第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。

  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

 当社は設立以来、「Supporting Industry Company」を標榜し、日本の《ものづくり》に対するお役立ち企業となるべく、事業展開してまいりました。

 「信頼 すべては人から始まる お客様と共に 従業員と共に 社会と共に」を経営理念として掲げ、商社機能を持ったFAエンジニアリング企業として必要な技術力を磨き、顧客満足度と顧客期待度を向上させるよう努めております。

 

(2) 経営戦略等

 当社グループでは、「“新たな価値創造”と“自ら考え考動する”」を基本方針とした第10次中期経営計画(2021年度~2023年度)に基づき、お客様の変化に応じた新たな価値創造・価値提供を目指してまいります。

 また、当社は東京証券取引所にて2022年4月に適用された新市場区分についてプライム市場を選択しております。移行基準日時点(2021年6月30日)において、当該市場の上場維持基準のうち一日平均売買代金を充たしておらず、2021年12月14日に開示した「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」において、上場維持基準適合に向けた取組の基本方針、課題及び取組内容を記載し適合に向けた活動を実施してまいりました。

 その結果、2023年2月14日に開示した「上場維持基準の適合に向けた計画に基づく進捗状況について」において、基準を充たしたことをお知らせしております。今後につきましても、引き続き第10次中期経営計画に基づき、企業価値を向上させていくとともに、IR活動の強化によって、安定的に上場維持基準へ適合していくことを目指してまいります。

 

(3) 目標とする経営指標

 当社グループは、事業活動の成果を示す売上高、営業利益等を重要な経営指標と位置づけ、2024年3月期の目標を次のように設定しております。

 

 

売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

親会社株主に帰属する当期純利益

(百万円)

2024年3月期

76,000

2,960

3,180

2,200

 また、自己資本利益率(ROE)につきましては安定的に8%以上を確保することを目標としております。

 

(4) 経営環境

 今後の景気見通しにつきましては、ウィズコロナの動向やウクライナ紛争の長期化、エネルギー価格高騰によるインフレの加速、各国の金融引き締めによる経済への影響について注視していく必要がありますが、経済活動の正常化は徐々に進んでいくものと想定しております。当社グループの主要ユーザーである自動車関連企業におきましては、半導体不足の影響は徐々に解消に向かい、次世代モビリティ開発における投資は底堅く推移していくものと見込んでおります。

 

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

 第10次中期経営計画における主要な戦略課題につきましては以下のとおりであります。

① 自動車ビジネス強化に向けた体制整備

  東日本エリアにおける体制整備、事業戦略室を中心に成長戦略を立案

② ものづくりにおけるカーボンニュートラルへの貢献

  お客様の工場CO2削減提案、水素ビジネスの拡大

③ エンジニアリング事業の競争力強化

  システム案件対応力、検査機・専用機ビジネスの強化

④ 海外ビジネスの拡大

  海外拠点に対する支援の強化、協業メーカーの探索

⑤ 新たな価値創造に向けた経営基盤の確立

  営業力・営業技術力強化、DX推進、社内活性化など

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

 当社グループは、経営理念の実践である「サステナビリティ基本方針」に基づいて、その時々のサステナビリティを巡る重要課題を特定し、中長期の経営計画に反映させ、その実現に向けて取締役会が監督責任を持ち、各事業本部が業務執行を担っております。

(サステナビリティ基本方針:https://www.meijidenki.co.jp/ja/sustainability/concept.html)

 

(2)戦略

① 気候変動

 サステナビリティを巡る課題の中でも、特に気候変動に係るリスク及び収益機会が自社の事業活動や収益等に与える影響への対処は、当社グループが持続的に成長し、中長期的に企業価値の向上を図るうえで極めて重要なものと考えており、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言にしたがい、分析・検証を行っております。

