(1)経営方針
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、企業のあらゆるマーケティング活動をテクノロジーで支援し、日本とアジアに貢献するため、パーパスを設定し、その実現に向けて事業を展開しております。Business Purpose(ジーニーのプロダクトやサービスが実現する世界観)として、「誰もがマーケティングで成功できる世界を創る」、Corporate Purpose(組織の長期目標・存在意義)として、「日本発の世界的なテクノロジー企業となり、日本とアジアに貢献する」としております。
今後も日本発のテクノロジーカンパニーとして、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に取り組んでまいります。
(2)経営戦略等
当社グループでは、創業来の主力サービスであるインターネットメディアの広告収益最大化プラットフォーム「GENIEE SSP」が持つ大量の広告配信データと顧客基盤を活かし、広告主向けの「GENIEE DSP」「GENIEE DMP」といったアド・プラットフォーム事業を展開しています。また、CRM(顧客管理)/SFA(営業管理)システム「GENIEE SFA/CRM」、マーケティングオートメーション「GENIEE MA」、チャット型Web接客プラットフォーム「GENIEE CHAT」、サイト内検索ASP・ECサイト向け商品検索サービス「GENIEE SEARCH」などBtoB向けSaaSプロダクトの提供も開始し、事業領域を拡大しております。さらに、2012年(創業3年目)からは海外事業展開に着手し、サービス提供地域の拡大も図っております。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、収益の源泉となる「売上収益」と収益力の基礎指標である「売上総利益」に加えて、本業での収益力の基礎数値である「営業利益」の3指標を重視しております。
(4)中期経営計画(2023~2025年度)
2023年度から始まる中期経営計画 ~First Magic 2025 Towards 2030 Vision~ を策定しました。
本中期計画では、2030年までに「誰もがマーケティングで成功する世界を国内で限定的に実現する」という新たな成長軌道を創るための「Phase1(アドテク事業再強化)」として、ユニークで圧倒的な顧客価値を創造するために、組織文化の向上、ケイパビリティの強化、生産性の維持・向上、プラットフォームの拡充、技術革新、競争優位性の獲得を実施するとともに、継続的成長投資を図り、更なる企業価値向上を図って参ります。
①2022年度の振り返りと課題認識
a.2022年度の振り返り
<定量面>
・全体としては、売上総利益を除き全て達成
・広告プラットフォーム事業、海外事業は、上期は好調な滑り出しで過去最高益を大きく更新する業績を
出すも、第4四半期にかけて国内外の広告収益単価がやや減退
<定性面>
・サービスの拡充
広告プラットフォーム事業では、GENIEE Auto Adsの開発、RMP事業、及びDOOHの連携先の開拓等により、
サービスラインナップを拡充。
マーケティングSaaS事業は、CATS及びHypersonicのサービス開始。
海外事業では、Zelto,Inc.買収による北米、APACのSSP領域を拡大。
・成長スピード
広告プラットフォーム事業、海外事業のリセッションにより広告収益単価が下がることで、第4四半期に
事業減退。
マーケティングSaaS事業は、エンタープライズ顧客へのシフトによりアカウント数の増進に寄与するも、
タクシー広告によるSFA/CRMのリード獲得の増進は限定的。
・経営管理
OKRによる目標設定・管理手法を導入し、チームや個人の評価と連動。
セグメント別、プロダクト別の週次ベースのKPI、KGI管理による目標GAPを把握し、更に達成力を向上。
b.課題認識
市況要因含め業績の一部未達を重要課題として認識したため、2023年度以降にOKR管理/KPI管理を更に強化し、
業績達成力を向上させる。
②中期計画全体方針
2030年のありたい姿、ビジョンの達成に向けて、2023年~2025年までの3ヵ年を「Phase1(アドテク事業再強化)」として位置付けております。基本方針は事業戦略、経営基盤強化を国内外の軸で策定しております。
主な方針としては、短期的なリセッションが見込まれるものの、次の好況に向けて、国内外のアドテクノロジー事業を再グロースさせるとともに、マーケティングSaaS領域では、強力な販売パートナーの開拓とエンタープライズ領域での更なるシェア拡大を見込みます。高い費用対効果を実現し、好況でない時期でも顧客に高いメリットを実現していきます。また、グローバル水準のコーポレート体制構築、AIの活用とビジネス推進を優先度高く推進し、革新的なビジネスを提供していきます。
③継続的成長投資
本中期経営計画の中で、継続的成長投資を実現させるための財務方針を策定しました。
a.Cash In
資金調達コスト抑制しつつ、主に営業キャッシュ・フローを確保し、安定的なキャッシュポジションを確保。
b.Cash Out
投資においては、オーガニック成長を重視しつつ、事業投資・M&Aを推進。
(5)対処すべき課題
当社グループが対処すべき主な課題は、以下のとおりです。
① 技術革新及びインターネット業界の変化への対応
当社グループが事業を展開するインターネット業界は、第4次産業革命とも言われるデジタル産業革命が進む中、大きな変化と可能性が想定されます。主力事業が属するインターネット広告市場では、ビッグデータやAI(人工知能)の活用による広告配信の精度向上や自動化の促進、IoTの進展やデジタルサイネージの活用による広告バリエーションの増加等の変化が考えられます。また、マーケティングSaaS事業が属する情報通信サービス市場では、企業のデジタルトランスフォーメーションを支援するサービスの提供が強く求められています。こうした中、当社グループは、インターネット業界の技術革新を牽引し、新たな市場の変化を捉えたプロダクトをいち早く開発・提供することが、今後の事業規模拡大に必要不可欠であると考えております。
② 新規事業の創出及びM&A等による事業領域の拡大
当社グループは、創業来の主力サービスであるインターネットメディア向けの広告収益最大化プラットフォーム「GENIEE SSP」を主軸とするアドテクノロジー領域に加え、2016年7月よりマーケティングオートメーション「GENIEE MA」の提供を開始し、マーケティングテクノロジー領域における事業領域を拡大しております。SaaSビジネス領域を拡大するため、2021年8月には、顧客獲得・管理チャットボットを開発・提供する株式会社REACTを完全子会社化しました。2022年2月に、重点領域であるEC顧客(D2C)へのサービス拡充及び収益機会の拡大のため、CATS株式会社を完全子会社化しました。2022年7月に、ランディングページを高速化しコンバージョン率の改善をサポートするためにHypersonic株式会社を完全子会社化しました。また、2023年2月に、弊社提供サービスとの連携・機能拡充とともに、世界各地のインターネットメディアへ価値提供を可能とする目的のために、Zelto,Inc.を完全子会社化しました。
今後も、国内外の企業様が抱える様々なマーケティング課題の解決に向け、新規事業の創出や事業シナジーが発揮できる分野でのM&A等により、積極的に事業領域の拡大に取り組んでまいります。
③ 海外市場におけるシェア拡大及び新市場の開拓
当社グループは、2012年から海外事業展開に着手し、現在、シンガポール・ベトナム・インドネシア・タイに
加え、インド・北米に現地拠点を置き、現地の大手通信キャリアやアドネットワーク等、現地企業様向けに「GENIEE SSP」等のサービスを提供しています。今後も、インターネット広告市場の高い成長率が見込まれるアジア地域を中心に、既存拠点における顧客開拓、さらには未展開地域の市場開拓に取り組み、グループ全体の事業規模拡大を図ってまいります。
④ 開発体制の強化
当社グループでは、提供しているプロダクトの企画や開発・運用等を内製化しております。このため、技術革新や市場の変化を捉えた最先端のプロダクトを開発・提供することが、事業規模拡大に必要不可欠であると認識しております。今後も、最先端の技術動向のキャッチアップと技術力の向上を図り、顧客ニーズを捉えた開発をスピーディーに行うべく、開発体制の強化に取り組んでまいります。
