当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、1977年の創業以来、「光産業を通じ、社会に貢献します」という経営理念に基づき、光科学分野の基礎研究と応用技術開発を支える光学製品の総合メーカ「光ソリューション・カンパニー」として事業に取り組んでまいりました。当社グループの経営資源を最適に配分して、弛まぬ「ものづくり」への挑戦により、グローバルマーケットでの競争力の向上と新たな価値の創出に取り組んでいます。又、当社グループのブランド・ステートメントとして掲げる「Light Solutions for Life®」は、「暮らし」や「いのち」を支える価値ある光ソリューションを提供するという、当社グループの事業姿勢を表しております。当社グループは、レジリエントでサステナブルな社会の実現を目指し、事業を通じて社会に役立つ製品を安定的に供給するという当社グループの経営理念の実現に向けて挑戦・創造する人材を育成するとともに、広く社会に貢献する活動を行うことで、当社に関わる全てのステークホルダーの皆様のご期待に応えられる企業集団を目指してまいります。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、より強固な経営基盤の構築を推進し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るべく、売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益と売上高営業利益率、自己資本利益率(ROE)を重視し、収益力の向上に取り組んでおります。
(3) 当社を取り巻く経営環境
当社グループは、光ソリューションで最先端の光技術を支える光学製品及びその周辺機器の総合メーカとして、光技術の研究・開発分野で蓄積した最先端の技術・情報・ノウハウを駆使し、学術分野、産業分野に幅広く展開しています。
量子、時間計測・情報通信、材料、バイオ・ライフサイエンス、天文等の光科学を応用した基礎研究や学校教育等の学術分野はもとより、半導体、電子部品、フラットパネルディスプレイ(FPD)、次世代通信、センシング、ナノテクノロジー、バイオ・ヘルスケア、医療・美容、航空・宇宙、エコ・エネルギー等の産業分野に対して、お客様が求める製品仕様に適した高性能・高品質・高信頼性の光学部品・光学モジュール・光学ユニット・光学システム製品を提供しております。
このような当社グループを取り巻く経営環境は、新型コロナウイルス感染症による各種規制が緩和される等、経済活動の正常化が進み、世界経済は回復基調で推移いたしました。特に電子部品・半導体関連を中心としたエレクトロニクス業界での設備投資需要の回復等により、当社グループの受注・売上も回復基調で推移し、前年比で増加いたしました。研究開発分野、産業分野のマーケットトレンドである、更なる「高精密化」、「高精細化」、「高耐久化」というキーワードの下、新たな光技術に対応する最先端の光学製品の需要も見られる等、今後の事業機会は拡大していくものと考えております。
(4) 中長期的な会社の経営戦略等
レーザ光技術を中核技術とする光産業は、21世紀をリードする基幹産業のひとつです。
光を用いて物質を「加工」「観察」「計測」する等の光科学分野の基礎研究と技術開発の成果は、今や、私達の生活の様々な所で活用されており、まさに「光の時代」の到来を迎えようとしています。研究開発分野・産業分野においては、更なる「高精細化」、「高精度化」、「高耐久化」というニーズの高まりにより、新たな光源に最適な高度な光技術が欠かせなくなっており、「光ソリューション・カンパニー」である当社グループの事業機会は今後ますます拡大してまいります。
そのような中、当社グループは、お客様のニーズに最適なソリューションと付加価値の高い製品をご提供するためには、「光技術の革新」を先見し、市場環境・技術トレンド・社会情勢等の変化への対応力を高めることが重要だと認識しています。
「光」の可能性を1つずつ形にしてきた「光ソリューション・カンパニー」である当社グループは、お客様に新たな価値を提供し、社会に貢献する企業であり続けるため、中長期的に下記の経営戦略を推進してまいります。
・大学・公的機関の研究開発分野や産業分野との連携による最先端の知の融合
・光学技術等の中核技術を融合した高付加価値かつオンリーワンの新製品開発
・お客様の品質・価格・納期等の多様なニーズに応えるものづくり力の向上
・経営理念の実現のため、積極的に新たな価値の創出に挑戦する人材の育成
・すべてのステークホルダーの期待に応え、持続可能な社会に貢献するサステナビリティの推進
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループを取り巻く経営環境は、温暖化をはじめとした気候変動、地震・豪雨などの自然災害の他、エネルギー資源の枯渇、既知・未知の感染症の感染拡大、高まる地政学的リスクによる影響への懸念、社会の急速なデジタル化、少子高齢化や多様性など取り組むべき課題が山積しています。当社グループは、中長期的な会社の経営戦略に基づき、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題を、以下の項目と認識しており、重点的に取り組んでまいります。
<重点取り組み事項>
①営業・マーケティングの強化
