第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社は、『品質至上を核に社会の信頼に応える』を経営理念として掲げ、直流安定化電源装置の設計開発・生産・販売を通して、今後ますます高度化するエレクトロニクス社会の進化に寄与し「持続可能な社会の実現」に貢献する企業でありたいと考えております。

 そのために、多様性を重視するとともに、誠意ある企業文化を醸成し、安全安心・いきいき・ワクワク・やり甲斐を持って働ける会社を目指してまいります。

 また、企業としての社会的責任を果たすため、コーポレート・ガバナンスの強化を努めてまいります。

 当社グループのビジョンに“顧客起点のニーズを捉えた付加価値のある製品とサービスをタイムリーに実現し、スマート

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当社の経営理念「核の概念図」

エネルギー社会になくてはならない存在になる”を掲げ、「持続的成長に向けた事業改革・改善」、「新しい価値を創造するための技術革新へのチャレンジ」、「一人ひとりの成長・組織の進化」など、全社一丸となって経営基盤の強化を図り、競争優位性の高いビジネスモデルを構築し、持続的成長の実現を目指してまいります。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、経営指標として、連結営業利益率 15%以上、連結ROE(自己資本利益率)10%を目指し、継続的かつ安定的な高利益体質を目指しております。

 

(3)前(第9次)中期経営計画の振り返り

 当社グループは、2020年度に『第9次中期経営計画』を策定し、持続的成長と企業価値向上を目指し、次の主要課題に取り組んでまいりました。

① 新しい付加価値製品・サービスの創出

a.魅力的製品・サービス創出に向けた開発プロセス革新

 グローバルでの事業環境が大きく変化し、顧客ニーズの多様化、モノづくりからコトづくりへ進化する中で、顧客価値を最大化することで競争できる継続的新製品・サービスの開発が重要と考え、顧客ニーズを的確に捉えた新製品開発体制の構築と重点攻略業界向けの新製品拡充に取り組んでまいりました。

 

b.顧客価値を実現する営業プロセス革新

 事業環境・市場の変化を捉え、的確に顧客ニーズを把握するためには、市場や顧客情報の蓄積とそのタイムリーかつ有効な活用が重要であると考え、デジタル技術を活用したマーケティング強化、ソリューション提案・サポートの充実、強化に取り組んでまいりました。

 

② グローバルで競争力ある「ものづくり体質」の創造

 ビジネス環境におけるグローバル化の進展や市場環境の急激な変化に伴う需要変動への対応を、当社グループの喫緊の課題と認識し、「顧客に選ばれるジャストインタイム」と「受注変動に追従できるフレキシブル生産体制」を実現するため、生産ラインの自働化推進やIoT活用による生産情報の見える化に取り組んでまいりました。

 

③ 利益体質の確立

a.全社的収益改善の取り組み

 売上拡大に向けた取り組みに加え、材料費、組立費の原価低減活動や戦略的設備投資による生産性向上、設備投資効率向上に取り組んでまいりました。

 

b.ヨーロッパ生産販売事業の収益体質改善の取り組み

 ヨーロッパ市場拡大のために買収したPowerbox International ABの財務体質を強化するとともに、COSEL EUROPE GmbHとの営業体制を再編することで、欧州地域における営業力の強化に取り組んでまいりました。

 

 第9次中期経営計画の主要課題に対する取り組み成果と課題は、次のとおりであります。

主要課題

取り組み

問題・課題

新しい付加価値製品・

サービスの創出

・重点業界向け新製品拡充

・デジタル技術を活用したマーケティング、顧客情報の収集蓄積

・新製品の売上高寄与率の低迷

・旧製品から新製品への切替えが進んでいない

・部品材料の生産中止対応コストの増加

グローバルで競争力あるものづくり体質の創造

・自働化推進による生産効率の向上

・IoT活用による生産情報の見える化

・グローバルサプライチェーンの構築

・自働化設備投資による増産体制の構築

利益体質の確立

・Powerbox International ABの財務体質改善、収益体質への転換

・増産による固定費比率の低減

・欧州地域における営業体制の再編

・物価上昇、エネルギー価格高騰による部品材料の値上げ対応

・製品価格の適正化対応

・欧州ビジネスの拡大、強化

 

 第9次中期経営計画における2022年度の目標・客観的指標とその達成状況は次のとおりであります。

項目

第8次

(最終年度)

2019年度実績

第9次中期経営計画

2020年度

2021年度

2022年度

実績

実績

計画

実績

連結売上高(百万円)

23,865

27,020

28,077

30,000

35,266

連結営業利益(百万円)

1,668

3,020

2,811

4,500

4,926

連結営業利益率(%)

7.0

11.2

10.0

15.0

14.0

連結ROE(%)

0.7

2.8

4.7

8.0以上

7.6

連結ROA(%)

3.8

7.9

6.6

11.0以上

11.2

 

 第9次中期経営計画の最終年度である2022年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大による停滞状況から経済活動の正常化が進み、企業活動の回復基調により、今後の生産増加に備えた需要増加が継続し、売上高は目標を上回ることができました。一方で利益面では、世界的な半導体需要の高まり等による部品材料の入手難や、原油高及び物価上昇に伴う部品材料価格の高騰により、営業利益額の目標は達成したものの、営業利益率目標には届きませんでした。この経営成績の結果、連結ROEにつきましても、目標を下回る結果となりました。

