当第2四半期連結累計期間(2023年4月1日から2023年9月30日まで)において、新たな事業等のリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
(1) 経営成績
当社グループの当第2四半期連結累計期間における事業環境は、経済活動の正常化に伴う緩やかな回復基調が続く一方で、物価上昇による影響に加え、欧米を中心とした金融引き締めや中国景気の減速による影響等、先行きに対し不透明感のある状況が続いております。
このような状況下、売上収益は2兆1,499億円(前年同期比1,199億円減)となりました。利益面では、コア営業利益は1,196億円(同30億円減)、営業利益は1,386億円(同202億円増)、税引前四半期利益は1,302億円(同82億円増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は672億円(同67億円減)となりました。
(注) 1 当社グループは、IFRSに基づいて、要約四半期連結財務諸表を作成しております。
2 コア営業利益は、営業利益から非経常的な要因により発生した損益(事業撤退や縮小から生じる損失等)を除いて算出しております。
② 各セグメントの業績
各セグメントの売上収益及びコア営業利益の状況は、以下のとおりです。
(注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。
<コア営業利益 増減要因>
(注) その他差には、在庫評価損益の前第2四半期連結累計期間(261億円)と当第2四半期連結累計期間(△72億円)の差額△333億円、持分法投資損益の差額△30億円等の金額が含まれております。

当第2四半期連結累計期間におけるセグメント別の業績の概要は、以下のとおりです。
(ポリマーズ&コンパウンズ、フィルムズ&モールディングマテリアルズ、アドバンストソリューションズ)
当セグメントの売上収益は5,827億円(前年同期比444億円減)となり、コア営業利益は171億円(同265億円減)となりました。
ポリマーズ&コンパウンズサブセグメントにおいては、販売価格の是正を推し進めたものの、三菱エンジニアリングプラスチックス㈱の一部株式の譲渡影響に加え、塗料、インキ、接着剤やバリア包材用途等の需要が減退したこと等により、売上収益は減少しました。
フィルムズ&モールディングマテリアルズサブセグメントにおいては、販売価格の是正を推し進めたものの、高機能エンジニアリングプラスチックや炭素繊維を始め、ポリエステルフィルム等、総じて需要が減退したこと等による販売数量の減少により、売上収益は減少しました。
アドバンストソリューションズサブセグメントにおいては、販売価格の是正を推し進めたものの、半導体関連事業を中心に販売数量が減少したことにより、売上収益は減少しました。
当セグメントのコア営業利益は、販売価格の維持・向上により売買差が改善したものの、総じて需要が減退したことによる減販等により、大幅に減少しました。
当第2四半期連結累計期間に当セグメントにおいて当社グループが実施又は発生した主な事項は、以下のとおりです。
・電解液事業の拡大に向け、Neogen Chemical Limited(本社:インド・マハラシュトラ州)と、インドにおけるリチウムイオン二次電池(LIB)用電解液の製造技術ライセンス供与に関する契約を2023年4月に締結しました。また、フッ素ケミカルメーカーのKoura社(本社:アメリカ・マサチューセッツ州)と、北米におけるLIB用電解液のサプライチェーン強化などに向けた協業検討を実施する覚書を2023年4月に締結しました。
・負極材事業の拡大に向け、LIB用正極材メーカーの韓国L&F Co., Ltd.(本社:大韓民国テグ市)と、米国FTA締結国におけるLIB用負極材のサプライチェーン強化などに向けた協業検討を実施する覚書を締結しました。
ロ 産業ガスセグメント(産業ガス)
当セグメントの売上収益は6,082億円(前年同期比389億円増)となり、コア営業利益は803億円(同260億円増)となりました。
国内外の需要は軟調であったものの、各地域で推進する価格マネジメントや為替影響等により、売上収益は増加しました。コア営業利益は、売上収益の増加に加え、コスト削減の影響等により増加しました。
当第2四半期連結累計期間に当セグメントにおいて当社グループが実施又は発生した主な事項は、以下のとおりです。
・Terranova nv(本社:ベルギー)とLuminus(本社:ベルギー)とともに、グリーン水素を製造する合弁会社Terranova Hydrogen NV(本社:ベルギー ゼルザーテ)を設立し、グリーン水素製造プラントを建設し、運営します。製造開始は2025年初頭を予定しています。
・1PointFive社(本社:アメリカ)と、同社がテキサス州に建設するDAC(Direct Air Capture)プラント向け酸素供給契約を締結しました。2025年半ばの操業開始を予定しています。
当セグメントの売上収益は2,193億円(前年同期比162億円増)となり、コア営業利益は324億円(同279億円増)となりました。
国内医療用医薬品で薬価改定等の影響を受けたものの、重点品や米国で発売した筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬「RADICAVA ORS®」の販売が順調に推移したことにより、売上収益は増加しました。コア営業利益は、売上収益の増加に加え、メディカゴ社の事業撤退に伴う研究開発費等の減少により、増加しました。
当第2四半期連結累計期間に当セグメントにおいて当社グループが実施又は発生した主な事項は、以下のとおりです。
・エダラボン経口懸濁剤(開発コード:MT-1186)について、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を適応症として、2023年5月にスイス(製品名:「RADICAVA® Oral Suspension」)で承認を取得しました。同剤は、米国・カナダ・日本で既に承認されています。
当セグメントの売上収益は1,384億円(前年同期比284億円減)となり、コア営業利益は17億円(同31億円減)となりました。
MMAモノマー等の市況の下落により、売上収益は減少しました。コア営業利益は、英国のキャッセル工場閉鎖に伴う費用の減少はあるものの、市況の下落による売買差の悪化により、減少しました。
