文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
私たちが描く未来とは、これから起こることをただ受け入れるだけの「すでにそこにある未来」ではなく、新たな出会いによって新しい価値が創造される「まだそこにない未来」であります。“新しい価値”を創ることができるのは“人”であり、人と人との出会いによって生み出されるクリエイティブに他なりません。
私たちは、IT事業と語学事業の提供を通じて、異なる文化や言語を持つたくさんの“人と人との出会いの場”を創出し、「そこにない未来を創る」ことを経営の「ビジョン」として掲げております。
当社グループは、既存事業のさらなる成長を目指しつつ、成長市場領域である人材領域、特に海外人材事業での事業開発に取り組み、新たな収益事業を創造することで、企業価値を向上させていくことを経営の目標としております。そのため、現時点で当社グループの重視する経営指標は、「売上高」「営業利益」の2指標であります。
<コンテンツマーケティング事業>
コンテンツマーケティング事業が属するインターネット広告の市場規模について2022年におきましては、3兆912億円(前年比14.3%増)と、社会のデジタル化を背景に継続的に増加しており、日本の総広告費全体の43.5%を占めました。また、日本の総広告費も7兆1,021億円(前年比4.4%増)となり、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染再拡大、ロシア・ウクライナ情勢、物価高騰など国内外の様々な影響を受けつつも、1947年に推定を開始して以降、過去最高となりました。なお、引き続き動画広告市場の拡大等により、インターネット広告市場は成長する見込みであります(出所:株式会社CARTA COMMUNICATIONS 株式会社D2C 株式会社電通 株式会社電通デジタル「2022年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」)。
ITセグメントの売上高の約6割を占めるコンテンツマーケティング事業において、この市場環境の下、主に「運用メディア当たり単価の向上」、「契約顧客数の拡大」、「運用メディア継続期間の長期化」の3つに注力し、事業を展開してまいります。
・運用メディア当たり単価の向上
BtoB(電機・機械等)の業種など幅広い顧客に対して、高い集客効果のあるメディアを制作することにより、運用メディア当たり単価の向上を図るとともに、運用メディアの中に成果報酬型の広告枠を設けて販売することで、1メディア当たりの価値を最大化させ、その結果として単価の向上を目指します。
・契約顧客数の拡大
集客効果のあるメディアの制作だけではなく、運用メディアを活用した成果報酬型の広告枠の販売や、WEBを利用したマーケティング戦略のコンサルティング等により、より多くの顧客に価値あるサービスを提供することを目指します。
・運用メディア継続期間の長期化
当社は、2023年6月期において280のメディアを公開するとともに、1,151のメディアを運用(平均継続期間40.9ヶ月)しております。今後、メディアが高い集客効果を維持することで運用メディア継続期間の更なる長期化を目指します。
<メディア事業>
当社は、日本の生産年齢人口の減少による労働力不足を解消するために、海外の人材市場に着目しまして海外IT人材事業の展開を進めております。国内のIT人材は、2030年には最大で79万人、中位シナリオで約45万人(出所:経済産業省「IT人材需給に関する調査」(2019年3月))も人手が不足すると見込まれるほど人手不足が慢性化しております。そこで、「IT」と「語学」の知見を活用して社会課題の解決を図ることを目指しております。
当該事業では、新卒採用と中途採用で異なる戦略を実施しています。新卒採用の領域に関しては、インドのIT都市ベンガルールの上位大学と提携し(Indian Institute of Technology Hyderabad、R. V. College of Engineering、B.M.S. College of Engineering等 2023年6月末時点で39校と提携)、ジャパンキャリアセンターを大学内に開設しています。インドでICT教育を受けて日本企業への就労を希望する新卒の学生と、IT人材不足に悩む日本の企業とのマッチングの機会を設けております(2023年6月末時点で人材登録者数15,906名)。
中途採用の領域においては、2022年10月に海外IT人材のマッチングのプラットフォーム「Yaaay」をリリースし、日本も含め世界中で勤務経験のあるIT人材で日本企業への就労を希望する者を集めた豊富な登録人材データベースを活かして、即戦力となる海外IT人材と日本企業とのマッチング機会の拡大にも取り組んでおります。2023年6月末時点で、インドだけではなく、60カ国以上の国籍のIT人材が利用するプラットフォームに成長しております。
