第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1)経営方針

120年を超える歴史を刻む当社グループは、「共存同栄」と「有限の鉱業から無限の工業へ」を創業の精神として受け継ぎ、時代と産業構造の変化に対応しながら、新たな技術への挑戦と自己変革を重ねて業容を拡大してまいりました。今後ますます多様化・複雑化するニーズに応えながら、下記の当社グループのパーパス(存在意義)を全うすべく経営理念と経営方針に基づき、未来につながる、新たな価値を創出するための事業活動をグローバルに展開するとともに、ESG(環境・社会・コーポレートガバナンス)への取組みを一層充実し、持続的な成長と企業価値の向上を目指します。また、株主を始め顧客、取引先、従業員や地域社会等のあらゆるステークホルダー、更には地球環境との共生を実践し、これらに貢献する価値創出企業であり続けます。

 パーパス(存在意義)

  「創業以来の歴史の中で培ってきたモノづくりの技術を活かし、社会に必要とされている価値を、社会が求める安全で環境負荷の少ない方法で創り出し、人々に提供していくこと。これにより、人類共通の課題となった地球環境問題の解決に、また人々の生命・健康、そして未来へとつながる豊かな社会に貢献すること」

 経営理念

  「技術の探求と革新の心で、未来につながる価値を創出し、社会の発展に貢献します」

 経営方針

「倫理」     高い倫理観を保ち、法令及び社会規範を遵守します

「安全と安心」  地球環境保全に努め、安全・安心なものづくりを行います

「品質」     お客様と社会の信頼に応える品質をお届けします

「人」      個性と多様性を尊重し、健康で働きやすい職場をつくります

当社は、2022年4月に「UBE株式会社」という新社名の下、化学事業持株会社へと経営構造を転換し新たなスタートを切りました。今後は、スペシャリティ化学の企業グループとしてグローバルに持続的成長を図るとともに持続可能な社会への貢献に取り組み、機械事業やセメント関連事業については、持株会社としての経営を推進し、UBEグループとしての企業価値の最大化を図ります。

(2)経営戦略等

当社グループは、長期ビジョン「UBE Vision 2030 Transformation」で描いた目指す姿の実現に向け、直近3カ年のアクションプランとして中期経営計画「UBE Vision 2030 Transformation~1st Stage~」(対象期間:2022年度~2024年度)を策定し、以下の基本方針及び数値目標を掲げております。

◆長期ビジョン(2030年)の目指す姿

「地球環境と人々の健康、そして豊かな未来社会に貢献するスペシャリティ化学を中核とする企業グループ」

この目指す姿の実現に向け、「エネルギー負荷の低い」、「市況変動に左右されにくい」、「収益性の高い」スペシャリティ製品を主体とする事業構造への転換を進めてまいります。また、こうした事業構造改革と省エネ推進・プロセス改善等の施策により、温室効果ガス(GHG)排出量の削減目標の達成を目指すとともに、環境に貢献する製品や技術の開発と実用化を推進することで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

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◆中期経営計画の基本方針

(ⅰ) スペシャリティ化学を中心にグローバルな利益成長を追求

(ⅱ) 地球環境問題に対応した事業構造改革

(ⅲ) 持続的成長に向けた人的資本の充実

(iv) DX(デジタルトランスフォーメション)の推進による企業価値の向上と顧客価値の創出

(v) ガバナンスの更なる向上

 

(3)経営環境

当連結会計年度においては、世界経済はロシアによるウクライナ侵攻の長期化、新型コロナウイルス感染再拡大に伴う中国のロックダウン、半導体をはじめとした部品不足の長期化やサプライチェーンの混乱等、多くの不安定要因が発生し、当社事業においては、エネルギーコストや原材料価格の高騰、物価上昇等に伴う需要減退の影響を受けました。これら地政学的リスクの深刻化、エネルギーコストや原材料価格の高騰、物価上昇や金利上昇に伴う需要減退の懸念等から今後も先行きが見通しづらい状況が続くものと予測されます。

こうした状況に加え、地球温暖化、海洋プラスチック等の環境問題、自然災害の増加、インフラの老朽化、少子高齢化等、持続可能な社会創出のための諸課題への対応が企業活動に求められており、更には、DXによる競争優位性の変化、健康や安全・安心についての意識の更なる高まり等、経営環境の変化のスピードも一段と速まっております。

 

(4)優先的に対処すべき課題等

当社グループはこれらの経営環境を踏まえ、ナイロンポリマー・カプロラクタム及びセメント関連事業において需要低迷や原燃料価格上昇の影響を受けて最終損失となりましたが、スペシャリティ化と地球環境問題への取組みを強く意識した事業構造改革を着実に進めながら、業績の回復と収益基盤の強化を図るとともに、将来の更なる成長を推進してまいります。すべてのステークホルダーに価値を創出し続けていくために、中期経営計画における5つの基本方針の着実な実行を重要な課題として認識しております。

(ⅰ)スペシャリティ化学を中心にグローバルな利益成長を追求

技術力やバリューチェーンにおける強みをベースに付加価値を創出することで高収益を実現できるスペシャリティ事業に経営資源を重点的に投入し、一層の成長・拡大を図ります。需要拡大に対応したポリイミド、分離膜、コンポジット、ファインケミカル(C1ケミカル)、高機能コーティング等の能力増強や北米での生産拠点新設を進め、グローバルでの事業拡大と利益成長を目指してまいります。

他方、ベーシック事業については更なるコスト競争力の強化とともに、ナイロンポリマー、硫安、工業薬品、エラストマー等での高付加価値グレードの拡充並びに環境貢献型製品の開発や上市への取組みを推進し、安定的なキャッシュ・フローと着実な収益の上乗せを図ってまいります。

(ⅱ)地球環境問題に対応した事業構造改革

石炭を主要なエネルギー源として事業展開してきた当社グループは、エネルギー多消費型の事業構造を変革することが大きな課題であると認識しております。2021年4月に「UBEグループ 2050年カーボンニュートラルへの挑戦」を宣言し、自らの事業活動から排出されるGHGの実質排出量ゼロに挑戦するとともに、環境に貢献する製品・技術に関わる研究開発の推進とイノベーションの実用化により、社会全体のカーボンニュートラルへの貢献を目指すことといたしました。2030年度までの中期目標として、GHG排出削減率を50%(2013年度比)、環境貢献型製品・技術の連結売上高比率を60%以上にすることを目指しております。

こうした目標の達成に向け、中期経営計画期間においては生産活動における徹底した省エネ推進・プロセス改善に継続的に取り組むとともに、再生可能エネルギーを最大限活用し、GHG排出量の削減に努めてまいります。また、グローバルな最適生産体制構築のため国内ナイロンポリマーの海外へのシフトを進めるとともに、エネルギー負荷が高く中長期的に収益力の改善も見通しづらい国内カプロラクタムは、2024年度に主要期系の停止により減産する検討を深めてまいります。

(ⅲ)持続的成長に向けた人的資本の充実

ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン推進のため、特に日本国内では、女性が働きやすく働き甲斐がある制度と環境整備の推進、専門性の高いキャリア採用や外国人採用の拡充等を進めるとともに、グループ全体でワークエンゲージメントの向上に取り組んでまいります。

(ⅳ)DXの推進による企業価値の向上と顧客価値の創出

新たに設置したDX推進室が主体となり、デジタル人財の育成を推進し、デジタル技術を活用した業務効率化とともに、新たな顧客価値や新規事業の創出を加速いたします。

 

(ⅴ)ガバナンスの更なる向上

化学事業会社として、グループ・カバナンスのレベルアップに努めるとともに、機械事業やセメント関連事業については、持株会社としてのガバナンス体制の整備、運用を通して、UBEグループの企業価値の最大化に努めてまいります。

<事業ポートフォリオ>

長期ビジョンの目指す姿とともに、今後の市場の成長期待、UBEグループの有する強み、収益性等を踏まえて、化学分野の主要事業・製品の位置づけを明確にするとともに、経営資源投入の判断にも活用いたします。

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(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

中期経営計画「UBE Vision 2030 Transformation~1st Stage~」においては、最終年度となる2024年度の数値目標を次のとおり設定しております。

<主要項目>

 

2024年度目標

営業利益

400億円

(うちスペシャリティ事業 240億円)

経常利益

470億円

 

<経営指標>

 

2024年度目標

売上高営業利益率(ROS)

8%

自己資本利益率(ROE)

8%

 

<非財務指標>

 

2024年度目標(日本国内連結ベース)

女性社員比率

15%

女性管理職比率

6%

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは次のとおりですなお文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです

(1)サステナビリティ

①ガバナンス

当社グループのサステナビリティの推進とは、企業の経営そのものと捉えております。スペシャリティ化学を中核とする企業グループとしてのパーパスを全うするため、経営資源を効果的に活用し、社会に新たな価値を創出することで持続的成長を図ります。その礎となる持続可能な社会の実現に向けて、「UBEグループサステナビリティ基本指針」をグループ全ての役員・従業員に徹底させるとともに、「成長」「環境」「社会」「経営」それぞれのマテリアリティ(重要課題)を特定し、その解決に積極的に取り組んでおります。

サステナビリティ推進体制としては、サステナビリティの各専門委員会等で個別のサステナビリティ事項を検討し、全体として取締役会と経営会議にその取組みを報告し、指示を受けております。

 

