(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、1976年の創業以来「社会の問題点を解決する」という不変の企業理念のもと、パソナグループの「使命」、「行動指針」に基づいて、人々の心豊かな生活を創造する「Smart Life Initiative」の実現を目指し、持続可能な社会の発展に貢献すべく様々な事業活動に取り組んでおります。

(2)目標とする経営指標
当社グループの仕事は「人を活かす」こと、人々の心豊かな生活の創造、すなわち「ライフプロデュース」です。「ソーシャルソリューションカンパニー」として、多様化するニーズに対応し、社会から必要とされる会社であり続けるとともに、グループ連携とシナジー創出によって企業価値を高め、持続的な成長と収益性の向上に努めてまいります。
(3)経営戦略
①X-TECH BPOへの進化
生産年齢人口が減少する我が国において、企業は業務の生産性向上や効率化推進を重要な経営戦略として位置付けています。また経済状況の変動に応じて、迅速かつ効果的な対応が求められる環境下では、定められた期間に外部人材や外部リソースを有効活用するプロジェクト型の業務領域も拡大しています。
当社グループは、多様化する経営課題に対して、グループ連携を強化することでBPOサービスの領域を広げるとともに、提供するBPOサービスにはRPAやAI、アバターなどの最先端のデジタルツールを活用することで、より付加価値の高いサービスの提供を目指してまいります。
また、企業の事務業務の集約化や給与計算、受付業務などの労働集約型のBPOサービスに留まらず、従業員の健康増進を支援するサービスや女性の活躍推進を促進させるプログラムの提供など、時代の流れに沿った新しいBPOサービスを開発し、サービス領域を広げてまいります。
②多様な働き方とキャリア形成支援の拡充
現在国内では、リスキリングによる能力向上の支援など「三位一体の労働市場改革」の実行が議論されています。また、労働力人口に占める45歳以上の割合が年々増加し、定年後の65歳以降も継続的に働き続けるシニア人材も増加しています。
「人生100年時代」を迎えた我が国において、当社グループは個々人の自律的なキャリア形成を支援する様々なサービスを提供しています。シニアやベテラン層の人材が、これまでの経験を活かして企業の顧問や社外役員として活躍する「プロフェッショナル・顧問人材のマッチングサービス」は年々拡大を続けています。また、企業に対して従業員の多様なキャリア形成を支援する「セーフプレースメント・トータルサービス」はリカレント教育や人的資本経営を推進する企業を中心に導入企業が増加しています。そして、女性の活躍推進が多くの企業で急務となる中、女性管理職層を対象にした人材紹介事業を更に拡大させるとともに、女性幹部候補育成プログラム「Women’s Advanced Program」を通じて、企業における女性管理職の育成および活躍推進を支援してまいります。
③淡路島を中心とした地方創生事業の収益拡大
当社グループは、地域の住民や企業、地方自治体と協力・連携しながら、地方に新たな産業と雇用を創出する地方創生事業に取り組んでいます。兵庫県淡路島では、2008年に独立就農者を育成する「パソナチャレンジファーム」をスタートさせて以来、廃校を活用した観光拠点「のじまスコーラ」や、兵庫県立淡路島公園におけるアミューズメントパーク「ニジゲンノモリ」の運営など、地域の特産品を活用した地域活性化に取り組んでいます。現在では、地元食材を活かしたレストランや宿泊施設のほか、雄大な自然を楽しめる体験型施設など多くの施設を運営し、観光客を中心に交流人口の拡大による地方創生の実現を目指しています。
新型コロナウイルス感染症が収束し、国内観光地にはインバウンドを含む観光客が急速に戻ってきています。当社グループの地方創生事業においては、兵庫県淡路島での事業を中心に、幅広い世代に楽しんでいただける施設やアトラクションを新規開設するとともに、インバウンドに対応した多言語化やオリジナル商品の開発、リピーター客の獲得など顧客ニーズに応じたサービス開発を進めることで、収益拡大に取り組んでまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります 。
当社グループは「社会の問題点を解決する」を企業理念に、サステナブルな社会の実現を目指して事業活動に取り組むとともに、当社グループの持続的な成長に向けてサステナビリティ経営を推進しております。サステナビリティに取り組む意義や目指す未来の姿を明確化するために「Pasona Group Sustainability」として明文化し、グループの共通認識としております。ESG・サステナビリティに関する取り組み詳細については、当社ホームページ(URL https://www.pasonagroup.co.jp/ir/esg/index.html)をご参照ください。
当社グループでは、社内の各種会議・委員会・部門がサステナビリティ経営を推進する役割を担っております。気候変動課題については、「環境経営戦略会議」において当社グループの環境経営及び気候変動対応における戦略・方針・目標を策定し、当該方針をもとに「環境マネジメント推進会議」が各部門・各グループに対して実効的なアクションプランを推進しております。人的資本については、グループ人事部門にてグループ全体の人事領域における重要課題に関する議論と取り組みの推進を行っております。また、SDGsの観点で持続可能な社会の発展に寄与する当社グループの事業活動を「SDGs委員会」で取りまとめ、情報の発信とともに更なる活動の拡大を議論しております。サステナビリティに関する重要な事項については、各会議・委員会が取締役会または経営会議に報告し、必要に応じてそれぞれが適切な助言を行うことで、モニタリングを実施しております。
当社グループでは、気候変動によるリスクのほか、経営に重大な影響を及ぼす危機を未然に防止し、万一発生した場合には損失の極小化を図るため、リスクマネジメント規程を定め、リスクに関する統括組織としてリスクマネジメント委員会を設置しております。
サステナビリティ全般における各種リスクは社内の各種会議・委員会において、関連する法規制や事業に影響を及ぼす事案を特定し、その対応を議論したうえで、リスクマネジメント委員会で全体のリスクマネジメントプロセスに統合しております。また、その内容については定期的に取締役会に報告することで、取締役会が当社グループの状況や対応を適切にモニタリングできる体制を整えております。
(2)ESG・サステナビリティ経営
① 持続可能な地球環境への取り組み
当社グループは、政府主導の「チーム・マイナス6%」プロジェクトが開始された2005年より、グループ各社の役職員で構成する「環境委員会」を設置いたしました。以来、次世代に健全で美しい地球を残すため、役職員への環境教育はもとより、一人ひとりが「ソーシャルアクティビスト」として活動する機会の創出に取り組んでまいりました。
近年、世界レベルでの環境破壊や地球温暖化、異常気象、生態系の破壊などが深刻化する中、ソーシャルソリューションカンパニーとして、当社グループが目指すサステナブル経営のあり方を発信し、社会から信頼されるロングセラーカンパニーであり続けるために、2021年に「パソナグループ環境イノベーション戦略」を策定し、同年に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」への賛同を表明いたしました。さらに「環境マネジメント推進会議」も発足し、気候変動シナリオ分析及び気候変動によるリスクと機会における事業インパクトの明確化を実施いたしました。また、2023年には「環境経営戦略会議」を発足し、環境経営及び気候変動対応における戦略・方針・目標を策定しております。
気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への対応については、以下の当社ホームページをご参照ください。(URL https://www.pasonagroup.co.jp/ir/esg/index.html)
a. CO2排出削減に向けた主な取り組み
グループ全体でCO2排出削減に向けて、積極的な省エネ活動を推進しております。社有車はハイブリッド車や電気自動車へ切り替えを行っているほか、オフィスにおいて再生可能エネルギーの利用を進めております。また、社員手帳のアプリ化、契約書や紙資料の電子化、役員会をはじめとする会議でのタブレット端末の使用など、全社で紙資源の利用削減を推進しております。職場内はもとより、個人、家庭でのエコ活動を促進する「カイゼンチャレンジ」活動や、国内外での環境保全活動を通じた役職員一人ひとりの行動変容によってCO2排出の削減に努めております。2023年5月期は、エコカー導入や紙書類の電子化、環境保全活動などの活動により、915トンのCO2を削減いたしました。
