第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第2四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生または有価証券報告書(2023年3月24日提出)に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 財政状態および経営成績の状況

 

売上高

(百万円)

コア営業利益

(百万円)

営業利益

(百万円)

税引前

四半期利益

(百万円)

親会社の

所有者に

帰属する

四半期利益

(百万円)

EBITDA

(百万円)

2023年12月期第2四半期

494,189

28,039

13,632

15,391

11,753

53,239

2022年12月期第2四半期

493,399

17,539

16,979

25,611

16,246

43,059

増減率

0.2%

59.9%

△19.7%

△39.9%

△27.7%

23.6%

 

外貨増減率

△4.2%

実質増減率

8.5%

 

(注) 1 コア営業利益は、営業利益から構造改革に伴う費用・減損損失等、非経常的な要因により発生した損益(非経常項目)を除いて算出しています。

     2 EBITDAは、コア営業利益に、減価償却費(使用権資産の減価償却費を除く)を加算しています。

    3 売上高における実質増減率は、為替影響、当第2四半期連結累計期間・前第2四半期連結累計期間におけるすべての事業譲渡影響および譲渡に係る移行期間中のサービス提供に関わる影響(以下「事業譲渡影響」という。)を除いて計算しています。

 

当第2四半期連結累計期間(2023年1月1日2023年6月30日)は、ウクライナ情勢の長期化や物価上昇等に伴う先行き不透明感が継続した一方で、経済活動の正常化が進み、個人消費にも持ち直しの動きが見られました

国内化粧品市場は、着実に回復しました。生活費の高騰に伴う節約志向が高まる一方で、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類へ移行したことなどを受けた経済の回復や外出機会の増加が影響しました。海外化粧品市場も全体として回復基調が継続しました。中国では、ゼロコロナ政策解除後の感染再拡大等の影響を受け、1月は厳しい市場環境となりましたが、2月以降は回復に転じ、4月における前年の上海を中心としたロックダウンの反動影響もあり、上期全体として堅調に成長しました。欧米においても消費は堅調さを維持し、化粧品市場も全カテゴリーで力強く成長しました

 

当社グループは、企業使命「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(美の力でよりよい世界を)」のもと、環境問題やダイバーシティ&インクルージョンの実現といった社会課題の解決に向けたイノベーションに積極的に取り組み、2030年のビジョン「美の力を通じて“人々が幸福を実感できる”サステナブルな社会の実現」を目指しています。

当社は2021年にコロナ禍の難局に対応する中長期経営戦略「WIN 2023 and Beyond」を策定し、スキンビューティー領域への注力や事業ポートフォリオの再構築、欧米事業を中心とした収益性改善など、より収益性とキャッシュ・フローを重視した経営を目指した抜本的な改革を進めてきました。

 

そして、本格的な市場回復が期待される2023年より、新たな中期経営戦略「SHIFT 2025 and Beyond」をスタートさせました。ブランド、イノベーション、人財という重点領域への投資強化や付加価値型経営モデルの確立を通じ、2025年までにコア営業利益率12%、2027年までに15%の達成を目指します。新中期経営戦略の1年目となる当連結会計年度は、各地域でシェア拡大・市場伸長を上回る売上成長を実現すべく、戦略的マーケティング投資によるブランド価値の強化に取り組んでいます

 

当第2四半期連結累計期間の売上高は前年比0.2%増の4,942億円、現地通貨ベースでは前年比4.2%減、為替影響および事業譲渡影響を除く実質ベースでは8.5%増となりました。実質ベースの売上高は、旅行者を中心としたビジネスモデルへの回帰・市場正常化の流れを受けた流通在庫調整が継続したトラベルリテール事業では、前年を下回った一方、市場の回復を捉えた戦略的な新商品の発売・マーケティング活動の強化等によって日本事業と中国事業は着実な伸長を果たしました。また、米州事業、欧州事業、アジアパシフィック事業においても、力強い成長を実現しました。

コア営業利益は、戦略的なマーケティング投資を通じた実質増収および機動的なコストマネジメントの継続等により、前年に対し105億円増益の280億円となりました。

親会社の所有者に帰属する四半期利益は、コア営業利益が増加した一方、非経常項目においてパーソナルケア製品の生産事業譲渡の契約締結に伴う減損損失、構造改革費用および事業譲渡損を計上したことなどから、前年に対し45億円減益の118億円となりました。

