文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループは、企業理念として、「健康で豊かな人生をすべての人に」を掲げております。医療分野において社会課題として取りざたされている「医療費の増大(2025年問題)(※1)」「医療の地域格差」「生活習慣病の増大」「労働力不足」といった問題にデータとICT(※2)の力で解決に取り組むことで、持続可能なヘルスケアシステムの実現を目指してまいります。こういった社会課題は、超高齢化が早く進む日本が課題先進国として直面している問題であり、その中で培った解決ノウハウを用いて、将来同じ課題を抱えるであろうアジア諸国などにおいて国境を超えた解決に取り組んでいくことを目指しております。具体的には、医師や患者を中心に、医療機関、保険者、製薬会社、生損保会社などのヘルスケア関連事業者に対して、データとICTを活用して健康増進や医療の効率化を目的にしたサービスを提供し、そのサービスを通して集積したデータを用いて、さらにサービスを改善していくというエコシステムで事業を拡大していきます。
《用語説明》
※1 2025年問題
日本国内における団塊の世代が2025年頃までに後期高齢者(75歳以上)に達することにより、介護・医療費などの社会保障費の急増が懸念されている問題の通称をいう。
※2 ICT
Information and Communication Technologyの略であり、情報・通信に関する技術の総称をいう。
(2)経営環境
上記のような社会問題がクローズアップされる中で、政府は、当社のサービス提供先である健康保険組合を含めた保険者に対して国家的課題である医療費の適正化に向けて大きな役割を期待するとともに、予防を含めた医療全体に対してデータを活用したエビデンスに基づく活動を後押ししてきました。さらに、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、各領域でのデジタル活用が急速に進んでおり、ヘルスケア領域においても、規制緩和等を通してデジタル技術を活用していく機運が高まっております。
法制度の面では、医療費の適正化に向けて医療ビッグデータの利活用をより促進させる観点から、「個人情報保護法」の改正や「次世代医療基盤法」の施行等の動きが進んでおります。また、マイナンバーカードの健康保険証利用も開始し、マイナポータルを活用した特定健診情報や薬剤情報・医療費の閲覧が可能になる等、ヘルスケアデータの活用の機運はいっそう高まっていくものと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、マスクの着用の考え方の見直しや、感染症法上の5類への分類引き下げ等を契機として、経済活動が感染症拡大前の状況まで回復することを想定しており、当社グループの業績に与える影響はないものと考えております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
上記の経営の基本方針及び経営環境を踏まえた中長期的な経営戦略は以下のとおりであります。
① 「高付加価値化(アップセル)」と「データ種類の拡充(クロスセル)」を通じたデータ利活用サービスの取引額の最大化
製薬企業、生損保企業及びアカデミアを中心にヘルスケアの様々な領域のプレイヤーに対して、データ利活用サービスの幅を拡げ、提供できる付加価値を上げていくことを目指しております。従来は、個別の要望事項に対して当該データベースから必要なデータを抽出・分析するサービス「アドホック販売」、及び当社のデータベース自体の一部又は全部へのアクセス権の付与「データベース販売」がサービスの中心となっておりましたが、現在は、医療ビッグデータを顧客が効率的かつ情報管理しやすい形で活用しうる分析環境の提供やデータベースを前提としたコンサルティングやアプリケーション開発をより強化しており、サービスの付加価値を増やし、顧客あたりの取引額を高めていく方針であります。
また、今後さらにデータの量及び種類を拡大していくことも目指しております。例えば、当社開発の健康情報プラットフォーム「PepUp」の中で、すでに保有しているレセプトデータや健診データに加えて、活動量やゲノム(遺伝情報)等の情報を管理することにより、これらのインプットが健診データやレセプトデータが示すアウトカムにどのように影響するのかといった因果関係の解析が可能となります。このようにデータは1つ1つ単体で存在するのに比べて、組み合わさることで相乗的な価値を出しうる特性を有しており、その特性を活用することで健康・医療に関する様々な因果をデータで解析し、学術、事業での更なる利活用の機会につなげていく方針であります。
② データ利活用による医療における価値創出
当社グループは、グループとして有するデータ、ICT及び医療現場でのサービス提供の力を医療の高度化及び効率化のために積極的に発揮し、医療費抑制に貢献してまいりたいと考えております。例えば、遠隔医療セグメントにおいては、2021年12月に日本で初めて薬事承認を取得した、胸部X線肺炎検出AIエンジン(COVID-19)の提供を開始するなど、人工知能エンジンプラットフォーム「AI―RAD」の開発に取り組んでおります。また、データが非言語であり、国境を越えやすいという利点を活かし、読影ニーズが増加している中国に拠点を新設し、インバウンドでのセカンドオピニオンサービスの展開を推進しております。さらには、オムロン株式会社との間での資本業務提携契約により、共同での予防ソリューションの開発や海外事業展開にも取り組んでおります。
③ 社会生活者に対する医療費の健全化につながるソリューションを提供
