文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「クレステックは企業として、社会に通用する企業を目指す。(情報の創造と提供により安心して暮らせる社会に貢献する)」、「クレステックの社員は、社会人として通用する人間を目指す。(グローバル社会から尊敬される人間を目指す)」を経営理念に掲げ、「情報創造企業」として、世界の人とヒト、人とモノを繋ぐコミュニケーションを創造することで、伝えたい情報にカタチを与え、世界中の人々の心に感動と喜びを創出し、楽しく安心して暮らせる社会の構築を目指します。
(2)経営戦略等
当社グループは、テクニカルドキュメンテーションを事業の中核として、マニュアル制作・ローカリゼーション、印刷・パッケージ製造など幅広い事業を展開し、成長を実現してまいりました。そして現在、この中核事業をベースに、マーケット・リサーチをはじめとした川上の事業領域からアフターマーケットのユーザーサポートである川下の事業領域まで、ドキュメントソリューションサービスとして事業領域をグローバルに展開しております。しかしながら、次なる10年に向けた企業基盤の安定化を目指すには、更なる変革が必要となります。そこで、次なる10年に向けた当社グループの長期戦略方針“NEXT10”を掲げ、新領域への挑戦に取り組むことで、更なる事業の拡大を長期的に図ってまいります。そのためには、前中期経営計画「CR Vision 2020」にて一部成し遂げられなかった“事業強化”と“体制強化”の経営重点戦略を継続的に取り組むため、2024年6月期を最終年度とする中期経営計画「CR Vision 20+(Plus)」を策定いたしました。
※長期戦略方針“NEXT10”とは
当社グループのコーポレートスローガンである「Global Communications“世界を繋ぐ 人に優しいコミュニケーションの創造”」を推進するため、中核事業であるテクニカルドキュメンテーションに依存するのではなく、総合情報創造企業として顧客が取り扱う全ての情報を分かりやすいカタチに変えユーザーに提供できる体制を構築することで、事業拡大を図っていく長期戦略方針“NEXT10”であります。
中期経営計画「CR Vision 20+(Plus)」において、NEXT10への布石となる企業基盤の安定化を図るため、以下の経営重点戦略に取り組んでまいります。
① 事業強化戦略
1)川上・川下領域の事業拡大
2)特殊分野の事業強化
3)企業連携による事業領域拡大
② 体制強化戦略
1)企業価値向上に向けたCSR促進
2)人材育成とES(Employee Satisfaction)向上
3)生産体制の最適化推進
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2024年6月期を最終年度とする中期経営計画「CR Vision 20+(Plus)」においては、「NEXT10に向けた企業基盤の安定化へ」を基本方針とし、2024年6月期において、連結売上高185.0億円、連結営業利益12.0億円、連結営業利益率6.5%の経営数値目標の達成を設定しております。
(4)経営環境
当社グループをとりまくビジネス環境は、リーマンショックから大きく変化してきました。まず、世界景気の減退から始まり、スマートフォンの登場によるデジタル化(製品)への商品集約、更にペーパーレス化も加速し、常に当社グループの取引に大きな影響を及ぼしてきました。また、近年では、新型コロナウイルス感染症により世界経済に大きな影響を及ぼしましたが、その感染症も現在は収束に向かい、経済活動は回復傾向にあります。その一方で、世界的なインフレや購買力の低迷が続いており、企業の生産活動は不安定な状況となっています。加えて、ロシアによるウクライナ侵略や米中関係の不安定な状態により世界経済の回復は鈍化傾向であり、引き続き先行きの見えない状況が続いております。
このような厳しい環境の中、当社グループでは、次なる10年に向けた長期戦略方針“NEXT10” のもと、前期よりスタートしました中期経営計画「CR Vision 20+(Plus)」の目標達成に向け、“事業強化戦略”と“体制強化戦略”を両軸として様々な施策に取り組んでまいりました。事業強化では、新領域であるプロモーション等の販促事業や特殊領域の翻訳事業を拡大し、体制強化では、中国の東莞工場の完全商社化や社員の職場環境改善とBCP対策を盛り込んだ本社新社屋移転が完了し、新たな体制にて事業強化を推進しております。
今後は、この“NEXT10”のもと、どのような環境下であっても持続的に成長できる企業基盤の安定化に向け、引き続き以下に掲げる対処すべき課題に全力で取り組んでまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① グローバルネットワークを活かした顧客の拡大
当社グループは、デジタル製品・情報機器・輸送機器など日系メーカーが生産拠点を海外にシフトするに際し、ともにグローバル拠点を展開してきた実績があります。この海外進出によって、日系メーカーとの長年に亘る取引を通じて信用を獲得してきました。
今後は、このような取引実績を背景に、更なるグローバルネットワークの拡大と体制強化を推し進めることで、海外の完成品メーカーや医薬品・ヘルスケア製品・生活用品等のメーカー等、幅広い分野での取引拡大を目指してまいります。また、国内外の各拠点におけるサポート領域(顧客製品の代理販売やBPO等の請負業務)などを拡充し、新規顧客を当社の拡大したグローバルネットワークでサポートすることで、持続的成長が可能な事業のポートフォリオを確立してまいります。
② 顧客に対するグローバルサポート体制の強化
当社グループは、マニュアルの原稿作成やデータ作成を日本国内で行い、印刷・製造工程を顧客の海外拠点の近くで行うグローバルサポート体制を構築してまいりましたが、業界環境の変化に伴い、マニュアル制作、印刷・パッケージ製造だけでなく、周辺業務の取引にも拡大してきました。