b. 環境への取り組み
グループ全体の環境問題への意識の向上と行動変容を促すことを目的に、社内外の専門家を招いた勉強会を開催し、全国の役職員1,500名が参加いたしました。また、環境保全に対する取り組みとして、全国各地域において植樹・育樹を通じた里山保全活動や、国連で採択されたアースデー(4月)とWorld Clean Up Day(9月)に合わせて国内外70拠点での環境美化活動等を推進しております。こうした海や山での活動を2023年5月期は国内外で268件実施し、4,300名の従業員が参加いたしました。また、資源循環に対する取り組みとして、生ごみを捨てずに循環する資源として活用するコンポストを取り入れ、主に兵庫県淡路島で運営する店舗で廃棄される生ごみを堆肥化して資源に変え、農場で使用する取り組みを行っております。
c. 気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への対応
〇ガバナンス
環境経営戦略会議は、当社グループの環境経営及び気候変動対応における戦略・方針・目標を策定いたします。当該方針をもとに、環境マネジメント推進会議が各部門・各グループ会社に対して実効的なアクションプランを推進するとともに、社員一人ひとりの環境に対する意識醸成を図るための環境教育を実施しております。環境委員会では、自然との共生を体験する、地域と協働した環境活動を全国で展開しております。リスクマネジメント委員会では、気候変動のリスクマネジメントに関する事項についての審議を行い、内部監査部門は各部門や関係会社に対する環境監査を実施しております。取締役会は、気候変動に関する重要な事項について、環境経営戦略会議から報告を受け適切な助言を行うことで、モニタリングを行っております。

〇戦略
当社グループでは、複数の気候変動シナリオ(1.5~2℃と4℃)に基づき、2030年におけるリスクと機会を分析しました。シナリオ分析においては、IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)や国際エネルギー機関IEA(International Energy Agency)、環境省等が発行するレポートを参照しています。シナリオ分析における分析プロセスと特定した主要なリスク・機会は以下のとおりです。

特定したリスク・機会について、具体的なシナリオを描き、事業への財務的影響を定量的かつ定性的に検証した結果、当社グループが、今回のシナリオ分析を経て特定した主要なリスク・機会とその対応方針は以下のとおりで、事業に影響を及ぼす重大なリスクは特定されませんでした。今後も継続的に評価の見直しと情報開示の充実を進めてまいります。

〇戦略(機会)
国内外において脱炭素に向けた動きが加速し、特に上場企業においては、気候関連財務情報の開示や、サプライチェーンも含めたカーボンニュートラルの実現を目指した対応が求められています。しかしながら、多くの企業ではCO2排出量可視化のノウハウはもとより、それに伴う煩雑な作業を行うリソースが不足しているのが現状です。また、従業員へのSDGs教育も課題のひとつとなっています。
当社連結子会社のキャプラン株式会社では、CO2排出量の可視化や関連業務を支援する「BPOサービス」と、従業員への「環境研修サービス」を提供しております。
環境問題・気候変動関連の企業向け研修
キャプラン株式会社の幅広い講師ネットワークや、パソナグループ各社で8,000名以上の役職員を対象に実施してきた環境教育のノウハウを活用し、各企業の課題に合わせてカスタマイズした「環境研修サービス」を提供しております。社内の意識改革を図るとともに環境領域で新しい挑戦を担う人材を育成してまいります。
共創、循環、多様性を学ぶ サステナブル研修プログラム
株式会社パソナ農援隊では、企業・団体・学校法人に向けて、食の安全や自然環境など「SDGs」について学べる研修プログラムを開講しております。土づくり、食の安全性や生産過程を学ぶ農業体験や、耕作放棄地の課題や脱プラスチック素材を学ぶ座学研修を実施し、2023年5月期は約8,600名が参加しております。
CO2排出量の可視化
キャプラン株式会社の「CO2排出量可視化BPOサービス」では、GHG(温室効果ガス)の排出量算定・可視化クラウドサービスのほか、当社グループの有するBPOサービスのノウハウを組み合わせて、CO2排出量の可視化をシステムとオペレーションの両面から支援しております。
〇リスク管理
当社グループでは、経営に重大な影響を及ぼす危機を未然に防止し、万一発生した場合には損失の極小化を図るため、リスクマネジメント規程を定め、リスクに関する統括組織としてリスクマネジメント委員会を設置しております。
気候変動によるリスクは、環境マネジメント推進会議において、関連する法規制や事業に影響を及ぼす自然災害を特定し、気候変動への対応を議論したうえで、リスクマネジメント委員会で全体のリスクマネジメントプロセスに統合しております。
また、その内容については定期的に取締役会に報告し、対応状況の把握と進捗の管理、見直しを実施することで、気候変動リスクに対するマネジメント体制を構築しております。
②人的資本への取り組み
当社グループは1976年の創業以来、年齢・性別・国籍・障害の有無に関わらず、誰もが夢や誇りをもって、自由に才能を生かして活躍できる社会の実現に向けて取り組んでまいりました。社内においても、従業員一人ひとりの能力を最大化する多様な働き方の提案やキャリア構築の支援をはじめ、安心して働くことのできる職場環境づくりを推進することで、当社グループの持続的な発展・価値向上につなげております。
<人材育成方針 及び 社内環境整備方針、指標及び目標>
当社グループの仕事は「人を活かす」こと。すなわち、人々の心豊かな生活の創造「ライフプロデュース」です。その役割を果たすため、「自分の未来は自分で創る」という人材育成方針のもと、従業員一人ひとりが高い志と使命感を持ち、果敢に挑戦し続けることができるよう、才能・能力の発揮を後押しする多様な人事制度・施策を整備し、従業員の自律的なキャリア構築を支援しております。
人材戦略として以下の3つの柱「Diversity & Inclusion/誰もが活躍できる仕組みづくり」「Sustainable/自律的なキャリア形成」「Well-being/真に豊かな生き方・働き方」を掲げ、従業員の成長を後押しすることで、当社グループの成長はもちろんのこと、持続可能な社会の実現に貢献できる人材の育成を推進しております。
また、創業以来変わらぬ企業理念のもと、パソナグループの芯を示す「Pasona Way」を行動指針として、創業の精神を継承し、常にぶれない判断の軸としています。毎年、「Pasona Way Week」として創業記念日の2月16日から2ヶ月間を強化月間として、パソナグループの果たす役割とは何か、当社グループの事業の歴史を振り返るとともに、フィロソフィをテーマにディスカッションや一人ひとりの行動目標設定を行うなど、全役職員がフィロソフィを共有しております。

a. Diversity & Inclusion/ 誰もが活躍できる仕組みづくり
年齢や性別、国籍、障害の有無に関わらず、全従業員がパソナグループというステージを通して才能・能力を活かしてイキイキと活躍し、豊かな人生設計を描くことのできる環境を整備することが、中長期的な企業成長につながると考え、多様な人材の活躍を推進しております。
〇女性活躍推進
「家庭の主婦の再就職を応援したい」という想いから創業した当社グループでは、性別による格差のない社会の実現を目指して、創業当時より全員が総合職として入社し、男女の隔たりのない人材育成や適材適所配置を実践してまいりました。出産、子育て、介護などのライフステージの節目においても従業員が活躍できるよう、1990年代より「在宅勤務」「短時間勤務」「フレックスタイム」などの柔軟な勤務制度を整備、グループ本部内に事業所内保育所を設置し、兵庫県淡路島のパソナファミリーオフィスでは従業員が子供と同じ空間で働ける環境を整備しております。女性の人材育成・キャリア形成支援においては、2014年にスタートした次世代女性リーダー育成プログラム「ワンダーウーマン研修」の修了者のうち2名がグループ会社の社長、22名が執行役員、9名が副役員、42名が上位責任者に昇格するなど成果を上げております。
これらの活動により、従業員全体に占める女性の割合は58.5%、全管理職に占める女性の管理職の割合は48.9%、取締役及び執行役員に占める女性の割合は25.0%と、多数の女性管理職・女性役員を輩出しております。
当社グループで培ったノウハウを生かし、2021年からは企業の経営幹部に求められる第一線のビジネス力、プレゼンス力を学び、自社だけでなく、社会に貢献できる女性幹部候補を育成するプログラム「Women’s Advanced Program」のサービス提供を開始しており、これまでに41社72名の女性幹部候補生を育成いたしました。