当社が保険者支援サービスを提供する取引先の健康保険組合の加入者数は1,200万人を超えており、PHRサービスの1つである「PepUp」のユーザーID数も500万人を超えております。今後は、当社グループのPHRサービスを国民的なものへと普及させていくことで、医療の個別化やアウトカムベースでの医療を実現し医療業界全体の効率化を図り、医療費抑制に貢献することを目指します。具体的には、健康保険組合や企業と協力し、従業員個々人の健康状態に応じて高いリスクを持つ対象者を抽出し、その対象者に対してデータを用いた積極的な介入策を立案し、介入後のデータによる効果測定を行うことで、重症化予防活動において投資対効果という考え方を導入してまいります。また介入方法としては、重症化予防・保健指導・受診勧奨等の医療的介入から、生活習慣病の予防のための健康コンテンツの提供・行動変容を促すポイントプログラムによるインセンティブ付けのような予防的介入まで様々なアプローチを当社グループ外部の事業者とも連携しながら提供していく方針であります。この事業においては、各介入方法の投資対効果を明確化し、向上させ、国家、保険者、企業からの適切な投資を促す中で、現在42兆円(出所:厚生労働省ホームページ、2020年度)の国民医療費の抑制に貢献することによる収益化を目指してまいります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社では、経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、EBITDAによる評価を行っております。EBITDAは営業利益+減価償却費及び償却費±その他の収益・費用で算出しております。EBITDAは当社グループ全体の評価の他、各報告セグメント利益に分解しております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
中長期的な経営戦略の実現に向け、日本のヘルスケアの全ての領域におけるデータを結集し、それらを還元していくため、以下の課題を優先的に解決してまいります。
① データベースを量・質ともに拡大
データベースの量だけでなく種類を拡大することにより、日本で民間利用可能な最大かつ最良のヘルスケアデータベースとしての圧倒的な地位を堅持する。
② データの利活用のさらなる促進
従来の「アドホック販売」及び「データベース販売」に加え、データを活用した解析、コンサルティングサービス、ソリューション開発を含めたデータ利活用を提案するなど、付加価値の高いサービス提供を促進することで顧客の満足度を高める。
③ PHRサービスの拡充
当社の有するデータ解析技術と「PepUp」を活用し、的確なターゲティングと効果予測に基づく個人アプローチを展開することで、国民医療費の抑制に貢献する。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、医療データベース・情報分析・情報提供サービス事業を行う企業として、個人情報保護に対する安全管理は当社の重要な責務として考えており、取引先様及び当社従業員からお預かりしました個人情報の取扱いについては、明確な体制、規則を持って管理することは社会的使命であることを認識しており、情報セキュリティについて、重要なサステナビリティ項目と認識しております。情報セキュリティに係るサステナビリティに関する考え方や取組は次のとおりであります。
(1)ガバナンス
当社グループは、CISO(Chief Information Security Officer)を最高責任者とする情報セキュリティマネジメント体制を整備し、情報セキュリティの管理を徹底しています。また、「情報セキュリティ委員会」を設置し、中期セキュリティ強化ロードマップの審議、インシデント対応体制の整備、脆弱性への対応方針の整備等に取り組んでいます。
詳細は、
(2)戦略
当社グループは経営方針の達成と情報セキュリティリスクの低減のため、情報セキュリティ戦略を定めています。この情報セキュリティ戦略をもとに、具体的な情報セキュリティ施策(アクションプラン)を立案し、実行します。情報セキュリティ戦略として定められているものは次のとおりであります。
① 特定・防御・検知・対応・復旧それぞれのセキュリティ機能の強化
② 全ての社員等に対して情報セキュリティの教育・訓練を実施
③ 委託先等のサプライヤーに対して、適切な情報セキュリティの確保を求め、サプライチェーン全体を通した情報の保護
(3)リスク管理
当社グループは、全ての情報資産に対して、サイバー攻撃も考慮した不正アクセス、情報の紛失・改ざん・漏洩の防止等と被害最小化に向け、情報セキュリティマネジメントシステムを確立の上、セキュリティ対策の導入、運用、監視、見直し、維持及び改善を図っております。
(4)指標及び目標
当社グループは、以下の情報セキュリティ目標を設定しております。
①情報資産の機密性を確保し、情報が漏洩されないようにする
②情報資産の完全性を確保し、情報が改ざんされないようにする
③情報資産の可用性を確保し、必要な情報が必要なときに利用できるようにする
④万が一情報セキュリティ事故が発生した場合も、速やかに検知・対応を行い、その被害を最小限にとどめ、迅速な復旧を行い、再発を防止する。
また、当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は次のとおりであります。
|
指標 |
目標 |
実績(当連結会計年度) |
|
管理職に占める女性労働者の割合 |
2025年3月期までに30% |
23% (男性223名、女性67名) |
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)事業環境について
① 当社グループの事業について
当社グループは、ヘルスビッグデータ、遠隔医療、調剤薬局支援の各セグメントを新たな成長領域ととらえ、事業機会の捕捉・拡大及び収益力の強化に取り組んでおります。事業計画策定及び投資にあたっては慎重かつ精緻に調査を行っておりますが、予期せぬ事態により計画どおり進捗しなかった場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは上記「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の記載のとおり、中長期的な経営戦略を掲げております。しかしながら、当社グループがかかる目標を達成することができるか否かは、本「3 事業等のリスク」に記載された事項を含む多くのリスクや課題の影響を受けます。