積極的な国内外の有力光学展示会への出展や「光ソリューション・カンパニー」ならではの提案営業によるお客様との良好な信頼関係の構築を推進いたします。又、グローバル・ウェブカタログ・システムやSNSを活用した動画による製品紹介、オンラインを活用したフォーラム・セミナー開催等によるお客様とのコミュニティの構築、お客様の属性情報等のデータを活用した情報提供等を推進し、「OptoSigma」ブランドの認知度向上とグローバルマーケットでの需要創出に努めております。
又、最先端の光技術の研究開発を行っている大学や研究機関等との長年に亘る信頼関係の下、当社グループの国内外のネットワークを生かした産官学の連携・協働による最先端の光技術の知の融合に取り組み、光技術の新たな可能性を広げる様々なプロジェクトにも参画しております。
②ものづくり力の強化
最先端の研究開発分野やコスト競争の激しい産業分野の多様なニーズに対応すべく、「品質の向上と安定」、「コストダウン」、「短納期化」を強力に推進しております。「光ソリューション・カンパニー」である当社グループだからこそ可能な、商品企画・開発から試作、検証、量産まで一貫してご提案するワンストップサービスと、光学技術、機械加工、電気設計、ソフト開発、システムアップ等の中核技術の融合と生産技術のさらなる改革を進め、競合他社との差別化を図ってまいります。
既存製品については、機能性や操作性等のユーザビリティの向上による高付加価値化を推進いたします。特に、光学モジュールや光学ユニット製品、光学装置までをワンストップで生産可能な当社の技術優位性を生かした光ソリューションの提案に注力してまいります。又、有力な研究機関や産業分野民間企業とのネットワークを生かした連携・協働によって、最先端の技術・情報・ノウハウを駆使した、オリジナリティのある新製品開発に取り組んでおります。その他、サプライヤーや生産協力工場等のサプライチェーンを当社グループのネットワークを活用して複線化を図ることで、安定供給とコスト低減の実現に取り組んでおります。
・要素部品事業
新しい生産技術・量産技術開発やグローバルサプライチェーンの強化、最先端の設備投資と生産効率化等による生産コストの低減、キー・テクノロジーの開発の強化による製品機能・品質の向上、生産・営業・技術の各本部の垣根を越えた連携による開発スピードの向上等により、競争優位性の高い製品の開発・生産を推進してまいります。
・システム製品事業
有力成長分野の研究機関や産業分野のニーズをいち早く捉えて、中核光学技術の優位性を生かせる高付加価値の光学モジュール・光学ユニット製品の開発体制の強化と量産体制の構築により、グローバルマーケットでの販売展開を推進いたします。
③経営管理体制の強化
当社グループのサステナビリティ基本方針・コーポレートガバナンス基本方針・シグマ光機行動規範の下、今後の経営環境の変化に応じた適切な内部統制システムとコンプライアンス体制の更なる整備、維持、改善に努め、コーポレート・ガバナンスを強化し、適切かつ誠実に企業活動を推進してまいります。又、「環境、社会、企業統治(ESG)」の観点を積極的に経営に取り入れ、「光産業を通じ、社会に貢献します」という当社経営理念の実現に向け、レジリエントでサステナブルな社会の創造に貢献すべく業務に邁進してまいります。これらの取り組みにより、株主の皆様をはじめとするステークホルダーの利益に適う経営を行ってまいります。
今後の先行きが不透明な経営環境の下、経営基盤の強化のため、ITシステムや生産設備の導入・構築を進め、各事業部門の業務の省力化・合理化による生産性の向上を推進し、コスト低減を図ってまいります。
又、次世代を担う優秀な人材の育成・確保のため、採用活動の多様化や社員の能力の開発・向上のための人材育成制度や人事評価制度の改善等を積極的に行ってまいります。同時に、社員エンゲージメントの向上、ワークライフバランスを実現するための就業環境も整備いたします。
(1)サステナビリティに関する取り組み
①サステナビリティに関する考え方
当社グループは、「光産業を通じ、社会に貢献します」という経営理念の下、当社の中核技術である光技術を通じて社会課題や環境課題に取り組む中で、「暮らし」や「いのち」を支える価値ある光ソリューションを提供し、持続可能な社会価値を創造することを目指しております。その実現に向けて、当社グループは、「光ソリューション・カンパニー」としてすべてのステークホルダーから信頼され、かつ持続的に企業価値を向上させることを目的として、「サステナビリティ基本方針」「シグマ光機行動規範」を定めております。この基本方針・行動規範の下、その実践を通じて社会課題の解決と持続可能な社会の実現に貢献していくことを目指して、適切かつ誠実な企業活動を推進しております。
②ガバナンス
当社グループは、サステナビリティ経営を推進するため、経営幹部(常勤取締役、執行役員、グループ会社経営陣、各本部長並びに各部門長)により構成される経営幹部検討会の配下に、経営企画部門を事務局とするCSR推進会議を設置しております。CSR推進会議は、当社グループ全体のサステナビリティ経営を推進する役割を担い、サステナビリティ経営に関わる具体的な企画の立案及び実行管理等を進め、活動状況を経営幹部検討会に報告しております。又、同じく経営幹部検討会の配下にある危機管理委員会及びコンプライアンス委員会と連携をとっております。重要な意思決定事項については、CSR推進会議や各委員会からの報告を踏まえて、取締役会で更なる審議を行った上、意思決定及び監督を行っております。今後は気候変動に係るリスクや環境課題及び人的資本に関する方針等についても積極的に審議してまいります。