〇多様な国籍の人材の活躍
当社グループでは、国内外42カ国、約1,000名の多様な国籍の従業員が活躍しており、国内連結子会社の従業員における外国籍人材の割合は2.5%(海外連結子会社を含む場合は8.1%)、事業運営の中核である管理職における外国籍人材の割合は0.8%(海外連結子会社を含む場合は7.6%)となっております。多様な価値観をもつ多様な国籍の人材が交流し、適材適所に配属、登用され活躍することで、事業における変化への対応力、新たな発想に繋がっております。
2025年の日本国際博覧会(大阪・関西万博)をはじめ、今後の兵庫県淡路島における文化・芸術・食・健康・教育などの「Well-being」をテーマにした新たな事業創造において、多様な価値観や才能・能力を持った外国籍人材の活躍がますます重要になると考えております。そのため、2023年新卒採用では、全新入社員(314名)の約2割にあたる67名を外国籍人材とするなど、積極採用に取り組んでおります。
また2017年から開始した、新たな産業の創造や地方創生の実現を目指す人材育成プログラム「Awaji Youth Federation」ではこれまで、世界42カ国・地域から87名の優秀な若者や社会起業家を受入れており、多様な価値観と知識・経験をもったグローバル人材がプログラム修了後も淡路島において、地域課題解決のための新たなイノベーション創出に取り組んでおります。
〇音楽家による文化創造
当社グループは2006年より、音楽・芸術活動と仕事の両立を支援する「ミュージックメイト」を開始し、音楽家の就労支援に取り組んでまいりました。2020年からは、全国の音楽家が音楽活動と仕事のハイブリッドキャリアを実践し、音楽を通じた地方創生を目指す「音楽島」プロジェクトを淡路島で開始、現在約80名の音楽家が活躍しております。当社グループ施設における演奏はもとより、島内での音楽事業の企画など、音楽を通じて人々の心や生活を豊かにする文化創造事業に取り組んでおります。
〇アスリートの競技と仕事の両立支援
現役及び引退後のアスリートやコーチ等を対象に、競技活動と仕事を両立するハイブリッドキャリアや、セカンドキャリアの実現を支援するため、全国の拠点で就労機会を提供するとともに、一人ひとりの長期的なキャリア形成をサポートしており、現在約50名のアスリートが活躍しております。
〇ミドル・シニア人材の活躍推進
当社グループでは、1980年代から豊富な経験や能力を持つシニア層に向けて、新たな雇用インフラの創造や能力開発支援を推進してまいりました。現在、当社グループでは60歳定年からの再雇用率は100%、60歳以上の従業員はグループ全体の約1割(1,000名以上)、うち65歳以上の社員は約500名と、多くのシニア人材が活躍しております。
シニア人材が長くイキイキと活躍できる環境づくりを推進することが、企業の更なる成長につながると考え、40代・50代の従業員を対象に、自身の価値観や可能性を再認識し、今後のキャリアや生き方についてデザインする「キャリアディスカバリープログラム」を実施するなど、総合的かつ継続的なキャリア形成に向けて支援しています。さらに人生100年時代の到来で長期化する職業人生をより豊かにしていくため、従業員がキャリアの棚卸をする中でリカレント教育が必要な場合、費用補助や休職取得が受けられる福利厚生制度も整備しております。
対外的には、これまでのノウハウを活かし、2021年より50代からの自律的なキャリア形成支援を行う「セーフプレースメント・トータルサービス」(導入企業 約730社)を、また2022年6月より個人のキャリア・ライフプランに合った学びの場を提供する会員制リカレントプログラムサービス「パソナリカレント」を開始いたしました。
〇人権方針 基本的な考え方
当社グループは、「パソナグループ行動規範」 において人権の尊重を定めております。人権に関しては、国際人権章典や国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則および権利に関する国際労働機関宣言」、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」、OECD多国籍企業行動指針等の人権に関する国際規範を尊重し、事業活動を遂行しております。当社グループは、各国の法令を遵守することは当然として、国際的に認められた人権を可能な限り最大限尊重する方法を追求いたします。人権方針については、以下の当社ホームページをご参照ください。
(URL https://www.pasonagroup.co.jp/ir/esg/humanrights.html)
b. Sustainable/ 自律的なキャリア形成
当社グループは、これまでの企業依存社会から、誰もが才能と能力を活かして活躍できる個人自立社会への転換に向け、従業員の自律的な成長はもとより、エキスパートスタッフ(派遣スタッフ)の方々、そして働きたいと願う方々に向けたキャリア開発支援に取り組んでおります。また、雇用をテーマに「社会の問題点を解決する」新たな事業創造をし続けることが、当社グループの成長の源泉であるという考えのもと、社会の環境変化に臨機応変に対応できる強い個を育成し、新しい発想で社会課題を解決することのできる人材育成に取り組んでおります。
〇企業内大学「パソナ“こころざし”ユニバーシティ」
当社グループ全従業員を対象とした研修教育プログラムを企業内大学「パソナ“こころざし”ユニバーシティ」として体系化し、実施しております。各年次、職位、職能ごとに求められる能力・専門知識の習得をはじめ、一人ひとりの才能や可能性を最大限に活かす選抜研修、デジタルスキルを身につける多様な研修、グループの次世代を担う経営人材の育成など、従業員一人ひとりの自律的なキャリア構築を支援する多彩な教育研修制度を実施しております。
※1 人件費・光熱費・交通費等、研修実施に関わる費用含む
※2 算出対象:当社及び国内連結子会社28社

〇‟複線的なキャリア構築”を支援する「ハイブリッドキャリアプログラム」
社会の環境変化に臨機応変に対応できる人間力を身に付け、社会に貢献できる人材を育成するため、2022年4月入社の新卒採用から「ハイブリッドキャリアプログラム」を開始しております。
新入社員が週に1日、「営業×農業」「人事×新規事業立ち上げ」「経営企画×起業家」等、配属先の業務とは異なる業務に挑戦できる環境を整備し、これまで453名がハイブリッドキャリアを実践しております。配属先の業務では得ることができない新たな視点や社内外ネットワークを得る機会につながり、全体の約8割が「ハイブリッドワークでの経験が業務に活かせた」と回答、全体の約9割が「大変満足・満足した」と評価しております。
〇新たな付加価値を生む「DX人材」の育成
デジタル技術を活用した新たなソリューション事業を開発し、経営戦略である「X-TECH BPOへの進化」を実現するため、デジタルトランスフォーメーション(DX)をけん引する人材の育成に注力しております。2023年5月期は、階層別のDX研修等による内部人材の育成や、IT未経験者のデジタルフィールドへの挑戦を支援するプログラム実施に加え、社内での育成実績を元に顧客向けプログラムも新たに提供を開始し、約1,000名のDX人材を育成いたしました。ローコードツールを活用した業務自動化による生産性向上にも取り組み、業務オペレーションにおいて前期比2.5倍となる約17,000時間の時間削減を実現しております。2024年5月末までに従業員、エキスパートスタッフ等、社内外で約10,000名のDX人材の育成を実現することで、サービスに新たな付加価値を創出し、顧客満足度のさらなる向上を目指してまいります。
〇従業員のキャリアチャレンジを応援
社内公募されたポジションに自ら手を挙げチャレンジできる「オープンポジション制度」を1989年より実施しております。2023年5月期は、65名が本制度を活用し新たなキャリアチャレンジを行いました。また、従業員自らが考えるキャリアプランを毎年直接人事部門に申告できる「マイキャリアバンク」を1993年から実施しており、従業員の自律的なキャリア形成を支援しております。
〇社内ベンチャー制度「チャレンジの日」
創業以来、「社会の問題点を解決する」を企業理念に、事業活動を通じて社会課題の解決に取り組んできた創業の精神を継承するため、1995年から創業記念日である2月16日を「チャレンジの日」として制定し、全従業員から新規事業や業務改善提案を募集しております。応募案の中から優れた企画は事業化を支援し、新たな新規事業を創造しております。全ての従業員が創業の精神に立ち返り、従業員一人ひとりの「夢」や「志」を実現する機会を提供するとともに、イノベーション創出に向けた自律的な組織作りを推進しております。2023年5月期は、新入社員から海外現地法人の従業員まで、約1,300件の応募がありました。
〇社会課題解決に向けた企業文化の醸成「パソナ・シャドーキャビネット」