⑤ 優秀な人材の確保及びグローバル組織体制の強化
当社グループは、更なる事業拡大と業界革新を実現していく上で、優秀な人材の確保やグローバル組織体制の強化が必要不可欠であると認識しております。このため、各事業フェーズに合わせ即戦力となる人材確保を目的とした中途採用と、組織の活性化を目的とした新卒採用を積極的に行っています。また、グローバルで業界を牽引する人材の育成を重点課題と位置づけ、職種別・階層別研修の実施や、専門資格の取得支援、英語学習支援等、幅広い成長機会の創出・支援を行っています。さらに、年齢や国籍等に制限なく、高いスキルや潜在的な能力、情熱を持つ人材を積極的に登用し、適材適所を見極めながら事業状況に合わせた臨機応変な組織改編をスピーディーに行うことで、グローバルで強い組織体制を作ってまいります。
⑥ ブランディングの強化
当社グループは、アドテクノロジー業界において一定の認知を得ているものの、中長期で更なる事業拡大を図り成長を加速していく上で、会社及びプロダクトのブランディングを強化していく必要があると考えております。2022年1月にお客様にサービスをより分かりやすく、使いやすく提供できるよう、新ブランド「GENIEE Marketing Cloud」「GENIEE Ads Platform」を立ち上げ、プロダクト名とロゴを刷新しました。国内はもちろんのこと、グローバルでのPR活動を含めて、費用対効果を見極めた広告宣伝活動及び広報活動等を行ってまいります。
⑦ 内部管理体制の強化
当社グループは、急速な事業環境の変化に適応し、継続的な成長を維持していくために、内部管理体制の強化が重要であると認識しております。このため、事業規模や成長ステージに合わせバックオフィス機能を拡充していくとともに、経営の公正性・透明性を確保するための内部管理体制強化に取り組んでまいります。具体的には、事業運営上のリスク管理や定期的な内部監査の実施によるコンプライアンス体制の強化、社外役員の登用、J-SOXに対応した内部統制システムを活用した監査の実施によるコーポレート・ガバナンス機能の充実等を行ってまいります。
⑧ システムの安定性の確保
当社グループは、インターネット上で顧客にサービスを提供しており、安定した事業運営を行うにあたり、国内外での市場シェア拡大や新規プロダクトの提供、海外拠点の効率的運用等を念頭に置いた、サーバー設備の増強や負荷分散システムの導入等が必要不可欠であると認識しております。今後も、中長期的な視点から設備投資を行い、システムの安定稼働及びセキュリティ管理体制の維持構築に取り組んでまいります。
⑨ 不適切な広告配信に対する監視体制の強化について
当社グループは、顧客に提供する価値を担保するために、当社が配信する広告に係る品質管理の徹底が重要な課題であると認識しております。具体的には、不正な広告表示、錯誤を誘発する広告表示及び違法コンテンツを掲載するインターネットメディアへの広告配信の監視、また、成人向け広告の取り扱いに関する社内方針を定め、該当する広告取引の減少に努めてまいります。
当社グループは、企業のあらゆるマーケティング活動をテクノロジーで支援し、日本とアジアに貢献するため、パ
ーパスを設定し、その実現に向けて事業を展開しております。Business Purpose(ジーニーのプロダクトやサービス
が実現する世界観)として、「誰もがマーケティングで成功できる世界を創る」、Corporate Purpose(組織の長期
目標・存在意義)として、「日本発の世界的なテクノロジー企業となり、日本とアジアに貢献する」としておりま
す。今後も日本発のテクノロジーカンパニーとして、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に取り組んでまいります。
世界的な気候変動への対応や自然環境の保全は、当社グループの持続的な成長において、重要なテーマであると考えており、環境経営と成長戦略の一体化は不可欠であると考えております。当社グループでは、経営資源と蓄積したノウハウなど、グループ全体の強みを活かしながら、環境問題の解決と利益創出の両立を目指しております。
当社グループは中期経営計画(2023年5月11日開示)において、サステナビリティへの取り組みを開示させて頂きました。本中期計画の中でサステナビリティに関する取組において、主なESG課題のうち、特に社会とガバナンスに重点を置き、従業員に対するフェアな機会提供やキャリアモチベーションの増進、社内コミュニケーションを促進するための制度を幅広く採用してまいります。また、上場企業としてのガバナンスを重視し、従業員が適法かつ適正に業務遂行するための行動規範の徹底や、財務報告の信頼性と透明性を高める仕組みを構築してまいります。
(1)ガバナンス
当社は、サステナビリティ経営への取り組みは、上級執行役員CFO管掌の投資戦略部を中心としたコーポレート部門、ビジネス部門と協同してグループ横断的に取り組んでおります。サステナビリティ課題の特定や見直しをはじめとして、気候変動や生物多様性などの「環境問題」やダイバーシティや労働環境、人権などの「社会問題」に関する施策・方針、取組状況などについて各種施策毎に審議・議論を行っております。
今後も施策・方針、取組状況については情報開示の充実に努め、サステナビリティ経営実現にむけた取り組みを牽引してまいります。
(2)戦略
当社は、サステナビリティ(持続可能性)を実現するために、コーポレート・サステナビリティ(企業が環境・経済・社会全体への影響を考慮しながら継続的な経営を目指す取り組み)を積極的に推進してまいります。
中期経営計画において、コーポレート・サステナビリティ戦略として、E(環境)、S(社会)、G(ガバナンス)領域に対して取組を設定し、項目毎にSDGsの目標を設定しております。
今後は、ESGを重視し継続的な企業成長と企業価値向上を図るサステナビリティ経営を推進してまいります。
〈人材の育成及び社内環境整備に関する方針/人材戦略〉
当社グループでは、人材の多様性や変化の激しい市場環境に対応し、常に迅速に事業成長できる組織への力に変えるため、女性、外国人、様々な経験を持つキャリア採用者など、多様な人材の登用、起用を積極的かつ継続的に行ってまいりました。また、それぞれの特性や能力を最大限活かせる職場環境の整備や管理職層の教育などを行ってまいりました。
その取り組みのひとつであるダイバーシティマネジメント(多様性を活かす組織づくり)は、変化する社会環境や経営状況、従業員の多様化において必須のものと認識し、各種取り組みを進めております。具体的には、制度面では働く時間や場所の柔軟化(フレックスタイム制等)、マインド面ではメンター制度、その他施策では、社内公募しているポジションに対し、社員が自由に応募することができる制度である「ジーニードラフト制度」やエンジニアを除いた正社員で基準を満たす場合、海外拠点のノウハウ伝授等を目的として、海外拠点での勤務を志望することができる「グローバルチャレンジ制度」などを実施しております。また、上司部下間での1on1ミーティングの強化等、全社的な人材育成や自律的なキャリア構築支援のためのさまざまな取り組みを実施しております。
今後も、従業員の誰もが当社グループで働くことに価値と誇りを感じ、成長の機会や自分らしい人生を歩めるよう、様々な取り組みを行うとともに、従業員の成長を社会へ還元していく意識改革を推進してまいります。
(3)リスク管理
SDGs(持続可能な開発目標)への関心の高まりから、サステナビリティに対して十分配慮された商品やサービスを選択・購入する傾向が全世界的に広がっております。その上、従業員に対する生命の安全や健康配慮など人権に配慮した活動は、働く人々のパフォーマンス向上にもつながります。一方で主に海外での低賃金や賃金未払い、長時間労働、安全や衛生が不十分な労働環境などの問題に対し、自社だけでなくグループ会社を含めたバリューチェーンを通じて企業が一定の責任を果たすことが社会全体から求められており、規制の制定や見直しが各国で加速しております。
このような企業価値の変革、労働上の差別等への対応は、グローバルで活動する当社グループにとっては、重大なサステナビリティリスクとなっております。特に労働上の差別等の課題に対し、適切な対応が取られていない場合、顧客との取引の停止や行政罰、また自社ブランドに対する社会的信頼の損失につながる可能性があります。
(4)指標及び目標
コーポレート・サステナビリティ実現のためにE(環境)、S(社会)、G(ガバナンス)領域に対して主な取組みを設定し、継続して取組んでいきます。