③リスク管理
当社グループは、リスク管理体制の構築及び維持を図るとともに、サステナビリティに係るリスクを含むすべての事業リスクの予防・極小化に向け、経営幹部検討会の配下に、代表取締役社長を委員長とし、管理本部を事務局とする危機管理委員会並びにコンプライアンス委員会を設置しております。危機管理委員会は、四半期に1回、必要に応じては臨時に開催しており、当社グループ全体を対象にした事業リスクの抽出・評価・モニタリングを行っております。重要課題については、危機管理委員会で報告、協議、決定を行い、協議内容を経営幹部検討会へ報告しております。経営幹部検討会で協議・承認された内容は、取締役会による監督体制の下、当社グループ戦略に反映され、事業活動を通して対応しております。その他、事業リスクに関する個別のテーマについては、それぞれのテーマに関わる各担当部門が業務執行及び財産に係るリスクを認識・把握するとともに、管理部門を中心として組織横断的なリスクへの対応を図っております。
(2)人的資本経営に関する取り組み
当社グループは、「人材」こそ、すべての価値創出の源泉であるという考え方に基づき、「社員教育を通じて、広く感謝の心を持ち、自己と会社のビジョン・ミッションを理解し、その実現に向けて挑戦・創造する人財を育成します。」という経営基本方針を掲げ、ジェンダーや国際性、年齢等に関わらず、すべての従業員一人ひとりがそれぞれの個性と能力を最大限発揮し、やりがいを持って働き続けることを目指して、様々な取り組みを進めております。
人材育成については、中長期的な視点で捉えており、すべての従業員が「主体性」をもって行動し、組織を横断して「協働」する、「多様性」と「専門性」を兼ね備えた人材の育成・輩出を目指して、新入社員、若手、中堅、管理職等、それぞれの職位に沿った教育体系及びキャリアパスを定め、教育・研修を実施しております。又、光技術に関わる様々な要素技術をワンストップで提供できる当社グループのビジネスモデルを活かし、グループ間及び社内の業務ローテーション等、従業員が新たな経験を積み、スキルを高めていくことによるキャリア形成も支援しております。
社内環境整備に関しては、様々な環境変化への柔軟かつ効率的な対応による持続的な企業価値の創出には、多様な価値観及び専門性を持つ人材が働きやすい環境・風土の醸成が重要であると考えており、ジェンダーや国際性、年齢や文化等の多様性を尊重するとともに、特定の属性に関わらず、公平な人材の採用及び活用を積極的に推進しております。特に、女性をはじめとする全ての従業員が様々なライフイベントの有無にかかわらず、継続して働ける環境づくりに向けて、女性活躍推進を進めております。又、新たな価値創出に絶えず挑戦する企業風土の醸成に向けて、就業制度の改善、IT活用による業務プロセスの改善・業務効率化等、新たな価値創造に挑戦する活動が評価される組織と人事評価制度への変革を目指しております。健康面では、労働環境における安全面のリスク管理や年次有給休暇や育児・介護休暇の取得促進、定期健康診断やストレスチェックの実施とフォローアップ等、心身ともに健康で、安心・安全で働きやすい社内環境整備に継続して取り組んでおります。
<取り組み事例>
■女性活躍推進
当社では、「働く女性サミット Working Women’s Summit(以下、WWSという。)」を通して、会社の継続的発展を担う女性人材のキャリアアップへの意欲向上とリーダーの役割と知識の習得、女性社員間のネットワーク構築を図るとともに、仕事と家庭を両立しながら働くことが出来る環境を整えることを目的とした女性活躍プログラムを実施しています。WWSでは、自ら行動することの大切さを改めて認識し、視野が広がることによる新たな気づきや発見、研修プログラムを通して生まれる連帯感と絆を生かし、職場での次世代のリーダーとしての更なる活躍を支援しています。又、女性目線での会社制度や設備等に対する意見を出しあうことで、女性をはじめとする全ての従業員が笑顔で働ける環境づくりを進めています。
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指標 |
実績 2023年5月期 |
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女性管理職比率 |
2.6 % |
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男女の賃金の格差(全労働者) |
61.9 % |
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男女の賃金の格差(正規雇用労働者) |
64.5 % |
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男女の賃金の格差(非正規雇用労働者) |
96.1 % |
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採用人数女性比率(全労働者) |
46.7 % |
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採用人数女性比率(新卒採用) |
50.0 % |
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採用人数女性比率(中途採用) |
