当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、時代の潮流と本質をとらえ、型にはめずに挑戦することで「新時代のエンターテイメントを創出する」ことをミッションとし、「エンターテイメントで世界を代表する企業になること」を目指しております。
(2)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略
①経営環境
②中長期的な会社の経営戦略
IPディベロッパー2.0は、「ヴァイスシュヴァルツ」をベースにGlobal Mega Character Platformを構築し、カードゲームにとどまらず、ライブエンターテイメント領域、マーチャンダイズ領域、デジタル領域等で、自社・他社IP、つまり国内外のキャラクターIPを活用させていただき多面的にサービスを提供するグローバル基盤であり、世界のIP価値の向上に貢献する戦略です。これにより、世界の様々なチャネルからファンを獲得し、収益源を多角化することによって、1部門で得られる収益のボラティリティが高くとも他の部門で補うことができるビジネスモデルとなっております。
2015年1月に発表した「BanG Dream!(バンドリ!)」は、キャラクターの声を演じる声優が実際に楽器を演奏し、生のライブ活動を行うというユニークな発想を起点として開発したIPであり、こうした音楽活動をはじめ、アニメ、TCG、モバイルゲーム、MDといった様々なメディアミックスと幅広い広告宣伝によって多様なチャネルからファンを獲得しております。収益の面においてもTCGやモバイルゲームのみならず、子会社が担う音楽ソフトやMDの売上が順調に伸びており、IPが発展することによって子会社を含む各部門の成長が牽引されるという当社が理想とするビジネスモデルを体現したIPとなっております。
(3)目標とする経営指標
当社グループは、積層型のIPビジネスモデルを構築する中で、IPごとのランクを見える化し、Sランク(年商100億円以上)IPを3本以上、Aランク(年商40億円以上)IPを4本以上、Bランク(年商10億円以上)IPを5本以上保有することを事業目標としております。
また当社グループは、経営効率向上による収益性の向上と、良質なIPの開発・取得・発展によって企業価値の拡大を図るという観点から、売上総利益金額と売上高経常利益率を経営指標としております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 7ユニット制を確立させ自律成長を促進する
当社グループでは、2023年6月期より下記の通り事業部門を7つのユニットに再編しました。それぞれのユニット長に権限を大幅に委譲しそれぞれの中期経営計画の達成を目指します。
(Ⅰ) TCGユニット:本ユニットを最重点領域と定め「ヴァイスシュヴァルツ」、「カードファイト!! ヴァンガード」、「シャドウバース エボルヴ」を軸に海外売上比率40%超を達成し、「世界No.1のTCGカンパニー」を目指します。
(Ⅱ) デジタルコンテンツユニット:モバイルゲームにコンソールゲームを加えたマルチプラットフォーム戦略に切り替えてグローバルにサービス提供します。
(Ⅲ) BI(Bushiroad International)ユニット:欧米、東南アジア地区を担当し、TCGを中心にリアルイベントを増やし、全世界へアピールします。
(Ⅳ) ライブエンターテイメントユニット:自社IPで舞台ビジネスを強化、他社IPを含むキャラクターマスクプレイミュージカルのラインナップを拡充、関連グッズ・映像商品の企画・販売で収益機会を最大化します。
(Ⅴ) MDユニット:コロナ後のリスタートによるライブグッズ復活で勢いに乗り、フィギュアを中心としたアイテムでグローバル展開を加速します。
(Ⅵ) アドユニット:アニメ・ゲーム・キャラクターIPに関連する総合広告、プロモーション、映像配給、音響制作、声優事業等をグループ内外のIP価値向上に貢献します。
(Ⅶ) スポーツ&ヘルスケアユニット:「新日本プロレス」と「スターダム」は、リスタートによる動員回復を契機に男女それぞれ日本ナンバーワンから世界屈指のプロレス団体へ成長させること、及び海外番販を含むコンテンツ収益力強化を図ります。
② Global Mega Character Platformの確立
当社グループの事業領域はIP軸で国内市場と海外市場に境界はないことを認識し、社内体制も各ユニットともに国内外一気通貫体制を敷いております(但し、BIユニットは各事業ユニットと連携)。ここ数年で日本アニメの海外浸透が進み、各事業ともに世界の市場ポテンシャルが格段に高まっていると考えており、当社グループはGlobal Mega Character Platformの立ち位置を不動のものにすることを目指します。これはTCGだけでなく、デジタルコンテンツ領域、マーチャンダイズ領域、ライブエンターテイメント領域で国内外のキャラクターIPを活用させていただくグローバル基盤であり、IP価値の向上に貢献することを意味します。
③ 自社IPの創出
これまで当社グループは「バンドリ!」「D4DJ」といったIPを音楽ライブとコミックを源流に一気に立ち上げる手法を取ってきました。今後はそのやり方にとどまらず、これからは2023年7月に設立した株式会社ブシロードワークスにおいて、マンガ・出版による多数の小型IPを世に送り出し、そこからIPを大きく育成していく形に着手していきます。