■Environment(環境)
・資源有効活用し環境負荷低減(原則、電子サインによる見積書や基本契約締結を促進)
■Social(社会)
・リフレッシュ休暇、働くパパママ応援制度等、快適に働きやすい環境の整備を推進
■Governance(ガバナンス)
・コンプライアンス委員会の定期的開催や、セクハラ・パワハラポリシーの社内周知の徹底
〈人材の育成及び社内環境整備に関する方針(人材戦略)の指数及び目標〉
当社グループにおける連結従業員においては、コーポレート、ビジネスを問わず、外国籍人材のほかジェンダー平等に配慮した人材の採用を進めており、親会社においては、女性の積極採用等により女性社員の比率は徐々に高まっています。(女性比率は、 昨年度28%から30%に上昇しており、特に親会社における新卒採用の女性比率が14%から32%に増加)また、当年度にZelto,Inc.を買収したことにより、外国人比率も42%と上昇し、当社グループ人材の多様化が推進しております。
当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる事項は、以下のとおりです。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1)事業環境に関するリスク
① インターネット広告市場の動向及び競争環境について
当社グループが主たる事業を展開するインターネット広告業界は、市場規模が過去10年足らずで急速に拡大いたしました。インターネットに限らず、広告事業は一般的に景気動向の影響を受けやすい傾向があります。今後、景気の悪化、広告予算の減額、または市場規模が想定したほど拡大しなければ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、依然として激しい競争環境の中で、当社グループは競合優位性を確立し競争力を高めるべく様々な施策を講じております。しかしながら、必ずしもこのような施策が奏功し競合優位性の確立につながるとは限らず、その場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 技術革新への対応について
当社グループのサービスは、インターネット関連技術に基づき事業展開しておりますが、インターネット関連分野は新技術の開発及びそれに基づく新サービスの導入が相次いで行われており、非常に変化の激しい業界となっております。また、広告を表示するデバイス面においては、スマートフォンやタブレットなどの端末の普及が急速に進んでおり、新技術に対応した新しいサービスが相次いで展開されております。
このため、当社グループは、エンジニアの採用・育成や創造的な職場環境の整備、また特にスマートフォンに関する技術、知見、ノウハウの取得に注力しております。
しかしながら、係る知見やノウハウの獲得が困難な場合、また技術革新に対する当社グループの対応が遅れた場合には、当社グループの競争力が低下する可能性があります。更に、新技術への対応のために追加的なシステム、人件費などの支出が拡大する可能性があります。このような場合には、当社グループの技術力低下、それに伴うサービス品質の低下、そして競争力の低下を招き、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 海外事業のリスクについて
当社グループは、シンガポール、ベトナム、インドネシアに加え、インド・北米に子会社を有しており、アジア地域を中心に北米でインターネット広告事業を展開しております。海外事業は、当社グループの将来の成長投資と位置づけており、今後も適宜事業を展開してまいりますが、各国特有の商習慣や政府規制等に対応できない等により事業の推進が困難になった場合には、投資を回収できず、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 自然災害等について
当社グループの事業活動に必要なサーバーについては、自然災害、事故等が発生した場合に備え、外部のデータセンターの利用や定期的バックアップ、稼働状況の監視等によりシステムトラブルの事前防止又は回避に努めております。ただし、万一、当社本社の所在地である東京都において大地震や台風等の自然災害や事故等により、設備の損壊や電力供給の制限等の事象が発生した場合、当社が提供するサービスの継続に支障をきたす可能性があります。また、損害を被った設備等の修復や被害を受けた従業員に対する補償等の費用が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)事業内容に関するリスク
① 広告プラットフォーム事業について
ⅰ 季節変動について
当社グループの広告プラットフォーム事業の売上は、広告主の広告予算により構成されるため、広告主による月ごとの予算配分に影響を受け、12月及び決算月(主に3月)に集中する傾向にあります。
このため、安定的に月次業績が推移する業種に比べ、売上及び利益の変動が起こりやすいほか、繁忙期に業務が継続するような労働力を確保しておく必要があるため、変動が大きく下振れ幅が顕著な場合には当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。
ⅱ 不適切な広告配信に対する監視体制の強化について
当社グループの広告プラットフォーム事業においては、顧客に提供する価値を担保するために、当社が配信する広告に係る品質管理の徹底が重要な課題であると認識しております。具体的には、不正な広告表示、錯誤を誘発する広告表示及び違法コンテンツを掲載するインターネットメディアへの広告配信の監視、また、成人向け広告の取り扱いに関する社内方針を定め、該当する広告取引の減少に努めております。しかしながら、万一、予期せぬ要因により、これらの対応に不備が生じた場合、顧客への損害補填が必要となる等、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② マーケティングSaaS事業について
マーケティングSaaS事業においては、2016年7月よりマーケティングオートメーション「GENIEE MA」、2018年6月よりCRM(顧客管理)/SFA(営業管理)システム「GENIEE SFA/CRM」、2018年11月よりチャット接客ツール「GENIEE CHAT」の提供を開始し、2020年11月にはサイト内検索サービス、ECサイト検索サービスなどを提供しているビジネスサーチテクノロジ株式会社を完全子会社化し、2021年8月に株式会社REACTを、2022年2月にCATS株式会社を、2022年7月にHypersonic株式会社を完全子会社化し積極的に事業領域を拡大しております。
現在、シェア獲得と事業の拡大に注力していますが、顧客企業の獲得やマネタイズ(収益化)方策の進捗等が計画通りに推移しない場合には、事業の黒字化が遅滞し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
(3)事業の拡大・展開に関するリスク
① 特定事業への依存について
当社グループの収益は、当連結会計年度末時点において、創業期から経営資源を集中してきた主力事業である「GENIEE SSP」の割合が高くなっております。現在、「GENIEE DSP」やデジタルOOH領域の事業、CRM(顧客管理)/SFA(営業管理)システム「GENIEE SFA/CRM」、マーケティングオートメーション「GENIEE MA」、チャット接客ツール「GENIEE CHAT」など事業領域の拡大を図ることで収益基盤の強化・拡大を図っております。今後につきましては、各事業の市場シェア拡大を図るとともに、新機能・新規サービスの開発にも取り組んでまいります。
しかしながら、事業環境の変化等により、当社グループの上記施策が想定通りに進まない場合や、取引先における配信ポリシーの変更又はシステム障害等により取引量等が減少した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② ソフトバンクグループとの取引について
当連結会計年度末時点において、当社グループは、当社議決権を31.7%所有するソフトバンク株式会社を含むソフトバンクグループに属しており、ソフトバンクグループは当社グループのその他の関係会社に該当いたします。ソフトバンクグループの中で、当社グループは持分法適用会社として属しておりますが、当社取締役会の承認事項に関して特別取り扱いを定めた契約等は締結しておらず、当社グループの取締役会の独立性は確保されております。
