当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する記載は、本書提出日現在、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、設立時より「情報の価値を具現化する仕組みを提供する」を企業理念に掲げ、グループにおいてこれを共有し、経営判断の拠り所としております。当社は現在、この理念の下、メディア事業・ソリューション事業を展開しており、情報インフラを担う者として、国内での少子高齢化や老後資金問題、生産性人口の減少による企業の業務効率化問題等、様々な社会的課題の解決に貢献し得る存在であり、積極的に取り組む責務があると認識しています。また、当社の社名「株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイド」の「インフォノイド」は“情報(Informatio
n)”と“執着する者(Noid)”の造語であり、“MINKABU THE INFONOID - Minkabuこそが情報に拘るものである”は、当社の成長ドライバーのスローガンそのものであります。
2019年3月の東京証券取引所マザーズ上場から当連結会計年度で約4年が経過いたしましたが、従来より当社は経営環境の変化や社会的ニーズや課題の変化に応じて事業モデルの変革を行ってまいりました。新型コロナウイルス感染症からの回復期にあり、生活者の行動活性化の一方で、ウクライナ情勢や世界的なインフレ抑制に向けた高金利政策による景気抑制等複雑かつ先行き不透明な情勢が継続する状況において、短期的な業績回復はもとより、Next Stageに向けた企業成長を図るため、さらなる事業スコープ及びスケールの拡大、収益基盤の多様化及び収益性の改善に向けた積極展開を図る方針であります。
当連結会計年度におきましては、当社グループは、金融不況やウェブ検索エンジンの仕様変更等の外的要因による悪影響を受けましたが、同時にメディア事業におきましては7,000万人規模の月間利用者数を誇るウェブメディアを運営する株式会社ライブドアの子会社化により事業収益の拡大や収益基盤の多様化を図るとともに、資産形成層を含む多様な生活者や消費者、クリエイターへのリーチといったTAM(Total Addressable Market:製品やサービスが獲得可能な最大の市場規模をいう。)の拡大を図るとともに、ソリューション事業におきましては金融情報ソリューションサービスにおいて、メイン情報ベンダーとしての新たな一歩を踏み出すとともに、金融ソリューション分野における顧客基盤拡大のためのシステム系ソリューションの本格的なローンチ、また株式会社ミンカブWeb3ウォレットの子会社化によりNFTを始めとするWebソリューション開発等、DX時代に向けた新たなソリューションサービスの深耕を行いました。また2021年に設立した株式会社ミンカブアセットパートナーズにおいて2022年12月20日付で金融商品仲介業の登録(金融商品仲介業 関東財務局長(金仲)第969号)が完了し、今後資産形成層に向けた新たな金融ソリューションサービスを展開してまいります。
当社グループは、これまで金融メディア事業・金融ソリューション事業で培った技術やノウハウはもとより、ライブドア事業をはじめとするメディアパワーと、テクノロジーを活用した新たな高付加価値サービス・ソリューション展開により、当社の企業理念である情報への拘りを追求してその価値を具現化し、金融・経済のみならず様々なテーマにおいて、直接的に又は間接的に最終顧客・ユーザーの活動に寄与し、テクノロジーを活用した新たな情報提供の在り方を実現することで、豊かな社会の構築に貢献してまいります。
(2)経営環境の認識及び今後の事業戦略
当社グループの経営環境に関する認識及び再成長に向けた今後の事業戦略等は次のとおりであります。
1.金融業界に関する認識
2022年6月7日に閣議決定された「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」及び「経済財政運営と改革の基本方針2022」を受け、2022年11月28日に内閣官房に設置された新しい資本主義実現会議によって「資産所得倍増プラン」の具体プランが取り纏められ、貯蓄から投資への流れを後押しする少額投資非課税制度(NISA)の恒久化や抜本的拡充を中心に、新たな資産形成層の拡大とともに、我が国における家計の資産形成が大きく前進することが期待されております。当社もこの趣旨に賛同し、企業におけるイノベーション・成長を促進する環境の整備や、家計における金融リテラシーの向上、資産形成の取り組みを支援する目的で金融経済教育におけるデジタルプラットフォームを開発し、企業並びに経済団体等へASP型サービスとして2024年3月期より順次機能提供を開始する予定であり、資産形成層のすそ野拡大に応じた新たな情報ソリューションサービスのニーズが高まると考えております。
同時に、今後大手ネット証券会社を軸とした国内における株式売買手数料の無料化加速に向けた動きが活発化することで、顧客の囲い込みに向けた更なる競争激化が予想されます。一方、NISA恒久化等による新たな資産形成層拡大策に加え、手数料無料化による顧客獲得競争が激しくなるにつれ、1顧客当たりの収益性の悪化が顧客当たりの獲得コスト低下を招き、成果報酬型広告を始めとする当社メディア事業の広告収益への影響が懸念されます。なお、株式売買手数料の無料化はある意味でそのコストが投資家に還元されるため、個人投資家の課金余力は一定程度拡大することが期待されます。このため、サブスクリプション型サービスにつきましては今後改めて成長戦略が描けるものと想定しております。また、証券会社各社による収益性の多様化やシステム運用・システム構築の効率化、といった費用対効果に向けた認識が一層高まることが予想されるほか、競争力強化に向けたDX化や様々な顧客体験向上に向けた取り組みの進展等、ソリューション事業においては堅調にニーズが拡大する傾向が当面継続するものと考えております。
2.インターネット業界に関する認識
世界的な経済環境の悪化や消費者物価の高騰、これに伴う個人消費活動の減少等、不透明な状況が継続している環境下、デジタル広告市場も中期的に成長減速が予想されております。インフレ率の向上や金利上昇等の影響はグローバルな巨大ハイテク企業にも及び、業績悪化傾向が顕著になるとともに、大幅な人員削減によるリストラが進行しています。一方で、競争環境の激化や世界的な個人情報保護に関する法整備の拡大に加え、ブロックチェーン技術を利用したいわゆる「Web3」と呼ばれる分散型インターネットへのシフトが注目されており、今後様々な分野で幅広い新たなネットサービスの展開が見込まれております。
通信速度や情報処理速度の大幅な向上やデジタルデバイスの進化、様々なアプリケーションの浸透等によってこれまで視聴者の立場だったネットユーザーが、クリエイターとして発信者となり、デジタル空間上での情報発信や行動によって付加価値を生み出すトレンドが顕著となっています。これらはクリエイターエコノミー(個人がインターネット上でクリエイターとして商品・サービス等を提供し、収益を上げるデジタル市場をいう)として新たな経済活動がネットメディア上で急速に拡大しています。こういったクリエイターエコノミーはWeb3の世界においても「x to Earn」(xすることで経済的価値を得る)としてネット上での行動の対価として暗号資産を獲得するといった新たなWeb3経済圏を創出することが期待されています。
3.当社グループの今後の事業戦略
① メディア事業
当社は2022年12月28日付で株式会社ライブドアを、2023年3月31日付でスポーツ情報メディア「超WORLDサッカー!(https://web.ultra-soccer.jp/)」を運営するCWS Brains株式会社をそれぞれ完全子会社化し、当社グループは資産形成情報メディア「MINKABU(みんかぶ)」、株式情報専門メディア「Kabutan(株探)」と合わせ、月間利用者数9,000万人規模の国内有数のネットメディアグループとなりました。また、2023年4月1日付で株式会社GINKANが運営するWeb3グルメSNS事業「シンクロライフ(https://www.synchrolife.org/)
」について、同事業を吸収分割して設立された株式会社シンクロライフの株式を取得して完全子会社化するとともに、同5月15日付で、「シンクロライフ」のサービス名を「ライブドアグルメ」に変更し、ブランド名を統一いたしました。
当社グループのメディア事業は、「ライブドアブログ」を中心としたUGCメディア、「ライブドアニュース」を中心としたPGCメディアに加え、スポーツ情報メディア「超WORLDサッカー!」、資産形成情報メディア「MINKABU(みんかぶ)」、株式情報専門メディア「Kabutan(株探)」、女性向け情報メディア「Peachy」、韓流メディア「Kstyle」、Web3グルメSNSアプリ「シンクロライフ」等の各専門メディアの強化策を推進し、「ライブドアブログ」のユーザーエンゲージメント力、「ライブドアニュース」のコンテンツ拡散力を各バーティカルメディアに展開することで新たなユーザーエクスペリエンスを提供するとともに付加価値・収益力の拡大を図ることを当社グループのメディア事業の基本戦略として位置付けてまいります。