④ 優秀な人材の採用・育成
当社グループは、IP創出における競争激化、グローバル市場環境での競争激化、お客様から求められるサービス水準のリッチ化に継続的に対応していくためには、優秀な人材の確保及び育成が必要であると考えております。当社グループは、大幅に権限委譲し、若手でも責任を持った仕事が任せられる体制と、ITツールにとどまらないリアルで包括的なコミュニケーションが可能な機会を積極的に設けるなど、志望者を惹きつけるような仕事環境を進化させてまいります。また、10以上の国籍の社員を擁しダイバーシティと平等性の配慮に注力しております。これらの社内カルチャーや制度により、採用力強化につなげたいと考えており、グローバルマーケットでのプレゼンスやコーポレートブランドを高め、会社の魅力を世の中に訴求していくことも継続的に行ってまいります。
⑤ 内部統制、コーポレート・ガバナンスの強化
当社グループが今後更なる拡大を図るためには、持続的な成長を支える組織体制・内部管理体制の強化が重要であると考えております。当社グループとしては、内部統制の実効性を高めるための環境を整備し、コーポレート・ガバナンスを充実していくことにより、内部管理体制の強化に取り組んでまいります。また、反社会勢力の排除を目的とした政府方針である「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」を尊重し、コンプライアンス経営を徹底いたします。
当社グループは、『すべての人に“楽しい”という喜びを届けたい。』を存在意義として掲げており、時代の潮流と本質をとらえ、型にはめずに挑戦することで「新時代のエンターテイメントを創出する」ことをミッションとし、「エンターテイメントで世界を代表する企業になること」を目指しております。また、良質なIP(Intellectual Property:知的財産)を開発・取得・発展させるIPディベロッパー戦略を掲げ、IP軸で事業をグローバルに展開しております。
当社グループは、継続的な製品とサービスの提供及び持続的な成長を目指すにあたり、サステナビリティへの取り組みは重要な経営課題として捉えております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理
当社グループでは、代表取締役社長を委員長とした「リスク管理・コンプライアンス推進委員会」において、外部環境、財務、コンプライアンス、労務、事故・災害等のリスク項目を整理・対策しております。例えば、我々の活動は常にSNSなどのメディアを通じて24時間365日社会に晒されているということがあります。提供する企画やサービスが、社会にそぐわない内容が含まれてしまった場合、批判を浴びるなどのリスクを常に抱えております。インシデントは、四半期ごとのリスク管理・コンプライアンス推進委員会を通じて経営会議にその改善状況も含めて報告され、重要なインシデントついては取締役会で検討し対策を講じております。
(2)人的資本に関する戦略
当社グループにおける人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針、及び社内環境整備に関する方針は、男女ともに全社員が活躍できる雇用環境の整備を行い、社員が仕事と子育てを両立させることができる働きやすい環境を作ることによって、その能力を十分に発揮できるようにすることを方針としております。
また、「すべての人…」とは国内というわけではありません。全世界です。ブシロードグループの社員は11の国と地域の出身者で構成され、外国人比率は14.5%(2023年6月末時点)となっております。当社は創業来、国籍・性別・学歴を問わず、「エンターテイメントが好きな人」というポイントにフォーカスして人材採用を続けています。社内研修制度は、新卒・キャリア採用問わず入社研修はもちろん、全社員対象に毎年定期開催のセキュリティ・ハラスメント・インサイダー・AIなどを含む全体研修、管理者には幹部研修などを継続的に行っております。
(3)指標及び目標
提出会社の正規雇用労働者の女性労働者の割合は約35%であります。管理職に占める女性労働者の割合も2028年までに同率にする目標を掲げております。
また、提出会社の男性育児休業取得率は80.0%であります。男性育児休業取得率は2028年までに100%にする目標を掲げております。
「上記(2)人的資本に関する戦略」において記載した人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針、及び社内環境整備に関する方針については、次の指標を用いております。また、当該指標に関する目標、及び実績は次のとおりであります。2023年8月14日発表の中期経営計画において、2027年6月期までに海外売上比率を40%(2023年6月期実績は21.0%)にする目標を掲げております。これを達成するためには、日本・米国・シンガポールの各拠点で、外国人社員及び英語人材比率をグループ全体の40%にする必要があると考えております。そのために採用広報においてグローバル企業のイメージを打ち出すとともに多国籍の学生を擁する大学には直接訪問するなど採用活動を強化しています。
なお、当社グループのサステナビリティに関する指標及び目標は現時点では設定しておりません。今後、企業価値向上に向けたサステナビリティに関する指標及び目標については、社内で議論を深めてまいります。