なお、EBITDAマージンは、10.8%となりました。

当第2四半期連結累計期間における連結財務諸表項目(収益および費用)の主な為替換算レートは、1ドル=134.8円、1ユーロ=145.8円、1中国元=19.5円です

報告セグメントの経営成績は次のとおりです。なお、報告セグメントの区分方法の変更については「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記」の「5. 事業セグメント」をご参照ください。

                               (単位:百万円)  

 

区     分

当第2四半期

(累計)

構成比

前第2四半期

(累計)

構成比

増  減

増減率

外貨

増減率

実質

増減率

日本事業

125,157

25.3%

115,667

23.4%

9,489

8.2%

8.2%

8.6%

中国事業

130,609

26.4%

115,739

23.4%

14,870

12.8%

9.0%

9.9%

アジアパシフィック事業

30,680

6.2%

31,384

6.4%

△703

△2.2%

△7.9%

13.9%

米州事業 

52,828

10.7%

59,013

12.0%

△6,185

△10.5%

△17.9%

23.3%

欧州事業

52,575

10.7%

55,710

11.3%

△3,135

△5.6%

△13.0%

16.7%

トラベルリテール事業

77,473

15.7%

77,850

15.8%

△377

△0.5%

△8.8%

△3.9%

その他

24,863

5.0%

38,033

7.7%

△13,169

△34.6%

△34.8%

△13.9%

   合    計

494,189

100.0%

493,399

100.0%

789

0.2%

△4.2%

8.5%

 

 

 

 

    

当第2四半期

(累計)

売上比

前第2四半期

(累計)

売上比

増  減

増減率

 

セグメント間の

内部売上高

又は振替高を含めた
売上高

 

当第2四半期

(累計)

前第2四半期

(累計)

コア営業利益又は損失

 

日本事業

△3,419

△2.7%

△7,397

△6.2%

3,977

 

127,396

118,624

中国事業

5,498

4.2%

△1,987

△1.7%

7,486

 

132,122

116,059

アジアパシフィック事業

235

0.7%

2,409

7.3%

△2,173

△90.2%

 

32,304

32,850

米州事業 

4,059

7.3%

3,691

6.1%

368

10.0%

 

55,494

60,088

欧州事業

1,250

2.2%

2,584

4.2%

△1,334

△51.6%

 

55,778

61,480

トラベルリテール事業

15,447

19.9%

16,991

21.8%

△1,544

△9.1%

 

77,633

77,944

その他

△3,679

△2.7%

411

0.3%

△4,090

 

134,459

147,168

小  計

19,393

3.2%

16,704

2.7%

2,689

16.1%

 

615,189

614,214

調整額

8,646

835

7,810

 

△121,000

△120,815

 

   

28,039

5.7%

17,539

3.6%

10,500

59.9%

 

494,189

493,399

 

 

(注) 1 第1四半期連結会計期間より、当社グループ内の業績管理区分の一部見直しに伴い、従来「プロフェッショナル事業」に計上していた業績を「その他」に計上しています。なお、前第2四半期連結累計期間のセグメント情報については、変更後の区分方法により作成したものを記載しています。

     2 第1四半期連結会計期間より、グループ内部取引をより適切に管理するため、米州事業の「セグメント間の内部売上高又は振替高」の一部を純額表示から総額表示に変更して集計しています。なお、前第2四半期連結累計期間のセグメント情報については、変更後の集計方法により作成したものを記載しています。

     3 「その他」に計上しているパーソナルケア製品生産事業に係る売上高は、資生堂久喜工場の譲渡に伴い、2023年4月1日以降、一部を除き発生していません。

     4 売上高における実質増減率は、為替影響および「事業譲渡影響」を除いて計算しています。

     5 「その他」は、本社機能部門、㈱イプサ、生産事業および飲食業等を含んでいます。

     6 コア営業利益又は損失における売上比は、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めた売上高に対する比率です。

     7 コア営業利益又は損失の調整額は、主にセグメント間の取引消去の金額です。

 

