第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社の経営の基本方針といたしましては、「世界中のモノやコトとの連携で人々の手間を無くし、それによって創出されるたくさんの出会いや時間などが、社会を豊かにしていくことを目指す」を経営理念に、広く有用な存在であり続け、社会と共存する企業であることとしております。

 

(2)目標とする経営指標

 当社は、経営規模に関する指標として売上高、収益性に関する指標として売上高営業利益率を特に重視しております。売上高増大のためには営業力、製品力の強化が欠かせません。そのためにかかる人件費及び開発費用の投下バランスを考慮し、売上高営業利益率の急激な変化がないように見定めながら投資を行ってまいります。

 売上高の成長とともにお客様に高付加価値の製品を提供し高い売上高営業利益率を確保することが、株主価値を向上できるものと考えております。

 

(3)経営戦略の現状と見通し

 現在の世界経済は、多くの国や地域において長期に渡り続いた新型コロナウイルス感染症の拡大による影響も緩和され、経済活動も活発化してきております。国を跨いだ移動においても、日本への訪日外客数は増加しております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大以前に訪日外客数の約3割を占めていた中国では、新型コロナウイルス感染症の再拡大が危惧されており、経済成長の見通しも鈍化しております。さらにはエネルギー価格の高騰、物価の上昇など景気の下押しリスクも台頭し、世界経済の先行きは不透明な状況が継続しております。

 当社の主力事業であるアプリケーションサービス事業と関連性が高い宿泊旅行業界においては、3年ぶりの行動制限のない長期休暇に加え、2022年10月11日から、日本への入国制限緩和と政府による「全国旅行支援」が開始され、また、2023年5月8日から、新型コロナウイルス感染症における感染症法上の位置付けが5類感染症へ移行され水際対策の措置が終了されるなど、宿泊需要の回復が見られました。国内の人流および訪日の増加により、足許の宿泊需要は大きく回復しておりますが、新型コロナウイルス感染症拡大前と比較し、ビジネスにおける宿泊利用の回復が鈍く、小規模施設も含めた宿泊施設の新設計画も一定水準に留まっております。これらの様々な要因を踏まえ、新型コロナウイルス感染症拡大前の水準まで訪日外客数が回復するのは、早くても2025年春以降になると見ております。

 宿泊旅行業界において宿泊需要が回復している中、宿泊施設では人手不足の解消や業務効率化が喫緊の課題となっております。その様な状況下において、予約サイトの一元管理ができ、様々な販売チャネルや管理システムと連携をしているサイトコントローラーは必要不可欠な存在となっております。今後も、宿泊施設の売上および利益拡大を図るため、業務効率化・利便性向上に繋がるシステムや販売チャネルとの連携および新機能の開発などの施策を行い選ばれる製品にすること、そして全社一体となってお客様をサポートしていくことで、TEMAIRAZUの更なる普及に努めていきます。

 インターネットメディア事業では、比較サイト『比較.com』において、検索エンジンの最適化、ユーザーインターフェイスの改善、モバイルユーザビリティの向上等の対策を継続して行うと共に、コンテンツの充実やカテゴリの追加等により幅広く有意義な情報提供を行い、更に多くの人に利用されるサービスにしていく事で売上高の増加を図っていきます。

 間接部門においても、経営管理、営業管理、教育体制の整備、リスク管理を行うための費用の増加を見込んでおります。

 なお、翌事業年度において、宿泊業界の回復需要に対応するための組織体制強化を目的とした人的資源への投資およびシステム投資を引き続き行なっていくことを見込んでおります。一層の営業体制の強化および開発力・製品力の強化等を行い売上高の成長・利益確保に努めます。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当社が対処すべき課題として認識している点は以下のとおりであります。

① サービスレベルの向上

 当社の競争力を強化し、より多くの宿泊施設やインターネットユーザーを獲得するためには、サービスの品質を総合的に高め、充実させることが必要不可欠であると考えております。今後は新規サービスの開発や機能追加も進め、より多くの宿泊施設及びインターネットユーザーのニーズに応えられるサービス作りを目指してまいります。

 

