第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営の基本方針

当社グループは、「一芸を極めて世界に挑戦」の企業理念のもと、圧力計測・制御分野でのリーディングカンパニーとして、「安全・安心・信頼」をお届けすることを使命とした製品の提供を通じて、社会貢献を継続することをグループ全体の基本方針としております。

経営目標の達成に向けて、日本及び米国を主要拠点としたグローバルな展開を行ってまいります。

 

(2)当社グループをとりまく経営環境

当社グループの業績は、設備関連の投資動向に影響を受ける傾向にあります。現時点の外部環境としては、エネルギー価格の上昇による物流・資材、光熱費や原材料費高騰が収益を圧迫し、さらに需要が旺盛であった半導体の需給悪化懸念なども加わっており、厳しい事業環境が続くものと想定しております。

また、圧力計測業界においては、インフレによる人件費高騰に対するデジタル化投資(無人化、省人化、遠隔化)の一環として、計測機器のデジタル化、ワイヤレス化による監視システム・サービスの普及が求められると同時に、社会インフラの老朽化に伴いICT(情報通信技術)・デジタル技術を活用したインフラのスマート化への対応が求められております。

 

(3)第2次中期経営計画

今後変化していく世界経済や事業環境下で中長期的に企業価値を向上していくため、これまでの中期経営計画は事業構造改革への助走フェーズとして位置づけ、基本方針を踏襲しつつ、新たな社会的課題と向き合ったうえで、事業構造の改革フェーズとなる第2次中期経営計画(2023年度~2025年度)を2023年5月に策定いたしました。

『モノづくりのあくなき探求心を礎に強靭な経営基盤を構築し、社会的課題への貢献と企業価値向上に取り組む』をスローガンに2030年度の指標となる成長フェーズに繋げる重要な3ヵ年ととらえております。

第2次中期経営計画では、当社グループの業績目標を2025年度に売上高753億円、営業利益率12.9%、株主資本利益率(ROE)10%以上確保を掲げております。なお、2024年3月期の連結業績目標として、連結売上高678億円、営業利益率9.0%以上、株主資本利益率(ROE)10.0%以上確保を掲げております。この業績目標を達成するため、第1次中期経営計画の基本施策《成長戦略》を踏襲するとともに、更なる深化をすべく取組を強化、推進してまいります。

 

優先的に対処すべき事業上及び財務上課題

《成長戦略1 既存事業の競争力強化》

既存事業の強化と再構築により事業効率の向上を図ります。

① 製品の事業採算性向上

a.不採算製品に対する価格改定とコスト低減による収益改善

b.機種統廃合による部品・構造の共通化と製品体系の再構築

c.今後の事業拡大を見据えた生産能力の増強

② 顧客要望に対する迅速な製品開発

a.技術部門の新組織体制による開発力強化

b.成長分野における商品開発

・水素・アンモニアビジネスに注力した脱炭素化事業の拡大

・半導体用途市場に対する製品拡充

c.ICT・デジタル技術を活用した高付加価値サービスの構築

《成長戦略2 グローバル戦略の強化》

グローバル市場で圧力センサのAshcroftブランドを確立し、地産地消を推進します。

① メキシコのケレタロ工場で北米市場を主体に生産開始・機種拡充へ

② 中国工場でメキシコ同様の製造ラインを導入

③ 欧州の製造拠点をドイツに集約したうえで現地生産の検討

《成長戦略3 新たな事業領域の拡大》

独創技術による製品開発で事業領域を拡大します。

① 光学式圧力センサの特性(極微圧から超高圧、極低温から超高温)を活かし、極限環境下における用途開発

   と品揃えの拡充

② 高精度圧力計測・制御開発

 高精度圧力校正機器の開発・補完により、計測制御機器セグメントを強化

《成長戦略4 経営基盤の強化》

サステナビリティ・ESG経営を推進します。

環境・社会・ガバナンスの社会課題に取組み、環境への配慮、社会の充実、グループ企業統治を強化し、企業価値の向上を図ります。

① GHG削減活動の推進

② 環境負荷低減製品の開発・供給推進

③ 廃棄物・有害物質抑制製品の開発・供給

④ 女性・中核人材等における多様性の確保

⑤ 人材育成と社内環境整備への取組

⑥ サプライチェーンマネジメント・腐敗防止の構築

⑦ グループガバナンス強化への取組

⑧ DXの推進とサイバー・データセキュリティの強化

⑨ サステナビリティへの取組と開示

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループは、「社是」及び「一芸を極めて世界に挑戦」の企業理念のもと、環境、社会、ガバナンスの社会課題に取り組み環境への配慮、社会の充実、グループ企業統治等を強化し、中長期的な企業価値の向上を図っております。

 当社グループは、2023年5月12日公表いたしました第2次中期経営計画の3ヵ年を、「モノづくりのあくなき探求心を礎に強靭な経営基盤を構築し、社会的課題への貢献と企業価値向上に取り組む」をスローガンに2030年度の指標となる成長フェーズに繋げる重要な期間と位置付け、事業活動を通じてグループの中長期的な企業価値向上と経営の根幹を支える経営基盤を強固なものにするため、このサステナビリティ・ESG経営を推進してまいります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

 当社は、サステナビリティ基本方針に基づく重要課題の取組内容、重要目標(KPI)等に関する承認・決定、進捗管理・見直し審議、取締役会への報告を行うサステナビリティ委員会を設置しております。

 サステナビリティ委員会の位置付けは、第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要をご参照ください。

 当社グループは、リスクマネジメント委員会において、「気候変動」を事業リスクとして位置付けております。

さらに、気候変動に関連する項目は、サステナビリティ委員会およびその下位組織である環境管理委員会でTCFDまたはそれと同等の枠組みに沿った分析・評価を実施し、リスクマネジメント委員会と連携し、取組を推進してまいります。