近年では、ユーザーのニーズは大きく多様化しており、その多様化したニーズに迅速な対応が求められている顧客をサポートすべく、サプライチェーンとして、市場調査や販促プロモーションなどの「川上」業務から製品販売後のユーザーサポートなどの「川下」業務まで一気通貫でサポートできる「ONE STOP GLOBAL SOLUTION」をスローガンにグローバルサポート体制を構築してまいりました。今後、更に特殊分野の翻訳や新メディアを活用したマニュアル作成、各国での顧客製品の代理販売など更なる体制強化に向けた事業領域の拡大を図ってまいります。
③ 専門的な技術の確立と人材の育成
当社グループの強みは、マニュアルの原稿作成から翻訳・データ作成、更に多品種小ロットの印刷・製造に対応できるグローバルサポート体制であるため、それを支える技術の確立と人材の継続的な育成は経営の最重要課題のひとつと考えております。
現在、自動車から家電など各製品分野に対応できるテクニカルライターや世界各国語への翻訳に展開できる翻訳ディレクターなど専門的な技術の確立のために、製品やサービスの仕様説明を扱う専門の団体(一般財団法人)テクニカルコミュニケーター協会(JTCA)、産業翻訳の業界団体(一般社団法人)日本翻訳連盟、多言語翻訳の標準的な規格を策定するGALA標準規格イニシアチブ(※)に加盟し、各業界に対応できる人材の育成に努めています。更に、コミュニケーション能力向上のための英語教育、海外各拠点との交流による現地各市場の把握、次世代に通じるマニュアルの開発に向けた大学との共同研究、JTCA主催のジャパンマニュアルアワード、日本包装協会主催の日本パッケージングコンテストへの応募など様々な取り組みを実施することで、当社グループの人材を育成し、サポート体制を更に強化してまいります。
※ GALA(Globalization and Localization Association)標準規格イニシアチブ:多言語翻訳の標準規格を策定し、普及を促進するための公的な試み
④ 国内での新規ビジネス展開
近年、日本を始め世界的な動きとして製品のデジタル化やデータの集約が加速し、今までの業務形態であるマニュアル制作の市場規模は縮小傾向にあります。今後もこのような傾向が継続するものと予想されるため、IoT(※1)や動画など新しいメディアの複合的活用や各種情報の融合を図った次世代に通じるマニュアルの作成、更に海外進出支援サービスである国際規格対応サポート、自然言語解析(AI)を駆使したソリューション提供、新たな体験と感動を創出するxR(※2)技術、デジタルサイネージ用プレイヤーなどを駆使した新空間提供など、既存事業で培ったノウハウや人的資産を活用し、川上業務であるコンサルティングや販促プロモーション、業務支援マニュアルなどへの事業領域の拡大を図りつつ、トータルサービスの実現に向け、他社との業務提携やM&Aを積極的に推進してまいります。
※1 IoT(Internet of Things):コンピュータなどの情報・通信機器だけでなく、世の中に存在する様々なモノに通信機能を持たせ、インターネットに接続したり相互に通信することにより、自動認識や自動制御、遠隔計測などを行うこと
※2 xR(Extended Reality):拡張現実(AR)、複合現実(MR)、仮想現実(VR)などの画像技術の総称で、現実世界と仮想世界を融合させ、これまでにない新たな現実を創出させる技術のこと
⑤ 株主との対話・株主還元
当社グループでは、株主の皆様との対話を通じた企業価値の向上を目指すため、株主の皆様に有益な企業情報の発信やIR活動を積極的に推進していく方針です。しかしながら、近年の新型コロナウイルス感染症により、対話形式による情報発信が十分ではない状況が続きましたが、今後は、株主の皆様との対話の機会を増やしていくとともに、新たな取り組みとしてオンラインでの情報発信も導入することで、当社グループとの建設的な関係を再構築していきたいと考えております。
こうした方針を前提に、株主還元の内容や趣旨説明についても経営の最重要課題のひとつとして認識しており、将来の事業展開と経営基盤の強化のために必要な内部留保は残しつつ、充実した株主還元を行うことが重要であると考えております。詳しくは「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご参照ください。
⑥ サステナブルな社会の構築
当社グループは、「GLOBAL COMMUNICATIONS」“世界を繋ぐ人に優しいコミュニケーションの創造へ”をテーマに、「情報創造企業」として、世界の人とヒト、人とモノを繋ぐコミュニケーションを創造することで、伝えたい情報にカタチを与え、世界の人々の心に感動と喜びを創出し、楽しく安心して暮らせる社会の構築を目指し、グローバルに事業を展開しています。そして、この事業活動を通して、年齢・性別・人種・宗教・言語・経済的地位などに関係なく、世界のすべての人に平等に必要な情報を提供できる環境づくり、つまり、言葉の障壁を越えて、世界の人々が不自由なく相互にコミュニケーションができる社会の構築を目指し、新たなツール開発やサービス、ソリューションの提供に努め、誰にでも分かりやすい情報を創造することで、サステナブルな社会づくりに貢献できるよう、取り組んでまいります。
当社は、「サステナブルな社会を目指して!」をスローガンに、全ての事業活動を通じ、グローバルな視点で人の健康の維持と、地球環境の保全に積極的に寄与し、持続可能な社会の実現に向け最善を尽くすよう取り組んでおります。それぞれのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス及びリスク管理
