見直し行ったことによる税金費用の大幅な減少がありましたが、逆に当連結会計年度においては、㈱ザ・ペットの株式取得費用に係る税効果が認識されないこと等による税金費用の増加により、6億5千3百万円と前年同期に比べ34.9%減少いたしました。

 当連結会計年度末の資産は、主に㈱ザ・ペットの取得により、売掛金が3億3千7百万円、電子記録債権が1億1千1百万円、商品及び製品が2億9千2百万円、有形固定資産が2億2百万円、のれんが8億7千9百万円、それぞれ増加いたしました。資産合計は、前連結会計年度末に比べて17億9千3百万円増加し、215億1千9百万円となりました。

 当連結会計年度末における負債は、主に㈱ザ・ペットの取得に伴い、支払手形及び買掛金が2億7千8百万円、短期借入金が7億円、長期借入金が11億1千4百万円、それぞれ増加いたしました。そのほか社債の減少5億円等により、負債合計は、前連結会計年度末に比べて15億1千4百万円増加し、79億8千9百万円となりました。

 当連結会計年度末の純資産は、利益剰余金の増加4億4千6百万円、自己株式の増加2億7千1百万円及びその他有価証券評価差額金の増加1億1千2百万円等により、前連結会計年度末に比べて2億7千8百万円増加し、135億2千9百万円となりました。

 この結果、自己資本比率は62.9%(前連結会計年度末は67.2%)となりました。

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、市場の動向、原材料価格の動向、為替の動向、天候不順、自然災害等があります。

 市場の動向については、新型コロナウイルス感染症にかかる行動制限の緩和に伴い、消費動向がレジャー系に向けられたことも需要減少の要因として想定されますが、これは一時的なものと考えており、物価高による消費者の節約志向、企業間の価格競争、ホームセンター業界の統廃合など、経営環境の厳しさは継続するものと思われます。当社グループでは、経常的な需要の拡大を目指し、ユーザーニーズに的確に対応した製品を提供することをモットーに、新製品の開発、販売及び競合他社との差別化による商品力の強化に努めてまいります。

 原材料価格の動向については、国際的な情勢不安の影響により先行きが不透明な状況でありますが、取引先との関係強化、品質設計の技術力強化、原材料の互換化、代替品購買等によりコスト管理を行ってまいります。

 為替の動向については、当社グループの海外取引が外貨建てで行われておりますが、為替変動リスクを最小限に抑えるため、適時適切な為替予約の実施等によるリスクヘッジに取り組んでまいります。

 天候不順及び自然災害については、自らコントロールできない要因であり、特に需要期における天候不順は、当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼします。これに対しては、新たな収益事業の創出などにより、経営の安定化を目指します。自然災害については、当社グループで互いに代替生産を行い、最小限の損害にとどめるよう対策を検討しております。

 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、収益力の向上が企業価値の向上に極めて重要であると認識しており、「売上高」及び「経常利益」を目標とする経営指標に設定しております。

 当社グループでは、2021年度を初年度とし、「収益力の向上」「新規事業への取組み」「グループ経営の強化と効率化」を基本方針とした4期間の新中期経営計画(AP SPEC180)を策定し、当該計画最終年度(2024年度)の売上高180億円、経常利益11億円を目標数値として設定しております。

 なお、当社グループにおきましては、新型コロナウイルス感染症の影響は限定的であり、財政状態及び経営成績への影響は軽微であります。今後の影響については、感染症法上の位置づけが「5類感染症」に変更されたこともあり、当感染症の業績への重大な影響はないと想定しております。

 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

(塗料事業)

 当事業では、夏季の天候不順等の影響により、売上高は79億3千万円(前年同期比4.1%減)、利益面では、急速な円安の進行や国際的な情勢不安の影響による原材料価格の高騰等の影響を受けて、セグメント利益は3億8千7百万円(前年同期比37.9%減)となりました。

(DIY用品事業)

 当事業においては、売上高は55億8千万円(前年同期比3.3%減)となり、販促宣伝関連の費用の減少等により、セグメント利益は2億7千8百万円(前年同期比53.5%増)となりました。

(ペット用品事業)

 当事業においては、売上高は34億6百万円となり、セグメント利益につきましては、株式会社ザ・ペットの株式取得関連費用等の計上により当初は損失を見込んでおりましたが、最終的に2百万円の利益となりました。

