当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「お客様のため、社会のため、人間生活向上のため、貴重な資源を限りなく有効に活用し、広く産業を支え、豊かな明日を構築することに貢献する」ことを経営理念とし、その実現に向けた努力が企業価値の増大につながると考え、お客様の事業活動に大いに貢献できる商品・サービスの安定的な提供に尽力しております。具体的に、前提としている基本方針は以下のとおりであります。
1.お客様第一主義の徹底
2.珪藻土/パーライトの有効活用追求
3.全体最適実現に向けた変革
4.一人一人が進化しつづける集団への成長
(2)経営戦略等
当社グループの事業は、国内市場においては、近年の少子高齢化の加速等により、この先の大幅な需要の伸びは厳しい状況が続くものと予想されます。しかしながら、お客様の事業領域は、ビール等の食品事業、抗生物質等の製薬事業、油脂・合成樹脂等の化学事業、建築等の建材資材事業、シリコーン等の充填材事業、プールや温浴施設等の水質浄化事業等、非常に広範であることに加え、当社グループはお客様との良好なパートナーシップを長期にわたり維持し、様々な事業領域のお客様の戦略をサポートさせていただくことで多くのノウハウを得ており、これらノウハウは当社グループの事業資産として大きな強みとなっております。さらに、研究分析センターによる品質情報のご提供や、お客様事情に即した商品のご提案等、同センターと営業部門とが連携しつつきめ細かな営業活動を継続することで、競合他社との優位性向上に努めております。
一方、海外市場においてはインド、アフリカ、東南アジア等、人口増加や生活水準の向上に伴いさらなる需要拡大が期待できる地域があり、営業活動を積極的に展開しております。
新型コロナウイルス感染症(以下、同感染症)につきましては、行動制限の緩和により社会経済活動が正常化し始めておりますが、同感染症のみならず気候変動問題への対応等、企業は持続可能な社会構築への貢献努力により、近年の厳しい経営環境に適応することが可能となり、当社グループの商品・サービス等企業価値向上に寄与すると認識しております。
そのため、当社グループが従前より取り組んでいる、お客様それぞれのご要望や潜在的ニーズに対応できる企業集団となるための「お客様サイドの発想への挑戦」・「業務品質向上への挑戦」・「新領域への挑戦」の3つの挑戦を掲げつつ、安定的に利益を生み出し社会に還元するという企業使命を全うするため、以下の取り組みを行っております。
1.全社コスト削減策の一環として、在宅勤務やオンラインによる営業活動の積極推進による関連経費の抑制を図る等、財務基盤の強化と収益の安定を図る。
2.営業部門を商品分野別の組織に再編することで、各分野の専門性向上及びお客様のご要望等に沿ったソリューションを提案する。
3.お客様固有ニーズへの理解を深化させ新商品開発に尽力する。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの目標とする経営指標につきましては、外部要因に影響を受けることなく、安定的に事業の収益性向上を図ることを目的とし、売上高及び経常利益を指標として経営を執行しております。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループをとりまく経営環境は、ウクライナ情勢の長期化や円安の持続等に伴う輸入コストの高止まり等、予断を許さない状況が続くと予想されます。一方、気候変動問題への対応等、企業は持続可能な社会の一員として質の高い商品・サービスの提供と共に、社会課題への取り組みが求められていると認識しております。
このような中、当社グループは「お客様のため、社会のため、人間生活向上のため、貴重な資源を限りなく有効に活用し、広く産業を支え、豊かな明日を構築することに貢献する。」ことを経営理念とし、それを実現すべく次の課題に対処してまいります。
①既存事業の深化と拡大
②M&Aを含めた新規事業の構築と育成
③生産工程の見直し及び販売管理費の圧縮による収益性の向上と財務体質の強化
④長期的な原料供給体制の構築
⑤環境と安全に配慮した経営の推進
⑥人材の育成及び社内制度の改善等による組織活性化の推進
主な取り組み状況等に関しては以下のとおりであります。
