第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第2四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはない。

 また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はないが、以下の点について、一部見直しを行った。

(1)「感染症の蔓延」「固定資産の減損」「繰延税金資産」に関するリスク

 2023年5月より、新型コロナウィルス感染症の感染症法上の位置付けが5類に見直されたことに伴い、当社グループは、クライシス対策本部を解散し、平時における基本的な感染症対策へ移行した。そこで、「感染症の蔓延」のリスクは、その対応策について、平時の基本的な感染症対策を中心に実施すること等を追記し、また、「固定資産の減損」と「繰延税金資産」のリスクは、新型コロナウィルス感染症の影響に関する記載を削除した。

(2)「モビリティセグメント」に関するリスク

 2023年第3四半期連結会計期間より、半導体不足による部品供給不足等に起因する自動車生産の減少見込みが緩和される見通しであるため、半導体不足による影響の記載を削除した。

(3)「人材・労務」に関するリスク

 共創型人材の育成に向けて、人材戦略に関する4つの「人材マテリアリティ」を特定し、その実現のための中長期計画を定めたので、具体的な内容を追記した。

 なお、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」の項目番号に対応したものである。

 

(2) 個別事業の経営成績における大幅な変動

②モビリティセグメント

 当社グループは、地球環境保護を目的とした燃費・CO2排出量の規制強化及びCASE(※)など、グローバルなモビリティ市場の動向に影響を受ける。モビリティ市場は、カーボンニュートラルの実現やCASEの進展などに伴い、自動車の電動化、軽量化、電装化、安全性・快適性向上のための商品開発が求められており、将来の中長期的な拡大が見込める有望な市場である。一方、競合他社、新規参入者との競争環境も激化しており、新たな技術・製品の開発や開発リードタイム短縮など顧客の要求水準やニーズの変化への対応が遅れるリスクに加え、新しい技術・製品により、既存事業が陳腐化し、市場競争力を失い、販売価格が下落することがある。また、EVシフトによる内燃機関車市場の縮小により、既存事業の収益性が低下するリスクもある。こうしたことから、需要や競争環境の大幅な変動などにより、当社グループの経営成績及び財務状況が影響を受ける可能性がある。
 そこで、当社グループでは、CASE進展に伴う新たな技術ニーズを取り込むため、軽量化や小型化、電動化に伴うバッテリー関連、熱・音・電磁波の制御などの材料や部品のモジュール化などのソリューションを提供することで、既存顧客における採用モデル拡大や新規顧客開拓を一層推進する。

※CASE(Connected:コネクテッド、Autonomous:自動運転、Shared & Service:シェアリング/サービス、Electric:電動化)

 

(3) 財務状況及びキャッシュ・フローの予想以上の変動

④固定資産の減損

 当社グループの連結貸借対照表に表示されるのれん、無形資産、土地等の固定資産について、事業環境の悪化による収益性の低下や、保有資産時価の著しい下落等が生じた場合、固定資産に減損損失が発生し、当社グループの経営成績及び財務状況が影響を受ける可能性がある。
 また、日立化成㈱に対するTOBの結果、のれん及び無形資産の金額が増加しており、当社グループの業績が悪化した場合、減損損失が発生し、当社グループの経営成績及び財務状況が影響を受ける可能性がある。

⑤繰延税金資産

 当社グループは、将来減算一時差異等に対して、繰延税金資産を計上している。繰延税金資産は、将来の課税所得に関する予測等に基づき回収可能性を検討して計上しているが、将来の課税所得が予測と異なり回収可能性の見直しが必要となった場合、また、税率変更を含む税制の改正等があった場合には、繰延税金資産の修正が必要となり、当社グループの経営成績及び財務状況が影響を受ける可能性がある。

 