 

(4)今後の経営環境

 新型コロナウイルス感染症の影響は収束しつつあるものの、欧米の金融市場の混乱やインフレに加え、ロシアによるウクライナ侵攻や米中対立など地政学的リスクの影響により、世界経済の景気後退への懸念が深まるなど、予断を許さない状況が続くものと思われます。

 当社グループが属するエレクトロニクス業界を取り巻く環境としては、半導体製造装置関連の需要調整局面から、今後AI、IoT、5G分野の広がりやカーボンニュートラルへの関心の高まりから、回復基調・増加基調に転じ、合わせてFA関連、医療関連の需要も堅調に推移するものと想定しております。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 外部環境の変化と第9次中期経営計画の継続課題から、当社グループにおける課題は、部品材料の調達難への対応と生産能力向上により、お客様への製品供給遅延を早期に解決することと捉えております。また、成長性や収益性を高める経営基盤を構築し、競争優位性の高いビジネスモデルに変革していくことが重要と考えており、世界各地域の戦略の実行、そのための新製品開発、利益創出活動、そして、地球温暖化防止のための脱炭素化の取り組みにも重点をおき取り組んでまいります。

 

1)第10次中期経営ビジョンと戦略

 第10次中期経営計画策定段階における外部環境変化として、米中対立に伴う輸出規制強化の影響のほか、ロシアのウクライナ侵攻に伴う資源高の進行により、欧州を中心に世界経済への影響が懸念されております。

 また、気候変動抑制のためのカーボンニュートラルに向けて、再エネ活用・省資源・省エネへの取り組みが世界中で加速するものと考えております。

 さらに、エレクトロニクス業界の動向については、自動車の自動運転、EV化等によって、半導体を中心に電子部品の使用量が急拡大しております。また、データセンターを含めたIT関連需要の拡大によって、先端半導体の需要が増加・拡大するものと考えております。

 これらの環境変化を踏まえ、価値ある企業へと成長していくために以下のビジョン、重点施策を設定いたしました。

■第10次中期経営計画 ビジョン

『顧客起点のニーズを捉えた付加価値のある製品とサービスをタイムリーに実現し、スマートエネルギー社会になくてはならない存在になる』

 

■重点戦略(3本柱とKPI)

 重点施策として、『製品の新陳代謝を促進し、収益モデルの転換を図ることで、2025年度までに高利益体質の会社に戻す』を掲げました。

 具体的には、

1.適正な利益・原価管理の実現

営業利益率 14.0%(2022年度) ⇒ 15.0%(2025年度)

2.新製品売上比率の向上

新製品・リリース済新製品寄与率 4%(2022年度) ⇒ 21%以上(2025年度)

3.欧州ビジネス強化

EU売上高 55.1M ユーロ(2022年度) ⇒ 71.6M ユーロ(2025年度)

 

2)第10次中期経営計画の目標・客観的指標

① 最終年度2025年度の数値目標として、連結売上高 417億円、営業利益 62億40百万円を掲げております。

② 中長期的重要KPIとして、連結営業利益率 15%以上、連結ROE10%以上を目指して、高利益体質に改善してまいります。

項目

第9次

(最終年度)

2022年度実績

第10次中期経営計画

2023年度計画

(最終年度)2025年度計画

連結売上高(百万円)

35,266

38,000

41,700

連結営業利益(百万円)

4,926

5,392

6,240

連結営業利益率(%)

14.0

14.4

15.0

連結ROE(%)

7.6

8.8

10.0

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ基本方針

 当社グループは、経営理念「品質至上を核に社会の信頼に応える」のもと、以下の4つの重点課題に取り組むことで、継続的に企業価値を高め、持続可能な社会の実現・発展に貢献してまいります。

 

<サステナビリティ重点課題>

■“技術革新”と“モノづくり”で新たな価値を創出し、社会的課題の解決を図ります。

■ 価値創造に挑戦する多様な社員の能力を引き出し、活かす組織・人財マネジメントを推進します。

■ 気候変動リスク/環境負荷の低減を推進し、脱炭素社会の早期実現を目指します。

■ 法令を遵守し、ステークホルダーへの適切な情報開示と対話を通じて、公正かつ透明性の高い経営を実現します。

 

(2)ガバナンス及びリスク管理

 サステナビリティの推進体制は、当社グループ全体で横断的に推進するため、担当部門と各専門委員会等で連携を取り、重要指標のモニタリング、リスクの抽出と評価、施索の策定・実施を取り組み、その進捗及び結果を取締役会、執行役員会ならびに経営会議で報告し、経営層のコミットメントのもと、活動のさらなる推進、強化を図っております。

  E(環境)  :取締役会、執行役員会、RC(リスク管理・コンプライアンス委員会)、環境委員会、美化リサイクル委員会、安全衛生委員会、総務部門

  S(社会)  :取締役会、執行役員会、指名・報酬委員会、総務部門

  G(企業統治):取締役会、執行役員会、指名・報酬委員会、監査等委員会、監査室

 