 当社グループの事業においては、いわゆる2℃シナリオ(厳しい対策をとれば、産業革命時期比で0.9~2.3℃上昇)を前提とすると、低炭素社会への移行により、低炭素技術の新規開発・普及、取扱い製品・サービスの変化、業界内競業、価格競争、GHG排出規制の強化等が予想され、顧客の需要取込失敗による売上低下、有能なサプライヤーの取込失敗による調達コストの増加、各種規制への対応コストの増加等の重大なリスクが発生することが想定されます。他方で、洪水等の異常気象の発生による、仕入、物流、製造、顧客のそれぞれにおける製品に関する調達・納入遅延や価格高騰、自社の重要資産への損害発生などのリスクの発生は低いことが想定されます。

 また、水素に関する環境ビジネスやZEVなどに関する新規市場の拡大、再エネ・省エネ需要や低炭素設備・機器への切替・投資などのカーボンニュートラルに関する需要の拡大等が予想され、サプライチェーンの確立や顧客の需要取込による売上拡大、調達・物流コスト削減による利益増加が想定され、当社グループにとって大きなビジネスチャンスとなります。

 なお、いわゆる4℃シナリオ(現状を上回る温暖化対策をとらなければ、産業革命時期比で3.2~5.4℃上昇)を前提とした場合は、移行リスクについては小さく、異常気象の頻発等による物理的リスクは大きく、収益機会についての影響は現状とほぼ変化がないと想定しています。

 事業活動や収益等に与える具体的な影響については、現在分析・検証中ですが、2℃シナリオを前提とした場合、現時点における当社グループの主要取引先である自動車関連企業の方針や対応からすると、極めて大きいと予想しております。

 当社グループは、上記リスクや収益機会に対応するため、サステナビリティに関する重要課題の一つとして「事業活動を通じた環境負荷の低減」を掲げ、社会及びお客様の変化に応じた、新たな「価値創造・価値提供」により、脱炭素社会の実現に取り組むことを目標としております。また、その実現のため、第10次中期経営計画において「自動車ビジネス強化に向けた体制整備」「ものづくりにおけるカーボンニュートラルへの貢献」を重要施策として掲げ、推進しております。

 

② 人的資本(多様性の確保)

 当社グループにおける多様性確保に向けた人材育成方針と社内環境整備方針は次の通りであります。

 当社グループは、従業員一人ひとりがその有する能力を高め、それを最大限発揮するためには、会社がその成長をサポートしながら、従業員自らキャリアを形成できる制度や仕組みが重要と考えております。特に、女性、外国人、中途採用者においては、その能力を発揮するにあたり、職場環境や業界における知識・経験・能力等においてハンディとならないように、その人材の育成及び環境整備に努めております。

 イ.女性

  ・キャリア形成のための教育、研修支援

  ・次世代の女性管理職の計画的な育成やその前提となる準管理職への登用の推進

  ・出産、育児との両立支援

  ・女性が活躍するための組織風土の醸成

 ロ.外国人

  ・社内外における教育、研修支援

  ・事業戦略に基づく外国人の計画的採用

  ・海外子会社との人材交流

 

 ハ.中途採用者

  ・社内外における教育、研修支援

  ・事業戦略に基づく中途採用者の計画的採用

 

(3)リスク管理

 サステナビリティに関するリスク管理については、発生したリスクをレベルに応じて3段階に分類し、それぞれに対応して代表取締役社長又は代表取締役専務を対策本部長とする対策本部並びに担当部署・責任者の役割を定め、適切かつ効果的な対処を行うことにより、リスクの顕在化に伴う損失を防止して当社グループの持続的成長と企業価値の向上を図っております。

 

(4)指標及び目標

① 気候変動

 気候変動リスク及び機会に関する連結会社の実績を長期的に管理・監督するため、温室効果ガス(Scope1・2・3)排出量を指標と定め、中長期的な削減目標を設定していく方針としております。具体的な目標値や実績につきましては現在検証中であります。

 

② 人的資本(多様性の確保)