これまでの当社グループのメディア事業は、インプレッション保証型の企画広告を中心とした純広告と、金融機関の口座開設等の個人の投資意欲に紐づく成果報酬型広告による広告収入が主体であり、かつ当該収益はウェブ検索エンジンの最適化を通じた安定的な高位置掲載施策によるユーザー獲得数等に影響を受ける事業モデルとなっておりました。ライブドア事業につきましても広告収入が主体となりますが、アドネットワーク広告が中心となっております。またライブドア事業の9,000万人規模のTAM(Total Addressable Market)を自社グループメディアとして利活用できることから、今後の当社メディア事業の広告収益は、ライブドア事業の上積みによって規模の拡大・収益性の安定化とともに、グループメディア内誘導の積極化によりウェブ検索エンジンのアルゴリズムの変更の影響を受けにくい収益モデルとなります。
また、ライブドア事業の広告収益は当社グループの既存メディア事業の広告収益と比較すると、1ユニークユーザー当たりの広告単価が低い状況にあります。これは当社が得意とする比較的高単価の企画広告や成果型報酬広告の投入を始めとする収益拡大化策の余地が大きいと考えております。また、2022年12月よりライフスタイル全般を対象とした比較サイト「livedoor Choice」を立ち上げるなど、収益拡大策を講じているほか、今後更なる収益性向上に努めてまいります。
さらに当社グループは、広告収益のみに依存しない、UGC・PGCの連携とバーティカルメディア化の推進及び世界的にも有数の規模を誇るSNS発信力を活用し、クリエイターエコノミーに必要不可欠な良質なコンテンツの拡充や情報発信者のメジャー化や接点拡大等によるクリエイター支援プログラムや高付加価値サービスの投入といった新たなプラットフォーム事業展開を図ってまいります。具体的では優良なコンテンツ投稿者に対するユーザー間インセンティブや、配信されたニュースをSNS等にシェアした際のデジタルインセンティブの導入といったP2Pインセンティブ、あるいはC2B、B2Cのインセンティブによるクリエイターエコノミーの活性化とメディア及びクリエイターのスティックネス強化といったWeb3ビジネスモデル戦略を各バーティカルメディアにおいて推進するとともに、高付加価値なプレミアムサービスによる新たなサブスクリプション型サービス等の新規事業展開を進めてまいります。
② ソリューション事業
金融業界においては、世界的な市況低迷による個人投資家の投資意欲の減退や景気後退懸念、不安定な市場環境の影響等によって証券各社の業績が悪化しております。一方で日本株売買手数料無料化や収益力の多様化、さらに一層のコスト削減やシステム投資・運用の効率化等に向けた動きが活発化することが予想されます。当社は、このような環境認識のもと、情報系ソリューションサービスにおいては米国株情報ソリューションの提供や日本株投資総合情報ツールの投入等、収益力の多様化及び一層のコスト削減や運用効率化に向けた取り組みを行っております。
また、既存のITシステムが異なる組織単位毎に構築され、全社横断的なデータ活用ができなかったり、過剰なカスタマイズがなされている等により複雑化されていたりといった過去のデジタル投資の負の資産に対する解消ニーズや、AIを活用した非接触チャネル化、セキュリティ対策強化、生産性の更なる向上といったデジタルトランスフォーメーション(DX)の動きは引き続き顕著となっている環境下、当社グループにおきましては情報系ソリューションサービスに加え、金融各社のDX化支援のためのシステム系ソリューションサービスの取り組みを強化しております。当事業年度におきましては、まずはネット証券会社やネット銀行系の金融機関向けに、API(Application Programming Interface)を活用したシステム構築等に関するコンサルテーションの取り組みから開始いたしましたが、当社想定を超える業界ニーズがあり、すでにAPI連携によるマーケットプレイス開発やそのマーケティング支援さらにはデジタルペイメント基盤システム開発等、コンサルテーションに加えて開発・運用支援段階のソリューション提供を開始するなど、システム系ソリューションサービスの提供領域の拡大を行っております。
加えて、2022年12月に当社子会社である株式会社ミンカブアセットパートナーズにおいて、金融商品仲介業登録が完了いたしました。今後、政府の施策でもある「資産所得倍増プラン」のもと、当社グループが資産形成層並びに投資家向け情報メディア事業及び金融情報ソリューション事業を通じて構築した400社を超える金融機関主体の顧客基盤と、9,000万人規模の当社グループメディア事業基盤を活用し、金融経済教育推進のためのデジタルアカデミーサービス、LINEを活用したチャットBPOサービス、金融商品仲介業等を展開予定です。
以上のとおり、ソリューション事業領域におきまして、情報系ソリューションサービスはコスト削減や収益性の多様化等のニーズを背景に、またシステム系ソリューションサービスは引き続きDX化ニーズのトレンドのもと、引き続き安定成長を図る他、資産形成層のすそ野拡大に向けたB2Cソリューションサービスを新たに展開してまいります。
さらに当社は2022年5月に、ブロックチェーンを基盤としたネットワークであるWeb3を活用したNFTソリューションの展開等を目的に、株式会社ミンカブWeb3ウォレットを連結子会社化し、Web3時代に対応した新たなソリューションサービス展開を図っております。今後はソリューション事業におきましても総合メディアグループとしての新たなメディア事業とソリューション事業のシナジーを追及しつつ、金融業界に限定しない幅広い領域に向けた事業展開を図ってまいります。
4.グループ再編、今後の収益改善シナリオと中期業績目標
このような環境認識及び事業戦略に基づき、メディア事業においては圧倒的なトラフィックやSNS発信力といった規模の活用と高付加価値サービス投入による収益基盤拡大に向けた事業展開、ソリューション事業においては情報系ソリューション・システム系ソリューションの更なる進化に加え、資産形成層拡大に寄与するための新規金融サービスといった深掘りに向けた事業展開を効率的かつ機動的に推進するため、グループ体制の再構築を図ってまいります。
メディア事業につきましては、2023年4月1日付で、株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイドのメディア事業部門を株式会社ライブドアに統合するとともに、株式会社ライブドアが株式会社ALISを吸収合併いたしました。またソリューション事業につきましては、2023年4月3日付で設立いたしました株式会社ミンカブソリューションサービシーズに、株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイドのソリューション事業部門を2023年7月1日付で統合いたします。
2024年3月期以降の収益性の改善策につきまして、メディア事業におきましては株式会社ライブドアの収益貢献が通期に亘ること、カニバリゼーション解消施策によるアフィリエイトサイトの収益回復、ソリューション事業においては情報系ソリューションサービス大口契約の通期貢献、根強いDXトレンドを背景としたシステム系ソリューションサービスの進展等による大幅増収・大幅増益をベースとし、前述のグループ組織再編基本方針に基づくグループ全体の人的リソースの再配置や各種の最適化を行うことで大幅なコスト削減と将来に亘るコスト抑制を実施いたします。具体的には、金融メディア事業の人的リソースのグループ内リバランス施策による将来の人員増抑制、9,000万規模のメディアパワーを活かしたグループ内マーケティング・プロモーション展開による広告宣伝コストの大幅削減、グループ内資産の機能統合や再整理による減価償却費の圧縮及び金融メディア事業の開発投資抑制による将来の減価償却費削減を始め、短期的な収益性改善策を即座に実行いたします。
2024年3月期連結業績予想といたしましては、メディア事業においては株式会社ライブドアの通期貢献に加え、堅調な市場ニーズを背景としたソリューション事業の着実な増収、また業績V字回復のための各種合理化施策やグループ内のリソース最適化策等により、売上高は11,000百万円(2023年3月期比60.9%増)、営業利益は1,000百万円(同795.4%増)、経常利益は940百万円(2023年3月期は207百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は株式会社ライブドアの税務上ののれんに関する回収可能性の見直しによる法人税等調整額の計上を見込み、900百万円(前期比23.9%増)の予想であります。また、営業利益に減価償却費、のれん償却額を加えた計画上のEBITDAは2,200百万円(同115.8%増)を見込んでおり、いずれも過去最高を更新する計画であります。なお、業績のV字回復に向けた各種合理化施策を進めておりますが、メディア事業の収益力回復スピード、ソリューション事業における季節性に加え、事務所拡張に関する一時費用の計上等を鑑み、2024年3月期におきましても下期偏重の業績を計画しております。
前述いたしました今後の事業戦略に基づくグループ中期業績目標は以下のとおりです。
|
|
2025年3月期 |
2026年3月期 |
|
連結売上高 |
14,000百万円(27.3%増) |
17,000百万円(21.4%増) |
|
連結営業利益 |
1,800百万円(80.0%増) |
3,000百万円(66.7%増) |