①  日本事業

本事業では、マスク着用の緩和に伴う需要回復や、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類へ移行したことなどを受けた外出機会の増加に合わせ、多くのブランドで革新的な新商品を展開しました。「クレ・ド・ポー ボーテ」や「SHISEIDO」では愛用者数の着実な増加と共に力強い成長を実現したほか、最新の技術を搭載した「エリクシール」のリニューアル商品は引き続き好調に推移しています。メイクアップ需要の回復も着実に捉え、「マキアージュ」も力強い成長を実現しました。

以上のことから、売上高は1,252億円となりました。前年比は8.2%増、事業譲渡影響を除く実質ベースでは8.6%増となりました。コア営業損失は34億円、売上増による差益増や費用効率化などにより、前年に対し40億円改善しました。

 

 

②  中国事業

中国事業では、大型プロモーションを中心とした成長から、より消費者のニーズを踏まえたブランド・商品の価値伝達による持続的成長への転換を進めています。「SHISEIDO」では、実店舗ならではのブランド体験を提供する取り組みの強化によりオフライン売上が全体をけん引、また、「クレ・ド・ポー ボーテ」は、Eコマース売上がけん引し、共に力強い成長を実現しました。「618」Eコマースプロモーションは、プラットフォーム多様化への対応強化と共に、高機能商品への注力・効果効能訴求の拡大を進め、市場を上回る売上成長を実現しました。

以上のことから、売上高は1,306億円となりました。前年比は12.8%増、現地通貨ベースでは前年比9.0%増、為替影響および事業譲渡影響を除く実質ベースでは前年比9.9%増となりました。コア営業利益は55億円、売上増による差益増により、前年に対し75億円改善し、黒字に転換しました。

 

③  アジアパシフィック事業

アジアパシフィック事業の国・地域では、台湾が当第2四半期連結会計期間より成長に転じたほか、韓国や東南アジアでは力強い成長が継続しました。「NARS」が昨年からの好調さを維持し、全体の成長をけん引しました。

以上のことから、売上高は307億円となりました。前年比は2.2%減、現地通貨ベースでは前年比7.9%減、為替影響および事業譲渡影響を除く実質ベースでは前年比13.9%増となりました。コア営業利益は2億円、売上増に伴う差益増の一方、マーケティング投資の増加等により、前年に対し22億円の減益となりました。

 

④  米州事業

米州事業では、戦略的マーケティング活動を通じて、市場の継続的な拡大を確実に捉えました。SNSマーケティングが奏功した「Drunk Elephant」が前年比2倍超の成長を実現したほか、「NARS」「SHISEIDO」も着実に成長しました。

以上のことから、売上高は528億円となりました。前年比は10.5%減、現地通貨ベースでは前年比17.9%減、為替影響および事業譲渡影響を除く実質ベースでは前年比23.3%増となりました。コア営業利益は41億円、売上増に伴う差益増により、前年に対し4億円の増益となりました。

 

⑤  欧州事業

欧州事業では、デジタルマーケティングの強化や積極的な新商品展開により「NARS」が全体を引き続きけん引したほか、先進ヒアルロン酸研究技術を搭載した美容液「SHISEIDO ビオパフォーマンス スキンフィラー」が好調な「SHISEIDO」も着実に成長しました。また、店舗拡大を進めた「Drunk Elephant」「クレ・ド・ポー ボーテ」等が着実に伸長しました。

以上のことから、売上高は526億円となりました。前年比は5.6%減、現地通貨ベースでは前年比13.0%減、為替影響および事業譲渡影響を除く実質ベースでは前年比16.7%増となりました。コア営業利益は13億円、事業譲渡影響等により、前年に対し13億円の減益となりました。

 

⑥  トラベルリテール事業

トラベルリテール事業(空港・市中免税店などでの化粧品・フレグランスの販売)では、新型コロナウイルス感染症による影響の緩和に伴う旅行客数の増加により、日本では力強い回復を実現しました。一方、韓国・中国海南島では、旅行者を中心としたビジネスモデルへの回帰・市場正常化の流れを受けた流通在庫調整の影響を大きく受け、前年を下回りました。