当社の取締役会は、サステナビリティ委員会で審議を経たサステナビリティ活動計画の実施状況の報告を受け監督する体制となっております。

 

(2)戦略

①サステナビリティ基本方針

第2次中期経営計画の根幹をなすサステナビリティ・ESG経営を実現するために、この基本的な考え方であるサステナビリティ基本方針を新たに策定し、2023年2月の取締役会で決議いたしました。このサステナビリティ基本方針をもとに、経営資本を効率的に投下するため、サステナビリティに関する重要課題を選定し、その主要施策を策定し取組んでまいります。

サステナビリティに関する重要課題及び主要施策は以下のとおりです。

投下する資本

重要課題

主要施策

財務資本

環境(E)

環境と調和する

事業活動

・GHG削減活動の推進

・環境負荷低減製品の開発・供給(GX)推進

・廃棄物・有害物質抑制製品の開発・供給

製造資本

社会(S)

人間尊重と多様性

・女性・中核人材等における多様性の確保

社会・関係資本

活力ある職場環境

・人材育成と社内環境整備への取組

知的資本

社会との融合・

地域発展の貢献

・サプライチェーンマネジメント・腐敗防止の構築

人的資本

ガバナンス(G)

透明・健全・公正な企業活動

・グループガバナンス強化への取組

・サステナビリティへの取組と開示

・DX化の推進とサイバー・データセキュリティの強化

自然資本

 

②女性・中核人材等における多様性の確保

 ア.基本的な考え方

当社グループは、女性の活躍促進を含む社内の多様性(ダイバシティ)の確保が、会社の持続的な成長・発展の為に不可欠であると認識しております。また、長野計器グループ企業行動憲章の「人間尊重」において、あらゆる企業活動において、社員の多様性、人格、個性を尊重すると宣言しており、多様性尊重の方針を明確にしています。

 

 

当社は多様性の確保に関し、女性の管理監督者の積極的登用を目標に、以下の施策へ継続的に取組んでいます。

・男女ともに仕事と家庭とを両立できる職場風土づくり

・性別ではなく業務適性を最重要視した人員配置の推進

・非正規社員から正社員への社員登用転換制度の積極的運用

併せて、多様な視点や価値観創造のため、他社からの中途採用も積極的に取組んでまいります

 イ.人材の育成に関する方針

・経営戦略に照らし合わせた人事制度の改正によるマネジメントの強化含めた人材育成

・研修体系や人事配置における社員の自主性を考慮した体系の構築

・人材公募制度を積極的に活用した意欲ある社員の自律的なキャリア形成の促進

ウ.社内環境整備に関する方針

・ワーク・ライフ・バランスの実現で働く人の人生をより豊かにし、生産性の向上を図るために、システム導入による長時間労働の是正を図る。

・テレワークの推進はじめ柔軟な働き方ができる環境を整備するとともに、社員の意見や要望を反映した制度や社内規程の見直しを進める。

・2022年度認定された「健康経営優良法人」における取組施策をベースに、働きやすく活力ある職場環境を整備していく。

③ガバナンス

ガバナンスに関する基本的な考え方は、第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方をご参照ください。

(3)リスク管理

当社グループは、サステナビリティに関連するリスクについて、リスクマネジメント委員会で全社的なリスク管理を行うにあたり、リスクの発生可能性と影響度を勘案したうえでリスクの評価を行い、当委員会に報告しております。

当社グループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、主な気候変動に関連するリスクの内容と対策は、第2 事業の状況 3.事業等のリスクをご参照ください。このうち、サステナビリティに関連するリスクと機会を識別し、重要課題と関連させたリスク要因と機会を評価し、かつその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと想定される事項は以下のとおりです。

① 気候変動に関するリスク

重要課題

内容

対応策

環境と調和

する事業活動

リスク

法政策・

法規制

・炭素税導入による生産費用の増加

・再エネ政策規制強化・再エネ使用による生産費用増加

・炭素税動向情報の取集

・GHG排出削減活動の推進

 

市場

環境負荷低減製品の需要拡大による生産遅延・需要不透明

・市場動向戦略の策定

・製造費用の価格転嫁

技術

環境負荷低減製品の技術開発の遅れ

・環境負荷低減製品の技術開発の推進

評判

環境への取組開示の不足

・Web情報開示の充実

物理的

・異常気象による停電・断水・設備破壊・生産停止

・BCPの準備不足

・代替発電の検討・設備更新・製造資源の確保

・BCP全体計画の策定

機会

資源効率

・設備更新・維持、新規導入

・GHG排出量の削減

・高性能設備の導入

・GHG排出削減活動の強化

エネルギー源

再生エネルギー導入検討

・太陽光発電等の検討

市場

低炭素製品における需要拡大

・水素・アンモニア向製品の

需要調査

製品・サービス

・低炭素製品への資源集中

・不採算製品からの撤退

・水素・アンモニア向製品の

開発

・部材の見直し

レジリエンス

・BCP全体計画による被害軽減

・IoT技術導入・ネットワーク補強

 

・生産活動の効率化

・BCP全体計画の策定

・リモート勤務、遠隔操作の

検討

・自動生産設備の導入

 

 

② 人材の確保及び育成に関するリスク

当社グループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、人材の確保及び育成に関連する主なリスクの内容と対策は、第2 事業の状況 3.事業等のリスクをご参照ください。このうち、サステナビリティに関連する主なリスクと機会を識別し、重要課題と関連させ、かつその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと想定される事項は以下のとおりです。

重要課題

リスク

機会

対応策

人間尊重と

多様性

・採用難、熟練した経験を有する社員の退職による人材確保の困難

・各分野における人員確保により生産性向上、質の高い人材への採用

・各種媒体・ルートによる積極的採用の推進

 

・技能が継承されず生産性の低下

 

・新しい発想・発明または技能継承による重点分野への製品開発の促進

・部内異動(ローテーション)の促進

 

活力ある職場環境

・技能継承・スキル向上への研修の遅滞、社員のスキル低下、モチベーションの低下

 