また、提出日現在の当社の取締役(監査等委員である取締役を除く。)3名のうち1名は、その豊富な経験に基づく経営体制の強化等を目的として、ソフトバンク株式会社から招聘しております。その者の氏名並びに当社及びソフトバンクグループにおける主な役職は以下のとおりであります。
|
当社における役職 |
氏名 |
ソフトバンクグループにおける主な役職 |
|
取締役(非常勤) |
町田 紘一 |
ソフトバンク株式会社 デジタルマーケティング本部 新規事業推進室長 |
当連結会計年度における当社グループのソフトバンクグループ(注)との取引総額は、当社グループの売上総額については1,544,146千円、費用に係る取引総額は797,610千円であります。ただし、ソフトバンクグループの事業方針等により取引条件の変更が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(注)「ソフトバンクグループ」とは、ソフトバンクグループ株式会社とその子会社ソフトバンク株式会社、ヤフー株式会社及びLINE株式会社等を意味しております。
③ サービス領域の拡大について
当社グループは、技術やビジネスモデルの移り変わりが速いインターネットを軸とした多岐にわたる事業をサービス領域としています。新しいサービスを創出し、また時代の流れに即したビジネスモデルを構築する目的で、新規のサービス領域に参入を行っています。新規サービスを開始するに当たっては、相応の先行投資を必要とする場合があるほか、そのサービス固有のリスク要因が加わることとなり、本項に記載されていないリスク要因でも、当社グループのリスク要因となる可能性があります。
新規参入した市場の拡大スピードや成長規模によっては、当初想定していた成果を挙げることができない可能性があります。また、サービスの停止、撤退等においては、事業用資産の処分や償却を行うことにより損失が生じる可能性があります。その場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 他企業の買収や投資等に関するリスク
当社グループは成長戦略の一環として、他企業の買収や他企業への投資を行うことがあります。買収を行う際には、対象企業の事業モデル、財務内容、契約関係、及び労務関係等について詳細な事前調査を行い、事業リスクを極力回避するように努めておりますが、買収を実施した後に、偶発債務や未認識債務の発生、被買収企業に対して当社グループの内部統制を適切かつ有効に運用できないことにより不正行為やコンプライアンス上の問題等が発生する可能性も考えられます。また、買収によって新たにのれんが発生し、その償却費用が増加する可能性があります。これらの要因により、期待する成果を達成できない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
⑤ 減損に関するリスク
当社グループは、有形固定資産及び無形資産(ソフトウエア、のれん等)及び投資有価証券を保有しております。経営会議及び取締役会にて事業リスクの把握と速やかな対処を行い、極力事業リスクを回避するように努めておりますが、市場環境の急激な悪化や競争環境の激化などにより、有形固定資産及び無形資産を保有する事業に減損兆候があり、かつ事業収益から得られる将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回る場合は減損処理を行います。投資有価証券は、投資先企業の財政状況の悪化などにより、投資価値が毀損したと判断した場合には減損もしくは引当金計上の処理を行います。これら減損処理により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
また、当社グループは、連結財務諸表について国際財務報告基準(以下「IFRS」という。)を適用しておりますが、IFRSにおいては、日本において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準と異なり、のれんの規則的な償却は不要となります。他方、のれんについては、年1回及び減損の兆候が存在する場合にはその都度、回収可能価額を見積もっております。のれんの効果である回収可能価額がのれんの帳簿価額を下回る場合には、のれんの減損処理を行う必要が生じる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)事業運営体制に関するリスク
① 人材の確保及び育成について
当社グループの成長を支えている最大の資産は人材であり、優秀な人材を採用し育成することは当社グループにとって重要な課題であると認識しております。したがって、優秀な人材の確保と育成については最大限の努力を払っておりますが、事業内容の急速な変化、事業規模の急拡大に伴う業務量の増加、及び人材マーケットの需給バランスやその他何らかの要因により、必要な人材の確保や育成ができなかった場合、若しくは重要な人材の流出や想定以上の退職者が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② システムリスクについて
当社グループの事業は、そのサービスを、サーバーを中心とするコンピュータシステムからインターネットを介して顧客に提供しております。これらのサービスにおいては、システムの増強やバックアップ体制の強化など安定稼働のために常に対策を講じておりますが、機器の不具合、自然災害、想定を超える急激なアクセス増、コンピュータウィルス等によりコンピュータシステムや通信ネットワークに障害が発生したり、不正なアクセスによりプログラム等の内容が改ざんされた場合、サービスの停止を余儀なくされる他、状況によっては顧客からの信用が低下したり損害賠償を請求されたりするなど、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 訴訟リスク、取引上のトラブルについて
当社グループは、リスク管理体制の整備・改善を継続的に図ってまいりますが、国内外を問わず積極的に事業拡大を推進していく上で、顧客・取引先・株主・従業員を含む第三者の権利・利益を侵害したとして、損害賠償などの訴訟を起こされる可能性があります。その結果、当社グループの事業展開に支障が生じたり、企業イメージが低下したりする可能性があるほか、金銭的負担の発生により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 法的規制について
インターネットを規制する国内の法律として「個人情報の保護に関する法律」があります。当社グループは、SSP、DSP、DMP等のサービスのプラットフォームを通じて、Cookie(クッキー)技術を利用し、当社と提携するWebサイトを閲覧したユーザーの行動履歴(アクセスしたURL、コンテンツ、参照順等)等を取得することがあります。
現時点では当社グループの事業の阻害要因になっておりませんが、今後、インターネット広告に関するサービスを提供するうえで新たな法律の制定や既存の法律が改正されたり、自主規制が求められたりした場合には、サービスの提供が制約を受け、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 情報セキュリティ及び個人情報の管理について
当社グループでは、CRM(顧客管理)/SFA(営業管理)システム「GENIEE SFA/CRM」、マーケティングオートメーション「GENIEE MA」、チャット接客ツール「GENIEE CHAT」にて、導入企業様から顧客情報等の情報資産をお預かりしております。当社グループは、これらの個人情報の管理に関して、プライバシーポリシーを策定し、その遵守に努めております。さらに、プライバシーマーク認定を取得するなど、個人情報の管理に関して水準の維持・向上に取り組んでおります。しかしながら、何らかの事情によって外部からの不正手段によるサーバー等のネットワーク内への侵入や役職員の不適切な作業により、システム障害や情報流出事故が発生した場合は、当社グループの社会的な信用低下、被害を受けた企業・個人等からの損害賠償等によって当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 知的財産権について