 

(3)戦略、指標及び目標

 「ESG」視点で注力すべき重要課題を捉え、以下のESG行動計画を策定し、それぞれの目標を設定するとともに具体的な活動内容を策定し、取り組んでおります。

 

〔ESG行動計画〕

ESG

区分

ESG重要課題

取り組み課題と目標

関連する

SDGsゴール

① 気候変動リスク低減

■気候変動リスク抽出/分析、TCFDに基づく情報開示の充実

■脱炭素化の推進(対象:Scope 1,2,3)

・CO2排出量削減 2025年度目標 915 t-CO2 以下

(参考:2022年度実績 2,270 t-CO2)

・埋立処分廃棄物の削減(ゼロエミッションの実現)

2025年度目標 2.4 t 以下

(参考:2022年度実績 7.40 t)

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① 人財の多様性・能力を活かす組織・風土

経営戦略と人事戦略(人財の採用、育成)の連動

② 従業員エンゲージメント向上

企業理念や企業の存在価値、企業文化などの浸透・定着

■多様な人財の能力を引き出し、活かす組織・風土づくり

・外国籍在職者数 2025年度目標 20人

 (参考:2022年度実績 12人)

・女性経営職比率 2025年度目標 8.0%

 (参考:2022年度実績 4.8%)

・男性育児休業取得率 2025年度目標 75.0%

 (参考:2022年度実績 50.0%)

■階層別(戦略・論理的思考)教育の企画、実施

■企業文化、価値観「COSELMind」の浸透

■人的資本の開示情報の充実

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① コーポレート・ガバナンス体制強化

■取締役会の実効性強化

・(取締役会の)運営方針、課題設定の共有

・社外取締役との意見交換

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 上記指標に関して、当社においては指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、連結グループ全ての会社で行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。

 

1)E:環境(Environment)

① 気候変動リスク低減

(気候関連財務情報開示タスクホース(TCFD)提言に沿った情報開示)

 当社は、2019年11月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に賛同し、このTCFD提言に従い、シナリオ分析を実施し、TCFD提言に基づく4つの中核要素における当社の対応状況を次に示します。

 

ガバナンス:

 当社では、気候変動に関する委員会である「環境委員会」があり、取締役会の下、気候変動についての戦略策定をしており、毎年1回更新しております。また取り組み実績について監督、評価を行っております。

 

戦略:

 ユニット電源、オンボード電源、ノイズフィルタの製品区分に関する事業について、国内を対象にシナリオ分析を実施し、結果として財務的な影響が大きいと判断した気候関連リスク・機会については対応策を検討しております。今後は、対応策の具体化を進めるとともに、シナリオ分析の対象範囲を拡大していく予定としております。

 

リスク管理:

 RC(リスクコンプライアンス)委員会主導で、リスクを所管する各部門と協議の上、全社的なリスクの洗い出しを行っております。抽出したリスクについて、その発生頻度、人系・事業系の影響区分、復旧レベルにより、影響評価を行い、特定された重要リスクについて経営方針として取り上げ、取り組みを継続しております。

 気候変動に関するリスクについては、環境委員会が中心となり、関係各部門と連携を取りながら、環境負荷の低減に向けた各種方針・戦略の策定、取り組みに対するモニタリングを行っております。

 

指標と目標:

 2030年度目標として「CO2排出量 2020年度比50%以上削減」を掲げ、活動しております。また、モニタリング指標としては「電力使用量」、「化石燃料使用量」を設定しております。

 

 なお、上記取り組み概要に関しては、「TCFDの提言に基づく情報開示」として、当社ホームページにも掲載しております。

 https://www.cosel.co.jp/corporate/ir/management/index.html

 

(脱炭素社会に向けた取り組み)

 2050年カーボンニュートラル(=脱炭素)の実現に向けた、気候変動対策・再エネ・省エネ等の取組みが世界中の企業に求められている中、当社においても脱炭素社会に向けての取り組みを開始しております。

 2030年度目標 CO2排出量 70%以上削減(BMを2020年度比)を設定し、

Ⅰ:脱炭素化実現に向けた顧客ニーズに応える製品・サービスの提供と新技術開発

Ⅱ:脱炭素化に向けた省エネ化・再エネ化の推進

 これらを基本方針とし、小型、高効率、高信頼性の製品開発/そのための新技術開発の強化により、市場におけるCO2排出量低減を推進するとともに、自社のものづくりを中心とする事業活動(Scope1,2)におけるCO2排出量を削減すべく、電力を中心とするエネルギー使用量の低減(省エネ)、太陽光発電設備の増設等による再生エネルギーの活用(創エネ)、CO2フリー電力の導入(再エネ)など、脱炭素化に向けた取り組みを全社一丸となって推進しております。

 引き続き、2050年カーボンニュートラルの実現に向けたロードマップの策定を進め、脱炭素社会の実現に取り組んでまいります。

 

2)S:社会(Social)