・社員間における競争力強化、キャリアアップの加速化

 

・社内育成方針・社内環境整備方針による取組実施

・社内研修制度の充実検討

・社内人事制度の見直しの推進

・技術力の低下における製品開発の遅滞、停滞

 

・優位性のある製品開発、新製品及び高付加価値製品の開発促進

・管理職・監督職の育成

・スキル・経験の充実を目的とした制度の検討

・語学力のある社員減少によるグローバルコミュニケーションの停滞・遅延

 

・グローバル人材の採用による海外グループ会社とのシナジー効果促進

 

・継続的及び系統的な英語教育の実施

・海外地域間派遣・育成制度の検討

・健康管理体制の整備遅延、取組の遅滞による社員の心身へのストレス増大に伴う退職、休職、生産性への悪影響、労働災害の増加

・ワークライフバランス、生産性及びモチベーションの向上

 

 

・健康経営優良法人における健康経営に関する取組の推進

・サステナビリティ委員会下位組織の安全衛生委員会活動の推進

・賃金体系の不備、見直しの遅延による社員モチベーション低下

 

・帰属意識の定着による業務改善、生産性の向上

 

 

・社内人事制度の見直しの推進

・新規賃金体系制度の整備検討

 

(4)指標及び目標

 当社グループは、第2次中期経営計画(2023年度-2025年度)において、GHG削減活動の推進及び女性、中核人材等における多様性の確保において、測定可能な目標を策定いたしました。その測定可能な目標においては以下のとおりです。

①GHG削減活動の推進

2030年度においてはGHG排出量を2013年度比50%の削減目標とし、その中間目標として2025年度に30%削減する(Scope1・Scope2当社単体)。

②女性、中核人材等における多様性の確保

2025年度において女性の監督職を監督職総数の20%以上を目標にする。

 

 

3【事業等のリスク】

当社グループでは全社的なリスクの発生及び損失の最小化を図るために、「リスクマネジメント基本規程」を制定し、リスクマネジメント委員会を設置しております。(第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要に記載されている図表をご参照ください)

リスクマネジメント委員会は当連結会計年度では2回開催しており、全社的なリスク管理を行うにあたっては、リスクの発生可能性と影響度を勘案したうえでリスクの評価を行い、事務局より評価結果をリスクマネジメント委員に報告しております。リスクは、以下のとおり戦略リスク、財務リスク、ハザードリスク及びオペレーショナルリスクに分類し、分類したリスクのうち、3年以内に発生する可能性が高く、かつ影響度が大きいものについては、優先度を高めて施策・対策を実施し、リスクの予防または軽減に努めます。また、リスクが顕在化し、危機・非常事態が発生した場合には、「危機・非常事態管理規程」に基づき、迅速的確な初期対応により、事態の拡大防止と早期の収束に努めます。

当社グループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項は以下のとおりです。

以下の記載のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

 

事業等のリスク

 

国内外の政治社会・経済危機・金融・資本市場の混乱

 

気候変動に関するリスク

戦略リスク

(1)

市場環境の変動

 

(2)

競争力

 

(3)

国際的活動及び海外進出

 

(4)

多額の設備投資

 

(5)

仕入先への生産依存

 

(6)

投資等に係るリスク

 

(7)

人材の確保及び育成

 

(8)

新製品開発力

財務リスク

(9)

有価証券投資

 

(10)

為替レートの変動

ハザードリスク

(11)

災害や停電等の影響

 

(12)

情報セキュリティに関するリスク

オペレーショナルリスク

(13)

ステークホルダーの信頼及び企業価値に関するリスク

(14)

コンプライアンス・内部統制に関するリスク

 

(15)

環境保全に関するリスク

 

(16)

製品の欠陥

 

(17)

設備の更新

 

 

 (国内外の政治社会・経済危機・金融・資本市場の混乱)

リスク内容

 地政学リスクの顕在化により政治社会並びに金融・資本市場の混乱が生じ、当社グループの事業活動及び保有資産の価値に影響が生じる可能性があります。また、リーマンショック級の世界金融危機が発生し、同じく当社グループの事業活動及び保有資産の価値に影響が生じる可能性があります。

対応策

 当社グループでは、顧客需要に可能な限り応えるよう、情勢を勘案し、政治社会・経済危機、金融・資本市場の混乱への回避、具体的には、代替生産並びに販路の構築など可能な範囲で対応を図ってまいります。

 

 

 

(気候変動に関するリスク)

リスク内容

 当社グループは、世界全体において地球温暖化の急速な深刻化から、これまでに類のない大規模洪水など異常気象に伴う大規模自然災害が生じ、または地殻変動による大規模地震が生じることにより、人的被害及び財産的被害の甚大化によることで経営成績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、この地球温暖化の主要因である炭素を主成分とするGHG(温室効果ガス)を大量に排出することにより、地球温暖化を加速させることも、同様に経営成績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

対応策

 当社グループは、地球温暖化を緩和し、GHG排出量削減への取組を促進することに加え、当社グループの強みである圧力計測技術と製造技能を最大限発揮した環境負荷低減製品の推進により、低炭素社会に向けて、環境保全とバランスを重視した事業活動に取組んでまいります。また、TCFD提言への賛同を検討し、同開示枠組みに沿った気候変動に関する企業情報の開示の検討も進めてまいります。

 

 

 

(戦略リスク)

(1) 市場環境の変動

リスク内容

 当社グループの事業は、国内外における設備投資動向の影響を受ける傾向にあります。また、国内外の経済環境の変動、取引先及び仕入先の経営環境の変動並びに主要部材の特殊性から入手困難等による大幅な納期遅れの発生、主要部材の供給遅延及び素材価格の上昇を販売価格へ転嫁できない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