事業の育成という観点では、「お客様サイドの発想への挑戦」と「新領域への挑戦」を掲げ、既存事業の深化と拡大、並びにM&Aを含めた新規事業の構築と育成の両面を積極的に展開します。具体的には、お客様の多種多様な課題や潜在的ニーズに向き合い、技術力及び提案能力の向上を図るため、従来の営業組織を商品分野別に再編し、現代事情に相応しい事業・業務スタイルの追求を推進しております。また、他社との技術提携等を通じ、当社が保有しない新たな技術を導入することで、既存事業の充実と新事業展開に尽力いたします。
収益性の向上と財務体質強化という観点では、引き続き全社規模でのコスト削減策を実施するとともに、人手不足や社員の高齢化を踏まえた生産工程の省力化等に取り組みます。また、成長投資と内部留保のバランスを意識した中長期的な財務戦略を立案し、財務体質の強化を図ってまいります。
原料の安定確保という観点では、お客様への安定供給のための最重要事項として、国内原料のみならず世界各地からの良質な原料調達等、長期的な計画に基づいた調査及び取り組みを進めてまいります。
環境と安全に配慮した経営という観点では、鉱物資源に新たな価値を付加し、その製品を通じて広く産業を支える当社グループとしては、持続可能な開発目標(SDGs)に賛同し、近年ではLNGへの燃料転換をはじめ、木質バイオマス資源を用いた熱エネルギー利用に関する技術開発及び設備導入プロジェクトに着手する等、排出CO₂並びに廃棄物削減活動を行うと共に、徹底した安全教育に取り組んでおります。また、在宅勤務やオンラインによる営業活動の継続等、臨機応変な事業活動を展開することで、環境と安全に配慮した持続的な発展を目指してまいります。
人材育成という観点では、「和音」、「さすが」というキーワードを社風における根底として「業務品質向上への挑戦」を掲げお客様対応力の底上げを図ると同時に、生産性向上や社内コミュニケーションの活性化のため、「ダイバーシティ&インクルージョン」の推進により人事制度見直しや風土改革等を通じ就業意欲を鼓舞し、自律した人材の育成と活力ある組織作りを実践していく所存であります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループは、当社グループの経営方針・経営戦略等に影響を与える可能性があるサステナビリティ関連のリスク及び機会を特定し適切にマネジメントするため、当社代表取締役社長を委員長とするサステナブル経営推進委員会を適宜開催し、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値向上のための重要なリスク及び機会を識別・評価・監視し、リスク管理委員会、経営会議または取締役会に報告する体制を整備しております。
(2)戦略
当社グループの人材育成に関する方針等につきましては、中長期的な企業価値向上に向けた人材戦略の重要性に鑑み、主に以下の取り組みを通じ人材育成と社内環境整備に努めております。
1.性別、国籍、新卒か中途か等を問わない採用、並びに管理職への登用
2.在宅勤務など働き方改革の積極推奨
3.健康企業宣言への取り組みによる生産性向上
現状におきましては、女性・外国人・中途の採用者数や管理職への登用等について制限は設けておりませんが、中長期的な人材育成方針や社内環境整備方針については、国内外の情勢を注視しつつ適時適切な見直しを進め、業務の生産性向上や社員同士のコミュニケーションの活性化を図るべく、人事制度の見直しや風土改革など各種施策により社員の意欲を刺激し、自律した人材の育成と活力ある組織作りを実践してまいります。
(3)リスク管理
当社グループは、当社グループの経営方針・経営戦略等に影響を与える可能性があるサステナビリティ関連のリスク及び機会に対処するためサステナブル経営推進委員会を適宜開催し、当社グループ全体のサステナビリティ関連のリスク及び機会の識別・評価・監視をしております。監視結果は、リスク管理委員会、経営会議または取締役会に報告しその内容について協議するとともに、リスク統制及び顕在化の防止に努めております。
(4)指標及び目標
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。なお、以下に記載する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断した主要なものであり、将来を含めた当社の事業等のリスクはこれらに限定されるものではありません。