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②リスク管理

当社では、当社グループのリスクを適切に管理しリスクが顕在化した場合の損害を最小限にするために、取締役会決議にて制定した「内部統制システム構築の基本方針」に基づき、リスク管理規程を定め当社グループ全社を対象にしたリスクマネジメント制度を実施しております。本制度では、当社グループのリスクマネジメントに関する業務を統括・推進するために取締役、執行役員の中から社長が指名するチーフ・リスク・オフィサー(以下CROという)を選任し、CROを補佐しリスクマネジメントの事務局となるリスク管理部を設置しております。

当社グループ全体に影響をおよぼす重要なリスクについては、リスク管理委員会に報告、審議した後、経営会議に付議し、リスクの認定と管理方針や対策の有効性等を審議いたします。また、取締役会は、その審議内容について、定期的に報告を受けることでモニタリングを行っております。この重要(重大)なリスクに関しては、リスクごとに「リスクテーマ役員」を定め、当該役員が全社俯瞰的な観点から当該リスクやその対策の有効性を評価し、対策の実施部署に対して次年度のリスク対策等を指示・指導を行う体制を整備しております。

経営に対する影響度の特に大きい重要なリスクについては、成長・環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)の4項目に分類しております。GHG排出量の多い企業として、最も重要なリスクは「環境」であるとの認識のもと、GHG排出量削減への能動的な取組みと環境貢献型製品・技術を一層拡大することで、環境リスクを低減させるだけでなく、リスクを機会に転じさせることを目指しております。地球環境問題等の当社グループが抱える諸リスク、社会の持続的な発展に向けたグローバルなコンセンサス、環境負荷低減に貢献する当社グループの技術力等を総合的に勘案し、当社グループの持続的な成長に重要な影響を与えるマテリアリティを特定し、取締役会へ報告しております。

 

(2)気候変動への取組みとTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への対応

当社グループにとってカーボンニュートラルや地球環境問題は大きな課題であり、中期経営計画「UBE Vision 2030 Transformation~1st Stage~」においても、化学事業の成長戦略と地球環境問題への取組みについては、一体のものとして捉え、当社グループの持続的な成長及び企業価値向上にとっての最重要課題であると認識しております。

この地球環境問題の課題解決をチャンスと捉え、スペシャリティ化学を中核とする企業グループを目指しグローバルに持続的成長を図ってまいります。

①ガバナンス

当社グループでは、地球環境問題に関する課題の把握や対策を講じる地球環境問題対策委員会を設置しております。代表取締役社長が議長を務める経営会議は、地球環境問題対策委員会から審議内容の報告を受け、検討後、適宜指示を行い、継続的に対策の進捗状況を確認しております。また、重要事項については年1回、取締役会に上申・報告をしております。

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②戦略

気候変動対応による低炭素・脱炭素社会への移行を前提に2030年以降の考えられる姿(シナリオ)を複数検討し、それぞれのシナリオに沿って当社グループのリスク及び機会(チャンス)を分析し、必要とされる戦略を策定しております。

移行シナリオとして2℃シナリオと4℃シナリオの2つ、物理シナリオを検討・作成しました。それぞれのシナリオにおけるUBEのリスク及び機会を分析しております。その結果、それぞれのシナリオにおいて、顕在化が想定されるリスクによる影響は免れられないものの、同時に顕在化が想定される機会を取り込むことによって、持続的な企業価値の向上が可能であることを確認しました。

 

シナリオ分析の検討ステップ

・各事業がどのようになるか、自家発電の操業予測を含めてシナリオごとに検討

・各シナリオの結果を基に当社グループとしての将来を分析

・2050年を見据えた、2030年のレジリエンス(強靭化)を有する長期的な戦略を作成

 

上記のシナリオ分析の結果、2030年近傍の財務影響度、影響の可能性が大きいものについてまとめたものが次のとおりです。

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③リスク管理

当社グループでは、気候変動対応を、リスク情報の一元管理や対策の実施状況等のモニタリングで活用しているリスク管理システムに登録し、管理しております。リスク管理システムに登録されたリスクは、それぞれの影響度に応じて重要(重大)リスク、ミドルリスク、マイナーリスクに分類され、経営における重要(重大)なリスクは、経営会議で審議され、具体的な戦略・施策へ反映されます。

気候変動対応は、地球環境問題として経営会議で審議され、取締役会に定期的に報告されます。それらの過程で、当社グループ全体としての気候変動に関するリスクとして識別・特定され、特定された気候変動関連のリスクについては、環境安全部担当役員を委員長とした全社的横断組織となる地球環境問題対策委員会にて、対策及び取組み方針等が立案・実施されます。

 

④指標及び目標

当社グループは、地球環境問題への取組みに関する2030年度の目標を見直し、下記のとおり新たな目標を策定しました。

 

   温室効果ガス(GHG)排出量:50%削減(2013年度比)

     集計範囲:連結グループ主要事業所等のScope1&2

   環境貢献型製品・技術の連結売上高比率:60%以上

 

当社グループは、2030年目途に国内のアンモニア生産を停止することを検討するとともに、スペシャリティ化学へ事業転換を図ることによって、上記のGHG排出量削減目標を達成できる見込みです。

なお、2022年度のGHG排出量は、省エネ活動等の取組みにより382万トンとなりました。これはUBE三菱セメント㈱へ移管されたセメント関連事業を除いて集計したものであり、同範囲で集計した2013年度と比較して19%のGHG排出量削減となっております。また、2022年度の環境貢献型製品・技術の連結売上高比率は、46%となりました。

 

⑤カーボンニュートラルに向けたロードマップ

当社グループは2021年4月26日に、「UBEグループ 2050年カーボンニュートラルへの挑戦」を宣言しました。自らの事業活動から排出されるGHGの実質排出ゼロに挑戦するとともに、環境に貢献する製品・技術に関わる研究開発のイノベーションの実用化により、社会全体のカーボンニュートラルに貢献していくことを目指します。

(一)GHG排出量の削減

生産活動における徹底した省エネ推進・プロセス改善に継続的に取り組むとともに、再生可能エネルギーの利用の最大化や化石資源利用の極小化等を推進します。

更に2050年のカーボンニュートラル達成には革新的な技術開発が不可欠であることから、中長期的な視野で、他社等との協業を含めた原料の非化石化やCO2利活用技術の研究開発・実用化にも取り組みます。

 

(二)環境貢献型製品・技術

環境貢献型製品・技術の開発を推進し、より多くのお客様に提供することで、当社グループ及び社会全体のカーボンニュートラルへの貢献を目指します。当社グループでは、ISO14001:2015改訂版をもとにガイドラインを策定し、環境貢献型製品・技術を定義しております。

 

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(3)人的資本

当社グループは、「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン」を2030年のあるべき姿の実現に向けた最重要課題と位置づけ、多様な技術・知識・視点を融合させてイノベーションを生み出し、グローバルな事業拡大と新たな価値を創出する原動力とするとともに、グループ全体でワークエンゲージメントの向上に取り組んでおります。

①戦略

(一)人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針

当社は、スペシャリティ化学を中核とする事業構造への転換を図っております。従来の企業風土から脱却し変革を進めるためには、多様な技術・知識・視点を融合させてイノベーションを生み出すことが不可欠と認識し、女性活躍推進をはじめ、専門性の高い人財のキャリア採用、シニア社員制度改定による働き甲斐の向上、障がい者の職域拡大等の施策を推進しております。

(二)社内環境整備に関する方針

当社は、エクイティを重視し、多様な人財一人ひとりが活躍できるよう、アンケートや対話、面談の機会の充実でニーズの把握に努め、多様な支援制度の拡充を進めております。更に、多様な社員が能力を存分に発揮して活躍するためには、管理職の「インクルーシブ・リーダーシップ」の向上が重要であると考え、キャリア面談のスキル向上、両立支援施策の理解促進、心理的安全性確保に関する教育を実施しております。

 

②指標及び目標

スペシャリティ化学への変革推進に向け、経営戦略と連動した人財戦略を定め、着実に実行してまいります。

重点施策として、以下の4つを推進しております。

 

重点施策(2024年度目標)

進捗状況(2022年度実績)

人人材材のの育多成様に性関のす確る保方を針含む

1.女性の活躍推進

 女性社員比率  15%

 女性管理職比率  6%

1.女性の活躍推進

 女性社員比率  2021年度 14.4% ⇒ 2022年度 15.0%

 女性管理職比率 2021年度  3.3% ⇒ 2022年度  4.1%

2.キャリア採用、外国人採用

 キャリア採用比率(総合職)25%以上 ※

 外国人採用      (総合職) 5%以上 ※

2.キャリア採用、外国人採用

 キャリア採用比率(総合職)

  2022年度 37.3%(国内連結)、40.0%(UBE単独)

 外国人採用   (総合職)

  2023年度新卒 2名(国内連結)、2名(UBE単独)

3.専門職制度、専門性の高いキャリア採用、シニア社員向け施策の充実

3.事業戦略に即した専門性の高い即戦力人財のタイムリーな採用実施、アンケート・意見交換会に基づきシニア社員制度改定

に社関内す環る境方整針備

4.働きやすく働き甲斐のある職場づくりと従業員満足度の向上

4.健康経営 グループ1社ブライト500認定、7社優良法人認定

※中期経営計画策定時の指標から、一部見直しを行いました。

 キャリア採用比率(総合職)25%以上 ⇒ 50%以上

  スペシャリティ化学への変革推進に向け、専門性の高い即戦力人財の採用増

 外国人採用      (総合職)5%以上 ⇒ 複数名

  ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン推進による風土改革並びにグローバルな事業拡大に向け採用増

 