以上のことから、売上高は775億円となりました。前年比は0.5%減、現地通貨ベースでは前年比8.8%減、為替影響および事業譲渡影響を除く実質ベースでは前年比3.9%減となりました。コア営業利益は154億円、売上減に伴う差益減により、前年に対し15億円の減益となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物は、当連結会計年度期首残高1,190億円に比べ154億円減少し、1,037億円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前四半期利益(154億円)に減価償却費及び償却費(363億円)などの非資金費用、営業債権の減少(364億円)、法人所得税の還付額(109億円)があった一方、営業債務の減少(432億円)などにより、前年同期に比べ744億円増加の437億円の収入となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

第2四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、関連会社株式の売却による収入(85億円)、定期預金の払戻による収入(61億円)、有形固定資産及び無形資産の売却による収入(58億円)があった一方、無形資産の取得による支出(161億円)、有形固定資産の取得による支出(111億円)、事業譲渡による支出(95億円)、定期預金の預入による支出(80億円)などにより、前年同期に比べ16億円支出は減少し、238億円の支出となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

第2四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金及びコマーシャル・ペーパーの増加(213億円)があった一方、配当金の支払額(299億円)、長期借入金の返済による支出(159億円)、リース負債の返済による支出(152億円)などにより、前年同期に比べ426億円支出は増加し、413億円の支出となりました。

 

(3) 経営方針・経営戦略等

有価証券報告書(2023年3月24日提出)の記載から重要な変更または新たな発生はありません。

 

(4) 事業上および財務上の対処すべき課題

有価証券報告書(2023年3月24日提出)の記載から重要な変更または新たな発生はありません。

 

(5) 研究開発活動

当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、132億円(売上高比2.7%)です。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(6) 従業員数

当第2四半期連結累計期間において、従業員数に著しい増減はありません。

 

(7) 生産、受注および販売の実績

当第2四半期連結累計期間において、生産、受注および販売の実績について著しい変動はありません。

 

(8) 主要な設備

当第2四半期連結累計期間において、主要な設備の重要な異動または前連結会計年度末において計画中であったものに著しい変更はありません。

 

(9) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し

当第2四半期連結累計期間の実績は、日本の中高価格帯における着実な回復、欧米を中心とした力強い成長を実現し、売上高が想定を上回ったほか、コスト効率化の推進も奏功し、コア営業利益は想定を上回りました。

今後の市場環境については、トラベルリテール事業における市場環境の変化や、為替市場のボラティリティの上昇等、不透明感が高まっています。そのような中、当社は、戦略的マーケティングを通じたグローバルでの売上高最大化や、機動的なコストマネジメントを推進し、2023年12月期のコア営業利益600億円の達成に向けて取り組んでまいります。

以上のことから、有価証券報告書(2023年3月24日提出)の記載から重要な変更または新たな発生はありません。

 

(10) 資本の財源および資金の流動性についての分析

①  資金調達と流動性マネジメント

資金調達と流動性マネジメントの基本方針は、有価証券報告書(2023年3月24日提出)の記載から変更ありません。なお、当第2四半期連結会計期間末現在において、当社グループの流動性は十分な水準にあり、資金調達手段は分散されていることから、財務の柔軟性は引き続き高いと考えています。

 

②  格付け

ムーディーズ・ジャパン株式会社より取得している2023年7月31日現在の発行体格付けはA3(見通し:安定的)となっています。

 

③  資産及び負債・資本

総資産は、円安による在外営業活動体の換算差額が増加した一方、配当金の支払いなどによる現金及び現金同等物の減少、パーソナルケア製品の生産事業譲渡に伴う売却目的で保有する資産の減少などにより、前連結会計年度末に比べ382億円減の1兆2,695億円となりました。負債は、営業債務及びその他の債務の減少などにより、533億円減の6,286億円となりました。資本は、配当金支払いにより利益剰余金が減少した一方、円安による在外営業活動体の換算差額が増加したことなどから、151億円増の6,409億円となりました。

また、親会社の所有者に帰属する持分に対する現預金を除いた有利子負債(リース負債除く)の割合を示すネットデット・エクイティ・レシオは0.08倍となりました。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。