当社グループ(当社並びに連結子会社及び持分法適用会社、以下同様)の業績は、様々なリスク要因により甚大な影響を被る可能性があります。具体的には、当社代表取締役社長をはじめとする取締役並びに各部門の部門長で構成される「リスク管理委員会」を毎年度開催し、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値向上のための目標達成を阻害しうる特に重要なリスクを選定し、万一に備え発生防止あるいはその影響を最小限にとどめる体制を整備しております。
重要なリスク抽出後、重点対応が必要なリスクを選定、それに対する必要な施策を実行します。以後、リスク管理統括部門は、必要に応じ経営会議または取締役会に対し管理状況の進捗を報告し、リスクの網羅的な把握とその評価・分析及び対策について協議するとともに、リスク統制または顕在化の防止に努めております。また、内部監査室はリスク管理統括部門に対する定期的な内部監査を通じ、独立した立場でリスク管理が効果的に実践されていることを検証し、リスク管理向上のために必要な助言等を行っております。
以下、グループ経営上の重要なリスクとなる可能性がある要因のうち、特に当社グループが優先的に対策に取り組んでいる事項を記載いたします。
(1)原料、燃料等の調達について
当社グループは、天然資源である珪藻土・パーライトを原料とし、燃料その他各種原材料を用いて製品を製造しております。
これに対し、珪藻土・パーライト資源の枯渇あるいは原油価格の急激な高騰等により、良質かつ適正価格での原料や重油・LNG等の燃料を調達できず、当社グループの予測を大幅に超えて長期にわたり製造コストが上昇した場合、当社グループの業績及び財務状況等に影響を与える可能性があります。
当該リスクの顕在化につきましては、原料の短期的枯渇リスクは低いものの、燃料は中東産油国での政情不安や為替変動等、価格高騰の可能性は常にあると認識しております。
当該リスクへの対応として、原料につきましては、国内をはじめ世界各地からの安定的かつ良質な原料調達を可能とするため、長期的な計画に基づいた取り組みを進めております。燃料につきましては、木質バイオマス資源を用いた熱エネルギー利用に関する技術開発プロジェクトを通じ、化石燃料に過度に依存しない生産体制の構築を目指す等、リスク低減に努めております。
(2)特定製品への依存について
当社グループの業績は、濾過助剤分野の売上高がグループ売上全体の60%以上を占めております。これに対し濾過技術の革新等により、当社グループ製品の優位性が低下した場合等、当社グループの業績及び財務状況等に影響を与える可能性があります。
当該リスクの顕在化につきましては、濾過技術向上による固液分離能力のさらなる高速化、清澄化、低コスト化、もしくはそれらに伴う濾過機の構造変更・メンテナンス能力の向上等、相応にあると認識しております。
当該リスクへの対応につきましては、濾過工程における濾過助剤使用時のコスト面や環境面等、総合的な優位性を高めるとともに、濾過周辺商材及び非濾過助剤分野の市場拡大に努めることでリスクの低減に努めております。
(3)天候の影響について
当社グループは、ビール事業、清涼飲料事業やプール事業等、夏季に需要が高まるお客様との取引が少なからずあります。
これに対し、冷夏や台風、集中豪雨等の自然災害、その他当社グループが予期し得ない事象が発生した結果、消費行動に大きな変化が生じ、お客様の生産活動が大幅に制約された場合等、当社グループの業績及び財務状況等に影響を与える可能性があります。
当該リスクの顕在化につきましては、異常気象の常態化や自然災害の激甚化傾向等、その可能性は常にあると認識しております。
当該リスクへの対応につきましては、提供する商品・サービスの拡充を通じ事業分野の拡大に努めることでリスクの低減に努めております。
(4)製品の安全性について
当社グループでは、国・国際機関の基準に則った安全・安心な製品を安定的に提供することが重要と考え、ISO9001の認証を取得するなど品質管理の強化に努めており、原材料・製品の検査体制の強化に取り組んでおります。これに対し、当社の製造工程における品質上の欠陥、異物混入、設備または部品調達トラブル、物流トラブル、その他当社グループが予期し得ない風評被害等の重大な問題が発生した結果、当社グループの業績及び財務状況等に影響を与える可能性があります。
当該リスクの顕在化につきましては、品質管理体制に万全を期しており、その可能性は低いと認識しております。