① 人財の多様性・能力を活かす組織・風土

 目まぐるしく変化する社会・企業環境において、社会やお客様が必要とする新たな価値を創造し、持続的成長を実現していくためには、多様性ある企業・職場風土づくりとともに、個々人の持つ能力を活かし、やりがい、働きがいにつなげていくことが重要であると考えております。そして、この実現に向けた重要課題として、「採用人財の多様化と女性活躍推進」、「従業員個々の役割明確化とその発揮による公正な処遇の実現」を柱として、「多様な人財の能力を引き出し、活かす組織・風土づくり」につなげてまいります。

 

(新規・中途も含めた採用人財の多様化と女性活躍推進)

・国内からの採用に拘らず、グローバル人財の採用強化

・女性経営職(課長職以上)の登用促進

 

 

(従業員個々の役割明確化と公正処遇の実現:新人事制度への移行(2022年5月21日~))

・職務能力を基軸とする現行制度から職掌別役割を基軸とする新制度への移行

・年齢(経験)、性別に関係なく、役割行動の発揮度に応じた評価・処遇の実現

 

 今後も、多様性ある採用・登用や新人事制度の運用を通して、一人ひとりの成長につなげていくこと、そして、ジェンダー間の公正処遇を実現していくとともに、女性経営職の登用促進等を推進してまいります。

 

(人財育成・教育内容の見直し:職種や職位ごとの教育/必要な技術・技能の習得など)

 事業環境が急速に変化し、価値観も多様化する中、経営基盤の強化や持続的成長・企業価値向上のための戦略の推進には、一人ひとりの成長・働きがいがその原動力になると考えています。

 当社グループは、「次世代リーダーの育成につながる階層別教育」、「業務推進のための知識・スキル向上」、「プロを目指す技術・技能の向上(専門性の向上)」など、人財育成体制の充実に取り組んでおります。

 今後も引き続き、一人ひとりの能力を引き出し、活躍できる領域を広げ、働きがいにつながるよう基盤構築を推進してまいります。

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(グループ共通の価値観の浸透に関する考え方)

 コーセルグループ全員が、大事にすべき企業文化や価値観を共有するということは、戦略の実行、目的・目標の実現のためには、重要な要素であり、経営そのものであると認識しております。

 創業以来、当社に脈々と受け継がれてきた大事にすべき文化と価値観を示した「COSELMind」をまとめ、全社共通の文化・価値観の浸透に取り組んでまいりました。

 全社一丸となり、第10次中期経営計画の目標を達成すべく、「COSELMind」のさらなる浸透と充実を継続してまいります。

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② 従業員エンゲージメント向上

 企業が持続的成長に向けて取り組むうえで、ステークホルダーの一人である従業員自身が、誇りとやりがいを持って、生き生きと働ける環境を創り出すことが重要だと考えております。

 当社は、これまで、育児・介護制度の見直しなど、働きやすい環境の整備について継続的に取り組んでおります。また、従業員に対しエンゲージメント調査を行い、継続的に改善を図っております。その結果を活かし、引き続きワークエンゲージメントを高めるための議論を進め、働きやすい環境づくりと従業員一人ひとりが誇りとやりがいを持って、生き生きと働ける職場、機会の創出に努めてまいります。

 また、これらの取り組みに関し、重要指標を定め、人的資本の情報開示として取り組んでまいります。

 

 

3)G:企業統治(Governance)

① コーポレート・ガバナンス体制強化

(経営における意思決定の透明性向上)

 当社は、コーポレート・ガバナンスに関して、経営の重要な課題と位置づけ、様々なステークホルダーの期待と信頼に応えうる企業を目指して、経営効率の向上を図るとともに、経営における意思決定の迅速化、透明性向上に努めております。

 ガバナンス体制の強化として、経営における意思決定の透明性を図り、また、多様性をもった経営・業務執行を行うため、2021年6月に「指名・報酬委員会」を設置したことに加え、2021年8月には執行役員制度を導入いたしました。さらに、監査・監督機能の充実を図るべく、2022年8月に「監査等委員会設置会社」へ移行いたしました。今後、経営指標の可視化等により、経営の透明性を高め、更なるガバナンス体制の強化に努めてまいります。

 

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、各リスクが顕在化する時期を合理的に予測することは困難であります。

 

(1)経済環境に関するリスク

 当社グループは、国内、海外(アジア、北米、ヨーロッパ)の各拠点を中心とし、また、幅広い業界向けに事業を展開しております。グローバル経済や各地域経済の状況、各業界動向によっては、経営成績や財政状態に大きな影響が及ぶ可能性があります。また、米中関係をはじめとする国際関係の変化に伴う政策や法規制の変更は事業活動にも大きく影響します。

 当社グループは、外部環境や各地域の状況の変化、業界動向の把握に努め、スピード感をもって変化に対応していく体制と基盤強化のための体制づくりに取り組んでまいります。具体的には、部門横断による機動的改革活動の推進、新しい付加価値製品・サービスを創出し、グローバルで競争力あるものづくりを創造する体質づくりに取り組んでまいります。

 

