文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、『アーキテクツ・スタジオ・ジャパン(ASJ)は、クライアント(お客様)と建築家と建設会社が共有する高度なプラットホームを構築し、新しいスタイルのサプライチェーン・マネジメントを確立し、美しい日本を創造します。』を経営理念としております。
経営の基本方針は以下のとおりであります。
① クライアント(お客様)にご満足いただけるサービスの提案・提供を行い、顧客満足度向上を追求してまいります。
② 情報管理・コミュニケーション・コストマネジメントにASJが独自開発したIT技術を投下し、登録建築家及び加盟建設会社(スタジオ運営会社)とお互いに協力して事業を展開し、成果と成功の共有を目指してまいります。
③ 企業としての社会的責任を果たすとともに、経営基盤の強化と収益力の向上を図り、健全で持続的な成長を実現してまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、経営の基本方針を実現するための目標とする経営指標として、「売上高」「営業利益」を重要な指標として認識しております。
当社グループは、目標とする経営指標を達成すべく、売上の向上に注力し、コストの最適化を通して効率的な経営を推進するとともに新規諸施策の展開等により、企業価値の向上を目指してまいります。
(3) 経営環境及び対処すべき課題
次期におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響が残るものの、経済社会活動が正常化に向かうことが期待されています。しかしながら、ウッドショック(住宅木材の需要増加による供給不足や価格高騰)から始まった建設資材の高騰について、木材価格は落ち着きをみせているものの、全般的には引き続き収まる気配はなく、先行き不透明な状況が続くものと予想されます。
このような状況において、当社グループは以下の諸施策を実行することにより、ASJ建築家ネットワーク事業の優位性を訴求し、企業価値の向上に努めてまいる所存であります。
スタジオネットワークビジネスにおいては、加盟スタジオ数については、従来の営業手法とともに、新たに外部の住宅関連会社との業務提携によりその増加を図ってまいります。また、建築家展等のイベント開催について、これまでのスタジオ主催に加え、全国一斉リフォーム展など登録建築家を起用したイベント開催を計画、セミナーなども併用してアカデミー会員数を増加することにより、将来の設計契約、請負契約から得るロイヤリティの確保を図ってまいります。
プロデュースビジネスにおいては、首都圏の富裕層を中心とした展開に加え、リモートワーク普及による在宅時間の長期化で郊外への戸建て住宅ニーズが高まっていることから、首都圏近郊におけるこれらの層を取込む拠点として地域密着によるサテライトを横浜、湘南エリアで展開、その地域で移住、セカンドハウスを計画し土地を探している顧客の開拓を地元不動産会社と連携し、一層の営業展開を図ってまいります。
マーケットへの浸透に時間がかかっているPROTO BANKビジネスにおいては、販売力のある住宅販売会社や住宅設備・資材等を取り扱う住宅関連会社との業務提携などを行うことで、当社以外のルートでの展開並びに商材提供サービスの提案によりPROTO BANKビジネスの拡大を図ってまいります。
また、ASJ建築家ネットワーク事業で培ってきたマーケティングのノウハウを環境負荷の軽減に資する亜臨界水処理技術を応用した有機物高度利用システム装置の導入提案を通じて環境など新規市場への展開を図ってまいります。
以上に加え、引き続き販売費及び一般管理費のすべての費用項目について、管理可能経費の一層の削減に努めてまいります。また、ASJ建築家ネットワーク事業にシナジーや関心を有する企業との資本・業務提携を模索することにより、財務体質の改善と安定的な財務基盤の確立を図るべく努めてまいる所存であります。
当連結会計年度においては売上高553,857千円、営業損失349,019千円、経常損失352,782千円及び親会社株主に帰属する当期純損失427,767千円となり、営業活動によるキャッシュ・フローは319,192千円のマイナスとなりました。これらの状況から、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しているものと認識しております。当社グループは、当該事象又は状況を解消し、又は改善するための対応策を実行することにより、収益力の向上及び財務体質の改善に努めてまいる所存であります。なお、当該対応策につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (継続企業の前提に関する事項)」をご参照ください。
当社グループの使命は、ASJ建築家ネットワーク事業における加盟建設会社・パートナー企業において確実な収益メカニズムとして確立されること、また登録建築家にとっては参画することの価値が高まることであります。ASJ建築家ネットワーク事業は「建築家との家づくり」を訴求ポイントとし、住宅・リフォーム・商業施設等の建設計画がある顧客に、建築家を活用した建物づくりの選択肢を提供するものであります。当社は、「建設計画のある方が、最寄りのASJのスタジオを利用するのは当たり前」となることを目指してまいります。
当社グループでは、サステナビリティ課題(社会課題)の解決と企業価値向上の両立が、より一層重要になると考えております。サステナビリティ課題を認識し当社グループの業態や経営環境等を踏まえ、判断する枠組みである「ガバナンス」及び「リスク管理」については、当社グループにとって適切な枠組みとなるよう今後整備を図ってまいります。