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指標 |
目標 |
実績(当連結会計年度) |
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管理職に占める女性労働者の割合 |
2028年までに35.0% |
16.7% |
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男性労働者の育児休業取得率 |
2028年までに100.0% |
80.0% |
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外国人及び英語人材の比率 |
2027年までに40.0% |
20.4% |
(注)管理職に占める女性労働者の割合及び男性労働者の育児休業取得率に関する実績は、連結子会社が「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、提出会社のみの実績を記載しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1)組織体制に関するリスク
① 新製品(新規トレーディングカードゲーム、新規モバイルゲーム及びコンソールゲーム)の適時リリース
新製品を適時に出荷できるかどうかのリスクの顕在化する可能性の程度や時期は、新製品の開発プロセス、ライセンサーの許可、生産能力等、ソフトウエアの場合にはさらにデバッギング(注)、企図した水準に達していないなど顧客満足度向上のための追加開発、ミドルウエアメーカーや各種権利者からのライセンス許可等、様々な要因に左右されます。新製品を適時にリリースすることは、当社グループの収益基盤であり、当該リスクが顕在化した場合には当社グループの売上に与える影響が大きいと認識しております。そのため、当社グループは、Global Mega Character Platformを構築する中で自社IPの開発だけに頼らない事業ポートフォリオを確立することでリスクの分散をはかっております。
(注) デバッギングとは、ソフトウエアのプログラムの誤り(バグ)を修正すること。
② 人材採用・人材確保
当社グループの成長と成功の継続は、経営幹部と他の重要な従業員の貢献が継続すること、そして新規に能力ある従業員を雇用できるかどうかに依存しております。特にソフトウエア産業は、従業員の流動性がきわめて高く、競合会社間では技術、マーケティング、販売、開発及びプロデュースの能力が高いスタッフの獲得競争が行われております。このような人材採用・人材確保のリスクの顕在化する可能性の程度や時期は常に発生するものと考え、当該リスクが顕在化した場合には十分な人的リソースを確保することができず、当社グループの業績に与える影響が大きいと認識しております。そのため、当社グループは、魅力的なIP創出などコーポレートのプレゼンス向上に努め、また、セキュリティ、コンプライアンス、ハラスメントなどの共通領域に加え、事業領域別の専門研修、階層別のマネジメント研修など、人材の育成及び強化を進めております。
③ 特定人物への事業依存
当社グループの創業者であり代表取締役社長である木谷高明は、当社グループの強みであるコンテンツの創出やプロデュースノウハウを蓄積しており、実際の事業の推進においても重要な役割を果たしております。そのため同氏への事業依存のリスクの顕在化する可能性の程度や時期は常に発生するものと考え、当該リスクが顕在化した場合には、当社グループの業績に与える影響が大きいと認識しております。そのため、当社グループは、同氏に過度に依存しない経営体制の構築を目指し、人材の育成及び強化を進めております。2023年6月期より組織をTCG、デジタルコンテンツ、BI(Bushiroad International)、ライブエンタメ、MD、アド、スポーツ&ヘルスケアという7つのユニットに再編し、ユニット長に若手を多数抜擢するなど権限委譲を進めております。
(2)事業環境に関するリスク
① 広告宣伝のリスク
当社グループは、良質なIPの開発・獲得・発展を目的として事業を多角化しており、IPをトレーディングカードゲームやモバイルゲームやコンソールゲーム、音楽、マーチャンダイズ等様々なメディアに対し商品やサービス展開(メディアミックス)をグループ全体で担うビジネスモデルとなっているため、プロモーション施策を積極的に展開しております。このような広告宣伝のリスクの顕在化する可能性の程度や時期は常に発生するものと考え、当初意図した広告効果が発現しなかった場合は、当社グループの営業利益に影響が生じる可能性があります。そのため、デジタルマーケティング、TVCM、交通広告といった様々な広告手段を活用することで広告宣伝のリスクの分散をはかっております。
② トレーディングカードゲームの市場規模の推移
トレーディングカードゲームの国内市場規模は、2022年度に前年度比30.9%増(注1)、北米市場では同33.8%増(注2)と大きく伸長しております。しかし、現在は一定の市場規模はあるものの今後成長が進まない場合、当社グループのトレーディングカードゲーム部門の売上に影響が生じる可能性があります。そのため、2020年以降行ってきた「ヴァイスシュヴァルツ」や「カードファイト!! ヴァンガード」での英語版強化に加え、2022年以降は中国語版の展開を開始しました。さらに複数言語にライセンスアウトするなど当社のカードゲームを全世界に浸透させることで、グローバル市場でのプレゼンスを高めて参ります。