中長期的な経営戦略を策定する中で、当社グループは、産業動向、新規取引先数、取引額、コスト変動等の様々な前提を置いております。このような前提は必ずしも正しいという保証はなく、当社グループは前提が誤っていたことによる影響に対応して経営戦略又は事業運営を適時に変更することができない可能性があります。
② 他社との競合について
当社グループの競合他社は、その資本力、サービス・商品、技術開発力、価格競争力、顧客基盤、営業力、知名度などにおいて、当社グループより優れている場合があります。競合他社がその優位性を現状以上に活用してサービスや商品の販売に取り組んだ場合、当社グループが販売競争で劣勢に立たされ、当社グループの期待通りにサービス・商品を提供できない、又は顧客を維持・獲得できないことも考えられ、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが競合他社より先駆けて導入した、又は高い優位性を有するサービス、商品又は販売手法に関して、競合他社がこれらと同等又はより優れたものを導入した場合や、競合他社が当社グループよりも低い価格でこれらを提供した場合、当社グループの施策が期待した効果を上げることができない場合、当社グループの優位性が低下し、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 取引先の与信リスクについて
当社グループは、新たな成長分野における事業機会を模索する中、各事業領域における新たな取引先の開拓を積極的に行っております。取引先の個別与信の判断及び各事業領域の取引慣行等の事業ノウハウを習得しておりますが、景気後退等による不測の取引先の倒産等が発生することで、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 情報システムへの依存について
当社はレセプトデータの分析をシステムに依存しております。また、当社の連結子会社である株式会社ドクターネットが提供しております遠隔読影マッチングサービスは、コンピュータシステム及びそのネットワークに多くを依存しております。そのため、当社グループとしてセキュリティの強化をはじめ、データのバックアップ体制の強化、データ量やアクセス数増加に応じたハードウェアの増強等、システムトラブル対策を講じております。しかしながら、これらの対策にも関わらず、人為的過誤、自然災害、第三者によるセキュリティ侵害や不正アクセス等によりシステムトラブルが発生した場合には、当社グループに直接損害が生じ、提供するサービスの低下を招く等の影響を及ぼす他、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 当社グループが提供するサービス及び製品に関するクレームについて
当社グループが開発・販売を行うデータ情報、遠隔読影マッチングサービス、システム製品については、欠陥等の不具合を事前に回避するための十分な管理体制を確保しております。しかしながら、万が一不具合などの問題を回避できずユーザー等に損害を与えた場合は、損害賠償請求等が発生する可能性があり、当社グループの信用や業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 遠隔画像診断サービスにおける誤診リスクについて
当社の連結子会社である株式会社ドクターネットでは、医療機関と放射線診断専門医(契約読影医)をデジタル環境でつなぎ、医療機関に対して遠隔画像診断サービスを提供しており、サービスの提供を契約読影医に依存しております。契約読影医は当社グループの独自の基準に従い、それぞれの得意分野、専門分野ごとにカテゴライズされ、依頼に応じた最適なマッチングを行う他、当社グループによる独自の品質管理も実施しております。しかしながら、契約読影医による予期せぬ不法行為の発生やトラブルなどが生じ、それに当社グループに重大な過失が認められた場合には、損失補償および対外的な評価の悪化を通じて、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 売上収益の季節的変動の影響について
当社が製薬企業、研究機関及び生損保企業に対し、個別の要望事項に対してデータベースから必要なデータを抽出・分析するサービス「アドホック販売」は下期にかけて需要が高まる傾向にあります。一方、当社が行っているデータビジネスのコスト構造は固定費中心であるため、結果として下期に利益が偏重する季節的変動があります。
ヘルスビッグデータセグメントの業績変動の状況は以下のとおりであります。
|
|
2022年3月期 |
2023年3月期 |
||||
|
上期 |
下期 |
通期 |
上期 |
下期 |
通期 |
|
|
売上収益 (百万円) |
5,829 |
8,189 |
14,019 |
7,903 |
11,318 |
19,221 |
|
構成比 (%) |
41.6 |
58.4 |
100.0 |
41.1 |
58.9 |
100.0 |
|
セグメント利益(百万円) |
1,735 |
3,123 |
4,859 |
2,028 |
4,109 |
6,137 |
|
構成比 (%) |
35.7 |
64.3 |
100.0 |
33.0 |
67.0 |
100.0% |
(2)法的規制について
⑧ 個人情報等の漏洩リスクについて
当社グループは、個人情報取扱事業者として個人情報にかかる義務等の遵守を法令上求められております。
当社グループは、情報セキュリティポリシーを制定し、安全性及び信頼性に万全の対策を講じるとともに、特に関連性の高い傘下のグループ会社では「プライバシーマーク」を取得する等個人情報保護に努めておりますが、人為的過誤、自然災害、第三者によるセキュリティ侵害や予測しない不正アクセス等により、個人情報その他の顧客情報や当社グループの機密情報が漏洩し、また、その漏洩した情報が悪用された場合、顧客の経済的・精神的損害に対する損害賠償等が発生する可能性があります。さらに顧客情報の漏洩等が当社グループの信用低下や企業イメージの悪化につながることで、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 特許及びその他の知的財産権について