42.9 % |
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連結グループ子会社・関連会社役員経験者比率 |
42.1 % |
(注)1. 各指標における実績は、提出会社の従業員の状況となります。
2. 男女の賃金格差は、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。同一労働の賃金に差異はなく、等級別人数構成の差及び管理職に占める女性の割合によるものであります。
非正規労働者は、個人ごとに契約労働時間の異なるパートタイム労働者のため差異が生じております。
3. 連結グループ子会社・関連会社役員経験者比率は、当社副部長以上の中で、当社グループ子会社・関連会社役員兼任者及び過去1回以上当社グループ子会社・関連会社役員兼任経験者となります。サクセッションプランも踏まえて、グローバル視点及び経営経験を持った人材育成を進めております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
①主要事業のビジネスモデルに関わるリスク
多品種の規格品をカタログ販売しており、お客様の注文に合わせてタイムリーに納品するために、光学基本機器製品、自動応用製品、光学素子・薄膜製品におきましては、需要予測に基づく計画生産を行っているため相当数の在庫を保有しております。しかしながら、環境基準や事業環境等の急激な変化により、それらの在庫評価等に重要な影響を与える事案が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。
②新製品開発に関わるリスク
有力な研究機関や産業分野民間企業とのネットワークを生かした連携・協働により、お客様ニーズをいち早く取り入れた新製品開発を実施して安定的な収益の確保に取り組んでまいります。しかしながら、技術動向や市場変化の実態と予測との間に差異が生じる等、お客様ニーズにマッチした魅力ある新製品を開発することができない場合は、当社グループの将来の成長性・収益性に重要な影響を与える可能性があります。
③価格競争に関わるリスク
多品種の規格品をカタログ販売しておりますが、市場の成熟化や産業構造の変化、為替問題等により、国内外の競合他社との間において価格競争が激化する可能性があります。今後、従来製品のコモディティー化の進行や競合他社による低価格戦略、海外の低価格製品の国内流入等によって急激な価格下落が起こった場合や、エネルギー価格や原材料・部品の調達価格の高騰等が発生した場合は、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。
④海外における事業活動に関わるリスク
米国及び中国に生産販売子会社、フランス及びシンガポールに販売子会社を設立し、海外マーケットに進出しております。これら進出先の予期しない政情・経済の変動や法律規制の変更、テロ等の社会的混乱、災害等による社会的インフラの障害、人材の採用困難又は流出のリスク等により、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。
⑤知的財産権に関わるリスク
当社グループが提供する製品は、特許権を含む知的財産権の管理を徹底しております。しかしながら、国内外で事業を展開しているため、競合他社等から当社の保有する知的財産権に関する侵害を受ける可能性があります。又、当社が製品開発・生産を行う際には、他社が保有する知的財産権を侵害しないように細心の注意を払っておりますが、万が一、第三者の知的財産権を侵害しているとの主張を受けた場合、係争に発展する等、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。
⑥製造物責任に関わるリスク
当社グループが提供する製品は、徹底した品質管理の下、生産しております。しかしながら、製品の品質や安全性において重大な瑕疵が発生した場合、その瑕疵に起因した損害賠償の発生や製品品質への信頼の低下等を招き、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。なお、不測の事態への備えとして、製造物賠償責任保険への加入を行っております。
⑦情報漏洩等に関わるリスク
技術情報等の重要な情報に加え、カタログ販売を主要な営業形態としている関係上、多くの取引先及びお客様の取引情報を扱っております。しかしながら、万が一これらの情報が流出した場合、当社グループの企業価値を毀損するだけでなく、経済的損失につながり当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。
⑧人材の確保に関わるリスク
当社グループが提供する製品は、非常に高度な光学技術と、機械加工、電気設計、ソフト開発、システムアップ等の中核技術を融合してワンストップでご提供することで、競合他社との差別化を図っており、専門性の高い熟練した技術やナレッジ、ノウハウを有した人材の確保が重要となります。そのため、新卒採用活動を強化し長期的な人材育成を進めると同時に、中途採用等も積極的に実施しています。又、中堅・若手社員や女性社員向けの教育研修制度の拡充や働き甲斐のある人事評価制度の構築、当社グループ間の活発な人材交流等も行い、安定的な人材の確保に取り組んでおります。しかしながら、少子高齢化等による人手不足や魅力的な雇用環境を構築できずに必要な人材を確保できなかった場合、当社の製品の品質や業務のレベルの悪化等により、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。