また、サステナビリティ課題及び当社グループの経営課題を踏まえ、人材育成方針や社内環境整備方針を含めた重要課題を選定し、それらの重要課題に対する「戦略」「指標及び目標」を上記枠組みにおいて議論し、策定を進めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 収益構造について
① スタジオの展開について
ASJ建築家ネットワーク事業におきましては、加盟建設会社が運営するスタジオが重要な役割を担っております。加盟建設会社が複数のスタジオを運営するケースはありますが、原則として地域ごとにフランチャイズ制をとっており、20~30万世帯の人口圏に1スタジオを展開する方針であります。建設会社とフランチャイズ契約(ASJスタジオ運営契約)を締結するにあたっては、当該建設会社の施工技術や施工実績等を総合的に勘案して当該契約を締結しておりますが、新たな建設会社との新規加盟店契約が締結できない場合には、スタジオの新規展開に支障が生じることにより売上の増加が見込めず、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは当該リスクへの対応策として、新規の建設会社に対して新規加盟に向けたリクルート活動を継続して実施することにより、新規加盟店の加入促進を図ってまいります。
② 加盟建設会社の経営について
加盟建設会社は、わが国の経済環境や各々が展開する地域経済の状況に大きく影響を受ける傾向があります。加盟建設会社が、経営状況の悪化、経営方針の変更や予期せぬ理由によりASJ建築家ネットワーク事業を継続することが困難となった場合は、稼働スタジオ件数の減少による売上の減少や債権回収期間の長期化、貸倒引当金計上の増加等、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは当該リスクへの対応策として、営業担当であるSVを通して加盟建設会社のスタジオ経営に関する企画や運営のサポート等に一層努めてまいります。
③ 第4四半期への売上集中について
当連結会計年度に計上された契約ロイヤリティに関する売上高は232,661千円であり、売上高全体の高い割合を占めております。例年3月に顧客と加盟建設会社との工事請負契約が増加し、第4四半期に売上計上が集中する傾向があります。しかしながら、諸事情により想定どおりに工事請負契約等が締結されなかった場合は、第4四半期の売上高が計画未達となるおそれがあり、当社の業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは当該リスクへの対応策として、工事請負契約や建築設計・監理業務委託契約の締結時期の分散化及び物件進捗管理の徹底を図ることにより、第4四半期の売上計上の平準化に努めてまいります。
(2) 小規模組織及び人材の確保について
当社グループは、有価証券報告書提出日現在、取締役6名(うち非常勤取締役4名)、監査役3名(うち非常勤監査役2名)、従業員44名の人員数で事業を展開しており、会社の規模に応じた内部管理体制や業務執行体制となっております。営業担当のSVは、加盟建設会社に協力して各スタジオにおけるイベントの企画・運営をサポートするだけではなく、登録建築家・加盟建設会社に対する各種コンサルティングや新規の建築家・建設会社のリクルート等ASJ建築家ネットワーク事業のけん引役となって活動しております。加えて、直営業部門(当社が直接プロデュースを行う部門)の営業職は、住宅・不動産に関する知識等が必要となっております。
このため、業容に応じた人員の確保が順調に進まず役職員による業務執行に支障が生じた場合、あるいは役職員が予期せず退社した場合には、内部管理体制や業務執行体制が有効に機能せず、売上の減少等により当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは当該リスクへの対応策として、営業担当をはじめ全従業員の質的向上、処遇面や労務面での所要の対応を図ってまいる方針であります。
(3) 特定人物への依存について
当社の創業者であり、代表取締役社長である丸山雄平は、ASJ建築家ネットワーク事業の運営、特に多くの建築家との人脈の構築等により、当社ビジネス全般について重要な役割を果たしております。しかしながら、何らかの理由で丸山雄平が業務を執行することが困難となった場合は、事業活動に支障が生じ、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは当該リスクへの対応策として、経営ノウハウの共有、権限委譲や組織の整備、さらには新たな人材の獲得等により、丸山雄平に過度に依存しない事業体制の構築に努めてまいります。
(4) 特定の外部委託先への依存度について
当社は、ASJ建築家ネットワーク事業運営に関わるIT基幹システムのソフトウエア開発等について、外部委託先との連携を推進し、効果的な開発体制の構築に努めております。
外部委託先は、高度な専門性、業務の品質や迅速な対応等を勘案し、継続的に良好な提携関係を図ることが可能な取引先を選定しており、現状は株式会社イン・コントロールへの依存度が高くなっております。しかしながら、同社の経営方針の変更等によって当社との連携が不安定となったり、ソフトウエア開発が計画どおり進展しない場合は、ASJ建築家ネットワークの事業運営に支障が生じ、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは当該リスクへの対応策として、当該外部委託先と一層の信頼関係の醸成に努め、良好な連携関係を継続することにより、リスクの軽減を図っております。
(5) 情報システムについて