2021年度の語学ビジネス総市場規模は事業者売上高ベースで7,820億円となり、2022年度は新型コロナウイルス感染症の収束傾向の影響で8,000億円台に回復することが見込まれています(出所:株式会社矢野経済研究所「語学ビジネス市場に関する調査を実施(2022)」)。
主力である、法人向け語学研修事業においては、これまでに1,700社以上の企業や公的機関などに向けてクラス型、eラーニング、オンラインなどさまざまな形態でサービスを提供してきた実績があり、利用者も増加しております。2023年6月16日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2023」において、「リ・スキリングによる能力向上支援」が重点施策の一つとして盛り込まれました。グローバル化が進展する中で、今後は、個人のキャリア形成における語学の習得・学びなおしの重要性が更に高まることが見込まれるとともに、企業側のグローバル人材育成に向けた投資も加速されることが見込まれます。
留学斡旋事業においては、世界の留学生数は2020年に約560万人と、2000年に比べて約3.5倍増加しておりますが、欧米先進諸国が占める割合が拡大する一方、日本は2000年の約4%から変わっていない状況です。この状況を踏まえ、政府は第6回教育未来創造会議にて、第2次提言「未来を創造する若者の留学促進イニシアティブ」(略称「J-MIRAI」)を取りまとめ、公表しました。提言では、2033年までに日本人の海外留学生を50万人(コロナ前22.2万人)に増やすなどの施策が盛り込まれており、今後日本人の海外留学が活発化することが見込まれます。
日本語教育事業においては、運営する日本語学校において、Instagramを活用した宣伝を強化しており、2022年4月以降、学生が増加傾向にあります。
当社グループの不動産セグメントにおきましては、西新宿エリアに所在する自社ビル「全研プラザ」、「Zenken Plaza Ⅱ」の賃貸を中心に行っており、安定的な収益獲得に貢献しております。
当社グループにおける経営戦略を実現するための対処すべき主な課題は以下のとおりであります。
当社グループが、事業を拡大、経営の強化を実現していく上で、必要な人材の継続的な確保と育成は最重要課題の一つです。多様なバックグラウンドを活かして、様々な挑戦を続け、自ら主体性をもって決断し、あらゆる課題解決の立役者になれる人材を採用・育成するとともに、多様な人材がそれぞれの特性や能力を最大限に活かせるような社内環境の整備にも取り組んでまいります。人材戦略については、「第2 事業の状況、2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
少子高齢化の進行により、日本の生産年齢人口(15~64歳)は1995年をピークに減少しており、2050年には5,275万人(2021年から29.2%減)に減少すると見込まれております(出所:内閣府(2022)「令和4年版高齢社会白書」)。生産年齢人口の減少により、労働力の不足、国内需要の減少による経済規模の縮小など様々な社会的・経済的課題の深刻化が懸念されており、当社グループは、日本の生産年齢人口の減少による労働力不足を解消することを目指し、ITと介護の分野で新規事業としての海外人材事業を展開しております。
2023年3月には、インド国家技能開発公社(National Skill Development Corporation、以下NSDC)の100%子会社であるNSDC International Limited(以下NSDCI)とITエンジニアをはじめとする高度人材、及び介護分野における特定技能人材の受入強化に関して、双方が協力していく旨を記載した覚書を締結しました。今後、NSDCIと協力し、日本市場におけるインド人技能職の雇用に関する認知促進、日本企業によるインド人人材の雇用促進、日本・インドの両国で技能開発や国際的労働力の流動性を促進するセミナーの実施、インドでの日本語教育の促進等を行うことで、両国の発展を目指してまいります。
介護の分野においては、当社はインドネシアの送出機関と独占契約を締結し、現地での日本語教育・介護教育体制を整えております。また、日本の受入先事業者が海外介護人材をどのように受入れるのか、フラグシップモデルとなる介護施設の運営を開始しております。日本語教育で培ってきたノウハウを活用し、介護現場で使用する日本語に特化した独自の学習教材「ZENKEN NIHONGO 介護」を開発し、主に介護施設に対して販売を開始すると同時に、介護現場と外国人労働者のマッチングを図り、定着をサポートしております。フラグシップ施設で受入先事業者が抱える課題へのソリューションを体現し、新たな顧客の開拓を図ることで、事業を拡大していきます。
今後も上記事業のみならず、継続して新規事業の開拓が必要と考えております。そのためには社内リソースの活用だけではなく、外部リソースを活用することも重要と考えており、事業提携やM&A等のあらゆる可能性を検討してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