(2)地政学リスク

 地政学リスクとして、米中をはじめとする二国間関係やロシア・ウクライナ情勢を巡る多国間関係など、国際関係は変化が増しています。

 そのような中、各国の経済安全保障政策や様々な法規制が実施され、輸出入取引への影響や部品材料の調達難、価格高騰等により、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 その対応として、当社グループは、サプライチェーンの見直し等を図り、製品の安定供給に努めるとともに、継続的なコスト削減や付加価値のある新製品の市場投入等により、収益確保・収益性向上に努めております。

 

(3)災害リスク

 当社グループは、国内や海外拠点の所在地における大規模な自然災害等の発生により、事業活動が長期間停止する可能性があります。また、当社グループが製造販売する製品を構成する部品材料の多くはグローバルに調達をしており、近年の気候変動に伴う大規模な自然災害や巨大地震、取引先の大規模火災など予期できない災害等や需要の急増による部品供給の逼迫等は、当社グループの生産稼働の減少により経営成績や財務状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 その対応として、当社グループは、災害や感染症による事業への影響を最小限にし「製品供給責任」を果たすため、事業継続計画(BCP体制)の充実を図り、初動対応に活かしております。また、調達面においては短期的には、重要度に応じた適正在庫を確保するようにしており、長期的には、複数購買化や部品の共通化を進めてまいります。

 

(4)感染症の拡大リスク

 当社グループは、日本国内のほか、海外各国、地域において事業活動を展開しており、当該各地域での感染症拡大が経済活動に影響を及ぼす可能性があります。新型コロナウイルス感染症による影響は次第に低下している状況にありますが、未だ感染再拡大の可能性は存在しております。

 その対応として、当社グループは、従業員等の健康と安全の確保、感染防止、事業継続を最優先課題として、今後も社内外での感染・拡散防止の基本行動の徹底に努め、従業員等の健康・安全確保、顧客への供給責任を果たすための取り組みを継続してまいります。

 

(5)製品の品質に関するリスク

 当社グループは主たる工場及びグループ各社で品質管理及び品質保証のための国際規格(ISO9001) で認定された品質システムを構築し、設計段階から品質の作り込みを行い、より高い製品品質、サービスの提供をしております。しかしながら、全ての製品、サービスについて不良欠陥が発生しないという保証はなく、顧客において当社グループの製品・サービスにおける品質に起因する事故、市場回収、生産停止等が生じた場合、顧客の損失に対する賠償責任を問われる可能性があります。大きな市場クレーム、リコールなどが発生した場合には、多額の回収コストや賠償費用の発生又は販売の減少等により、当社グループの経営成績や財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 その対応として、当社グループは、独自に保有する品質管理技術や情報等を活用し、設計審査、内部品質監査、購入先監査等を通じて製品・サービスの信頼性、安全性を確保出来るよう品質保証体制の継続的改善・改革を図っております。

 

(6)価格競争に関するリスク

 当社グループが属する電源市場におきましては、技術進歩、調達部品の低価格化等、価格による差別化が競争優位を確保する主たる要因の一つであります。さらに、最近では大手ユーザーが集中購買に伴う値下げ要請を行うことが多いため、競合電源メーカーとの価格競争が激化し、恒常的に低下する傾向にあります。こうした価格動向が当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 その対応として、当社グループは、こうした販売価格の低下に対して、継続的なコスト削減や付加価値のある新製品の市場投入等により、収益確保・収益性向上に努めております。

 

(7)棚卸資産に関するリスク

 当社グループが所有する棚卸資産のうち、原材料の在庫におきましては、製品の生産・販売実績や将来の需要予測等を基に調達しておりますが、昨今の半導体等部品の入手難等により当社製品の需要が急増したことにより調達量が増加した一方で、一部の部品・原材料の供給納期が長期化した影響で、原材料在庫残高が高水準になっております。その結果、保管場所は社外委託倉庫等を含め複数拠点にわたっております。

 原材料の貸借対照表価額は、収益性の低下に基づいて算定しておりますが、将来の使用見込みに関しては、会社の見積りが含まれており、顧客や市場動向等の将来の経済状況の変動によって影響を受ける可能性があります。

 その対応として、当社グループは、原材料の現物及び在庫水準の日常的な管理のもと、部品調達課題の改善状況に応じた発注管理と生産体制の増強、増産に努め、原材料における収益性の低下リスクを軽減してまいります。

 

(8)知的財産に関するリスク

 当社グループが保有する知的財産権は、重要な経営資源の一つであり、知的財産権の保護や知的財産権にからむ係争の回避は重要な経営課題であります。仮に、当社グループが、第三者の知的財産権を侵害しているとの主張を受けた場合、係争となる可能性があり、当社製品の生産・販売の制約や、損害賠償金等の支出が発生し、当社グループの経営成績や財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 その対応として、当社グループは、専門委員会を設置しており研究開発及び設計にあたって、第三者の知的財産権の調査を実施しております。

 

(9)為替変動に関するリスク

 当社グループでは、当社と海外子会社並びに海外子会社と外部顧客の取引を外貨建てで行っており、為替変動に伴う製品の海外市場における競争力低下、輸出採算等により当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループは、2023年5月期において海外売上高が連結売上高の39.3%を占めており、今後も積極的な海外市場への事業展開により、海外事業比率は高まると想定しています。