対応策

 当社グループは、国内外の経済環境の変動、取引先の経営環境の変動による製品需要に対応するよう改善を進めてまいります。また、生産計画達成するための生産能力の拡大及び人員増強などにより製品需要の対応に向けた取り組みを推進してまいります。

 当社グループは、主要部材等を複数の仕入先から購入する等適時適量に調達を可能とする生産体制を更に進めてまいります。特に、仕入先が限定され、または、切替えが困難である主要部材(電子部品等)は、購買力及びサプライチェーンの見直し・拡充により早期に納期遅延の解消に向けた取組を推進してまいります。

 

 

 

 

(2) 競争力

リスク内容

 当社グループの市場における価格競争は、大変厳しいものとなっております。特に国内市場においては、海外メーカーとの競争が激化しております。

 当社グループでは、技術的優位性を基盤に高品質、高性能な製品を市場に送り出しておりますが、製造原価の増加等により価格面で有効な対応ができない場合は市場を失うこととなり、業績に影響を及ぼす場合があります。

対応策

 当社グループは、製品の事業採算性向上をテーマに掲げ、設計変更や機種統廃合による部品・構造の共通化によるコストダウンに取り組んでまいります。

 広範な計測領域または温度範囲を計測できる製品開発と製品力強化に取り組んでまいります。

 

 

 

(3) 国際的活動及び海外進出

リスク内容

 当社グループの海外拠点は北米、アジア、欧州等に展開しており、海外売上高は全体の約5割を占めております。拠点国及び取引先における政情不安、内乱、テロ、戦争、経済政策、情勢の急変などが発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

対応策

 当社グループとしては、現地での政情等に関する動向は、海外拠点スタッフの情報網に加え、日本においても積極的に情報を入手することで適切に対応してまいります。

 また、このような情報収集により、生産拠点および販売拠点の状況を正確に把握し、地産地消により顧客の購買促進につながる製品の製造販売を進めてまいります。

 

 

 

(4) 多額の設備投資

リスク内容

 当社グループでは設備投資を実施するにあたり、投資効果を総合的に勘案し、計画的に実施していく方針です。しかしながら、多額の設備投資に対して製品需要が想定を大きく下回った場合、過剰な減価償却費負担、設備除却及び減損により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

対応策

 新規の量産製品販売の検討にあたっては、製品判定会議により設備投資の妥当性を事前に審議しており、重要な投資にあたっては取締役会による承認決議を条件に実施することにより、当該リスクの回避を進めております。

 

 

 

(5) 仕入先への生産依存

リスク内容

 当社グループは、重要部品及び重要加工工程を当社グループ内で製造するよう努めると同時に、仕入先への委託生産体制を整備しております。

 しかし、一部には特定の仕入先に依存している重要部品及び重要加工工程が存在しており、これらについては必要に応じて戦略的な購買措置を講じておりますが、重要部品の不足及び重要加工工程の遅れが発生した場合、製品の供給遅延、品質管理に支障をきたす可能性があります。

対応策

 当社グループでは、リスク回避のために、重要部品及び重要加工工程の複数社購買等、より一層の戦略的な購買措置を進めてまいります。

 当社は、高性能及び高品質な製品の中核となる重要部品の自社開発及び当該部品については、効率性のある加工工程の設計に努めます。

 

 

 

(6) 投資等に係るリスク

リスク内容

 当社グループは、単独または他社と共同で新会社の設立や既存会社の買収等を行ってきました。これら事業投資は多額の資本を必要としますが、新会社及び買収会社の業績が著しく悪化した場合や経営方針の転換が行われた場合に、当社グループが希望する時期及び方法で撤退できない可能性や追加資金の拠出を余儀なくされる可能性があります。当社グループは、投資等に係るリスクの未然防止のため、新規投資等の実施に際してはリスクに見合う利益創出等が得られているかの検証を含めたリスク管理を行っておりますが、これら投資等の価値が低下した場合あるいは追加資金拠出が必要となる場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

対応策

 当社グループでは、リスク回避のために、投資先企業とのアライアンス関係の定期的な見直しを進めてまいります。

 当社グループは、中長期的な企業価値の増大またはグローバルシェアの拡大を進めるアライアンス戦略及びその達成に向けた施策を慎重に検討し、新規投資には、リスクに見合う利益創出等を得られるよう進めてまいります。

 

 

 

(7) 人材の確保及び育成

リスク内容

 当社グループの製品開発及び製造において、保有技術の継承は不可欠なものとなっております。新たな人材を確保するとともに、既存の人材を育成することは企業の維持と成長に必須ですが、人材の確保及び育成が円滑に進まず、従業員の高齢化等に伴い保有技術を継承できない場合には、当社グループの将来の成長と業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

対応策

 当社グループでは、技術と技能の継承を見据えて、新卒・中途を問わず計画的かつ積極的な採用態勢をとっております。人材育成方針及び社内環境整備方針を策定し、社員育成の充実とワークライフバランスがとれた活力ある職場環境の充実を進めてまいります。第2次中期経営計画では、ESGへの取組や公平で透明性の高い人事制度の刷新をテーマに掲げ、企業としての魅力向上により人材の確保に努めてまいります。

 

 

 

(8) 新製品開発力

リスク内容

 市場の技術的な進歩や需要の変化などを充分に予測できず、魅力ある新製品を開発できない場合には、将来の成長と収益力を低下させ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

対応策

 当社グループの中期経営計画では、顧客視点の高付加価値商品開発をテーマに掲げ、営業・技術・製造の横断的な部門間連携の強化により、顧客ニーズに的確に応える技術開発に取り組んでまいります。

 

 

 

(財務リスク)

(9) 有価証券投資

リスク内容

 当社グループは、技術提携等を目的とした株式の相互保有としての有価証券投資を行っております。有価証券市場の動向により、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

対応策

 当社では有価証券の保有状況を定期的に取締役会に報告し、有価証券の保有及び処分の適否を検討しております。

 当社は、中長期的な企業価値向上に貢献しないと判断した有価証券を縮減していく方針です。

 