|
連結営業利益率 |
12.9%(3.8%増) |
17.6%(4.8%増) |
|
EBITDA |
3,000百万円(36.4%増) |
4,400百万円(46.7%増) |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
1,000百万円(11.1%増) |
2,000百万円 (100%増) |
(3)優先的に対処すべき事業上、財務上の課題
今後当社グループが成長を遂げていくための優先的に対処すべき事業上、財務上の課題及びこれらへの対処方針は以下のとおりであります。
① 提供サービスを支えるテクノロジーの追及
当社グループが提供するサービスは、その大半がインターネットを利用したサービスであり、これらを支える技術は日々進化しております。技術力に裏打ちされたシステムの安定稼働はもとより、ユーザーがいつでもどこでもストレス無く利用できる環境の提供、提供コンテンツの速報性や網羅性並びに正確性等、コンテンツの拡充はサービスの品質の維持・向上は不可欠と認識しております。係る課題に対処するため、生成AI等を含む最新技術の活用や技術力の強化のためのシステム開発等への投資及び技術者等育成のための投資を継続的に行い、テクノロジーの発展を追求してまいります。
② 情報管理の品質の維持向上
当社グループはユーザー情報を含む各種情報資産を保有しております。これらの情報資産の適切な管理は、サービスを安心して利用頂くための基本であると認識し、情報管理の品質の維持向上を図ってまいります。また、メディア事業においては多くのUGC(User Generated Content)を提供すること、更にユーザー同士のコミュニケーションが発生すること、また若年層の利用も多いこと等に鑑み、情報モラルの維持に配慮したモニタリングをおこない、コンテンツ提供者及び利用者双方の保護のための適切な措置を随時講じる等、サービスの安全性及び健全性の確保に努めてまいります。
③ 収益基盤の強化・拡大
当社グループの売上高は堅調に推移しているものと考えておりますが、収益基盤の強化・拡大は継続的な経営課題と認識しております。特に、2023年3月期におきましては、世界的なインフレ抑制のための高金利政策による景気減速に伴う広告市場への悪影響や、不安定な金融情勢を背景とした金融各社の業績悪化、さらにはウェブ検索エンジンの仕様変更等の外的要因による悪影響を受けました。2024年3月期に向かっては、メディア事業では、株式会社ライブドアのグループ化により大幅な収益拡大が見込まれるものの、更なる広告収益基盤の拡大に加え、課金サービスを含む高付加価値なユーザーサービス等による新たな収益基盤の確立を図ってまいります。ソリューション事業では、金融機関向けには情報系ソリューションの着実な浸透に加え2023年3月期に開始したシステム系ソリューションの顧客基盤拡大、資産形成を支援するための新たな金融サービス展開等、金融市場の健全な発展を促すとともに、当社事業におけるスケールとスコープの双方を拡大し市場環境等の影響を受けにくい、収益基盤の強化を図ってまいります。
④ 経営資源の最適配分と効率的運用
当社グループは、事業の拡大に則した組織体制と人員確保を進めると同時に、限られた経営資源を有効に活用するべく、業務執行の組織横断的連携と集中管理体制を構築しております。2023年3月期におきましては、Next Stageに向けた変革プロセスの一環として株式会社ライブドアを始め積極的なM&A戦略を実行するとともに、システム系ソリューションサービスへの進出、高収益化に向けた各種合理化施策等、持続的な成長に向けた経営課題対策を実施してまいりました。中期的な目標としておりました売上高100億円の達成がほぼ確実視できる状況となり、さらに次の成長ステージへのマイルストーンとすべく、中期計画を策定し、2023年5月15日に「中期計画の策定に関するお知らせ」を公表いたしました。当社グループは、中期計画の達成に向け、組織集約と権限委譲を進め、グループ事業戦略推進のための機動力を高める目的でメディア事業、ソリューション事業を各事業運営会社が主体となって展開し、当社は主としてこれらを統括する体制へと移行してまいります。グループ内の経営資源を最適に配分し、迅速な業務執行と集中管理体制を構築し、グループ全体として生産性の高い効率的な事業運営を図ってまいります。
⑤ 人材の確保及び育成
当社グループは、自律的な成長のためには、当社の理念に共感し高い意欲を持つとともに自律的成長が可能な優秀な人材の採用及び確保、並びにその育成は重要であると認識しております。そのため、多様な働き方の整備や福利厚生・社内教育体制の充実等、従業員が高いモチベーションを持って働くことのできる環境の整備を継続して推進してまいります。
⑥ ガバナンス及び内部管理体制の強化
当社グループは、持続的成長を遂げるためには、事業執行とガバナンスのバランス、並びに経営上のリスクを適切に把握しコントロールするための内部管理体制の強化が重要であると認識しております。そのため、社外取締役や監査等委員への報告体制の強化、監査等委員会と内部監査室並びに会計監査人による実効性ある三様監査を推進するとともに、グループ役職員向けコンプライアンス研修の実施等を通じた個々人への意識づけ並びに内部監査室による定期的監査を継続的に実施してまいります。
⑦ ESGへの取組の強化
当社グループは、ESGへの継続的取り組み及び強化は持続的成長を遂げるための経営課題であると認識しております。そのため、サステナビリティ委員会を設置し、ESGを含むサステナビリティ経営に対する基本方針、施策の決定等を行うこととしております。環境に対しては、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)による提言への賛同を表明し、TCFDコンソーシアムへ加入しています。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組みは以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社が判断したものであり、様々な要因により実際の結果と異なる可能性があります。
当社は、「情報の価値を具現化する仕組みを提供する」をミッションに掲げ、テクノロジーを活用した新たな情報提供の在り方を実現することで豊かな社会の構築に貢献し、持続可能な社会の実現と当社の持続的な成長に努めております。
(1)サステナビリティについての取組み
① ガバナンス
当社は、サステナビリティ経営に対する基本方針や施策の決定等を行う機関として、サステナビリティ委員会を設置しています。サステナビリティ委員会は、代表取締役社長を委員長に、上級執行役員(上級執行役員である取締役を含む)により構成し、サステナビリティ経営の最高意思決定機関と位置付けることで、様々な取り組みに対し、戦略的かつスピード感をもった意思決定を行う体制を構築しております。また、原則として四半期毎に、取締役会に対しサステナビリティ全般に係る推進状況を報告します。
<サステナビリティの推進体制図>
② 戦略
サステナビリティの課題(マテリアリティ)の特定にあたっては、当社グループと関係の深い社会的課題を、社会的課題への貢献・ステークホルダーの期待と、当社グループの成長の影響度と2つの視点で時間軸も加味して評価し、重要度の高い課題を抽出しております。
当連結会計年度におきましては、株式会社ライブドアの子会社化により、当社グループの事業スコープが投資家層中心から生活者へ、金融経済情報中心からあらゆる情報分野へと大きく拡大したことから、マテリアリティの見直しを行い、「生活者に価値ある情報提供・体験の創出」を追加いたしました。社会の様々なテーマと繋がり、生活や社会の変化にも寄与するべく、テクノロジーを活用し新たな価値を生み出してまいります。
当社グループはこれらのマテリアリティの解決を通じて持続可能な社会の実現と当社グループの成長並びに企業価値の向上に取り組んでまいります。
<マテリアリティ>
事業を通じた社会的課題の解決と価値創造
・生活者に価値ある情報提供・体験の創出(主としてメディア事業)
・金融市場のイノベーティブかつ健全な発展(主としてソリューション事業)
・テクノロジーの追及と活用(両事業共通)
持続可能な社会への寄与と事業成長のための経営基盤
・人材の育成と多様な働き方の推進
・公正かつ透明性の高いガバナンスの維持強化
・気候変動に対する対応
③ リスク管理
当社では、全社的なリスクマネジメント体制についてリスク管理規程を定め平時有事のリスク管理体制等について定めております。サステナビリティ委員会では、サステナビリティに関するリスク・機会の再検討並びに評価分析を行うものとし、コンプライアンス委員会や経営会議と有機的に連携し、全社的なリスクマネジメントへと統合しております。
(2)気候変動に関する事項
当社は2021年8月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)による提言への賛同を表明し、TCFDコンソーシアムへ加入いたしました。今後も環境に配慮した事業活動を継続することで、持続可能な社会の実現への貢献と、当社グループの成長を図ってまいります。
① ガバナンス
当社は、気候変動への対応をマテリアリティに位置づけ、サステナビリティ委員会によりモニタリングを行うこととしております。
② 戦略