当社グループでは、第三者の知的財産権侵害の可能性については調査可能な範囲で対応を行っておりますが、当社グループのサービスにおいて、知的財産権侵害の可能性を完全に把握することは困難であります。何らかの事情により当社の保有する知的財産権について、侵害があった場合もしくは他社の知的財産権を侵害し、差止請求もしくは損害賠償請求を受けた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 内部管理体制について
当社グループは、企業価値の持続的な増大を図るにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であるとの認識のもと、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守の徹底が必要と認識しており、内部管理体制の充実に努めております。しかしながら、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、内部関係者の不正行為等が発生しないよう、国内外の法令・ルールの遵守及び定期的な内部監査等で遵守状況の確認を行っております。しかしながら、法令等に抵触する事態や内部関係者による不正行為が発生する可能性は皆無ではないため、これらの事態が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 特定人物への依存について
当社の代表取締役社長である工藤智昭は、当社の創業者であり、創業以来の最高経営責任者であります。同氏は、インターネット広告におけるサービスの開発技術及びそれらに関する豊富な経験と知識を有しており、技術的判断、経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において極めて重要な役割を果たしております。
当社グループでは、取締役会や経営会議等における役員及び幹部社員の情報共有や経営組織の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。
しかしながら、何らかの理由により同氏が当社グループの業務を継続することが困難になった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 社歴が浅いことについて
当社は2010年4月に設立された社歴の浅い会社であります。現在まで、収益について成長を継続しておりますが、インターネット広告業界を取り巻く環境はスピードが速く流動的であるため、当社グループにおける経営計画の策定には不確定事象が含まれざるを得ない状況にあります。また、そのような中で過年度の財政状態及び経営成績からでは今後の業績を予測するには不十分な面があります。
(5)その他
① 配当政策について
当社は、利益配分につきましては、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続して実施していくことを基本方針としております。
しかしながら、現時点では配当を行っておらず、また今後の配当実施の可能性及び実施時期については未定であります。今後の株主への剰余金の配当につきましては、業績の推移・財務状況、今後の事業・投資計画等を総合的に勘案し、内部留保とのバランスをとりながら検討していく方針です。
② ストック・オプションの行使による株式価値の希薄化について
当社は、当社取締役及び従業員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブとしてストック・オプションを付与しているほか、今後も優秀な人材確保のためストック・オプションを発行する可能性があります。
これらのストック・オプションが権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する1株当たりの株式価値を希薄化させる可能性があります。なお、2023年3月末現在、これらのストック・オプションによる潜在株式数は44,650株であり、発行済株式総数(自己株式を除く)17,682,924株の0.3%に相当しております。
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループは当連結会計年度から、従来の日本基準に替えて「国際財務報告基準(以下、IFRS)」を適用しており、前連結会計年度の数値もIFRSに組み替えて比較分析を行っております。
当社グループの主力事業が属するインターネット広告市場は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けたものの成長を続け、運用型広告のさらなる拡大や巣ごもり需要によるソーシャル広告、動画広告の増加により2022年のインターネット広告媒体費は前年比115.0%の2兆4,801億円となり、2023年には2兆7,908億円(※1)まで拡大すると見込まれております。
また、当社グループが事業領域を拡大しているSaaS市場は、企業における働き方の変化や業務のデジタル化推進など、DX(デジタルトランスフォーメーション)の一環として成長をさらに加速させており、2026年には約1兆6,681億円(※2)へ拡大する見通しです。
国内経済においては、新型コロナウイルス感染症の収束に伴う活動制限緩和から、ウィズコロナの下で経済活動正常化に向かう一方、テレワークの普及やオンラインショッピング、非接触型決済の拡大など、デジタル技術を活用した生活・消費行動への移行が進んでおります。
このような事業環境の下、当社グループは、企業のあらゆるマーケティング活動をテクノロジーで支援し、日本とアジアに貢献するため、パーパスを新たに設定しました。Business Purpose(ジーニーのプロダクトやサービスが実現する世界観)として、「誰もがマーケティングで成功できる世界を創る」、Corporate Purpose(組織の長期目標・存在意義)として、「日本発の世界的なテクノロジー企業となり、日本とアジアに貢献する」としました。また、パーパス実現に向けて、お客様にサービスをより分かりやすく、使いやすく提供できるよう、新ブランド「GENIEE Marketing Cloud」「GENIEE Ads Platform」を立ち上げ、プロダクト名とロゴを刷新しました。
今後も日本発のテクノロジーカンパニーとして、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に取り組んでまいります。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
・広告プラットフォーム事業
広告プラットフォーム事業では、Webサイトやスマートフォンアプリ上に、各々の閲覧者に合った広告を瞬時に選択し表示させる技術(アドテクノロジー)を使って、インターネットメディアや広告主の広告収益や効果を最大化させるプラットフォームを提供しております。具体的には、インターネットメディア向けの「GENIEE SSP」や広告主/広告代理店向けの「GENIEE DSP」等があり、これらプラットフォームのOEM提供も行っております。
「GENIEE SSP」や「GENIEE DSP」経由で広告が配信されると、広告表示回数や単価に応じて広告主から当社グループへ広告掲載料が支払われます。広告代理店や他社DSP、アドネットワーク、OEM提供先を介して広告が配信される場合は、広告主からそれらを経由して広告掲載料をいただいております。
当期は、サプライサイドビジネスにおいては、Web広告のページの長さやユーザー行動に応じた柔軟な配信制御を可能にする「GENIEE Auto Ads」の提供を開始したほか、プロダクトの大幅なアップデートや拡販を行いました。また、デマンドサイドビジネスにおいては、コロナ禍でも伸びているECサイトやオンラインサービスを中心に事業を拡大しました。さらに、リテールメディア向け収益最大化プラットフォーム「GENIEE RMP」の提供を開始しました。「GENIEE RMP」は、リテールメディアにおける広告出稿・配信機能を備え、小売・EC事業者の持つメディアへ組み込むことが可能です。当社の広告プラットフォーム事業で提供している媒体者向け収益最大化プラットフォーム「GENIEE SSP」と、広告主向け広告効果の最大化プラットフォーム「GENIEE DSP」のテクノロジーやプラットフォームの技術知見を活用し、小売・EC事業者向けに特化してサービスを提供します。デジタルOOH(※3)領域においては、Google提供のDSP「ディスプレイ&ビデオ360」と連携を開始し、屋外広告媒体との新規取引や新規DSPとの連携など、継続的に広告配信面の拡大と流通量の増加に努めました。