当社グループの役職員が、入社年次に関わらず「社会の問題点」を議論し、具体的な方策を社会に提言することを目指す社内組織として2007年に発足いたしました。時代によって変化する様々な社会課題について議論を深め、法案(新規事業提案、社会提言等)として参加する従業員が採決をいたします。「Beyond SDGs」をテーマに8省庁が議論し、制度化や事業化を進め、2023年5月期は3件の新規事業(Japan Incubation Base、オンライン健康推進室、地方創生プラットフォーム「Pasona Connect」)が誕生しております。
〇働く人々の“ワーク”と‟ライフ”を支える「ワークライフファシリテーター」
・1級キャリアコンサルティング技能士 13名 ・国家資格キャリアコンサルタント 455名
・2級キャリアコンサルティング技能士 406名 ・ワークライフファシリテーター 209名
・産業カウンセラー等その他キャリアコンサルティング関連資格 329名
c. Well-being/ 真に豊かな生き方・働き方
「人を活かす」ことを使命とする当社グループは、働く人々がイキイキと活躍するための各種支援サービスを展開しております。サービス提供者である従業員が、心身の健康に加えて、働くことを楽しみ、心豊かな人生を送り、社会に貢献しているという実感をもつことが、一人ひとりの幸福感(Well-being)を高め、よりよいサービス提供につながると考え、従業員の健康増進・働く環境づくりに積極的に取り組んでおります。
〇健康経営推進体制
当社グループでは、経営トップの健康経営に対する方針のもと、産業医、健康推進室、人事部門などが、定期健康診断データやライフスタイル調査にもとづいて、従業員がイキイキと活躍することができる健康経営を推進しております。また、保健師や管理栄養士、スポーツトレーナーなどの専門スタッフとともに、従業員の心身の健康を支援する独自のプログラムを開発するほか、全国の拠点及びエリアに配置された衛生委員が中心となり、各地域の職場環境の声を収集して、各施策の立案に活かしております。
〇健康経営の取り組み方針
当社グループの健康づくりに関する方針を「パソナグループ健康宣言」として定めております。健康経営の取り組み方針として、「健康行動促進」「性差の共通理解の醸成」「ハイリスク者向け健康サポート」「メンタルヘルス対策」「ソーシャルワークライフバランスの推進」の5つを掲げ、各種施策を推進しております。
また、健康経営における「戦略マップ」を策定し、具体的な取り組みや期待する効果と、解決したい経営上の課題のつながりを整理・把握し、健康経営を推進しております。詳細については、当社ホームページ(URL https://www.pasonagroup.co.jp/company/health.html)をご参照ください。

〇ライフスタイル調査の実施
定期健康診断、ストレスチェックの他に、全従業員を対象に独自の「ライフスタイル調査」を実施し、運動・食事・睡眠・嗜好(飲酒・間食・喫煙)のカテゴリで生活習慣をスコア化しております。個人の結果及び全社における自身の健康の位置付けをフィードバックすることで、生活習慣の見直しに役立て、従業員一人ひとりの健康リテラシー向上につなげております。2022年はグループ30社7,000名がライフスタイル調査に回答いたしました。

〇女性の健康への共通理解促進
社内で実施した「女性の健康に関するアンケート」では、元気に出勤している女性従業員の80%近くが女性特有の健康課題を抱えており、乳がん・子宮がん検診全額費用補助を約半数しか利用していない状況でした。そこで、女性従業員の健康リテラシーの向上とともに、気軽に相談しやすい環境を整備するため、女性だけでなく男性も含めた全従業員を対象に産婦人科医師による女性の健康講座を実施、女性の健康づくりへの職場の共通理解を育んでおります(年間7回、参加者延べ3,322名)。
〇真に豊かな生き方・働き方の実現を目指す「本社・本部機能の一部移転」
〇全国の従業員が参加する社会貢献活動
当社グループの企業姿勢を明確にするため、2005年に「社会貢献室」を設置いたしました。グループの社会貢献活動のリーダーシップを担う存在として、国内外のグループ各社から40名の「社会貢献委員」を任命し、国内外で活動を行っております。現在は、持続可能な地域社会づくりに貢献するため、6つの重点テーマ「食品ロス」「環境保全」「地域貢献(復興)」「スポーツ・健康」「ダイバーシティ」「パートナーシップ」を定めております。2023年5月期は、約16,600名の従業員が各地の活動に参加いたしました。
当社グループは経営に重大な影響を及ぼす危機を未然に防止し、万一発生した場合には損失の極小化を図るため、リスクマネジメント規程を定め、リスクに関する統括組織としてリスクマネジメント委員会を設置しております。同委員会では、想定される重大リスク毎に担当部を定めたうえ、平時の継続的な監視により新たなリスクを含めた危機の事前予知に務め、危機管理マニュアルに基づいて日常の対策及び緊急時に適切な対応を行う体制を整備するとともに、委員会の主要な活動状況について平時においては定期的に取締役会へ報告することで、取締役会が当社グループの状況や対応を適切にモニタリングできる体制を整えております。また、事業運営上生じる日常的なリスクについては、コンプライアンス担当部内で適正に対応し、適宜経営会議等で報告するほか、CIU室及びグループ内部監査室による内部監査を通じて各部署の日常的なリスク管理状況を監視しております。
このようなリスクマネジメントを行うなかで、有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、重要と識別された主要な危機・脅威のほか、経営戦略の実現に関連する不確実性としてのリスク及び当社グループの事業活動・経営方針を理解するうえで重要と考えられる事項についても記載しています。
なお、文中の将来に関する事項は、別段の記載のない限り当連結会計年度末現在において判断したものであり、当社株式への投資に関連するすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1)景気動向等のマクロ環境の影響
当社グループの事業は、企業や組織の人材活用に関わる様々なソリューションサービスと生産性の向上に貢献するアウトソーシングサービスを提供するとともに、個人に対してはそれぞれのライフスタイルに合わせた働き方を支援する就労インフラを提供しています。こうしたサービスは、国内外の景気変動や技術革新等のビジネス環境の変化、労働関連法令における規制等の影響を受けます。
当社グループは、人材派遣、委託・請負、人材紹介、再就職支援、アウトソーシング、保育・介護、地方創生などの事業を総合的に展開し特定の領域に偏らない事業ポートフォリオの構築を進め、また海外への展開を行っているほか、常に新しい働き方やワークライフバランスに関する情報発信や提案、啓蒙活動にも積極的に取り組んでおります。しかし今後様々な要因により、市場環境や雇用情勢、顧客需要が急激に変化した場合、各事業の業績や当社グループの収益構造に影響を受ける可能性があります。
また今後、長期的には国内の人口推移により更なる人手不足あるいは市場縮小等が起きることも想定されます。当社グループは持続的成長に向けた取組みとして、常に社会の変化の兆しを捉え、コントロールし得るリスクテイクもしたうえ、引き続き、企業理念である「社会の問題点を解決する」ことをテーマとした様々な新規事業・サービスを開発・拡充することでリスク分散を図ってまいります。
(2)法的規制について
政府が推進する働き方改革により、2019年4月施行の改正労働基準法に定められた時間外労働の上限規制や年次有給休暇の取得義務化、2020年4月施行の同一労働同一賃金制度における雇用区分別の均等・均衡待遇の明確化と不合理な待遇差が存在する場合はその格差是正の義務化など、無期・有期双方の従業員を取り巻く法規制や労働環境には重大な変化が起こっております。人材サービス事業を展開する当社グループには多数の有期・無期雇用労働者が就労しており、こうした労働関連法改正への対応や労働環境の変化により、原価率や販管費率が上昇したり、当社グループが必要な人材を十分に維持・確保できなくなる可能性があります。
具体的には、エキスパートサービス事業において、当社グループは適正価格による取引、適正水準の給与支払いに努め、派遣給与支払い水準の引上げや社会保険料負担増の際には請求料金についても値上げするべく派遣先企業との料金交渉に取り組んでおりますが、労働関係諸法令の改正に伴う対応によるスタッフ給与等の上昇や待期期間の発生、さらには有給休暇取得費用、健康診断費用等の福利厚生関連コストの負担増があるなか、派遣給与と派遣料金の値上げが必ずしも同期しない可能性があります。このような案件の急激な増加や同期しない期間の長期化による、原価率の上昇、あるいは派遣料金のコスト増を敬遠した企業の派遣利用の減少といった影響を受ける可能性があります。