 イ.女性

 女性の活躍する環境・制度の構築は重要な経営課題と位置づけており、2030年度管理職比率10%を目指しております。

 <参考>2022年度 女性管理職比率8.0%

 ロ.外国人

 当社グループの事業が国内中心であること、また海外事業についても取引先の多くが日系企業であることから、特に管理職登用について目標値を設定しておりません。しかしながら、当社グループのお客様のグローバル化にともない、事業を発展させる上で、外国の風習や考え方に対応できる人材の必要性は年々高まっており、国内外問わず、能力のある者を管理職に登用していきます。

 <参考>2022年度 外国人管理職比率12.5%

 ハ.中途採用者

 中途採用にあたっては、当社グループの事業・経営課題に取り組む上で、既存の人材の知識・経験・能力を強化及び補完できる人材を採用することが重要と考えており、特に管理職登用について目標値を設定しておりません。

 <参考>2022年度 中途採用者管理職比率24.1%

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 特定の取引先への依存度について

① 特定の販売先について

 当社グループは制御機器、産業機器、計測機器等の販売の他、検査装置、生産支援システムなど自社開発製品の設計、製造等を主な事業としております。当社グループでは、これらの商・製品等の販売において自動車関連産業及びトヨタグループへの依存度が高くなっております。

 したがいまして、当社グループの経営成績は自動車関連産業及びトヨタグループの設備投資動向に影響を受ける可能性があります。

 こうした中、持続的な成長に向けて、エンジニアリング力の強化や新商材開発に注力することで、自動車関連産業における販売領域の拡大を図るとともに、電気・電子・半導体、工作機械・産業機械関連産業への販売拡大及びグローバルビジネスの拡大に取り組んでおります。

 なお、最近5年間の当社の売上高における自動車関連産業並びにトヨタグループに対する売上高及び売上構成比は以下のとおりであります。

 

 

(単位:千円)

 

 

2019年3月期

2020年3月期

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

売上高

74,885,605

72,056,382

58,286,812

60,701,376

64,141,610

自動車関連産業に対する売上高

36,377,836

38,194,057

27,695,593

30,020,958

29,372,676

自動車関連産業に対する売上構成比

48.6%

53.0%

47.5%

49.5%

45.8%

トヨタグループに対する売上高

36,717,537

36,769,501

27,199,469

29,160,947

29,936,629

トヨタグループに対する売上構成比

49.0%

51.0%

46.7%

48.0%

46.7%

(注) 上記トヨタグループに対する売上高には、トヨタ自動車株式会社及びトヨタ自動車株式会社が定めるトヨタグループ16社への売上高に加え、トヨタ自動車株式会社及び当該グループ各社が出資している企業への売上高を含んでおります。

 

② 特定の仕入先への依存度について

 当社グループは前述のとおり制御機器、産業機器、計測機器等の販売の他、検査装置、生産支援システムなど自社開発製品の設計、製造等を主な事業とする、エンジニアリング機能を持った商社であります。現在、当社グループの仕入先は多岐にわたっておりますが、主要な仕入先であるオムロン株式会社からの仕入高の割合は比較的高くなっております。

 したがいまして、当社グループの経営成績は、オムロン株式会社の経営方針及び販売政策、並びに販売政策変更による契約内容の変更等があった場合に影響を受ける可能性があります。

 オムロン株式会社とは友好的かつ継続的な関係を維持する目的等により、代理店基本契約を締結しております。代理店基本契約には、契約商品、代理店表示、価格、返品、支払、商標、機密保持などの重要な項目が規定されております。代理店基本契約は原則1年毎の更新となっておりますが、契約上は当該契約の各条項に著しく違背した場合や、当該契約の円滑な履行が困難となった場合等に、何らの催告を要せず契約を全部又は一部を解除することができることとなっております。

 

(単位:千円)

 

 

仕入品目

2022年3月期

2023年3月期

金額

割合

金額

割合

オムロン株式会社

制御機器、各種電子部品等

11,986,470

20.5%

14,059,393

22.6%

 