気候変動が及ぼすリスクとには、政策や規制及び社会的要請の変化による移行リスクと、気温の上昇や自然災害による物理リスクに区分し、当社グループの事業活動への影響を認識いたしました。当社グループの事業活動への影響を把握するため、今後、シナリオ分析の実施を検討してまいります。
|
分類 |
要因 |
事業活動への影響 |
|
|
移行リスク |
市場 |
顧客・ユーザーニーズの変化 |
顧客・ユーザーの関心の高まりに対し、当社のサービスやプロダクトの提供が遅れた場合の、顧客・ユーザー離れ |
|
評判 |
開示不足等による企業価値の毀損 |
気候変動に対する市場の要請に対し、当社の対応が不十分だった場合の、当社のブランドや信用力の低下 |
|
|
物理リスク |
急性 |
自然災害等による被害 |
当社グループ事業所やインターネット環境に被害があった場合の、サービスの停止や各種データの消失及び復旧コスト |
|
機会 |
移行 |
顧客・ユーザーニーズの変化 |
気候、環境関連情報のニーズに沿った適時適切な提供による顧客・ユーザーの信頼及び社会活動への貢献 |
③ リスク管理
当社グループでは、気候変動に起因する物理的リスクや移行リスクが中長期にわたり当社グループの事業及び財務内容に影響を与えることを認識し、マテリアリティに織り込むとともに、サステナビリティ委員会にてモニタリングすることとしております。また、当社グループでは、リスク管理は健全かつ安定的な経営の維持に不可欠であることから、リスク管理体制を定める規程を制定しており、当該リスク管理体制の下、サステナビリティ委員会、コンプライアンス委員会及び経営会議が有機的に連携し、経営上の重要なリスクにつき、統合的なリスク管理プロセスに組み入れており、気候変動に起因するリスクにつきましてもこれに含めております。
④ 指標及び目標
当社グループは省エネルギー、省資源への取り組みを継続して実施し、ペーパーレス化を進めるとともに、グリーン購入法適合商品を完全導入しております。また、事業活動による使用電力を100%再生可能エネルギーにする取組を行っております。今後もネットゼロへの取り組みを継続してまいります。
(3)人的資本に関する事項
当社グループは、持続的な成長のためには、当社の理念に共感し高い意欲を持った優秀な人材の採用及び確保、並びにその育成は重要であると認識しております。そのため、性別や国籍、価値観にとらわれず、一人ひとりの個性を生かすダイバーシティ&インクルージョンを重視し、ジェンダーや高齢者、障碍者等によらず働きやすい環境整備に努め、多様な働き方の整備や福利厚生の充実を図るとともに、啓蒙活動を含めた教育体制の充実を図っております。個々人の自己の成長と当社グループへの貢献が相互にリンクすることを実感することで、高いモチベーションを持って自律的に働くことのできる環境の整備を継続して推進してまいります。
① 人材育成と労働環境の整備
採用においては、インターンからの新卒採用や、様々なスキルや資格を有し即戦力のある中途採用、更に豊富な経験を有するシニアクラスの採用も行い、多様性のある組織集団を組成しております。
また、多様性のある組織集団において、年齢や性別、障がいの有無、ライフイベントやライフスタイルによらず、それぞれが持てる能力を発揮し柔軟な働き方が出来る環境の構築を目指し、フレックスタイム制度やテレワークの活用、子育てや介護に配慮した制度等を導入しております。
同時に、自ら考え行動する自律性を促す育成を重視し、学びの向上心を支える教育制度を充実するとともに、発揮された成果や貢献は、複数の評価者により公正に昇給昇格等の処遇に反映することといたしております。
更に、従業員の健康管理は人的資産確保の重要な要素と捉え、定期健診やストレスチェック、産業医の活用の他、定期健診での再検査費用の一部負担等、従業員の健康維持増進への取り組みを行っております。
② 指標及び目標
|
項目 |
2023年3月期(実績) |
中期目標 |
|
女性管理職の割合 |
22.3% (従業員に占める女性比率37.8%) |
従業員の男女比率と同等 |
|
女性の産休・育休後復帰率 |
-% |
100%の維持 |
|
男性育児休業取得率 |
-% |
100% |
|
e-learning 受講時間数(人) |
2時間32分 |
20時間 |
以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、潜在的リスクや不確定要素はこれらに限られるものではありません。
(1)事業の環境、外部環境
① 広告市場の動向について
当社グループは、株式会社ライブドアのグループ化により、9,000万人規模の月間利用者数を誇る総合メディア事業者となっております。メディア事業の売上の大半は広告売上であり、広告市況の影響を受けやすい環境にあります。当社グループでは、課金モデルを始めとする収益モデルの多様化施策を通じ、収益の安定化に努めてまいりますが、急激かつ大幅な景気の減速や市況変動が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 金融市場の動向について
当社グループのソリューション事業は主に金融・経済情報を商材として金融機関等を対象に事業を展開しているため、景気の減速や急激な市況変動等の事態が発生した際には、金融機関の広告出稿、並びに金融機関による当社グループのソリューションプロダクトへの投資等の事業活動が大きく減退する可能性があります。当社グループでは、商材の拡充や販売チャネル・顧客層の拡大、収益モデルの多様化やTAM(Total Addressable Market)の拡大等の施策を通じ、収益の安定化に努めておりますが、急激かつ大幅な景気の減速や市況変動が生じた場合には、個人投資家による口座開設数や課金サービスの利用、又は金融機関からの受注量等が減少し、また、これらの事象が同時に発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 競合について
当社グループのメディア事業は、9,000万人規模の月間利用者数を誇り、投資情報サイトにおいては投資家の予想データ等のクラウドインプットとAIの融合によって生成される独自性の高いコンテンツを有しており、競争優位なポジションを確立していると考えております。また、ソリューション事業においては、メディア事業の優位性を活かした提案を行うことで他社との差別化を図っており、競合の要素は少ないと考えております。当社グループでは、継続して蓄積されるノウハウや発展する独自性による強みを市場のニーズに照らし適切に活用することで、競合要素の排除及び強固なポジションの維持に努めております。しかしながら、今後、他社が当社グループと異なるアプローチで独自のノウハウを蓄積し、当社グループが提供するサービス領域での競合となった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、事業拡大の中で新たに展開する事業について、類似サービスに対する差別化が十分に実現できなかった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 技術革新について
当社グループのサービス展開の基礎となるインターネットや当社の強みであるAI等を活用した情報配信の自動化の分野においては技術革新が激しく、また、それに伴う顧客のニーズも常に変化をしております。当社グループもこれらの変化に迅速に対応すべく、最新の技術に対応したサービスやプロダクトの開発を推進しております。しかしながら、今後、当社グループの想定外の急激な技術革新により、その対応に遅れが生じた場合、当社グループの有する技術サービスの陳腐化が顧客への訴求力の低下などに繋がり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)事業上のリスク
① システム及びサービスの不具合について
当社グル―プの事業は、主にクラウドサーバーを中心とするコンピュータシステムからインターネットを介して顧客にサービス提供しているため、これらのサービスにおいては、システムの冗長化等、安定稼働のための対策を講じております。しかしながら、機器の不具合、自然災害、コンピュータウイルス等によるコンピュータシステムや通信ネットワークの障害、不正なアクセスによるプログラムの改ざん等により、サービスに不具合が発生した場合、顧客に機会損失又は利益の逸失を生じさせる可能性があります。さらにそれらが当社の責による重大な過失の場合、損害賠償請求や著しい信用力の低下等につながり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② サイト運営の健全性について
当社がグループメディア事業にて提供する情報サイトは、UGC(User Generated Content)メディアやユーザーがコメント等を投稿することが可能なサイトを含んでおり、誹謗中傷など健全性を欠くコンテンツやコメントが投稿される可能性あります。当社グループでは、サイト運営に関して利用規約をサイト上に明示し、サービスの適切な利用を促すように努めるとともに人的・機械的の両面で恒常的に監視し、利用規約に違反する不適切なコンテンツや投稿データについては削除等、健全なサイト運営を維持しております。しかしながら、不適切な投稿に対して当社グループが十分な対応ができない場合には、当社グループがサイト運営者としての信頼を失い、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 検索サイトの仕様変更について