 その対応として、当社グループは、外貨建原材料購買の増大や海外拠点で消費する資材の現地調達化を進めており、加えて中期的には海外生産拡大も進めてまいります。

 

(10)M&Aに関するリスク

 当社グループは、ヨーロッパ市場における営業力・技術競争力を強化することを目的として、2018年6月にPowerbox International ABを子会社化し、当社グループの業績に寄与することを見込んでおります。しかしながら、2020年度においてコロナ禍の中で事業が計画通りに展開できず、結果的に“のれん”の減損処理(1,097百万円)を実施いたしました。

 2021年度以降は、これまでに取り組んできた事業再編の効果が出始め、営業利益・経常利益ともに業績回復しましたが、今後更なる業績向上に向けて、営業力と技術競争力の強化により、最大限のシナジー効果を発揮できるよう取り組んでまいります。

 

(11)情報セキュリティに関するリスク

 当社グループは、事業における重要情報や入手した取引先等の秘密情報、個人情報等を保有しております。これらの情報に関して、盗難・紛失等による情報漏えい、不正アクセスなどのサイバー攻撃による消失や改竄、窃取等があった場合、事業活動に支障をきたし、その結果、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 その対応として、当社グループは、情報セキュリティ基本方針、情報セキュリティ規定を制定し、情報セキュリティに関する管理体制やルールを整備、情報リテラシーを高めるための社員教育、情報の取り扱いに関するリスク評価・対策、各種法規制強化への対応等により、ITガバナンス体制の強化を図っております。

 

(12)環境規制に関するリスク

 大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、廃棄物、製品に含有する環境化学物質等に関する種々の環境関連法令及び規制等は、年々強化されてきております。当社グループでは、これら法令及び規制等を遵守することが、企業の社会的責任の1つとして位置づけ、事業活動を行っております。

 しかしながら、今後、これらの要求に対応した製品をタイムリーに市場に投入できない場合や法令及び規制等がより厳しくなることにより、対応のための多額の投資が余儀なくされるような場合には、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 その対応として、当社グループは、環境に関する国際規格(ISO14001)で認定された環境マネジメントシステムを構築し、環境関連法令及び規制を遵守するための取り組みを行っております。また、環境方針・行動指針を定め、製品企画・開発設計から部材調達、生産、流通、販売、保守サービスに至る事業活動全体において環境負荷低減に取り組んでおります。

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

 

 1)財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルスによる行動制限が緩和され、経済活動が正常化に向かう一方、ロシアのウクライナ侵攻の長期化による資源・エネルギー価格の高騰に加え、世界的なインフレに対する欧米諸国での政策金利の引き上げや、それに伴う大幅な為替変動など、世界経済の先行きに不透明感が増し、景気後退の懸念が深まっております。

 エレクトロニクス業界におきましては、スマートフォンやPCでは市場低迷による半導体需要の減少がみられる一方、社会のデジタル化の進展や脱炭素化を背景に、自動車や産業機器向けの半導体需要が高まっております。一部の半導体等部品の入手難が継続しておりますが、全体的には部品の調達状況は改善しつつあり、顧客の生産は増産基調にあります。

 このような情勢の中で当社グループは、新型コロナウイルスの影響によるお客様への訪問営業の制限が緩和される中、前期から引き続き、電話・メール・ウェブを中心とした拡販活動に注力してまいりました。

 新製品につきましては、ピーク電力に対応した自然空冷大容量タイプのAC-DC電源AEAシリーズ拡充モデル「AEA800F」及び3×5インチ外形AC-DC電源GHAシリーズ拡充モデル「GHA700F」を市場投入いたしました。また、海外市場向けには、医用電気機器規格対応ユニット型AC-DC電源PJMAシリーズ拡充モデル「PJMA1500F」及びDINレール専用AC-DC電源「WDAシリーズ」を市場投入しております。

 また、生産面においては、前期から継続して新型コロナウイルスの感染予防に努めるとともに、需要急増に対応すべく部品材料の安定調達に注力しております。一部の部品材料において入手難が継続しておりますが、調達状況は改善傾向にあり、当社グループでは増産対応のための製造ライン整備を推進しております。

 この結果、当連結会計年度の経営成績につきましては、先行手配による需要が調整局面に入ったことにより、受注高は336億67百万円(前年同期比41.1%減)となりましたが、売上高は352億66百万円(同25.6%増)となりました。利益面におきましては、部品材料の値上げによる材料費比率の上昇、人件費及び経費の増加があったものの、売上高の増加による収益増加に加え、為替による影響等により、経常利益は52億73百万円(同76.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は31億62百万円(同66.9%増)となりました。

 

セグメントの経営成績は、以下のとおりであります。

① 日本生産販売事業

 日本国内では、下半期に入り、当社製品のリードタイム長期化に伴う手配需要は調整局面にありますが、顧客の生産活動は依然として堅調であり、当社においては継続して生産能力の増強を図ってまいりました。

 営業活動につきましては、当社が重視する訪問面談が、新型コロナウイルスの影響による制限から緩和される中、販売店との情報共有強化を図り、お客様とのウェブ面談やメールを中心とした活動に取り組んでまいりました。