(10) 為替レートの変動

リスク内容

 為替変動は、当社グループの外貨建取引から発生する資産及び負債の円換算額に影響を与えます。また、在外子会社の外貨建財務諸表における円換算による金額変動により、連結財務諸表に与える影響が増大する可能性があります。

対応策

 当社グループの場合、他の通貨に対する円高は利益を減少させ、円安は利益を増加させる傾向にあります。なお、為替リスクを回避するためのリスクヘッジ方法を検討しております。

 

 

 

(ハザードリスク)

(11) 災害や停電等の影響

リスク内容

 大規模な地震、風水害等の自然災害や停電、火災等の影響により、原材料や部品の調達、生産活動、製品の販売などに遅延や停滞が生じ、それが長期間にわたる場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

対応策

 当社グループでは、非常時においても当社製品の根幹となる受圧部の生産設備の保護に 重点をおいて対策を講じる方針です。

 また、災害や停電等が起きた場合、早急な復旧を行えるよう社内規程等に従い、被災のないグループ会社または同事業者に生産を委託することを推進してまいります。

 

 

 

 

(12) 情報セキュリティに関するリスク

リスク内容

 悪意をもった第三者によるサイバー攻撃や情報セキュリティ事故、犯罪行為等により、当社グループ各社のシステム停止等の問題が発生する可能性があります。

 情報セキュリティ事故が起こった場合、当社グループの営業活動及び生産活動等がストップすることや、当社グループの情報セキュリティにおける信用が損なわれる可能性があります。

対応策

 当社グループは、情報セキュリティシステムの導入や情報セキュリティマネジメント体制の強化など、情報セキュリティ事故を未然に防ぐ対策をとっております。また、工場や生産ライン設備がIoT化されたことにより生じるリスクを想定し、対策を検討しております。

 

 

 

(オペレーショナルリスク)

(13) ステークホルダーの信頼及び企業価値に関するリスク

リスク内容

 当社グループは、経営者および従業員等の不適切な対応等により、株主をはじめとするステークホルダーの信頼を損ない当社グループからの離反等した場合は当社グループの企業価値、成長及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

対応策

 当社グループは、企業倫理の優先による健全な事業活動を基本とする当社グル―プ企業行動憲章を制定し、コンプライアンス推進体制の運用の徹底を進めます。2021年11月に発覚した当社元従業員等による一連の不正行為に対する再発防止策で定めたとおり、経営者と従業員のコンプライアンス意識の強化等の諸施策に全社を挙げて取り組んでおります。

 経営の透明性向上を図るため、財務情報のみではなく非財務情報を開示するよう努めております。

 

 

(14) コンプライアンス・内部統制に関するリスク

リスク内容

 当社グループは、企業努力を果たしていてもコンプライアンス上のリスクを完全には回避できない可能性があり、法令等に抵触する事態が発生した場合、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害に対する賠償金等の支払い等により、当社グループの企業業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

対応策

 当社グループは、企業倫理の優先による健全な事業活動を基本とする当社グル―プ企業行動憲章を制定し、コンプライアンス推進態勢・体制を推進しております。上記(13)の対応策に記載の諸施策について全社を挙げて取り組んでおります。

 

 

 

(15) 環境保全に関するリスク

リスク内容

 当社グループは、有害物質(有毒ガスを含む)、廃棄物、水銀による土壌・地下水の汚染並びにRoHS2規制違反による汚染などに関する種々の環境関連法令及び規制等の適用を受けております。将来の環境関連法令及び規制等の遵守、環境改善取組の追加的な義務、環境規制への適応が極めて困難な場合及び不測の事態などによる環境に関連する費用の増加、環境規制違反による事業停止、環境規制への未対応による顧客喪失などの可能性があり、それらが発生した場合は当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

対応策

 当社グループは、製品生産販売の際に適用される種々の環境関連法令及び規制等を遵守する体制を厳格に運用いたします。ISO14001当社システムによる設備点検、監視、測定を徹底し、該当する設備の更新または環境関連法令及び規制に適合した製品づくりを実施することで当該リスクの回避を進めております。

 

 

 

(16) 製品の欠陥

リスク内容

 当社グループは、世界的に認められている品質管理基準(ISO9001、IATF16949、ISO13485)に従って、各種の製品を製造しております。しかし、全ての製品について欠陥が無く、将来においてリコールまたは製造物賠償責任が発生しないという保証はありません。大規模なリコールや製造物賠償責任につながるような製品の欠陥は、多額のコストが発生する可能性があり、また、当社グループの製品の信用に重大な影響を与えることにより需要が減少した際には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

対応策

 当社グループは、仕入先及びグループ会社に対して、製品の品質向上のための技術的改良、重要部品及び加工工程の品質指導による当該リスクの回避を進めてまいります。

 製品欠陥が生じた場合は、直ちに生産工程の見直しを図り、製品及び重要部品の生産方法の変更並びに生産工程の強化を行い、最小限の損失に留めるよう努めてまいります。

 

 

 

(17) 設備の更新

リスク内容

 当社グループは、高付加価値製品の開発及び製造に継続的に注力しておりますが、革新的技術の台頭、顧客要求の変化等により、開発設備が陳腐化する可能性があります。設備の更新が円滑に進まない場合には、当社グループの競争力に悪影響を及ぼす可能性があります。

対応策

 当社グループでは、設備の性能や稼働状況を検討しつつ、必要な設備更新に取り組んでまいります。また、中期経営計画又は事業計画に沿った定期的な老朽設備の更新を行い、老朽化設備は主管部署で更新を進めてまいります。

 また、生産設備の停滞と停止に備えて予備部品を在庫するよう努めます。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、ウクライナ危機の長期化に加えて、世界的なインフレにより、依然として先行き不透明感の強い状況が続きました。