当社グループが研究開発及び生産活動を行う中で様々な知的財産権にかかわる技術を使用しており、それらの知的財産権は当社グループが所有しているもの、あるいは適法に使用許諾を受けたもの等であると認識しておりますが、当社グループの認識の範囲外で第三者から知的財産権を侵害したと主張され、係争等が発生した場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが所有する知的財産権に関して第三者から侵害される可能性もあり、その場合においても当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 許認可等に関するリスクについて
当社グループは、医薬品の販売を営む子会社及び医療機器の販売を営む子会社を有しております。これらの子会社には、監督官庁の許認可等を受けて営業が可能となる事業が含まれているため、行政指導や許認可の取消し等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び事業計画に大きな影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 個人情報保護規制等の変化によるリスクについて
個人情報保護法の改訂により、匿名加工情報の利活用手続きが厳格化した場合に、当社が匿名加工されたレセプトデータや健診データを取得するためのコストが上昇するリスクがあります。レセプトの仕様変更があった場合には、レセプトの取込システムや分析システムの改修が必要となります。提供しているソフトウエアを改修しなければない場合、ソフトウエアの変更作業に伴う業務量の増大が当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑫ その他の法的規制の変更に関するリスクについて
当社グループは医療保険制度、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(薬機法)による法規制を受けております。上記の法令について大幅な制度変更が実施され、提供しているソフトウエアを改修しなければない場合、ソフトウエアの変更作業に伴う業務量の増大が当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは海外での事業活動を行っておりますが、予期しえない法規制・許認可制度の変更の発生等が、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)事業体制に関するリスク
⑬ 人材の確保・育成について
当社グループは、今後の事業拡大を進めていくにあたり、優秀な人材を確保するとともに人材育成が重要な課題であると認識しております。このため、採用活動の充実、人材流出の防止に努めておりますが、必要とする人材の確保ができなかった場合や中核となる優秀な人材の流出等が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)その他、経営成績に影響を及ぼす可能性のある事項について
⑭ 企業買収にかかるリスクについて
当社グループは、成長戦略実現のため、積極的に企業買収を実施する予定であります。企業買収にあたり、対象となる企業の資産内容や事業状況についてデューディリジェンス(適正価値精査)を実施し、事前にリスクを把握しております。しかしながら、事業環境や競合状況の変化等に伴って当社グループが期待する利益成長やシナジー効果が目論見どおりに実現できない可能性があり、また今後予期しない債務又は追加投入資金等が発生する可能性があり、これらが顕在化した場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑮ 投資に伴う減損リスクについて
当社グループの所有する固定資産は将来の収益を生み出すことを前提に資産として計上しております。しかしながら、事業環境や競争状況の変化等により期待する成果が得られない場合、減損損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、企業買収に伴い発生した相当額ののれんを計上しております。当社グループは、当該のれんにつきまして、それぞれの事業価値及び事業統合による将来のシナジー効果が発揮された結果得られる将来の収益力を適切に反映したものと考えておりますが、事業環境や競合状況の変化等により期待する成果が得られない場合、減損損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑯ 新株予約権による株式の希薄化について
当社グループは、役員、従業員等を対象として、業績向上に対する意欲・士気向上、及び優秀な人材の確保のため、ストック・オプション制度を採用しております。
これらのストック・オプションの行使が行われた場合、発行済株式総数が増加することにより1株当たりの株式価値が希薄化し、株価形成に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当社は、「データとICTの力で、持続可能なヘルスケアシステムを実現する」ことを目指して、日本のヘルスケア業界の多様なデータを結集し、社会に還元することを通じて、生活者の健康増進や医療プロバイダーの価値向上・業務最適化を支援しております。
ヘルスビッグデータセグメントは、健康保険組合を中心とした保険者の保健事業を推進するため、保険者が保有するデータの分析サービスの他、当社開発のPHRサービスを提供しております。また、医療機関に対しても医療データ分析サービス、診療報酬ファクタリングサービスの他、薬剤DBの提供等を行っております。さらに、こうした業務の付帯として受領した匿名加工情報をデータベース化し、学術・産業利用を進めております。
遠隔医療セグメントは、放射線診断専門医が不足している医療機関と契約読影医を遠隔読影システムでつなぐマッチングサービスの他、医療機関と放射線診断専門医をクラウドでつなぎ、遠隔での画像診断を可能としたASPサービスを提供しております。
調剤薬局支援セグメントは、保険薬局に対してレセコン及び電子薬歴システムなどのシステム開発・販売事業を行う他、自らも調剤薬局を運営する中で、自社システムのオペレーションテストを実施しております。