当社グループのメディア事業では、ウェブ検索エンジンの最適化を主なユーザー獲得ルートとしております。当社では、ユーザーに資する良質なコンテンツを提供することを基本に、検索の動向等を調査分析する体制を構築し、ユーザーの検索ニーズへの対応に努め、好位置への掲載に努めております。しかしながら、Google LLCを始めとした検索エンジンの仕様変更が、当社グループの想定を超える大幅かつ急激なものであった場合等において、当社グループの分析・対策が十分かつ適切に行われない場合には、検索によるユーザーの獲得が低迷し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ ユーザーの継続率について
当社グループのメディア事業にとって、ユーザーの継続率は重要な要素であり、ユーザーの利便性の向上やコンテンツを含めた良質な情報の拡充等の施策を通じて、継続率の維持向上を図っております。しかしながら、施策の見誤り等により継続率が想定を大きく下回る事態が続いた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 契約の継続について
当社グループでは、各種ニュースや、株価データ、企業の決算情報等の配信情報の一部を証券取引所をはじめとした第三者から取得しております。当社グループは、安定的な仕入れ先の確保、及びニーズの変化に則した情報やサービスの提供を通じ販売先との継続的かつ良好な取引関係の維持に努めておりますが、先方事由等により、これら仕入れ及び販売における契約の中止や取引条件等に大きな変更が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 法的規制等について
グループ子会社である株式会社ミンカブアセットパートナーズは金融商品仲介業登録事業者であります。許可・登録要件に違反した場合等には、許可・登録の取消、事業停止命令又は事業改善命令を受けることがあります。当社グループは、今後もコンプライアンスの推進及びリスク対策に十分努めてまいりますが、万一、何らかの理由により許可・登録の取消等があった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが行っているその他の事業に係る直接的かつ特有の法的規制はありません。当社グループは、事業領域における法令また自主規制等の制定、改正、改定あるいは社会情勢の変化による既存の法令解釈等の変更に対し、情報収集のうえ、早期に対策を講じられるよう努めておりますが、今後、インターネットの利用を制約するような規制、インターネット広告の分野での新たな法規制、業界内での自主規制が求められた場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、証券等の金融商品情報を中心に事業を展開しているため、金融業界をとりまく法令や規則の改正、慣行や法令解釈等変更があった場合、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 知的財産権について
当社グループが提供しているサービスに使用する商標、ソフトウエア、システム等について現時点において、第三者の知的財産権を侵害するものはないと認識しております。今後も、権利侵害を回避するための監視・管理等を行っていく方針であり、知的財産権の保護についてはコンプライアンス基本方針に明記してこれを周知徹底し、知的財産権に関する社内教育に努めておりますが、当社グループが認識していない知的財産権がすでに成立している可能性や、使用しているフリーソフトウエアが第三者の知的財産権を侵害している可能性等から、当社グル―プによる第三者の知的財産権の侵害が生じる可能性があり、その第三者より、損害賠償請求、使用差し止め請求及びロイヤリティの支払い請求等が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績、並びに信用力に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 情報管理体制について
当社グループでは、当社グループが提供するサービスの利用者を識別できる情報や顧客が保有する個人情報を知り得る場合があります。当社グループではこれらの個人情報を取り扱う際の個人情報取扱規程を制定するとともに、社内教育を徹底する等、個人情報の保護に積極的に取り組んでおります。しかしながら、外部からの不正アクセスや人為的ミス等により知り得た情報が漏洩した場合には、当社グループの社会的信用の失墜等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ カスタマイズ開発に関するリスク
当社グループではソフトウエア開発に関し、自社製品、外部販売によらず、ソフトウエア開発プロジェクトに関する期間や費用の見積り及び将来収益計画につき適宜定期的に進捗状況や妥当性の確認を行い、当初計画からの乖離が生じないよう管理体制を構築しております。しかしながら、顧客のニーズによる開発途中の要件変更や品質改善要求、開発遅延等により当初計画どおりの納品又は役務提供がなされなかった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 企業買収、合弁事業及び戦略的提携等に係るリスク
当社グループは、企業価値を向上させるために必要な技術や事業等の獲得が、事業の成長を加速させる有効な手段となる場合は、他企業の買収や事業の合弁、外部パートナーとの戦略的提携を検討する可能性があります。これらの実施に際しては、市場動向やニーズ、対象企業の財務・法務・事業等、当社グループの事業ポートフォリオ等のリスク分析結果を十分に吟味し正常収益力を分析した上で行います。しかしながら、事前の調査・検討にも関わらず、買収等実施後の市場環境の著しい変化や偶発債務の発生、未認識債務の判明等、事前の調査で把握出来なかった問題が生じた場合、また、買収した企業が計画どおりに進展することが出来ず、投下した資金の回収が出来ない場合等において、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)組織関連
① グループの組織体制について
当社は、当連結会計年度末において、子会社6社(前期末比3社増)、その従業員数はグループ合計で188名(同4名増)であります。当社グループでは企業価値の持続的な増大を図るにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であるとの認識のもと、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、さらに健全な倫理感に基づく法令遵守の徹底が必要と認識しており、今後の事業規模の拡大及びその速度に応じて内部管理体制の一層の充実を図っていく方針であります。しかしながら、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 人材の獲得及び育成について
当社グループは、継続的な成長の実現には、当社グループの理念に共感し高い意欲を持った優秀な人材を継続的に雇用し、育成していくことが重要であると考えており、教育制度の充実、ワークライフバランスや多様な働き方を支える各種制度の整備など社員が働きやすい社内環境の構築に努め、採用活動においては人材紹介サービスも活用しております。現時点では、人材確保に重大な支障を生じる状況にはないものと認識しておりますが、当社グループの求める人材の確保に支障が生じた場合には、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)その他
① ストック・オプションについて
当社は、当社の役職員に対してインセンティブを目的としたストック・オプションを付与しており、これらストック・オプションが権利行使された場合、発行済株式数が増加し、株式価値が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日現在の潜在株式数は、254,800株(自己保有新株予約権137個に相当する潜在株式13,700株を除く)であり、発行済株式総数の1.70%に相当します。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度の経営成績は、売上高が6,836,274千円(前期比24.7%増)、営業利益は111,683千円(前期比 87.2%減)、経常損失は207,709千円(前連結会計年度は828,614千円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純利益は726,380千円(前期比4.4%増)、また当社グループにおいて継続的な成長の指標の一つとして重視している EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)は1,019,420千円(前期比33.8%減)となりました。