<サステナビリティに関する考え方>
全研本社は、「そこにない未来を創る」ことを経営のビジョンとして掲げ、外部環境の変化の激しさが増す中で、持続的な成長及び中長期的な企業価値の向上を目指して様々な事業に取り組んでおります。当社グループにとってのサステナビリティとは、事業を通じて社会課題の解決に貢献することであり、当社グループの持続的な成長が、社会の持続的な発展に貢献できるような世界を目指すことです。その実現に向けて、以下のサステナビリティに関する取り組みを進めています。
<サステナビリティに関する主な取り組み>
・事業活動を通じた社会課題の解決
少子高齢化による生産年齢人口の減少という社会課題を解決するために、当社グループはこれまで培ってきたITと語学の強みを活かして、グローバル・インバウンド(日本国内における国際化)に向けた事業を展開しています。
・人材の多様性の尊重と働きがいの向上
社会課題の解決を目指す上で、その原動力となるものは「人」であるとの考えのもと、多様な人材を受入れ、尊重し合い、一人ひとりの成長を促すことが可能となる人材戦略の実行や社内環境の整備に取り組んでいます。
・健全かつ透明性の高い経営の実現
社会課題の解決と企業価値の向上を両立させるために、経営の健全性及び透明性の確保に取り組んでいます。
当社グループは、取締役会において、上記のサステナビリティの観点を含めた戦略決定、重要な業務執行の決定等を行うとともに、取締役の業務執行を監督しています。また、取締役会に加えて、株主総会、監査役会及び会計監査人を設置しております。これら各機関の相互連携によって、経営の健全性・効率性・透明性の確保に努めています。コーポレート・ガバナンスの状況については、「
<人材の採用・育成及び社内環境整備に関する方針>
社会課題の解決を目指す上で、原動力となるのは「人」であるとの考えのもと、「クライアントファーストであれ」を掲げて、人材の採用・育成を含めた人材戦略の実行と社内環境の整備等に取り組んでおります。当社グループの提供するサービスは画一的なものではなく、時代の潮流を読み解き、お客さまや社会に向き合うことで課題やニーズを的確に捉え、当社グループの培ってきた知識や知見を活用しながら新たな価値を提供することが求められます。そのため、多様なバックグラウンドを活かして、様々な挑戦を続け、自ら主体性をもって決断し、あらゆる課題解決の立役者になれる人材を採用・育成するとともに、多様な人材がそれぞれの特性や能力を最大限に活かせるような社内環境の整備にも取り組んでまいります。
当社グループでは、国籍、人種、性別、年齢等の属性面に加え、キャリア、考え方、価値観、ライフスタイル等も含んだ多様な社員が共存しています。社員一人ひとりの持つ個性を多様性として活かし、全ての社員が受け入れられ、尊重し合いながら、それぞれの特性や能力を最大限に活かすことが、新たな発想や価値の創造に繋がると考えており、今後もインクルージョン&ダイバーシティの取り組みを推進していきます。
足元では全社員が共有すべき行動指針「Zenken CREDO」を浸透させ、それぞれが大事にしながらも、多様な価値観やバックグラウンド、就業意識を持つ社員が互いに尊重・切磋琢磨し、一人ひとりが成長し活躍できる組織・企業風土の醸成に取り組んでいます。現状では、女性管理職水準が低水準に留まっているため、成長意欲の高い女性のキャリア形成を後押しすることで女性管理職の水準を引き上げ、中長期的には女性役員の輩出を実現することを目指してまいります。
社員の成長を促す取り組みの一環として、次世代経営幹部候補者に対して将来を見据えた戦略思考の深化や行動変革に繋げるための「Junior Board制度」を設けています。選抜された社員は、経営幹部との対話やリーダーシップ等をテーマにした集中討議等を通じて、当社グループの経営課題に向き合い、あるべき姿に向けて具体的な戦略を立て、実践しています。
今後は、社員が当社グループで働くことを通じて成長を実感し、自律的にキャリアを構築できるような人事制度(育成、評価、昇格制度等を含む)の設計や、成長を更に加速させるために研修・教育機会の充実等にも取り組むことが重要課題です。社員の成長ステージに合わせた様々な研修・教育機会を拡充していきます。意欲ある社員が更に能力を高め、様々なことに挑戦し、自律的なキャリアを築いていくことを可能とすることで、個の成長を組織の成長へと繋げてまいります。
当社グループにとって最大の財産である社員一人ひとりとその家族が心身共に健康であり、社員が働きやすさと働きがいを持てる健全な社内環境づくりは会社の重要な責務であると考えています。当社では、働き方の多様化や育児・介護等の各社員の状況に応じた柔軟な業務内容や勤務形態がとれる体制の整備を進めています。