当社では、経営の効率化、受注確率や生産性の向上等を目的として、独自開発したA-POS(情報管理システム)、COSNAVI(建築家対応積算ソフト)の基幹情報システムを構築しております。しかしながら、これらの情報システムに何らかの予期せぬ不具合やコンピュータウイルス等でシステムダウンやシステム障害が発生した場合は、ASJ建築家ネットワークの事業運営に支障が生じ、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは当該リスクへの対応策として、当該基幹情報システムのハードウエアの構成やソフトウエアの開発プロセス等において、システムダウンやシステム障害等の発生を防止する諸施策を講じております。
(6) 個人情報の管理について
ASJ建築家ネットワーク事業におきましては、加盟建設会社が運営するスタジオにおけるイベントへの来場者及び顧客の個人情報を当社、登録建築家及び加盟建設会社が共有しております。しかしながら、不測の事態により個人情報が流出した場合には、損害賠償、社会的信用の失墜等により、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは当該リスクへの対応策として、個人情報の利用・管理の重要性を関係者が共有するとともに、個人情報の紛失、盗難、改ざん及び漏えい等を防止するためのデータの保管、不正アクセス及びコンピュータウイルス等に対する適切なセキュリティー対策を講じております。
(7) 自然災害等による影響について
地震や津波、台風等の自然災害により、人的・物的な被害が生じた場合、あるいはそれらの自然災害に起因する電力・ガス・水道・交通網の遮断等が発生した場合は、当社や取引先の正常な事業活動が阻害され、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは当該リスクへの対応策として、自然災害の発生後速やかに社内の対策組織を立ち上げ、被害の規模・現況の把握や対応策等について検討を行い、迅速な対応を講じる所存であります。
(8) 減損会計の適用について
当社は、経営環境の変化や経済的要因、当社の業績動向等により、固定資産について減損損失を計上する必要が生じた場合は、当該損失の計上により、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは当該リスクへの対応策として、経営計画の達成に努めるとともに、新規の設備投資案件については慎重に検討のうえ実施することにより、減損損失の計上に至る状況を回避する所存であります。
(9) 継続企業の前提に関する重要事象等について
当連結会計年度において、売上高は553,857千円、営業損失349,019千円、経常損失352,782千円及び親会社株主に帰属する当期純損失427,767千円となり、営業活動によるキャッシュ・フローは319,192千円のマイナスとなりました。これらの状況により、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しているものと認識しております。
当該事象又は状況を解消又は改善するための対応策は実施途上にあることから、現時点においては、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。
当社グループは当該リスクへの対応策として、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (継続企業の前提に関する事項)」に記載しており、当該対応策の着実な実行を図ってまいる所存であります。
(10)資金調達について
当社は、財務体質の改善と安定的な財務基盤の確立を図るため、新株式の発行等による資金調達を行う可能 性があります。しかしながら、経済情勢の悪化や当社の業績動向等により資金調達の実現に不確実性が生じた場合は、手元流動性や運転資金の減少により、当社の事業及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。また、将来における新株式等の発行は、株式の希薄化を生じさせる可能性があります。
当社グループは当該リスクへの対応策として、経営計画の着実な達成に努めるとともに、当社グループ事業にシナジーや親和性のある企業との資本・業務提携を模索し、必要とする資金調達の実現に努める所存であります。
(11) 株式会社東京証券取引所「グロース市場」の上場維持基準について
当社は、株式会社東京証券取引所新市場区分グロース市場に移行いたしました。株式会社東京証券取引所の関連規則に基づき算定される流通株式時価総額は5億円以上であること、時価総額は40億円以上(上場後10年経過後から適用)であることがグロース市場上場維持基準の要件の一部となっておりますが、2023年3月31日時点で、流通株式時価総額は5億円未満、時価総額は40億円未満となっております。2025年3月期までに上記上場維持基準を充たすため、各種取組を進めてまいりますが、財政状態及び経営成績並びに経済情勢や市場環境により、2025年3月期までにグロース市場の上場維持基準及び経過措置の維持基準を充足できない場合は、当社株式は上場廃止となる可能性があります。
当社グループは当該リスクへの対応策として、全社一丸となって業績の回復に努め、企業価値の向上を図ることにより、株価を通して株主・投資家の評価をいただき、当該リスクの顕在化を回避する所存であります。
(12) 訴訟の可能性について