(6) その他

⑥感染症の蔓延

 世界的な新興感染症の流行が発生した場合、製造拠点における生産停止や営業拠点を始めとするサプライチェーンでの当社製品供給の停滞により、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性がある。
 世界的な感染症の流行に対しては、グループ従業員、協力企業従業員全員の健康を最優先事項とし、健康経営や産業保健の施策企画・実行統率を管掌するCHRO部門が統括産業医の意見をふまえ、リスクマネジメント部と連携し、当社グループ従業員への注意喚起、感染防止対策の指示を行う。同時に、社会生活に不可欠な製品を供給する社会的責任を果たすべく、BCP(事業継続計画)マニュアルを整備し、重要製品を選定するなど事業活動への影響を最小限とする。
 平時より基本的な感染症対策を中心に、従業員の健康と事業活動の両立に向けた取り組みを進める。

⑨人材・労務

     当社グループは総合型化学メーカーから世界トップレベルの機能性化学メーカーになることを目指しており、2030年を見据えたサステナビリティ重要課題の一つに「自律的で創造的な人材の活躍と文化醸成」を掲げている。その解決のための重要項目「人と組織の持続的な成長」には、経営又は技術に関する能力に優れた人材を採用、確保し、育成することが重要であると考えているが、優秀な人材の採用及び確保に関する競争は激化している。

     パーパス/バリューのもと、従業員エンゲージメントを高めつつ、共創文化を育んでいく。具体的には、人材戦略に関する4つのマテリアリティとして、「事業が求める人材の供給」「選び選ばれる魅力構築と発信」「自律的なプロフェッショナルの創出」「共創を生む企業文化作り」を定め、2030年を見据えて、その実現に向けたKGI・KPIを設定し、定期的なモニタリングを行っていく。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績の概況

 当第2四半期連結累計期間において、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおり、遡及処理等を行っており、遡及適用後の数値で前四半期連結累計期間及び前連結会計年度との比較を行っている。

 

 当第2四半期連結累計期間の世界経済は、新型コロナウィルス感染症に関する行動制限が緩和され正常化が進む一方で、世界的なインフレ進行や長期化するウクライナ情勢によるエネルギーコスト及び原材料コストの高騰、供給面の制約等は続き、地域により弱さが見られるものの持ち直した。また、半導体業界の調整局面は継続した。国内経済においても、個人消費及び企業の設備投資は持ち直し、総じて緩やかに持ち直した。

 

 当第2四半期連結累計期間の連結営業成績における売上高は、ケミカルセグメントでは増収となった。石油化学における数量増(前年同四半期連結累計期間は4年に一度の大型定修を実施)、黒鉛電極における販売価格等の上昇、基礎化学品における数量増、がそれぞれ増収の要因となった。半導体・電子材料セグメントは、半導体関連業界の調整の影響により大幅な減収、モビリティ、イノベーション材料の2セグメントも減収となり、総じて減収となる6,161億26百万円となった。営業損益について、モビリティセグメントは自動車部品の数量増により増益となったが、半導体・電子材料セグメントは大幅な減益となった。さらに、イノベーション材料は数量の減少、ケミカルは黒鉛電極の受払差のマイナス影響等により減益となり、総じて減益の131億65百万円の損失となった。営業外損益は、前年同四半期連結累計期間に比べ金融費用の増加と為替差益の減少が見られ、全体では損失の増加となり、経常損益は113億57百万円の損失となった。親会社株主に帰属する四半期純損益は、優先株式への配当金支払がなくなったこと等により、198億17百万円の損失となった。

 

(単位:百万円)

 

2022年

第2四半期

2023年

第2四半期

増減

増減率

売上高

656,033

616,126

△39,906

△6.1%

営業利益

37,951

△13,165

△51,116

経常利益

47,706

△11,357

△59,063

親会社株主に帰属する四半期純利益

32,612

△19,817

△52,428

 

 

(2)セグメントの状況

(半導体・電子材料)

 当セグメントでは、半導体前工程材料及び半導体後工程材料は、前年後半からの半導体市場の低迷により減収となった。デバイスソリューションは、SiCエピタキシャルウェハーが増収となったものの、HDメディアが前年第4四半期からのデータセンター向け需要低迷が継続したことにより、大幅減収となった。

 この結果、当セグメントの売上高は前年同四半期連結累計期間比で大幅減収となった。営業損益は、HDメディアの棚卸資産において、低価法による簿価切り下げや廃棄損を計上したこともあり、営業損失となった。