時間外勤務については、三六協定の遵守を徹底していることに加え、時間単位の有給休暇の取得を可能にする等、働き方改革も進めております。社員の健康については、保険組合・産業医と連携して社員の健康管理を推進しています。2023年6月期は健康的な弁当の社内販売、食品メーカーと協力した野菜摂取量の測定イベントの開催、保有不動産内に社員用のジムを設置する等の取り組みを実施しました。これらの取り組みは社会的にも高い評価を頂き、2023年3月、経済産業省と日本健康会議が選定する「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」にはじめて認定されました。
また、従業員持株会(加入率25.2%)、選択型確定拠出年金(加入率42.5%)等の制度を整えるとともに、拠出額に応じた補助金の拠出を行い、社員の資産形成を支援しています。
当社グループでは、サステナビリティ課題を含む事業等のリスク管理及びコンプライアンス体制の強化・推進のため、半年に1回、定期のリスク・コンプライアンス委員会を開催しリスクの調査、網羅的認識、対応策の検討等を行っております。特定したリスクについては、取締役会に報告し、対応策等について協議しております。当社グループの事業は働く社員に依拠する部分が大きいことから、「優秀な人材の採用と育成に係るリスク」を特に重要なリスクとして認識しており、上記の戦略を実行していくことで当該リスクを逓減することを目指します。リスク管理及び主なリスクについては、「
上記の人材戦略の浸透度を定量的に効果測定できるよう、以下のKPIを設定しました。外部環境や人材戦略の浸透状況に応じて柔軟な見直しができるよう動的KPIとし、状況に応じて具体的施策の見直しを行いながら達成状況をモニタリングしてまいります。
(注)上記はいずれも単体実績・目標です。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している特に重要なリスクは、以下のとおりであります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、当社グループはリスク管理を実施することで、以下のリスクに対してその発生可能性を一定程度低い水準まで抑えられていると考えております。また、これらのリスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える定量的な影響の程度につきましては、合理的に予見することが困難であるため具体的には記載しておりません。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。
(特に重要なリスク)
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度における我が国経済は、引き続き新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けておりましたが、行動制限の緩和と経済活動の正常化が進んだことにより、景気回復の兆しが見受けられました。一方で、急速な円安や、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、原材料費の高騰、複数の銀行の経営破綻などに見られる金融不安等の影響もあり、世界経済や国内景気、企業収益への影響は、依然として先行きの見通しが不透明な状況が続いております。
このような状況のもと、当社グループにおきましても、ITセグメント(コンテンツマーケティング事業、メディア事業、AI事業)と語学セグメント(法人向け語学研修事業、留学斡旋事業、日本語教育事業)を中心に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大等の影響を一定程度受けておりますが、当社グループが持つ「IT」「語学」の各事業の強みを活かし、グローバル・インバウンド(日本国内における国際化)に向けた事業展開を推進してまいりました。
なお、主としてAI事業を営む連結子会社であった株式会社サイシードの全株式をハヤテインベストメント株式会社に譲渡したことに伴い、株式会社サイシードを第4四半期連結会計期間の期首において、連結の範囲から除外しております。
この結果、当連結会計年度の売上高は7,058,312千円と前年同期と比べ647,307千円(8.4%)の減収、営業利益は856,677千円と前年同期と比べ1,484,493千円(63.4%)の減益、経常利益は884,686千円と前年同期と比べ1,465,022千円(62.3%)の減益、親会社株主に帰属する当期純利益は426,991千円と前年同期と比べ1,157,206千円(73.0%)の減益となりました。
セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。
当セグメントの主力事業は、主にWEB検索市場におけるマーケティング戦略を通じ、クライアントに対する集客支援を展開する「コンテンツマーケティング事業」です。