当社グループは、事業を展開する上で、当社グループの瑕疵又は責任の有無に拘わらず、損害賠償等の訴訟を提起される場合があります。また、取引関係や労使関係その他において何らかのトラブルが生じた場合には、訴訟等に発展する可能性があります。さらに訴訟が発生した場合には、その内容や賠償額により当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは当該リスクへの対応策として、役職員に対して、各種法令の遵守とコンプライアンスの意識・行動の向上に努めております。
(13) サステナビリティ課題に関する対応
当社グループを取り巻くステークホルダーをはじめ、社会全体でサステナビリティ課題への意識や、課題解決への期待が高まっております。そのため脱炭素社会への移行等に伴う気候変動政策、環境に関する法令、顧客のニーズに対応できない場合には、当社グループの社会的信用の低下等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは当該リスクへの対応策として、サステナビリティ課題への取り組む枠組みとして、「ガバナンス」及び「リスク管理」を整備し、サステナビリティ課題及び当社グループの経営課題を踏まえた重要課題を選定し、重要課題に対する「戦略」、「指標及び目標」の策定を進めることで、サステナビリティ課題への対応を図る所存です。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
a.経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による行動制限の緩和により、社会経済活動の正常化が進展し、景気は緩やかに持ち直しの動きで推移いたしました。しかしながら、世界的に金融引締め等が続く中、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなっており、物価上昇や金融資本市場の変動等を注視する状況が続いております。
住宅業界におきましては、新設住宅着工戸数は、底堅い状況で推移いたしましたが、持家の着工については、前年同期比11.8%の減少となり、弱含みの状況で推移いたしました。
このような状況のもと、当連結会計年度におきましては、積極的な経費削減の一環として、建築家展等のイベント開催で使用しておりました常設展示場ASJ YOKOHAMA CELL及びASJ YOKOHAMA Satelliteを、2022年7月末日に閉鎖いたしました。また、ASJ UMEDA CELL(住所:大阪市北区)については、規模を縮小し、2023年3月に再オープンいたしました。さらに、将来の建設計画を有するASJアカデミー会員の獲得は当社の重要課題であるため、総合住宅展示場ハウスクエア横浜(住所:横浜市都筑区)にASJ Yokohama Satelliteと、湘南地区にASJ Shonan Satellite(住所:鎌倉市稲村ガ崎)をそれぞれ新たに開設いたしました。また、新たな試みとして、2022年4月27日付で、全国の建設会社・不動産会社に情報提供サービスを行う子会社CONSTRUCTION NETWORK株式会社を設立いたしました。
スタジオネットワークビジネスにおいては、当社オリジナルのサービスであるプランニングコース(建築家が直接住宅のデザインや建設コストを提供する有料のサービス)のメリットの再構築や利用方法の再検討、さらには、全国一斉リフォーム展など新築以外にも建築家による魅力あるイベント開催の提案等を行ってまいりましたが、会員数の大幅な増加には結びつかず、また加盟スタジオにおいても建設資材等の高騰の影響を受け、見積調整に時間がかかるなど、工事請負契約及び建築設計・監理業務委託契約の件数はともに、大きく低迷いたしました。
首都圏の富裕層を中心に営業展開を図っているプロデュースビジネスにおいては、住宅以外に別荘やリゾート案件、収益物件などの案件受注が建設資材の高騰などにより見積調整に時間がかかっていることと、一部では建設計画の延期や中止、規模縮小などが発生しました。また、大型常設展示場を閉鎖し、イベント・セミナー、住宅情報誌など積極的に展開することを目的とした地域密着型の小型展示場を開設いたしました。しかし、イベント来場での会員獲得は想定より多かったものの、全体の会員獲得数並びにプランニングコースへの件数が大幅に伸び悩み、結果として工事請負契約及び建築設計・監理業務委託契約の件数も大きく低迷することとなりました。
PROTO BANKビジネスにおいては、全国の工務店に建築家住宅という競争優位性のある商材提供サービスの提案に努めましたが、加盟件数の増加には至らず、計画を大きく下回りました。
さらに、ASJ建築家ネットワークの登録建築家による投資計画、リゾート計画等への亜臨界水処理技術(*)を利用したごみ処理施設等の導入に伴う顧客紹介業務委託契約の獲得に注力いたしましたが、予定を大きく下回りました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は553,857千円(前連結会計年度比24.9%減)となりました。
損益面においては、売上高が大きく下振れしたため、営業損失は349,019千円(前連結会計年度営業損失260,867千円)となりました。また、リース資産を取得したことにより支払利息が増加したため営業外費用が4,536千円となり、経常損失は352,782千円(前連結会計年度経常損失318,614千円)となりました。当社事業に必要なソフトウェアの開発に伴うソフトウェア仮勘定22,800千円、及び新設展示場の設備等21,755千円について「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき回収可能性を検討し、将来の収益見込み等を勘案した結果、当社の固定資産簿価の全額の44,555千円を減損処理いたしました。また展示場の解約又は一部解約に伴う原状回復費用26,485千円を計上いたしました。以上により特別損失が71,040千円となりました。