推進している具体的な取組みの概要は、以下のとおりです。

(一)人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する取組み

(a)女性の活躍推進

当社グループは、女性活躍を最重要課題の一つと捉え、女性管理職比率、女性社員比率の目標を設定して加速度的に取り組んでおります。当社においては、女性のライン長を増やして意思決定への関与を推進するとともに、採用面接や昇格面接において女性社員の参画を促進し多様な視点の反映に努めております。また、無償ケア労働の女性への偏りが活躍の阻害要因であると認識し、アンコンシャス・バイアスe-ラーニングを実施し、性別や属性に関わらず総労働時間短縮や両立支援制度拡充を進めるともに、男性の育児休職の取得を積極的に促進しております。

更に、社会的な課題である女性のSTEM(科学・技術・工学・数学)人財増加のため、教育機関や近隣企業と連携して育成に取り組んでおります。

(b)専門性の高い人財の採用

当社グループでは、人々の生命と健康、そして豊かな未来社会に貢献するスペシャリティ化学の会社を実現するために、多様な個性を持つ人財の採用に取り組んでおります。計画的に新卒採用及びキャリア採用を実施し、外国人採用も積極的に進めております。

とりわけ、経営戦略として掲げるスペシャリティ化学の強化実現に向け、事業戦略に即した専門性の高い即戦力人財をタイムリーに獲得すべくキャリア採用を強化しております。

(c)キャリア開発支援

当社では、「キャリア開発シート」を年に1回作成し、上司との面談を通じて社員一人ひとりが自律的にキャリアプランを考える風土を醸成しております。また、「キャリア相談室」を設置し、キャリア相談員との面談を通じて仕事やキャリアにおける課題の解決を支援する仕組みづくりを行っております。更に、社内公募を定期的に実施することで、業務の垣根を超えた新たな成長の場を提供しております。

今後も、一人ひとりの個性や志向を尊重しながら、社員が自らキャリアを描きその実現に向け成長できる環境を提供し、個人の能力や創造性を活かした組織パフォーマンスの向上につなげてまいります。

 

(二)社内環境整備に関する取組み

(a)従業員との対話

当社は、重要なステークホルダーである従業員と経営層の対話を積極的に行っております。各種アンケートを通じてエクイティ実現のためのニーズを把握し、フィードバックを行うとともに、スピード感を持って施策に反映しております。また、経営層と社員が直接対話をしてUBEのありたい姿について直接意見を交わし、共感の深化を進めております。2022年度は、女性社員と社長の車座ミーティング、女性社員と人事担当役員・人事部長との意見交換会やキャリア支援面談、シニア社員と人事担当役員・人事部長との意見交換会を実施し、障がいのある社員の働き甲斐を高めるため社長との交流も図りました。抽出された人財戦略面の課題は、取締役会、経営会議、役員経営研究会で議論するとともに、労使協議会で共有し労使で連携した取組みにつなげております。

(b)健康経営の推進

当社グループは、中長期的企業価値の向上を目指し、疾病管理のみならず健康増進へと健康投資を実施し、健康経営の浸透と定着を図っております。当社では、自律的な健康管理と安心安全な職場環境整備のため、健康管理アプリの導入、ヘルスリテラシー向上のためe-ラーニング、3分健康アドバイスの発信、「健康経営宣言」「健康経営スローガン」募集による労使一体活動等を実施しております。また、全管理職に対し、健康経営浸透のための情報提供を実施しております。

2022年度、グループ会社において㈱福島製作所がブライト500、他の7社が優良法人に認定されました。

(c)人権の尊重

当社グループは、「人権の尊重」を企業活動の基本に据えております。国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に準拠して「UBEグループ人権指針」を定め、企業としての社会的責任を果たします。

当社グループ全体での人権教育推進体制を整え、継続的に人権教育を実施し、社員全員が人権について正しい理解と認識を持ち、あらゆる事業活動において一人ひとりが尊重されるよう取り組んでおります。2022年度は人権週間に合わせて当社国内グループ全体でe-ラーニングを実施し、「ビジネスと人権」「人権デューディリジェンスとUBEの取組み」について学びました。

 

また、人権デューディリジェンスの取組みとして、企業活動による人権に対する負の影響を特定し、それを防止、軽減する活動を進めております。行動計画に基づいて2024年までにPDCAを実施し、2025年以降はそのサイクルを回して継続的に取り組んでまいります。

 

これまでの取組みにより、働きやすい環境は整いつつあります。今後は、「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン」を推進しながらも働き甲斐とワークエンゲージメントの向上を重視した取組みを行ってまいります。

3【事業等のリスク】

当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を下記のとおり記載いたします。

これらの事項は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を与える可能性がありますが、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、リスクの回避・分散及び発生した場合の対応、リスクの移転、危機管理対策等に最大限努力する方針です。

下記事項には、将来に関するものが含まれますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであり、また、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。

(1)各事業の経営成績に影響を与える変動要因

当社グループは、化学、機械の事業分野で様々な製品を製造・販売しており、各事業分野において想定されるリスクは以下のとおりです。

①化学事業

ベーシック事業については、同業他社の生産能力増強により当該製品の供給が大幅に増加した場合やベンゼン、ブタジエン等の主原料価格が国際的な需給バランスや原油等のエネルギー価格の変動により急激に変動した場合には、製品と主原料の価格差(スプレッド)が著しく縮小することで業績に悪影響を与える可能性があります。また、原料の一部については特定の地域や供給元に依存しているため、供給元の事故等により必要な原料を確保できない場合があります。スペシャリティ事業については、情報技術やデジタル家電関連等の世代交代が早く、顧客要求にタイムリーに応じられないことによる販売量の減少や競争激化に伴う価格低下によって業績に悪影響を与える可能性があります。

以上のようなリスクに対して、(一)原料市況動向の注視と価格高騰時の製品価格への迅速な転嫁による適正スプレッドの確保、(二)工場におけるコストダウン、(三)経営資源の重点投入によるスペシャリティ事業の成長加速等、収益基盤の強化に積極的に取り組んでおります。

②機械事業

機械事業の主力製品は、ダイカストマシン、射出成形機、運搬機、除塵機、化学機器、粉砕機等であり、世界の自動車販売台数の低迷や公共事業の減少、原燃料価格高騰による電力会社をはじめとした各社の経営業況悪化等に加え、脱炭素社会に向けた発電所・工場の統廃合等に伴い自動車メーカーや大手素材メーカー、電力会社等が設備投資や補修予算を控えた場合には、受注や出荷、サービス提供の減少といった影響を受ける可能性があります。また、グローバル化する市場においては、各国の景気の減速、貿易摩擦、競合メーカーの台頭等で販売が減少する可能性があります。

以上のようなリスクに対して(一)他社製品含めたアフターサービス事業の拡充による収益拡大・安定化、(二)コストダウンの強化、(三)カーボンニュートラル・DXやリサイクル事業等の成長市場における顧客ニーズへの対応力強化等、収益基盤強化に積極的に取り組んでおります。

(2)地球環境問題

気候変動問題については、当社グループはこれまで石炭を有効活用しつつ事業の拡大を図ってきましたが、炭素税や規制等が強化された場合、税負担等が増加することでコストが増加する可能性があります。また、環境意識の高まりが脱炭素社会への移行を早め、ステークホルダーから気候変動問題への対応が遅れている企業と評価されることにより製品の販売が低迷する等、企業価値に悪影響を与える可能性があります。更に、地球環境の変化により自然災害が激甚化・高頻度化する場合、製造拠点の設備被害、物流網の遮断、原材料等の入手困難等により生産活動に悪影響を与える可能性があります。

また、サーキュラーエコノミーやネイチャーポジティブ等の地球環境に関する関心の高まりを背景に、顧客等から当社グループ製品に対する要求が変化する可能性があり、この問題への対応が遅れることにより、製品の販売が低迷する等、企業価値に悪影響を与えることが予測されます。

以上のようなリスクに対して当社グループは、これらの地球環境問題を経営の最重点課題と設定し、エネルギー効率の向上やカーボンニュートラルなバイオマス燃料への置き換え等によりGHGの発生・排出の削減に注力するとともに、当社グループの強みを生かした環境負荷低減に資する製品・技術の開発と普及を推し進めることにより、脱炭素社会への貢献に努めております。また、廃プラスチックのリサイクルはもとより、これまで回収の難しかった複合プラスチックのリサイクル技術の開発等、資源循環につながる取組みについても積極的に行っております。

 

(3)製品品質・製造物責任

当社グループの製品は、自動車部品やデジタル家電、医薬品、家庭用品等の身近なものから、社会インフラの整備まで多くの分野で使用されます。そのため、品質に瑕疵のある製品が出荷された場合、その波及範囲は広範囲にわたり、安全上や健康上他の問題に至らない場合であっても、当該製品の回収や顧客への損害賠償等、多額の費用が発生し、更に、社会的な信用失墜により事業活動が低迷する可能性があります。

以上のようなリスクに対して当社グループは、工程管理を確実に行うための設備の維持や適切な測定機器の設置、作業マニュアルの整備、従業員の教育等に努め、万一の不良品発生及び流出を防止できる体制を構築するとともに、国内外を対象とした生産物賠償責任保険に加入しております。更に、当社グループでは、過去に判明した品質検査上の不適切事案の対策としてガバナンスの強化、全従業員に対する継続的な教育の実施等、再発防止に努めております。

(4)大規模事故(爆発・火災・漏洩事故)

当社グループの製造事業所、特に化学製品の製造工場では、多種、大量の高圧ガスや危険物等の原材料、電気、スチーム等のエネルギーを使用しており、設備故障、人為的ミス、自然災害により大規模な爆発・火災・漏洩が発生する可能性があります。その場合には、従業員・地域住民等の生命・身体・財産並びに環境へ重大な影響を与えることとなり、事故対応や復旧の費用、生産活動の停止による機会損失及び顧客・地域住民に対する補償が生じることで、業績に深刻な影響を与える可能性があります。