当該リスクへの対応につきましては、お客様の安全・安心を最優先とし、製造工程における各種品質試験や設備の定期点検の実施はもちろん、ラインにおける重要管理項目の整理や見直しなど、各工場で製造工程管理の徹底を行い厳格な体制を維持することでリスクの低減に努めております。
(5)事業展開国でのカントリーリスクについて
当社グループは、中国に販売子会社及び製造拠点として合弁会社を設立し、世界数十か国に輸出しております。
これに対し、中国または輸出先国固有の政情不安、経済危機、税制改正、法規制強化、為替変動、関税報復措置、自然災害、各種感染症等のマイナス要件が発生した場合、当社グループの競争力低下や利益の圧迫、役職員の安全上の不安、政治的・軍事的・社会的圧力による営業困難または停止、事業撤退等により、当社グループの業績及び財務状況等に影響を与える可能性があります。
当該リスクの顕在化につきましては、世界的な経済の下振れ、通商問題の緊張感の持続、自然災害の激甚化傾向等、国際情勢不安定化の影響により、相応にあると認識しております。
当該リスクへの対応につきましては、グループ内での情報収集や外部コンサルタントの活用を通じ有事の際の適切な対応に備えることでリスクの低減に努めております。
(6)事業投資リスクについて
当社グループは、既存事業の拡大や新たな事業展開を図るため、子会社または合弁会社の設立、事業会社への出資等を行っております。
これに対し、市場の急激な変化による事業の陳腐化や大規模自然災害、各種感染症等の発生、その他当社グループが予期し得ない事象が発生したことにより投資先の大幅な業績不振、あるいは事業継続が不可能となる等の結果、当社グループの出資持分相応の資産価値が減少することにより、当社グループの業績及び財務状況等に影響を与える可能性があります。
当該リスクの顕在化につきましては、国内並びにグローバルな事業環境の変化や金融資本市場の変動に加え、自然災害の激甚化傾向等、その可能性は常にあると認識しております。
当該リスクへの対応につきましては、外部専門機関によるデューデリジェンスや市場予測等の客観的調査をもとに、取締役会での十分な議論を通じ意思決定プロセスを経て投資判断を行うことでリスクの低減に努めております。
また、投資有価証券のうちその他有価証券(非上場株式等を除く)の額は1,474百万円であります。これに対し、時価が下落した結果、当社グループの業績及び財務状況等に影響を与える可能性があります。
当該リスクへの対応につきましては、当社事業戦略や取引先との事業上の関係において、当社の事業活動または財務活動の取引強化に資するかどうかを判断した上で保有しており、保有意義の乏しい銘柄につきましては、株価や市場動向を総合的に判断した上で売却いたします。
(7)財務リスクについて
当社グループの当連結会計年度末における有利子負債総額(リース債務を除く)は3,644百万円であり、その支払利息は32百万円であります。
これに対し、金融資本市場の変動により、必要資金の調達不足、金利上昇に伴う支払利息が増加した結果、当社グループの業績及び財務状況等に影響を与える可能性があります。
当該リスクの顕在化につきましては、国情により金融政策に差異が見られる場合がある等、常にあると認識しております。
当該リスクへの対応につきましては、有利子負債総額については、債務償還年数が社内基準値を上回らないよう事業運営を行うとともに、投資計画をコントロールする他、資金調達方法の多様化を検討しております。
(8)法規制とソフトローのコンプライアンスについて
当社グループの事業活動は食品衛生法、製造物責任法、環境関連法規、労働関連法規等の様々な法規から規制を受けております。
これに対し、これら法規等の変更あるいは当社グループが予期し得ない法規等が導入され法令による処罰、訴訟の提起、社会的制裁を受け、法令遵守対応コストが増加し、あるいはお客様からの信頼を損ねブランド価値が毀損する等の結果、当社グループの業績及び財務状況等に影響を与える可能性があります。
当該リスクの顕在化につきましては、安全・安心や環境問題に対する意識の高まり等が関連法規等に影響していることから、相応にあると認識しております。