当社のサステナビリティに関するガバナンス及びリスク管理については、「リスクマネジメント方針」を定めるとともに、代表取締役社長を委員長とした「リスクマネジメント委員会」において、各分科委員長(情報セキュリティ分科委員長、コンプライアンス分科委員長、BCM分科委員長、環境分科委員長)から行動指針及び各分科委員会の基本指針に基づく活動報告を受けるとともに、様々なサステナビリティに関する課題への対応についてモニタリングを実施しております。なお、リスクマネジメント委員会の議事録については、社外取締役を含めた全取締役に配信し、情報の共有を図るとともに、持続的な成長と企業価値の向上に資するよう、実効性も含めて取締役会にて審議しております。
詳しくは、「
(2)戦略
当社のサステナビリティに関する課題への対応については、リスクの減少のみならず収益機会にもつながる重要な経営課題であると認識しており、とりわけ環境への配慮については、「環境行動指針」を定め、『エコアクション21』に関する環境管理や製品に含まれる化学物質管理に取り組んでおります。また、環境分科委員会を設置し、「環境行動指針」に沿った年度計画を策定するとともに、CSRに関する活動やSDGs活動の推進にも積極的に取り組んでおります。
(3)指標及び目標
当社は、事業の特性上、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に沿った情報開示は行っていませんが、上記「(2)戦略)」において記載した環境への配慮から気候変動問題に関する様々な課題解決に向け、再生可能エネルギーの活用やFSC認証の原材料の積極的な提案など、温室効果ガス排出量の削減に向け、引き続き取り組んでまいります。
本報告書に記載した事業の概況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
また、当社グループとして、必ずしも事業遂行上のリスクとは考えていない事項につきましても、投資家の投資判断上重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から開示をしております。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)景気変動によるリスク
当社グループを含めたBtoB(企業間の商取引)をメインビジネスとした会社の業績は、景気の影響を受け易い傾向にあります。このような景気悪化に伴い顧客が、生産活動や事業の縮小・製造拠点の撤廃・統廃合などの事業再編を行うことや、製品開発の縮小や先送り・遅れなどで、当社グループが提供するサービスの利用が縮小された場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、景気の影響を受けにくい医薬・生活用品など新しい事業分野の拡大や、新領域の事業を含めたサービス内容の多様化、取引顧客の多様化、サービス提供地域の事業拡大等を図り、リスクを最小限に抑えられるよう事業構造の形成に努めております。
(2)主要顧客である日系メーカーのグローバルな製造拠点の移転リスク
当社グループの売上高は、国内のみならず海外においても日系メーカーが多く、当社グループの海外現地法人の主要顧客となっております。今後、主要顧客たる日系メーカーがグローバルな生産活動の再編や各国の法改正・政策変更に伴い、製造拠点を移転した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、リスク軽減に向け、取引顧客との連携を更に強化しサプライチェーンの要として取引の継続に務めるとともに、サポート拠点の拡大や日系メーカーへの依存度軽減に向けローカル企業や国際的な企業の取引拡大に努めております。
(3)ペーパーレス化の影響
近年、コンシューマー向けデジタル製品を中心に取扱説明書といったマニュアルのペーパーレス化が進み、また、デジタル製品そのものの市場の縮小を受け、同製品向け販売が大きく減少しておりました。現在は複合機やプリンターなどオフィス向け製品の情報機器メーカーとの取引も多いことから、今後、更にオフィスでのDX化に伴いペーパーレスが進み、複合機及びプリンターそのものの市場が縮小した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、グローバルネットワークの活用などにより、新たな業種としてペーパーレス化の影響を相対的に受けにくい医薬・生活用品メーカーに特化した販売活動とともに、既存の輸送機器メーカーとの取引拡大にも努めております。
(4)仕入価格変動リスク
当社グループは、海外では主に紙製品(取扱説明書、化粧箱、梱包材、ラベル等)を取り扱っており、その原材料である紙の価格の変動により、仕入価格が影響を受けております。今後、この仕入価格が上昇し、直ぐに製品への価格転嫁ができなかった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、新たな購買先の開拓により購入ルートの拡大を図るとともに、市場動向に合わせた迅速な購入により充分な材料在庫を確保することでリスク低減に努めております。
(5)為替変動リスク
当社グループの当連結会計年度の全売上高のうち、海外での売上高が約73%を占めているため、為替レートの変動による為替換算後の金額に影響を受けております。更に外貨取引も多いため、外貨取引により生じた資産・負債についても為替の変動リスクに晒されております。今後、円高もしくは円安に進行した場合、これらは当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、外貨建て債権債務においては、外貨建ての銀行借入等の残高の調整を行うことにより、ネットしたポジションをほぼ均衡させることでリスクヘッジを図っております。
(6)有利子負債残高に関するリスク