(注1) 出典:「メディアクリエイト総研 “Monthly Trading Card Game Research Data”」
(注2) 出展:「ICv2 “HOBBY GAME SALES OVER $2 BILLION IN 2022”」
③ モバイルゲームの競合他社との競争激化
現在、モバイルゲームの市場においては、数多くの競合他社が存在しております。また、国内市場は頭打ちの傾向であることに加え上位タイトルは寡占傾向にあり、当社グループのモバイルゲーム部門の売上に影響が生じております。当社グループは、自社IP及び他社からの利用許諾を得たIPを活用し、コンソールゲームを含めてマルチプラットフォーム戦略を引くことで、リスクの分散をはかりながら激化する競争に対抗し得る魅力的なゲームを今後もリリースしていくことに注力してまいります。
④ 海外展開におけるリスク
当社グループではTCG・ゲーム・フィギユアやキャラクターグッズ・アニメ配信権・プロレス興行や映像配信など、当社グループ製品やサービスは海外における取引が増加しております。しかしながら、海外における取引は、製造コストや配送料の高騰、現地政府による外国為替の停止、関税の引き上げ、及び政府の公用収用による財産の没収等の様々なカントリーリスクに晒される可能性があります。また、海外での取引では為替レートの変動リスクが生じるため、契約上当該為替リスクを当社グループが負担せざるを得ない場合、当該為替リスクによる金銭的な負担を当社が負うことがあります。加えて、海外において当社グループのベンダーや顧客を増やす過程において、製造物責任、設備責任、製品の欠陥又は労働問題等の訴訟リスクや予期しない破産のリスクにさらに晒される可能性があります。このような海外展開におけるリスクの顕在化する可能性の程度や時期は常に発生するものと考え、当該リスクが顕在化した場合には、当社グループの海外事業の業績に与える影響が大きいと認識しております。そのため、これらのリスクについては、当社取締役及び当社執行役員が参加する経営会議において共有・議論しております。
⑤ 為替リスク
当社グループの海外売上高比率は20%を超える程度まで拡大しており、その多くは海外連結子会社における英語版TCG事業によるものでありますが、中国語版TCGも増加傾向、フィギユアやキャラクターグッズ・アニメ配信権・プロレス興行や映像配信サービスも増加傾向です。海外連結子会社の連結財務諸表の作成にあたって適用される為替換算レートにより、当社グループの円換算後の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ M&A及び資本提携等に係るリスク
当社グループは、さらなる事業成長を目指し、M&Aや資本提携による事業領域の拡大を推進しておりますが、買収・提携後の事業計画が市場環境の変化などの要因により事業計画通りに進捗しない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、M&Aや資本提携に際しては、対象企業の財務内容や契約関係等についてデューデリジェンスを実施し、既存投資においては定期的にモニタリングを実施し、リスク軽減に努めております。
これらの当社グループが認識している最重要リスクに加え、「ソフトウエア製品の品質管理」、「他社知的財産の侵害」、「新たな法的規制への対応」、「個人情報の管理」、「紛争、訴訟の発生」、「システムの継続性確保、セキュリティ対策」、「自然災害、事故等による影響」等、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があるさまざまなリスクが存在していますので、当社取締役及び当社執行役員が参加する経営会議において共有・議論しております。なお、ここに記載されたものが当社グループのすべてのリスクではございません。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当社グループは、当連結会計年度よりセグメント区分を変更しており、以下の前年同期比較については、変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
① 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における総資産は46,335,845千円となり、前連結会計年度末に比べ2,614,832千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が497,430千円減少した一方、売掛金が932,064千円、商品及び製品が452,788千円、投資有価証券が1,861,044千円それぞれ増加したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は23,936,537千円となり、前連結会計年度末に比べ3,591,656千円減少いたしました。これは主に未払法人税等が443,181千円、長期借入金が688,700千円、転換社債型新株予約権付社債が4,000,000千円減少した一方、社債が1,400,000千円、一年以内償還予定社債が400,000千円増加したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は22,399,308千円となり、前連結会計年度末に比べ6,206,489千円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が2,050,725千円、転換社債型新株予約権付社債及び新株予約権(ストック・オプション)の行使により、資本金及び資本準備金がそれぞれ2,031,810千円増加したことによるものであります。