当連結会計年度の業績は、以下のとおりであります。なお、当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症の影響は前連結会計年度に引き続き限定的でありました。
(当期の業績) (単位:百万円)
|
区 分 |
第9期 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
第10期 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
比較増減 |
|||
|
売上収益 |
21,814 |
|
27,809 |
|
+5,995 |
+27.5% |
|
営業利益 |
4,783 |
|
5,926 |
|
+1,142 |
+23.9% |
|
EBITDA(マージン) |
6,411 |
(29.4%) |
7,716 |
(27.7%) |
+1,305 |
+20.4% |
(セグメントの業績) (単位:百万円)
|
区 分 |
第9期 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
第10期 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
比較増減 |
||||
|
ヘルスビッグデータ |
セグメント売上収益 |
14,019 |
|
19,221 |
|
+5,202 |
+37.1% |
|
セグメント利益(率) |
4,859 |
(34.7%) |
6,137 |
(31.9%) |
+1,278 |
+26.3% |
|
|
遠隔医療 |
セグメント売上収益 |
4,441 |
|
5,038 |
|
+597 |
+13.5% |
|
セグメント利益(率) |
1,515 |
(34.1%) |
1,768 |
(35.1%) |
+253 |
+16.7% |
|
|
調剤薬局支援 |
セグメント売上収益 |
3,582 |
|
3,826 |
|
+244 |
+6.8% |
|
セグメント利益(率) |
432 |
(12.1%) |
459 |
(12.0%) |
+27 |
+6.4% |
|
|
調整額 |
セグメント売上収益 |
△228 |
|
△277 |
|
△49 |
- |
|
セグメント利益 |
△395 |
|
△649 |
|
△254 |
- |
|
|
合計 |
売上収益 |
21,814 |
|
27,809 |
|
+5,995 |
+27.5% |
|
EBITDA(マージン) |
6,411 |
(29.4%) |
7,716 |
(27.7%) |
+1,305 |
+20.4% |
|
(注)当社グループの経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、EBITDAがあります。当社グループは、EBITDAを用いて各セグメントの業績を測定しており、当社グループの業績評価をより効果的に行うために有用かつ必要な指標であると考えております。EBITDA及びEBITDAマージンの計算式は以下のとおりです。
・EBITDA :営業利益+減価償却費及び償却費±その他の収益・費用
・EBITDAマージン:EBITDA/売上収益×100
[ヘルスビッグデータ]
当社グループは健康保険組合より寄せられたレセプト(入院、外来、調剤)、健診データ及び加入者台帳を匿名加工することで、民間利用可能な国内最大規模のヘルスビッグデータを有しております。当連結会計年度においても取引先健康保険組合数、利活用先である製薬企業及び保険会社の1顧客あたりの年間取引額はそれぞれ前年同期比ベースで継続して増加しており、事業は拡大を続けております。
また、当社開発の健康情報プラットフォーム「PepUp」(ペップアップ)により、上記のヘルスビッグデータに基づいて、一人ひとりのユーザーに合わせた個別アドバイスや疾病リスク表示を行っております。PepUpの発行ID数は当連結会計年度においても拡大を続けております。
上記の事業拡大に加え、2022年7月にリアルワールドデータ株式会社を子会社化すること等により、医療機関由来のデータを大きく拡充するとともに、臨床試験等の新たな領域へのサービス提供への取り組みを開始しております。
当連結会計年度においても、新型コロナウイルス感染症拡大による営業スタイルの変化等はありましたが、その影響は限定的であり、事業は拡大を続けております。
この結果、当連結会計年度のセグメント売上収益は、19,221百万円となり、セグメント利益(セグメントEBITDA)は6,137百万円となりました。
[遠隔医療]
当社グループは国内最大の放射線診断専門医プラットフォームを有しております。当連結会計年度においても、新型コロナウイルス感染症拡大による来院自粛に伴う医療機関あたりの画像診断依頼の減少の影響をうけましたが、前年同期比では回復しております。また、遠隔読影サービスを利用する医療機関数が拡大した結果、売上収益は前年同期比ベースで増収となりました。
なお、画像診断をアシストする人工知能エンジンプラットフォーム「AI―RAD」の機能追加や中国を含む海外での事業展開を本格化するための準備等、事業拡大のための施策は引き続き進めております。
この結果、当連結会計年度のセグメント売上収益は、5,038百万円となり、セグメント利益(セグメントEBITDA)は1,768百万円となりました。
[調剤薬局支援]
当連結会計年度においては、既存顧客の買換え(リプレース)需要を確保しつつ、新規顧客の開拓に努めてまいりました。新型コロナウイルス感染症拡大による影響を限定的ながら受けましたが、前年同期比ベースでは増収となりました。
この結果、当連結会計年度のセグメント売上収益は、3,826百万円となり、セグメント利益(セグメントEBITDA)は459百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上収益は27,809百万円、営業利益は5,926百万円、EBITDAは7,716百万円の増収増益となりました。なお、EBITDAから営業利益への調整は以下のとおりであります。
