第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

なお、重要事象等は存在しておりません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)経営成績の状況

①当期の経営成績

売上高は108億8百万円(前年同期比12.5%増)となりました。

遺伝子組換え天然型ヒト成長ホルモン製剤「グロウジェクト®」および腎性貧血治療薬は、2023年4月に薬価改定がありましたが、販売数量が大きく増加し、「イズカーゴ®点滴静注用10mg」も好調に推移しました。アストラゼネカ株式会社の新型コロナウイルスに対するワクチン原液の国内製造の受託を予定どおり終了したことなどによる減収はありましたが、主力製品が好調に推移した結果、前年同期に比べて増収となりました。

営業利益は20億66百万円(前年同期比34.5%増)、経常利益は22億60百万円(前年同期比8.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は16億10百万円(前年同期比17.7%増)となり、いずれも増益となりました。

積極的な研究開発活動の結果、研究開発費は4.7%増加し22億94百万円(前年同期比1億3百万円増)となりました。

 

 

前第1四半期連結累計期間

(自 2022年4月1日

至 2022年6月30日)

当第1四半期連結累計期間

(自 2023年4月1日

至 2023年6月30日)

増減

金額(百万円)

金額(百万円)

売上高

9,606

10,808

12.5

営業利益

1,536

2,066

34.5

経常利益

2,083

2,260

8.5

親会社株主に帰属する四半期純利益

1,368

1,610

17.7

 

②主な売上

 

前第1四半期連結累計期間

(自 2022年4月1日

至 2022年6月30日)

当第1四半期連結累計期間

(自 2023年4月1日

至 2023年6月30日)

増減

金額(百万円)

金額(百万円)

ヒト成長ホルモン製剤

 グロウジェクト®

3,134

4,222

34.7

ムコ多糖症Ⅱ型治療剤

 イズカーゴ®点滴静注用

1,070

1,239

15.8

腎性貧血治療薬

 エポエチンアルファBS注「JCR」

 ダルベポエチンアルファBS注「JCR」

875

660

214

1,615

602

1,012

84.5

△8.8

371.0

再生医療等製品

 テムセル®HS注

1,041

1,063

2.1

ファブリー病治療薬

 アガルシダーゼベータBS点滴静注「JCR」

519

471

△9.3

医療機器

21

37

69.5

契約金収入

1,010

1,612

59.6

AZD1222原液

1,931

△100.0

その他

547

 

③研究開発の状況

[ライソゾーム病治療薬]

・当社では現在、17種類を超えるライソゾーム病治療薬について、独自の血液脳関門通過技術「J-Brain Cargo®」を適用した新薬の研究開発に重点的に取り組んでおります。

 

・血液脳関門通過型ハンター症候群治療酵素製剤パビナフスプ アルファ(開発番号:JR-141)については、米国において米国食品医薬品局(FDA)より2022年12月にRare Pediatric Disease(※1)の指定を受けております。2022年2月にはグローバル臨床第3相試験において最初の被験者への投薬が開始されており、現在、被験者の登録を進めております。なお、2020年12月にブラジル国家衛生監督庁(ANVISA)に製造販売承認申請を行っておりましたが、2022年8月に非承認となりました。現在実施中のグローバル臨床第3相試験の結果を用いて再度申請を行うことを予定しております。

 

・血液脳関門通過型ムコ多糖症Ⅰ型治療酵素製剤lepunafusp alfa(開発番号:JR-171)については、現在、日本・ブラジル・米国での臨床第1/2相試験において、2022年3月に計画した全例の登録を完了し、最終解析を実施しております。グローバルでの臨床第3相試験の早期開始に向けて、準備を進めております。

 

・血液脳関門通過型ムコ多糖症ⅢA型治療酵素製剤(開発番号:JR-441)については、ドイツ連邦共和国規制当局 Paul-Ehrlich Institute (PEI)に第 I/II 相試験の CTA(clinical trial application)が受理されました。現在、2023年度上半期中のリクルートの開始を目指し、治験プロトコルの最終調整を行っています。

 

・血液脳関門通過型ムコ多糖症ⅢB型治療酵素製剤(開発番号:JR-446)については、現在、2024年度中のグローバル臨床試験開始に向けた取り組みを進めております。