⑨自然災害等に関わるリスク
地震・火災・洪水・感染症等の自然災害への対策には十分注意を払っておりますが、開発・生産拠点及び取引先等の事業活動が停止した場合、又、それらの災害に起因して電力・通信・交通等の社会的インフラに問題が生じたことで事業活動が中断した場合、生産や出荷に遅延が生じる恐れがあり、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。又、新型コロナウイルス感染症等、感染症による感染拡大及び長期化が発生した場合、当社販売人員の移動制限による受注機会の減少や、当社従業員の集団的な感染症罹患に起因した製品納品遅延等、当社グループの業績と財務状態に影響を与える可能性があります。当社グループにおいては、お客様、取引先様及び従業員の安全を第一に考えており、危機管理委員会によるリスク管理体制のもと、新たな感染拡大を防ぐため、政府・自治体の発表・要請を踏まえて、従業員の体調管理の徹底、マスク着用・手指消毒の徹底、テレワークやウェブ会議システムの導入、外出・出張の制限等、感染症による事業活動への影響の低減を図っております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー等の状況の概要は以下のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症による各種規制が緩和され、経済活動の正常化が進み、総じて回復基調で推移いたしました。一方、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、一部の半導体不足など供給面での制約や原材料及び部材価格並びにエネルギー価格の高騰、世界的なインフレの進行と金融引き締め等、世界経済は依然として先行き不透明な状況が継続しております。
当社グループにおいては、大学・国立研究開発法人向け研究開発分野の需要は堅調に推移いたしました。民間企業向け研究開発分野及び産業分野においても、エレクトロニクス分野を中心とした研究開発投資や設備投資の回復基調が続き、総じて堅調に推移いたしました。国内・アジア地域では、国内を中心とした一部の電子部品・半導体業界向けでは、レーザ加工機・検査装置向けの組込み用途の要素部品が好調で推移いたしました。フラットパネルディスプレイ業界向けでは、一部の大口のお客様への観察・検査・加工用途向けの光学システム製品の納品が進み、大幅な増収となりました。又、米国地域及び欧州地域では、大学・官公庁向け、産業分野向けともに堅調に推移し、東南アジア地域は、新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に改善し、回復基調で推移いたしました。
このような中、半導体等の供給面での制約の継続や、原材料及び部材価格並びにエネルギー価格の高騰、急激な為替変動等の影響が続き、材料費や外注加工費等の外部費用が増加いたしましたが、総じて堅調な需要により売上高が増加した他、高付加価値製品の販売及び継続的な生産性向上等に注力した結果、営業利益は前期比で増加いたしました。また、本年2月22日付でお知らせしましたとおり、当社が所有する固定資産(土地・建物)を信託受益権化したうえで売却したことによる特別利益が発生したために、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比で大幅に増加いたしました。
その結果、売上高113億6千7百万円(前年同期比9.8%増)、営業利益15億4百万円(前年同期比4.6%増)、経常利益16億9千万円(前年同期比4.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は14億9千3百万円(前年同期比27.6%増)となりました
セグメントの業績は、次のとおりであります。
イ.要素部品事業
当事業においては、大学・国立研究開発法人向け研究開発分野の需要は堅調に推移いたしました。民間企業向け研究開発分野及び産業分野は、エレクトロニクス分野を中心とした研究開発投資や設備投資の回復基調を背景に、総じて堅調に推移いたしました。国内・アジア地域では、国内を中心とした一部の電子部品・半導体業界向けでは、レーザ加工機・検査装置向けの組込み用途の光学基本機器製品や光学素子・薄膜製品が好調に推移いたしました。又、バイオ業界向け及び通信業界向けの自動応用製品の需要は堅調に推移いたしました。米国地域では、バイオ業界向け、医療業界向けを中心に光学基本機器製品が堅調に推移し、欧州地域においても、大学・官公庁向け、産業分野向けともに光学素子・薄膜製品が堅調に推移いたしました。又、東南アジア地域は、新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に改善し、回復基調で推移いたしました。
その結果、セグメント間の内部売上高を含む売上高は97億2千万円(前年同期比7.8%増)となり、営業利益は20億2千4百万円(前年同期比4.3%増)となりました。
ロ.システム製品事業