(2) 海外進出に潜在するリスクについて

 当社グループの経営成績は、自動車関連産業の動向に影響を受ける傾向にありますが、その自動車関連産業は、グローバル化を積極的に推進しており、その対応が求められております。

 当社ではこのような環境を踏まえ、取引先の海外生産の立ち上げや現地でのニーズに迅速に対応するため、米国、英国、中国、タイ王国に、子会社を設立しております。

 当社における海外取引のほとんどはこれらの海外子会社への輸出取引であり、為替リスクを最小限にとどめるため原則として為替予約でカバーする努力を行っております。

 また当社では取引先の海外進出が増加する中、海外子会社における取引拡大に止まらず、将来的には新たな拠点展開を含めて検討していく所存であります。

 海外市場への進出には、為替リスクや国際金融など経済的リスク、戦争、テロ、疫病など政治的、社会的リスクなど、現時点では予測不可能なリスクが内在している可能性があり、これらの事象が発生した場合には経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループとしては、現地での動向について、海外拠点における情報網に加え、日本国内からの支援及び必要に応じて外部コンサルタントを活用した情報収集を図り、適切な対応を行うよう努めております。

 

(3) 物流業務の集約化におけるリスクについて

 当社は、トータルロジスティックコスト及び在庫の削減、物流業務の改善に向けたインフラ整備等を目的に1996年から全社物流業務を物流センター(名古屋市)1拠点に集約化しておりますが、物流センター所在地域又は全国配送ネットワークに大規模な地震、風水害等の災害や事故が発生した場合、代替手段を持っていないため、顧客に

 

対する商品供給にリスクが生じ、一時的に当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 法的規制について

 当社グループは主要事業である制御機器、産業機器、計測機器等の販売について、法的規制や行政指導は特にありませんが、産業機器及び計測機器の設置等については、建設業法に基づき、一般建設業許可及び特定建設業許可を受けております。一般建設業許可及び特定建設業許可については、5年毎にその更新を受けることとされており、現時点におきまして、これら免許の取消事由に該当する事実はないと認識しておりますが、今後何らかの要因により許可が取り消された場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 この対策として、関係法令の改正情報を常に入手し対策を行うことで、法令遵守を徹底しております。

 

(5) 業績の変動について

 当社グループの事業における大型設備案件は、年度末に完成、納入となる場合が比較的多く、また、主要顧客の多くが3月期決算の会社であり、その設備投資は期初には慎重に推移し、期末にかけて活発になる傾向があることから、当社グループの業績は上半期と比較し下半期の比重が高くなる傾向があります。

 こうした傾向に対し当社グループでは、大型設備案件の納期管理を徹底し、計画どおりに完成、納入ができるよう努めております。

 なお、最近2連結会計年度における四半期別の売上高及び営業利益の推移は下表のとおりであります。

 

2022年3月期

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

合計

売上高(千円)

15,321,781

16,558,099

15,784,458

20,084,703

67,749,042

構成比(%)

22.6

24.4

23.3

29.7

100.0

営業利益(千円)

321,927

569,580

269,554

847,671

2,008,734

 

 

2023年3月期

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

合計

売上高(千円)

13,658,804

16,883,123

17,252,937

23,152,285

70,947,149

構成比(%)

19.3

23.8

24.3

32.6

100.0

営業利益(千円)

71,759

515,031

591,133

1,546,520

2,724,444

 

(6) 新型コロナウイルス感染症について

 新型コロナウイルス感染症は、2023年5月8日以降の感染症法上の取り扱いが5類指定感染症へと見直されましたが、爆発的な感染の再拡大の影響により想定されるリスクとして、仕入先からの商品供給の遅れや景気後退による主要顧客の設備投資の減少などがあります。これらに対しては、仕入先や主要顧客との情報連携を強化し、その影響を軽減していくよう努力してまいります。