ホ ベーシックマテリアルズセグメント(石化、炭素)
当セグメントの売上収益は4,913億円(前年同期比848億円減)となり、コア営業利益は126億円の損失(同300億円減)となりました。
石化サブセグメントにおいては、需要の減退等により販売数量が減少したことに加え、原料価格の下落等に伴い販売価格が下落したことにより、売上収益は減少しました。
炭素サブセグメントにおいては、原料価格の下落等に伴いコークスの販売価格が下落したことにより、売上収益は減少しました。
当セグメントのコア営業利益は、ポリオレフィン等において原料と製品の価格差が拡大したものの、原料価格の下落に伴い在庫評価損が発生したことに加え、コークス市況の下落による売買差の悪化や総じて需要の減退等に伴い販売数量が減少したことにより、大幅に減少しました。
当第2四半期連結累計期間に当セグメントにおいて当社グループが実施又は発生した主な事項は、以下のとおりです。
・LIBや半導体の需要拡大に対応するため、岡山事業所においてγ-ブチロラクトンの生産能力を、現在の18,000t/年から20,000t/年に増強することを決定しました。2024年7月の稼働を予定しています。
ヘ その他
その他セグメントにおいては、売上収益は1,100億円(前年同期比174億円減)となり、コア営業利益は67億円(同23億円増)となりました。
当第2四半期連結累計期間に当セグメントにおいて当社グループが実施又は発生した主な事項は、以下のとおりです。
・ポートフォリオ改革の一環として、当社グループが保有するクオリカプス株式会社の全株式を、Roquette Frères SA(本社:フランス・レストロン)へ譲渡することで同社と合意し、2023年7月に株式譲渡契約を締結し、同年10月に譲渡を完了しました。
ト グループ全般
当社グループは、2021年度から2025年度までの経営方針「Forging the future 未来を拓く」に基づき、「One Company, One Team」の考えによるフラットな組織体制への移行を進めています。これに伴い、2023年10月に、当社と三菱ケミカル㈱のシンガポールにおけるそれぞれの子会社を当事者とするグループ内組織再編を行い、分散している管理機能を再編し集約、最適化することにより、経営効率の向上を図ることといたしました。
当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、従業員賞与等の支払いもありましたが、税引前四半期利益や減価償却費等により1,957億円の収入(前年同期比1,025億円の収入の増加)となりました。
当第2四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、投資の売却及び償還による収入等があったものの、有形固定資産及び無形資産の取得1,263億円等により、1,156億円の支出(前年同期比21億円の支出の減少)となり、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フロー)は、801億円の収入(前年同期比1,046億円の収入の増加)となりました。
当第2四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い288億円等があったものの、有利子負債の増加355億円等により、65億円の収入(前年同期比91億円の収入の減少)となりました。
これらの結果、当第2四半期連結累計期間末の現金及び現金同等物残高は前連結会計年度末に比べて1,016億円増加し、3,988億円となりました。
(注) ネットD/Eレシオ=ネット有利子負債(*1)/親会社の所有者に帰属する持分
(*1) ネット有利子負債=有利子負債-(現金及び現金同等物+手元資金運用額(*2))
(*2) 手元資金運用額は、当社グループが余剰資金の運用目的で保有する現金同等物以外の譲渡性預金・有価証券等です。
当第2四半期連結会計期間末の資産合計は、円安の進行に伴う在外連結子会社の資産の円貨換算額の増加や、有利子負債の借換に伴う一時的な現金及び現金同等物の増加等により、6兆1,197億円(前連結会計年度末比3,454億円増)となりました。
当第2四半期連結会計期間末の負債合計は、有利子負債の借換に伴う一時的な社債及び借入金の増加等により、3兆9,116億円(前連結会計年度末比1,257億円増)となりました。
なお、当第2四半期連結会計期間末のリース負債を含む有利子負債は、2兆4,982億円(前連結会計年度末比1,224億円増)となりました。
当第2四半期連結会計期間末の資本合計は、配当による減少がありましたが、親会社の所有者に帰属する四半期利益の計上や、在外営業活動体の換算差額の増加等により、2兆2,081億円(前連結会計年度末比2,197億円増)となりました。
これらの結果、当第2四半期連結会計期間末の親会社所有者帰属持分比率は、28.2%(前連結会計年度末比1.1ポイント増)となり、ネットD/Eレシオは、1.22(前連結会計年度末比0.11減)となりました。
(4) 経営環境と今後の見通し
最近の業績の動向等を踏まえ、当連結会計年度の連結業績予想を下記のとおり修正いたしました。
2024年3月期通期連結業績予想(2023年4月1日~2024年3月31日)
税引前利益 前回発表予想 2,010億円 今回修正予想 2,630億円
(業績予想修正の理由)
コア営業利益は、スペシャリティマテリアルズセグメント、ベーシックマテリアルズセグメントにおいて、市場環境の回復遅れに伴う需要低迷等があるものの、産業ガスセグメント、ヘルスケアセグメントにおいては堅調な業績が見込まれることにより、前回発表予想数値からの修正はありません。
一方、営業利益、当期利益、親会社の所有者に帰属する当期利益は、下期にクオリカプス社の売却に係る利益やシーピーシー社の追加取得に伴う利益の計上等が想定されることにより、前回発表予想数値を上回る見込みです。
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は591億円です。
当第2四半期連結会計期間(2023年7月1日から2023年9月30日まで)において、新たに締結した重要な契約は次のとおりであります。
・2023年7月、三菱ケミカル㈱は、保有するクオリカプス㈱の全株式を、Roquette Frères SAへ譲渡することで同社と合意し、株式譲渡契約を締結しました。