当該事業の当連結会計年度の売上高は3,637,215千円と前年同期と比べ32,122千円(0.9%)の減収となりました。当連結会計年度においては前連結会計年度から引き続き、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響を受け、展示会等で集客を行っていたBtoB(電機・機械等)の業種のメディアの公開を中心に拡大しておりましたが、夏場において受注が思わしくなかった影響が大きく、秋以降、一定程度、回復は見られたものの、メディアの公開数が280件と前年同期と比べ134件の減少となりました。また、運用メディア数につきましては、メディアの公開数が伸び悩んだことや、一定程度、解約も生じていることもあり、1,151件と前年同期と比べ159件の減少となり、運用メディアの平均継続期間については、40.9ヶ月となっております(前年同期比3.0ヶ月増)。なお、BtoB(電機・機械等)の業種については、既存のメディアと比較して規模が大きくなるケースが多いこともあり、メディア数の減少ほど、売上高は減少しておりません。当該市場は、専門メディアがない市場も多数あるため、今後もBtoB(電機・機械等)の業種を中心に市場開拓を進めております。費用面に関しては、前年同期と比べ、外注費等が280,443千円、人員の増強に伴う人件費が253,206千円等増加しております。
また、AI事業は、株式会社サイシードの事業でしたが、上述のように、全株式をハヤテインベストメント株式会社に譲渡し、当社の第4四半期連結会計期間の期首において、当社の連結の範囲から除外されております。そのため、AI事業における売上高は、862,259千円と前年同期と比べ923,629千円(51.7%)の減収となりました。主な要因としては、株式会社サイシードが開発した新型コロナウイルスワクチン接種専用予約管理システムに係る売上が486,258千円と前年同期と比べ860,122千円(63.9%)減少したことによります。
その結果、ITセグメントの売上高は5,415,286千円と前年同期と比べ820,432千円(13.2%)の減収、セグメント利益は1,146,333千円と前年同期と比べ1,422,305千円(55.4%)の減益となりました。
当セグメントが属する語学教育業界においては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響を受けておりましたが、各国政府による渡航制限措置や入国制限措置の緩和などの影響により改善の兆しも見受けられました。その結果、当連結会計年度においては、前年同期と比べ、多くの留学生を送り出すことができました。また、運営する日本語学校においては、2022年4月以降、ビジネスで通用する日本語の習得をすべく、海外から多くの学生が入学しており、大幅に在籍者数が増加しました。今後については、留学生の送り出しでは、円安の影響について懸念しておりますが、政府の第6回教育未来創造会議において、2033年までに日本人の海外留学生を50万人(コロナ前22.2万人)に増やすとの提言がなされていることもあり、海外留学が活性化することを見込んでおります。また、日本語学校においては、同提言において、2033年までに外国人留学生を40万人(コロナ前31.8万人)に増やすとの提言がなされていることもあり、引き続き、日本語学校に対する需要を見込んでおります。主力である、法人向け語学研修事業においては、入国された海外の方に向けた日本語研修や海外赴任に向けた方向けの研修が増加傾向にあるものの、引き続き、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染状況等に応じて、対面型の研修、オンライン型の研修を実施しております。
その結果、語学セグメントの売上高は754,253千円と前年同期と比べ41,013千円(5.8%)の増収、セグメント利益は77,911千円と前年同期と比べ47,123千円(153.1%)の増益となりました。
当社グループの不動産セグメントにおきましては、「全研プラザ」、「Zenken Plaza Ⅱ」の賃貸を中心に行っております。
その結果、不動産セグメントの売上高は473,813千円と前年同期と比べ12,768千円(2.8%)の増収、セグメント利益は333,092千円と前年同期と比べ19,066千円(6.1%)の増益となりました。
また、財政状態については次のとおりであります。
(資産)
流動資産の残高は4,774,911千円(前連結会計年度末比2,027,369千円の減少)となりました。これは主に、株式会社スタイル・エッジ(当時の社名:株式会社スタイル・エッジ・グループ)との資本業務提携に伴う投資有価証券の取得960,000千円や、法人税等の納税及び配当金の支払い等により現金及び預金が2,130,054千円減少したことによるものです。
固定資産の残高は9,595,799千円(前連結会計年度末比1,110,003千円の増加)となりました。これは主に、上記、資本業務提携に伴う投資有価証券の取得により投資有価証券が974,327千円増加したことによるものです。
以上の結果、当連結会計年度末の資産合計は、14,370,710千円(前連結会計年度末比917,366千円の減少)となりました。