② 営業力の強化

 当社は小規模組織であることから営業部門も少数精鋭の体制で運営しております。営業部門は、蓄積されたノウハウを活かした提案により営業活動を推進しておりますが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により落ち込んでいた宿泊需要に回復の兆しが見えてきたことを背景に、受注の獲得機会が増加することが予想され、営業力の強化、営業人員の早期育成が必要であると考えております。

 具体的には、教育研修制度の充実、営業ツールやマニュアル等の整備、営業活動に集中できるようにサポート部門の充実、また、既存営業人員の育成と同時に、即戦力となる営業人員の採用を行い、営業力の強化を図ってまいります。

 

③ 優秀な人材の確保及び育成

 当社が展開しているビジネスは、従業員一人一人がユーザーの視点でニーズを感じ取り、企画し、ビジネスへと昇華することのできる知識と経験、ビジネスセンスが求められております。すなわち、個人の感性や経験等が事業展開の確実性、スピード、サービス内容の質に影響を及ぼすため、優秀な人材を確保することが経営の重要な課題と認識しております。そこで、優秀な人材にとって魅力ある企業となるため、労働基準法等の関連法令に従った労務管理の実施はもとより、公正な評価基準及び成果に連動した給与体系の構築や教育研修の充実に力を入れてまいります。採用においては、ビジネス経験を重視した中途採用に重点をおきつつも、将来的に会社を担う人物を発掘するために新卒採用も積極的に実施し、人員体制の拡充を図ってまいります。

 

④ 組織体制の整備

 当社は、高成長を維持し、継続的に企業価値を拡大していくために、事業の規模に見合った経営管理体制の充実が不可欠であると認識しております。そのため適時必要な組織改編を行い、優秀な人材の確保とバランスの取れた組織体制の整備に配慮してまいります。

 

⑤ 内部統制の強化及びコーポレート・ガバナンスの充実

 当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は、企業価値を継続的に高めていくために不可欠な経営統治機能と位置づけており、コーポレート・ガバナンス体制の強化及び充実に努めております。その一環として、当社は2021年9月17日、監査等委員会設置会社へ移行し、取締役の職務執行の監査等を担う監査等委員である取締役を取締役会の構成員とすることで、取締役に対する監視・チェック機能を強化し、コンプライアンス及びリスク管理の徹底を図ることで、コーポレート・ガバナンスのさらなる充実に取り組んでおります。

 また、当社はいかなる場合においても反社会的勢力及びその関係者とは取引や交際をせず、金銭その他の経済的利益を提供しないこと、また、反社会的勢力に対しては組織的に対応することとしております。

 社内体制としましては、反社会的勢力による不当要求が発生した場合の対応を統括する部署が、反社会的勢力に関する情報を一元管理し、反社会的勢力との関係を遮断するための組織的取組みを行うとともに、警察庁・都道府県警察本部等との連携等を行うこととしております。反社会的勢力からの不当な要求に対しては、対応を統括する部署が上記機関に相談し対応することとしております。

 

⑥ 新型コロナウイルス感染症拡大に対する取り組み

 新型コロナウイルス感染症における感染症法上の位置付けが5類感染症へ移行されるなど、国内の状況は落ち着き始めております。当社では、感染再拡大のリスクも考慮し、お客様やお取引先様、従業員の健康と安全を最優先に、時差通勤や在宅勤務、オンラインを活用した営業活動を取り入れハイブリッドな組織運営を継続しております。今後も、慎重に状況を見極めながら感染症予防対策を講じた組織運営を行ってまいります。

 

⑦ ITシステムのリスクと対策

 当社のビジネスはITシステムを基盤として収益を生み出しており、当社のビジネスの根幹をなしているとも言えます。それゆえに外部からのサイバー攻撃、個人情報等の情報漏洩や人的・物的要因によるシステム障害のリスクが高いと認識しております。そのため、アプリケーションサービスの顧客である宿泊施設やインターネットユーザーに安心安全に利用してもらうためには従業員一人一人への高い情報リテラシーの植え付けやシステムの開発・保守・運用を担っている開発部員の技術力の向上、セキュリティ対策などによりリスク対策の強化が重要であると考えています。引き続き人的要因によるセキュリティリスクを防ぐ対策を取っていくとともに、完璧なシステムはないという事を念頭に置いて災害によるシステム障害や外部からのサイバー攻撃等の突発的な事象にも対応していける更なる対策を行ってまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社のサステナビリティに関する考え方および方針は、次のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ基本方針