当社グループの当連結会計年度末の有利子負債残高(借入金、リース債務の合計額)は7,377百万円と総資産の約40%を占めております。当社グループは、原則、変動金利で借入を行っているため、今後、市場金利の上昇に伴い金融費用が増加した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、一部について固定金利で借入を行うことにより、金利変動リスクの低減を図っております。
(7)カントリーリスク
当社グループの当連結会計年度の全売上高のうち、中国及び東南アジア/南アジアでの売上高が約64%を占めております。今後、これらの国で法改正や人件費高騰、外交問題などの要因により、顧客の撤退や生産縮小などが行われた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、多くの国に進出し、その影響を分散することで、リスクの縮小に向け事業構造構築に努めております。
(8)製品の品質にかかるリスク
当社グループは、デジタル製品や家電、輸送機器などの取扱説明書の制作・編集・印刷や、梱包材などを供給しております。これら制作工程や製造工程において、企画・編集・制作時のミスや印刷時のミスプリント、乱丁などの不具合が市場に流出した場合、顧客への損害発生の可能性もあります。これら当社瑕疵により発生した損害金額の規模や頻度、事後対応、更には当社グループの信用が失墜した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、社員への教育研修によりスキル向上を継続的に図るとともに、グループ全体を統括する社長直轄の品質保証室のもと、各拠点にも品質担当者を配置することで、継続的に品質の向上・改善を進め、顧客のニーズに適時適切な対応を図る体制を構築しております。
(9)主要顧客の生産動向によるリスク
当社グループの当連結会計年度の売上高のうち、最大顧客の売上高でも約20%であるため、特定の顧客による影響はある程度、分散されております。しかしながら、主要顧客の生産動向の変化により特定の地域セグメントの損益が悪化した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、常に新規顧客の開拓や既存顧客の拡大を推進し、バランスの取れた取引により特定の顧客への依存度軽減に努めております。
(10)競合によるリスク
国内では、主に電機メーカーなどの事業再編により、マニュアル制作業界は縮小傾向にあるといわれておりますが、今後、更に国内メーカーの事業再編が進み、既存の同業会社の中で更に競争が厳しくなった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
海外でも同様に、日系メーカーの事業再編が進む一方で、ローカルの同業会社も台頭し、以前に比べ競争は厳しくなっております。今後、この優位性を維持継続できなかった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、国内事業においては特殊分野の制作能力(テクニカルライティング・翻訳等)を更に追求し、他社では対応できない独自性を高めております。海外事業においては他社に負けないQCDを追求するとともに、提案型のサービス展開にて顧客との強固な関係構築を進めており、グループ全体としては、グローバルでサプライチェーンの川上から川下まで一気通貫でサービス提供できる“One Stop Global Solution”の体制を強化し、競合に対しての優位性を図っております。
(11)情報漏洩によるリスク
当社グループは、顧客の未公表の新製品及びリニューアル品に関する開発情報に接しております。また、限定的ではあるものの、業務上で顧客に関する個人情報にも接しております。今後、情報漏洩による顧客からの損害賠償請求や信用の低下、取引停止などが生じた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、情報セキュリティをリスクマネジメントの最重要項目のひとつとして捉え、情報セキュリティ分科委員会を設置するとともに、情報セキュリティに関する諸規程の制定や役員・従業員・パート社員への啓蒙活動、管理体制の体系化及びシステム・運用の強化、更に外部によるネットワーク脆弱性診断にも取り組んでおります。
(12)優秀な人材の確保
当社グループが継続的な成長を続けるためには、優秀な人材を確保し、教育・育成していくことが最重要項目のひとつとして捉えております。しかしながら、当社グループが求める人材を計画通り確保・育成できなかった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、採用活動の全社的強化及び能力開発体制の構築など、優秀な人材の獲得・育成に努めております。
(13)大規模災害や感染症発生等のリスク
当社グループは、国内外に多くの拠点があるため、局地的な水害や地震などの自然災害や火災、暴動、テロなどの人災等の大規模災害や新型コロナウイルス感染症等の世界的蔓延(パンデミック)が発生した場合、事業拠点の損壊や従業員の被災や罹患により生産活動の停止又は、遅延などの可能性があります。また、顧客における操業停止や販売活動の停滞などにより当社グループの事業活動や業績に影響を与える可能性もあります。
