第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第2四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 なお、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況につきましては、次のとおりであります。

 

(継続企業の前提に関する重要事象等について)

 当社グループは、前連結会計年度において半導体需要のダブつきによる工場稼働率の調整の影響を受け、売上・受

注時期がずれ込み、売上高210,315千円にとどまり、営業損失693,502千円、親会社株主に帰属する当期純損失686,241千円を計上いたしました。また、営業キャッシュ・フローは、613,481千円のマイナスとなりました。

 当第2四半期連結累計期間においては、2022年8月から顕在化した民生向け半導体の在庫調整も2023年上半期には一段落するものと予測されておりましたが、在庫調整の回復にはまだ時間がかかる見込みです。そのため、2023年6月末時点において、スマートフォンやPCなどの需要低迷の影響から、主にそれら機器で使用される半導体を中心にだぶつき感が否めない状況が続いており、顧客の各工場が、生産調整に入っていることから当第2四半期連結累計期間中の受注は低調に推移しました。顧客の新規設備投資は当社第3四半期以降に開始される見込みです。

 以上より、当第2四半期連結累計期間の売上高は186,416千円にとどまり、営業損失249,453千円、親会社株主に帰属する四半期純損失240,594千円を計上しております。また、営業キャッシュ・フローは、306,840千円のマイナスとなりました。

 上記のとおり、継続的な営業損失及び営業キャッシュフローのマイナスが発生している状況にあり、当社グループには継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。

 当社グループはこうした状況を早期に解消又は改善すべく、以下の対応策を継続して実施しております。

 

事業施策

1.中国国内での受注販売活動の促進

 まず、上記で述べたように2022年8月から顕在化していた民生向け半導体の在庫調整も2023年上半期中には一段落するものと予測されておりましたが、回復にはまだ時間がかかる状況であり、半導体チップ、特に民生機器の一部である、スマートフォンやPC、そしてIT情報端末機器などの半導体製品にだぶつき感が発生し、各半導体工場における在庫抑制を目的とした生産調整が発生しました。そのためスマートフォンやPC向けパネルそしてパネルを駆動するLCDドライバーチップ等の在庫増が嫌気され、デザインハウス及び大手OSATを中心に工場の稼働率は回復の兆しはあるものの、現時点では7割から8割程度であり、市場は新規設備投資に慎重な姿勢を崩しておりません。しかし、2024年を含む中期的には、自動車の電動化、再生エネルギー関連及び5Gへの投資需要が強く見込まれており、また、急速に需要が高まっている生成人工知能(AI)も半導体チップの需要を押し上げる要因となっていることから、市場は力強く成長すると見られております(Electronic Engineering Timesより、以下「EETIMES」という。)。

 また、近年の半導体の複雑化や集積度向上(例、線幅4nmから2nm)は半導体の機能の増加を意味し、検査時間の

伸長に繋がります。しかしながら、同時に量産性も要求されるため、半導体検査市場は、装置能力の向上に加えて装置台数の増加が期待されるである方向と考えられております。

 当社グループが「主力装置」と位置付けるLCDドライバIC検査装置は、スマートフォンやPC等の情報端末の液晶パネルの駆動に使われる「ディスプレイドライバーIC」の検査に使用されております。また、それら情報端末には、「CMOSイメージセンサーIC」、「ロジックIC」など多種に渡る周辺半導体デバイスが使われております。現状足元では、上記のように半導体市場の足踏み状態が続いておりますが、中長期的には需要も戻り、大きな伸びが期待される分野です。

 上述のような理由から当第2四半期連結累計期間中では、受注は低迷致しましたが、当社の主力検査装置「WTS-577SR」につきましては、2021年から販売を開始し、当第2四半期連結累計期間において、進化する新デバイスに向けた装置の貸出しを伴うベンチマークを積極的に進め、お客様から量産ラインへの投入評価をいただくことができました。