また自己株式の消却により利益剰余金が2,325,717千円減少し、自己株式が2,325,717千円減少(株主資本の増加)しております。
② 経営成績の分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限や水際対策の緩和をうけ、個人消費を中心に緩やかに回復したものの、世界的なインフレや金融引き締め、ロシア・ウクライナ情勢の長期化に伴う原材料価格の高騰及び為替相場の変動などを背景とした国内景気への影響が懸念され、依然として先行き不透明な情勢が継続しております。
このような環境の中、当社グループは「IPディベロッパー」戦略のもと、TCG(トレーディングカードゲーム)を柱とし、グローバル展開を引き続き推進してまいりました。2023年6月30日に、㈱Cygamesとの共同制作であるTCG「Shadowverse EVOLVE(シャドウバース エボルヴ)」の英語版を発売し、同時期に北米・アジア・ヨーロッパなど全世界へスタッフを派遣して延べ300回以上の講習会ツアーを開始いたしました。6月開催分については想定を上回る参加者数となっており、非常に好調な立ち上がりとなっております。TCGの世界展開を複数成功させた企業はほぼ例が無く、当社TCGのグローバル展開は順調に進行しております。
その結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高48,799,238千円(前年同期比16.3%増)、営業利益3,385,981千円(同0.1%減)、経常利益4,503,590千円(同11.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2,050,725千円(同41.5%減)となりました。
各セグメントの経営成績は次のとおりであります。なお、セグメント売上高につきましては、外部顧客への売上高を記載しております。
なお、当連結会計年度より、下記の通り報告セグメントを変更しており、前年同期の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
1.エンターテイメント事業
①TCG(トレーディングカードゲーム)ユニット
「ヴァイスシュヴァルツ」は2022年11月に姉妹ブランド「ヴァイスシュヴァルツブラウ」を発売、2023年3月には15周年を迎えるなど、歴史あるキャラクターカードゲームとして確固たる地位を確立しつつあり、「ホロライブプロダクション Vol.2」「Disney100」など世界的IPの商品を多数発売し、過去最高売上を達成しました。「カードファイト!! ヴァンガード」はアニメ「カードファイト!! ヴァンガード will+Dress」が2022年7月より放送開始し、2023年1月には再放送を含め2025年12月まで継続したアニメの制作を発表するなど、オリジナルIPとして展開をさらに拡大しております。また、「Shadowverse EVOLVE(シャドウバース エボルヴ)」は今期より通年での売上寄与となり、TCGユニットの売上拡大に貢献しました。
ヴァイスシュヴァルツのプラットフォームとしての成長、新規タイトルの順調な立ち上がりや国内外のTCG市場の伸長により、TCGユニットの当連結会計年度の売上は前期に続き過去最高を更新しました。
②デジタルコンテンツユニット
モバイルゲームでは「バンドリ!ガールズバンドパーティ!」が2023年3月にリリース6周年を迎え超大型アップデートの実施をし、2023年4月に「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル2 MIRACLE LIVE!」をリリースする一方で、「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル ALL STARS」や「ヴァンガード ZERO」がサービス終了となりました。依然として厳しい状況が続くなか、運営タイトルや収益構造の見直しをするとともに自社IPタイトルを中心にコンテンツの再燃に注力しております。
また、コンソールゲームでは2022年11月発売の「カードファイト!! ヴァンガード ディアデイズ」を含む複数タイトルを発売し、新たな収益の柱として順調な立ち上がりを見せております。
複数の新規タイトルのリリースがあったものの、既存タイトルの売上低迷やサービス終了、未リリースタイトルの開発費の計上などもあり、デジタルコンテンツユニットとしては軟調に推移しました。
③BI(Bushiroad International)ユニット
BIユニットはTCGユニットとデジタルコンテンツユニットに重複して属しております。
TCGにおいては、前々期から大きく伸長した前期と同等以上の売上水準を維持しており、新たに英語版「Shadowverse EVOLVE(シャドウバース エボルヴ)」を2023年6月に発売いたしました。