その結果、親会社株主に帰属する当期純損失は427,767千円(前連結会計年度親会社株主に帰属する当期純損失348,701千円)となりました。
なお、当社グループはASJ建築家ネットワーク事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(*)亜臨界水処理技術とは、高温・高圧領域で高速加水分解反応により有機廃棄物を効率的に分解することで、肥料等に資源利用する技術のこと。
b.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は720,036千円となり、前連結会計年度末と比べて522,042千円減少いたしました。
流動資産は前連結会計年度末に比べ、553,228千円減少し、488,706千円となりました。これは主として現金及び預金384,129千円、売掛金60,103千円、未収入金129,677千円の減少等によるものであります。
固定資産は前連結会計年度末に比べ、31,186千円増加し、231,330千円となりました。これは主としてリース資産46,826千円の増加等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は560,939千円となり、前連結会計年度末と比べて94,275千円減少いたしました。
流動負債は前連結会計年度末に比べ、117,403千円減少し、246,895千円となりました。これは主として未払金128,018千円の減少等によるものであります。
固定負債は前連結会計年度末に比べ、23,128千円増加し、314,043千円となりました。これは主としてリース債務40,674千円の増加等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は159,097千円となり、前連結会計年度末と比べて427,767千円減少いたしました。これは利益剰余金の減少427,767千円によるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ、384,129千円減少し、313,044千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の減少は319,192千円(前年同期は211,088千円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失423,822千円、未払金の減少額144,638千円等の支出要因のほか、未収入金の減少額129,677千円、売上債権の減少額60,760千円等の収入要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は51,606千円(前年同期は18,305千円の支出)となりました。これは主に原状回復による支出37,675千円、無形固定資産の取得による支出23,577千円等の支出要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は13,330千円(前年同期は492,220千円の収入)となりました。これはリース債務の返済による支出13,330千円によるものであります。
当社グループは、生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。
ASJ建築家ネットワーク事業の性格上、受注の記載になじまないため、受注状況に関する記載はしておりません。
当社グループは、ASJ建築家ネットワーク事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析
当連結会計年度は、売上高1,166,000千円、営業利益123,000千円を経営目標として事業活動を行ってまいりました。
しかしながら、当社グループの売上は例年3月に集中する傾向にありますが、資材高騰の影響により見積調整に時間がかかったことや建設計画の延期及び中止並びに規模縮小などが原因で、建築設計・監理業務委託契約及び工事請負契約の成約数は大きく低迷いたしました。また、主要施策のPROTO BANK Stationにおける新規加盟契約件数は計画を大幅に下回りました。以上のことから売上高は553,857千円(計画比52.5%減)となりました。
また、営業損益においては、売上高が大きく下振れしたことから、営業損失は349,019千円となりました。
② 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要の主なものは、運転資金と設備投資資金であります。
運転資金は、主に人件費、販売促進費、建物賃借料等の販売費及び一般管理費によるものであります。また、設備投資資金は事業運営に係る基幹システム開発及び社内業務効率化のためのシステム開発等を目的としたソフトウエア開発費用であります。
当社グループは、運転資金と設備投資資金については、自己資金により充当いたしました。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
ASJスタジオ運営契約
当社は、加盟建設会社との間で、以下のようなASJスタジオ運営契約を締結しております。なお、契約内容の要旨は次のとおりであります。
PROTO BANK Station 運営契約
当社は、加盟建設会社との間で、以下のようなPROTO BANK Station運営契約を締結しております。なお、契約内容の要旨は次のとおりであります。
ASJ建築家登録契約
当社は、登録建築家との間で、以下のようなASJ建築家登録契約を締結しております。なお、契約内容の要旨は次のとおりであります。
該当事項はありません。