当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
なお、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況につきましては、次のとおりであります。また、文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(継続企業の前提に関する重要事象等について)
当社グループは、前連結会計年度において半導体需要のダブつきによる工場稼働率の調整の影響を受け、売上・受注時期がずれ込み、売上高210,315千円にとどまり、営業損失693,502千円、親会社株主に帰属する当期純損失686,241千円を計上いたしました。
当第3四半期連結累計期間において、2022年8月から顕在化した民生向け半導体の在庫調整も2023年上半期には一段落するものと予測されておりましたが、在庫調整は、大方の予想より長期化し、当第3四半期においても未だ、だぶつき感は残っており、設備投資は第4四半期以降となる見込みです。当第3四半期末現在においては、スマートフォンやPCなどの需要は少しずつ上向いておりますが、民生向け半導体の適正在庫と言われる3か月分を上回っており、一部「有期EL」関連を除き、未だに4ないし5か月分の在庫調整が進められていると言われております(WSTS、「世界半導体市場統計」より)。そのため、それら機器で使用される半導体の製造設備を中心に設備投資に慎重さがみられました。そのような中、当社グループといたしましては、2023年8月と9月でそれぞれ1件の受注を頂き、当社顧客の設備投資意欲は鈍いながらも徐々に上向きつつあるものと思われますが、当第3四半期連結累計期間中の売上は、上述の半導体市場のだぶつきの影響を受け、低調に推移いたしました。
以上より、当第3四半期連結累計期間の売上高は、263,602千円にとどまり、営業損失374,833千円となり、親会社株主に帰属する四半期純損失を354,051千円計上しております。
上記のとおり、継続的な営業損失が発生している状況にあり、当社グループには継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
当社グループはこうした状況を早期に解消又は改善すべく、以下の対応策を継続して実施しております。
事業施策
1.中国国内での受注販売活動の促進
まず、上述いたしましたように2022年8月から顕在化していた民生向け半導体の在庫調整も2023年上半期中には一段落するものと予測されておりましたが、当第3四半期末現在においても、各社半導体在庫は適正とされる3か月を上回る在庫があり、各半導体製造工場の在庫抑制を目的とした生産調整がなされ新規設備投資は思わしくありません。特に民生機器の一部である、スマートフォンやPC、そしてIT情報端末機器などの半導体製品にだぶつき感が発生し、各半導体工場における在庫抑制を目的とした生産調整が続いております。しかしながら、半導体のデザインハウス及び大手OSAT(半導体の検査、組立を受託する専門工場)を中心に工場の稼働率は回復の兆しが見えており、当社においても、当第3四半期連結会計期間にてデザインハウス、OSATからそれぞれ受注を頂きました。
WSTS(世界半導体市場統計)の調査では、半導体製造各社による在庫調整プロセスは、確実に進行しているとされ、その調整プロセスは、2023年半ばから徐々に解消に向かい2024年前半にかけて終了、増産に向かうとの見通しが主流となっていると報告されております。他方、半導体の種類や用途、テクノロジーノード(technology node、半導体製造プロセスとその設計ルールのことを言います。)により、一部の半導体では需給の逼迫が継続しており、市場の二極化が見られる一面もあります。そのため、製造各社における新規設備投資は、出口を見据えながら慎重な姿勢を崩しておりませんが、確実に過剰在庫は減っており、第4四半期以降は徐々に回復してくるものと考えております。また2024年を含む中長期的には、ChatGPTに代表される生成人工知能A.I.サーバー投資や、自動車の電動化の進展及び5G関連産業への投資需要が強く見込まれており、市場は力強く成長するものと見られております(「Electronic Engineering Times」より)。
また、近年の半導体の複雑化や集積度向上(例、線幅4nmから2nm)は半導体の機能の増加を意味し、検査時間の
伸長に繋がります。しかしながら、同時に量産性も要求されるため、半導体検査市場は、装置能力の向上に加えて装置台数の増加が期待されるであろうと考えられております。