(その他)

 その他の事業は、売上高は2億3千1百万円(前年同期比10.8%増)、セグメント利益は1億2千2百万円(前年同期比22.6%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動により3億5千万円の資金を獲得し、投資活動において、主に子会社株式の取得等により14億5百万円の資金を使用し、財務活動においては、長短借入金の増加等により、7億7千2百万円の獲得となりました。これにより、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、41億9百万円となりました。

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、必要な資金を安定的に確保するために、内部資金の活用及び金融機関からの借入等による調達を行っております。当連結会計年度における主な資金需要といたしましては、㈱ザ・ペットの株式取得資金及び設備の維持管理資金であります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 特に記載すべき事項はありません。

6【研究開発活動】

 当社グループは、「暮らしを彩り、住まいをまもる」をトータルコンセプトに、優れた製品とサービスをお客様に提供し、住生活の質的向上と充実のために貢献することを経営理念としております。

 この経営理念を具現化するため、製品開発にあたっては、ユーザーのニーズを的確にとらえ「安心」「安全」はもとより、「簡単」「きれい」「便利」「楽しい」の要望に応えた新製品を競業他社に先駆けて開発、上市することを目指しております。

 また、最新の原材料情報の収集に努め、原材料の代替及び効率利用を推進するとともに、生産効率の改善にも注力するなど、コスト低減にも努力しております。

 当連結会計年度における研究開発費の総額は182,586千円であり、各事業部門の研究開発活動の状況及び研究開発費は次のとおりであります。

 

(1)塗料事業

 手で塗れる塗り壁材「ヌリ・デコ・ウォール」を開発しました。手で簡単に塗ることができ、遊び心満載の様々な意匠を壁に付与できるデザイン性に優れた壁面用の塗料です。また、決められた量の「水性多用途ペイントマットカラー」を混ぜるだけで多くのカラーバリエーションを楽しむこともできます。本製品は、2023年JAPAN DIY HOMECENTER SHOWのDIY商品コンテストにおいて銀賞を受賞しました。

 アルミニウムペイントを指定可燃物化しました。これまでも鉄部・トタン用のアルミニウムペイントとして「シルバーコート」をご愛顧いただいておりましたが、これは消防法上の第二石油類で引火性液体として取り扱わなければなりませんでした。多くの溶剤型家庭塗料が指定可燃物に分類されている中で、アルミニウムペイントが第二石油類であったのは、塗料処方上の様々な制約があったためです。これらの制約を一つ一つクリアし、「油性シルバーペイント」として指定可燃物にすることに成功しました。

 当事業に係る研究開発費は109,418千円であります。

 

(2)DIY用品事業

補修材シリーズを内製化
 社会情勢の変化により、原料の入手困難やコスト増が我々の活動を制約するという状況が増えております。このような中、当社でも、これまで外部委託で生産していた商品を、社内で生産しすることでコストアップ抑制と安定供給を図ることを考えておりました。この度、高粘度の補修材や塗料を専門に生産できる工場を静岡に開設することができました。これによりこれまでもご愛顧いただいておりました高粘度の充填・補修材のほとんどを自社で製造することが可能となり、より安定した製品の供給ができるようになりました。

 その他、床・壁のクラックを簡単に補修できるセメント系下地調整材「オールワンモルタル」とエアゾールで取り扱いが簡単な「クラック・水もれシールスプレー」も開発しました。

ECO FRIENDLY PLUSシリーズの開発

 未来・次世代に対する責任ある取り組みとして、環境に配慮した商品開発を行っております。その一環として、商品の施工・使用の際に生じる廃棄物の削減にも取り組んでおります。ECO FRIENDLY PLUSシリーズとして次の2製品を開発しました。

 粘着タイプ壁紙は、裏紙をはがして貼り付けますので、壁紙と同じ面積の裏紙を廃棄する必要がありました。この裏紙をなくすことで廃棄物を削減した「裏紙のないそのまま貼れるカベ紙」を開発しました。

同様に生のりカベ紙においても、生のりの乾燥を防ぐ裏面フィルムが、作業効率を落とし廃棄物となっておりました。この裏面フィルムをなくした「シートタイプ生のりカベ紙Facile(ファシーレ)」を開発しました。

 当事業に係る研究開発費は73,168千円であります。