第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループは、ジェネリック医薬品原薬輸入商社であるコーア商事株式会社を中心に、注射剤を主とする医療用医薬品の製造販売及び受託製造を行うコーアイセイ株式会社、医薬品包装業務受託及びOTC(一般用)医薬品の製造販売を行うコーアバイオテックベイ株式会社(注)の3社、並びにグループを統括する当社からなる企業グループとして、「ジェネリックのベストパートナー」を目指しております。

 その実現に向けて、原薬販売事業では、コーア商事株式会社にて安心・安全・安価なジェネリック医薬品向けの原薬の供給を継続し、医薬品製造販売事業では、これまでの注射剤製造に加え、コーアイセイ株式会社の蔵王工場を主軸に高薬理活性領域における注射製剤の提供に注力していく方針であります。

 また、グループ内に原薬商社と製剤メーカー、包装会社の双方を擁する強みを生かし、原材料仕入から製造、包装までをグループ内で一貫して行うことで、各事業部門で利益増や付加価値の創出、効率化を図る相乗効果を目指してまいります。

 当社グループは、中長期的な企業価値向上を図るため、中期事業戦略を策定しております。原薬販売事業は、商社機能を核としながら、その付随業務やアフターサポート等広範囲で柔軟なサービスを提供すること、医薬品専門商社として、グループ間のシナジーの構築等を基本方針としております。一方、医薬品製造販売事業については、回収とのバランスに注視した設備投資を推進し、また主力製品シェアの拡大と安定供給体制を構築することで、ジェネリック注射剤のトップメーカーとなることを基本方針として掲げております。当社グループの基幹事業の一つである医薬品原薬輸入は、原材料取引相場の変動や外国為替の変動により業績に影響を及ぼす可能性があり、特に利益面の振れ幅も一定程度見込まれることから、ステークホルダーに対し予断を与えかねないことを配慮し、数値目標は公表しておりませんが、引き続き当社グループは持続的な成長と中長期的な企業価値・株主価値の向上に努めてまいります。

(注)当社の連結子会社であったコーア製薬株式会社は、2022年7月1日付でコーアバイオテックベイ株式会社を存続会社、同社を消滅会社とする吸収合併により消滅しております。

 

(2)経営環境及び対処すべき課題

 当社グループの属するジェネリック医薬品業界におきましては、2025年には5人に1人が75歳以上になるという「2025年問題」を控えており、政府目標である「2023年度末までに後発医薬品の数量シェアを全ての都道府県で80%以上」の実現に向けた各種ジェネリック医薬品使用促進策が講じられ、ジェネリック医薬品の普及が進んだ結果、2023年1月から3月の数量シェアは81.6%(日本ジェネリック製薬協会調べ)となりました。

 しかしながら、政府により決定された薬価制度の抜本改革によって、最初のジェネリック医薬品収載から12年経過後のジェネリック医薬品の原則1価格帯化や、薬価改定が毎年実施されることとなり、ジェネリック医薬品業

界においては一層の収益力強化が求められる状況となっております。

 また、昨今のジェネリック医薬品企業における品質問題により、ジェネリック医薬品業界全体において品質管理体制の見直しを含めた信頼回復に引き続き努めている状況であります。

 このような事業環境の中、当社グループは「ジェネリック医薬品の安定供給に貢献し、医薬品が必要な人を誰一人取り残さない社会」の実現のために、以下の課題に重点的に取り組んでまいります。

 

① 安心・安全・安価なジェネリック原薬を提供可能とする海外サプライヤーの拡充、連携強化

 当社グループでは、現在、世界10ヵ国以上において90社以上の海外サプライヤーとのネットワークを形成し、高品質かつコスト競争力の高い原薬を取り揃え安定供給を実現しております。安心・安全なジェネリック原薬の提供のため、前述のグループ間の無通告監査 、海外製造所等のリモート監査や専門家と内部監査室による薬機法遵守体制に関する内部監査の実施を継続してまいります。また、薬価改定の影響等を踏まえ、医薬品製造販売業者の多様なニーズに応えていくため、引き続き海外サプライヤーの新規開拓に加え、コーア商事株式会社SIセンターにて高品質な原薬が得られる新規精製法、低コストで合成できる製造法等の開発に注力し、それを海外サプライヤーに技術導出することで、より連携を深め、安心・安全・安価なジェネリック原薬の提供に努めてまいります。

 

 

② 医薬分析センターの充実

 当社グループでは、輸入医薬品原料専用の試験に特化した医薬分析センターを所有し、先端分析機器や異物混入防止のための専用サンプリング室も完備しており、抗がん剤等の高活性物質をはじめ各種品質試験、原薬の試験法及び規格の設定、検証(分析バリデーション)を行い、医薬品製造販売業者の新たな医薬品の製造販売承認取得に向けて幅広い支援を行うことで、商社機能以上の付加価値を提供しております。しかしながら、競合他社も当社グループと同等の設備投資、専門人材を配置する動きもあり、当社グループの競争力が一時的に低下する可能性もあります。これに対応するため、現在、大阪の医薬分析センターの試験設備の増強等を実施し、新規採用品目の増加への対応を進めております。今後も当社グループ内のリソースを重点的に投下し、医薬分析機能の高度化、新規設備の導入等を継続し、原薬輸入商社ビジネスの競争力維持に努めてまいります。

 