当該リスクへの対応につきましては、役職員への企業倫理・コンプライアンス教育を定期に実践し、グループ全体の法令遵守意識の啓発に努めるとともに、持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現を目標にした持続可能な開発目標(SDGs)に賛同し、事業活動を通じ社会・環境の持続的な発展に尽力する等、社会環境の変化にしっかりと対応することによって低減を図っております。なお、SDGsの主な取り組みは以下のとおりであり積極的に推進しております。
①製造ラインのプロセス改善による省エネルギー推進、木質バイオマスの活用、化石燃料使用量の削減などを通じたCO₂排出量の削減
②太陽光発電によるクリーンエネルギーの活用
③珪藻土、パーライト資源の本来特性の最大化と終掘後の新たな付加価値を産む土地活用
④採掘地の地層を活用した地域社会へ学術機会の提供
(9)大規模自然災害、感染症等について
当社グループは、国内及び中国、シンガポールに事業拠点を有しております。
これに対して、近年、世界各地で大規模な地震、津波、台風、洪水等の災害の他、各種感染症等、発生頻度の上昇や被害の甚大化が懸念されます。また、世界各地では国際紛争も発生しており、このような災害等が発生した場合、製造設備等の損壊、電気・ガス・水道等公共サービス遮断による製造停止、在庫製品破損あるいは物流機能全般の停止等により、原料や各種資材の調達及び製品出荷停止、交通機関麻痺による役職員の通勤不能、システム障害による重要情報の損失、事業活動停止等が想定されます。これら被害復旧に長期間を要する場合、あるいは多額の改修コストを要する場合等、当社グループの業績及び財務状況等に影響を与える可能性があります。
当該リスクの顕在化につきましては、災害の激甚化傾向に加え、感染症や国際紛争の動向等その可能性は常にあると認識しております。
当該リスクへの対応につきましては、各拠点にておいて事業継続計画(BCP)を策定しております。製造拠点においては、設備保護のための災害対策や労災事故防止のための器具の設置等を推進し、災害発生の場合でも復旧期間を最短化させるべく環境整備を進めております。非製造拠点では、状況に応じて在宅勤務を選択できるようIT環境の充実に努めております。さらに、役職員及びその家族に対し安否確認システムを導入し訓練を実施することで災害対応への意識向上を図る等、大規模災害による被害の最小化を図ることでリスクの低減に努めております。
(10)情報セキュリティについて
当社グループは、事業活動の多くをITシステムに依存し、お客様情報等を管理しております。
これに対し、ソフトウェアや機器の欠陥、通信インフラの故障、停電、サイバー攻撃等により、当社グループの基幹システムもしくはインターネットシステム全般が甚大な被害を受け正常に稼働しなくなった結果、事業活動の混乱、機密情報の喪失、個人情報の漏洩等による事業の中断、損害賠償請求やセキュリティ対策コストの増加等により、当社グループの業績及び財務状況等に影響を与える可能性があります。
当該リスクの顕在化につきましては、様々なサイバー攻撃が世界中で活発化していること等から、常にあると認識しております。
当該リスクへの対応につきましては、社内ネットワーク上で異常が検知された場合は、直ちに管理者に通知がなされる仕組みの導入、各種データの定期的なバックアップの実行、役職員が使用する各種端末へのセキュリティソフトの導入、セキュリティに関する社員教育等適切に対策することによってリスクの低減に努めております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社ならびに連結子会社及び持分法適用会社、以下同様)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症(以下、同感染症)による行動制限が緩和され、社会経済活動が正常化し始めたものの、資源価格高騰や円安の進行による輸入コストの上昇が歴史的な物価高となり景気に影響を及ぼす等、今後の予測が難しい状況が続いております。
当業界におきましては、各種エネルギー及び資材価格の高騰による製造原価上昇等により厳しい状況で推移しております。
このような経営環境の中、当社グループは、お客様のご要望や潜在的ニーズに対し、より専門性の高いご提案や解決策を提供できる企業集団となるため、「お客様サイドの発想への挑戦」・「業務品質向上への挑戦」・「新領域への挑戦」の3つの挑戦を掲げつつ、安定的に利益を生み出し社会に還元するという企業使命を全うするため、以下の取り組みを行っております。
1.全社コスト削減策の一環として、在宅勤務やオンラインによる営業活動の積極推進による関連経費の抑制を図る等、財務基盤の強化と収益の安定を図る。