以上のようなリスクに対して当社グループは、「安全はすべてに優先する」を環境安全共通の価値観として、関連法令の遵守の徹底、設備の定期点検及び適切な維持補修、教育・経験を積んだ従業員の確保、管理マニュアルの整備、HAZOP(Hazard and Operability Study)等リスクアセスメントの実施、防災訓練の定期実施、環境安全監査等により、爆発・火災・漏洩等の事故の予防に取り組んでおります。

(5)研究開発

当社グループは、需要家のニーズに合わせた新技術・新製品をタイムリーに上市するために、あるいは次世代の事業の創出のために探索研究を含む研究開発に取り組んでおります。研究開発は長期間にわたることもあり、研究開発テーマが計画どおり進まず、新製品の開発が著しく遅延することや開発を断念した場合、あるいは医薬事業においては新薬の承認見送りや承認取り消しがなされた場合には、事業における競争力が低下し業績に悪影響を与える可能性があります。

以上のようなリスクに対して当社グループは、将来の市場ニーズを見据えた事業ポートフォリオに基づいて重点的に経営資源を投入し研究開発成果の早期実現と精度の向上を図ることにより、スペシャリティ事業の伸長に取り組んでおります。

(6)自然災害

当社グループは、国内外に製造拠点及び営業拠点を有しており、これらの施設が、想定を超えた大規模な地震、台風、集中豪雨、津波等の自然災害により甚大な被害を受け、製造拠点における生産停止や営業拠点の活動休止等が発生する可能性があります。その場合には、建物・製造設備の復旧、棚卸資産の廃棄、設備の再稼働や原料調達・製品出荷の遅延等により、多額の費用及び機会損失が発生し業績に悪影響を与える可能性があります。

以上のようなリスクに対して当社グループは、危機対応委員会及び自然災害対策委員会を設置し、災害発生時の対応マニュアル等の整備、建物・製造設備の計画的な改修・強化、定期的な防災訓練、教育、リスクマネジメント制度を活用した個別リスクの抽出と対策等を実施しております。また、早期に事業復旧を図る仕組みとして、自然災害発生時における事業継続計画(BCP)を策定し、定期的な見直しと訓練を行っております。

(7)パンデミック

現在、新型コロナウイルスの感染者数は減少傾向にありますが、このような新たな感染症の蔓延は、将来においても発生し、製造拠点における生産停止や営業拠点の活動休止等が発生する可能性があります。その場合には、設備の再稼働や原料調達・製品出荷の遅延等によって多額の費用や機会損失が発生する可能性があります。

以上のようなリスクに対して当社グループは、危機対応委員会を設置し、対応マニュアルの整備と各部署・事業所・グループ会社による「新型感染症対応BCP」を定期的に見直し、感染予防策の徹底や感染者発生時の対応及び業務継続の手段や対応方針を定めて、状況に応じた機動的な対応を図っております。また、危機対応委員会では、国内外におけるパンデミックの状況や政府・自治体の対応・方針、当社グループにおける感染者発生状況等をタイムリーに情報収集し、適宜、従業員の感染防止のための行動・対応指針を発出する等、事業活動への影響を最小限とする対応を実施しております。

(8)情報セキュリティ

当社グループは、各種業務システムやプラント制御システムを利用しており、年々高度化しているサイバー攻撃や不測の事態によるシステム停止、重要情報の漏えいや破壊等の被害が発生した場合、生産活動の停止、損害賠償や信用の失墜により、業績に悪影響を与える可能性があります。

以上のようなリスクに対して当社グループは、情報セキュリティ委員会を設置し、関連規程の整備と周知、不正侵入探知・防御等の技術的な対策、IT-BCPの整備・訓練、当社グループの全役員・社員に対するセキュリティ教育と訓練等を実施するとともに、CSIRT(Computer Security Incident Response Team)を設置する等のセキュリティインシデント発生時の被害を最小化するための体制を構築しております。また、これら対策状況を定期的に評価、改善を行いリスクの低減に努めております。

(9)法令・規制

当社グループは、国内外に製造拠点や営業拠点を有し、様々な国々・地域に製品を供給していることから、各国・地域における製造・営業活動に関わる法令・規制を遵守する必要があり、これらが改定された場合には、製造設備等の改修や変更、労働環境の整備等で費用が発生する可能性があります。また、法令・規制に違反した場合には、多額の罰金・制裁金・賠償金、従業員の収監等を受けるだけでなく、事業活動の制約や社会的信用に悪影響を与える可能性があります。

以上のようなリスクに対して当社グループは、事業活動に関わる国内の主な法規制をリスト化し、当該法令等の主幹部署と関連する部署において法規制の改廃の情報を漏れなく共有する体制を整備するとともに、リスクマネジメント制度において法規制に関わるリスクを洗い出し、各々のリスクに対する対策を実施しております。また、当社グループの全役員・社員を対象にしたe-ラーニング・研修の定期実施等によって法規制の遵守とそれを堅持する企業風土を醸成しております。

(10)人的資本・人権

当社グループは、競争の激しい市場において、製品やサービスの提供を継続し企業価値の向上のため、新規性のある製品や市場の創出、付加価値の高いビジネスモデルの構築等が不可欠であり、多様な技術・知識・視点を融合させてイノベーションを生み出せる高い専門性を持つ人財を獲得する必要があります。また、従業員にはOJTや教育訓練の面から、経験豊富な人財並びに業務やプラント運転操作等のノウハウを持った人財の確保も重要になります。こうした優秀な人財の獲得が困難となる場合や、重要な人財の社外流出が生じた場合には、企業活動に悪影響を与える可能性があります。

以上のようなリスクに対して当社グループは、経営方針に「個性と多様性の尊重と働きやすい職場環境の整備」を掲げ、「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン」を推進しております。女性活躍推進をはじめ、シニア人材の活躍支援や障がい者雇用に取り組み、働きがいのある職場を提供するとともに、賃金を含む待遇改善や、多様な人財一人ひとりが活躍できる柔軟な働き方の整備、労働時間の短縮を推進しております。

一方、当社グループやサプライチェーンにおいては、国際的な「ビジネスと人権」に関する意識の高まりを背景に人権に関する高度な対応が求められており、適切な対応が講じられていない場合、企業価値に悪影響を及ぼす可能性があります。

このようなリスクに対して当社グループは、UBEグループ人権指針のもとに取引先とともにサプライチェーン全体の人権尊重に取り組んでおり、人権デューデリジェンスの体制整備を推進しております。また、社内の人権教育体制を整え、人権教育を実施し、当社グループの全役員・社員が人権について正しい理解と認識を持ち行動できるよう取り組んでおります。

(11)金融市場

当社グループは、金融機関からの借入や社債の発行等による資金調達を行っております。主要金融市場において著しい混乱が発生する場合、あるいは当社に対する信用格付が大幅に引き下げられる等の信用力が著しく低下した場合には、好ましい条件で資金調達ができず、成長投資等のために必要な資金を十分に確保できない可能性があります。

以上のようなリスクに対して当社グループは、キャッシュ・フローを重視した経営を行い健全な財務体質を確保・維持するとともに、現預金、コミットメントライン等において十分な流動性を確保しながら、返済(償還)期限の分散、調達手段の多様化を図ることで、資金調達環境変動の影響を低減するよう取り組んでおります。また、当社グループは、外貨建てによる原材料等の輸入や製品等の輸出に伴い、外国為替相場の変動による影響を受ける可能性がありますが、債権債務を概ね均衡させるとともに、適宜為替予約等を実施することで、その影響の低減に取り組んでおります。

 

(12)海外事業展開

当社グループは、化学製品並びに機械製品については、海外に生産、開発、サービス拠点を有しており、アジア、北中南米、欧州等にて主に事業活動を展開しております。2022年度の海外売上高は、連結売上高の約52%を占めております。これらの事業活動には、海外の政治・経済情勢の悪化、戦争・紛争・テロ等に伴う社会的混乱、進出先の外資に対する規制強化、経済・通商政策の変更、環境関連の規制強化、労働争議の発生等のリスクを内在しており、これらが顕在化した場合は業績に悪影響を与える可能性があります。

以上のようなリスクに対して当社グループは、海外事業展開における緊急事態に速やかに対処するため、情報の集約や緊急時の対応等のマニュアルを整備し、専門コンサルタントを有効活用するとともに、危機対応委員会が主体となり、必要な情報の収集及び現地の各拠点との適時・適切な情報共有を行える体制を整えております。更に、有事の際には対策本部を設置し、従業員の安全を最優先事項として迅速・的確な対応を図ってまいります。

(13)知的財産権

当社グループは、知的財産権が重要な資産であることを認識し、事業競争力の強化を図っておりますが、当社グループの重要な技術やノウハウが予期せぬ事態により外部に流出する可能性や当社グループの知的財産権が侵害される可能性があります。他方、将来的に他社との間で知的財産を巡って紛争が生じた際に当社グループに不利な判断がなされる可能性があります。このような場合には、事業における競争力が低下し業績に悪影響を与える可能性があります。

以上のようなリスクに対して当社グループは、国内外において知的財産権の取得・管理、更に、技術ノウハウ等の適正な情報管理等により知的財産の保護を図るとともに、第三者が保有する知的財産権についてもその権利を尊重し、特許クリアランスの確保に万全を期しております。