 当社の経営理念である「世界中のモノやコトとの連携で人々の手間を無くし、それによって創出されるたくさんの出会いや時間などが社会を豊かにしていくことを目指す」に基づき、ITを通じて持続可能な社会への貢献と企業価値の向上を追求していきます。

 

1.企業倫理とコーポレートガバナンスの遵守

(ア)全ての企業活動において法令・社会規範を遵守すると共に、高い企業倫理を堅持し事業活動を推進します。

(イ)正確で明瞭な情報開示に努め実効性・透明性・信頼性の高い企業統治を実現するとともに、ステークホルダーとの誠実な対話と協働を通じて、すべてのステークホルダーとの信頼関係を築きます。

 

2.人権の尊重

(ア)人権尊重を事業継続の基盤の一つと捉え、事業活動のあらゆる場面において基本的人権の尊重を徹底します。

(イ)多様な価値観を尊重し、従業員が創造性を発揮できる組織づくりと、健康的で働きがいのある職場環境づくりに努めます。

 

3.社会への貢献

(ア)お客様に満足していただける高品質な製品・サービスを安定的に提供し、新しい社会価値を創造し続けることで持続可能な社会の実現に貢献します。

(イ)自社が持つIT技術を駆使して、積極的に社会貢献に取り組みます。

 

4.環境に関する取り組み

(ア)企業活動が自然環境に与える影響の重要性を認識し、自らの企業活動における省資源・省エネルギー化を推進するとともに、事業や製品、サービス提供を通して、お客様の業務の効率化や省エネルギー化を支援し、より良い地球環境の実現に貢献します。

 

(2)ガバナンス

当社は、取締役会において定めたサステナビリティ基本方針に基づき事業を推進しております。サステナビリティに関する基本方針や具体的な取り組み、実効性が確保されているかを取締役会で検証し、改善を図っていく経営体制を整えております。

なお、当社のコーポレート・ガバナンスに関する詳細は、「第4 提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しております。

 

(3)戦略

インターネット市場に属する当社のビジネスにおいてサステナビリティに関する取組みのうち優秀な人材の確保・定着が経営・事業基盤を安定化させるために重要であると認識しておりますこの認識のもと当社では年齢・性別・国籍等に関係なく事業展開の確実性・スピード・サービス内容の質に影響を及ぼす固定概念に捉われない新しい捉え方や考え方知識や経験等を持つ人材の確保及びこのような人材が活躍できる環境構築を目指しております

上記方針のもと人材の育成においては新卒・中途採用ともにOJT制度をとっており一般的な事項に加え当社特有の事項に関する基礎力の構築を図っておりますまた年齢・性別・国籍等に関係なく自発的に挑戦する人材に対し多くの機会を提供できる環境を整備しておりますまた社内環境の整備においてはリモートワークを併用したハイブリッドな働き方近隣居住の従業員及び外国籍従業員に対する住宅手当長期勤続手当年齢・性別・国籍等に関係なく管理職へ登用する柔軟な人事制度を運用しております

なお人材の育成及び社内環境の整備について当社の組織規模に合わせて検討し見直しを図っていく方針です

 

(4)リスク管理

 当社は、リスク管理規程等に基づき、経営企画室を主幹とし、取締役会を通じてリスクの識別・評価・管理を行う体制を整えており、リスクの未然防止に努めております。また、状況に応じて外部専門家(弁護士、公認会計士、税理士、社会保険労務士など)からアドバイスを受けられる体制を整えるとともに、内部監査および監査等委員による監査を通じて、潜在的なリスクを早期発見することに努めております。

当社を取り巻くステークホルダーの皆様と信頼関係を構築できるよう、適切な経営判断を迅速に行い、高い経営の透明性・経営監視機能を発揮するコーポレート・ガバナンス体制を整えております。当社のコーポレート・ガバナンスに関する詳細は、「第4 提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しております。

 

