第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

 当社グループは「患者のためになり、医師の役に立つ製品の開発・生産・提供を通して世界の人々の幸福に貢献する」ことを理念に、専門的医療機器を開発から販売まで一貫して手掛け、広く世界に提供しております。更に「順法精神と独創技術を持ち将来利益を確保する」を経営基本方針に掲げて、将来利益の最大化に努めております。

 

(2) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 高齢化の進展及び医療技術の高度化は医療費の急増をもたらすことから、先進各国では医療費抑制政策が次々と打ち出されております。これらの医療制度改革に対応すべく、経営の効率化、経費削減やデジタル化が推し進められ、医療機関のコスト意識はより一層高まっております。一方、感染症予防意識の高まりによる市場の活性化、さらには新興市場においては、医療インフラの整備及び所得向上による需要の拡大が予想され、医療機器市場全体では引続き拡大を見込んでおります。

 

 このような環境下、当社グループは、「世界一の品質を世界のすみずみへ」という使命を掲げ、当社グループの製品を世界中に提供し、世界の人々の幸福に貢献することを目指しております。当社グループの更なる成長に向けて、2022年8月期より中期経営計画をスタートし、営業・生産・開発の各機能のグローバル化を進めることでビジネスモデルの変革を行い、企業理念実現のための取組を着実に進めてまいります。中期経営計画においては、①高品質・低コストを実現するグローバル生産体制の構築、②世界のKOL(キーオピニオンリーダー)医師との製品開発、③地域密着型営業によるグローバル市場でのシェア拡大、④マニーサステナビリティの推進を重点方針として掲げております。それぞれの方針と取組の状況については以下のとおりです。

 

①高品質・低コストを実現するグローバル生産体制の構築

 従来の人に依存した品質保証をベースとする生産方式から先端生産技術、デジタル技術等を活用した低コスト、高品質な次世代生産方式に変革し、MANIのものづくりの進化を実現するため、創業の地である栃木県高根沢町に革新的なスマートファクトリーの建設に着手しました。今回建設するスマートファクトリーは、新製品及び新生産プロセスの量産化技術の確立とその後の海外展開を見据えた最初の「パイロット工場」として位置付けており、原価低減を図りながらグローバルでの売上拡大を目指してまいります。また、日本国内に新たな生産拠点を設けることで、課題であったベトナム工場一極集中リスクを低減し、医療機器メーカーとして安定的な製品供給体制を構築してまいります。

 ベトナム生産拠点であるMANI HANOI CO.,LTD.においては、工程改善、在庫管理強化による生産効率の向上を目指すとともに、更なる増産体制を構築するため、第7期工場の建設を進めてまいります。

 ドイツ子会社MANI MEDICAL GERMANY GmbHにおいては、2023年9月に新本社・工場の建設が完了し、同年9月より稼働を開始しました。歯科用修復材の生産キャパシティを拡大することで、欧米及びアジアにおける販売拡大を推進してまいります。

 

②世界のKOLとの製品開発

 新たな独創技術の獲得、コア技術の深化及び上市スピードの向上を図るため、開発・営業部門の連携を強化することで日本のみならず海外の医師の声を取り入れるグローバルな新製品開発体制を構築してまいります。特に開発重点製品であるNiTiロータリーファイル「JIZAI」をはじめとするデンタル製品の競争力強化を目指して、2023年9月より新たに「デンタル事業本部」を設置しました。グローバルマーケティングによる更なる市場シェア・売上拡大を目指しながら、市場ニーズを速やかに捉える製品開発を一体的に進め、競争優位を高めてまいります。

 

③地域密着型営業によるグローバル市場でのシェア拡大

 グローバルな視点で「地域密着型営業」を推進してまいります。中国、インド、ASEANといった成長著しいアジア市場においては、一人当たりGDP増加、症例数増加に伴う医療用消耗品需要の増加が見込まれます。2023年6月に新たにマレーシアに設立した販売子会社MANI MEDICAL DEVICE MALAYSIA SDN. BHD.を通じて、地域に根差したマーケティング活動を推進し、現地ユーザーニーズの把握及び販売網の拡大に努めてまいります。一方、先進市場である欧米市場においては、ドイツ子会社MANI MEDICAL GERMANY GmbHを中心に歯科用修復材の販売を強化するほか、先進市場における新たなニーズをタイムリーに捕捉し、製品化に繋げるグローバルマーケティングを実現してまいります。

