第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第1四半期連結累計期間において、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の異常な変動等、新たに発生した事業等のリスクはありません。

 また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 なお、当項目における将来に関する事項は、四半期報告書提出日(2023年8月8日)現在において当社が判断したものです。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

三菱電機グループの要約四半期連結財務諸表はIFRSに基づいて作成しています。三菱電機グループは要約四半期連結財務諸表の作成において資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を行っており、実際の業績がこれらの見積りと異なる場合があります。

 

(1)業績

 当第1四半期連結累計期間の景気は、日本では、個人消費を中心に持ち直しが継続しました。米国では、金融引き締め等の影響を受けつつも、企業・家計部門ともに回復が継続しました。中国では、生産や輸出が減速するなど、持ち直しは緩やかなものに留まりました。欧州では、金融引き締めなどの影響により、企業・家計部門ともに減速しました。

 この結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、以下のとおりとなりました。

 

<連結決算概要>

 

前年第1四半期

連結累計期間

当第1四半期

連結累計期間

前年第1四半期

連結累計期間比

売上高

10,677億円

12,203億円

1,525億円増

営業利益

339億円

610億円

270億円増

税引前四半期純利益

468億円

768億円

299億円増

親会社株主に帰属する四半期純利益

334億円

578億円

243億円増

 

①売上高

 売上高は、為替円安の影響などにより、前年同四半期連結累計期間比1,525億円増加の1兆2,203億円となりました。ライフ部門では、ビルシステム事業はアジア・欧州向けで増加し、空調・家電事業は空調機器の需要が堅調に推移し増加しました。インダストリー・モビリティ部門では、FAシステム事業は、受注残の消化に加え、為替円安や価格転嫁の効果などにより増加し、自動車機器事業は電動化関連製品などの需要が堅調に推移し増加しました。インフラ部門では、電力システム事業は前年同四半期連結累計期間並みとなり、社会システム事業は海外の交通事業や公共事業で増加し、防衛・宇宙システム事業は宇宙システム事業・防衛システム事業の大口案件により増加しました。セミコンダクター・デバイス部門は、パワー半導体の堅調な需要により増加し、ビジネス・プラットフォーム部門では、ITインフラサービス事業・システムインテグレーション事業が増加しました。

 

<売上高における為替影響額>

 

前年第1四半期

連結累計期間

期中平均レート

当第1四半期

連結累計期間

期中平均レート

当第1四半期

連結累計期間

売上高への影響額

連結合計

約320億円増

 内、米ドル

131円

140円

約110億円増

 内、ユーロ

139円

152円

約140億円増

 内、人民元

19.7円

19.7円

軽微

 

②営業利益

 営業利益は、インフラ部門やインダストリー・モビリティ部門での減益はありましたが、ライフ部門、ビジネス・プラットフォーム部門、セミコンダクター・デバイス部門での増益により、前年同四半期連結累計期間比270億円増加の610億円となりました。営業利益率は、売上原価率の改善などにより、前年同四半期連結累計期間比1.8ポイント改善の5.0%となりました。

 売上原価率は、為替円安影響に加え、価格転嫁の効果などにより、前年同四半期連結累計期間比1.6ポイント改善しました。販売費及び一般管理費は、前年同四半期連結累計期間比311億円増加しましたが、売上高比率は前年同四半期連結累計期間比0.5ポイント改善しました。その他の損益は、前年同四半期連結累計期間比35億円減少し、売上高比率は前年同四半期連結累計期間比0.3ポイント悪化しました。

 

③税引前四半期純利益

 税引前四半期純利益は、営業利益の増加などにより、前年同四半期連結累計期間比299億円増加の768億円、売上高比率は6.3%となりました。

 

④親会社株主に帰属する四半期純利益

 親会社株主に帰属する四半期純利益は、税引前四半期純利益の増加などにより、前年同四半期連結累計期間比243億円増加の578億円、売上高比率は4.7%となりました。

 

事業の種類別セグメントの業績は、次のとおりです。

①インフラ

 社会システム事業の事業環境は、国内外の交通分野に需要回復の傾向が見られ、国内外の公共分野における投資も堅調に推移しました。このような状況の中、同事業は、受注高は国内外の交通事業や公共事業の増加などにより前年同四半期連結累計期間を上回り、売上高は円安の影響に加え、海外の交通事業や公共事業の増加などにより、前年同四半期連結累計期間を上回りました。

 電力システム事業の事業環境は、国内電力会社の設備投資の動きが継続し、再生可能エネルギーの拡大に伴う電力安定化の需要などが国内外で堅調に推移しました。このような状況の中、同事業は、受注高は国内外の電力流通事業の増加などにより前年同四半期連結累計期間を上回り、売上高は前年同四半期連結累計期間並みとなりました。

 防衛・宇宙システム事業は、受注高は防衛システム事業の大口案件の増加により前年同四半期連結累計期間を上回り、売上高は宇宙システム事業・防衛システム事業の大口案件の増加により前年同四半期連結累計期間を上回りました。

 この結果、部門全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比108%の1,885億円となりました。

 営業利益は、売上案件の変動や費用の増加などにより、前年同四半期連結累計期間比16億円悪化の49億円の損失となりました。

 

②インダストリー・モビリティ

 FAシステム事業の事業環境は、リチウムイオンバッテリーなどの脱炭素関連分野の需要は継続しましたが、半導体などのデジタル関連分野を中心に、国内外で需要が減少しました。このような状況の中、同事業は、受注高は前年同四半期連結累計期間を下回りましたが、売上高は受注残の消化に加え、円安の影響や価格転嫁の効果などにより前年同四半期連結累計期間を上回りました。