(負債)
流動負債の残高は1,099,148千円(前連結会計年度末比1,043,040千円の減少)となりました。これは主に、未払法人税等が635,218千円減少したことや、株式会社サイシードが連結の範囲から除外されたことを主要因として未払金が207,004千円減少したことによるものであります。
固定負債の残高は916,805千円(前連結会計年度末比81,873千円の減少)となりました。これは主に、約定弁済により長期借入金が148,488千円減少したことによるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末の負債合計は、2,015,953千円(前連結会計年度末比1,124,913千円の減少)となりました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、12,354,756千円(前連結会計年度末比207,547千円の増加)となりました。これは主として、親会社株主に帰属する当期純利益426,991千円の計上と、剰余金の配当239,654千円により、利益剰余金が187,337千円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、3,941,478千円と前年同期と比べ2,130,054千円(35.1%)の減少となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、539,115千円の資金の支出(前年同期は2,080,745千円の獲得)となりました。これは主な要因として、税金等調整前当期純利益が691,683千円と前年同期と比べ1,650,492千円(70.5%)の減少や、法人税等の支払額が1,169,944千円と前年同期と比べ724,518千円(162.7%)増加したこと等があったことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,099,569千円の資金の支出(前年同期は12,080千円の支出)となりました。これは主な要因として、株式会社スタイル・エッジ(当時の社名:株式会社スタイル・エッジ・グループ)との資本業務提携に伴う投資有価証券の取得による支出960,000千円や株式会社ヒノキヤレスコより有料老人ホーム運営事業等を譲受けたことに伴う事業譲受による支出110,840千円等によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、491,370千円の資金の支出(前年同期は186,662千円の支出)となりました。これは主な要因として、配当金の支払額が237,009千円と前年同期と比べ118,838千円(100.6%)増加したことや、短期借入金の減少100,000千円(前年同期は短期借入金の増加100,000千円)等があったことによるものであります。
提供するサービスの性質上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
提供するサービスの性質上、受注実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。
3.当連結会計年度において、ITセグメントにおいて販売高に著しい変動がありました。これは主に、新型コロナウイルスワクチン接種専用予約管理システムに係る売上が486,258千円と前年同期と比べ860,122千円(63.9%)減少したことによります。
4.当連結会計年度において、その他セグメントにおいて販売高に著しい変動がありました。これは主に、株式会社ヒノキヤレスコとの間で有料老人ホーム運営事業の譲受に関する事業譲受契約を締結し、2022年7月1日付で同事業を譲り受けたことによる増加となります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積を必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
(売上高・売上原価・売上総利益)
当連結会計年度の売上高は7,058,312千円(前年同期比8.4%減)となり、前連結会計年度に比べて647,307千円減少しました。主な減少要因は、ITセグメントで820,432千円減少したことによるものです。セグメント別の売上高については、「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に含めて記載しております。
売上原価は、3,409,294千円(前年同期比24.5%増)となりました。主な増加要因は、人件費や業務委託費等により増加しております。
以上の結果、売上総利益は3,649,017千円(前年同期比26.5%減)となりました。
(販売費及び一般管理費・営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、2,792,339千円(前年同期比6.3%増)となり、前連結会計年度に比べて165,946千円増加しました。主な増加要因は、研究開発費の増加、業務委託料の増加、販売促進費の増加等によるものです。