③ 高薬理活性注射剤の受託製造

 当社グループでは、注射剤製造において3種類の剤形(バイアル、アンプル、シリンジ)に対応し、高い技術を要する凍結乾燥製剤の取り扱いも行っております。また、高薬理活性注射剤の少量多品種製造が可能な蔵王工場を保有しております。蔵王工場では2017年12月よりシリンジラインにて「維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症」を効能・効果とする『マキサカルシトール静注透析用シリンジ』の受託製造を開始しております。この『マキサカルシトール静注透析用シリンジ』をはじめとする需要拡大が見込まれる製品の生産能力強化、安定供給体制向上のため、現在、蔵王工場敷地内に医薬品倉庫の新設を進め、2024年3月頃の稼働を予定しております。

 また、2021年6月期より稼働を開始したバイアルラインでは、2022年2月に抗がん剤『ベンダムスチン塩酸塩』の承認を取得しております。このバイアルラインでは『ベンダムスチン塩酸塩』の製造、販売を進めるとともに、新たなバイアル製剤の受託獲得を推進し、多種多様かつ広範な受託製造の需要に応え、安定供給に努めてまいります。

 

④ 人材の採用及び育成

 当社グループは、原薬販売事業及び医薬品製造販売事業を展開しておりますが、医薬品の分析、研究開発、製造等の各方面において優秀かつ専門的な人材が必要不可欠と考えております。当社グループにおける従業員の採用におきましては、従来性別を意識することなく採用を行ってきました。そのため、2023年6月末日時点において、女性社員比率は45.8%、女性役職者比率は14.3%となっております。

 仕事と育児等の両立支援については、時間有給休暇等の制度を設けるなど、働きやすい職場環境の整備に積極的に取り組んでおります。また、育児休業後のほぼ全ての社員が職場復帰し、時短勤務制度も利用しております。

 2020年8月に活動を開始した働き方改革プロジェクトにおきましては、社員からの提案が制度化されるなど着実な成果を積み上げております。

 これらのことにより、ワークライフバランスを高めつつ、従業員の成長を促すことでイノベーションの創出に繋げ、持続可能な社会の実現と当社グループの企業価値向上の実現に繋げています。

 

⑤ コンプライアンス体制の更なる強化

 当社子会社であるコーアイセイ株式会社は、2019年1月に独占禁止法に基づく公正取引委員会の立入り検査を受け、同年6月4日同委員会から独占禁止法に基づく排除措置命令及び課徴金納付命令を受けました。

 当社といたしましては、両命令を厳粛かつ真摯に受け止め、当該子会社であるコーアイセイ株式会社だけではなく、グループ全体において「コーア商事ホールディングスグループ行動憲章」、「会合における適正な競争に関するガイドライン」並びに内部通報窓口への連絡先等を記載したコンプライアンスカードの配布、全役職員対象のコンプライアンス研修の毎月の実施等により、再発防止及びコンプライアンス遵守の徹底に取り組んでおります。

 また、再発防止のために必要な組織体制や仕組みの構築と諸施策の実施並びに啓発活動の推進が経営上の最重要課題であると認識し、「内部統制委員会」を設置しており、グループ全体にわたる内部統制体制を敷いております。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

 当社グループにとっての重要課題(マテリアリティ)に取組むため、当社代表取締役社長を委員長とし、委員が当社取締役及び当社グループの役職員で構成されたサステナビリティ委員会を設置しております。同委員会では、取締役会の監督の下で、サステナビリティに関する事項の協議・検討を行っております。

 また、サステナビリティに関する事項は多岐に渡ることから、同委員会の下で環境課題に関する分科会、従業員の働き方に関する分科会、サプライチェーン調達に関する分科会をそれぞれ設置し、ガバナンスに関する事項は、同委員会が内部統制委員会と協働することで、実質的で効率的な協議・検討を行えるようにしております。

各分科会は、サステナビリティ委員会の指示・助言等に従って各課題への具体的な取組みや活動を討議し、その討議内容及び取組み状況について、サステナビリティ担当取締役が取締役会等にて報告しております。

 

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(2)戦略

① 気候変動関連

 当社グループは、医薬品業界の一翼を担う立場として、医薬品の安定供給の責任を果たすためにも、サプライチェーンの寸断など気候変動に伴うリスクに対処する必要があります。

 そこで、気候変動に係るリスクと収益機会について、TCFD分科会が中心となり、国際エネルギー機関(IEA)や気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による気候変動シナリオを基に、1.5℃シナリオ及び4℃シナリオを用いて、リスクと機会を把握しております。今後、把握したリスクと機会の評価を行い、その分析結果を事業戦略に反映させてまいります。

 

(リスク)

移行リスク

政策

・カーボンプライシング導入により、炭素税や排出量取引制度による当社及びサプライチェーンを通じてのコストの増加

・排出量目標強化等により、省エネ性能を有する設備・機器の導入が必要となることによるコストの増加

市場

・サプライヤーなどの移行リスク対応による調達コストの増加

・再生可能エネルギー比率を上げることによるエネルギーコストの増加

評判

移行リスク対応及び情報開示不足による株価低下や顧客離れ

物理リスク

急性

異常気象の激甚化により、

・サプライチェーン(原料調達・出荷物流)の寸断による供給不安や調達コストの増加

・自社、サプライヤー、OEM先、物流委託先拠点における被災による供給不安やコストの増加

・洪水リスクが高い地域での資産価値の減少

・干ばつの発生に伴う給水制限による製造コストの増加

慢性

平均気温の上昇、海面上昇により

・慢性的な水不足に伴う給水制限による製造コスト増加

・サプライヤー、OEM先、物流委託先の物理的リスク対応による、調達コスト増加

​・ヒートストレスによる労働生産性の低下や健康リスクの増大に伴うコスト増加

・気温上昇による冷房操業等エネルギーコスト増加

・感染症の流行に伴う外出制限による受診抑制

・天然化合物由来製品の生産性低下

 