④マニーサステナビリティの推進

 持続的な成長と持続可能な社会の実現の両立を目指すべく、「マニーサステナビリティ」を着実に推進してまいります。今後の持続可能な成長を実現するために十分な体制を維持強化すべく企業競争力の源泉となる人材への投資を増やしていき、高度な専門知識や経験を有する人材を採用・育成すると同時に、多様性の容認と働きがいのある職場環境の醸成を推進してまいります。環境面については、グループ全体でのCO2排出量の削減を目指して、日本・ドイツ・ベトナムの各拠点において太陽光発電の導入、さらに国内では電力購入契約(Power Purchase Agreement)を締結し、地元企業と連携してCO2排出量削減に取り組んでまいります。さらに海外でのオペレーションの拡大に伴い、海外拠点におけるガバナンスや内部統制の強化も優先的な課題として認識し、積極的に取り組んでまいります。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 企業価値を増大するために、営業利益伸び率を重要な経営指標と考えております。また、効率経営の指標として、売上高営業利益率、自己資本当期純利益率(ROE)につきましても重要視しております。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)グループ全体におけるサステナビリティの考え方及び取組

当社グループは、「患者のためになり、医師の役に立つ製品の開発・生産・提供を通して世界の人々の幸福に貢献する」という企業理念を掲げています。この企業理念は、栃木県・高根沢町での創業時から今に至るまで、当社の全ての事業活動における判断の拠り所であり、全ての社員が共有する価値観として浸透しています。企業理念の実現を目指し、「世界一の品質を世界のすみずみへ」届けるべく、当社はこれまでに開発・生産・営業それぞれの機能を強化しながら(ベストプラクティスの追求)、やらない経営を徹底することで(トレード・オフの追求)、地方企業ながらも世界的に高い市場シェアと高収益率を維持しており、強固な経営基盤を作り上げております。このような経営基盤を背景として、当社本社やベトナム子会社の製造工場を中心に、社員が長く働くことの出来る環境を提供しており、アイレス針や白内障用の眼科ナイフ等の「世界一の品質」を持つ製品を生み出すことにつながったと考えております。

また、当社グループは環境負荷低減と事業成長の両立にも取り組んでおります。創業期には田園地帯に工場が立地していたことから、地域社会との共存を図るために環境負荷低減に向けた投資を早期から実施しておりました。当社製品はステンレスワイヤー(針金)を加工した微小なものが多く、加工に必要なエネルギー消費量を最小限に抑えることが可能なほか、製品は極めて軽量でもあるため、輸送においても環境負荷が軽微であることが特徴です。ドイツ子会社MANI MEDICAL GERMANY GmbHにおいても、CO2排出量の削減に向けた施策や人体への影響を考慮した歯科修復材の開発を進めるなど、グループ全体で「良い製品」による「良い治療」を世界の医療現場に普及するべく、取り組んでおります。

当社グループの経営基盤をより強固なものとし、持続的な成長と持続可能な社会の実現を両立するため、グループ全体でのサステナビリティに関する方針として、2021年4月に策定した中期経営計画において「MANIサステナビリティ」を発表いたしました。当社は企業理念を実現することこそ社会に対して最も貢献できることと考えており、「MANIサステナビリティ」の推進により更なる企業価値の向上を目指してまいります。

 

以下、TCFD提言にて推奨される「①ガバナンス、②戦略、③リスク管理、④指標と目標」の4項目の内容について、それぞれ記載しております。

 

①ガバナンス

当社執行役副社長を「MANIサステナビリティ推進責任者」として、気候変動をはじめとするサステナビリティに関する重要事項の報告、各会議体における議論を行っております。また、サステナビリティに関する報告内容については、取締役会にて報告され、監督される体制となっております。

 

②戦略

サステナビリティに関する戦略として、「MANIサステナビリティ」では「カーボンニュートラル達成に向けた省エネルギー活動の推進」、「多様な人材が企業理念のもとに活躍できる職場づくり」及び「環境に配慮したグリーンサプライチェーン評価制度の確立」を掲げており、特に当社グループでは人的資本を重要な経営資源と認識しております。世界一の品質を追求しながら、医療機器事業の更なるグローバル展開を実現するための人材育成に積極的に取り組んでまいります。詳細については(2)人的資本に関する取組をご参照ください。

気候変動に関しては、以下の2つの将来シナリオを策定し、各シナリオにおける主要なリスク・機会を整理しております。

 

 

シナリオ

1.5℃~2℃シナリオ

4℃シナリオ

概要

政府による環境規制の強化がなされ、

気候変動対応が進展する

気候変動対応が進捗せず、災害が激化、

増加する

リスク

移行

リスク

温室効果ガス排出抑制政策等で調達製品コスト上昇が想定されるが、当社製品のコスト構造における材料費比率は低く、財務への影響は限定的

温室効果ガス排出抑制政策等で調達製品コスト上昇が想定されるが、当社製品のコスト構造における材料費比率は低く、財務へ の影響は限定的

物理

リスク

・台風、大雨による拠点損害、物流網の混乱等が増加し、財務への影響は大きい

・海面上昇や浸水等のリスクに対しては、メイン製造拠点であるベトナム工場は内陸部に位置し、影響は限定的

・台風、大雨による拠点損害、物流網の混乱等がさらに増加し、財務への影響は非常に大きい

・海面上昇や浸水等のリスクに対しては、メイン製造拠点である ベトナム工場は内陸部に位置し、影響は限定的

機会

市場

当社の製品分野における医療市場の変化は当面想定されない

当社の製品分野における医療市場の変化は当面想定されない

 