 

・その他のJ-Brain Cargo®を適用したライソゾーム病治療薬(ポンペ病治療薬(開発番号:JR-162)、スライ症候群治療薬(開発番号:JR-443)、GM2ガングリオシドーシス治療薬(開発番号:JR-479)についても、研究開発を順次行うとともにグローバル展開を推進してまいります。なお、フコシドーシス治療薬(開発番号:JR-471)につきましては、2022年10月に締結した実施許諾契約に基づき、株式会社メディパルホールディングスに対し、日本を除く全世界における研究・開発、製造および販売などの事業化に関する再実施許諾権付の独占的実施権を許諾いたしました。本治療薬を創出した企業としてライセンサーの立場で参画し、本治療薬の早期事業化に貢献いたします。

 

[基盤技術の創出]

・JCR 独自の血液脳関門通過技術「J-Brain Cargo®」の様々なモダリティへの応用可能性を広げる研究の他、J-Brain Cargo®技術に続く新たな基盤技術の創出に注力しております。

・2023年5月にアンジェリーニファーマとてんかんを対象疾患として、J-Brain Cargo®技術を適用した新規生物学的治療薬の独占的グローバル開発および商業化契約を締結しました。

 

[再生医療等製品]

・「テムセル®HS注」の新たな適応拡大として新生児低酸素性虚血性脳症(開発番号:JR-031HIE)に対する臨床第1/2相試験を終了し、現在解析中です。

 

[ヒト成長ホルモン製剤]

・「グロウジェクト®」の骨端線閉鎖を伴わないSHOX異常症における低身長(開発番号:JR-401X)の効能追加については、2023年6月に一部変更承認を取得しました。

 

・遺伝子組換え持続型成長ホルモン製剤(開発番号:JR-142)の臨床第2相試験を実施しており、予定していた統計解析を完了し、臨床第3相試験の開始に向けた準備を進めています。

 

※1 Rare Pediatric Disease指定

希少小児疾患の予防と治療のための新薬および生物製剤の開発を促進することを目的としているもの。今後の米国における製造販売承認のための優先審査バウチャーを取得できる可能性がある。

 

 

(2)財政状態の分析

当第1四半期連結会計期間末における資産合計は957億75百万円(前連結会計年度末比8億38百万円増)、負債合計は428億16百万円(前連結会計年度末比2億92百万円増)、純資産合計は529億59百万円(前連結会計年度末比5億45百万円増)となりました。

流動資産は、未収入金が減少した一方で、現金及び預金、売掛金及び契約資産が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ2億66百万円増加して480億69百万円となりました。固定資産につきましては、繰延税金資産が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ5億71百万円増加して477億6百万円となりました。

流動負債は、短期借入金が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ63億18百万円減少して294億43百万円となりました。固定負債は、長期借入金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ66億10百万円増加して133億72百万円となりました。

純資産につきましては、配当金の支払があった一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上などにより、前連結会計年度末に比べ5億45百万円増加して529億59百万円となりました。

これらの結果、当第1四半期連結会計期間末における自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ0.1ポイント上昇して54.3%となりました。

現時点では当社グループにおいて、新型コロナウイルス感染症の影響は受けておりませんが、今後の世界情勢の見通しが立たない中、当社グループがグローバルで持続的な成長を行うために、機動的かつ安定的に資金調達手段を確保する必要があり、各金融機関との間で、バックアップラインとして運転資金を確保する事を目的として、総額230億円のコミットメントライン契約を締結しております。

 

(3)経営方針・経営戦略等

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。

 

(5)研究開発活動

当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は22億94百万円(前年同期実績21億91百万円)であります。

なお、当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の状況は、(1)経営成績の状況に記載のとおりであります。

 

(6)従業員の状況

当第1四半期連結累計期間において、連結会社または提出会社の従業員数の著しい増減はありません。

 

(7)生産、受注及び販売の実績

当第1四半期連結累計期間において、生産、受注および販売実績の著しい変動はありません。

 

(8)主要な設備

当第1四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動および新たに確定した重要な設備の新設、除却等はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。