 今後も動向を注視しながら適宜対策を講じてまいりますが、想定を超えるような事態が発生する場合には、当社グループの財政状態や業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症のオミクロン変異株による急速な再拡大が進みましたが、制限緩和による社会経済活動の正常化に向けた動きが見られ、感染法上の分類見直しが決定されるなどウィズコロナに向けた動きが加速し、景気は緩やかに持ち直しました。世界経済におきましては、ウクライナ紛争の長期化やエネルギー価格高騰によるインフレの加速、各国の金融引き締めによる景気の鈍化が継続しており、依然として先行き不透明な状況にあります。

 当社グループの主要ユーザーである自動車関連企業におきましては、半導体不足により大幅な増産が難しい状況が残る中、生産台数は昨年比では回復基調にあり、次世代モビリティ開発における国際市場での競争優位性の

 

強化に向けての投資についても堅調に推移しました。電気・電子・半導体関連企業におきましては、中国のスマートフォン市場の需要が落ち込みを見せる一方で、電気自動車や自動運転の普及に伴う車載電装品への投資は堅調に推移しました。工作機械・産業機械関連企業におきましては、自動化・省人化や脱炭素関連の設備需要は底堅く、生産動向は好調に推移しました。

 こうした中、当社グループにおきましては、「“新たな価値創造”と“自ら考え考動する”」を基本方針とした第10次中期経営計画(2021年度~2023年度)に基づき、自動車ビジネス強化に向けた体制整備、ものづくりにおけるカーボンニュートラルへの貢献、エンジニアリング事業の競争力強化などの主要施策に取り組みました。

 

a.財政状態

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて6,685百万円増加し、51,351百万円となりました。主な要因は、流動資産が5,549百万円増加したこと及び固定資産が1,135百万円増加したことによるものであります。

 流動資産は、現金及び預金が2,873百万円減少したものの、営業債権が4,970百万円増加したこと及び棚卸資産が3,053百万円増加したことを主因に、前連結会計年度末に比べて5,549百万円増加し、43,040百万円となりました。

 固定資産は、建設仮勘定が621百万円減少したこと及び土地が108百万円減少したものの、建物及び構築物が

1,096百万円増加したこと、無形固定資産が349百万円増加したこと及び投資有価証券が214百万円増加したことを主因に、前連結会計年度末に比べて1,135百万円増加し、8,310百万円となりました。

 流動負債は、営業債務が1,789百万円増加したこと及び短期借入金が2,270百万円増加したことを主因に、前連結会計年度末に比べて4,468百万円増加し、21,425百万円となりました。

 純資産額は、前連結会計年度末に比べて2,083百万円増加し、29,411百万円となり、自己資本比率は56.8%となりました。

 

b.経営成績

 当連結会計年度においては、当社グループの顧客における投資意欲は高く、受注は堅調に推移しました。また半導体・部材の供給制約による当社取り扱い商品の納期遅延は継続しておりますが、第4四半期には解消に向かい、加えて大型設備案件の売上の集中もあり、増収増益への大きな推進力となりました。

 この結果、売上高は70,947百万円(前年同期比4.7%増)、営業利益は2,724百万円(前年同期比35.6%増)、経常利益は3,050百万円(前年同期比25.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,191百万円(前年同期比23.1%増)となりました。

 

 売上高の品目別内訳につきましては、次のとおりであります。なお、当社グループは主として制御機器、産業機器、計測機器等の販売を営んでおり、事業区分としては単一セグメントであるため、品目別に記載しております。

 制御機器

 制御機器は、当社グループの主力取扱商品で、主に自動車、電気・電子・半導体、工作機械・産業機械関連企業向けの販売が増加したことから、売上高は23,633百万円(前期比17.7%増)となりました。