当社グループが「主力装置」と位置付けるLCDドライバIC検査装置は、スマートフォンやPC等の情報端末の液晶パネルの駆動に使われる「ディスプレイドライバーIC」の検査に使用されております。また、それら情報端末には、「CMOSイメージセンサーIC」、「ロジックIC」など多種に渡る周辺半導体デバイスが使われております。現状足元では、上記のように半導体市場の足踏み状態が続いておりますが、中長期的には需要も戻り、大きな伸びが期待される分野です。
上述のような理由から当第3四半期連結会計期間中での売上は低迷致しましたが、当社の主力検査装置「WTS-577SR」につきましては、当第3四半期連結会計期間において、新たに3社から新デバイス向けベンチマークの承認をいただくことができました。加えて当社の主力検査装置「WTS-577SR」につきましては、開発中である「WTS-577SX」のハイエンドリソースの一部の開発済みリソースをとりこむことで、日々進化する新デバイスに向けた検査の提供をお客様に行うことが可能となり、また同時にお客様の量産ラインでの高い評価をいただくことができました。
第4四半期以降の半導体市場は、上述した世界半導体市場統計(WSTS)や日本貿易振興機構(JETRO)等の予想では、民生向け半導体(スマートフォン、PC向け半導体等)を中心として、生産調整は、出口が見える状況にあり、市況においても2024年にかけ徐々に回復すると報告されております。当社では、当第3四半期末現在においてもいまだ不足が叫ばれる産業用高速半導体を先行手配し、今期、来期における急な出荷要請にも耐え得る体制を準備しております。
新しい挑戦として、2023年9月より中国における営業戦略を見なおし、今まで代理店営業に頼っていた体制から直接営業を中心とした営業体制への変更を実施し、第4四半期から翌期に向けて営業活動を進めてまいります。営業体制の見直しを受けて、当社の中国製造子会社「偉恩測試技術(武漢)有限公司」(以下、「ウインテスト武漢」という。)は、営業人事再編並びに顧客アクセスなどの向上を目的として、事務所を蘇州に移転しました。
また、中国市場新戦略として、当社親会社「武漢精測電子集団有限公司」グループの子会社で、同じく半導体検査装置関連の事業を営む「上海精積微半導体技術有限公司」と、営業・技術方面で協力体制を取るべく準備を進めております。
ウインテスト武漢におきましては、大阪事業所とともにQA(品質保証)の体制を見直し、最終組立工程の製造品質の向上に取り組み、中国国内市場での信頼構築と市場への深耕を図ってまいります。
2.技術開発の強化
先端ロジックI/O(820Mbps)を搭載する検査装置に関しては、第1四半期に前倒しで一部機能のリリースを行い、第2四半期に新リソースを搭載したWTS-577SRを出荷、その他の新リソースは、引き続き開発を継続しております。
次世代向け機能としてロジックパターンスピードが1,600Mbpsとなる高速リソースについて、第4四半期中に開発を終了する計画としたおりましたが、先端ドライバICなどの一部部材の入荷遅れなどを原因として、評価が伸びております。これら開発中(一部完了)の新リソースをフルに積んだ、「WTS-577SX」のお客様への提供は、社内での最終評価の終了次第、遅くとも2024年第1四半期となる予定です。更に次世代のフラッグシップ検査装置である「WTS-9000S」の開発に関しては、2024年8月に完成、リリースする計画であり、国内、台湾、中国顧客向けを想定した機能やGUIの開発を継続しており、搭載するソフトウエア環境などの使い勝手の向上も視野に入れ、市場への早期リリースができるように計画しております。
また、新たな収益の柱を構築するための成長戦略として、当社グループがこれまで培ってきた検査技術や画像処理技術、高精度センサー技術、データ解析技術を応用し、且つ、当社及びウインテスト武漢の技術陣に加え、現地有力企業より営業方面・技術方面での協力体制を構築する予定です。それにより、2025年までに、今後市場拡大が見込まれるシステムオンチップ(SoC)市場や汎用デジタル市場等の検査分野、そしてM&Aも計画し、日本市場においても注目を集めるパワーデバイス検査分野への進出を目指し、この度あらたにパワーデバイス検査装置メーカーとパワーリソース開発などで協力体制取ることとなり、新規市場への参入、対応可能検査範囲の拡充と展開を行い、収益基盤の拡充に取り組んでまいります。
3.隣接領域への展開と製品化
検査装置向け工場FA化機器技術(「自重補償機構技術」)については、学校法人慶應義塾大学慶應義塾先端科学技
術研究センターと共同開発を進めており、特許等の申請については、既にお知らせのとおり手続きは終了しております。当該技術は当社の検査装置とウエーハ搬送装置との間のドッキングアダプター(以下「ポゴタワー」という。)の着脱(約25㎏~30㎏)をオペレータ一人で簡単に安全に行うための補助アーム(以下「マニピュレータ」という。)です。当面の目標として、その搬送可能重量を50㎏前後で製品化を行います。現在は、製品の製造準備に取り掛かっており、先端ロボット等の開発製造をロボット等製造専門事業者様と協議を開始いたしました。また当該技術は、「半導体製造工場内FA化システム」、「物流搬送システム」並びに「介護等」への応用が可能と考えております。