(14)買収・資本提携

当社グループは、事業拡大、技術獲得、又は競争力強化等を目的として、国内外において企業買収・資本提携等を実施しております。このような買収や資本提携等においては、当初の期待を下回るシナジー効果、コスト改善の失敗、想定外の瑕疵の発覚や債務の拡大、出資先企業の経営成績や財政状態の悪化による企業価値の低下等によって業績に悪影響を与える可能性があります。

以上のようなリスクに対して当社グループは、事前段階の適切な市場調査やデューデリジェンス、慎重な事業評価と契約交渉、十分な社内審議等のプロセスを経ることで、リスクを極力低減させることに努めております。

(15)訴訟

当社グループは、国内外で行う広範な事業活動の中で訴訟、その他の法的手続に関わる場合があります。将来の帰趨を予測することは困難ですが、訴訟等において不利益な決定や判決がなされる場合には、業績に悪影響を与える可能性があります。なお、現在係争中の主な訴訟事件は次のとおりです。

2008年5月以降、建設作業等従事者及びその遺族らが国及びウベボード㈱(当社連結子会社)を含む建材メーカー40社余に対して、建設現場で使用されていた石綿含有建材の石綿粉じんを吸引して石綿関連疾患に罹患したとして、連帯して損害を賠償するように求めて訴えを順次提起していますが、これまでの判決において、ウベボード㈱に対する請求はいずれも棄却されました。現在、全国の裁判所に17件の訴訟が係属中で、その請求額は最大で85億円です。

以上のような訴訟リスクに対しては、業務に関連する法令情報の収集や法令遵守に関する研修等を継続的に実施し、紛争発生を予防するとともに、訴訟の発生後も弁護士等と適切に連携を取りながら訴訟活動を行うことによって、会社業績への影響の低減等に努めております。

(注)上記の請求額は、ウベボード㈱を被告とする訴えの請求額を合計したもので、国及び他の建材メーカーと連帯して請求を受けているものです。

(16)サプライチェーン

当社グループは、国内外から種々の原燃料、資材等を調達し、また、国内外に製品を出荷しております。調達においては、関連企業の倒産、戦争・紛争・テロ、パンデミック、自然災害、地球環境問題、人権問題等により原燃料価格の上昇、調達ルートの寸断等が発生し、また、物流においてはドライバー不足や燃料費の高騰によりコストの上昇や寸断が発生し、ともに当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

以上のようなリスクに対して当社グループでは、原燃料、資材価格の上昇に対しては、製品価格への迅速な転嫁や製造コストの削減を実施し、調達ルートの寸断に対しては、原燃料の調達先及び生産拠点の分散、適正な在庫量の確保等、リスクが顕在化した場合に被害を最小化するよう努めております。また、物流のコスト上昇や寸断に対しては、国内においてはモーダルシフトの拡充、海外においては複数輸送手段の確保等、安定した物流の確保に努めております。

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前連結会計年度との比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。

 ①経営成績の状況

当社グループは、当連結会計年度からスタートした3カ年の中期経営計画「UBE Vision 2030 Transformation ~1st Stage~」において、「スペシャリティ化学を中心としてグローバルに利益成長を追求」「地球環境問題に対応した事業構造改革」「持続的成長に向けた人的資本の充実」「DXの推進による企業価値の向上と顧客価値の創出」「ガバナンスの更なる向上」を基本方針とし、事業構造改革と成長の実現に向けた取組みを推進してまいりました。

当連結会計年度においては、ウクライナ情勢に伴う原燃料価格高騰に対して各製品の販売価格是正を進め、また機能品セグメントにおいて販売が堅調に推移しましたが、セメント関連事業を持分法適用関連会社(UBE三菱セメント㈱)に移管した影響が大きく、売上高は前連結会計年度を下回りました。営業利益は、樹脂・化成品セグメントにおける原燃料価格高騰及び需要減退による販売数量減少に加え、アンモニア工場で隔年の定期修理を実施した影響が大きく、前連結会計年度を下回りました。経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益は、営業利益の減少に加え、セメント関連事業が石炭価格高騰の影響を受け持分法投資損益が大きく悪化したことから、前連結会計年度を下回り損失となりました。

この結果、当社グループの売上高は前連結会計年度に比べ1,605億2千7百万円減の4,947億3千8百万円、営業利益は277億4千8百万円減の162億9千万円、経常損失は86億8千9百万円、親会社株主に帰属する当期純損失は70億6百万円となりました。

項   目

売上高

営業利益

経常利益

又は経常損失(△)

親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純

損失(△)

当連結会計年度

494,738百万円

16,290百万円

△8,689百万円

△7,006百万円

前連結会計年度

655,265百万円

44,038百万円

41,549百万円

24,500百万円

増   減

△160,527百万円

△27,748百万円

△50,238百万円

△31,506百万円

増 減 率

△24.5%

△63.0%

 

 ②生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

機能品

61,302

2.2

樹脂・化成品

289,175

14.1

機械

92,391

△2.9

その他

28,145

256.2

合計

471,013

△11.4

 (注)1.金額は平均販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去前の数値によっております。

2.前年同期比の算出に当たって、セメント関連事業の前連結会計年度における生産実績(114,971百万円)は各セグメントの生産実績に含めておらず、合計にのみ含めております。

 

b.受注実績

 当連結会計年度における機械の受注実績を示すと、次のとおりです。

 なお、機械を除くセグメントの製品については、受注生産は行っておりません。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

機械

74,328

2.8

52,229

0.3

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

機能品

62,158

2.3

樹脂・化成品

293,388

12.8

機械

96,921

△0.1

その他

73,110

34.8

消去

△30,839

合計

494,738

△24.5

 (注)セグメント間の取引については相殺消去前の数値によっております。

 

 ③財政状態

総資産

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ、セメント関連事業を持分法適用関連会社に移管した影響等により、1,063億1千8百万円(△12.7%)減少し、7,316億3千6百万円となりました。

流動資産は、現金及び預金、売掛金等の売上債権が減少したこと等により1,116億7千3百万円(△28.3%)減少し、2,830億1千6百万円となりました。

固定資産は、有形固定資産等が減少した一方で、投資有価証券が増加したこと等により53億3千9百万円(1.2%)増加し、4,484億7千1百万円となりました。

繰延資産は、社債発行費が増加したことにより1千6百万円増加し、1億4千9百万円となりました。

負債

当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ、セメント関連事業を持分法適用関連会社に移管した影響等により、939億4千2百万円(△21.2%)減少し、3,499億7千7百万円となりました。有利子負債は236億6千9百万円(△9.8%)減少し、2,181億4千3百万円となりました。

流動負債は、支払手形及び買掛金、コマーシャル・ペーパーが減少したこと等により780億1千5百万円(△31.3%)減少し、1,711億5千9百万円となりました。

固定負債は、社債が増加したものの、長期借入金が減少したこと等により159億2千7百万円(△8.2%)減少し、1,788億1千8百万円となりました。

純資産

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ、123億7千6百万円(△3.1%)減少し、3,816億5千9百万円となりました。

株主資本は、剰余金の配当により96億9千2百万円、親会社株主に帰属する当期純損失により利益剰余金が70億6百万円減少したこと等により164億3千4百万円(△4.7%)減少し、3,351億1千5百万円となりました。

その他の包括利益累計額は、為替換算調整勘定が増加したこと等により89億3千1百万円(50.8%)増加し、265億2千4百万円となりました。

非支配株主持分は、44億3千4百万円(△18.2%)減少し、199億4千9百万円となりました。

この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ、5.3ポイント増加し49.4%となりました。

 

当連結会計年度

前連結会計年度

増  減

総資産

731,636百万円

837,954百万円

△106,318百万円

負債

349,977百万円

443,919百万円

△93,942百万円

純資産

381,659百万円

394,035百万円

△12,376百万円

 

④キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動により得られた資金は、前連結会計年度に比べ、145億8千4百万円減の181億2千7百万円となりました。これは、運転資金が改善したものの、税金等調整前当期純損失となったこと等によるものです。

投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ、173億5千4百万円減の260億1千9百万円となりました。これは、貸付金の回収による収入が増加したことと、有形及び無形固定資産の取得による支出が減少したこと等によるものです。

財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動により得られた資金は、前連結会計年度に比べ、59億2千8百万円減の24億4千3百万円となりました。これは、自己株式の取得による支出が減少したものの、有利子負債の増減による収入が減少したこと等によるものです。

この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、セメント関連事業を持分法適用関連会社に移管したことによる減少の影響もあり、現金及び現金同等物に係る換算差額等を含め、前連結会計年度末に比べ、480億5千8百万円(△61.0%)減の307億3百万円となりました。

 

当連結会計年度

前連結会計年度

増  減

営業活動によるキャッシュ・フロー

18,127百万円

32,711百万円

△14,584百万円

投資活動によるキャッシュ・フロー

△26,019百万円

△43,373百万円

17,354百万円

財務活動によるキャッシュ・フロー

2,443百万円

8,371百万円

△5,928百万円

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析、検討内容

中期経営計画の初年度に当たる当連結会計年度の業績は、前連結会計年度に比べ、売上高は機械セグメントを除くすべてのセグメントで増加しましたが、セメント関連事業を持分法適用関連会社(UBE三菱セメント㈱)に移管したことが影響し、減少となりました。営業利益は機械セグメントを除いて減少し、特に樹脂・化成品セグメントにおいては、原燃料価格高騰及び需要減退による販売数量減少に加え、アンモニア工場で隔年の定期修理を実施したことが大きく影響しました。

<売上高>

 