(機会)

市場

・製造・流通プロセスの効率化による、生産性の向上、エネルギーコストの削減

・顧客のサプライチェーン排出量削減取組みへの寄与による当社製品の取扱い拡大

・疾患・感染症動向の変化による医薬品需要の高まり

評判

気候変動への積極的な取組みによる、顧客からの信頼獲得、人材の獲得、企業価値向上

 

 

 

 ② 人的資本関連

人材育成方針

 従業員一人ひとりの自律的なキャリア開発を支援しつつ、多様性を尊重できる人材の育成を目指し、知識に留まらず、行動に繋げていくことを重視し、「自ら学び、考え、想像力を働かせ、乗り越えていける力」=「考動力」をコンセプトとして従業員の成長を促すよう取り組んでおります。2023年6月期におきましては、管理職研修や経営者向け研修の継続に加え、一般社員へのオンライン研修を導入いたしました。今後は、スキルマップの明確化や、教育研修の一層の充実により、中長期的な人財育成プログラムの確立を目指してまいります。

 

社内環境整備方針

 あらゆる環境が大きく変化している中、当社のビジョンや成長戦略を実現していくためには、社員の多様性・人格・個性を尊重し、多様な年齢、国籍、性別、知識、経験等の属性にとらわれない人材の確保が必要であると認識しております。

 そこで、採用においては、キャリア採用を引続き積極的に行い、2024年6月期から導入した新人事制度のもと、新たな評価基準により属性にとらわれない社員の登用を積極的に行っていきます。

 また、社員のエンゲージメントを向上させ、生産性を上げるためには、社内コミュニケーションを活発にすることも必要であるとの認識のもと、部門内の縦断的なコミュニケーションや部門間の横断的なコミュニケーションを活性化させるための施策に積極的に取り組んでまいります。

 

(3)リスク管理

 当社代表取締役社長を委員長とするリスク管理委員会において、当社グループ各社及びサステナビリティ委員会から提出された気候変動や人的資本に関する事項を含めたリスクについて、その発生可能性や当社グループへの影響度を分析、評価して対応策を検討し、関係する委員会や部署において対応しております。

 

(4)指標及び目標

 ① 気候変動関連

Scope1、2排出量(単位:t-CO2)

Scope

2022年度(前期)

2023年度

Scope1

1,284

1,183

Scope2

3,212

3,376

 Scope1、2排出量の削減目標については、検討のうえ速やかに策定してまいります。

 また、Scope3排出量については、2025年度の開示を目標にして、把握してまいります。

 

 ② 人的資本関連

 社内環境整備方針において記載した内容に基づき、以下のとおり、女性の管理職比率を指標として、その向上のための推進をしてまいります。

 

2022年度(前期)

2023年度

2030年度

女性の管理職比率(%)

11.3

14.3

30%以上

 この他、男性育児休業取得率も指標として、その目標も策定してまいります。

 

 

3【事業等のリスク】

 当社グループは、事業展開上のリスクになる可能性があると考えられる主な要因として、以下の記載事項を認識しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の回避と予防に取り組んでおります。

 なお、文中に記載している将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき当社グループが判断したものであり、実際の結果と異なる可能性があります。

 

(1) ジェネリック医薬品原薬の仕入について

 医薬品原薬は、それを使用する医薬品メーカー等が製造する特定の製剤の仕様に応じて主に海外から継続的に調達しております。当社グループの原薬輸入及び製剤製造用原材料仕入に係る価格が市況変動及び為替相場等の事情によって急激に変動した場合、当社グループの経営成績及び財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。また、海外サプライヤーの経営状態及び販売方針、供給体制、許認可、現地政情等の影響により、原薬の調達が遅延、難航あるいは不可能となった場合には、当社グループの経営成績及び財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 対処としましては、海外サプライヤーにかかる情報収集を実施しているほか、継続的取引や品質改善取組み等を通じて関係強化を図っております。新型コロナウイルス感染拡大の影響に関する対策としましては、当社グループ全体で世界10ヶ国以上90社以上の原薬製造業者より輸入仕入を行っており、医薬品製販業者が必要とする原薬を必要な時期に問題なく納入できるような体制をとっております。為替相場の急激な変動につきましては、市況、金融機関の発信情報を注視し適宜予約を行うことで対処しております。

 

(2) ジェネリック医薬品市場及び顧客動向について

 医薬品原薬及び製剤の販売量は、当該製剤の市場での需要変動、競合製品の動向等による影響を受ける可能性があります。商材の特性上特定の相手先との取引に依存する割合が比較的高く、顧客の販売戦略の変更や生産・在庫調整等により当社グループの経営成績及び財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの取引先が企業再編、あるいは資本変更等により他社の傘下に入ること等が発生した場合には、その親会社等の意思決定に取引先動向が左右されることから取引額が減少する可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 対処としましては、Cphi等業界催事への参加や取引先との連携強化を通じて情報収集に努め、市場状況及び顧客動向を注視しております。

 

(3) 法令違反等に関するリスク

 当社グループでは、企業運営において求められる法令等の遵守及びコンプライアンス徹底を図っております。しかしながら、法令違反等が発生した場合には、行政処分や刑事処分、あるいは損害賠償義務等が生じることが考えられ、企業経営に一定の影響を及ぼす恐れがあります。

 対処としましては、「コーア商事ホールディングスグループ行動憲章」、「コーア商事ホールディングスグループ行動基準」及び内部通報窓口の連絡先等が記載されているコンプライアンスカードを当社グループ全役職員に配布することで周知するとともに、役職員それぞれに適時適切な研修を継続的に実施し、不祥事発生の防止に努めております。