 産業機器

 産業機器は、自動車関連企業向けの大型設備案件が減少し、売上高は23,882百万円(前期比2.9%減)となりました。

 計測機器

 計測機器は、自動車関連企業向けの大型設備案件が減少し、売上高は7,092百万円(前期比16.5%減)となりました。

 電源機器

 電源機器は、自動車、工作機械・産業機械関連企業向けの販売が増加し、売上高は4,193百万円(前期比12.5%増)となりました。

 実装機器

 実装機器は、自動車関連企業向けの大型設備案件が増加し、売上高は4,615百万円(前期比35.0%増)となりました。

 その他

 上記5品目以外においては、売上高は7,529百万円(前期比1.2%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,873百万円減少し、4,875百万円(前年同期比37.1%減)となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果使用した資金は3,820百万円(前年同期は1,136百万円の獲得)となりました。これは、税金等調整前当期純利益3,125百万円、仕入債務の増加額1,699百万円及び減価償却費220百万円があったこと等による資金増と、売上債権の増加額4,825百万円、棚卸資産の増加額3,010百万円、前渡金の増加額150百万円及び法人税等の支払額897百万円があったこと等による資金減によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は897百万円(前年同期比26.4%増)となりました。これは、有形固定資産の売却による収入226百万円があったことによる資金増と、有形固定資産の取得による支出687百万円があったこと及び無形固定資産の取得による支出357百万円があったこと等による資金減によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果獲得した資金は1,661百万円(前年同期比239.2%増)となりました。これは、短期借入金の純増加額2,256百万円があったことによる資金増と、配当金の支払額594百万円があったことによる資金減によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

 当社グループは主として制御機器、産業機器、計測機器等の販売を営んでおり、事業区分としては単一セグメントであるためセグメント情報は記載しておりませんので、当連結会計年度における品目別実績を記載しております。

 

a.生産実績

 産業機器のうち、一部において生産活動を行っております。当連結会計年度における生産実績を示すと、次のとおりであります。

品目別

生産高(千円)

前年同期比(%)

産業機器

4,067,483

85.2

合計

4,067,483

85.2

(注) 金額は、販売価格によっております。

 

b.仕入実績

 当連結会計年度における仕入実績を示すと、次のとおりであります

 

品目別

仕入高(千円)

前年同期比(%)

制御機器

22,164,860

119.1

産業機器

18,540,219

99.4

計測機器

6,372,022

81.2

電源機器

3,931,383

122.1

実装機器

4,137,898

127.7

その他

7,112,925

104.0

合計

62,259,309

106.6

 

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績を示すと、次のとおりであります。

品目別

販売高(千円)

前年同期比(%)

制御機器

23,633,232

117.7

産業機器

23,882,924

97.1

計測機器

7,092,706

83.5

電源機器

4,193,403

112.5

実装機器

4,615,745

135.0

その他

7,529,136

101.2

合計

70,947,149

104.7

(注) 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

 販売高(千円)

 割合(%)

 販売高(千円)

 割合(%)

 株式会社デンソー

9,338,652

13.8

10,338,129

14.6

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度における売上高は70,947百万円(前年同期比4.7%増)、売上原価は60,692百万円(同3.3%増)、販売費及び一般管理費は7,529百万円(同7.6%増)、営業利益は2,724百万円(同35.6%増)、経常利益は3,050百万円(同25.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,191百万円(同23.1%増)となりました。

 売上高は、当社グループの主要ユーザーである自動車関連企業においては電動化を中心とした設備投資が見られ、電気・電子・半導体及び工作機械・産業機械関連企業向けの販売についても設備投資が堅調に推移したことで増加し、70,947百万円(同4.7%増)となりました。

 売上原価は、設備案件における利益率の改善や、円安の影響により海外子会社の売上原価が減少したことなどから、60,692百万円(同3.3%増)となりました。

 販売費及び一般管理費は、人件費や荷造運賃などの増加により、7,529百万円(同7.6%増)となりました。

 上記により、営業利益は2,724百万円(同35.6%増)となりました。

 経常利益は、主に営業外収益として助成金収入が減少した結果、3,050百万円(同25.1%増)となりました。

 親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益として固定資産売却益が増加した一方で、有価証券売却益が発生しなかったことから、2,191百万円(同23.1%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、売上債権の回収サイクルと仕入債務の支払サイクルのギャップ及び営業活動上において必要な棚卸資産に対する支出のほか、人件費等の営業費用であります。