売上高につきましては、メディア事業において、アドネットワーク広告を中心に世界的な広告市場の減速の煽りを受けたことに加え、成果報酬型広告ではウェブ検索エンジンの仕様変更の影響を受け売上が落ち込んだものの、株式会社ライブドアの連結子会社化による貢献並びにソリューション事業の順調な成長継続により、過去最高を達成いたしました。一方で営業利益につきましては、ソリューション事業におけるセールスミックスの悪化や、中期的な成長の加速に向けた人員の拡大、新規サービスの投入及びサービス拡張に伴う初期開発、データ・ライセンス費用等の先行投資等、短期的な期間利益圧迫要因により、前期比大幅な減少となりました。
また、次の成長ステップに向けたM&A戦略を積極的に展開し、大型案件を含む複数のM&Aを実施したことに伴い、M&A資金調達のためのシンジケートローン組成手数料やM&A付随費用等が発生し、これらを営業外費用に計上いたしました。
特別損益といたしましては、グループの事業戦略推進のための柔軟かつ機動的経営の強化を目的としたグループ再編の一環として、2023年3月30日付で、連結子会社であるProp Tech plus株式会社の当社保有株式の全部を株式会社東京カンテイに譲渡し、子会社株式売却益を特別利益に計上する一方、不採算サービスや開発案件の見直しによる固定資産の一部除却や減損処理、並びに、一部マイノリティ出資先の評価損失を特別損失に、それぞれ計上いたしました。これらの結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、過去最高益を達成いたしました。
当連結会計年度における報告セグメント別の状況は次のとおりであります。なお、当連結会計年度におきましては、2022年5月1日付で株式会社ミンカブWeb3ウォレットを、2022年10月4日付で株式会社ALISを、2022年12月28日付で株式会社ライブドアをそれぞれ連結子会社化しております。また、2023年3月31日付で株式会社ライブドアが株式会社コーエーテクモホールディングスより同社が保有するCWS Brains株式会社の全株式を取得し、完全子会社といたしました。本CWS Brains株式会社のグループ化と合わせ、当社は当社の既存ユーザーと合わせて9,000万人規模のユーザー基盤を有する国内有数のネットメディアグループとなりました。
(メディア事業)
当連結会計年度におきましては、2022年12月28日付で子会社化(みなし取得日は2022年12月31日)した株式会社ライブドアが連結収益に貢献しましたが、既存の金融情報メディアでは、ウェブ検索エンジンの仕様変更等に関連し、主力アフィリエイトサイトが競合しあう、所謂カニバリゼーションが発生したことから、両サイトともに検索順位が大幅に低下し、高利益率の成果報酬型広告売上は前期を下回る水準で推移いたしました。なお、当該カニバリゼーションにつきましては 、2022年12月よりライフスタイル全般を対象としたアフィリエイトサイト「livedoor Choice」を立ち上げ、競合状態となっていたアフィリエイトを「livedoor Choice」(https://www.livedoor.com/choice/)に移管する対策を講じ、既にその効果が確認できております。また課金収入では、課金有料サービスから得るサブスクリプション型収入による月額利用料が堅調に推移したことに加え、資産形成管理ツール「MINKABU ASSET PLANNER」の法人向けOEM提供による初期導入売上を計上いたしました。一方で中長期的な成長に向けた人的基盤の整備のための人件費、米国株情報をはじめとした新規機能やサービスの開発による自社資産ソフトウエアの減価償却費及び運用費等を中心とした固定費が増加いたしました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は2,871,911千円(前期比22.0%増)、セグメント利益は223,493千円
(前期比70.1%減)となりました。
※「ライブドアブログ」「ライブドアニュース」「Kstyle」「MINKABU(みんかぶ)」「Kabutan(株探)」「超 WORLDサッカー!」の2022年4月~2023年3月の月間平均利用者数合計値。「ライブドアブログ」については同期間におけるデイリー閲覧者数の平均値。
(ソリューション事業)
当連結会計年度におきましては、情報系ソリューションサービスは既存顧客による大口契約の追加や米国株ソリューションサービス等の利用拡大に加え、当期より提供を開始したシステム系ソリューションにおけるコンサルティング大型案件の獲得及び連結子会社のProp Tech plus株式会社が引き続き順調に収益増へ貢献いたしました。一方で情報系ソリューションサービスにつきましては、米国株ソリューション等新規サービス開始に伴う減価償却費、データ購入費・ライセンス料、外注費の増加といった先行投資が継続する一方、顧客金融機関の業績悪化等を背景に、顧客への導入が想定よりも遅れたことにより、システム系ソリューションが売上牽引するも、情報系ソリューションに比較して粗利率が低いため、期中でのセールスミックスが悪化し、一時的に利益率が低下しております。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は4,005,648千円(前期比27.2%増)、セグメント利益は762,227千円
(前期比3.0%減)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は6,567,672千円となり、前連結会計年度末に比べ1,741,939千円の増加となりました。これは主に、現金及び預金が937,788千円増加したこと、売掛金が119,964千円増加したこと、その他流動資産に含まれる前渡金及び前払費用等が合計で688,228千円増加したことを要因としたものであります。
固定資産は9,967,214千円となり、前連結会計年度末に比べ5,035,109千円の増加となりました。これは主に、連結子会社の異動(具体的に、株式会社ミンカブWeb3ウォレット、株式会社ライブドア、株式会社ALIS並びにCWS Brains株式会社を連結子会社化し、Prop Tech plus株式会社の当社持分を譲渡したこと)を主因としてのれんが 2,632,617千円増加したこと、株式会社ライブドアの連結子会社化により顧客関連資産が2,950,913千円増加したこと、マイノリティ出資先案件に関する減損処理に伴い、投資有価証券が333,424千円減少したことを要因としたものであります。
これらの結果、資産合計は16,534,886千円となり、前連結会計年度末の9,757,836千円から6,777,049千円の増加となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は1,926,474千円となり、前連結会計年度末に比べ984,312千円の増加となりました。これは主に、株式会社ライブドアの連結子会社化を目的としたシンジケートローン契約に基づく借入実行を主因として、1年内返済予定の長期借入金が407,612千円増加したこと、株式会社ライブドアの連結子会社化を主因として、その他流動負債に含まれる未払費用等が合計で436,427千円増加したことを要因としたものであります。
固定負債は6,752,500千円となり、前連結会計年度末に比べ5,380,329千円の増加となりました。これは主に、株式会社ライブドアの連結子会社化を目的としたシンジケートローン契約に基づく借入の実行及びProp Tech plus株式会社の株式譲渡による関連する長期借入金を期限前弁済の実行を主因として、長期借入金が5,456,297千円増加したことを要因としたものであります。
これらの結果、負債合計は8,678,974千円となり、前連結会計年度末の2,314,332千円から6,364,642千円の増加となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は7,855,911千円となり、前連結会計年度末の7,443,504千円から412,407千円の増加となりました。これは主に、当連結会計年度において親会社株主に帰属する当期純利益726,380千円を計上したこと、役職員による新株予約権の行使により資本金及び資本準備金がそれぞれ19,100千円増加したこと、一方で資本剰余金を原資とする普通配当により資本剰余金が357,784千円減少したことを要因としたものであります。
これらの結果、自己資本比率は47.0%(前連結会計年度末は75.2%)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ937,788千円増加し、4,463,954千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動のキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、772,229千円の収入(前期は1,290,250千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が1,246,013千円となったことに加え、成長投資に伴うソフトウエアの減価償却を中心とした減価償却費合計が760,302千円、のれん償却額が147,434千円、減損損失が250,385千円、有価証券評価損が216,360千円、売上債権の減少額が733,395千円、その他の流動負債の増加額が272,176千円となった一方で、子会社株式売却益が1,935,623千円となったこと、その他の流動資産の増加額が679,688千円、法人税等の支払額が238,637千円となったことを要因としたものであります。