 

(4) 許認可に関するリスク

 当社グループは、医薬品原薬の販売及び医薬品の製造販売等の事業に関して薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)、薬機法施行規則及びそれらに関するGMP(医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準)、GQP(医薬品の品質管理の基準に関する基準)関連法令の規制を受けており、主に下記の承認・許認可等を受けております。

当社グループは、当該許認可等を受け、また維持すべく諸条件及び関係法令の遵守を徹底しており、現時点において当該許認可等の取り消し又は停止等の行政処分事例は発生しておりません。しかし、意図せぬ法令違反等によりこれらの許認可に対し、行政庁より許可の取り消しや業務の停止等、不利益処分が下された場合には、当社グループの経営成績及び財務状態等に影響を及ぼす恐れがあります。

対処としましては、法令遵守を徹底し、行政処分対象事案の発生を回避するとともに、発生時の早期把握及び早期対処に努めることとし、許認可の更新管理については、所管部門において期限のチェック体制を構築しております。

※法令違反の要件及び主な許認可取消事由

薬機法その他薬事に関する法令もしくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき。

・許可の取り消し:法人及び業務を行う役員が薬機法第5条第3号の規定に該当したとき

・業務の停止:薬機法第75条第1項の規定に該当したとき

<コーア商事株式会社>

許認可等の名称

所管官庁等

許認可等の内容

有効期限

医薬品製造業許可

(包装・表示・保管)

神奈川県

神奈川県知事許可

14AZ200026

2025年3月31日

(5年ごとの更新)

大阪府

大阪府知事許可

27AZ200109

2024年12月9日

(5年ごとの更新)

医薬品販売業許可

(卸売販売業)

横浜市

第118120005号

2027年12月17日

(6年ごとの更新)

医薬品販売業許可

(小規模)

大阪府

第B14168号

2027年8月20日

(6年ごとの更新)

 

<コーアイセイ株式会社>

許認可等の名称

所管官庁等

許認可等の内容

有効期限

第一種医薬品製造販売業許可

:本社工場

山形県

山形県知事許可

06A1X0001

2024年12月15日

(5年ごとの更新)

第二種医薬品製造販売業許可

:本社工場

山形県

山形県知事許可

06A2X0002

2024年12月15日

(5年ごとの更新)

医薬品製造業許可

(医薬品一般・医薬品無菌)

:本社工場

山形県

山形県知事許可

06AZ00009

2026年12月31日

(5年ごとの更新)

医薬品製造業許可

(無菌医薬品)

:蔵王工場

山形県

山形県知事許可

06AZ200014

2026年5月12日

(5年ごとの更新)

医薬品製造業許可

(包装・表示・保管)

:山形配送センター

山形県

山形県知事許可

06AZ200001

2025年3月31日

(5年ごとの更新)

一般卸医薬品販売業許可

:本社工場

山形県

山形県知事許可

村山第D1000005

2023年10月5日

(6年ごとの更新)

医薬品販売業許可

:横浜配送センター

横浜市

 第118120050号

2024年6月17日

(6年ごとの更新)

 

<コーアバイオテックベイ株式会社>

許認可等の名称

所管官庁等

許認可等の内容

有効期限

第一種医薬品製造販売業許可

神奈川県

神奈川県知事許可

14A1X10001

2025年8月14日

(5年ごとの更新)

第二種医薬品製造販売業許可

神奈川県

神奈川県知事許可

 14A2X00011

2027年5月12日

(5年ごとの更新)

医薬品販売業許可

(卸売販売業)

横浜市

 第118120028号

2025年5月31日

(6年ごとの更新)

医薬品製造業許可

(医薬品一般)

神奈川県

神奈川県知事許可

14AZ200121

2028年8月21日

(5年ごとの更新)

 

(5) 品質に関するリスク

 当社グループは、取り扱う医薬品原薬や製剤の品質に関して、取り扱い及び生産工程での管理徹底、継続的な研究開発によりその維持・向上に取り組んでおり、日本国内のGMP(医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準)の品質基準に適合する生産体制を備えております。しかしながら、外的要因等の影響により、こうした生産体制の維持が困難となり製品の品質低下が生じた場合、社会的信用力や営業上の競争力が低下することにより、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、品質管理基準等に適合するよう細心の注意を払い品質保証に取り組んでおりますが、原薬供給もしくは開発製造、あるいは受託製造を行う医薬品に関して品質保証の取組みの範囲を超えてこれらの事態による販売中止、製品回収もしくは損害賠償等が発生した場合、当社グループの経営成績及び財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 また、医薬品の発売後に予期していなかった副作用が発生したり、製造過程での製品への異物混入等が発見される、あるいは薬機法に基づく再審査や再評価において、品質、有効性もしくは安全性に関して不適当と評価される可能性があります。

輸入供給する原薬についても、特に海外における原薬製造の部分においては、日本国内の種々の基準や規制に適合する製品が供給されるよう、継続した製造工程や製造環境等のコントロールが不可欠であり、納品後に一部ロットに異物混入が見つかるなどして回収を余儀なくされる場合があります。

 対処としましては、不具合が発生した際は、速やかに報告される体制を整備し、定期的に不具合発生傾向の分析を行うことと、品質を優先して取引先を選定し、品質問題の発生可能性を低減するとともに、安定供給に向けた最適なネットワークを構築しております。

 

(6) 薬価改定及び政府による制度見直し等の影響について

 医療用医薬品は、政府の制定する薬価基準により保険価格が定められております。2021年度以降は、薬価制度の抜本改革により、定期的に実施される薬価改定が2年ごとから1年ごとへと改められました。