以上の結果、営業利益は856,677千円(前年同期比63.4%減)となりました。セグメント別の利益については、「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に含めて記載しております。
(営業外収益・営業外費用・経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は、32,275千円(前年同期比107.6%増)となり、前連結会計年度に比べて16,730千円増加しました。主な増加要因は、貸倒引当金戻入額等の増加によるものです。
営業外費用は、4,267千円(前年同期比39.1%減)となり、前連結会計年度に比べて2,740千円減少しました。主な減少要因は、為替差損の減少等によるものです。
以上の結果、経常利益は884,686千円(前年同期比62.3%減)となりました。
(特別利益・特別損失・親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度に特別利益は、2,343千円(前連結会計年度は発生しておりません)となりました。これは、海外介護人材事業に参入するため、全研ケア株式会社(当社の100%出資子会社)において、株式会社ヒノキヤレスコより有料老人ホーム運営事業等を譲受けたことによるものです。
特別損失は、195,345千円(前年同期比2,493.3%増)となり、前連結会計年度に比べて187,813千円増加しました。主な増加要因は、株式会社サイシードの全株式をハヤテインベストメント株式会社に譲渡したことにより、関係会社株式売却損193,659千円等が生じたことによるものです。
また、法人税等として264,692千円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は426,991千円(前年同期比73.0%減)となりました。
財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に含めて記載しております。
キャッシュ・フローの状況の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。また、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
当社グループの運転資金需要の主なものは、人件費、業務委託費等であります。資金の流動性を安定的に確保することを目的とし、資金需要の額や使途に合わせて自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達することを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等に特段の方針はなく、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討を行う予定です。
当社は、2023年4月21日開催の取締役会において、連結子会社である株式会社サイシードの全ての株式をハヤテインベストメント株式会社に譲渡することを決議し、同年5月1日付で株式を譲渡いたしました。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」をご参照ください。
当社グループの当連結会計年度における研究開発活動では、主に海外IT人材のマッチングプラットフォーム「Yaaay」の開発に取り組みました。また、2023年5月に当社が保有する全株式を譲渡しました株式会社サイシードにおいては、コールセンター/カスタマーサポート向けのチャットボット等の開発に取り組みました。
当連結会計年度における研究開発活動を示すと次のとおりであります。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は
(1) 海外IT人材のマッチングプラットフォーム「Yaaay」の開発
2022年10月海外IT人材のマッチングのプラットフォーム「Yaaay」をリリースし、日本も含め世界中の勤務経験のあるIT人材で日本企業への就労を希望する者を集めた豊富な登録人材データベースを活かして、即戦力となる海外IT人材と日本企業とのマッチング機会の拡大に取り組んでおります。2023年6月末時点で、インドだけではなく、60カ国以上の国籍のIT人材が利用するプラットフォームに成長しております。
(2) チャットボット、検索システム(AI)関連
情報検索時の検索精度及び速度を改善しました。これにより、サーバー等の機器に対する負荷の削減、及び、ユーザー体験の更なる向上を実現しました。また、システムを全て統合した企業用のオールインワンパッケージの開発と機能拡張に注力いたしました。また、FAQ検索システムのデザイン性の向上にも注力し、より使いやすくすることを目指して改善を続けております。