 自動車機器事業の事業環境は、一部半導体部品の需給状況の改善などにより新車販売台数が前年同四半期連結累計期間を上回り、電動車を中心とした市場の拡大に伴う電動化関連製品などの需要が堅調に推移しました。このような状況の中、同事業は、円安の影響に加え、モーター・インバーターなどの電動化関連製品や自動車用電装品の増加などにより、受注高・売上高ともに前年同四半期連結累計期間を上回りました。

 この結果、部門全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比113%の4,105億円となりました。

 営業利益は、売上高の増加や円安の影響はありましたが、機種構成の変動や費用の増加などにより、前年同四半期連結累計期間比10億円減少の216億円となりました。

 

③ライフ

 ビルシステム事業の事業環境は、新型コロナウイルス感染症の影響による市況低迷からの回復の動きが継続しました。このような状況の中、同事業は、円安の影響やアジア・欧州の増加などにより受注高・売上高ともに前年同四半期連結累計期間を上回りました。

 空調・家電事業の事業環境は、世界的な脱炭素化の動きを受けて空調機器の需要が国内外で堅調に推移しました。このような状況の中、同事業は、欧州・アジア・北米・国内向けの空調機器の増加に加え、円安の影響や価格転嫁の効果などにより、売上高は前年同四半期連結累計期間を上回りました。

 この結果、部門全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比119%の5,204億円となりました。

 営業利益は、売上高の増加や円安の影響に加え、価格転嫁の効果や物流費の改善などにより、前年同四半期連結累計期間比302億円増加の439億円となりました。

 

④ビジネス・プラットフォーム

 情報システム・サービス事業の事業環境は、レガシーシステムの更新や、デジタルトランスフォーメーション導入関連の需要が堅調に推移しました。このような状況の中、同事業はITインフラサービス事業・システムインテグレーション事業の増加により、受注高は前年同四半期連結累計期間を上回り、売上高は前年同四半期連結累計期間比106%の285億円となりました。

 営業利益は、売上高の増加や費用の減少などにより、前年同四半期連結累計期間比6億円増加の11億円となりました。

 

⑤セミコンダクター・デバイス

 電子デバイス事業の事業環境は、産業向けパワー半導体の堅調な需要が継続しました。このような状況の中、同事業は、受注高は客先の先行手配が一巡した影響に伴うパワー半導体の減少などにより前年同四半期連結累計期間を下回りましたが、売上高は円安の影響に加え、民生・産業向けパワー半導体の増加などにより前年同四半期連結累計期間比107%の682億円となりました。

 営業利益は、円安の影響などにより、前年同四半期連結累計期間比2億円増加の66億円となりました。

 

⑥その他

 売上高は、資材調達・ソフトウエアの関係会社の増加などにより、前年同四半期連結累計期間比109%の1,986億円となりました。

 営業利益は、売上案件の変動などにより、前年同四半期連結累計期間比3億円減少の42億円となりました。

 

(2)資産及び負債・資本の状況分析

総資産残高は、前連結会計年度末比856億円増加の5兆6,681億円となりました。棚卸資産が1,240億円増加したことがその主な要因です。

棚卸資産の増加は、為替円安影響に加え、インダストリー・モビリティ部門やライフ部門での需要変動などによるものです。

負債の部は、未払費用が454億円減少したこと等から、負債残高は前連結会計年度末比278億円減少の2兆1,914億円となりました。なお、リース負債を除く社債・借入金残高は前連結会計年度末比43億円増加の2,566億円、借入金比率は4.5%(前連結会計年度末に対し変動なし)となりました。

資本の部は、配当金の支払い549億円による減少等はありましたが、親会社株主に帰属する四半期純利益578億円の計上及び為替円安・株価上昇等を背景としたその他の包括利益累計額1,117億円の増加等により、親会社株主に帰属する持分は前連結会計年度末比1,082億円増加の3兆3,472億円、親会社株主帰属持分比率は59.1%(前連結会計年度末比+1.1ポイント)となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当第1四半期連結累計期間は、営業活動によるキャッシュ・フローが912億円の収入となった一方、投資活動によるキャッシュ・フローが408億円の支出となったため、フリー・キャッシュ・フローは503億円の収入となりました。これに対し、財務活動によるキャッシュ・フローは768億円の支出となったことなどから、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末比32億円減少の6,426億円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、四半期純利益の増加に加え、棚卸資産への支出の減少等により、前年同四半期連結累計期間比365億円の収入増加となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券等の取得の減少等により、前年同四半期連結累計期間比135億円の支出減少となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得の増加等により、前年同四半期連結累計期間比79億円の支出増加となりました。

 

(4)経営方針、経営環境及び対処すべき課題等

当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」からの重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、523億円(製造費用へ計上した改良費等を含む)です。

なお、当第1四半期連結累計期間において、三菱電機グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(6)生産、受注及び販売の実績

当第1四半期連結累計期間において、インフラ部門の受注実績及びライフ部門の生産実績が前年同四半期連結累計期間比で著しく増加しました。インフラ部門の受注実績の変動については、「(1)業績 事業の種類別セグメントの業績」を参照ください。ライフ部門の生産実績の変動については、国内外での空調機器の増加によるものです。

 

3【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の締結、変更、解約等はありません。