 薬価改定後には、医薬品製造販売事業における販売価格低下、利益幅減少等の影響や、原薬販売事業における需要変動や販売価格低下、利益幅減少等の影響が生じ、政府による医療保険制度抜本改革と併せ当社グループの経営成績及び財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 対処としましては、マーケティング機能を整備し、常に利幅の見込まれる新商品開発を継続し、複数取引先と複数品目の継続的な取引を維持することを方針とし、特定の取引先・商材が当社グループに与える影響を低減しております。

 

(7) 競合に関するリスク

 当社グループでは、取り扱う医薬品原薬について自社で分析を行う設備を有しており、日本国内の品質基準への対応の面で取引先からも相応の評価を得ております。また、医薬品製造販売事業においても少量多品種生産に対応可能な高薬理活性注射剤工場を保有することから、受託製造において競合他社に比べ優位にあるものと考えております。しかしながら、競合他社の分析設備導入や同種工場新設によっては当社グループの優位性が損なわれ経営成績及び財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 対処としましては、競合他社の動向を注視し、原薬の分析力、提案力を不断に向上させ、従来の信頼を維持しつつ、マーケティング機能を整備し開発・営業方針に反映させております。

 

(8) 知的財産権に係る紛争に関するリスク

 当社グループが原薬供給する、あるいは製造販売するジェネリック医薬品に関しては、物質、製法、用途、製剤等に関する特許権等、他者の権利の存否が製品開発に大きな影響をもたらすため、当社グループは特許権を中心とした知的財産権に関し、徹底した調査を実施しております。しかしながら、当社グループと知財権者との見解の相違から、無効審判請求の申立を含む法的紛争に発展する可能性(当社が原告)や特許抵触の疑義があることを理由に法的紛争に発展する可能性(当社が被告)が想定され、そのような場合には判決の内容により当社グループの経営成績及び財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 対処としましては、法務部門・知財部門の連携強化により全社的知財管理戦略を充実させ、知財紛争発生防止及び係争早期対応を図りつつ、知財紛争発生時に緊密に連携できる外部専門家を充実させ更なる関係強化を図っております。

 

(9) 設備・固定資産に関するリスク

 当社グループが保有する製造設備のうち、コーアイセイ株式会社本社工場には、導入から長期間が経過した物も含まれます。設備ごとの耐用年数に応じ、新設設備への製造移管及び既存設備の適時適切な修繕・メンテナンス・更新等を計画実施しておりますが、老朽化による予期せぬ機器不具合や不慮の故障により製造スケジュールに影響が生ずる可能性があります。

 また、当社グループは、固定資産を多数所有しており、経済情勢の変化等に伴ってそれらの資産価値が著しく変動し、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。このうち生産能力を大幅に拡大したコーアイセイ株式会社蔵王工場におきましては、製造を予定している新規開発品目の販売開始時期の遅延、又は販売予定数量の減少等が発生し、当初の事業計画からの大幅な乖離が生じた場合、固定資産の減損処理を行う必要が生じる等、当社グループの経営成績及び財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 対処としましては、各事業所建屋等については、長期修繕計画に基づき現況を確認しながら毎年実行項目を検討し、製造設備については、予算策定の際に現況・優先順位を検討し修繕・メンテナンスを実施しております。また、蔵王工場の事業計画につきましては、投資を決定する前の段階で、将来性や投資回収可能性に関する充分な検討を行い、現在は、当該品目にかかる承認取得の進捗確認を適時適切に行い、事業計画からの乖離が生じないよう対応しております。

 

(10) 研究開発及び医薬品の承認に関するリスク

 当社グループは、特許切れ医薬品の製造や付加価値付与等に関する研究開発活動、医薬品原薬に関する製法や品質の分析活動を行っております。これらの活動は、原薬輸入供給や製造販売、業務受託の開始に先行して開始する場合が多々ありますが、必ずしも見込んだ収益獲得につながらない可能性があり、これらの活動を通じて過大な先行投資が行われた場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、新規開発商品を市場に出す際には綿密な計画に基づいて承認手続き等に対応しておりますが、当社グループ又は取引先メーカー等において計画どおりの承認取得ができない場合には市場への供給に遅延が生じ、当社グループの事業、経営成績及び財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 対処としましては、マーケティング機能を整備した上で、市場の需要に適した開発を推進し、情報共有・開発チェック体制を整備しております。

 

(11) 自然災害、事故等に係るリスク

 当社グループの事業拠点は神奈川県、大阪府、山形県と各地域に点在しており、自然災害等で全拠点同時に被害を受ける可能性は低いと考えられます。また、原薬倉庫及び品質検査の拠点は神奈川・大阪の2拠点体制としておりますが、医薬品製剤の生産拠点は山形県に集中し、当社グループの事業所は全てにおいて直ちに代替が効くものではないことから、災害や事故等が発生した場合、製造設備等への損害、製造ラインの停止、取引先や製造施設近隣住民への補償等により、当社グループの事業、経営成績及び財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 対処としましては、損害保険加入状況等を確認し適宜見直しを図りつつ、安定供給に向けた最適なネットワークを構築しております。

 

(12) 金利変動について

 当社グループでは、金融機関からの借入によってコーアイセイ株式会社蔵王工場新設等に必要な資金を調達しておりますが、有利子負債の金額は売上高に比して高額なものではありません。しかしながら今後、市場において金利が上昇した場合には当社グループの借入金利も上昇することが予想され、当社グループの経営成績及び財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。なお、金融機関からの借入には、純資産や経常損益の金額等を基準とした財務制限条項が付されているものはありません。