こうした状況への対応として、雇用形態の異なる労働者それぞれの職務内容を明確にするとともに、派遣スタッフについては派遣先企業に対して丁寧な説明を行い料金改定等の取組みを進めており、また事業全体の生産性ならびに効率性の向上等によるコスト増の吸収にも引き続き努めてまいります。
また、労働者派遣法及び関係諸法令については、労働市場を取り巻く状況の変化等に応じて今後も適宜改正が予想され、その変更内容と法律で求められる対応の具体的内容によっては、当社グループの事業運営、業績が少なからず影響を受ける可能性があります。
(3)事業の許認可及び継続について
当社グループのエキスパートサービス事業は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下、「労働者派遣法」)に基づき、主として労働者派遣事業として厚生労働大臣の許可を取得して行っている事業であります。労働者派遣法は、労働者派遣事業の適正な運営を確保するために、派遣事業を行う者(派遣元事業主)が、派遣元事業主としての欠格事由に該当したり法令に違反した場合には、事業の許可を取り消し、または事業の停止を命じる旨を定めております。当社グループでは株式会社パソナグループのコーポレートガバナンス本部が主導して適正な派遣取引のためのガイドラインを作成し、徹底して社員教育に努めるとともに、内部監査等により関連法規の遵守状況を日頃より監視し、法令違反等の防止に努めております。しかしながら、万一当社グループ各社及び役職員による重大な法令違反等が発生し、事業許可の取消しまたは事業停止を命じられるようなことがあれば、労働者派遣事業を行えなくなることが考えられます。
また人材紹介事業は、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受けて行っている事業であります。人材紹介事業についても、人材派遣事業と同様に、一定の要件を満たさない場合には事業許可の取消し、事業の停止といった措置が規定されていることから、同様のリスクが想定されます。
再就職支援事業は、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受けて行っている事業であります。収益構造やビジネスモデルは人材紹介事業とは異なりますが、求職者を求人企業に紹介するという点において前述の人材紹介事業と同様の規制、指導及び監督を受けることから、同様のリスクが想定されます。
そして、BPOサービス事業においては、当社グループは、民間企業のほか官公庁や地方自治体、各種団体など様々な取引先から、総務・庶務、経理・財務、受付、営業事務・受発注、人事・労務などの業務を受託しサービスを提供しています。特に官公庁・地方自治体から受託した事業の遂行にあたっては、委託先の指示に沿って適正な業務運営を行う必要がありますが、近年これら事業が大型化かつ複雑化しており、当社グループのみならず再委託先と共同で取り組む事業も増加しております。当社グループにおいては関連法規の遵守や社員教育の徹底、また再委託先選定に関わる調査の実施などのガイドラインに則り、適正な業務運営に努めておりますが、重大なミスが生じた場合は当社グループの信頼性の低下や社会的な信用が毀損されるほか、委託先の規程により入札停止などの処分を受けることで業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)個人情報及び機密情報の管理について
当社グループは各事業の運営に際し、派遣登録者、求職者、各サービス利用者、顧客企業、従業員、その他関係者等の個人情報及び機密情報を大量に保有しております。当社グループによる個人情報の取扱いについては、日本における「個人情報の保護に関する法律」だけでなく、2018年5月に施行された「欧州連合一般データ保護規則(GDPR)」をはじめ当該国の個人情報に関する法律が適用されます。これらの法規制は、国境を越えて適用される傾向にあり、その遵守や事業運営における費用が増加する可能性があります。
当社グループではGDPRにも対応した個人情報保護方針等を策定して個人情報の適正な取得・利用・提供等を行うとともに、個人情報の漏洩や滅失を防止するために技術面及び組織面における必要かつ適切な安全管理措置を講じ、全役職員に個人情報保護管理に関する教育を徹底しております。
また、当社グループ及び取引先に関する営業秘密・重要情報の漏洩を防止すべき情報管理体制・管理手法を定め、その周知と実施の徹底に努めております。具体的には、前述した様々な秘密保持義務については、各就業規則、秘密情報保持規程において定めるとともに、ランサムウェアや標的型攻撃といった情報セキュリティ脅威への防御のための技術的対策、社員に対する定期的な研修や訓練等を実施しております。
こうした当社グループの取組みにもかかわらず、従業員等の故意または過失、不測の事態等により個人情報及び機密情報が外部に漏洩した場合、損害賠償請求や社会的信用の失墜等により、当社グループの財政状態及び業績に重大な影響を与える可能性があります。
(5)システム障害及びサイバー攻撃に対するリスク
当社グループの事業は、国内外を問わず、コンピュータシステム及びその通信ネットワークに多くを依存していることに加え、近年の当社グループにおけるリモートワーク拡大により、当該リスクの重要性は一段と高いものとして認識しております。またシステムインフラ及びそのメンテナンス等の一部は、クラウドシステム業者を含む外部業者に委託しております。こういったシステムの利用範囲の拡大や運用形態の多様化に伴い、不測の事態への備えとして、障害発生時の体制整備、システムセキュリティの強化、通信回線やハードウェアの増強等、様々な対策を講じております。特に、近年より高度かつ複雑化するサイバー攻撃への対応については、より一層の全社的な情報セキュリティ体制の強化を目的に、経済産業省が定めるサイバーセキュリティガイドラインに沿ってPASONA-CSIRT(パソナ シーサート)を策定し、ランサムウェアや標的型攻撃といった情報セキュリティ脅威への防御のための技術的対策、及び社員に対する定期的な研修や訓練等を実施しております。これらの対策にも関わらず、人為的過誤、サイバー攻撃、広範な自然災害や外部業者のトラブル等により、コンピュータシステムや通信ネットワークが利用できなくなることにより、当社グループの業務や提供するサービスが停止する可能性があり、かかる状況が長期にわたる場合、当社グループに対する信頼性の低下を招く等の重大な影響を及ぼす可能性があります。
(6)事業投資について
①子会社・関連会社への投資
当社グループは今後も、企業や就労者の多様なニーズに応じたサービス領域の拡大、また社会的課題の解決につながる事業投資を積極的に行っていく考えであります。新規の事業投資については、多額の資金需要が発生する可能性があるほか、収益が必ずしも当初の計画通りに推移する保証はなく、想定した収益規模が確保できない可能性があります。事業の進捗状況を適時に把握し、既存の事業インフラや営業網も活用しながら、早期育成に取り組んでおりますが、こうした取組みにもかかわらず期待した収益を生まない場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
また当社が保有する関係会社株式は、市場動向や経営環境によっては評価替えなどにより当社の個別財務諸表における業績や資産の額に影響を与える可能性があります。
②地方創生事業に係る商業施設について
当社グループの地方創生事業においては、地方の活性化と人材育成及び雇用創造の拠点として複数の商業施設を運営しており、以下のような固有のリスクが想定されます。現在、地方創生ソリューションセグメントでは営業損失が継続しております。
・商業施設の新規開設については、施設規模の大きいものは多額の資金負担が生じます。人件費等の固定的な費用も多く、開設後に利用者数が一定水準に至るまでの期間において費用負担が先行する傾向があり、短期的には当社グループの利益を圧迫する場合があります。
・天候、災害、パンデミック等の影響により利用者の減少や営業休止を余儀なくされる可能性があります。また、利用者への訴求力増加施策が不十分であったり利用者の高い満足度を得られず利用者数が計画に届かない場合、収益が計画を下回ったり、追加投資が必要になる可能性があります。
・施設におけるアトラクション等の安全管理、食事の提供や食品の販売における品質管理や食品衛生には十分注意しておりますが、万一事故が発生した場合、当社グループの信頼性の低下や訴訟などが発生する可能性があります。
③企業買収について