当社グループでは、グループ全体の事業継続をリスクマネジメントの最重要項目のひとつとして捉え、BCM分科委員会を設置し、緊急時の事業継続のためのバックアップ体制を構築しております。なお、近年の新型コロナウイルス感染症やその他パンデミックへの対応としては、テレワーク勤務や時差出勤を導入するとともに、オフィス・工場内の感染予防対策なども徹底し、リスクの最小化に取り組んでおります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、当社の退職給付債務の計算方法を簡便法から原則法に変更しております。当該会計方針の変更により、遡及処理後の数値で前年同期との比較分析を行っております。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、為替市場における急激な円安進行や部材不足、材料価格の高騰などもほぼ落ち着き、企業の生産活動やインバウンドによる経済活動に加え、日経平均株価もバブル期後の最高値を更新するなど概ね回復基調になりました。しかしながら、日本国内の物価高や人手不足、世界的な景気の不透明感から、引き続き先行きの見えない状況が続きました。
一方、世界経済においても、各国におけるインフレ抑制政策の効果は徐々に現れてきたものの、引き続き不透明な状況でした。米国では、経済状況は引き続き好調であったものの、これまで実施してきた金融政策による経済活動への今後の影響がいまだ不透明な状況となっています。欧州では、消費は回復傾向にあるものの、継続的な高インフレ状態により景気回復は不透明な状況でした。中国では、新型コロナウイルス感染症への規制がほぼ撤廃され、経済活動再開への期待感が高まりつつありましたが、米国との経済対立や不動産市況の悪化による影響で緩やかな回復ペースとなりました。東南アジア/南アジアでは、生産活動は概ね回復傾向にありました。
こうした経済状況のもと、当社グループの主要顧客である日系メーカーでは、各国の経済活動への規制緩和により景気回復は進み、多くの顧客において引き続き生産活動は回復傾向となり、当社グループの取引においても、多くの国や地域で堅調に推移しました。
このような中、当社グループでは、次なる10年に向けた長期戦略方針“NEXT10”のもと、前期よりスタートしました中期経営計画「CR Vision 20+(Plus)」の目標達成に向け、“事業強化戦略”と“体制強化戦略”を両軸として様々な施策に取り組んでまいりました。事業強化では、新領域であるプロモーションなどの販促事業や特殊領域の翻訳事業を拡大し、体制強化では、フィリピンでの経営改革(体制変更や事業の見直しなど)による収益改善に加え、中国の東莞工場の完全商社化や社員の職場環境改善とBCP対策を盛り込んだ本社新社屋移転も完了し、新たな体制にて事業強化を推進しております。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度より826,080千円増加し、18,455,128千円(前連結会計年度比4.7%増)となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度より76,075千円減少し、10,716,208千円(前連結会計年度比0.7%減)となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度より902,156千円増加し、7,738,920千円(前連結会計年度比13.2%増)となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高は21,270,074千円(前連結会計年度比14.3%増)、営業利益は1,615,970千円(前連結会計年度比30.6%増)、経常利益は1,616,965千円(前連結会計年度比13.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は851,997千円(前連結会計年度比2.0%増)となりました。
セグメントの経営成績は、以下のとおりであります。
日本は、外部顧客への売上高は5,649,486千円(前連結会計年度比1.7%増)、セグメント利益は295,696千円(前連結会計年度比30.6%減)となりました。
中国地域は、外部顧客への売上高は4,774,390千円(前連結会計年度比11.4%増)、セグメント利益は304,979千円(前連結会計年度比22.3%減)となりました。
東南アジア/南アジア地域は、外部顧客への売上高は8,886,020千円(前連結会計年度比23.0%増)、セグメント利益は796,645千円(前連結会計年度比265.2%増)となりました。
欧米地域は、外部顧客への売上高は1,960,176千円(前連結会計年度比27.2%増)、セグメント利益は215,639千円(前連結会計年度比7.0%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ25,759千円増加し、当連結会計年度末には4,786,128千円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,720,531千円の収入(前連結会計年度は1,786,625千円の収入)となりました。これは主として、法人税等の支払額753,686千円があったものの、税金等調整前当期純利益1,705,352千円、減価償却費781,121千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,555,326千円の支出(前連結会計年度は1,268,086千円の支出)となりました。これは主として、有形固定資産の売却による収入156,552千円があったものの、有形固定資産の取得による支出1,674,612千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、236,394千円の支出(前連結会計年度は395,774千円の収入)となりました。これは主として、長期借入金の返済による支出968,364千円、短期借入金の純減額655,270千円、リース債務の返済による支出359,585千円、配当金の支払額243,500千円があったものの、長期借入れによる収入1,990,422千円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 2021年7月1日 至 2022年6月30日) |