2.営業部門を商品分野別の組織に再編することで、各分野の専門性向上及びお客様のご要望等に沿ったソリューションを提案する。
3.お客様固有ニーズへの理解を深化させ新商品開発に尽力する。
上記の結果、国内市場での販売価格改定、海外市場での積極的な営業展開等により売上高は92億25百万円(前期比18.6%増)となりました。利益面では、燃料費をはじめ製造原価の増加が深刻な水準であったものの、各種経費削減効果及び為替差益の影響等により経常利益は8億35百万円(同74.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は6億16百万円(同78.7%増)となりました。
なお、当社グループは単一セグメントであるため、商品別の業績を記載すると次のとおりであります。
濾過助剤
当該商品は、主にビール類・清涼飲料水・甘味料・調味料などの食品工業、抗生物質などの製薬工業、油脂・合成
樹脂などの化学工業、ごみ焼却場などで使用される当社の主力製品群です。
当連結会計年度におきましては、食品工業向け製品を中心に海外市場、国内市場とも全体的に売上が増加しました。この結果、売上高は58億92百万円(前期比28.3%増)となりました。この分野の売上は、当社グループ売上全体の63.9%を占めております。
建材・充填材
当該商品は、主に住宅用建材や土木資材、シリコーンゴムなどに使用される製品群です。
当連結会計年度におきましては、海外市場は微減でしたが、国内市場は主に住宅用建材向け製品、並びに各種充填材向け製品の売上が増加しました。この結果、売上高は14億88百万円(前期比5.6%増)となりました。この分野の売上は、当社グループ売上全体の16.1%を占めております。
化成品
当該商品は、主にプールや温浴施設及び浄化槽向けの塩素系消毒剤、産業排水向けの高活性微生物剤などの水処理
関連製品群です。
当連結会計年度におきましては、同感染症による影響からの回復が継続したことで全体的に売上が増加しました。この結果、売上高は12億94百万円(前期比5.5%増)となりました。この分野の売上は、当社グループ売上全体の14.0%を占めております。
その他の製品
当該商品は、主に珪藻土粒状品及びデオドラント製品や浴室関連機器などの生活関連用品、その他スポットで発生する製品群です。
当連結会計年度におきましては、主に各種化学品向け製品の売上が微減となりました。この結果、売上高は5億49百万円(前期比0.3%減)となりました。この分野の売上は、当社グループ全体の6.0%を占めております。
②財政状態
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ4億26百万円増加し、130億39百万円となりました。主な増加は、受取手形及び売掛金4億75百万円、投資有価証券1億33百万円であり、主な減少は現金及び預金2億56百万円であります。
負債は、前連結会計年度末に比べ2億8百万円減少し、62億81百万円となりました。主な増加は、支払手形及び買掛金1億80百万円であり、主な減少は、短期借入金3億14百万円、社債1億20百万円であります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ6億34百万円増加し、67億58百万円となりました。主な増加は、親会社株主に帰属する当期純利益6億16百万円であり、主な減少は、利益剰余金の配当金の支払い52百万円であります。
なお、自己資本比率は、前連結会計年度末の48.5%から51.8%となりました。
③キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より2億36百万円減少し、26億72百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、6億25百万円となりました。
これは、主に税金等調整前当期純利益8億17百万円、減価償却費2億78百万円に対し、売上債権の増加4億75百万円があったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、2億81百万円となりました。
これは、主に有形固定資産の取得による支出2億23百万円、無形固定資産の取得による支出30百万円があったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、5億81百万円となりました。