 2023年の半導体市場は、世界半導体市場統計(WSTS)や日本貿易振興機構(JETRO)等の予想では、民生向け半導体(スマートフォン、PC向け半導体等)を中心として、依然として生産調整が2023年後半まで続くとの見方があります。他方、半導体製造装置セクターにおいては、2023年前半は落ち込むが後半から2024年にかけ徐々に回復との予測もあり、当社においては、半導体検査装置の受注は2023年2月14日に公表している通期予想に組込んでおります。

 新戦略として、2023年3月6日に開示いたしましたとおり、新たに日本における大手再生シリコンウエーハ製造会社である株式会社RSテクノロジーズ(東京都品川区、代表取締役 永義)を販売店に迎え、国内外の受注拡大を狙います。

 また、当社の中国製造子会社「偉恩測試技術(武漢)有限公司」(以下、「ウインテスト武漢」という。)の営業体制の拡大強化を行い、特に中国、台湾においての直接受注を目指します。また、海外営業と海外アフターサポート体制の拡充を進め、営業活動の再構築を図ってまいります。

 次に、ウインテスト武漢においては、顧客対応力の強化、更なる最終組立工程の製造品質の向上に取り組み、中国国内市場への深耕を図ってまいります。

 さらに中国市場攻略のスピードアップを進めるため、ウインテスト武漢において、大手優良デザインハウス数社に

的を絞った戦略を取り、関連するOSATへの貸出を進め、営業・納入・サポートと一貫体制を敷き、顧客からの信頼獲

得を図ってまいります。

 

2.技術開発の強化

 先端ロジックIC検査装置(1024チャンネル、820Mbps)に関しては、第1四半期に前倒しで一部機能のリリースを行い、引続き次世代向け機能としてロジックパターンスピードが1,600Mbpsとなる高速リソースの開発を継続しており、当第4四半期中には開発を終了し、お客様への提供を開始する予定です。更に「WTS-9000S」次世代のフラッグシップ検査装置に先立ち「WTS-577SX」のリリースを同じく当第4四半期を目途に計画をしております。「WTS-577SX」に関して、国内、台湾、中国顧客向けを想定した開発を継続しており、多くの部分を現在開発中の次世代LCDドライバー検査装置へ共用の上、使い勝手の向上に向けて新GUIを装備し、コスト削減と市場への早期リリースができるように計画しております。

 また、新たな収益の柱を構築するための成長戦略として、当社グループがこれまで培ってきた検査技術や画像処理

技術、高精度センサー技術、データ解析技術を応用し、且つ当社、ウインテスト武漢の技術陣に加え、現地有力企業より営業方面・技術方面での協力体制を構築することで、2025年までに、今後市場拡大が見込まれるシステムオンチップ(SoC)市場や汎用デジタル市場等の検査分野、そしてM&Aも計画し、日本市場においても注目を集めるパワーデバイス検査分野への進出を目指し、資本提携や協力体制を積極的に進め、新規市場参入、対応可能検査範囲の拡充と展開を行い、収益基盤の拡充に取り組んでまいります。

 

3.隣接領域の展開と製品化

 検査装置向け工場FA化機器技術(「自重補償機構技術」)については、学校法人慶應義塾大学慶應義塾先端科学技術研究センターと共同開発を進めており、特許等の申請については、既にお知らせのとおり手続きは終了しておりま

す。当該技術は当社の検査装置とウエーハ搬送装置との間のドッキングアダプター(以下「ポゴタワー」という。)

の着脱(約25㎏~30㎏)をオペレータ一人で簡単に安全に行うための補助アーム(以下「マニピュレータ」とい

う。)で製品化を目指し、当面の目標として、その搬送可能重量を50㎏前後で製品化を行います。現在は、製品の製造準備に取り掛かっており、先端ロボット等の開発製造をロボット等製造事業者様と協議を開始いたしました。また当該技術は、「半導体製造工場内FA化システム」、「物流搬送システム」並びに「介護等」への応用が可能と考えております。