(EBITDAから営業利益への調整表) (単位:百万円)
|
|
第9期 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
第10期 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|
EBITDA |
6,411 |
7,716 |
|
減価償却費及び償却費 |
△1,686 |
△2,016 |
|
その他の収益 |
135 |
275 |
|
その他の費用 |
△76 |
△49 |
|
営業利益 |
4,783 |
5,926 |
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末と比べ36,513百万円増加し98,567百万円となりました。これは主に、リアルワールドデータ株式会社の株式の取得(子会社化)等に伴い、のれんが20,655百万円増加したことに加えて、現金及び現金同等物が9,589百万円増加したことによります。現金及び現金同等物の増減については、「③ キャッシュ・フローの状況」を参照ください。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末と比べ3,154百万円増加し34,042百万円となりました。これは主に、業容拡大に伴い非流動負債のリース負債が1,222百万円、同じく非流動負債の借入金が1,007百万円それぞれ増加したことによります。
(資本)
当連結会計年度末における資本は、前連結会計年度末と比べ33,359百万円増加し64,524百万円となりました。これは主に、海外募集による新株式発行及びオムロン株式会社に対する第三者割当による新株式発行を行ったこと等により資本金及び資本剰余金が14,902百万円及び14,728百万円それぞれ増加したことに加え、親会社の所有者に帰属する当期利益4,267百万円の計上と、配当金の支払565百万円を計上したこと等により利益剰余金が3,727百万円増加したことによります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ9,589百万円増加し、22,782百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ253百万円増加し4,062百万円となりました。これは主に、税引前利益を5,876百万円、減価償却費及び償却費を2,016百万円計上した一方で、事業拡大に伴う営業債権及びその他の債権の増加額1,394百万円、法人所得税の支払額1,826百万円を計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ14,668百万円増加の22,769百万円となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出20,139百万円、有形固定資産の取得による支出822百万円、無形資産の取得による支出1,118百万円をそれぞれ計上したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、28,296百万円(前連結会計年度は2,414百万円の支出)となりました。これは主に、海外募集による新株式発行及びオムロン株式会社に対する第三者割当による新株式発行により、株式の発行による収入29,212百万円を計上した一方で、配当金の支払額564百万円を計上したことによるものであります。なお、2022年7月に既支払分を含む複数の株式取得資金を使途とした資金の借入19,330百万円を実行しましたが、同年11月に全額を期限前返済しております。本取引については短期借入れによる収入及び短期借入金の返済による支出にそれぞれ含まれております。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、ヘルスビッグデータ、遠隔医療、調剤薬局支援の3つのセグメントから構成されております。いずれも、受注生産形態をとらない事業であるため、セグメントごとに生産の規模及び受注の規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
当連結会計年度の販売の状況については下記のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
第10期 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|
|
金額(百万円) |
前年同期比 |
|
|
ヘルスビッグデータ |
19,138 |
+37.2% |
|
遠隔医療 |
5,038 |
+13.5% |
|
調剤薬局支援 |
3,631 |
+6.1% |
|
合計 |
27,809 |
+27.5% |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.総販売実績に対する割合が10%を超える相手先はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような会計上の見積り及び判断を必要としております。当社グループは、過去の実績や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、見積りの不確実性により実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。
なお、当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針、及び重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「3.重要な会計方針」、「4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a) 経営成績の状況
当連結会計年度のセグメントごとの状況は以下となります。なお、各報告セグメントを構成する主な事業及び主な会社については「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載しております。