(5)指標及び目標

当社では上記(3)戦略において記載した方針に関する指標として次の指標を用いております年齢・性別・国籍等に関係なく若い人材や知識・経験のある人材でバランスの取れた組織を目指しております

当該指標に関する当事業年度の実績及び目標は次のとおりであります

項目

実績

目標

平均勤続年数

4.2年

5〜9年

平均年齢

34.9歳

30〜35歳

開発組織における外国籍比率

11.1%

20%以上

 

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資者の投資判断において重要であると考えられる事項については積極的に開示しております。

 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)事業に関するリスク

① インターネット市場について

 当社は、アプリケーションサービス事業とインターネットメディア事業を展開しており、インターネットの安定的利用が成長のための基本的な前提条件と考えております。インターネット普及率は世代格差や年収格差はあるものの安定的成長を続けており、このような傾向は今後も続くものと考えられます。

 しかしながら、自然災害などの天変地異によるインターネット環境が使えない状態、革新的なサービスが登場しインターネットの上位互換のようなものが誕生した場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

② 宿泊予約サイトコントローラーの市場について

 年々、宿泊予約サイトを利用した宿泊が増加しており、オンライン旅行市場規模も順調に拡大しております。また、近年はインバウンド需要の拡大により旅行業界全体が盛況な状態にあります。このような状況により、宿泊予約サイトコントローラー市場も成長しております。

 しかしながら、予約システムに関する技術革新が行われた場合には、宿泊予約サイトコントローラー市場が影響を受ける可能性もあります。

 また、自然災害などの天変地異、ウイルス性の疾患の流行、国際紛争等の不測の事態による国内旅行者、訪日外国人の減少により、宿泊施設と宿泊予約サイトの収益を悪化させ、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

③ インターネット広告市場について

 日本の広告市場において、インターネット広告はテレビに次ぐ広告媒体へと成長しており、インターネット市場の拡大に比例して、今後も成長すると考えられます。

 しかしながら、インターネット広告市場に限らず広告市場は景気変動の影響を受けやすく、景気の悪化に伴い広告出稿が減少した場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

④ 競合について

 当社は宿泊予約サイトコントローラー『TEMAIRAZU』シリーズを運営しておりますが、当該市場にも競合他社が複数存在しております。競合他社の利用施設数が何らかの要因で急激に増加した場合や、海外のサイトコントローラーの日本への進出や異業種からの参入がある場合には、当社の利用施設数に影響を及ぼすことが予想されます。

 また、当社は比較サイト『比較.com』を運営しておりますが、「比較サイト」という範疇においては同様のウェブサイトが多数存在しております。当社としましては、今後もサービスの向上、ブランド力の強化に努めてまいりますが、当該事業は参入障壁が低い比較サービスもあり、今後も新規参入者が増加していくことが予想されます。

 このような状況下において、競合他社との競争激化による収益力の低下や、広告宣伝費の増加等により、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 新規事業立上げに伴うリスクについて

 当社は宿泊予約サイトコントローラー『TEMAIRAZU』シリーズ並びに比較サイト『比較.com』を中心としてサービスを展開しておりますが、さらなる事業の拡大を目指し、新規サービスを視野に入れ事業展開を行っております。

 しかしながら、新規事業においては、安定して収益を生み出すまである程度の時間がかかることも予想され、その結果当社の利益率の低下を招く可能性があります。また、新規事業の採算性には不透明な点が多く、予想した収益が得られない可能性があります。このような場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

⑥ 広告宣伝活動について

 インターネットメディア事業では、当社が運営する比較サイト『比較.com』の利用者獲得のため、広告宣伝活動を行っております。そのため、広告宣伝活動の費用対効果が悪化し、十分な広告宣伝活動が行えなくなることで利用者数が減少した場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

⑦ 法的規制について

 当社はインターネットを通じて、インターネットユーザーに各種サービスを提供しておりますが、インターネットに関しては法的整備の不備が各方面から指摘されており、当社事業を規制する法令等が今後新たに制定される可能性があります。このような場合、当社の事業展開に制約を受け、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 宿泊業界においては、「旅館業法」等関連事業法令の規制があります。これらの法令等の改正や新たな法令等の制定により規制強化が行われた場合、当社の事業展開に制約を受け、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。また、「住宅宿泊事業」もあり、同法については規制が強く事業展開については慎重に見極めながら行ってまいります。