当連結会計年度

前連結会計年度

増  減

増減率

機能品

62,158百万円

60,787百万円

1,371百万円

2.3%

樹脂・化成品

293,388百万円

260,044百万円

33,344百万円

12.8%

機械

96,921百万円

96,987百万円

△66百万円

△0.1%

その他

73,110百万円

54,242百万円

18,868百万円

34.8%

調整額

△30,839百万円

183,205百万円

△214,044百万円

合計

494,738百万円

655,265百万円

△160,527百万円

△24.5%

 

<営業利益>

 

当連結会計年度

前連結会計年度

増  減

増減率

機能品

10,464百万円

11,627百万円

△1,163百万円

△10.0%

樹脂・化成品

2,426百万円

23,516百万円

△21,090百万円

△89.7%

機械

5,215百万円

5,130百万円

85百万円

1.7%

その他

2,643百万円

3,548百万円

△905百万円

△25.5%

調整額

△4,458百万円

217百万円

△4,675百万円

合計

16,290百万円

44,038百万円

△27,748百万円

△63.0%

 

 

各セグメントの主要製品の状況は次のとおりです。

 

機能品セグメント

主要な事業内容

ポリイミド、分離膜、セラミックス、セパレータ等の製造・販売

◆ポリイミド

ポリイミドについては、原料であるBPDA(ビフェニルテトラカルボン酸二無水物)、フィルム及びワニスのそれぞれの強みを活かし、ニッチな市場で高いシェアを維持・拡大してまいります。

当連結会計年度においては、大型ディスプレイ向けCOFフィルムで高いシェアを維持するとともに、半導体の製造装置・検査装置で使用されるパウダーについては、販売量が増加しました。

足元の事業環境においては、ディスプレイ市場は、パネルメーカーの生産調整が長期化しておりますが、ディスプレイの需要は今後も成長が見込まれており、新規用途(5G対応FPC、車載モーター等)での需要拡大も予想されます。

今後については、現在建設中のBDPA及びフィルムの新規設備の速やかな立ち上げを目指すとともに、パウダーや新規ワニス等の非回路基板分野での販売拡大や、フレキシブルPV向けフィルムや水系ワニス等の環境貢献型製品の販売拡大を図ってまいります。

 

◆分離膜

分離膜については、環境・エネルギー分野を基軸とした事業拡大と商品力強化に取り組んでおります。

当連結会計年度においては、受注数量が中期計画を大きく上回り、特に、バイオメタン製造向けCO2分離膜の需要が急増しました。また、ガス分離膜用ポリイミド中空糸膜製造設備及び分離膜モジュール製造設備の増設を前倒しで決定し、2025年度上期稼働に向けて着手しました。

足元の事業環境では、非化石エネルギー確保のため欧米でバイオ燃料の検討や生産が急速に進んでおり、カーボンニュートラルへ向け多様化する再生可能なエネルギー・化学品用途の需要が増加することが予想されます。

今後については、欧州・北米とともに南米・アジアへ伸長するバイオメタン製造向けの需要を確実に取り込みながら、生産能力の増強を図ります。また、再生可能なエネルギー・化学品製造用途の水素分離膜及びアルコール脱水膜の販売計画の上積みにも取り組んでまいります。

◆セラミックス

セラミックスについては、着実に伸長を見せる需要に応じた生産体制の確立に取り組んでおります。

当連結会計年度においては、需要の拡大にあわせ、xEV市場向けの軸受及び基板用途を中心に販売を拡大しました。

足元の事業環境では、軸受及び基板用途は、川下顧客の増産計画が進行しており、xEV市場向けの需要拡大が加速しております。切削工具やグロープラグ、蛍光体向けは需要が安定しております。需給バランスが非常にタイトになっており、生産性向上を図ってまいります。

今後については、更なる需要の増加が見込まれるxEV市場向けに拡販、事業拡大を図るとともに、イミド熱分解法の特長を活かし、品質の更なる差別化を推進してまいります。

◆セパレータ

セパレータについては、xEV向けでの競争力強化による拡販に加え、乾式膜の特性が活かせる非車載用途への展開に取り組んでおります。

当連結会計年度においては、車載用ではHEV用途を中心に新規案件を獲得しました。また、非車載用での拡販対応及び顧客要求にあわせた開発を推進しました。

足元の事業環境では、世界的な脱炭素化社会の流れで自動車の電動化及び再生可能エネルギー発電の普及による電力貯蔵システム(ESS)の必要性が拡大しております。セパレータの需要は旺盛なものの、半導体や他部材供給逼迫による自動車減産により、足元の需要は軟調です。

今後については、HEV用途を中心に、xEV向け製品特性の向上による販売拡大を図ってまいります。また、更なる競争力強化のためのコストダウン及び品質向上を推進してまいります。

 

樹脂・化成品セグメント

主要な事業内容

コンポジット、ナイロンポリマー、カプロラクタム(ナイロン原料)、硫安、工業薬品、

ファインケミカル(C1ケミカル)、高機能コーティング、エラストマー(合成ゴム)等の製造・販売

◆コンポジット

コンポジットについては、エンプラコンポジットメーカーとしてグローバルに存在感のあるソリューションプロバイダーを目指しております。

当連結会計年度においては、タイでのコンポジット能力増強と、水素タンクライナー用途グレードや難燃グレード等の非強化特殊グレードの生産設備の新設に計画どおり着手しました。北米でも非強化付加価値製品の販売が本格化し、ナイロン6製品だけでなくナイロン12製品の立ち上げも現在進行中です。

足元においては、半導体等の部材不足による自動車減産に伴い、エンプラ需要も一時的に減少しております。世界の自動車生産台数は、2023年度は一定の回復が予測されますが、コロナ前の水準までは至らないと考えられます。

今後については、現状の生産能力は約5万トン/年、売上規模は約400億円ですが、2030年までに生産能力を8万トン/年以上まで増強し、600億円以上の売上規模を目指します。そのために、環境対応型製品の開発及び市場投入を行い、スペシャリティビジネスの事業拡大とグローバル展開に取り組んでまいります。また、自動車部材の需要拡大にあわせ、タイに続き欧州やアメリカでも能力増強を計画しており、M&Aやアライアンスによる事業拡大(水平展開、川下展開)も選択肢として検討してまいります。

◆ナイロンポリマー

ナイロンポリマーについては、環境貢献型製品投入及びアジア重合期系再編の加速を進めております。

当連結会計年度においては、タイで共重合グレード製造ラインへの改造が完了し、アジア向けに販売を開始しました。

 

足元においては、物価高止まりによる欧州食品包装用フィルムの需要が減速し、半導体不足等による民生用LiB外装フィルム用途の需要が減少しました。汎用グレードは、中国品との価格競争が世界市場で激化しております。

今後については、共重合グレードを日本からタイへ完全移管し、アジア重合体制最適化の更なる推進に取り組んでまいります。また、環境貢献型製品(バイオマス、マテリアルリサイクル材、薄膜化材)の市場投入や価格競争に晒されない共重合ナイロン高付加価値グレードの拡充にも取り組んでまいります。

◆カプロラクタム・硫安

ナイロン原料のカプロラクタム及び硫安については、事業損益変動の最小化に向けた再編の検討及び実行を加速するとともに、大粒硫安等の高付加価値製品の事業拡大に取り組んでおります。

当連結会計年度においては、硫安は、大粒硫安増産に向けた投資を検討するとともに、タイ品大粒硫安の日本向け拡販を実現しました。

足元においては、川下需要や原料価格の変動が大きく厳しい事業環境となりました。日本・スペイン・タイの三極で機動的に生産・出荷バランスを調整し、利益を最大化します。

今後については、カプロラクタムは、宇部地区の2024年度主要期系停止による減産計画を深化させるとともに、硫安は、2024年のスペインでの付加価値品増産に向けた投資・開発の検討を本格化してまいります。また、スペイン・タイでのユーティリティーコスト、GHG削減に向けた設備投資の検討及び着手を進めてまいります。

◆工業薬品

工業薬品についても、事業損益変動の最小化に向けた再編の検討及び実行を加速するとともに、高純度硝酸等の高付加価値製品の事業拡大に取り組んでおります。

当連結会計年度においては、宇部地区再編プロジェクトを発足し、アンモニア停止に向けた詳細ステップの検討を進めております。また、2024年初頭に向けた高純度硝酸工場の能力増強を推進しております。

足元においては、アンモニアの川下需要は低調です。原料ガス価格の軟化もあり、市場価格は下落しております。損益への影響を抑えるべく、可能な限りの生産・販売を維持します。

今後については、アンモニアは、市況に注視しつつ最大限の生産・販売量を確保するとともに、硝酸は、半導体市場の拡大にあわせて高純度硝酸工場の生産能力増強に引き続き注力してまいります。

◆ファインケミカル(C1ケミカル)

ファインケミカル(C1ケミカル)については、DMC及びEMCの北米・欧州での新規工場建設の検討を進めており、誘導品の高機能コーティングを含めたC1ケミカルチェーン製品(DMC、EMC、PCD、PUD)の積極拡大に取組んでおります。

当連結会計年度においては、LiB電解液用DMCの販売は、概ね計画どおり進捗しました。中国でのDMCライセンス案件数も順調に拡大しております。

足元の事業環境については、半導体不足の影響はあるものの、BEVの生産量は伸長しております。DMCの用途であるLiBの市場規模についても拡大が見込まれ、2030年には現状の4~5倍に拡大すると予想されます。