 この結果、外部顧客への売上高は213億94百万円(前年同期比20.3%増)、セグメント利益は38億14百万円(同59.1%増)となりました。

 

② 北米販売事業

 米国では、部品材料の入手難に対する懸念から上半期は先行手配に伴う需要がみられたものの、下半期は調整局面に入っております。当社グループでは、一部部品材料の入手難の影響があったものの、北米販売事業の売上については堅調に推移しました。

 営業活動につきましては、新型コロナウイルスの影響による制限が緩和される中、ウェブやメールを中心にファクトリーレップとの連携を図りつつ、拡販活動に注力してまいりました。新製品につきましては、動画を用いてプロモーション強化に取り組んでまいりました。

 この結果、外部顧客への売上高は26億90百万円(前年同期比31.7%増)、セグメント利益は2億52百万円(同48.1%増)となりました。

 

③ ヨーロッパ生産販売事業

 ヨーロッパでは、新型コロナウイルス感染症再拡大の影響から回復し、需要は堅調に推移しました。当社グループでは、一部部品材料の入手難による影響があったものの、ヨーロッパ生産販売事業の売上については、PRBX製品を中心に大幅に増加しました。

 営業活動につきましては、新型コロナウイルスの影響による行動制限が徐々に緩和されておりますが、前期から引き続き、テレワーク中心の拡販活動に注力してまいりました。

 この結果、外部顧客への売上高は77億78百万円(前年同期比39.9%増)、セグメント利益は3億62百万円(前年同期はセグメント損失6百万円)となりました。

 

④ アジア販売事業

 アジアでは、前期までの先行手配需要の反動により、今期は調整局面となり、需要が大幅に減少しました。当社グループでは、一部部品材料の入手難の影響があったものの、アジア販売事業の売上については堅調に推移しました。

 営業活動につきましては、新型コロナウイルスの影響による行動制限が緩和されましたが、電話・メール・ウェブを使った拡販活動が中心になっており、前期から引き続き、新規開拓のためのウェブマーケティングに注力しております。

 この結果、外部顧客への売上高は34億3百万円(前年同期比26.4%増)、セグメント利益は1億87百万円(同44.0%増)となりました。

 

⑤ 中国生産事業

 中国生産事業では、下半期に入り、中国政府のゼロコロナ政策の転換による規制緩和をうけ生産活動が正常化いたしました。依然として部品材料の入手難による影響が一部の生産品でみられたものの、生産時間の拡大及び増員等により生産能力向上に努めており、3月以降、生産出荷台数が大幅に増加いたしました。

 また、海外市場向け新製品の「WDAシリーズ」及び「UMAシリーズ」の生産体制を整備し、「WDAシリーズ」においては生産・出荷を開始しております。

 この結果、セグメント間の内部売上高は26億円(前年同期比47.2%増)、セグメント利益は4億18百万円(同403.6%増)となりました。

 

 財政状況につきましては、当連結会計年度末の総資産は、売上債権、棚卸資産、投資有価証券が増加した一方で、現金及び預金、有価証券、有形固定資産、無形固定資産が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ29億45百万円増加し、486億67百万円となりました。負債の部では、買掛金、未払金、未払法人税等が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ15億71百万円増加し、63億54百万円となりました。純資産の部では、利益剰余金、その他有価証券評価差額金が増加した一方、為替換算調整勘定の減少に加え自己株式の取得等により、前連結会計年度末に比べ13億73百万円増加し、423億13百万円となりました。この結果、自己資本比率は86.7%(前連結会計年度末は89.4%)となりました。

 

2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3億32百万円減少し、126億12百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、10億31百万円(前年同期は使用した資金10億21百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益52億12百万円、減価償却費12億56百万円、減損損失55百万円、仕入債務の増加額1億16百万円、利息及び配当金の受取額71百万円を計上した一方で、売上債権の増加額29億36百万円、棚卸資産の増加額20億30百万円、法人税等の支払額8億42百万円があったこと等を反映したものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果得られた資金は、6億76百万円(前年同期は得られた資金19億33百万円)となりました。これは主に、投資有価証券の償還による収入18億円があった一方で、投資有価証券の取得による支出1億1百万円、有形固定資産の取得による支出8億62百万円、定期預金の預入による支出1億38百万円があったこと等を反映したものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は、21億16百万円(前年同期は使用した資金13億48百万円)となりました。これは主に、リース債務の返済による支出97百万円、自己株式の取得による支出10億6百万円、配当金の支払額9億53百万円があったこと等を反映したものであります。

3)生産、受注及び販売の実績

 当連結会計年度の生産実績、受注実績及び販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

a.生産実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年5月21日

至 2023年5月20日)

前年同期比(%)

日本生産販売事業(千円)

25,946,426

122.4

北米販売事業(千円)

ヨーロッパ生産販売事業(千円)

6,731,623

149.9

アジア販売事業(千円)

中国生産事業(千円)

2,501,580

132.7

合計(千円)

35,179,630

127.6

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.金額は販売価額によっております。

 

b.受注実績

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比

(%)

受注残高(千円)

前年同期比

(%)