(投資活動のキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、5,370,270千円の支出(前期は1,361,562千円の支出)となりました。これは主に、ソフトウエア開発投資を中心とした無形固定資産の取得による支出が1,050,024千円、株式会社ライブドア、株式会社ALIS並びにCWS Brains株式会社の連結子会社化により連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が7,457,921千円となった一方で、Prop Tech plus株式会社の当社持分株式を譲渡したことに伴う連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入が3,032,637千円となったことを要因としたものであります。
(財務活動のキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、5,535,830千円の収入(前期は1,750,436千円の収入)となりました。これは主に、株式会社ライブドアの連結子会社化を目的とした金融機関からの借入等により長期借入れによる収入が 8,222,582千円となった一方で、Prop Tech plus株式会社の当社持分の株式譲渡に伴う金融機関からの同社買収資金の期限前一括弁済を含む長期借入金の返済による支出が2,566,091千円、配当金の支払額が357,253千円となったことを要因としたものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループの事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループは受託開発を行っておりますが、受注から開発・納品までの期間が短いため、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|
|
販売高(千円) |
前年比(%) |
|
|
メディア事業 |
2,871,911 |
122.0 |
|
ソリューション事業 |
3,964,363 |
126.7 |
|
合計 |
6,836,274 |
124.7 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
株式会社インタースペース |
920,530 |
16.79 |
- |
- |
3.当連結会計年度の株式会社インタースペースに対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度におきまして、ソリューション事業では、従前の情報系ソリューションによる既存ラインナップのストック収入の拡大に加え、大口の汎用系情報ソリューションサービスを開始したほか、スケールを伴いながら新たな領域にスコープを拡大する付加価値の高いシステム系ソリューション領域への参入等により、引き続き安定的に成長を継続いたしました。しかしながら、システム系ソリューションに比べ利益率の高い情報系ソリューションサービスにおいて、米国株ソリューション等新規サービス開始に伴う減価償却費、データ購入費・ライセンス料、外注費の増加といった先行投資の継続に加え、顧客金融機関の業績悪化等を背景に、顧客への導入が想定よりも遅れたことにより、期中でのセールスミックスが悪化し、一時的に利益率が低下いたしました。さらにメディア事業におきましては、世界的な広告市場の成長減速に加え、当社がこれまでに成果報酬型広告の主なユーザー獲得ルートとしておりましたウェブ検索エンジンの最適化を通じた安定的な高位置掲載施策が、検索エンジンの仕様変更等に関連して主力アフィリエイトサイト(minkabu.co.jpとminkabu.jp)の間にカニバリゼーションが発生したことにより、両サイトともに検索順位が大幅に低下し、比較的利益率の高い成果型報酬広告売上を中心に悪影響を受けることとなりました。また、「Kabutan(株探)Premium」を始めとしたサブスクリプション型サービスによる課金収入につきましては、前期比較で堅調に推移しているものの、株式市況の低迷に加え、世界的原材料や燃料費等の価格上昇により国内においても歴史的な物価上昇率を記録している状況下、各種ユーザー獲得施策が当初見込んだ効果を生む状況には至りませんでした。
このような状況下、当連結会計年度におきまして、メディア事業につきましては株式会社ライブドアのグループ化によるメディア事業収益規模の拡大や広告収益基盤の多様化、アフィリエイトサイトのカニバリゼーション解消対策を、またソリューション事業につきましては、情報ソリューションサービスにおけるメイン情報ベンダー化の進展、システム系ソリューションサービスによる金融ソリューション顧客基盤の拡大、株式会社ミンカブWeb3ウォレットによるNFTを利用したWeb3ソリューションの立ち上げ等、一連の事業環境の変化による影響を一時的とするための各種対応を迅速、且つ順調に進めてまいりました。さらにグループ内資産の機能統合や再整理による減価償却費の圧縮及び金融メディア事業の開発投資抑制による将来の減価償却費削減を始めとする短期的な収益性改善策を即座に実施し、業績のV字回復に向け着実な対応を行っております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源及び資金の流動性は、主に営業活動による純現金収入によります。このため、当社では、経営上の目標の達成状況を判断するための指標として売上高の他、簡易的なキャッシュ・フロー指標であるEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)を重視しております。EBITDAは、ソフトウエアを中心とした成長投資に係る減価償却費やM&A等によるのれん償却額を除いた収益力を示すものであり、当社の事業形態や経営戦略に則した実質的な収益力を測る有効な指標と考えております。
当社グループにおきまして、定常的に発生するメディア事業並びにソリューション事業の自社利用ソフトウエアへの開発投資に対しては、基本的には営業キャッシュ・フローで対応し、一部金融機関からの借入等を行っております。また、2023年3月期におきましては、株式会社ライブドアの子会社に関する資金調達のため、総額71億円のタームローンを実行しております。また当社は、長期借入金に加え、銀行融資枠(コミットメントライン)を設けており、都度の資金需要により、必要に応じてこれらの活用を行っております。
その他キャッシュ・フローの状況につきましては「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。また、連結財務諸表の作成にあたっては、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性のある見積りや予測を行っており、見積りの不確実性による実績との差異が生じる場合があります。なお、新型コロナウイルス感染症による影響については、現時点において、限定的と判断していることに加え、影響がある場合においても、その影響には不確定要素が多く、現時点で見通すことが困難なため、見積りには含んでおりません。
当連結会計年度における当社グループの連結財務諸表の作成に係る重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載をしておりますが、連結財務諸表作成の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(株式会社ライブドアに係るのれん及び顧客関連の評価)
これらの詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
(株式会社ミンカブWeb3ウォレットの株式取得)
当社は2022年4月11日付で、企業がブロックチェーンを基盤としたネットワークであるWeb3を推進するためのソリューション事業への参入を決定し、株式会社BANQ(以下「BANQ」、本社:東京都港区、代表取締役:髙橋宗貴)がNFT部門を新設分割して設立した株式会社WEB3 WALLETが行う第三者割当増資の引受けにより、同社発行の株式の総議決権の過半数を取得し、同社を連結子会社化することについてBANQと投資契約を締結いたしました。2022年5月1日付での同社の連結子会社化とあわせまして、社名を株式会社ミンカブWeb3ウォレットに変更しております。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」をご参照ください。
(シンジケートローン契約)
当社は2022年6月27日付で、当社の継続した成長に必要な運転資本を確保するべくコミットメントライン枠の拡大を行うとともに、金利コストの効率化を図り強固な財務基盤の構築を目的として、株式会社三菱UFJ銀行が提供する「ポジティブ・インパクト・ファイナンス」を通じ、同行をアレンジャー(コ・アレンジャー:株式会社三井住友銀行)とした総額で最大37.3億円の資金調達を可能とするシンジケートローン契約を締結いたしました。
|
借入先の名称 |
株式会社三菱UFJ銀行 株式会社三井住友銀行 株式会社みずほ銀行 株式会社りそな銀行 |
|
アレンジャー及びエージェント |
株式会社三菱UFJ銀行 |