米国においては、堅調な設備投資が景気を支えてきたものの、インフレや金利上昇により、景気回復に陰りが見え始め、欧州においては、物価上昇やエネルギー供給面で先行き不安を抱える状況となりました。

中国においては、ゼロコロナ政策の緩和により経済活動は回復しつつありますが、景気の回復ペースは緩やかなものとなりました。

わが国においては、円安による輸入仕入価格の上昇等の影響があるものの、内需中心の機械受注や建設工事受注は高水準を維持する状況が続きました。

このような経営環境のもと、当社グループの当連結会計年度の業績は、設備投資需要の増加を背景に、前期に対して売上高は増加し、営業利益においても、人件費の増加及び新規設備の導入による減価償却費の増加などの影響はあったものの、前期を上回る結果となりました。さらに為替差益の計上等により、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は前期を上回りました。

国内においては、産業機械業界向及び半導体業界向の圧力計及び圧力センサの売上が増加しましたが、自動車搭載用圧力センサ及び一部電子部品の入手が困難な建設機械搭載用圧力センサの売上が減少いたしました。米国子会社においては、堅調な設備投資を背景に、主力の産業機械関連製品を中心に売上が増加いたしました。これにより、売上高は605億43百万円(前期比10.2%増)となりました。損益面につきましては、営業利益は47億25百万円(前期比33.0%増)となり、経常利益は49億54百万円(前期比14.9%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は34億10百万円(前期比35.7%増)となりました。

 

 セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

 

〔圧力計事業〕

圧力計事業では、国内においては、産業機械業界向、空圧機器業界向、半導体業界向、空調・管材業界向の売上が増加いたしました。米国子会社においては、堅調な設備投資を背景として、産業機械業界向の売上が増加いたしました。加えて、円安による円換算額の増加もありました。

この結果、圧力計事業の売上高は304億83百万円(前期比17.1%増)となり、営業利益は15億1百万円(前期比38.0%増)となりました。

 

〔圧力センサ事業〕

圧力センサ事業では、国内においては、産業機械業界向、半導体業界向の売上が増加したものの、自動車搭載用圧力センサ、建設機械搭載用圧力センサの売上は減少いたしました。米国子会社においては、圧力計事業と同様に、産業機械業界向の売上が増加いたしました。加えて、円安による円換算額の増加もありました。

この結果、圧力センサ事業の売上高は192億円(前期比6.5%増)となり、営業利益は26億12百万円(前期比50.9%増)となりました。

 

〔計測制御機器事業〕

計測制御機器事業では、前期は好調であった自動車・電子部品関連業界向のエアリークテスターの売上が減少し、生産自動化用の空気圧機器の売上も減少いたしました。

この結果、計測制御機器事業の売上高は46億51百万円(前期比6.0%減)となり、営業利益は4億93百万円(前期比5.7%減)となりました。

 

〔ダイカスト事業〕

ダイカスト事業では、自動車業界を主要取引先としているダイカスト製品の売上が増加いたしました。費用面においては、金属材料価格の高騰による影響を受けました。

この結果、ダイカスト事業の売上高は43億93百万円(前期比8.5%増)となり、営業利益は88百万円(前期比2.8%増)となりました。

 

〔その他事業〕

その他事業では、前期は好調であった自動車用電装品の売上が減少いたしました。費用面においては、円安により外貨建て仕入価格が増加いたしました。

この結果、その他事業の売上高は18億14百万円(前期比3.5%減)となり、営業利益は26百万円(前期比78.4%減)となりました。

 

 財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ72億82百万円増加し628億63百万円となりました。これは主に、商品及び製品が21億56百万円増加し、使用権資産を22億15百万円計上したことによるもの

です。

 

(負債)

 負債につきましては、前連結会計年度末に比べ30億85百万円増加し295億53百万円となりました。これは主に、短期借入金が22億97百万円、固定負債のリース債務が19億21百万円増加した一方、長期借入金が8億65百万

円減少したことによるものです。

 

(純資産)

 純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ41億96百万円増加し333億10百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加等により株主資本合計が28億16百万円増加し、退職給付に係る調整累計額が6億43百万

円、為替換算調整勘定が6億62百万円増加したことによるものです。

 これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末から0.7ポイント増加の51.7%となりました。

 

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は63億38百万円となり、前連結会計年度末61億59百万円に対し、1億78百万円の増加となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、得られた資金は22億19百万円(前年同期は28億13百万円の収入)となりました。

 収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益49億32百万円、減価償却費17億85百万円であり、支出の主な内訳は、棚卸資産の増加額27億15百万円によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、使用した資金は19億99百万円(前年同期は23億3百万円の支出)となりました。

 支出の主な内訳は、生産設備等の有形固定資産の取得による支出19億8百万円によるものです。

 

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、使用した資金は2億61百万円(前年同期は15億51百万円の支出)となりました。

 収入の主な内訳は、短期借入金の純増減額19億88百万円であり、支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出(純額)12億53百万円、配当金の支払額6億53百万円、社債の償還による支出1億90百万円によるものです。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

  当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

圧力計

30,937,465

116.9

圧力センサ

19,200,060

106.5

計測制御機器

4,681,342

92.3

ダイカスト

4,393,209

108.5

その他

1,767,652

98.5

合計

60,979,729

110.0

 (注)金額は販売価格によっております。

 

 

b.受注実績

  当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

圧力計

32,365,378

116.3

6,619,902

139.7

圧力センサ

21,006,257

98.4

8,081,689

128.8

計測制御機器

4,737,063

92.9

1,284,093

107.1

ダイカスト

4,393,209

108.5

その他

1,758,106

92.2

665,708

102.7

合計

64,260,014

106.7

16,651,392

129.5

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.ダイカストは受注残高を計上しておりません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

圧力計

30,483,929

117.1

圧力センサ

19,200,060

106.5

計測制御機器

4,651,997

94.0

ダイカスト

4,393,209

108.5

その他

1,814,728

96.5

合計

60,543,925

110.2

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度において、総販売実績の10%を超える相手先はありません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、605億43百万円(前期比10.2%増)となり、前連結会計年度に比べて55億91百万円増加いたしました。セグメント別の売上高については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 