日本生産販売事業

21,404,346

55.6

25,363,170

100.3

北米販売事業

2,553,084

57.2

2,996,633

102.8

ヨーロッパ生産販売事業

7,197,071

87.7

6,527,189

99.8

アジア販売事業

2,513,009

41.8

3,073,391

79.4

中国生産事業

合計

33,667,511

58.9

37,960,383

98.3

(注)金額は販売価額によっております。

 

c.販売実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年5月21日

至 2023年5月20日)

前年同期比(%)

日本生産販売事業(千円)

21,394,062

120.3

北米販売事業(千円)

2,690,941

131.7

ヨーロッパ生産販売事業(千円)

7,778,658

139.9

アジア販売事業(千円)

3,403,296

126.4

中国生産事業(千円)

合計(千円)

35,266,958

125.6

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年5月21日

至 2022年5月20日)

当連結会計年度

(自 2022年5月21日

至 2023年5月20日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

㈱リョーサン

5,154,715

18.4

6,521,283

18.5

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

 1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。その作成に当たりましては、資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。そのため、これらの見積りについては過去の実績や状況に応じ、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りに不確実性があるため異なる場合があります。特に次の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成において使用される判断と見積りに重要な影響を及ぼすと考えております。

 

① のれん等無形固定資産の減損処理

 当社グループは、減損会計の対象となるのれん、技術資産及び顧客関連資産を有しております。今後、市場の動向や業績の状況に基づき見積られた将来キャッシュ・フローの総額の見積りが、帳簿価額を下回った場合に、減損損失の計上が必要になる可能性があります。

 

② 有価証券の減損処理

 当社グループは、金融機関や販売又は仕入先の株式等を保有しております。これらの株式等は株式市場等の価格変動や投資先の業績悪化等による実質価額変動のリスクを負っており、投資価値が50%以上下落した場合、投資の減損を計上しております。将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が生じた場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。

 

③ 繰延税金資産の回収可能性の評価

 当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積り、繰延税金資産の回収可能性を評価しております。その見積りにより全部又は一部が回収できないと判断した場合には繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

④ 退職給付費用

 当社の従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の長期収益率などが含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、翌期において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。

 期待運用収益率と実際の結果が異なる場合、又は予定利率等前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。

 

⑤ 原材料の評価

 当社の原材料の貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切り下げの方法により算定しております。また、保有期間が長期にわたる原材料は当社の品質管理上定められた保管期限及び将来の使用見込みを勘案し、適宜廃棄処分を行っております。

 原材料の使用見込みは、顧客市場動向等の将来の経済状況の変動によって影響を受ける可能性があり、これにより収益性が低下したと判断される場合、原材料の評価損を計上する可能性があります。

 

2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 売上高:352億66百万円(前期比25.6%増)、経常利益:52億73百万円(同76.8%増)、売上高経常利益率は15.0%(前期:10.6%、4.4ポイント上昇)、親会社株主に帰属する当期純利益は31億62百万円(同66.9%増)となりました。

 

① セグメント別業績

 「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 1)財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

② 売上原価、売上総利益

 前連結会計年度に比べ材料費等の変動費比率が0.7ポイント上昇した一方で、人件費及び減価償却費等の固定費比率が2.5ポイント低下した結果、売上原価率が1.8ポイント低下しました。その結果、売上総利益率は30.1%(前期28.3%)となりました。

 

 

③ 販売費及び一般管理費、営業利益

 前連結会計年度末に比べ、荷造運搬費が45百万円、貸倒引当金繰入額が17百万円、人件費が4億8百万円、旅費交通費が25百万円、事業税充当額が22百万円、研究開発費が23百万円増加した一方で、製品保証費が53百万円減少したこと等により、販売費及び一般管理費は5億48百万円増加しました。この結果、売上高営業利益率は14.0%(前期10.0%)となりました。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループでは、生産活動に必要となる運転資金、販売費及び一般管理費等の営業活動費用、研究開発費によるものの他、投資活動において、生産設備の増強、新製品開発等を目的とした設備投資を適宜行う予定としております。

 これらの資金に対しましては、自己資本比率が86.7%と十分な資本を維持しているため、自己資金にて充当する方針であります。今後も安定した収益基盤を確立し、一層の利益追求に取り組んでまいります。

 

 3)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、中長期的財務目標として、連結ROE、連結ROAが安定的に二桁を維持できる経営体質を目指しており、第10次中期経営計画において、最終年度である2025年度の数値目標値「連結売上高417億円、連結営業利益62億40百万円」を掲げ、連結営業利益率 15.0%以上、連結ROE 10.0%以上を目指し、持続的成長と企業価値向上を実現すべく経営体質の改善に取り組んでまいります。

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

6【研究開発活動】

 当社グループの研究開発活動は、日本生産販売事業セグメントにおいては、当社開発部でスイッチング電源及びノイズフィルタ製品の設計開発と顧客に対する技術サポートを担当し、研究室において電源の基礎研究、新事業・分野の研究を担当しております。ヨーロッパ生産販売事業セグメントにおいては、Powerbox International ABでスウェーデン及びドイツを主要拠点とし、スイッチング電源の設計開発を行っております。

 当連結会計年度の研究開発費の総額は320百万円であります。