当連結会計年度 (自 2022年7月1日 至 2023年6月30日) |
||
|
生産高(千円) |
前連結会計年度比 (%) |
生産高(千円) |
前連結会計年度比 (%) |
|
|
日本 |
5,470,101 |
99.5 |
5,400,891 |
98.7 |
|
中国地域 |
4,447,613 |
109.5 |
4,185,753 |
94.1 |
|
東南アジア/南アジア地域 |
6,464,966 |
108.5 |
7,849,911 |
121.4 |
|
欧米地域 |
1,745,072 |
106.2 |
2,152,744 |
123.4 |
|
合計 |
18,127,754 |
105.6 |
19,589,301 |
108.1 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b.受注実績
当社グループの取引は、企画・編集・制作の各段階で、仕様変更・内容変更が発生する場合が多く、その結果、受注金額の最終決定から売上計上(販売)までの期間が短いため、受注実績の記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 2021年7月1日 至 2022年6月30日) |
当連結会計年度 (自 2022年7月1日 至 2023年6月30日) |
||
|
販売高(千円) |
前連結会計年度比 (%) |
販売高(千円) |
前連結会計年度比 (%) |
|
|
日本 |
5,555,761 |
110.1 |
5,649,486 |
101.7 |
|
中国地域 |
4,287,496 |
111.4 |
4,774,390 |
111.4 |
|
東南アジア/南アジア地域 |
7,226,136 |
105.2 |
8,886,020 |
123.0 |
|
欧米地域 |
1,540,753 |
104.1 |
1,960,176 |
127.2 |
|
合計 |
18,610,148 |
107.9 |
21,270,074 |
114.3 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年7月1日 至 2022年6月30日) |
当連結会計年度 (自 2022年7月1日 至 2023年6月30日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
エプソングループ |
3,120,862 |
16.8 |
4,204,186 |
19.8 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しており、この作成にあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
また、当社の連結財務諸表作成において、損益及び資産の状況に影響を与える見積り及び判断については、過去の実績や当該取引の状況に照らして合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性から業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
見積り及び判断に影響を及ぼす重要な会計方針としては次のものがあると考えております。
a.退職給付債務及び退職給付費用
退職給付債務及び退職給付費用は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算定されており、これらの前提条件には、割引率や年金資産の期待運用収益率等が含まれております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、退職給付債務及び退職給付費用に影響を与える可能性があります。
b.貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため回収不能見込額を見積り、引当金を計上しておりますが、将来、債務者の財政状態が著しく悪化した場合、引当金の追加計上等による損失が発生する可能性があります。
c.繰延税金資産
連結財務諸表と税務上の一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性については、税務計画を考慮し見積っておりますが、予測不可能な前提条件の変更等により見直しが必要となった場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
d.棚卸資産
当社グループは、棚卸資産の評価を行うに当たっては、製品及び商品については正味売却価額、原材料については再調達原価に基づき、収益性の低下を検討しております。また、一定期間を超えて滞留する棚卸資産についても簿価を切り下げており、状況に変化が生じた場合には、棚卸資産の簿価を切り下げ、売上原価を増加させることになります。
e.固定資産の減損処理
当社グループは、資産又は資産グループに減損が生じている可能性を示す事象(減損の兆候)が識別された場合、将来の事業計画等を考慮して、減損損失の認識を行い、必要に応じて回収可能価額まで減損処理を行うこととしております。そのため、将来の市況悪化等が見込まれることとなった場合、減損損失の計上が発生するなど当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
f.のれん及び顧客関連資産の評価