当事業においては、エレクトロニクス分野を中心とした研究開発投資や設備投資の回復基調を背景に、総じて堅調に推移いたしました。フラットパネルディスプレイ業界向けでは、レーザ加工機・検査装置向けの組込み用途の光学ユニット製品が堅調に推移するとともに、一部の大口のお客様への観察・検査・加工用途向けの光学システム製品の納品が進み、大幅な増収となりました。又、電子部品・半導体業界向けのレーザ加工機・検査装置向けの組込み用途の光学ユニット製品は堅調に推移いたしました。又、医療業界向け及び防衛業界向けの光学システム製品の需要は横ばいで推移いたしました。
その結果、セグメント間の内部売上高を含む売上高は17億4千8百万円(前年同期比21.9%増)となり、営業利益は6千4百万円(前年同期比8.4%減)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて14.3%増加し、132億5千1百万円となりました。これは、現金及び預金が9億8千1百万円、商品及び製品が2億7千5百万円、有価証券が2億1千3百万円それぞれ増加し、受取手形が9千9百万円減少したこと等によるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて6.7%増加し、73億8千2百万円となりました。これは、当社の固定資産(土地、建物等)及び連結子会社の固定資産(機械装置等)を売却したことにより2億3千9百万円減少しましたが、当社の新工場棟建設に係る建設仮勘定が4億4千万円、リース資産が1億8千7百万円、繰延税金資産が7千万円それぞれ増加したこと等によるものです。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて11.5%増加し、206億3千4百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて20.1%増加し、30億4千2百万円となりました。これは、設備関係電子記録債務が2億8千3百万円、未払法人税等が1億2千4百万円、1年以内に支払期日を迎えるリース債務が1億1千2百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて24.7%増加し、12億5千9百万円となりました。これは、長期借入金が1億8千1百万円増加したこと等によるものです。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて21.4%増加し、43億1百万円となりました。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて9.1%増加し、163億3千2百万円となりました。
自己資本比率は、78.7%となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は43億3千万円となり、前連結会計年度末に比べ11億9千5百万円の増加となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は9億8千2百万円(前年同期比4.3%増)となりました。
これは税金等調整前当期純利益21億6千3百万円、資金流出を伴わない減価償却費の計上3億8千2百万円、売上債権の減少1億7千7百万円でそれぞれ増加し、法人税等の支払5億9千4百万円、棚卸資産の増加5億9千万円などでそれぞれ減少したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は1億8千2百万円(前年同期は7億8百万円の使用)となりました。
これは定期預金の預入による支出2億円、有形・無形固定資産の取得による支出4億6千1百万円による減少があったものの、当社及び連結子会社における有形固定資産の売却による収入8億3千4百万円、当社における保険積立金の解約による収入1億8百万円でそれぞれ増加したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1億1千2百万円(前年同期比78.8%減)となりました。
これは、長期借入金の借入による収入5億1千万円による増加があったものの、長期借入金の返済による支出2億8千8百万円、配当金の支払額2億8千2百万円などでそれぞれ減少したこと等によるものです。
④生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
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セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
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要素部品事業 |
10,064,988 |
110.8 |
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システム製品事業 |
1,743,944 |
128.0 |
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合計 |
11,808,932 |
113.0 |
(注)金額は販売価格によって表示しており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
ロ.受注実績
当社グループは需要予測に基づく見込生産をしておりますが、システム製品事業において受注生産を行っております。