 

⑧ 設備及びネットワークシステムの安定性について

 当社の事業は通信ネットワークに依存しており、自然災害や事故により通信ネットワークが切断された場合には、サービスを提供することが不可能な場合があります。また、アクセスの急激な増加等、一時的な負荷増大によって当社のサーバーが作動不能に陥りサービス提供に支障が出る場合があるほか、外部からの不正な手段によるコンピューター内への侵入等の犯罪や当社担当者の過誤等によって、当社のシステムに重大な影響が出る場合があります。当社では、当該リスクの対応策として、サーバー/ネットワークの冗長化を進めると共に、定期的な脆弱性診断の実施、不正アクセスに対する常時監視体制やデータの常時バックアップ、設備面での電源の二重化などシステム障害を未然に防ぐための取り組みを行っておりますが、前述の様な状況が発生した場合には、サービス提供が困難になる可能性があり、その結果、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 加えて、当社では、サービスの安定稼働及び事業成長のために、システムインフラ等への継続的な設備投資や維持・管理費用が必要となります。当社の想定を上回る急激なユーザーまたはトラフィックの拡大や、セキュリティその他の要因によるシステム対応強化が必要となった場合、想定外の追加投資や費用の増加等が必要となる可能性があり、当社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ 収益計上の前提となる基礎データの信頼性について

 当社の主力事業であるアプリケーション事業における売上高は、自社システムである手間いらずシステムによって管理しています。手間いらずシステムでは、情報の登録を一部手作業によっておこなっており、そのデータを用いて売上データの生成をしています。そのため、手間いらずシステムに人為的なミスなどによって誤った情報が登録された場合、データの正確性と手間いらずシステム自体の信頼性が担保されず、収益計上が適切に行われないリスクが存在します。そのようなリスクを回避するために重要情報についてはダブルチェックの徹底を行っております。

 

⑩ 個人情報保護について

 当社は、当社ウェブサイト上の各サービスの中で、ユーザーの個人情報を取得し、また保有しております。その個人情報の管理は、当社にとって極めて重要な責務と認識しており、SSL(注)等の暗号化された通信を利用するなど、ネットワークセキュリティの向上に努めております。

 一方、「個人情報の保護に関する法律」(個人情報保護法)は、個人情報を利用して事業活動を行う法人及び団体等に対して、個人情報の適正な取得、利用及び管理等を義務付け、個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権益保護をはかることを目的とした法律であり、当社においても個人情報取扱事業者としての義務が課されているため、当該法律の規定を踏まえた個人情報の取扱いに関して、個人情報保護の方針(以下「プライバシーポリシー」という。)を定め、運用しております。

 また、プライバシーポリシーの運用を徹底するとともに社内の情報アクセス権を管理し、かつ個人情報の取扱いに関する社内教育を行うなど、管理運用面についても、慎重を期しております。しかしながら、個人情報が外部に流出したり悪用されたりする可能性が皆無とは言えず、かかる事態が発生した場合には、当社の風評の低下によるサービス利用者の減少、当該個人からの損害賠償請求等が発生し、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

(注) SSL…インターネット上で情報を暗号化して送受信するプロトコル(通信規約)

 

⑪ 知的財産権について

 当社は、『比較.com』、『TEMAIRAZU』、『手間いらず.NET』等の商標権を取得または出願し事業を運営しておりますが、一方、ビジネスモデルや技術に関する特許権は、現時点において取得しておりません。

 現時点において、当社は第三者の知的財産権は侵害していないものと認識しておりますが、万一、知的財産権の侵害を理由として、第三者より損害賠償請求及び使用差止請求等を受けた場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑫ 提供情報の誤謬及び著作権侵害による影響について

 当社は、インターネットユーザーに各種商品・サービスの情報を提供しておりますが、その提供情報については広告主より掲載情報の提供を受け、コンテンツの制作及び情報提供を行っております。