この結果、同事業の売上収益は、3,918百万円、セグメント利益は2,163百万円(前期はセグメント利益1,719百万円)となりました。
当連結会計年度より、広告プラットフォーム事業において、GENIEE Ads Platformシステムによる広告取引の収益については、従来は本人としての取引に該当し、売上収益及び売上原価を区分して表示する方法(総額表示)によっていましたが、規約または契約条件の変更に伴い、代理人としての取引に該当することになったため、売上原価を売上収益から控除する方法(純額表示)に変更を行っております。
・マーケティングSaaS事業
マーケティングSaaS事業では、企業のマーケティング活動の支援を目的としたBtoB向けSaaSプロダクトを中心に、顧客企業の広告運用代行サービスを含めた各種ソリューションを提供しております。具体的には、営業活動における商談管理のための営業管理システム(SFA)及び顧客管理システム(CRM)「GENIEE SFA/CRM」、企業のマーケティング活動を自動化し、効率的に潜在顧客の集客や購買意欲等の向上を実現するマーケティングオートメーション「GENIEE MA」、国内有数の導入企業社数4,500社を誇るチャット型Web接客プラットフォーム「GENIEE CHAT」、サイト内検索・ECサイト向け商品検索サービス「GENIEE SEARCH」などがあります。
「GENIEE SFA/CRM」「GENIEE MA」「GENIEE CHAT」「GENIEE SEARCH」などのSaaSプロダクトでは、基本的に導入企業様より月額でシステムやサービスの利用料をいただいております。
当期は、「GENIEE SFA/CRM」などの各プロダクトの機能強化を進めたほか、ChatGPTを用いたメッセージ自動作成機能をリリースし、「GENIEE CHAT」の一機能としてサービスの提供を開始しました。追加機能としては、商品に関連するキーワードを入力するだけでメッセージを複数自動作成することが実現しました。また、重点領域であるEC顧客(D2C)へのサービス拡充及び収益機会の拡大のため、Hypersonic株式会社を完全子会社化し、「GENIEE DSP」による広告出稿、「GENIEE CHAT」によるユーザーの離脱防止やコンバージョン改善、「CATS」による広告の効果計測や分析レポート等の機能を追加しプロダクト機能を強化・拡充しました。
この結果、同事業の売上収益は、1,976百万円、セグメント利益は85百万円(前期はセグメント利益48百万円)となりました。
・海外事業
海外事業では、インターネットメディア向けの「GENIEE SSP」や広告主/広告代理店向けの「GENIEE DSP」をはじめとした事業を中心に展開しております。
当期は、Zelto,Inc.(以下、Zelto)を完全子会社化しました。Zeltoは、2014年にインドおよび米国において創業をした、インターネットメディアのディスプレイ広告収益の向上サービスを提供する、急成長中のアドテクノロジー企業です。Zeltoを完全子会社とすることで、広告プラットフォーム事業における「GENIEE SSP」や海外事業において、弊社提供サービスとの連携・機能拡充とともに、世界各地のインターネットメディアへ価値提供が可能になります。なお、継続してリセラー及びパートナーシップビジネスの強化を推進しました。
この結果、同事業の売上収益は、783百万円、セグメント利益は338百万円(前期はセグメント利益163百万円)となりました。
この結果、当期の業績は、売上収益6,455百万円、営業利益2,457百万円(前期は営業利益588百万円)、親会社の所有者に帰属する当期利益2,114百万円(前期は親会社の所有者に帰属する当期利益500百万円)となりました。
※1.株式会社 CARTA COMMUNICATIONS(CCI) /株式会社 D2C /株式会社電通 /株式会社電通デジタル/
株式会社セプテーニ・ホールディングス調べ
※2.出典元:株式会社富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場 2022年版」
※3.OOHとは、Out Of Homeの略で、交通広告や屋外広告など自宅以外の場所で接触する広告メディアの総称。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末より1,399百万円増加し、2,875百万円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は、1,389百万円(前期は1,235百万円の獲得)となりました。これは主に、税引前利益2,279百万円、減価償却費及び償却費の計上641百万円、段階取得に係る差益の計上1,623百万円、営業債権及びその他の債権の減少308百万円、営業債務及びその他の債務の減少341百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、5,967百万円(前期は1,202百万円の使用)となりました。これは主に、無形資産の取得による支出649百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出5,128百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果獲得した資金は、5,926百万円(前期は316百万円の獲得)となりました。これは主に、短期借入金の純増額5,728百万円、長期借入れによる収入1,050百万円、長期借入金の返済による支出528百万円、自己株式の取得による支出31百万円等によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
(a)生産実績
当社グループで行う事業は、インターネットを利用したサービスの提供であり、提供するサービスには生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
(b)受注実績
当社グループで行う事業は、インターネットを利用したサービスの提供であり、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
(c)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|
|
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
広告プラットフォーム事業 |
3,897,499 |
△65.3 |
|
マーケティングSaaS事業 |
1,961,570 |
75.6 |
|
海外事業 |
596,004 |
△71.0 |
|
合計 |
6,455,074 |
△55.2 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.当連結会計年度より、広告プラットフォーム事業において、GENIEE Ads Platformシステムによる広告取引の収益については、従来は本人としての取引に該当し、売上収益及び売上原価を区分して表示する方法(総額表示)によっていましたが、規約または契約条件の変更に伴い、代理人としての取引に該当することになったため、売上原価を売上収益から控除する方法(純額表示)としているため、前年同期は大幅に減少しております。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
Google Inc. |
5,138,102 |
35.5 |
888,404 |
13.8 |
|
ヤフー株式会社 |
1,429,868 |
9.9 |
507,082 |
7.9 |
4.上記のGoogle Inc.に対する売上収益には、Google Asia Pacific Pte.Ltd.等の各社に対する売上収益が含まれております。
5.当連結会計年度より、GENIEE Ads Platformシステムによる広告取引の収益については、従来は本人としての取引に該当し、売上収益及び売上原価を区分して表示する方法(総額表示)によっていましたが、規約または契約条件の変更に伴い、代理人としての取引に該当することになったため、売上原価を売上収益から控除する方法(純額表示)にて記載を行っております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、株式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。