当社グループは、事業の強化補強を図る有効な手段として、企業買収を行う場合があります。こうした企業買収に伴い、多額の資金需要及びのれんの償却等が発生する可能性があります。また企業買収にあたっては市場動向や顧客のニーズ、相手先企業の業績及び財政状況などを考慮し進めておりますが、これらの買収が必ずしも当社グループの見込みどおりに連結収益に貢献したり、シナジー効果を生むとは限らず、経営環境や事業の状況の著しい変化等によりそれぞれの経営成績が想定どおり進捗しない場合、のれんの減損損失や株式の評価損が生じるなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④減損会計について
当社グループは、地方創生事業に係る商業施設を含めた事業用の不動産やのれん、ソフトウエア等の有形・無形固定資産を所有し、連結貸借対照表に計上しております。こうした資産は、当該資産が生み出す将来キャッシュ・フローの状況により減損会計の適用を受ける場合があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)資金調達について
当社グループは、事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金及び外部資金を有効に活用しております。グループCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)によりグループ各社間の資金の有効活用と資金調達の一元化を図っているほか、金融機関との間にコミットメントラインを設定しております。資金需要に対する機動的な対応と、当社の考える資本コストのバランスからある程度の現金及び現金同等物を保有するとともに、資金需要の規模に応じた個別借入れや社債等により資金を確保していますが、今後の経営状況や信用収縮、金融情勢の変化などにより、必要な資金調達ができない場合は、当社グループの事業遂行に影響を及ぼす可能性があります。
(8)自然災害及びパンデミック等による事業継続リスク
当社グループは全国にグループ会社及び営業拠点を有しており、地震や水害など大規模な自然災害、パンデミック、事件・事故、その他企業存続を脅かす事象が発生した場合に備えて、従業員及び派遣スタッフの安否を確認し、安全を確保するための対策を危機管理マニュアルに定めております。また、事業継続のための施策としてBCPマニュアルの策定、事業拠点や情報システムの機能分散なども講じております。また、また2020年9月からは感染症への対策に加え、自然災害等のリスクにも対応するBCP対策の一環として、当社グループは本社・本部機能の分散と兵庫県淡路島への移転を段階的に開始しています。危機発生時は迅速かつ適切な対応をとる所存でありますが、想定を大きく上回る規模で自然災害等が発生した場合、当社グループの事業運営、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)気候変動リスク
世界規模で気候変動をはじめとする環境問題が深刻化しています。当社グループは、2005年にグループ各社の役職員で構成する「環境委員会」を設置し、次世代に健全で美しい地球を残すため、役職員への環境教育はもとより、一人ひとりが「ソーシャルアクティビスト」として活動する機会の創出に取り組んでおります。2021年には当社グループが目指すサステナブル経営のあり方を発信し、社会から信頼されるロングセラーカンパニーであり続けるために「パソナグループ環境イノベーション戦略」を策定し、同年に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」への賛同を表明いたしました。さらに「環境マネジメント推進会議」を発足し、気候変動シナリオ分析及び気候変動によるリスクと機会における事業インパクトの明確化を実施いたしました。また、2023年には「環境経営戦略会議」を発足し、環境経営及び気候変動対応における戦略・方針・目標を策定しております。
気候変動に伴う事業等のリスクについては、15ページ「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)ESG・サステナビリティ経営」をご参照ください。
(10)保育・介護事業におけるリスク
当社グループは地域での保育施設や企業内保育施設、学童クラブの運営など子育てに関する施設の運営と居宅介護(デイサービス)や訪問介護などの介護事業を行っています。施設及び事業の運営にあたっては安全管理に万全の配慮をしておりますが、事業特有の予期しない事故が発生する可能性があります。万が一事故が発生した場合、当社グループの信頼性の低下や業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11)訴訟・不祥事及びレピュテーションリスク
当社グループは法令遵守を重視した事業活動を行っておりますが、各種訴訟、係争、損害賠償請求の当事者となる可能性や不祥事、誹謗中傷等のリスクを排除できない場合があります。これらの発生に起因し、当社グループの社会的信用や企業イメージが低下し、売上の減少等、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う厳しい行動制限が年度末にかけて緩和され、景気は緩やかな持ち直しが継続しました。一方、世界的な金融引締めや物価上昇等によって景気の先行きが不透明な状態が続きました。
アフターコロナへと社会環境が変化する中で、当社グループにおいては、BPOサービスやアウトソーシング事業が拡大したほか、新型コロナウイルス感染症の収束により観光客が増加し、地方創生ソリューションの売上も伸長しました。また、海外(グローバルソーシング)においては人材需要の回復に加えて、為替影響による押し上げ効果もあり2桁の成長となりました。一方、エキスパートサービスは、新型コロナウイルス感染症の収束に伴い、感染対策に係る業務が想定よりも早期で終了したほか、キャリアソリューションの再就職支援事業においても企業の大規模な構造改革の動きが乏しかったことから前年度を下回って推移しました。
これらの結果、当連結会計年度の連結売上高は372,579百万円(前期比1.8%増)となり、売上総利益は91,525百万円(前期比2.1%増)となりました。販管費は77,148百万円(前期比14.1%増)と前年同期から増加しましたが、これは主にアウトソーシングの旧JTBベネフィットのサービス統合過程における重複コストや大型プロモーションに係る費用、加えて第1四半期に実施した東京オフィスの移転に伴う一時費用が影響しています。結果、営業利益は14,377百万円(前期比34.9%減)、経常利益は15,366百万円(前期比31.7%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は6,099百万円(前期比29.3%減)となりました。
■連結業績
②事業別の状況(セグメント間取引消去前)
HRソリューション
エキスパートサービス(人材派遣)、BPOサービス(委託・請負)他
売上高 307,687百万円 営業利益 15,132百万円
〔エキスパートサービス〕 売上高 147,188百万円
当該事業では、オフィスワークを中心に事務職から高度な専門スキルを備えた人材やエンジニア、営業・販売職、また若年層からシニアまで幅広い世代、職種のエキスパートサービス(人材派遣)を展開しています。
緩やかな景気回復が続く中で人材派遣の受注は堅調に推移しましたが、一方で、前期に大幅に拡大した新型コロナウイルス対応の関連業務が同感染症の収束に伴い減少したことに加え、第3四半期以降は業務が想定よりも早期に終了した結果、売上高は147,188百万円(前期比3.2%減)となりました。
〔BPOサービス〕 売上高 141,906百万円
当該事業では、顧客から煩雑な事務作業を集約し効率化する総務・庶務や繁閑に応じた経費精算等に対応する経理・財務をはじめ、受付、営業事務・受発注、人事・労務・給与計算などの業務を当社グループが受託しBPOサービスを提供しているほか、連結子会社であるビーウィズ株式会社が自社開発のデジタル技術を活用したコンタクトセンター・BPOサービスを提供しています。
BPOサービスにおいては新規案件が積み上がったことに加えて、既存取引先へのクロスセルによるサービス領域拡大も進みました。新型コロナウイルス感染症の感染対策に係る業務など前期の一時的な特需案件のマイナスを、パブリックセクターからは就職支援や人材育成などの事業を新たに獲得し、民間企業からは生産性向上を目的とした業務のアウトソーシングやDX推進など新たな需要を獲得することで補った結果、売上高は141,906百万円(前期比1.9%増)となりました。
〔HRコンサルティング、教育・研修、その他〕 売上高 8,761百万円
当該事業では、フリーランスや上場企業の元役員などのプロフェッショナル人材によるコンサルティングや経営支援を行う顧問コンサルティング事業のほか、企業やパブリックセクターから受託している教育・研修事業、タレントマネジメントなどのHRテック導入支援事業を行っています。