デジタルコンテンツでは、日本国内と同様に英語版「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル ALL STARS」英語版「ヴァンガード ZERO」がサービス終了となりました。
また、全アジア6都市で予定されている国際展示会「2023 BUSHIROAD EXPO ASIA」の開催や、英語版「Shadowverse EVOLVE(シャドウバース エボルヴ)」発売に合わせた全世界講習会の実施開始など、グローバルにブシロードの存在感をアピールいたしました。
④ライブエンタメユニット
㈱ブシロードミュージックでは、ベルーナドームにて2022年11月12日に2年越しとなる「BanG Dream! Special☆LIVE Girls Band Party! 2020→2022」を、11月13日には「ブシロード15周年記念ライブ」を開催しました。さらに、翌年2023年には、富士急ハイランド・コニファーフォレストにて、5月27日に「BUSHIROAD ROCK FESTIVAL 2023」、5月28日にRAISE A SUILEN LIVE 2023「EXCLAMATION HIGHLAND」など、期を通してライブイベントを多数開催しました。
音楽・映像ソフトにおいては、他社IPの商品も含め、堅調に推移いたしました。
㈱劇団飛行船では、飛行船シアターにて2023年6月7日より「少女☆歌劇 レヴュースタァライト -The STAGE 中等部- Rebellion」を主催するなど、公演数が増えております。
前年度まで新型コロナウイルス感染症の影響を色濃く受けておりましたが、ライブイベントの動員数も徐々に戻り、回復の兆しが見えております。
⑤MD(マーチャンダイジング)ユニット
MD事業では、当第4四半期連結会計期間において「ヘブンバーンズレッドキャンペーン in GiGO」や「映画 五等分の花嫁コラボカフェ&グッズフェア」など催事・フェア販売が好調の上、カプセルトイでも「おぱんちゅうさぎ」や「ぴちぴちピッチ」などのヒット商品が支えとなり売上は好調、利益面も回復傾向となっております。
しかしながら、当連結会計年度を通して円安や輸送費・材料費の高騰による影響を大きく受け、軟調な結果となりました。
2023年4月には、8月より展開するトレーティングフィギュアブランド「PalVerse(パルバース)」の第一弾となる「僕のヒーローアカデミア」シリーズで予約受付を開始し、将来の伸長へ向けた追い風を作っております。
⑥アドユニット
㈱ブシロードムーブでは、「hololive SUPER EXPO 2023」や「ジャパンキャンピングカーショー2023」など複数の大型イベントの運営・制作に携わり、代理店事業が好調に推移いたしました。アニメ委員会への出資・参画も積極的に行い、プロモーションや音響等の売上獲得に繋がっております。
また、新型コロナウイルス感染症に関する行動制限の緩和や5類感染症への移行に伴い、声優事務所「響」に所属する声優の音楽ライブイベント等への稼働が増加いたしました。
これらの結果、エンターテイメント事業は、売上高41,824,470千円(前年同期比15.0%増)、セグメント利益3,047,844千円(同11.2%減)となりました。
2.スポーツ&ヘルスケア事業
新日本プロレスリング㈱では、国内の観客動員が引き続き回復傾向にあり、当第4四半期連結会計期間では2023年4月8日に両国国技館で開催した「SAKURA GENESIS 2023」、2023年5月3日に福岡国際センターで開催した「レスリングどんたく 2023」等の動員が好調であったほか、2023年6月26日(日本時間)にカナダオンタリオ州トロントで前年に引き続き2度目の開催となった米国のプロレス団体「All Elite Wrestling」との合同興行「AEW x NJPW: FORBIDDEN DOOR」の収入も、大きく寄与しました。
女子プロレスブランド「スターダム」では、2023年4月23日に女子プロレス団体としては20年ぶりとなる横浜アリーナでの大会、「ALLSTAR GRAND QUEENDOM 2023」を開催するなどで動員を伸ばし、㈱ブシロードファイトとして当連結会計年度の営業利益は過去最高となりました。
これらの結果、スポーツ&ヘルスケア事業は、売上高6,974,767千円(前年同期比24.6%増)、セグメント利益338,136千円(前年同期はセグメント損失41,898千円)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べて498,049千円増加し、23,600,926千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,981,493千円となりました。主な収入要因は、税金等調整前当期純利益3,442,587千円、減価償却費732,603千円、減損損失995,282千円及び助成金の受取額807,397千円であり、主な支出要因は、売上債権の増加額858,327千円及び法人税等の支払額2,338,516千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、2,270,409千円となりました。