②財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は5,671百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,869百万円増加いたしました。これは主に現金及び現金同等物が1,399百万円増加し、営業債権及びその他の債権が416百万円増加したことによるものであります。非流動資産は12,183百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,325百万円増加いたしました。これは主にのれんが7,892百万円増加し、使用権資産が266百万円増加したことによるものであります。
この結果、資産合計は17,855百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,195百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は10,328百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,678百万円増加いたしました。これは主に、借入金が6,037百万円増加、その他の流動負債が292百万円増加、リース負債が200百万円増加したことによるものであります。非流動負債は2,493百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,368百万円増加いたしました。これは主に、その他の金融負債が1,020百万円増加、借入金が213百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は12,821百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,046百万円増加いたしました。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計は5,033百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,148百万円増加いたしました。これは主に、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上により、利益剰余金が2,114百万円増加したことによるものです。
この結果、親会社所有者帰属持分比率は28.0%(前連結会計年度末は37.1%)となりました。
③経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の分析については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
④キャッシュ・フローの状況に関する分析・検討内容
キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
⑤経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑥当社グループの資本の財源及び資金の流動性に関する情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、売上原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、M&A等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資及びM&A等の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は8,892百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,875百万円となっております。
(3)並行開示情報
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表は、以下のとおりであります。
なお、日本基準により作成した当連結会計年度の要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
①要約連結貸借対照表(日本基準)
|
(単位:千円) |
|
|
前連結会計年度 (2022年3月31日) |
当連結会計年度 (2023年3月31日) |
|
資産の部 |
|
|
|
流動資産 |
3,815,459 |
5,690,607 |
|
固定資産 |
|
|
|
有形固定資産 |
471,046 |
645,194 |
|
無形固定資産 |
2,602,074 |
8,935,878 |
|
投資その他の資産 |
447,677 |
573,978 |
|
固定資産合計 |
3,520,798 |
10,155,051 |
|
資産合計 |
7,336,257 |
15,845,659 |
|
|
|
|
|
負債の部 |
|
|
|
流動負債 |
3,488,898 |
9,964,733 |
|
固定負債 |
1,114,810 |
1,452,217 |
|
負債合計 |
4,603,708 |
11,416,950 |
|
|
|
|
|
純資産の部 |
|
|
|
株主資本 |
2,679,061 |
4,298,331 |
|
その他の包括利益累計額 |
42,369 |
123,328 |
|
新株予約権 |
2,896 |
2,840 |
|
非支配株主持分 |
8,221 |
4,207 |
|
純資産合計 |
2,732,548 |
4,428,708 |
|
負債純資産合計 |
7,336,257 |
15,845,659 |
②要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)
要約連結損益計算書
|
(単位:千円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|
売上高 |
14,459,453 |
6,455,074 |
|
売上原価 |
10,676,184 |
1,333,359 |
|
売上総利益 |
3,783,268 |
5,121,715 |
|
販売費及び一般管理費 |
3,044,686 |
4,300,089 |
|
営業利益 |
738,581 |
821,626 |
|
営業外収益 |
46,269 |
8,745 |
|
営業外費用 |
38,520 |
169,646 |
|
経常利益 |
746,331 |
660,725 |
|
特別利益 |
181 |
1,513,384 |
|
特別損失 |
246,944 |
374,820 |
|
税金等調整前当期純利益 |
499,568 |
1,799,289 |
|
法人税等合計 |
161,247 |
153,757 |
|
当期純利益 |
338,320 |
1,645,532 |
|
非支配株主に帰属する当期純利益 |
2,458 |
△4,013 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
335,862 |
1,649,546 |
要約連結包括利益計算書
|
(単位:千円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|
当期純利益 |
338,320 |
1,645,532 |
|
その他の包括利益合計 |
31,015 |
80,959 |
|
包括利益 |
369,335 |
1,726,492 |
|
(内訳) |
|
|
|
親会社株主に係る包括利益 |
366,877 |
1,730,506 |
|
非支配株主に係る包括利益 |
2,458 |
△4,014 |
③要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
|
(単位:千円) |
|
|
株主資本 |
その他の包括 利益累計額 |
新株予約権 |
非支配株主持分 |
純資産合計 |
|
当期首残高 |
2,643,880 |
11,353 |
2,095 |
- |
2,657,329 |
|
当期変動額 |
35,180 |
31,015 |
801 |
8,221 |
75,218 |
|
当期末残高 |
2,679,061 |
42,369 |
2,896 |