 奈良県立大学と進めております脈波(BCG,ECG)を利用したヘルスケア管理システムは、同大学並びに株式会社TAOS

研究所とアライアンスを組み、製品化を行いました。2023年3月9日に開示しました「IoTセンサーを活用したセルフヘルスケア機器の販売開始決定及び価格に関するお知らせ」に記載いたしましたとおり、2023年4月1日より一部のお客様を中心に試験販売を開始いたしました。なお、当該製品の製造に関しましては当社大阪事業所で製造を行うように準備を進めており、2023年9月から順次市場投入を計画しております。また、製品の納品後もアップデートによる機能の追加、検査項目の拡充を積極的に進め、地域医療に貢献できるようにしてまいります。なお、機器の詳細につきましては、当社WEBページをご参照ください。

 

財務施策

 財務面については、事業拡張を考えた財務戦略として、筆頭株主である武漢精測と諮りながら、武漢精測グループ及び投資機関からの資本増強あるいは同グループからの借入を計画し、資金確保についての施策を今後とも継続実施してまいります。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績の状況

 当第2四半期連結累計期間(2023年1月1日~2023年6月30日)における世界半導体市場を、2023年4月時点での半導体世界売上高で分析すると、前月比で僅かながら0.3%増加し、これにより2か月連続で前月を上回る結果となりましたが、この成長は、特に中国市場の回復によるものでした。中国は金融の緩和を行っているものの、水面下ではゼロコロナ政策と同様の規制を続けており、2022年8月から2023年2月までの7か月間、半導体売上高が前月比で減少していました。しかし、中国の半導体売上高は、2023年3月にわずかながら増加し始め、4月には増加率が1.7ポイント上昇して、2.9%の成長を記録しました。中国の半導体売上高は、世界全体の売上高の約28.6%を占め、依然として世界最大の市場となっています。このように一部では回復の兆しはみられるものの、同市場における投資は限定的で、例えば、当第2四半期連結累計期間の前年同月比では、半導体世界売上高は21.6%減少しております。この前年比の減少は、2022年8月から続いており、当初は2023年上半期には在庫調整も一段落するものと予測されておりましたが、回復にはまだ時間がかかるとされています(WSTS及び日経誌データより)。半導体産業は、マクロ経済の低迷や景気の先行き不透明性、在宅需要のピークアウト、インフレーション、地政学的リスクなどの要因によって影響を受けており、2023年6月末時点においてもまだ、スマートフォンやPC、民生機器などの需要低迷が響き、同機器で使用される半導体を中心にだぶつき感が否めない状況が続いています。

 ただし、自動車の電動化や再生エネルギー関連の用途においては、需要が引続き強く見込まれており、また、急速に需要が高まっている生成人工知能(AI)も一部のロジックICの需要を押し上げる要因となっています。

 半導体産業の統計を提供するWSTSは、2023年通年の半導体世界市場を前年比で10.3%縮小すると予測しています。これによれば、2023年は2019年以来の4年ぶりの市場縮小となる見込みですが、2024年には、市場が回復し、前年比で11.8%の増加を記録するとの見通しも示しています。

 日本市場においては、2023年は自動車用途などの半導体需要の下支えによって前年比1.9%成長すると予測され、市場規模は約6兆4,494億円に達するとされています。そして、2024年には成長が加速し、同市場は7.8%成長して約6兆9,537億円に達するとの予測があります。

 このような環境下、2023年度における当社グループの主要事業である半導体検査装置事業分野では、EETIMESから引用すると、中国向けを含む市場規模として、前年比23%減の3兆201億円と予測されています。この予測は、半導体の需要低迷が長引いたことによる大幅な下方修正が背景にあります。しかし、2024年以降は、生成人工知能(AI)向けのデータセンターの拡大や電気自動車(EV)、仮想現実(VR)端末の普及により、需要回復が期待されています。世界的な景気の低迷により、半導体製造装置の世界売上高も2023年には前年比19%減の874億ドルになる見通しで、PCやスマホ向け半導体を製造する、韓国サムスン電子や米マイクロン・テクノロジーも大幅な生産調整による減産を行っており、特にメモリーやロジック分野の装置売上高は28%減、市場を引っ張ってきたNAND分野も51%減る見通しです。しかし、中国景気の回復などで民生品の需要が上向き、2024年には再び1,000億ドル台を回復すると見られています。当社としては、市場の上昇機運は未だ弱いものの、より高速高精度な半導体、特に高画素化が求められているLCDドライバーICに注力し、引続きお客様のニーズを取り込んだ、既存装置の改良、改善そして次世代デバイス向け検査装置の開発を継続することで、2023年下半期から2024年かけて回復が予想される当該市場に注力してまいります。