 しかしながら、一部当社自身で掲載情報を収集し、コンテンツの制作及び情報提供を行っているサービスが存在いたします。その提供情報の収集、コンテンツの制作及び情報提供を行うに際しては、誤謬及び第三者に対する著作権の侵害をしないよう努めておりますが、技術的な問題や人為的なミス、内容や制作過程から一部の欠落や誤謬が発生する場合、並びにその内容において第三者に対する著作権の侵害が認められた場合は、損害賠償請求や信用低下、ブランド力の低下等により、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑬ 投資について

 当社は、今後の事業拡大のために、「世界中のモノやコトとの連携で人々の手間を無くし、それによって創出されるたくさんの出会いや時間などが社会を豊かにしていくことを目指す」という経営理念の範疇で、また、既存事業とのシナジーが見込める領域において、さらなる投資を行う可能性があります。

 そのような投資が当初見込んだ成果どおりに進まない場合には、投資を回収できず、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑭ 新型コロナウイルス感染症について

 2020年1月から新型コロナウイルス感染症の感染拡大が始まり、世界経済に大きな打撃を受けておりましたが、行動制限の解除や水際対策の措置が終了されるなど状況は落ち着き始めております。特に当社の事業と関連性の深い宿泊旅行業界においては、訪日旅行者および国内旅行者の増加に伴い、国内の宿泊需要は回復しております。ただし、新型コロナウイルス感染症の再拡大や新しい感染症の流行等により、今後、厳しい行動制限が敷かれた場合、予約数に応じた通信料売上の減少および新規契約獲得の鈍化や閉館等による契約数の減少により当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(2)組織体制について

小規模組織について

 当社は2023年6月30日現在、取締役5名(内、監査等委員である取締役3名)、従業員38名と小規模組織であり、内部管理体制もこの規模に応じたものとなっております。当社では、今後の事業拡大に対応すべく人員増強等によりさらなる組織力の充実をはかってまいりますが、人材の確保及び内部管理体制の充実が円滑に進展しない場合、既存の人材が社外に流出した場合は、当社の事業運営に重要な影響を与える可能性があります。

 また、当社では小規模組織であるものの、従業員に欠員や就業が困難な事態が生じた場合においても代替が機能するよう、社内教育や業務のマニュアル化を行っておりますが、一時的に大量の従業員の欠員や就業が困難な事態が生じた場合、当社の事業運営に重要な影響を与える可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う行動規制の緩和、新型コロナウイルス感染症における感染症法上の位置付けが5類感染症へ移行されたことなどを背景に緩やかに回復しつつあります。

一方、長期化するウクライナ情勢や円安基調の経済情勢を背景としたエネルギー価格の高騰、物価の上昇等、景気の下押しリスクも台頭し不透明な状況が継続しております。

 アプリケーションサービス事業と関連性が高い宿泊旅行業界においては、3年ぶりの行動制限のない長期休暇に加え、2022年10月11日から、日本への入国制限緩和と政府による「全国旅行支援」が開始され、また、2023年5月8日から、新型コロナウイルス感染症における感染症法上の位置付けが5類感染症へ移行され水際対策の措置が終了されるなど、宿泊需要の回復が見られました。

 観光庁の調査によると、2022年7月から2023年5月までの延べ宿泊者数は、前年同期比40.8%増となり、大幅な上昇となりました。また、日本政府観光局の発表によると、2022年7月から2023年6月の訪日外客の総数は約1,403万人で、前年同期比約2,035%と前年を大きく上回る数字となりました。

 このような事業環境の中、『TEMAIRAZU』シリーズでは、宿泊施設の業務効率化や利便性向上を目的としたシステム連携や、宿泊施設の販路拡大を目的とした国内外の宿泊予約サイト等との連携、そして『TEMAIRAZU』シリーズの機能拡充など、サービス価値向上に努めてまいりました。

 その結果、当事業年度の売上高は1,809,499千円(前期比10.9%増)となりました。また、営業利益は1,331,929千円(前期比14.0%増)、経常利益は1,333,546千円(前期比13.1%増)、当期純利益は873,814千円(前期比11.7%増)となりました。

 

 

前事業年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

(千円)

当事業年度

(自 2022年7月1日

至 2023年6月30日)

(千円)

前期比

金額

(千円)

増減率

(%)