顧問コンサルティング事業においては、企業の人手不足に対応した採用コンサルティングの需要が拡大しました。また、教育・研修事業では、経営に直結する次世代リーダーの育成や女性管理職研修などの人的資本経営の実現に向けたサービスが拡大しました。
これらの結果、売上高は8,761百万円(前期比4.1%増)となりました。
〔グローバルソーシング〕 売上高 9,831百万円 営業利益 617百万円
当該事業では、海外において、人材紹介、人材派遣・請負、給与計算、教育・研修などのフルラインの人材関連サービスを提供しています。
北米地域では、人材紹介手数料の単価上昇やエグゼクティブ層の成約が伸長したことに加え、BPOでもペイロールや経理などの分野で業務受託が拡大しました。アジア地域では、特に台湾において半導体製造業及びその周辺事業で人材需要が高く増収となりました。さらにインドやタイ、マレーシアでも日系企業を中心に需要が回復し、いずれの拠点も人材紹介などが増収となりました。
これらの結果、円安進行による為替影響もあり、売上高は9,831百万円(前期比17.9%増)、営業利益は617百万円(前期比38.0%増)となりました。
以上の事業から構成されるセグメントの売上高は307,687百万円(前期比0.1%減)となりました。利益面では、主にエキスパートサービスにおいて、稼働スタッフの有給休暇取得や社会保険料の増加に伴い、粗利率が低下したことに加えて、BPOやHRコンサル、グローバル事業の人件費等の販管費も増加したことから、営業利益は15,132百万円(前期比19.5%減)となりました。
キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援) 売上高 13,923百万円 営業利益 4,089百万円
当該事業は、企業の中途採用活動を支援し、転職希望者とのマッチングを行う人材紹介事業と、企業の人事戦略に基づいて転身を支援する再就職支援事業を提供しています。
人材紹介事業では、企業の人材採用の需要は活発な状態で推移し、当社が注力している管理部門や専門職種領域においても高い採用意欲が継続しました。当社グループにおいてはハイキャリア領域を中心に成約数が増加し、成約単価も上昇しました。また、ダイバーシティや多様性の確保といった人的資本経営を推進する企業が増えていることから、特に女性管理職の採用ニーズが高まっており、当社グループの実績とコーポレートブランドを活かしながら事業拡大を推進しました。
再就職支援事業では、企業の事業構造の見直しが落ち着いたことにより需要の減少が続きました。一方で、改正高齢者雇用安定法の施行や人的資本経営への意識の高まりから、従業員に対してのキャリアカウンセリングやリスキリングなどを組み合わせた「セーフプレースメント・トータルサービス」の需要が順調に拡大しました。
これらの結果、人材紹介事業は拡大しているものの、再就職支援事業の減少を補うまでには至らず、売上高は13,923百万円(前期比5.3%減)、営業利益は4,089百万円(前期比8.5%減)となりました。
アウトソーシング 売上高 42,376百万円 営業利益 10,487百万円
当該事業では、当社連結子会社である株式会社ベネフィット・ワンが、企業や官公庁・自治体の福利厚生業務の代行を中心にサービス提供を行っています。
福利厚生事業では、前年度に実施したM&Aによる外部成長効果に加え、期中における公務員共済組合の非常勤職員加入拡大等により増収となりました。また、会員のサービス利用は想定より緩やかながら回復基調となり、これに係る補助金支出が前年度から増加しました。
ヘルスケア事業においては、アフターコロナの健康経営ニーズの拡大を見越した事業計画を立て、CM等のマーケティングも実施しました。新型コロナウイルス感染症のワクチン接種支援事業の受託が想定を上回った一方、保健指導事業では新規受注及び指導実施の進捗が想定を下回る結果となりました。
また当期は、CM等のマーケティング投資に加えて、本店移転に伴う一時費用、M&A後のサービス統合過程における重複コスト、システムリプレイス等によるIT費用を販管費で計上しています。
これらの結果、売上高は42,376百万円(前期比10.5%増)、営業利益は10,487百万円(前期比17.8%減)となりました。
ライフソリューション 売上高 8,200百万円 営業利益 364百万円
当該事業では、認可・認証保育所、企業内保育施設、学童保育の運営などを行う保育事業、デイサービス、訪問介護などを行う介護事業、家事代行などのライフサポート事業を行っています。
介護事業では、新型コロナウイルス感染症の宿泊療養施設への介護派遣が第3四半期までは拡大したものの、同感染症の収束に伴い第4四半期からは需要が減少に転じました。家事代行などのライフサポート事業では、自治体から受託している子育て家庭への家事代行サービスが広がっており、新規の自治体からの案件獲得も進みました。
保育事業では、在宅ワークの定着により、企業内保育所は縮小傾向にあるものの、認可保育施設での受入れ児童数が順調に増加したほか、学童クラブの運営施設数の増加に伴い利用者数も伸長しました。
これらの結果、売上高は8,200百万円(前期比14.6%増)、営業利益は364百万円(前期比57.0%増)となりました。
地方創生ソリューション 売上高 6,931百万円 営業利益 △2,877百万円
当該事業では、地域住民や地域企業、地方自治体と協力、連携しながら、地方に新たな産業と雇用を創出する地方創生事業に取り組んでいます。
新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限が緩和され、インバウンドを含む観光客が増加した兵庫県淡路島では、アトラクションや飲食施設への人流が回復しました。昨年4月にオープンした全長100mのウッドデッキで禅やヨガなどのアクティビティが体験できる「禅坊靖寧」や地域の食材を使った地産地消の料理を提供する畑の中のレストラン「陽・燦燦(はる・さんさん)」は、大自然の魅力を存分に楽しむことができる施設として注目を集め、メディアにも多く取り上げられました。また、兵庫県立淡路島公園アニメパーク「ニジゲンノモリ」では、大人気アトラクション「ドラゴンクエスト アイランド」を今年3月にリニューアルし、新作「ドラゴンクエスト アイランド いにしえの魔神と導かれし冒険者たち」をオープンいたしました。ニジゲンノモリでは、広大な公園敷地内に国内外で人気の高いアニメやキャラクターを用いた複数のアトラクションが楽しめることから、インバウンドはもとより団体観光客の利用が増加しました。
新規施設もオープンしたことにより、売上高は6,931百万円(前期比56.6%増)と増加しました。同時に新規施設の初期費用も増え、営業利益は△2,877百万円(前期は営業利益△2,612百万円)となりました。また、当連結会計年度において一部子会社の決算期を3月から5月に変更し、14ヶ月決算となったことを受けて、当期は2ヶ月分の業績が上乗せされています。
消去又は全社 売上高 △6,539百万円 営業利益 △12,819百万円
グループ間取引消去とグループシナジーの最大化のためのコストや新規事業のインキュベーションコスト、持株会社としての管理コストが含まれています。
当連結会計年度においては、第1四半期に実施した東京・南青山「PASONA SQUARE」へのオフィス移転に伴う引越し等の一時的な費用及び移転期間の二重家賃が生じているほか、段階的に進めている兵庫県淡路島への本社・本部機能の一部移転に係る費用が増加しました。
これらの結果、グループ間取引消去の売上高は△6,539百万円(前期は△6,642百万円)、営業利益は△12,819百万円(前期は△11,566百万円)となりました。
■セグメント別業績
(2)生産、受注及び販売の実績
当社グループは、人材派遣、委託・請負、人材紹介、再就職支援、アウトソーシング、保育・介護、地方創生などの事業を行っており、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載しておりません。
生産実績と同様の理由により、記載しておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりとなります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
上記に記載した当連結会計年度における売上高を地域別に示すと、次のとおりとなります。
(3)財政状態
資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末の資産及び負債には、当社グループによる使用が制限されている受託案件に係る顧客からの一時的な「預り金」とそれに見合う「現金及び預金」が74,869百万円(前連結会計年度末10,123百万円)計上されております。