(単位:百万円)

 

2022年

第2四半期

2023年

第2四半期

増減

増減率

売上高

220,354

153,393

△66,961

△30.4%

営業利益

27,309

△13,098

△40,408

 

(モビリティ)

 当セグメントでは、自動車部品は、新規車種向け製品の立上により増収となった。リチウムイオン電池材料は、民生需要減速の影響を受けて減収となった。

 この結果、当セグメントは、前年同四半期連結累計期間比で減収増益となった。

 

(単位:百万円)

 

2022年

第2四半期

2023年

第2四半期

増減

増減率

売上高

86,689

85,629

△1,060

△1.2%

営業利益

△933

△780

153

 

(イノベーション材料)

 当セグメントでは、前年同四半期連結累計期間比で原材料価格高騰に伴う製品販売価格は上昇したものの、数量

減により減収減益となった。

 

(単位:百万円)

 

2022年

第2四半期

2023年

第2四半期

増減

増減率

売上高

70,005

61,876

△8,129

△11.6%

営業利益

5,486

4,288

△1,198

△21.8%

 

(ケミカル)

 当セグメントでは、石油化学は前年に4年に一度の大型定修による停止があったため前年同四半期連結累計期間比で大幅な増収となるも、受払差のマイナス影響により減益となった。化学品は、原材料及び燃料価格上昇に対応した価格転嫁が進み、前年同四半期連結累計期間比で増収増益となった。黒鉛電極は原価上昇にキャッチアップした値上げにより前年同四半期連結累計期間比で増収となるも、受払差のマイナス影響により減益となった。

 この結果、当セグメントは前年同四半期連結累計期間比で増収減益となった。

 

(単位:百万円)

 

2022年

第2四半期

2023年

第2四半期

増減

増減率

売上高

224,526

254,920

30,394

13.5%

営業利益

13,112

4,768

△8,343

△63.6%

 

(3)財政状態の概況

 当第2四半期連結会計期間末の総資産は、有形固定資産は増加したが、現金及び預金、営業債権、のれん等無形固定資産は減少し、前連結会計年度末比483億43百万円減少の2兆454億円となった。負債合計は、営業債務や有利子負債(借入金、コマーシャル・ペーパー、社債及びリース債務)が減少し、前連結会計年度末比479億31百万円減少の1兆4,710億95百万円となった。純資産は、為替換算調整勘定等の増加はあったが、前期配当金の支払いにより利益剰余金が減少したため、前連結会計年度末比4億13百万円減少の5,743億6百万円となった。

 

(4)キャッシュ・フローの状況

 当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純損失を計上したものの売上債権や棚卸資産の減少等により、前年同四半期連結累計期間比265億19百万円の収入増加となる480億80百万円の収入となった。

 当第2四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入の減少等により前年同四半期連結累計期間に比べ85億20百万円の支出増加となる451億36百万円の支出となった。

 この結果、当第2四半期連結累計期間におけるフリー・キャッシュ・フローは、前年同四半期連結累計期間比179億99百万円の収入増加となる29億44百万円の収入となった。

 当第2四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同四半期連結累計期間比55億90百万円の支出増加となる234億91百万円の支出となった。

 この結果、当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は、為替変動の影響等も含め、前連結会計年度末比105億93百万円減少となる1,762億51百万円となった。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 (当社グループの対処すべき課題)

 当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はない。

 

(6)研究開発活動

 当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、208億90百万円である。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はない。

 

(7)従業員数

① 連結会社の状況

 当第2四半期連結累計期間において、連結会社の従業員数の著しい増減はない。

② 提出会社の状況

 当第2四半期累計期間において、当社の従業員数は前事業年度末から2,962名減少し、360名となっている。

 主な要因は、当社を分割会社とし、昭和電工マテリアルズ㈱(現㈱レゾナック)を分割承継会社として同社に当社の全事業(グループ経営管理および黒鉛電極事業を除く)を承継させる吸収分割を行ったためである。

 

3【経営上の重要な契約等】

当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はない。