奈良県立大学と進めております脈波(BCG,ECG)を利用したヘルスケア管理システムは、同大学並びに株式会社TAOS研究所とアライアンスを組み、製品化を行いました。2023年3月9日に開示しました「IoTセンサーを活用したセルフヘルスケア機器の販売開始決定及び価格に関するお知らせ」に記載いたしましたとおり、2023年4月1日より一部のお客様を中心に試験販売を開始いたしました。なお、当該製品の製造に関しましては当社大阪事業所で製造を行っており、2023年9月から製造を開始、順次市場投入を計画しております。また、製品の納品後もアップデートによる機能の追加、検査項目の拡充を積極的に進め、地域医療に貢献できるようにしてまいります。なお、機器の詳細につきましては、当社WEBページをご参照ください。
財務施策
財務面については、財務基盤の安定化を図るために、2023年9月15日開催の取締役会において、楽言海外国際(香港)有限公司を割当予定先とする第三者割当による新規株式の発行を行うことを決議し、2023年10月19日に約4億円の資金調達を実施しました。
これにより、次世代検査装置の開発継続及び開発人員の強化資金、先端半導体向け検査市場への参入準備資金、並びに運転資金を確保することができました。今後とも、更なる財務基盤の安定化のために、親会社「武漢精測電子集団有限公司」と諮りながら、同グループ及び金融機関からの借入並びに資本増強等による資金確保についての施策を今後とも継続して実施してまいります。
このように、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況を解消又は改善するための対応策を着実に実施しております。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2023年1月1日~2023年9月30日)における世界半導体市場は、新型コロナウイルス禍が猛威を奮った2020年から2022年に起きた、急激なテレワーク需要に端を発するPC、スマホ等のIT機器向けパネル及び半導体チップの急激な需要増とアフターコロナに伴う急峻な半導体需要減を原因とする民生半導体部材の過剰在庫が長期化し、半導体各製造工場は新規投資を見合わせる状況となりました。半導体の生産調整は、JEITA半導体部会や世界半導体市場統計(WSTS)によると、2023年上半期には終息するとの予測を立てておりましたが、当第3四半期末現在においては、明るい兆しを見せながらも引き続き半導体各社の新規設備投資は慎重な姿勢を崩していない状況です。足元では最近の台湾情勢を取巻く米中関係、長引くウクライナ侵攻の影響、加えてイスラエルのガザ問題は、世界大戦への懸念が叫ばれ、世界情勢は予断を許さない状況です。また、国内においては、大幅な円安による物価上昇圧力が続き消費者マインドにも影響が出ており、それは市場、経済ともにマイナス要因に働くことが予想されております。しかしながら、米国半導体工業会(SIA)では、2023年後半では米州や欧州・中国・日本などの主要市場において、それぞれ前月比プラスに転じており、当第3四半期以降は、1年近く続いた世界的な半導体市場の縮小に、ようやく底打ち感が見られると報告されております。そして2024年は、日本のみならず、世界規模で官民入り乱れた半導体工場の投資合戦が起こるともいわれ、矢継ぎ早に半導体事業の拡大戦略が打ち出されております。「産業のコメ」から「戦略物資」と化した半導体市場は、今後中期的に大きく回復方向へと向かうと予想されております。
当社グループが属する半導体並びにフラットパネルディスプレイ業界は、テレワーク等に支えられてきた2021年から2022年前半までは好調でしたが、大量消費国であった中国各地におけるロックダウン政策の影響を受けて、2022年後半は大きく減退し、パネル各社は在庫調整に入っております。しかし当該市場の今後は、各国政府の進めるDX(デジタルトランスフォーメーション)のさらなる進展や脱炭素化推進に向けた取り組み、自動運転や5G、6Gなどの高速通信環境がもたらす新しい世界(VRやメタバース)が急速に開発・開拓され、広範な需要に支えられ、足元も含めた半導体サイクルといわれる短期需要変動を繰り返しつつも、中長期的に大きな成長が予測されております。