当社グループは、のれん及び顧客関連資産に関して効果の発現する期間を見積り、その期間で定額法により償却しておりますが、その資産性の評価について検討した結果、当初想定したキャッシュ・フローが見込めなくなった場合に、評価の切り下げを行う可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1) 財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度より826,080千円増加し、18,455,128千円(前連結会計年度比4.7%増)となりました。これは主として、商品及び製品が246,039千円減少しましたが、有形固定資産が992,473千円増加したことによるものであります。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度より76,075千円減少し、10,716,208千円(前連結会計年度比0.7%減)となりました。これは主として、長期借入金が950,541千円増加しましたが、短期借入金が619,885千円、未払金が172,721千円、未払法人税等が140,716千円、支払手形及び買掛金が137,029千円減少したことによるものであります。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度より902,156千円増加し、7,738,920千円(前連結会計年度比13.2%増)となりました。これは主として、利益剰余金が608,497千円、為替換算調整勘定が237,260千円、非支配株主持分が78,294千円増加したことによるものであります。
2) 経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は21,270,074千円(前連結会計年度比14.3%増)となりました。
国内では、新型コロナウイルス感染症の収束により主要顧客との取引が回復傾向となり売上高が増加いたしました。海外では、国内同様に全般的な取引の復調と円安の進行による為替換算の影響もあり売上高が増加しております。
(売上総利益)
売上総利益は6,185,856千円(前連結会計年度比20.1%増)となりました。これは、売上高の増加とグループ全般における業務改善及び生産効率向上による原価低減効果によるものです。
(営業利益)
営業利益は1,615,970千円(前連結会計年度比30.6%増)となりました。これは、給与や貸倒引当金繰入額の増加がありましたが、売上総利益の増加によるものです。
(経常利益)
経常利益は1,616,965千円(前連結会計年度比13.7%増)となりました。これは、為替差益の減少がありましたが営業利益の増加によるものです。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は851,997千円(前連結会計年度比2.0%増)となりました。1株当たり当期純利益金額は、当連結会計年度は276.42円(前連結会計年度比2.0%増)となりました。
3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社の事業では、国内ではそのほとんどが役務提供型の業務であるため、多額の設備投資が必要となる事業ではありません。一方、海外では工場型拠点と商社型拠点があり、商社型拠点では多額の設備投資は発生しませんが、工場型拠点では新規投資や現状設備維持の投資が必要になります。
運転資金につきましては、当社グループの製品は受注から納品・検収・回収までのサイトが比較的短く、多額に先行で費用が発生することはありません。現在は、事業資金の効率的かつ安定的な調達を図るため、取引金融機関数行との間で複数のコミットメントライン契約を締結しております。また、既存設備維持の投資に関しては営業活動によるキャッシュ・フローより行うこととしておりますが、新たな追加の投資が必要な場合には、リース契約もしくは長期借入金でまかなっております。
c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、第40期(2024年6月期)を最終年度とする中期経営計画「CR Vision 20+(Plus)」において、「NEXT10に向けた企業基盤の安定化へ」を基本方針とし、最終年度の連結経営指標について以下の数値目標を設定しております。第40期の数値目標に対する第39期の実績につきましては、新型コロナウイルス感染症による影響も収束し、当社グループの主要顧客との取引は多くの国や地域で回復傾向となり、大幅な円安の影響も起因して過去最高の売上高、営業利益を達成いたしました。引き続き中期最終年度の目標達成に向け邁進してまいります。
中期経営計画「CR Vision 20+(Plus)」の最終年度である2024年6月期の数値目標及び2023年6月期の実績
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指標 |
第40期目標 (2024年6月期) |
第39期実績 (2023年6月期) |
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売上高 |
185億円 |
212億円 |
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営業利益 |
12億円 |
16億円 |
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営業利益率 |
6.5% |
7.6% |
d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(日本)
取引先における部材不足による製品の納品遅延にともなう新製品の開発や販売への影響もほぼ落ち着き、引き続きプロモーション業務の継続的な拡大や輸送機器や電器関連の主要顧客との取引は堅調に推移し、回復傾向となりましたが、海外子会社からのロイヤリティー(トレードマークフィー)の比率を引き下げたことで収益性は低下しました。