 対処としましては、金利の変動に合わせ、固定金利と変動金利を組み合わせて資金を調達しております。

 

(13) 売掛金回収に関するリスク

 当社グループでは、取引先各社との売掛取引に際しては十分な与信管理の元で販売を行っておりますが、予期せぬ取引先の倒産等により貸倒れが発生した場合には、当社グループの経営成績及び財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 対処としましては、与信管理を徹底して、複数取引先と継続的な取引を維持することを実施し、特定の取引先が当社グループに与える影響を低減しております。

 

(14) 安全性確保及び環境保全に関するリスク

 医薬品の分析、研究、製造の過程等で使用し、又は発生する化学物質の中には、人体、生態系、その他環境に悪影響を与える可能性のある物質も含まれます。当社グループは、関連諸法令の遵守を徹底するとともに、有害物質の漏洩防止及び適法適切な廃棄処理を徹底し、土壌汚染、水質汚濁及び悪臭その他環境被害の発生防止に取り組んでおります。しかしながら、取り扱う物質の特性上従来の化学において予期し得ない現象や結果が発生する可能性も否定はできず、万一事業活動に関係する環境問題が発生した場合には、損害賠償義務の発生やブランドイメージの毀損等経営に影響を与える結果となる可能性があります。また、関連諸法令の改定に伴って多額の対策費用が発生する場合等においても、当社グループの経営成績及び財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 対処としましては、一定のリスクが存することを踏まえつつ、軽減すべく社内部署間・取引先等との連携を密にして各種廃棄物は法令に従い処理し、作業方法や作業手順などの確認徹底及び教育を充実しております。

 

(15) 人材確保について

 当社グループは、今後の事業継続・拡大のため質の高い人材を継続的に確保していくことが重要な課題であると認識し人材確保に注力しておりますが、周辺情勢の変動により人材を十分に確保できなかった場合には当社グループの事業、経営成績及び財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 対処としましては、業務遂行状況の共有化を図るとともに、人材紹介会社と連携するなどして、適宜人員増強を実施しております。

 

(16) 特定の経営者への依存について

 当社の代表取締役社長である首藤利幸は、当社グループの創業者であり、当社グループの経営方針や経営戦略の立案及び決定をはじめ、営業戦略や業務遂行等の経営全般において重要な役割を果たしております。ガバナンス体制の構築のみならずノウハウや経験の伝承の面からも人材の強化を図っており、経営層、従業員ともに適材適所で配置し盤石な体制を築いておりますが、何らかの理由により当社グループにおける業務遂行が困難になった場合、人脈や業界内でのネットワーク等の面で影響が懸念され、当社グループの事業、経営成績及び財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 対処としましては、ガバナンス体制の構築及び人材の強化を図り、経営者並びに従業員を適材適所で配置しつつ、コーポレートガバナンス・コードに従い、後継者計画を検討・策定することとしております。

 

(17) 機密情報の管理に係るリスク

 当社グループは、原薬取引及び製剤の製造販売や業務受託等において、取引先の生産計画や新製品の開発に関する機密性の高い情報を取得する場合があります。当社グループでは、機密情報の授受に際し秘密保持契約締結を徹底しているほか、従業員教育やIT統制を通じて機密情報の管理の徹底を図っておりますが、万が一情報漏洩等が発生した場合には、当社グループの信用の失墜等により、経営成績及び財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 対処としましては、情報セキュリティ管理体制の構築及び情報管理についての研修を継続的に実施し、チェック体制の構築、法令遵守意識の確立を図っております。

 

(18) 繰延税金資産について

 当社グループは、将来の課税所得に関する予測・仮定に基づき、繰延税金資産の回収可能性の判断を行っていますが、将来の課税所得の予測・仮定が変更され、繰延税金資産の一部又は全部が回収できないと判断した場合、繰延税金資産は減額され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 対処としましては、繰延税金資産の回収可能性の評価にあたり基準とした利益計画の実現可能性について慎重に検討を行い、合理的かつ保守的に見積った課税所得についてのみ繰延税金資産を計上することとしております。

 なお、当社及び連結子会社は、当連結会計年度から、連結納税制度からグループ通算制度へ移行しております。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の法的位置づけが5類へと移行されたことで経済活動の本格的な再開が加速した一方、ウクライナ情勢の長期化に伴う世界的な原材料・資源価格の高騰による物価の上昇、欧米諸国の金融引き締め政策による円安の進行等により、景気の先行きは依然として不透明な状況で推移いたしました。このような環境の中、新型コロナウイルス感染症による当社グループ業績への影響は軽微でありました。円安の影響は原料等の仕入価格が変動するリスクがありますが、原薬販売事業では、必要に応じ為替予約を行うことや、 海外サプライヤーへの価格交渉、為替連動型の価格設定への切替等により、医薬品製造販売事業では、量産体制を推進し生産量を増大させること等による生産効率の向上、コスト削減、販売価格の見直し等によりリスク回避に努めております。

 医薬品業界におきましては、薬機法違反を起因とする品質問題により、ジェネリック医薬品全体で供給不安が発生し、品質や安定供給に関わる信頼性の確保が求められております。

 当社グループでは継続して製造管理や品質管理の強化を行っており、医薬品製造販売事業の主力工場では、当期の製造販売承認書と製造実態の齟齬にかかる一斉点検を既に完了させ、グループ各社間における無通告監査(抜き打ちの立入り監査)や、実地調査に赴くことがかなわない海外製造所等のリモート監査についても継続して実施しております。