[ヘルスビッグデータ]
当セグメントは、a. インダストリー向け事業、b. 保険者・生活者向け事業、c. 医療提供者向け事業の3つの事業から構成されます。当セグメントの事業別売上(管理会計ベース)は以下となります。
(単位:百万円)
|
事業 |
第9期 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
第10期 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
比較増減 |
|
|
インダストリー向け事業 |
6,604 |
9,578 |
+2,974 |
+45.0% |
|
保険者・生活者向け事業 |
2,848 |
3,032 |
+184 |
+6.5% |
|
医療提供者向け事業 |
4,551 |
6,689 |
+2,138 |
+47.0% |
|
上記の合計 |
14,005 |
19,300 |
+5,295 |
+37.8% |
|
報告セグメントへの調整額 |
13 |
△78 |
△91 |
- |
|
報告セグメントの売上収益 |
14,019 |
19,221 |
+5,202 |
+37.1% |
a. インダストリー向け事業
当事業では、製薬企業及び保険会社に対し、付加価値向上(アップセル)とデータ種類の拡充(クロスセル)による施策を講じることを通じて、取引先1企業あたりの取引額の増加に注力しております。当連結会計年度においては主要取引先である製薬企業との関係では、既存顧客との1社あたり取引額が29%増加し、顧客数も24%増加いたしました。以上の結果、当連結会計年度の事業売上は、前連結会計年度6,604百万円から45.0%増の9,578百万円となりました。
b. 保険者・生活者向け事業
当事業では、取引先健康保険組合の拡大及び「PepUp」IDの発行数の増加に注力しております。
2023年4月1日時点で全国の健康保険組合は1,380組合、加入者数が約2,851万人(出所:健康保険組合連合会ホームページ)とされている中、当連結会計年度においては、継続契約している取引先健康保険組合数が299組合から326組合へと増加し、その加入者数は1,044万人から1,257万人へと増加いたしました。
また、上記の取引健保の組合員に対して「PepUp」及びウェアラブル端末の導入を進めております。2023年3月末時点において取引健康保険組合の加入者等の541万人に対してIDを付与しており、急速にユーザー数が拡大しております。一方で、当連結会計年度においてはウェアラブル端末の販売が前連結会計年度との比較においては減少しました。以上の結果、当連結会計年度の事業売上は、前連結会計年度2,848百万円から6.5%増の3,032百万円となりました。
(取引健保数と加入者数の推移)
|
|
2019年4月末 |
2020年4月末 |
2021年4月末 |
2022年4月末 |
2023年4月末 |
|
取引健保数 (組合) |
207 |
252 |
274 |
299 |
326 |
|
取引健保の加入者数 (万人) |
703 |
854 |
930 |
1,044 |
1,257 |
(注)前事業年度の営業活動の結果として4月1日に開始する契約が多数存在すること、及び、当社として加入者数を集計できるのが月末であることから、4月末を集計基準月としております。取引健保の加入者数は、各基準月において当社と継続契約を締結している(単発取引を除く)取引健康保険組合の組合員数を推計して算出しております。
(「PepUp」ID発行数の推移) (単位:万人)
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|
2018年12月末 |
2020年3月末 |
2021年3月末 |
2022年3月末 |
2023年3月末 |
|
ID発行数実績 |
108 |
164 |
218 |
343 |
541 |
(注)2020年3月期より3月末時点のID発行数を集計・開示しております。なお、2019年12月末におけるID発行数は152万人であります。
c. 医療提供者向け事業
当事業では、医療機関向けサービスの拡大・強化に注力しております。薬剤DB事業に加えデータを用いた医療機関の経営やオペレーションの改善のためのコンサルティング、診療報酬債権のファクタリングなど事業拡大を続けており、当連結会計年度における事業売上は前連結会計年度4,551百万円から47.0%増の6,689百万円となりました。
上記の結果、当連結会計年度におけるヘルスビッグデータセグメントのセグメント売上収益は、前連結会計年度の14,019百万円から37.1%増の19,221百万円となりました。
[遠隔医療]
当セグメントは、遠隔医療事業から構成されます。当セグメントの事業別売上は以下となります。
(単位:百万円)
|
事業 |
第9期 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
第10期 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
比較増減 |
|
|
遠隔医療事業 |
4,441 |
5,038 |
+597 |
+13.5% |
|
報告セグメントの売上収益 |
4,441 |
5,038 |
+597 |
+13.5% |
a. 遠隔医療事業
当事業では、遠隔画像診断の提供先となる医療機関数と遠隔画像診断を委託する契約読影医数の双方を伸ばすことでシェアを拡大することに注力しております。当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響も収束し、契約読影医数及び契約医療機関数は順調に増加した結果、2023年3月末時点で、契約読影医が1,063名、契約医療機関が1,303施設の規模にまで成長しております。
今後も、遠隔読影のリーディングカンパニーとして、オペレーション改善によるコスト競争力強化、24時間365日対応、専門性の高い読影医のマッチング等のサービス品質向上といった規模を活かした差別化要因を強化してまいります。