|
コ・アレンジャー |
株式会社三井住友銀行 |
|
組成金額 |
3,730百万円 (コミットメントライン:2,400百万円、タームローン1,330百万円) |
|
コミットメント期間 |
2022年6月30日 ~ 2025年6月27日 |
(LINE株式会社が吸収分割する株式会社ライブドアの株式譲渡契約の締結)
当社は、LINE株式会社が展開する「ライブドアブログ」、「ライブドアニュース」、「Kstyle」を中心としたサービス群を、同社が新たに設立する完全子会社である株式会社ライブドア(2022年10月7日設立)に対して吸収分割により承継させ、その全株式を当社が取得し完全子会社化することに合意し、2022年9月28日付で株式譲渡契約を締結、2022年12月28日付にて同社の全株式を取得し完全子会社化いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」をご参照ください。
(株式会社ALISの株式取得)
当社は2022年10月4日付で、ブロックチェーンを始めとする先進技術開発及び、ブロックチェーン技術を用いたソーシャルメディアプラットフォーム「ALIS.to」において、自社が発行するALISトークンを用いたトークンエコノミーを運営する株式会社ALIS(本社:東京都港区)の発行済株式の全部を取得することについて既存株主である同社代表取締役CMO 水澤貴及び代表取締役CTO 石井壮太と株式譲渡契約を締結いたしました。なお、同契約に基づき、同日付にて株式譲渡を実行し、同社を完全子会社化いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」をご参照ください。
(シンジケートローン契約)
当社は2022年12月23日付で、株式会社三菱UFJ銀行をアレンジャーとする、総額71億円のシンジケートローン契約を締結いたしました。本契約は、2022年9月28日締結のLINE株式会社との株式譲渡契約に基づく株式会社ライブドアの株式取得資金の調達を目的としたものであります。
|
借入先の名称 |
株式会社三菱UFJ銀行 株式会社三井住友銀行 株式会社みずほ銀行 三井住友信託銀行株式会社 |
|
アレンジャー及びエージェント |
株式会社三菱UFJ銀行 |
|
組成金額 |
7,100百万円 |
|
実行日 |
2022年12月28日 |
|
返済期限 |
2032年12月30日 |
|
担保等の有無 |
無担保・無保証 |
|
財務制限条項 |
ⅰ.各年度の決算期の末日における連結貸借対照表における純資産の部の金額を、当該決算期の直前の決算期の末日又は2022年3月に終了する 決算期の末日における借入金の連結の貸借対照表における純資産の部の金額のいずれか大きい方の75%の金額以上にそれぞれ維持すること ⅱ.各年度の決算期に係る連結損益計算書上の経常損益に関して、それぞれ2期連続して経常損失を計上しないこと |
(CWS Brains株式会社の株式取得)
当社の完全子会社である株式会社ライブドアは、2023年3月24日付で、サッカー関連ニュースの配信量で業界トップクラスを誇り、月間ユニークユーザー数が約1,000万人に上る国内大手のサッカー情報専門メディア「超WORLDサッカー!を運営するCWS Brains株式会社(本社:東京都千代田区)の発行済株式の全部を取得することについて既存株主である株式会社コーエーテクモホールディングス(本社:神奈川県横浜市)と株式譲渡契約を締結いたしました。なお、同契約に基づき、2023年3月31日付にて株式譲渡を実行し、同社を完全子会社化いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」をご参照ください。
(Prop Tech plus株式会社の当社株式持分譲渡)
当社は2023年3月20日付で、当社子会社であるProp Tech plus株式会社の当社保有株式の全部を、株式会社東京カンテイ(本社:東京都品川区)に譲渡する目的で、同日付で株式譲渡契約を締結いたしました。なお、同契約に基づき、2023年3月30日付にて株式譲渡を実行いたしました。
(当社メディア事業部門の会社分割(吸収分割)による株式会社ライブドアへの承継)
当社は、2023年2月14日開催の取締役会において、当社メディア事業部門を会社分割(吸収分割)の方式により分割し、当社の完全子会社である株式会社ライブドアに承継する決議を行い、同日付で株式会社ライブドアと吸収分割に関する契約を締結いたしました。
吸収分割の概要は次のとおりであります。
①吸収分割の目的
当社グループは、メディア事業においては株式会社ライブドアのユーザー基盤とそこから生じる巨大なトラフィック及び情報拡散力並びに新たな付加価値を創出するWeb3テクノロジーを活用したUGCとPGC一体型の総合メディア事業展開を、またソリューション事業においては、情報系ソリューションサービス・システム系ソリューションサービスの更なる進化に加え、資産形成層拡大に寄与するための新規金融情報ソリューション展開といった深堀り戦略展開を今後の基本的な成長戦略として位置づけており、本戦略を機動的に推進する目的で、グループ体制の再構築を行い、組織集約と権限委譲を進める方針です。
本方針のもと、グループメディア事業を株式会社ライブドアに集約するため、当社メディア事業部門の株式会社ライブドアへの承継を行うものです。
②吸収分割の期日
2023年4月1日
③吸収分割の方式
本吸収分割は、当社を分割会社とし、株式会社ライブドアを承継会社とする吸収分割であります。
④吸収分割に係る割当ての内容
本吸収分割は、当社と完全子会社間の無対価適格分割であるため、本吸収分割による株式又はその他財産の割当てはありません。
⑤承継会社が承継する権利義務
株式会社ライブドアは、本承継事業に係る資産、債務及び契約上の地位その他これに付随する権利義務をそれぞれ承継いたします。
⑥吸収分割の承継会社の概要
|
|
承継会社 |
|
(1) 名称 |
株式会社ライブドア |
|
(2) 所在地 |
東京都千代田区九段北一丁目8番10号 |
|
(3) 代表者役職・氏名 |
代表取締役社長 兼 COO:宮本 直人 |
|
(4) 事業内容 |
総合メディア事業 |
|
(5) 資本金 |
1,000万円 |
|
(6) 設立年月日 |
2022年10月7日 |
|
(7) 発行済株式数 |
1,099株 |
|
(8) 決算期 |
3月 |
|
(9) 大株主及び持株 |
株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイド 100% |
|
(10)直前事業年度の財政状態及び経営成績 |
株式会社ライブドアは、2022年10月7日付で新規設立されており、2022年12月28日付で当社子会社となっております。 |
⑦分割する事業の概要
(ア) 分割する事業部門の事業内容
メディア事業
(イ) 分割する事業部門の経営成績
2022年3月期の売上高:2,353百万円
(ウ) 分割する資産、負債の項目及び金額
流動資産:211百万円、固定資産:652百万円
流動負債:82百万円
(株式会社ALISの株式会社ライブドアによる吸収合併)
当社100%子会社である株式会社ライブドアは、当社グループ再編方針に基づくグループメディア事業部門の株式会社ライブドアへの承継を行うため、株式会社ALISと2023年2月14日付で吸収合併に関する契約を締結いたしました。
吸収合併の概要は次のとおりであります。
①吸収合併の期日
2023年4月1日
②吸収合併の方式
本吸収分割は、株式会社ライブドアを存続会社とし、株式会社ALISは消滅会社となります。
③吸収合併に係る割当ての内容
本吸収合併は、当社完全子会社間の吸収合併であるため、本吸収合併による新株式の発行、資本金の増加及び合併交付金の支払いはありません。
④吸収合併存続会社の概要
|
|
承継会社 |
|
(1) 名称 |
株式会社ライブドア |
|
(2) 所在地 |
東京都千代田区九段北一丁目8番10号 |
|
(3) 代表者役職・氏名 |
代表取締役社長 兼 COO:宮本 直人 |
|
(4) 事業内容 |
総合メディア事業 |
|
(5) 資本金 |
1,000万円 |
|
(6) 設立年月日 |
2022年10月7日 |
|
(7) 発行済株式数 |
1,099株 |
|
(8) 決算期 |
3月 |
|
(9) 大株主及び持株 |
株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイド 100% |
|
(10)直前事業年度の財政状態及び経営成績 |
株式会社ライブドアは、2022年10月7日付で新規設立されており、2022年12月28日付で当社子会社となっております。 |
(株式会社シンクロライフの株式取得)
当社の完全子会社である株式会社ライブドアは、2023年3月21日付で、Web3グルメSNSアプリ事業を運営する株式会社シンクロライフ(本社:東京都千代田区)の発行済株式の全部を取得することについて既存株主である株式会社GINKAN(本社:東京都千代田区)と株式譲渡契約を締結いたしました。なお、同契約に基づき、2023年4月1日付にて株式譲渡を実行し、同社を完全子会社化いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(追加情報)」をご参照ください。
該当事項はありません。