 当第2四半期連結累計期間においては、上述のように、お客様工場の在庫のだぶつきから生産調整による受注の遅れがあったことから受注及び売上は低迷いたしました。営業面では販売店に集中させていた、販売方法を見直し当社の製造子会社の営業を含めた直接販売を拡大することとし、現地マーケットに集中した営業展開を2023年8月より本格化いたしました。

 この結果、当第2四半期連結累計期間の当社グループの売上高は186,416千円(前年同四半期比69.8%増)、営業

損失249,453千円(前年同四半期は営業損失349,286千円)、経常損失239,355千円(前年同四半期は経常損失323,882千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失240,594千円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失325,120千円)となりました。

 なお、セグメント区分については、従来報告セグメントの「半導体検査装置事業」及び報告セグメントに含まな

い「その他」の2つにセグメントを区分しておりましたが、第1四半期連結会計期間より「半導体検査装置事

業」の単一セグメントに変更しております。

 これは、「その他」の事業セグメントに含まれておりましたオーディオ事業を株式会社データゲート(大阪府大

阪市北区)に事業譲渡を行ったことにより、「その他」に含まれていた事業がなくなったため、報告セグメントを

「半導体検査装置事業」の単一セグメントとして管理することが適切と判断したためであります。

 

(2)財政状態に関する説明

(資産)

 当第2四半期連結会計期間末における流動資産は、前連結会計年度に比べ8,313千円増加し、1,885,614千円

(前連結会計年度末比0.4%増)となりました。この主な要因は、売掛金が66,462千円増加したものの、現金及び預金が45,991千円減少したことによるものです。

 固定資産は、前連結会計年度に比べ53千円減少し、24,889千円(前連結会計年度末比0.2%減)となりました。この主な要因は、投資その他の資産のその他が53千円減少したことによるものです。

(負債)

 流動負債は、前連結会計年度に比べ200,595千円減少し、173,139千円(前連結会計年度末比53.7%減)となりました。この主な要因は、短期借入金が157,030千円減少したこと、買掛金が14,249千円減少したこと及び未払金が20,217千円減少したことによるものです。

 固定負債は、前連結会計年度に比べ16,487千円減少し、159,304千円(前連結会計年度末比9.4%減)となりました。この主な要因は、長期借入金が16,449千円減少したことによるものです。

(純資産)

 純資産は、前連結会計年度に比べ225,342千円増加し、1,578,060千円(前連結会計年度末比16.7%増)となりました。この主な要因は、資本金及び資本剰余金が各々が216,669千円増加し、利益剰余金が240,594千円減少したことによるものです。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて45,991千円減少し、当第2四半期連結会計期間末には232,488千円となりました。

 当第2四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果減少した資金は306,840千円(前年同四半期は、245,372千円の減少)となりました。これは主に、売上債権の増加額44,385千円、仕入債務の減少額23,357千円及び税金等調整前四半期純損失239,355千円等による資金の減少があったことによるものです。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果減少した資金は300千円(前年同四半期は、増減がありませんでした)となりました。これは、敷金・保証金支払いによる支出が300千円あったことによるものです。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果増加した資金は260,568千円(前年同四半期は、321,711千円の増加)となりました。これは主に、短期借入金の返済による支出が156,235千円があったものの、新株予約権の行使による株式の発行による収入が428,424千円があったことによるものです。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 当第2四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は113,597千円であります。

 なお、当第2四半期連結累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。