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べて71,758百万円増加(35.2%増)し、275,504百万円となりました。上記の「預り金」影響もあり、現金及び預金が56,116百万円増加、未収還付法人税等が2,623百万円増加、淡路島の地方創生事業や本社・本部機能等に係る有形固定資産が6,389百万円増加、システム設備投資等によりソフトウェアが2,382百万円増加したことなどによるものであります。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて67,281百万円増加(49.3%増)し、203,880百万円となりました。上記の受託案件等により預り金が65,638百万円増加、資金調達により長期借入金が4,725百万円増加した一方で、支払が進んだことにより買掛金が1,308百万円減少、法人税等の支払いなどにより未払法人税等が2,815百万円減少したことなどによるものであります。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて4,477百万円増加(6.7%増)し、71,624百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益が6,099百万円となった一方で、配当金の支払が1,396百万円あったことにより利益剰余金が4,703百万円増加、当社の連結子会社である株式会社ベネフィット・ワンが自己株式の取得を行ったこと等により資本剰余金が692百万円減少したことなどによるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、19.6%(前連結会計年度末24.5%)となりました。なお、受託案件に係る「預り金」に伴う「現金及び預金」を控除した総資産は、200,634百万円(同193,622百万円)であり、自己資本比率は26.9%(同25.8%)となります。
(4)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて、8,658百万円減少し、47,919百万円となりました。なお、「資金」には、受託案件に係る顧客からの一時的な「預り金」に見合う「現金及び預金」は含まれておりません。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、5,961百万円(前連結会計年度10,115百万円の増加)となり、前連結会計年度より4,153百万円の減少となりました。
資金増加の主な内訳は、税金等調整前当期純利益16,766百万円(同22,290百万円)、減価償却費5,126百万円(同4,419百万円)等によるものであります。
資金減少の主な内訳は、売上債権及び契約資産の増加1,188百万円(同6,112百万円の増加)、その他資産の増減額に含まれる未収入金の増加2,093百万円(同1,243百万円の増加)、法人税等の支払額12,932百万円(同8,084百万円)等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、12,502百万円(前連結会計年度29,624百万円の減少)となり、前連結会計年度より17,122百万円の減少となりました。
資金増加の主な内訳は、投資有価証券の売却による収入1,790百万円(同95百万円)、敷金及び保証金の回収による収入1,962百万円(同256百万円)等によるものであります。
資金減少の主な内訳は、淡路島の地方創生事業や本社・本部機能等に係る有形固定資産の取得による支出9,029百万円(同11,632百万円)、システム設備投資に伴う無形固定資産の取得による支出4,591百万円(同4,683百万円)、株式会社パソナジョイナスの株式取得による、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1,268百万円(同10,451百万円)等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、2,292百万円(前連結会計年度23,543百万円の増加)となり、前連結会計年度より25,835百万円の減少となりました。
資金増加の主な内訳は、長期運転資金の確保を目的とした、長期借入れによる収入15,727百万円(同29,129百万円)等によるものであります。
資金減少の主な内訳は、長期借入金の返済による支出10,339百万円(同11,098百万円)、子会社の自己株式の取得による支出1,506百万円(同0百万円)、配当金の支払5,169百万円(同3,584百万円)等によるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
(注)1 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
2 いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
3 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
4 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
5 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
6 当社グループによる使用が制限されている受託案件に係る顧客からの一時的な「預り金」とそれに見合う「現金及び預金」を控除した自己資本比率は、前項「(3)財政状態 資産、負債及び純資産の状況」に記載のとおりであり、また、時価ベースの自己資本比率は、33.9%(前連結会計年度末42.4%)となります。
(5)資本の財源及び資金の流動性
①財務戦略の考え方
当社グループは、財務体質の強化と資金効率の向上を両立しつつ、企業価値の向上のために資金を適切に調達・配分することを財務戦略の基本方針としております。当社グループの重点戦略として掲げている地方創生事業に対する設備投資や、HRソリューション領域におけるデジタル化推進のためのIT関連投資、拠点関連投資など、当社グループの成長、企業価値の向上に必要な資金及び経常の運転資金を効率的に確保しております。さらに、グループ会社との間ではCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、グループ各社における余剰資金の有効活用に努めております。
②資金調達の基本方針
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的、かつ機動的に確保するため、内部資金及び外部資金の有効活用に努めております。月中の短期運転資金需要に対しては、金融機関との間に設定しているコミットメントラインや当座借越枠を機動的に活用しています。長期借入については、約定返済額や投資計画等を勘案しながら、年度の資金調達計画を策定し、取引金融機関からの調達を実施しています。資金調達にあたっては、財務体質や資本コストにも留意しながら、その可否を判断しています。自己資本比率やEBITDA有利子負債倍率等を見据えつつ、銀行借入、社債をはじめとした負債を有効に活用することで、資本コストの低減及び資本効率の向上に努めております。
③資金配分についての考え方
当社グループ全体として得られた資金は、成長投資、株主還元、手元資金に振り分けています。成長投資については、経営戦略を踏まえたグループとしての投資意義や、投資資金の回収可能性や期待されるリターン等を吟味し、投資の可否を判断しています。また、業績に応じた株主還元を実施することを基本方針としており、配当政策については、連結配当性向30%を目途とするとともに、継続的かつ安定的な配当の維持にも努めてまいります。手元資金については、金融機関との間に設定しているコミットメントライン等を活用し、適切な水準に抑えることで、グループ全体の資金効率を高めていくよう努めております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっての会計方針は、78ページ「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。
また、この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りや判断を行う必要があります。過去の実績や現在の状況に応じ、合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表を作成するにあたって、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、81ページ「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
当連結会計年度において、特記すべき重要な事項はありません。