上記の結果、当連結会計年度における遠隔医療事業売上及び報告セグメントのセグメント売上収益は、前連結会計年度の4,441百万円から13.5%増の5,038百万円となりました。
[調剤薬局支援]
当セグメントは調剤薬局支援事業から構成されます。当セグメントの事業別売上は以下となります。
(単位:百万円)
|
事業 |
第9期 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
第10期 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
比較増減 |
|
|
調剤薬局支援事業 |
3,582 |
3,826 |
+244 |
+6.8% |
|
報告セグメントの売上収益 |
3,582 |
3,826 |
+244 |
+6.8% |
a. 調剤薬局支援事業
当事業では、調剤薬局に対する業務システム(レセコン、電子薬歴など)の提供を含めたデジタルソリューションの提供及び自社開発ソリューションの企画・開発・テストのための調剤薬局の運営を行っており、自社開発ソリューションを提供する調剤薬局数を拡大することに注力しております。
一方、保険薬局市場は既に成熟市場に至っており、保険薬局数の伸び率はこの数年1%程度(出所:厚生労働省「衛生行政報告例」、2021年度末現在)に留まっております。このため、同事業のシステム販売は、全体の約8割が既存顧客の買換え(リプレース)、約1割が既存顧客の新店開局、残る約1割が他社メーカーからのリプレース及び既存顧客以外の新店開局という構成比となっており、顧客数は安定して推移しております。当連結会計年度においては、マイナンバーカードを活用したオンライン資格確認の導入を契機とするリプレース機運の高まりなどもあり、事業規模を拡大しております。
上記の結果、当連結会計年度における調剤薬局支援事業売上及び報告セグメントのセグメント売上収益は、前連結会計年度3,582百万円から6.8%増の3,826百万円となりました。
その他の経営成績の状況につきましては、「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」をご参照ください。
(b) 財政状態の状況
財政状態の状況につきましては、「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載したとおりであります。
(c) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
a. キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b. 財務政策
当社グループは、運転資金及び設備資金については、内部留保により調達することを基本としております。しかしながら、企業買収を目的とした投資有価証券の取得による資金需要が発生した場合には、必要に応じて外部からの資金調達を行うことがあります。当連結会計年度末において、流動負債の借入金は994百万円、非流動負債の借入金は11,935百万円であります。
なお、子会社につきましては、当社を通じての資金調達を原則としております。
(d) 経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況について
当社グループの経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、EBITDAがあります。達成・進捗状況については、「(1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
(e) 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」をご参照ください。
(f) 経営者の問題意識と今後の方針に関して
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
(資本業務提携契約の締結)
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相手先 |
契約締結日 |
内容 |
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オムロン株式会社 (当社のその他の関係会社) |
2022年2月22日 |
1.以下の事項を実施することを目指す業務提携を行う。 (a) ヘルスデータプラットフォームの強化 (b) 予防ソリューションの開発 (c) 当社グループの海外事業展開の加速 (d) デバイス・サービスのクロスセル 2.オムロン株式会社は、当社の指名報酬委員会に対し、当社の業務執行取締役でない取締役候補者(以下「オムロン指名取締役」という。)1名を推薦することができ、当社の指名報酬委員会は、オムロン指名取締役を取締役候補者として指名するものとする。 3.業務提携の推進を行う組織としてオムロン株式会社の代表取締役社長と当社の代表取締役社長を含む提携推進委員会を設置する。 |
当社グループは人材やテクノロジーに積極的に投資し、医療ビッグデータを活用した新しい取組みやサービス開発にチャレンジし続けます。
当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発活動の金額は
(1)ヘルスビッグデータ
当セグメントでは、ヘルスケアデータの収集のためのサービス開発とヘルスケアデータの利活用方法の開発を目的にアカデミアとの連携を含めた研究開発活動を実施しました。当連結会計年度における研究開発費の金額は
(2)遠隔医療
当セグメントでは、ディープラーニングを中心とするAIテクノロジーを用いた診断アシストエンジンを日々の読影の中で活用できるようにする診断アシストプラットフォーム「AI-RAD」の開発に取り組んでおります。
当連結会計年度における研究開発費の金額は
(3)調剤薬局支援
当セグメントでは、新製品の開発及び保険調剤薬局向けパッケージシステム関連の研究開発活動をしております。当連結会計年度における研究開発費の金額は