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セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
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システム製品事業 |
1,688,878 |
86.1 |
897,878 |
93.8 |
ハ.販売実績
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セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
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要素部品事業 |
9,677,661 |
107.8 |
|
システム製品事業 |
1,689,871 |
122.6 |
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合計 |
11,367,532 |
109.8 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ10億1千3百万円増加し、113億6千7百万円となりました。要素部品事業においては、国内の大学・研究開発法人向け研究開発分野及び産業分野ともに、研究開発投資、設備投資に持ち直しの動きが見られ、需要は総じて堅調に推移いたしました。一部の電子部品・半導体業界向けのレーザ加工機・検査装置向けの組込み用途の光学基本機器製品や光学素子・薄膜製品がそれぞれ好調に推移し、バイオ業界向けの自動応用製品は堅調に推移いたしました。その結果、前連結会計年度に比べ7億1百万円増加いたしました。又、システム製品事業におきましては、エレクトロニクス分野を中心とした研究開発投資や設備投資に持ち直しの動きが見られ、堅調に推移いたしました。民間企業向け研究開発分野及び産業分野は、フラットパネルディスプレイ業界向けでは、レーザ加工機・検査装置向けの組込み用途の光学ユニット製品が堅調に推移するとともに、一部の大口のお客様への観察・検査・加工用途向けの光学システム製品の納品が進み、大幅な増収となりました。又、電子部品・半導体業界向けのレーザ加工機・検査装置向けの組込み用途の光学ユニット製品は堅調に推移いたしました。又、医療業界向け及び防衛業界向けの光学システム製品の需要は横ばいで推移いたしました。その結果、前連結会計年度に比べ3億1千3百万円増加いたしました。
売上原価は、前連結会計年度に比べ6億5千7百万円増加し、69億2千6百万円となりました。在庫の適正化や生産技術や生産性の向上等による生産コストの削減を推進して、売上原価の抑制に取り組みましたが、サプライチェーンの混乱に伴う部材調達費用が増加する中、売上高の増加に伴う材料費や外注加工費等の増加、需要増加への対応に伴う労働時間の増加や収益増加に伴う賞与支給額の増加による労務費の増加等により、売上原価率は前連結会計年度に比べ0.3ポイント増加した60.9%となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ2億8千9百万円増加し、29億3千6百万円となりました。これは、国内・海外の展示会や有力シンポジウムへの参加や対面型営業活動の再開等による販売促進費及び広告宣伝費の増加、収益増加に伴う賞与支給額の増加による労務費の増加等に対して、全社的な経費削減活動により売上高販売費及び一般管理費の抑制に取り組んだ結果、売上高販売費及び一般管理費比率は前連結会計年度に比べ0.2ポイント増加した25.8%となりました。
この結果、営業利益は前連結会計年度に比べ6千6百万円増加し、15億4百万円となり、売上高営業利益率は前連結会計年度に比べ0.7ポイント減少し13.2%となりました。
営業外損益は前連結会計年度に比べ9百万円増加し、1億8千5百万円となりました。
この結果、経常利益は前連結会計年度に比べ7千5百万円増加し、16億9千万円となり、売上高経常利益率は前連結会計年度に比べ0.7ポイント減少し14.9%となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ3億2千3百万円増加し、14億9千3百万円となりました。これは、当社が所有する固定資産(土地・建物)を信託受益権化したうえで売却したことによる特別利益が発生した結果、売上高当期純利益率は前連結会計年度に比べ1.8ポイント増加し、13.1%となりました。
ロ.財政状態の分析
財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
イ.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
ロ.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資金需要は、主に部材仕入、外注加工費、人件費及びその他の販売費及び一般管理費に係る資金、及び、生産設備の増強や更新等の設備投資、ソフトウエア投資等に係る資金であります。これらの資金については、主に自己資金によっておりますが、金融機関からの借入により調達しているものもあります。