 また、2021年度から2年に1度の薬価改定に加え、中間年においても改定を行う毎年薬価改定が実施される一方、今年度改定では、急激な原材料費の高騰や安定供給問題等に対応するため、1,100品目を対象に不採算品再算定が適用され、当社グループの製品も数品目が対象となりました。

 厚生労働省が主催する「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」の2023年6月9日の報告書では、医薬品産業を取り巻く諸課題のうち、足下で顕在化している供給不安の課題と対策の方向性がまとめられており、数量ベースで80%を超え、国民にとって必要不可欠となったジェネリック医薬品について、品質を確保しつつ将来にわたって安定的に供給し続けるために、生産の効率化、非常事態に対応できる余力を持った製造体制の確保、各企業がそれぞれの特性を活かしつつ分業を行うことで安定供給が実現できる産業を目指すこと等の必要性が示されました。

 当社グループの原薬販売事業では、高品質かつコスト競争力の高い医薬品原薬を取り揃え安定供給を行っておりますが、さらなる取引拡大に対応するために大阪医薬分析センターの改修工事を進めております。医薬品製造販売事業では、特徴である注射剤において市場実勢価格との乖離率は低く、中でもジェネリック医薬品への置換えが比較的進んでいない高薬理活性注射剤製造に注力するとともに、一層の生産性向上に努めております。その一環として、今後さらなる需要拡大が見込まれる製品を増産し、安定供給体制を強化するために蔵王工場の敷地内に医薬品倉庫の新設を進めており、2024年3月頃の稼働を予定しております。医薬品倉庫の新設により、原材料の安定在庫の確保及び製造製品の増加など生産能力の強化を図り、安定供給体制を向上させることで医薬品製造販売事業のさらなる拡大を目指してまいります。

 

 このような状況の下、当連結会計年度の業績は、売上高22,052百万円(前期比8.3%増)、営業利益4,249百万円(前期比11.6%増)、経常利益4,091百万円(前期比9.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,687百万円(前期比13.9%増)となりました。

 

 

 セグメント別の業績は、次のとおりであります。

原薬販売事業

 原薬販売事業におきましては、中枢神経系用薬や呼吸器官用薬向け原薬の販売が減少したものの、新規採用品目の伸長等により、循環器官用薬や腫瘍用薬向け原薬の販売が増加し、当連結会計年度の売上高は15,998百万円(前期比8.7%増)、セグメント利益は2,727百万円(前期比14.1%増)となりました。なお、売上高には、セグメント間の内部売上高1,834百万円を含んでおります

 

医薬品製造販売事業

 医薬品製造販売事業におきましては、受託製造の主力製品のうち増産体制の構築を進めていた注射剤において、 当該製品のジェネリック医薬品シェア伸長による数量増加や販売価格の見直し等により堅調に推移し、売上高は7,889百万円(前期比5.1%増)となり、セグメント利益は円安や燃料価格高騰による原材料や水道光熱費等のコスト増加があったものの、売上高の増加に伴う利益の増加や、増産や収率向上による生産性の改善等で利益確保に努めたことにより1,533百万円(前期比7.9%増)となりました。

 

②財政状態の状況

 当連結会計年度における資産、負債及び純資産状況は次のとおりであります。

 総資産は、28,464百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,214百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金の増加1,643百万円、売掛金の増加399百万円、電子記録債権の増加237百万円、仕掛品の増加162百万円、原材料及び貯蔵品の増加98百万円等があった一方で、減価償却実施等に伴う有形固定資産の減少267百万円等があったことによるものであります。

 負債は7,541百万円となり、前連結会計年度末に比べ43百万円減少いたしました。これは主に、未払金等のその他流動負債の増加227百万円、支払手形及び買掛金の増加39百万円、電子記録債務の増加27百万円等があった一方で、長期借入金の減少349百万円等があったことによるものであります。

 純資産は20,923百万円となり、前連結会計年度末と比べ2,257百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金の増加2,251百万円等によるものであります。

 これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末より2.4ポイント増加し、73.5%となっております。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,613百万円増加し、10,035百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は2,736百万円(前期比642百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益4,091百万円、減価償却費692百万円等があった一方で、法人税等の支払額1,573百万円、売上債権の増加額485百万円、棚卸資産の増加額171百万円等があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は304百万円(同173百万円の減少)となりました。これは主に、固定資産の取得による支出271百万円等があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は812百万円(同7百万円の増加)となりました。これは主に、配当金の支払額436百万円、長期借入金の返済による支出349百万円等があったことによるものであります。

 

 

④生産、受注及び販売の実績

イ.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年7月1日

至 2023年6月30日)

前年同期比(%)

医薬品製造販売事業(千円)

6,148,684

104.3

合計(千円)

6,148,684

104.3

 (注)1.金額はセグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.金額は販売価格によっております。

 

ロ.商品仕入実績

 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年7月1日

至 2023年6月30日)

前年同期比(%)

原薬販売事業(千円)

11,661,846

108.5

医薬品製造販売事業(千円)

3,799,257

102.6

合計(千円)

15,461,104

107.0

 (注)金額はセグメント間の内部振替前の数値によっております。

 

ハ.受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

医薬品製造販売事業(千円)

6,256,947

97.3

1,862,109

332.8

合計

6,256,947

97.3

1,862,109

332.8

 (注)1.金額はセグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.当社グループは医薬品製造販売事業の一部について受注生産を行っているため、その分の金額を記載しております。

 

ニ.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年7月1日

至 2023年6月30日)

前年同期比(%)

原薬販売事業(千円)

14,163,624

110.2

医薬品製造販売事業(千円)