(売上総利益)

当連結会計年度は、国内においては、産業機械業界向及び半導体業界向の圧力計及び圧力センサの売上が増加しましたが、自動車搭載用圧力センサ及び一部電子部品の入手が困難な建設機械搭載用圧力センサの売上が減少いたしました。米国子会社においては、堅調な設備投資を背景に、主力の産業機械関連製品を中心に売上が増加いたしました。これにより、売上原価は429億40百万円となり、当連結会計年度における売上総利益は176億2百万円(前期比12.2%増)、前連結会計年度に比べて19億19百万円の増加となりました。

 

(営業利益)

販売費及び一般管理費は、128億77百万円(前期比6.2%増)となり、当連結会計年度における営業利益は、47億25百万円(前期比33.0%増)となりました。これは主に、売上総利益が増加したことによります。

 

(経常利益)

 当連結会計年度における営業外収益は、前期発生した受取保険金により前連結会計年度に比べ4億84百万円減少し、6億11百万円(前期比44.2%減)となりました。

 当連結会計年度における営業外費用は、銀行への支払利息増加により前連結会計年度に比べ45百万円増加し、3億82百万円(前期比13.6%増)となりました。

以上の結果、当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べ6億42百万円増加し、49億54百万円(前期比14.9%増)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における特別利益は、前連結会計年度に比べ1百万円減少し、2百万円(前期比38.6%減)となりました。

当連結会計年度における特別損失は、前期計上した減損損失により前連結会計年度に比べ1億23百万円減少し、24百万円(前期比83.5%減)となりました。

また、税金費用の減少及び非支配株主に帰属する当期純利益の減少等により当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、34億10百万円(前年同期比35.7%増)となりました。

 

 財政状態の分析

 当連結会計年度の財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」記載のとおりであります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)財政状態及び経営成績等の状況 ②キャッシュ・フローの状況」記載のとおりであります。

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、材料及び製品の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資の取得等によるものであります。

 短期運転資金は自己資金及び金融機関から短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入金を基本としております。

 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、157億68百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、63億38百万円となっております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表にあたって、当社経営陣は、決算日における資産・負債の報告数値、偶発債務の開示、各連結会計年度における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。

 経営陣は、貸倒引当金、従業員の退職給付費用、繰延税金資産に関する見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。

(貸倒引当金)

債権の貸倒による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。

(退職給付引当金)

従業員の退職給付費用については、各連結会計年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき引当計上しております。これらは割引率、昇給率、死亡率、年金資産の長期期待運用収益率等の重要な見積りを加味して計上しております。

(繰延税金資産)

繰延税金資産については、将来の利益計画に基づいて課税所得を見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について計上しております。なお、当該課税所得を見積るにあたって、前提とした条件や仮定に変更が生じ、これが減少した場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。

実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況

 2024年3月期の連結業績目標として、連結売上高678億円、営業利益率9.0%以上、自己資本利益率(ROE)10.0%以上確保を掲げております。

 この目標値は2023年3月に策定した数値であり、有価証券報告書提出日現在、妥当であると判断しております。

 当連結会計年度における連結売上高は605億43百万円であり、営業利益率は7.8%、自己資本利益率は11.2%となりました。連結売上高、営業利益率、自己資本利益率は2023年3月期の目標を上回っており、引き続き当該指標の目標達成に邁進していく所存です。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動には、新規事業を目指した新規技術開発及び製品開発と、既存分野における製品開発及び改良・改善業務があります。

当社の研究開発及び新規技術開発を伴う製品開発は開発センターが担当し、新型圧力センサ素子、各種産業向圧力センサとその応用製品、圧力計、システム製品などの製品開発は、技術本部内の各部門が担当しました。また、車載用圧力センサ開発は車載センサ技術部が担当しました。

子会社においては、圧力計、圧力センサ、圧力制御機器、計測制御機器の研究開発活動を推進しました。

当社グループにおける研究開発、技術スタッフは206名(内、子会社90名)で、当連結会計年度の研究開発費は1,366百万円となりました。

 

「新たな事業領域の拡大」として、

極低温、超高温、超高圧から極微圧などの極限環境下での計測を可能とする計測システムの実用化開発として、カーボンニュートラル実現に向けて成長が期待される水素関連事業向けに光干渉技術を用いた液化水素(−235℃)計測用圧力センサの開発を進めました。

また、グリーンイノベーション戦略に呼応した省人化、省エネ化につながるロボット産業の高度化に貢献できるトルクセンサの開発および、計測制御機器のシステム化も当社の「成長戦略」に位置付けて売上拡大分野として製品開発を進めました。

高付加価値サービスの提供を目的とする新たなモニタリングシステムの実用化では、鉄道橋梁桁の定期検査を自動化する装置を大手鉄道事業者様、大手情報関連機器メーカー様と共同開発を進めました。

海上輸送の分野では、加速する船舶のDX化(デジタルトランスフォーメーション)に必要となる船体構造応答モニタリングシステムの開発を大学や造船会社などと連携して実用化開発を進めました。

 

「既存事業の競争力拡大施策」の主な内容として、

産業計測分野では、2050カーボンニュートラル実現に向けたエネルギー政策として掲げられている水素・アンモニア利用に関わる圧力計測製品のラインアップ拡充として、船舶規格であるNK認証取得製品を開発し発売を開始しました。

半導体装置産業分野では、装置のデジタル化対応としてIO-Link対応デジタル微差圧計に新たにデジタル表示機能を追加した拡充製品を開発し発売を開始しました。

IoT(internet of things)を考慮したワイヤレス型圧力センサ・圧力計では、顧客ニーズの探索を行い、機種拡充やシステム化開発を進めました。

圧力センサ、圧力計に関する研究・基礎開発においては、市場のニーズや成長分野の予測を基に、コアとなるセンサ素子の性能向上やレンジ拡大のためのプロセス開発を推進し、200℃以上の高温下でも計測可能な圧力センサ素子や、医薬・製薬向けとして小口径(ISO 15Aヘルール)接続可能なフラッシュタイプの圧力センサ素子を開発しました。