このような環境下、2023年度における当社グループの主要事業である半導体検査装置事業分野では、国際半導体製造装置協会(SEMI)によると、同装置市場における規模は、過去最高であった2022年の1,074億ドルから半導体の需要低迷による新規設備投資の抑制が長引いたことによる大幅な下方修正を背景として、2023年は18.6%減の874億ドルに縮小となる見通しで、PCやスマホ向け半導体を製造する韓国サムスン電子や米マイクロン・テクノロジーも大幅な生産調整による減産を行っており、特にメモリーやロジック分野の装置売上高は28%減、市場を引っ張ってきたNAND分野も51%減る見通しです。2024年は、前工程と後工程の両分野の成長によってけん引され、1,000億ドルを回復すると予想され、生成人工知能(AI)向けのデータセンターの拡大や電気自動車(EV)、仮想現実(VR)端末の普及、つまりハイパフォーマンス・コンピューティングとユビキタス・コネクティビティに牽引された旺盛な成長が今後長期的に見込まれることにより、需要回復が期待されます。当社としては、市場の上昇機運は未だ弱いものの、より高速高精度な半導体、特に高画素化が求められているLCDドライバICに注力し、引き続きお客様のニーズを取り込んだ既存装置の改良改善、そして次世代デバイス向け検査装置の開発を継続することで、2023年下半期から2024年にかけて回復が予想される当該市場に注力してまいります。
当第3四半期連結累計期間においては、上述のように、お客様工場の生産調整による新規設備投資の抑制が長期化したことから、期待していた受注に遅れが発生し、売上は低迷いたしました。営業面では、販売店に集中させていた販売方法を、中国市場新戦略として9月初旬より大きく見直し、当社の製造子会社の営業を含めた直接の販売を拡大を図り、現地マーケットに集中した営業展開を本格化いたしました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の当社グループの売上高は263,602千円(前年同四半期比89.8%増)、営業損失374,833千円(前年同四半期は営業損失513,881千円)、経常損失352,193千円(前年同四半期は経常損失486,356千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失354,051千円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失488,214千円)となりました。
なお、セグメント区分については、従来報告セグメントの「半導体検査装置事業」及び報告セグメントに含まな
い「その他」の2つにセグメントを区分しておりましたが、第1四半期連結会計期間より「半導体検査装置事
業」の単一セグメントに変更しております。
これは、「その他」の事業セグメントに含まれておりましたオーディオ事業を2022年8月末付にて、株式会社データゲート(大阪府大阪市北区)に事業譲渡を行ったことにより、「その他」に含まれていた事業がなくなったためであり、報告セグメントを「半導体検査装置事業」の単一セグメントとして管理することが適切と判断したためであります。
(2)財政状態の状況
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ112,769千円減少し、1,764,531千円(前連結会計年度末比6.0%減)となりました。この主な要因は、現金及び預金が150,860千円減少したことによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ190千円減少し、24,752千円(前連結会計年度末比0.8%減)となりました。この主な要因は、投資その他の資産のその他が190千円減少したことによるものです。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べ211,328千円減少し、162,405千円(前連結会計年度末比56.6%減)となりました。この主な要因は、短期借入金が157,030千円減少したことによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ24,105千円減少し、151,686千円(前連結会計年度末比13.7%減)となりした。この主な要因は、長期借入金が24,048千円減少したことによるものです。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ122,474千円増加し、1,475,192千円(前連結会計年度末比9.1%増)となりました。この主な要因は、資本金及び資本準備金がそれぞれ216,669千円増加したものの、利益剰余金が354,051千円減少したことによるものです。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は168,083千円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。