これは、主に、長期借入金の借入による収入1億50百万円に対し、短期借入金の純増減額の減少3億14百万円、長期借入金の返済による支出2億13百万円、社債の償還による支出2億40百万円、配当金の支払額52百万円があったことによります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績を示すと、次のとおりであります。
|
区分 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
濾過助剤 |
5,190,939 |
36.6 |
|
建材・充填材 |
1,381,781 |
9.8 |
|
その他 |
164,194 |
△13.6 |
|
合計 |
6,736,915 |
28.4 |
(注)1.金額は販売価格によります。
2.当社グループは単一セグメントであるため製品別の実績を記載しております。
b.商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績を示すと、次のとおりであります。
|
区分 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
濾過助剤 |
773,161 |
3.5 |
|
化成品 |
1,294,877 |
5.5 |
|
その他 |
514,210 |
3.8 |
|
合計 |
2,582,250 |
4.6 |
(注)1.金額は販売価格によります。
2.当社グループは単一セグメントであるため商品別の実績を記載しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績を示すと、次のとおりであります。
|
区分 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
濾過助剤 |
5,892,009 |
28.3 |
|
建材・充填材 |
1,488,937 |
5.6 |
|
化成品 |
1,294,877 |
5.5 |
|
その他 |
549,779 |
△0.3 |
|
合計 |
9,225,603 |
18.6 |
(注) 当社グループは単一セグメントであるため製品・商品別の実績を記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社、以下同様)が判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループでは、「お客様のため、社会のため、人間生活向上のため、貴重な資源を限りなく有効に活用し、広く産業を支え、豊かな明日を構築することに貢献する」ことを経営理念として掲げ、全ての活動の根幹としております。この経営理念のもと、お客様の様々なご要望にお応えするために、国内外での新市場開発・営業力強化及び原価削減等に取り組み、一層の事業・財務体質の強化、社会のニーズや課題への対応に社員一丸となって取り組み、企業価値向上に努めてまいります。
当連結会計年度の業績につきましては、主力の濾過助剤分野において、海外市場での売上が大幅な成長を示し、その売上高比率は連結売上高の2割超となりました。一方、国内市場での売上は、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和に伴い社会経済活動の正常化が進展したことで回復が持続しております。利益面につきましては、燃料費をはじめ製造原価の増加が深刻な水準であったものの、各種経費削減効果及び為替差益の影響等により経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに押し上げる結果となりました。
当社グループの業績に重要な影響を与える可能性がある要因は以下のとおりであり、影響を最小限にするため、当社グループは適時適切な対策を実施しております。
a.各種エネルギー価格並びに原材料価格の上昇、あるいは一部取引先が生産調整に踏み切る等の状況が長期化した場合、結果として当社グループの製品需給バランスが大幅に変化し、業績に重要な影響を与える可能性があります。
b.濾過助剤及びプール用塩素剤は、夏季に受注量が集中する傾向にあるため、夏季天候不順が長期化した場合、業績に重要な影響を与える可能性があります。