車載分野では、大手自動車会社向けの第3世代燃料電池(FC)システム用圧力センサの技術検証を大手自動車会社と共同で推進しました。

また、大手ティア1との協業で開発をした次世代ガソリン直噴エンジン用圧力センサの量産を開始しました。本製品はプラグインハイブリッドに組合せされる高燃費・高出力の新型直噴エンジンに適用されることから、従来よりも高圧で、高精度・高安定性を実現しました。

 

計測制御機器分野では、自動運転や安全機能に欠かせない各種センサ用、更には電子部品や電子製品の気密性試験用の機器・装置の製品開発を推進しました。

また水素社会に向けた漏れ検査およびEV化に伴ってより厳しい漏れ検査要求に対応する高感度ポータブル水素リークディテクタの製品化、2次電池対応や半導体製造装置搭載用の高性能電空レギュレータや接液・接ガス部を銅・亜鉛フリー化した半導体薬液製品漏れ検査用のエアリークテスタの製品開発を推進しました。

医薬包装関連では、ワクチンなどを充填するバイアル瓶の漏れ検査装置の製品開発を推進しました。

 

「グローバル戦略の強化」として、

圧力センサの地産地消を促進させるため、当社製センサ素子を利用して米国でのニーズを考慮した(多品種・少量を実現できる)新規圧力センサの開発を進めました。

欧州自動車産業市場においては、ドイツ自動車会社のBEV(バッテリー電動車)搭載のヒートポンプ式エアコン用圧力センサ半製品の量産をドイツ子会社のJADEと連携し開始しました。

この期間の開発成果として、以下の新製品他を発売し出荷を開始しました。

 

(EJ15・KJ91 船舶規格:NK認証取得)

EJ15,KJ91は、次世代エネルギーである水素・アンモニア計測に対応した圧力センサです。各国防爆規格に加え、新たに燃料輸送船や大型船舶用エンジン用途として、船舶規格のNK認証取得と製品拡充を行いました。

 

(ZT17 高温用圧力センサ (200℃対応) 仕様拡充)

最先端の半導体プロセスに適合可能な仕様として、プロセスガスの滞留を最小限に抑制した構造、特殊表面処理技術、溶接技術、新たに開発した200℃対応の圧力センサ素子の搭載など、高温圧力計測用途に対応した半導体産業用高温用圧力センサを発売しました。

 

(GC02 高精度デジタル微差圧計)

当社SCセンサ素子(シリコン・キャパシタンスセンサ)を用い、精度±0.25%F.S.でかつ多彩な信号形態を切替出力可能とし、視認性の高い大画面LCDディスプレイを搭載した製品であり、さまざまな用途での採用が期待できる製品として発売しました。

 

(EK30 IO-Link対応デジタル微差圧計 仕様拡充)

IO-Link対応により工場設備のIoT化推進、省力化に貢献できるデジタル対応製品として、昨年発売開始したEK30(IO-Link対応デジタル微差圧計)に続き、新たにカラーLCD搭載デジタル表示機能を追加した拡充製品を発売しました。

 

(SU75 小口径サニタリ圧力トランスミッタ)

顧客要求の小口径(ISO 15Aヘルール)接続および高圧レンジ対応のため、新規圧力センサ素子を開発搭載し、封入液を使用しない乾式圧力トランスミッタとしてSU75の製品仕様拡充を行い、医薬・製薬向けをターゲットとして発売しました。

 

(ポータブル水素リークディテクタHDA-0100)

1×10-6 Pa・m3/sの微少な漏えい水素を検出するポータブル水素リークディテクタです。充電式バッテリー搭載で使い勝手がよく、水素を使用した機器のメンテナンスから、希釈水素を使用した汎用の漏れ検査まで幅広く使用可能な検出器として発売しました。

 

(ステンレス仕様エアリークテスタFLS-0100)

接ガス部の主材料をステンレス、フッ素ゴム、テフロンとしたエアリークテスタで、半導体製造装置、薬液を使用する装置などで使用する漏れ検査用として発売しました。

 

(卓上式グロスリークテスト装置MSA-0101)

イメージセンサーなど大型の電子部品に対応し、従来のフルオロカーボン液を使わずドライ試験が可能な卓上グロスリークテスト装置として発売しました。

 

(密封品リークテスト装置MSZ-0701)

防水規格IPX7,IPX8相当が必要とされるウェアラブル端末や屋外使用電子機器において、ドライ試験可能な卓上密封品エアリークテスト装置として発売しました。

 

(汎用圧力計 「8009 S」/海外実施)

外枠を取り外しが可能なバヨネット式として、指針の調整が可能な圧力計を発売しました。目盛径63mmと100mmの大きさで各種取り付け形状に対応しており、隔膜と組み合わせて使用することができます。従来製品と同等の機能で、低価格対応が可能です。

 

(汎用圧力センサ「S1」/海外実施)

当社製圧力センサ素子を応用した汎用圧力センサS1を開発し、当社グループのメキシコ・ケレタロ工場での生産を開始しました。圧力センサ素子と圧力導入継手とを接合する技術を採用したことにより、継手材質の選択幅が広がり、アルミ、黄銅、軟鋼、ステンレス鋼から用途に応じて最適な材質を選択できる製品です。

 

このような研究開発活動を進める一方、現製品の改良・改善業務に技術要員を割り当て、既存製品に対するユーザーからの要求に対応して、性能向上とコストの改良改善を進めました。

 

当社グループは以上のような開発体制を形成しており、生産技術を含む全技術スタッフは247名、全従業員の11.0%となっております。