金融機関からの資金調達については、安定的かつ低利を前提としながら、将来の金融情勢の変化等も勘案した調達を実施しております。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高43億3千万円に対し、有利子負債の残高は8億1千8百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
又、新型コロナウイルス感染症の影響による会計上の見積りへの影響は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
特記事項はありません。
当社グループのレーザ関連製品を用いた光学技術の研究開発は、大学、大学付属研究所、国公立研究所(各省庁研究所)、国立研究開発法人を含む独立行政法人、民間企業の研究所や開発部門で盛んに行われております。当社グループは、光学技術研究開発分野からの先端ニーズを反映した、研究開発には不可欠な光学基本機器製品、自動応用製品、光学素子・薄膜製品等のカタログ規格品及びその特注製品を要素部品として提供しております。
又、それらの研究開発分野で蓄積した総合技術力を駆使し、光学周辺機器の総合メーカとしてフラットパネルディスプレイ(FPD)・半導体等の産業分野に向けた計測、観察、加工用途向け製品や、通信分野関連の自動アライメントシステム、医療・ライフサイエンス・メディカルフォトニクス分野向け製品など幅広い種類の光学システム製品を提供しております。
当社グループの研究開発は、主に技術本部が担当しておりますが、より付加価値の高い製品を創出するために、営業部門や生産部門、更には協力会社との連携強化を進めております。
当連結会計年度における当社グループの事業セグメント別の研究開発費は、要素部品事業
(1) 要素部品事業
光学基本機器製品では、ミラーや光学部品などの簡易的な遠隔調整が行えるよう小型アクチュエータを組み込んだミラーマウントシリーズの拡充を行いました。昨年製品化した高安定ステンレスミラーマウントと、微小可動が行えるピエゾドライブモータアクチュエータを、高温度ドリフト・高温度シフト性能を維持するよう一体型として各素子サイズに合わせラインナップしました。研究開発など人による調整が不可能な光学系や、産業用途向け光学装置内部に導入可能な電動ミラーマウントを取り揃えることで、より多くのお客様が要求する環境に対して製品を選択可能となり、使用用途は拡大していくと予想しています。また、継続して光学実験のプラットホームであるオプティカルケージシステムの電動化シリーズも拡充しました。お客様のニーズに対応したコンパクトかつ自立型の光学系を電動化、遠隔制御することにより、研究開発分野だけではなく、産業応用、バイオ・医療関連やフラットパネルディスプレイ関連分野、航空・宇宙関連分野等への幅広い用途に使用できるため、販売拡大が見込まれます。
自動応用製品では、通信業界向け次世代通信モジュールのファイバーアライメントで必要とされる調芯装置関連の技術や各観察、計測ユニットなどの開発を行いました。昨年開発した1nm分解能を有するフィードバックステージシステムをアライメントに応用し、より高分解能・高精度の位置決め技術を構築することで、量子関連の研究用途や光学モジュールのデバイス生産などのより多くのお客様のニーズに対応することで幅広いアライメントシステムの販売に繋がると予想しています。また欧米の研究開発や産業用途で需要のある2相ステッピングモータを使用した自動ステージ及びコントローラの開発を行いました。廉価かつラインナップを拡充することにより、海外向けお客様への販売が拡大すると見込みます。
光学素子・薄膜製品では、継続して低散乱及び結晶等の研磨技術と、超高耐力・超高反射率など高度な薄膜技術の開発を行い、より安定した生産技術を構築しました。また研究機関と共同で、未来社会創造プロジェクトの一環として光格子時計に利用される光学モジュール、及び光学コンポーネントの開発と赤外線用光学素子の開発を実施し、汎用性のある一部の光学コンポーネントの製品化を推進しました。技術力の高度化により、国内外の大学・官公庁及び企業の最新研究部門への拡販を進め、売上増に貢献しました。
(2) システム製品事業
最新の研究開発分野で培った技術を基に、システム系ユニット製品・パーツの開発を継続して実施いたしました。各種光学装置で利用される複合レンズ製品のラインナップとして短波赤外線光学系の拡充、新規開発を行い、産業分野の観察・計測を中心に売上に寄与いたしました。ユニット製品においては新しいコンセプトの生物顕微鏡であるコアユニットシステムのラインナップ拡充と組合せシステムとして、ミクロからマクロも同時観察が可能な超広視野顕微鏡などの新しいトランススケールスコープを製品化し、バイオテクノロジー研究分野への拡販を進めております。またシステム・装置関連においては、社内生産及び検査技術の向上として光学素子の表面欠陥を自動検査するシステムを開発しました。協力会社と欠陥検出のAI化を共同開発し、人的作業の自動化はロボティクス技術を融合して社内設備の向上と光学素子製品の品質安定に貢献する見込みです。また構築した技術により汎用性を持たせた装置への展開も見込まれます。
更に昨年より開発を進めている新製品群となる医療機器関連装置のオキサモメータは測定性能のブラッシュアップを図り、また健康予防として他のバイタル測定ユニットの基礎開発を実施しました。製品ラインナップを拡充させることで疾患の早期発見に繋がり、社会問題解決の一助となることが期待されます。