今後については、C1ケミカルチェーン製品の現在の連結売上高は約130億円ですが、2030年までに北米・欧州にDMC及びEMCの生産拠点を拡大することで、C1ケミカルチェーン製品として連結売上高600~800億円、連結営業利益率20~25%を目指してまいります。2023年度は、DMC及びEMCの北米・欧州での新規工場建設の具体化に向けて取り組んでまいります。

◆高機能コーティング

高機能コーティングについては、事業の積極拡大に取り組んでおります。

当連結会計年度においては、PCDは、タイでのPCD3期設備の建設に着工しました。PUDは、宇部ケミカル工場での無溶剤グレード設備が稼働を開始しております。また、中国市場での販路拡大のため、PUDの中国ラボを設置しました。

足元の事業環境については、PCDは、欧州・日本市場が成熟するものの、アジア、特に中国では成長が継続しております。PUDは、中国を中心に環境対応(溶剤フリー等)製品の需要が拡大しております。

今後については、2023年度にタイにおけるPCD3期設備の稼働を開始するとともに、2025年稼働開始を目標として、タイでのPUD設備の設置を具体化してまいります。

◆エラストマー(合成ゴム)

エラストマーについては、製・販・技一体で意思決定及び施策実行をスピードアップさせ、ステークホルダーからの信頼の厚い事業への変革に取り組んでおります。

当連結会計年度においては、千葉・タイは通年で安定生産を継続しました。期初から原燃料価格が高騰し、下期には需要が減退しましたが、製・販・技一体となり厳しい事業環境に対応しました。

足元の事業環境については、原油や主原料であるブタジエン等の原燃料価格の上昇による収益悪化の懸念があるとともに、景気減速によってブタジエンゴムの需要が低迷しております。また、カーボンニュートラルやサステナビリティへの対応に向けた意識が高まってきております。

今後については、安全・安定生産を継続するとともに、マレーシア工場の再稼働後の安定生産に尽力します。また、スペシャリティ化を推進するとともに、地球環境問題への対応を推進してまいります。

 

機械セグメント

主要な事業内容

成形機(ダイカストマシン、押出プレス、射出成形機)、産業機械(窯業機、化学機器、粉砕機、運搬機、除塵機、破砕機)、橋梁・鉄構、製鋼品(ビレット、鋳造品)等の製造・販売

◆成形機

成形機については、自動車のxEV化や電動化、車両部品の軽量化ニーズに対応した製品開発に取り組んでおります。

当連結会計年度においては、ダイカストマシンは、生産・稼働時間短縮に貢献する超ハイサイクル機を開発し、検証設備を設置しました。xEV化進展に伴い、高まる生産効率向上への要求に応えるとともに、CO2削減によりカーボンニュートラルに寄与します。射出成型機は、2プラテン電動射出成型機を2023年2月に販売開始しました。省エネ及び生産効率向上を実現し、油圧機の更新需要を取り込みます。

足元の事業環境では、自動車のxEV化・電動化・軽量化及びカーボンニュートラル・リサイクル分野に資する技術ニーズが高まっております。また、北米、中国、韓国、そしてインド顧客の設備投資が増加傾向にあります。なお、半導体不足による電気部品の長納期化は、継続しております。

今後については、中国では現地OEM体制構築を目指すとともに、インドでは現地代理店を活用した拡販に取り組んでまいります。また、ダイカストマシンは、車のxEV化に伴う生産効率向上への要求に対応した車体部品を低コストで生産可能な超大型ダイカストマシンの開発を行い、射出成型機は、カーボンニュートラルや循環型社会に対応した新製品やプロセスの開発を行ってまいります。

◆産業機械

産業機械については、バイオマスハンドリング、洋上風力発電設備、アンモニア関連設備等の環境新市場に参入してまいります。

当連結会計年度においては、洋上風力市場で2つのプロジェクトの大型構造物関連機器を受注しました。

足元の事業環境では、再生可能エネルギー市場や製品リサイクル市場に資する技術ニーズが高まっておりますが、原燃料価格高騰の影響による設備投資の先送りや中止等が生じております。

今後については、環境関連のマーケットニーズを実現する製品やサービスの提供で事業拡大に取り組むとともに、バイオマス燃料搬送設備、洋上風力発電設備、アンモニア関連市場への参入を図ってまいります。また、政府からの補助金を背景に拡大する設備投資やインフラ投資による需要も取り込んでまいります。
 

その他セグメント

主要な事業内容

医薬品(原体・中間体)等の製造・販売、電力供給、不動産の売買・賃貸借及び管理等

◆医薬

医薬については、既存分野の収益基盤拡大と核酸医薬品等高付加価値領域の拡充により高収益化を目指しております。

当連結会計年度においては、参天製薬㈱との共同開発によるOMLONTI®(オミデネパグ イソプロピル点眼液0.002%)の米国食品医薬品局(FDA)承認を取得しました。また、2022年12月には医薬品受託製造会社である㈱エーピーアイコーポレーションの株式を取得しました。核酸原薬開発のためパイロットプラント建設にも着工しており、完工は2025年3月を予定しております。

足元の事業環境では、低分子治療薬は緩やかに成長する一方、核酸やバイオに加え遺伝子治療や再生医療等、新しいモダリティ(治療手段)が浸透しております。国際政情不安による原燃料価格等の高騰とそれに伴うコストアップが発生しており、国内では度重なる品質不適合事象により、高い品質と安定供給に対する要求が高まっております。

今後については、早期ライセンスアウトモデルの継続とマイルストンの着実な獲得を実行してまいります。また、少量・高薬理活性原薬の製造設備である第五医薬品工場の収益最大化を図るとともに、㈱エーピーアイコーポレーションとの協業を深化し、製・販・技各領域における効率的運営体制を構築してまいります。

 

②経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況

中期経営計画の初年度にあたる当連結会計年度においては、原燃料価格高騰等の影響を受けたことによって目標未達となりました。足元の経済環境は厳しいですが、ポリイミドや分離膜等のスペシャリティ事業の成長及びベーシック事業の収益改善を進め、2024年度計画の達成を目指してまいります。

<主要項目・経営指標>

 

2022年度

実績

2022年度

(原計画)

2023年度

予想

2023年度

(原計画)

2024年度

(原計画)

売上高

4,947億円

5,100億円

5,450億円

5,200億円

5,200億円

営業利益

163億円

345億円

300億円

410億円

400億円

経常利益

△87億円

310億円

385億円

450億円

470億円

親会社株主に帰属する

当期純利益

△70億円

210億円

275億円

320億円

330億円

売上高営業利益率(ROS)

3.3%

6.8%

5.5%

7.9%

8%

自己資本利益率(ROE)

△1.9%

5.6%

7.4%

8.2%

8%

 

③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報

(財務の基本方針)

当社グループは、財務構造の健全性維持及び資金の効率的調達・運用を基本方針として財務活動を行っております。資金調達については、自己資金のほか、金融機関からの借入やコマーシャル・ペーパー、社債の発行等により行っております。資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、緊急時の資金調達手段の確保等を目的として、一部の取引銀行とコミットメントライン契約を締結しております。

 

(キャッシュ・フロー及び流動性の状況)

当連結会計年度においては、営業活動によるキャッシュ・フローは181億円のキャッシュ・イン、投資活動によるキャッシュ・フローは260億円のキャッシュ・アウトとなり、フリー・キャッシュ・フローは79億円のキャッシュ・アウトとなりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払106億円、有利子負債の増減による収入143億円等により24億円のキャッシュ・インとなり、期末における現金及び現金同等物の残高は、セメント関連事業を持分法適用関連会社に移管したことによる減少433億円の影響もあり、307億円となりました。

資金の使途については、当連結会計年度は設備投資に293億円、M&Aを含む投融資に104億円、研究開発費に104億円と、合計501億円を支出しております。このうち、スペシャリティ事業、ベーシック事業、及びその他への支出は、それぞれ42%、24%、34%となりました。中期経営計画に比べてその他の割合が増加しているのは、DX推進のための設備投資を前倒ししたことによるものです。

今後の経営資源の投入計画について、中期経営計画の原計画では、設備投資1,100億円、M&Aを含む投融資200億円、研究開発費320億円、合計して1,620億円の投入計画を策定しておりましたが、足元の3カ年の見通しでは、設備投資額を300億円増額させ、合計で1,920億円の投入計画に見直しております。翌連結会計年度においては、合計585億円の投入を計画しており、その内訳は設備投資が475億円、研究開発費が110億円です。比率はスペシャリティ事業が55%、ベーシック事業が15%、その他が30%であり、ベーシック事業への投入比率を下げ、代わりにスペシャリティ事業への投入比率を上げる予定です。

 

(ポートフォリオ別経営資源投入計画)

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(資本政策)

当連結会計年度は、原燃料価格高騰及び自動車減産、中国市場の需要減退等により、利益項目は期初予想を大幅に下回りましたが、財務体質を示す指標については、UBE三菱セメント㈱へ資産・負債を承継させた影響等により、D/Eレシオは0.60倍、自己資本比率は49.4%と改善し、健全な水準を維持しております。

現中期経営計画では、スペシャリティ事業の成長に向けて重点的に資金を投下します。また、必要に応じて投資の前倒しも行います。スペシャリティ事業を成長させることによりキャッシュ創出力の拡大につなげてまいりますが、その一方で、負債を現在のキャッシュ創出力・株主資本に見合う水準にコントロールし、財務の健全性を維持します。3カ年での分配可能額は、研究開発費を除いた営業キャッシュ・フロー1,820億円、資産売却等150億円及び手元現預金350億円を合計した2,320億円を計画しておりましたが、研究開発費を除いた営業キャッシュ・フローが当連結会計年度及び翌連結会計年度の業績下振れに伴い、1,450億円へと減少を見込んでおります。しかし、新たに550億円の負債調達を行うことで、資産売却等150億円及び手元現預金350億円と合わせて、2,500億円の配分可能総額を予定しております。これに対し、キャッシュ・アロケーションとして、設備投資・投融資1,600億円、研究開発320億円、株主還元は290億円を想定しております。設備投資・投融資については、原計画の1,300億円から300億円積み増し、ポリイミドフィルム工場や分離膜工場の増設等、スペシャリティ事業への投資を進めております。