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。これらの必要な資金に関しては、自己資金又は金融機関からの短期借入により調達することを基本としております。

 なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は2,496百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は4,875百万円となっております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成にあたって、期末日における資産・負債の報告金額及び資産・負債の開示、並びに報告期間における収益・費用の報告金額に影響を与えるような見積り・予測を必要としておりますが、結果として、このような見積りと実績が異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針については「第一部 企業情報 第5 経理の状況」の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

(退職給付に係る負債及び退職給付に係る資産)

 従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づき算出されております。これらの前提条件には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率、死亡率などの要素が含まれております。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来の会計期間にわたって償却されるため、将来の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。

(繰延税金資産)

 当社グループは、繰延税金資産について、その回収可能性を考慮して、評価性引当額を計上しております。評価性引当額を計上する際には、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するので、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 なお、連結財務諸表の作成に当たっては、新型コロナウイルス感染症の拡大により、一定期間事業活動に影響が続くと仮定して見積り及び予測を行っておりますが、現時点で経営計画への影響等、全ての影響について合理的に見積り及び予測を行うことは困難な状況であるため、収束時期等によって変動する可能性があります。

 

④経営方針、経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループでは売上高、営業利益等及び自己資本利益率(ROE)を重要な経営指標としており、2022年度(2023年3月期)の達成状況は以下のとおりです。

指標

2022年度(計画)

2022年度(実績)

2022年度(計画比)

売上高

73,500百万円

70,947百万円

2,552百万円減(3.5%減)

営業利益

2,710百万円

2,724百万円

14百万円増(0.5%増)

経常利益

2,870百万円

3,050百万円

180百万円増(6.3%増)

親会社株主に帰属する当期純利益

2,000百万円

2,191百万円

191百万円増(9.6%増)

 

 売上高は計画比2,552百万円減(3.5%減)となりました。これは自動車関連企業向けの電動化を中心とした設備投資や、電気・電子・半導体及び工作機械・産業機械関連企業向けの販売についても設備投資が堅調に推移し、前期比では伸びましたが、新型コロナウイルス感染症や部材・半導体不足の納期遅延の影響もあり計画比には届きませんでした。

 営業利益は、設備案件における利益率の改善や円安の影響により海外子会社の売上原価が減少した結果、計画比14百万円増(0.5%増)となりました。

 営業外収益として受取配当金や為替差益などが発生したことから、経常利益は計画比180百万円増(6.3%増)となりました。

 親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、特別利益として固定資産売却益などが発生したことから、計画比191百万円増(9.6%増)となりました。

 自己資本利益率(ROE)は安定的に8%以上を確保することを目標としておりますが、2022年度は主に親会社株主に帰属する当期純利益が2,191百万円となったことから、自己資本利益率(ROE)は7.8%となりました。

 

5【経営上の重要な契約等】

(1) 販売店・代理店契約

契約締結先

契約締結日

主な取扱品目

契約期間

オムロン株式会社

2022年4月1日

制御機器

自 2022年4月1日

至 2023年3月31日

横河電機株式会社

横河ソリューションサービス株式会社

2022年6月1日

計測機器

自 2022年6月1日

至 2023年3月31日

(注)1.オムロン株式会社との間で、2023年4月1日付で新たに1年間の契約を締結しております。

2.横河電機株式会社・横河ソリューションサービス株式会社との間で、新たに契約を締結するため、3ヶ月を限度として上記契約期間を延長しております。

 

(2) 業務委託契約

契約締結先

契約締結日

契約内容

契約期間

株式会社KYOTSU

2007年4月1日

当社の物流業務及びこれに付随する業務を委託

自 2007年4月1日

至 2008年3月31日

以後1年毎に自動更新

 

6【研究開発活動】

 当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発活動費は、22,292千円です。

 主に、エンジニアリング事業本部において計測機器の研究開発活動を行っております。