7,889,177

105.1

合計(千円)

22,052,802

108.3

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

当連結会計年度

(自 2022年7月1日

至 2023年6月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

扶桑薬品工業株式会社

3,579,372

17.6

4,232,683

19.2

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、並びに資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。また、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

②経営成績の分析

 経営成績の分析につきましては、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しております。

 

③キャッシュ・フローの分析

 キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

④経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載しております。

 

⑤資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの主な資金需要は、商品の仕入れ、製品製造のための原材料購入費用や製造費用、販売費及び一般管理費等の運転資金であります。また、設備投資にかかる資金需要の主なものは、分析能力や生産能力の増強等によるものであります。

 当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入により資金調達することとしております。当社グループの設備投資については、景気予測、業界動向、投資効率等を総合的に勘案して策定し、これらの資金需要は内部資金又は資金調達の実施により賄うことを基本としております。

 

⑥経営戦略の現状と見通し

グループの事業ターゲットを「超高齢社会」として、2025年には5人に1人が75歳以上になると言われ、加速し続ける「超高齢社会」に対応した医薬品事業をグループとして推進しております。

グループの中核であるコーア商事株式会社では、「ジェネリックのベストパートナー」を今後も体現していくために、国内外の原薬製造元との信頼関係の強化を進めるとともに新たな原薬製造元を開拓し、更に、医薬分析センターやSIセンターによる顧客サービスの向上を図ることにより、原薬輸入商社としてイメージされる範疇を超えた付加価値を提供しております。

現在、大阪の医薬分析センターの試験設備の増強等を実施し、新規採用品目の増加への対応を進めております。今後も当社グループ内のリソースを重点的に投下し、医薬分析機能の高度化、新規設備の導入等を継続し、原薬輸入商社ビジネスの競争力維持に努めてまいります。

 グループのもう1つの主要会社であるコーアイセイ株式会社では、注射剤の中でも高度の技術が要求される高薬理活性注射剤製造に注力しております。2017年12月よりシリンジラインにて「維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症」を効能・効果とする『マキサカルシトール静注透析用シリンジ』の受託製造を開始しており、医療現場からのニーズによる需要拡大に応えるため増産を進めております。2021年6月期より稼働を開始したバイアルラインでは、2022年2月に抗がん剤『ベンダムスチン塩酸塩』の承認を取得しております。このバイアルラインでは『ベンダムスチン塩酸塩』の製造、販売を進めるとともに、新たなバイアル製剤の受託獲得を推進しております。

 また、蔵王工場の敷地内に医薬品倉庫の新設を進めており、生産能力の強化を図り安定供給体制を向上させることで、医薬品製造事業のさらなる拡大を目指してまいります。

 

⑦経営者の問題認識と今後の方針について

 当社の経営陣は、国内外の医薬品事業を取り巻く環境の変化に対し、今後の事業拡充や安定収益の確保を通じて持続的成長を果たすため、ジェネリック領域や製造受託を中心とした既存分野における製造販売の拡大を図るとともに、抗がん剤などの高薬理活性領域を始めとした新しい分野への取組みや、原薬販売事業に続く医薬品商社としての新事業の構築を行うことが必要であると認識しております。

 具体的には、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

 

6【研究開発活動】

 当社グループの研究開発活動は、高品質で安価なジェネリック医薬品をタイムリーに提供し、医療関係者、患者等から信頼、期待される研究開発を続けております。

 

(1) 研究開発体制

 医薬品製造販売事業においてコーアイセイ株式会社の研究開発本部を中心に、グループ各社相互の密接な連携の下、迅速で効率的な研究開発活動を推進しております。

 研究開発活動の具体的な内容としては年度ごとに選定したジェネリック医薬品の開発品候補リストに基づいて開発を進めております。研究開発活動の基本方針はがん患者、リウマチ患者、透析患者の3つのカテゴリーに基づくジェネリック医薬品を自社開発しております。

 上記3カテゴリー関連医薬品は、抗がん剤、制吐剤、疼痛緩和剤、掻痒皮膚疾患用剤、精神神経用剤、代謝性疾患用剤、抗リウマチ剤等が中心であります。

 また、当社グループの特徴である注射剤において、特にジェネリック医薬品への置換えが比較的進んでいない高薬理活性注射剤製造の開発及び受託製造獲得に注力しております。

 研究開発業務は申請基準対応、工場との技術連携、注射剤製造・環境技術、特許対策業務、受託開発等、多岐にわたるため、各種学会、研究会へ参画して最新の知見を深める等、人材育成を行っております。

 

 研究開発体制としましては、機能別に開発・薬事部門と研究部門に分けており、それぞれ以下の役割を担っております。

 

 <開発・薬事>

 開発候補品目の選定・企画立案を行い、新規承認申請、GCP運用、生物学的同等性試験を中心とした臨床試験の実施及び開発スケジュールの管理等の開発業務、並びに既承認品目の一変申請、軽微届け等の開発薬事業務、並びに業許可にかかわる一般薬事業務対応を行っております。

 <研究>

 選定された開発・受託候補品目について製造販売承認又は受託製造を取得するための製剤処方設計、安定性試験用検体製造、安定性試験、製造販売承認申請資料作成等の業務を行っております。

 

 

(2) 研究開発活動の概要

 当連結会計年度におきましては、昨年に引き続き上記カテゴリーに関連する分野の注射剤を中心とした開発をすすめております。また当社グループ内の連携により開発初期段階から顧客のニーズに対応することが可能なため、将来にわたって開発品目の製造受託を意識した活動も行っております。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、112,946千円であります。