株主還元については、安定的な配当の継続を基本方針としており、連結総還元性向30%以上、株主資本配当率(DOE)2.5%以上としております。当連結会計年度は連結当期利益が赤字となりましたが、DOEに基づき、前期と同額の配当としました。現中期経営計画期間において積極的な成長投資を行うことにより、将来の株主還元の更なる充実を目指しております。

 

(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示、並びに報告年度における収益・費用の数値に影響を与える将来に関する見積り及び仮定が必要であり、過去の実績やその他の様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

(1)技術援助契約

契約会社名

相手先

契約締結年月日

契約内容

有効期間

UBE株式会社(当社)

松下電工株式会社(現パナソニック株式会社)

2004年4月21日

2層フレキシブル銅張積層板製造技術のライセンス契約

終期の定めなし

エスユーマテリアルス,カンパニー・リミテッド

2011年9月23日

次世代ディスプレイ基板材料用のポリイミドに関するライセンス契約

終期の定めなし

宇部マクセル株式会社

2019年1月1日

リチウムイオン電池用セパレータに関するライセンス契約

終期の定めなし

ハイケム株式会社

2012年6月22日

DMO(ジメチルオキサレート)及びMEG(モノエチレングリコール)の触媒製造技術に関するライセンス契約

実施料支払期間満了まで

黔希煤化工投資有限公司

2010年11月10日

DMO(ジメチルオキサレート)及びMEG(モノエチレングリコール)の製造技術に関するライセンス契約

特許及びノウハウの有効期間満了まで

錫林郭勒蘇尼特碱業有限公司

2011年3月4日

新疆天業(集団)有限公司(1期)

2011年5月31日

内蒙古开化工有限公司

2012年4月6日

新疆天業(集団)有限公司(2期)

2013年5月7日

内蒙古康乃化学工有限公司

2013年6月28日

陽煤集団寿陽化工有限責任公司

2013年12月11日

安徽四方股份有限公司

2015年4月24日

新疆生天盈石油化工股份有限公司

2015年5月8日

西渭河彬州化工有限公司

2016年4月4日

 

利華益利津煤化有限公司

2016年6月17日

新疆天業(集団)有限公司(3期)

2017年7月7日

湖北三寧化工股彬有限公司

2017年7月18日

山西沃能化工科技有限公司

2018年2月1日

山西松化工科技有限公司

2018年4月1日

 

 

契約会社名

相手先

契約締結年月日

契約内容

有効期間

UBE株式会社(当社)

中国大唐集団公司

2018年7月16日

DMO(ジメチルオキサレート)及びMEG(モノエチレングリコール)の製造技術に関するライセンス契約

特許及びノウハウの有効期間満了まで

煤集团榆林化学有限責任公司

2018年8月18日

新疆致本精化学有限公司

2018年8月26日

宁夏鲲鹏能源有限公司

2019年3月28日

山西美锦华盛化工新材料有限公司

2019年4月9日

安徽佑順新材料有限公司

2020年2月25日

安徽四方股份有限公司

2015年4月25日

DMC(ジメチルカーボネート)の製造技術に関するライセンス契約

契約発効日から20年間

安徽四方宇部新材料科技有限公司

2017年9月25日

利華益維化学股份有限公司

2020年12月14日

利華益維化学股份有限公司

2022年2月8日

煤集团榆林化学宇高新材料有限責任公司

2022年3月8日

山西鑫煤焦化有限公司

2022年3月15日

安徽四方股份有限公司

2022年3月20日

临涣焦化股份有限公司

2022年11月21日

索普聚科技有限公司

2023年2月7日

ハイケム株式会社

2021年1月15日

DMC(ジメチルカーボネート)の触媒製造技術に関するライセンス契約

両当事者の書面合意まで

江蘇瑞兆科電子材料有限公司

2019年11月29日

高純度硫酸及び高純度安水の製造技術に関するライセンス契約

契約発効日から10年間

 

(2)技術導入契約

契約会社名

相手先

契約締結年月日

契約内容

有効期間

UBE株式会社(当社)

Industrial Copolymers, Ltd.(現Incorez Ltd.)

2007年8月20日

PUD(水系ポリウレタン・ディスパージョン)に関するライセンス契約

終期の定めなし

 

6【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、既存事業の製造技術の高度化及び周辺や延長分野における事業拡大を図るとともに、新規事業の創出及び長期的な視野に立った基盤技術の強化を志向しております。

研究開発活動は、当社の研究開発本部並びに、生産・技術部門及び各事業部門の開発部門で行っているほか、一部には連結子会社独自で行っているものもあります。当社及び連結子会社における研究開発スタッフは561名にのぼりますが、これは総従業員数の約7%に当たります。

当社では、研究・開発・技術・製造・営業を強固に連携し、事業としての意思統一、責任体制の明確化及び研究開発のスピードアップを図りながら、既存事業関連の研究を各事業部のもとに集約して行っております。また、研究開発本部については環境関連の技術開発及び新規事業創出に向けた研究開発の役割を担っています。

当連結会計年度における研究開発費の総額は10,422百万円であり、セグメント別の研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりです。

機能品

次世代蓄電池、5G対応フィルム、次世代ディスプレイや電池用途向けワニス、バイオガス用新規CO2分離膜、次世代航空機等の先端技術市場に対応したチラノ繊維、窒化珪素セラミックスの研究開発等に取り組んでおります。

ポリイミド・機能品開発部では、UBE独自のBPDA(ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物)ベースのポリイミドを中心に、粉体・ワニス・フィルム・繊維・膜等の様々な形の製品の特性設計・プロセス設計開発を行っています。開発製品は、フレキシブル回路基板用等の電子情報材料から空気分離等のガス分離装置等に展開されており、お客様と連携して高性能化・高品質化も推進しています。

無機材料開発部では、セラミックス材料を中心として新しい事業・製品・プロセスの工業化に向けた開発を行っています。特に、UBEの化学を活かした特徴ある製造技術・設計技術をベースとして、窒化珪素粉末、炭化珪素繊維、酸化物電池材料、光学樹脂用無機ナノ粒子等の強化に取り組むとともに、素材の特異性や長年培ってきたセラミックス合成技術を駆使することにより、先端無機材料の開発を推進しています。

当セグメントに係る研究開発費は2,583百万円です。

樹脂・化成品

C1ケミカル、環境型コーティング、廃プラリサイクル、バイオマスプラスチック、硫安の高付加価値化の研究開発等に取り組んでおります。

エンプラ開発部では、各種エンジニアリングプラスチックスを用いたコンポジット材料、新規ナイロン及びそれを用いたフィルムやモノフィラメント用材料の開発を行っています。また、環境貢献型材料への要求の高まりにも対応して、リサイクルやバイオポリマーの開発にも注力しています。材料設計・成形加工・解析技術等の要素技術を駆使して、材料提案や改良、設計支援等のテクニカルサポートを高度かつタイムリーに実行することで、お客様に貢献しています。また、UBEのエンプラ事業の中核として、タイ・スペインを含む3生産拠点の開発部門の中心として連携強化に努め、グローバルでの事業拡大を積極的に進めています。

ケミカル開発部では、ファインケミカル製品、高機能コーティング製品、工業薬品等の品質・技術・プロセスの改良・開発を行うとともに、新規事業・新規製品のマーケティング・製品開発・アプリケーション開発を行っています。また、自社技術プラットフォームを利用したCO2有効利用や廃プラリサイクル等の地球環境貢献テーマにも取り組んでいます。

当セグメントに係る研究開発費は2,155百万円です。

機械

機械分野の研究開発は連結子会社のUBEマシナリー㈱で行っております。

ダイカストマシン関連ではEV電装ケース向けハイサイクル機及びEVボディ・シャシー向け超大型機の開発を、射出成形機関連では大型2枚プラテン電動機(emⅢ)の大型シリーズ展開に向けた開発を行っています。また、カーボンニュートラルに向けた取組みとして、燃料アンモニア産業への対応機器、低温高圧ガス圧縮用途鋳鋼、EVモーター等の高周波ノイズフィルターの開発を行っております。主な成果としては、大型2プラテン電動機の2,000トン機(2000emⅢ)の上市を実現したこと等が挙げられます。

当セグメントに係る研究開発費は505百万円です。

 

その他・全社共通

医薬事業分野では、製薬会社等との共同研究開発や独自に進めている創薬研究開発による新規医薬品の創製、受託医薬品原体の製造プロセスの開発等を行っております。主な成果としては、参天製薬㈱と共同開発した開放隅角緑内障・高眼圧症を対象とした眼圧下降を目的とする点眼薬「OMLONTI®(オミデネパグ イソプロピル点眼液0.002%)」が、米国食品医薬品局(FDA)により承認されたことが挙げられます。

各セグメントに属さない研究開発としては、持続的な成長を可能にする新規事業創出に向けた研究開発の領域として、「サステナビリティ」「エネルギーマネジメント」「ライフサイエンス」を設定し、放熱複合材料、細胞培養技術活用等の研究開発を行っております。

その他セグメント及び全社共通に係る研究開発費は5,179百万円です。