主な支出要因は、固定資産の取得による支出1,488,312千円及び投資有価証券の取得による支出2,350,481千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、716,637千円となりました。主な収入要因は、長期借入れによる収入4,500,000千円及び社債の発行による収入1,981,693千円であり、主な支出要因は、長期借入金の返済による支出5,323,036千円であります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループにおいては、提供するサービスの性格上、当該記載が馴染まないことから記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループにおいては、一部請負業務を行っておりますが、「a 生産実績」に記載の理由から、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年7月1日 至 2023年6月30日) |
前年同期比(%) |
|
エンターテイメント事業(千円) |
41,824,470 |
115.0 |
|
スポーツ&ヘルスケア事業(千円) |
6,974,767 |
124.6 |
|
合計(千円) |
48,799,238 |
116.3 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来事項に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ①財政状態の分析・②経営成績の分析」をご参照ください。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。また、経営者の問題意識及び今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ③キャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、自社IP開発、他社IP投資、IPを発展させるための広告宣伝費等の営業費用であり、事業運営上必要な資本の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
運転資金は、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としており当連結会計年度末における借入金の残高は、11,689,115千円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たり、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成に用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(1)共同事業契約等
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契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約の名称 |
契約 締結日 |
契約内容 |
契約期間 |
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当社 |
㈱Craft Egg |
日本 |
共同事業契約書 |
2016年 3月1日 |
モバイルオンラインゲーム「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」の企画・製作及び運営に関する業務を共同で行い、本コンテンツを利用した利益の増進を図ることを目的とする契約書 |
2016年2月1日から 2018年3月31日まで 以後1年ごとの自動更新 |
(2)連結子会社における会社分割(新設分割)及び新設会社株式の譲渡
当社は、2023年4月25日に開催の取締役会において、当社の連結子会社である㈱ブシロードウェルビーのフィットネスクラブ事業を会社分割(新設分割)により新設会社に承継させたうえで、新設会社の株式の100%を譲渡することで本事業から撤退する決議を行い、同年6月30日に、会社分割(新設分割)を実施し、新設会社の株式譲渡に関する契約を締結しました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
(3)連結子会社における会社分割(新設分割)
当社は、2023年4月25日に開催の取締役会において、当社の連結子会社である㈱ブシロードクリエイティブの事業の一部を会社分割(新設分割)し、新設する㈱ブシロードワークスに承継する決議を行い、同年7月3日に、会社分割(新設分割)を実施しました。
詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における研究開発費は、エンタータイメント事業では
当社グループにおいては、現在のエンターテイメント市場に則したあらゆるユーザーのニーズにすばやく対応していくために、積極的に研究開発に取り組んでおります。
また潮流と本質をとらえ、型にはめずに挑戦し、革新的エンターテイメントで世界を代表する会社を創るという基本方針のもと、良質なIPの開発・獲得に力を入れており、特にトレーディングカードゲームとモバイルオンラインゲームにおいて、新しい製品を市場に送り出すための積極的な企画開発・製作活動を行っております。