このような状況のもとで、日本では、外部顧客への売上高は5,649,486千円(前連結会計年度比1.7%増)、セグメント利益は295,696千円(前連結会計年度比30.6%減)となりました。
(中国地域)
華東地区では、輸送機器関連の堅調な取引に加え、欧米メーカーを含めた医薬品関連の取引も引き続き堅調に推移しました。華南地区では、2022年12月末で閉鎖した東莞工場にかかる閉鎖にともなう費用が当初の見込みより多く発生しましたが、今後は完全商社化への完了にともない、収益は改善する見込みです。
このような状況のもとで、中国では、外部顧客への売上高は4,774,390千円(前連結会計年度比11.4%増)、セグメント利益は304,979千円(前連結会計年度比22.3%減)となりました。
(東南アジア/南アジア地域)
フィリピンでは、顧客の生産状況は回復傾向にある中、税制改正への対応として、販売価格への転嫁や不採算商品からの撤退などによる事業の見直しを進めていたところ、突如、2023年2月17日付の内国歳入庁(Bureau ofInternal Revenue:BIR)の通達により、再びフィリピン子会社の国内仕入取引が付加価値税(VAT)の免除対象に該当することとなりました。これまで還付困難な未収VATの発生額に対して全額計上していた貸倒引当金は、VATゼロレート企業である証明書を取得した2023年3月6日以降は計上する必要はなくなりましたが、引き続き体制変更や不採算商品の撤退などによる事業の見直しは継続しています。インドネシアでは、引き続き生活用品やヘルスケア用品などの新事業分野の顧客との取引は順調に推移しており、収益も安定化しています。タイでは、全体的に顧客の生産活動は引き続き回復基調ですが、一部顧客では販売低調により取引が減少傾向でした。ベトナムでも生産活動は徐々に回復傾向にあります。インドでは、現地法人を設立して以来、通期で黒字に転じました。
このような状況のもとで、東南アジア/南アジアでは、外部顧客への売上高は8,886,020千円(前連結会計年度比23.0%増)、セグメント利益は796,645千円(前連結会計年度比265.2%増)となりました。
(欧米地域)
米国では、主要顧客である輸送機器メーカーとの取引や新規翻訳事業の取引に加え、新規顧客の開拓も進んでおり引き続き堅調に推移しました。欧州では、玩具系電器メーカーとの取引が継続的に拡大していることに加え、半導体不足による生産調整の影響があった輸送機器メーカーも回復傾向にあります。
このような状況のもとで、欧米では、外部顧客への売上高は1,960,176千円(前連結会計年度比27.2%増)、セグメント利益は215,639千円(前連結会計年度比7.0%増)となりました。
(工事請負契約)
当社の連結子会社SUZHOU CRESTEC PRINTING CO.,LTD.(以下、「蘇州クレステック社」)は、移転用地として取得した工場用地に新工場を建設することとし、2021年9月14日付で工事請負契約を締結いたしました。
(1) 新工場建設理由
当社の連結子会社である蘇州クレステック社は、中国市場を中心に、電器全般および輸送機器メーカーのマニュアル印刷を手掛けており、近年では、欧米を含めた製薬メーカーからの医薬品分野に関するマニュアル(添付文書)印刷の取引が増加しております。この医薬品分野の取引増加に伴う生産能力の更なる拡充を図るため、蘇州市当局から移転用地として取得した工場用地に新工場を建設することとし、2021年9月14日付で工事請負契約を締結いたしました。
(2) 新工場の概要
① 所在地 18 Tai Shan Road, Suzhou, Jiangsu, P.R.CHINA
② 敷地面積 15,190.40㎡
③ 延床面積 24,347.93㎡
④ 建築構造 鉄骨造地上3階建て
⑤ 着工 2021年11月
⑥ 竣工 2024年3月(予定)
⑦ 建設予定額 約82百万人民元
⑧ 資金計画 自己資金及び金融機関からの借入
当社グループでは、多様化する顧客ニーズを的確に把握し、そのニーズに沿った新しい商品(マニュアル)及びサービスやシステム、印刷技術の提供を目的に研究開発活動を行っております。
マニュアル作成では、商品の仕様や端末の普及により様々に変化する取扱情報の提供方法に対応するため、社長直下の各部門を超えた横断的プロジェクトチームを構成し、市場動向の調査から新メディア対応の研究開発を進めております。また、製品コスト低下に伴うマニュアル制作費のコストダウンにも対応するため、顧客へ販売するためのマニュアル作成ツール開発や作業効率化ツールの開発部門を設置し推進しています。
パッケージ製造では、開発・設計を国内で、生産を海外で行う顧客に対し、国内と海外の両方でサポートできる体制を構築するため、国内に梱包設計部門を設置しております。これにより、海外現地で原材料を入手し生産した場合と同じ仕様でのサンプルを国内で作成したり、海外生産の設備的メリット、デメリットを顧客に提案したりと、顧客のニーズに応える体制を取ることが可能となっております。
最近2連結会計年度における研究開発活動に要した費用は、下表のとおりであります。
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前連結会計年度 (自 2021年7月1日 至 2022年6月30日) |
当連結会計年度 (自 2022年7月1日 至 2023年6月30日) |
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当社(日本)における研究開発費 |
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計 |
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