なお、要因ごとの分析は、「第2事業の状況 3事業等のリスク」をご参照下さい。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より2億36百万円減少し、26億72百万円となりました。
得られた資金の主な内訳は、税金等調整前当期純利益8億17百万円、減価償却費2億78百万円、長期借入金の借入による収入1億50百万円であります。
使用した資金の主な内訳は、売上債権の増加4億75百万円、有形固定資産の取得による支出2億23百万円、無形固定資産の取得による支出30百万円、短期借入金の純増減額の減少3億14百万円、長期借入金の返済による支出2億13百万円、社債の償還による支出2億40百万円であります。今後も売上原価の低減、経費の更なる節減に努め、営業活動から得られる資金を確保、増加させていく所存であります。また、この結果得られた資金を設備投資、有利子負債の圧縮及び配当金の支払い等に適切に配分していく予定であります。
資金需要の主な内容としましては、製造設備(設備維持に関わる償却費、賃借料、保険料など含む)、燃料費、各種資材費、人件費、IT関連投資等があります。
資金調達につきましては、当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金及び外部資金を有効に活用しております。設備投資額は、営業キャッシュ・フローの範囲内とすることを原則としておりますが、資金調達手段の多様化と資本効率の向上を企図し、主要な事業資産である製造設備等の調達に当たっては、金融機関からの借入や社債の発行等、一部有利子負債を活用しております。また、主要な取引先金融機関とは良好な取引関係を維持しており、当社グループの事業の維持拡大、運営に必要な運転資金、投資資金の調達に関しては問題なく実施可能と認識しております。なお、当連結会計年度末の自己資本比率は51.8%であります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載の通りであります。
該当事項はありません。
当社グループ(当社及び連結子会社)は、常にお客様のご要望に即応でき、お客様に安心してお使いいただけるよう、珪藻土・パーライト製品の機能強化や新製品開発に取り組んでおります。同時に、大学や公的研究機関、お客様各社の研究開発部門・製造部門との情報交換や技術交流を積極的に行っております。
以下、当連結会計年度における主な研究開発活動を記載しますが、当社グループは単一セグメントであるため分野ごとの活動を記載すると次のとおりであります。
(1)珪藻土製品関連
従来の粉末製品と比較してハンドリングに優れた粒状製品、珪藻土に他の物質を担持させた製品、特殊な物質の濾過に適した製品などの用途開発を進めております。また、製造工程における原料利用率の向上や、消費エネルギー抑制を図ることを可能とする新たな製造プロセスの開発に取り組んでおります。
(2)パーライト製品関連
珪藻土製品と同様に、濾過助剤としての機能性向上に取り組むとともに、建材用途としては乾式工法建材やグラウト材などの用途に向けて、新たな機能や品質特性を付与したパーライト製品の開発を進めております。今後もお客様のご要望にそった供給体制の整備と製品開発を進めてまいります。
(3)農業向け製品関連
農作物の生長促進を図るため、珪藻土・パーライトの物質的特性を生かす試みにおいては、各種植物において、日本国内のみならず海外でも実証データが蓄積され、関連特許を取得しています。また養鶏場の大きな悩みであるワクモに対し、化学薬品に頼らない駆除用資材としての珪藻土製品が研究機関や養鶏農家様から高い評価をいただいております。
(4)珪藻土採掘跡地の自然再生
岡山県蒜山高原にある当社岡山工場の珪藻土採掘跡地は、貧栄養な水域環境を活かした自然再生を観察できる全国的にも極めて貴重な環境にあります。そこで当社は、蒜山自然再生協議会に参加し、環境省やコンサルタントなどの専門家から助言をいただきながら、今後の自然再生計画策定に着手いたしました。ビオトープとしての活用のみならず、これまで蒜山地域で行われてきた珪藻土採掘の歴史、地層等の教育の場としての活用も視野に入れた計画策定を目指してまいります。
以上のとおり、主力製品である珪藻土・パーライト濾過助剤の高機能化・品質改良をはじめ、多岐に亘る研究開発活動の充実に鋭意努力してまいります。なお、上記事業に係る研究開発費は総額