売上高

1,631,008

1,809,499

178,490

10.9

営業利益

1,168,218

1,331,929

163,711

14.0

経常利益

1,179,352

1,333,546

154,193

13.1

当期純利益

782,582

873,814

91,232

11.7

 

 各セグメントの状況は以下のとおりです。

 

(アプリケーションサービス事業)

当事業年度においては、宿泊需要が回復し始めている宿泊業界での人手不足の課題に対して、業務効率化・利便性向上を図ることを目的に、株式会社構造計画研究所のスマートキー『RemoteLOCK』との連携、クーポンの登録・発行作業の手間を削減するために株式会社ピアトゥーが提供するホテル・旅館等の直販予約特化型サイト『STAYNAVI』との連携、株式会社SQUEEZEが提供するクラウド型宿泊管理システム『suitebook』内の新機能である『suitebook予約エンジン』との連携、株式会社データXのデータマーケティングソリューション『b→dash』との連携、Payn株式会社が提供するキャンセル料の請求・回収業務をデジタル化する『Payn(ペイン)』とのシステム連携を行いました。

宿泊施設の販路拡大を図ることを目的に、地域OTA(Online Travel Agent)を実現するためのプラットフォームである株式会社NYANGOの地域特化型予約システムプラットフォーム『ちいプラ』との連携、サービス内で獲得できる《HafHコイン》を使って宿泊する「旅のサブスク(R)」サービスを展開する株式会社KabuK Styleの『HafH』との連携、中国からの宿泊需要の回復に向けて、香港に本拠地を置くHarvest Elite International Ltd.の予約システム『VHSHUB』とのシステム連携を行いました。また、宿泊施設の自社予約比率向上の一助になる事を目的に、株式会社NinNinの自社予約率の大幅UPを可能にする新しい予約エンジン『タビチャットエンジン』とのシステム連携、Googleのホテル無料予約リンク(Free Booking links)に対応いたしました。宿泊施設における自社ホームページからの直接予約の増加が期待でき、リピーター顧客の獲得につながるとともに収益の最大化を図ることができます。

『TEMAIRAZU』シリーズの機能拡充においては、TEMAIRAZUのオプション機能としてご利用いただける自社ホームページ用宿泊予約システム『手間なしNEXT』が、株式会社JTBビジネスイノベーターズが提供する予約決済システム『JTB Book&Pay』とのシステム連携を開始し、決済における利便性を向上させました。また、『TEMAIRAZU』シリーズのUI(User Interface)を全面刷新し、操作性における利便性の向上を図るとともに、宿泊施設によって異なる料金管理の利便性を向上させる仕組みである『プラングループ』を開発・実装しました。なお、宿泊予約数の増加を見越したシステム強化を継続的に実施しております。

これらのシステム連携、機能の拡充やインフラ強化等を行う事でサービス価値の向上に努め、宿泊施設の売上および利益の拡大に必要不可欠なサービスとなるべく取り組みました。

営業活動においては、2023年2月に東京ビッグサイトにて開催された大規模イベント『国際ホテルレストランショーHCJ2023』に出展しました。その他、『TEMAIRAZU』シリーズのパートナー企業との共同ウェビナーの開催など、引き続きオンラインも活用しながら、シェア拡大に向け営業・プロモーション活動を積極的に行いました。

当事業年度においては、新型コロナウイルス感染症に伴う行動規制の緩和や政府の「全国旅行支援」に伴う国内旅行者の増加、入国制限の緩和や水際対策の措置終了などに伴う訪日旅行者の増加等により、宿泊予約数が増加し、月額変動収入が増加いたしました。また、月額固定収入にも回復の兆しが見られ、これらが当社の売上高・利益にも反映されました。

その結果、アプリケーションサービス事業の売上高は1,771,152千円(前期比10.7%増)、セグメント利益は1,452,842千円(前期比13.1%増)となりました。

 

(インターネットメディア事業)

 比較サイト『比較.com』においては、広告出稿の見直し、検索エンジンの最適化、ユーザーインターフェイスの改善、モバイルユーザビリティの向上等の対策を継続するとともに記事コンテンツの更なる充実を図りました。この結果、インターネットメディア事業の売上高は38,346千円(前期比24.2%増)となり、セグメント利益は27,771千円(前期比60.3%増)となりました。