8,221 |
2,732,548 |
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
|
(単位:千円) |
|
|
株主資本 |
その他の包括 利益累計額 |
新株予約権 |
非支配株主持分 |
純資産合計 |
|
当期首残高 |
2,679,061 |
42,369 |
2,896 |
8,221 |
2,732,548 |
|
当期変動額 |
1,619,270 |
80,959 |
△56 |
△4,014 |
1,696,159 |
|
当期末残高 |
4,298,331 |
123,328 |
2,840 |
4,207 |
4,428,708 |
④要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)
|
(単位:千円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
1,139,885 |
1,162,747 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△1,273,938 |
△5,967,149 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
483,710 |
6,153,065 |
|
現金及び現金同等物に係る換算差額 |
37,851 |
50,458 |
|
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) |
387,509 |
1,399,121 |
|
現金及び現金同等物の期首残高 |
1,091,864 |
1,476,761 |
|
連結除外に伴う現金及び現金同等物の減少額 |
△2,611 |
- |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
1,476,761 |
2,875,883 |
⑤連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(会計方針の変更)
(収益認識に関する会計基準等の適用)
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用し、約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識することといたしました。これにより、広告プラットフォーム事業及び海外事業における一部の取引について、従来は、顧客から受け取る対価の総額を収益として認識していましたが、顧客への財又はサービスの提供における当社グループの役割が代理人としての性質が強いと判断されるものについては、顧客から受け取る額から仕入先に支払う額を控除した純額で収益を認識することとしています。
収益認識会計基準等の適用については、収益認識会計基準第84項ただし書きに定める経過的な取扱いに従っており、当連結会計年度の期首より前に新たな会計方針を遡及適用した場合の累積的影響額を、当連結会計年度の期首の利益剰余金に加減し、当該期首残高から新たな会計方針を適用しています。ただし、収益認識会計基準第86項に定める方法を適用し、当連結会計年度の期首より前までに従前の取扱いに従ってほとんどすべての収益の額を認識した契約に、新たな会計方針を遡及適用しておりません。また、収益認識会計基準第86項また書き(1)に定める方法を適用し、当連結会計年度の期首より前までに行われた契約変更について、すべての契約変更を反映した後の契約条件に基づき、会計処理を行い、その累積的影響額を当連結会計年度の期首の利益剰余金に加減しています。
この結果、当連結会計年度の売上高、売上原価がそれぞれ1,362百万円減少しましたが、営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益に与える影響はありません。また、利益剰余金の当期首残高に与える影響もありません。
収益認識会計基準等を適用したため、前連結会計年度の連結貸借対照表において、「流動資産」に表示していた「売掛金」は、当連結会計年度より「売掛金」及び「契約資産」に含めて表示することといたしました。なお、収益認識会計基準第89-2項に定める経過的な取扱いに従って、前連結会計年度について新たな表示方法により組替えを行っておりません。さらに、収益認識会計基準第89-3項に定める経過的な取扱いに従って、前連結会計年度に係る顧客との契約から生じる収益を分解した情報を記載しておりません。
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項はありません。
(4)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 39.初度適用」に記載のとおりであります。
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(リース)
日本基準では、借手のリースについてファイナンス・リースとオペレーティング・リースに分類し、オペレーティング・リースについては通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理を行っておりました。IFRSでは、借手のリースについてファイナンス・リースとオペレーティング・リースの区分がないため、基本的にすべてのリース取引について、「使用権資産」及び「リース負債」を計上しております。
上記の影響により結果、使用権資産が373百万円、リース負債(流動)が291百万円、及びリース負債(非流動)が50百万円増加し、販売費及び一般管理費が258百万円増加しております。
(のれんの償却)
日本基準では合理的に見積られたのれんの効果が及ぶ期間にわたって定額法によりのれんを償却しておりましたが、IFRSでは企業結合により発生したのれんは、償却せず、毎年同時期及び減損の兆候を識別したときはその都度、減損テストを実施しております。
上記の影響により結果、販売費及び一般管理費が309百万円減少しております。
(条件付対価の取扱い)
日本基準では、企業結合に係る株式売買契約における条件付対価について、契約で定めた条件が確定した時点で、追加支払額を取得原価から増加させ、同額ののれんの金額を増加させますが、IFRSでは、条件付対価の公正価値を見積もり、取得後の公正価値の変動額については純損益として処理することが要求されます。この影響により、IFRSでは日本基準に比べ非流動負債のその他の金融負債が1,013百万円増加しております
(1)業務提携契約等
当社グループは以下のとおり、業務提携契約等を締結しております。
|
契約先名 |
契約の名称 |
契約内容 |
契約締結日 |
|
ソフトバンクグループ株式会社 |
業務提携契約 |
1.ソフトバンクグループ株式会社に対する日本における当社システム及び当社サービスの使用及び第三者への再許諾/付与に関する非独占的許諾 2.ソフトバンクSSPにて取得したデータの双方での共有 3.ソフトバンクグループ株式会社の持つネットワークを活用した、ソフトバンクSSPの営業強化 4.人材交流によるパートナーシップの醸成 |
2014年10月9日 (以降1年毎自動更新) |
|
業務委託契約 |
ソフトバンクグループ株式会社が当社に対し、広告配信・掲載業務を委託し、当社が当該業務を実施する。 |
2016年10月28日 (以降1年毎自動更新) |
|
|
販売代理店基本契約 |
ソフトバンクグループ株式会社の広告配信プラットフォームの非独占的使用権を、当社が、第三者に販売する。 |
2016年11月15日 (以降1年毎自動更新) |
(2)株式取得による子会社化
当社は、2023年1月26日開催の取締役会において、Zelto,Inc.の株式を取得することを決議し、2023年2月28
日付けで既存株主より同社の株式のうち、全株式を取得して、子会社化いたしました。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 7.企業結合」をご参照ください。
当連結会計年度の研究開発活動は、広告主とインターネットユーザーとの関連度の分析、また、インターネットメディアのカテゴリー分類の研究であり、研究開発費は
研究開発体制について、専属で行う部署、人員は存在しておりませんが、テクノロジー戦略室を中心に各部が臨機応変に協力して分析・研究活動を行っております。