 

② 資産、負債及び純資産の状況

 当事業年度における資産合計は、前事業年度末に比べ803,188千円増加し、6,181,509千円となりました。

 流動資産は794,241千円増加し、6,116,887千円となりました。主な要因は現金及び預金の増加778,747千円であります。固定資産は8,947千円増加し、64,621千円となりました。主な要因は繰延税金資産の増加3,217千円等であります。

 当事業年度における負債合計は、前事業年度末に比べ107,988千円増加し、397,108千円となりました。

 流動負債は107,988千円増加し、397,108千円となりました。主な要因は利益増加による未払法人税等の増加71,198千円等であります。なお、当社に固定負債はありません。

 当事業年度における純資産合計は、前事業年度末に比べ695,200千円増加し、5,784,400千円となりました。主な要因は当期純利益873,814千円の計上による増加と配当金の支払い181,417千円であります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ778,747千円増加し、5,826,084千円となりました。

 

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において営業活動の結果獲得した資金は964,778千円(前事業年度は730,587千円の獲得)となりました。これは主に、税引前当期純利益1,333,546千円による増加と法人税等の支払い394,013千円の減少等によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において投資活動の結果使用した資金は4,473千円(前事業年度は1,258千円の獲得)となりました。これは主に、固定資産の取得による支出4,612千円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において財務活動の結果使用した資金は181,557千円(前事業年度は168,608千円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払い181,159千円によるものです。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

イ.生産実績

 該当事項はありません。

 

ロ.受注実績

 該当事項はありません。

 

ハ.販売実績

 当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2022年7月1日

至 2023年6月30日)

金額(千円)

増減率(%)

アプリケーションサービス事業

1,771,152

10.7

インターネットメディア事業

38,346

24.2

合計

1,809,499

10.9

(注) セグメント間の取引はありません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、本文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたって、損益又は資産の状況に影響を与える見積り、判断は、過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社の財務諸表で採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。なお、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、翌事業年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目はありません。

 

② 経営成績の分析

 当社の当事業年度の売上高は前年同期比178,490千円増(同10.9%増)の1,809,499千円、営業利益は163,711千円増(同14.0%増)の1,331,929千円となりました。それらの要因について市場背景を含めてご説明いたします。

(売上高)

 当社の主力事業であるアプリケーションサービス事業での売上高は1,771,152千円(前期比10.7%増)となり、当社の売上高の増加に寄与しております。

 当事業年度において、アプリケーションサービス事業は、2022年10月11日からの新型コロナウイルス感染症に伴う行動規制の緩和や政府による「全国旅行支援」及び入国制限の緩和や水際対策の措置終了などの影響により、宿泊予約数が増加し、月額変動収入が増加いたしました。また、閉館などによる小規模施設の解約が一定数生じておりましたが、月額固定収入にも回復の兆しが見られ、これらが当社の売上高・利益にも反映されるかたちとなりました。

(営業損益)

 当社では、営業力、商品開発力及び経営管理などに対応する体制強化を行う一方で、業務改善等による生産性の向上に努めております。当事業年度においては開発費用、販売管理費などが増加したものの当初予定していた投資がずれ込んだ影響もあり、売上高の成長率対比で費用が抑制された結果、営業利益率は73.6%(前年同期比2ポイント増)となりました。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性

 当社の運転資金需要のうち主なものは、システムの開発・運用にかかわる原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資等によるものであります。

 当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 短期運転資金は自己資金を基本としております。現在金融機関からの借入はなく無借金経営であります。

 なお、当事業年度における現金及び現金同等物の残高は5,826,084千円となっております。

 

④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、経営規模に関する指標として売上高、収益性に関する指標として売上高営業利益率を重要な指標として位置付けております。

 売上高については、当事業年度における売上高は1,809,499千円(前期比10.9%増)でした。当社ではまず売上高のトップラインを伸ばしていくことに注力し、契約数の増加や1施設あたりの売上高の向上に取り組んでまいります。

 営業利益率については、当社がお客様に高付加価値に製品を提供できているかの指標となると考えております。急激な変化がないように投資のバランスを考慮しつつも、製品力強化のために必要なコストをかけていくことは怠りません。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。