 

③リスク管理

「MANIサステナビリティ」推進を全社活動目標として設定し、目標達成に向けた取組を月次でレビューし、その進捗を取締役会にてモニタリングする運用としております。

 

④指標と目標

グループ全体で以下の指標と目標を設定し、その達成に向けて一丸となって取り組んでまいります。

 

目標1:再生可能エネルギー由来の電力の使用比率

2030年までに25%

2050年までに100%

目標2:二酸化炭素排出量(2022年比)

2030年までに25%削減

2050年までに85%削減

 

(2023年8月期における取組の状況)

日本、ベトナム、ドイツそれぞれの拠点において、太陽光発電等の仕組みを導入し、環境に配慮した事業活動を推進いたしました。

 

日本

当社本社において、地元企業との間で電力購入契約(Power Purchase Agreement)の導入を検討し、2023年9月に締結しました。当社だけでなく、地域一丸となってCO2排出量削減に取り組んでまいります。また、建設に着手したスマートファクトリーにおいても太陽光発電の導入を予定しております。

 

ベトナム

ベトナム工場は、当社グループ内で最も多くのCO2を排出しています。ベトナム工場の太陽光発電パネルの設置により、グループ全体のCO2排出量を大きく削減することを目指しております。

 

ドイツ

完成した新工場の屋根には太陽光発電パネルを設置しました。また、工場敷地内にEVチャージャーステーションを設置し、社用車のEV化を進める予定としております。

 

(2)人的資本に関する取組

人材戦略

更なる企業価値の向上を目的として、中期経営計画においては「世界のKOL医師との製品開発」、「地域密着型営業によるグローバル市場でのシェア拡大」、「高品質・低コストを実現するグローバル生産体制の構築」の3点を重要課題として掲げています。中期経営計画の詳細は、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」をご参照ください。

本中期経営計画で掲げた重要課題の達成及び「これからの進化」を実現するため、人材戦略として以下の3つのテーマを設定しております。

 

「これからの進化」を実現する人材の確保

ビジネスモデルを変革し真のグローバル企業へ進化すべく、それを実現する人材の採用や育成に注力します。

人材の多様性の確保

多様な人材の視点や経験によりお客様のニーズを捉え、スピード感をもってイノベーションを創出できる体制を目指します。

ワークエンゲージメントの向上

経営戦略を実行するためには、社員と経営が一体となり進めていくことが不可欠です。社員一人ひとりが力を発揮できる職場環境を目指します。

 

また、これからの進化に向けて、自らの意思で価値創造や成長を目指す、お互いの違いを活かして協力し合う、などの意識の醸成も重要であると考えております。このような背景から、すべての人材に求める要素として、「価値創造・自律・成長・多様性の尊重」を設定いたしました。今後は、この4つの要素を全社に浸透させ、一人ひとりが体現できるよう、コミュニケーションの場を設けるなどの環境整備を進めてまいります。

 

「これからの進化」を実現する人材と多様性の確保を含む育成方針

1.「世界のKOL医師との製品開発」に必要な人材の確保と育成

「『世界一の品質』の追求」をキーワードに新製品の開発を加速するため、製品領域別と開発プロセス別のそれぞれの専門人材が必要であると認識しております。このような人材を育成するため、医科や歯科の専門知識および製品開発に必要な技術・スキルを養うとともに、それぞれのキャリアを見据えた業務配分を行っております。

また、それぞれの専門性に基づく採用やKOL医師との連携強化も進めております。

 

2.「地域密着型営業によるグローバル市場でのシェア拡大」に必要な人材の確保と育成

 国や地域により市場特性やニーズが異なるため、それぞれのニーズに合わせたマーケティングの推進が必要だと考えております。世界中の顧客ニーズをいち早くキャッチし、問題・課題を解決するための製品を開発・提供していくために、より戦略的なマーケティング活動、能動的な営業スタイルへの変革、地域×製品セグメント毎のエキスパートが必要であると認識しております。このような専門人材の採用とともに、社内の専門教育やOJTの強化を図っております。

 

3.「高品質・低コストを実現するグローバル生産体制の構築」に必要な人材の確保と育成

2023年10月よりスマートファクトリーの建設を開始しました。デジタル技術を活用した生産プロセス改善のため、デジタルスキルを持ち合わせた設備保全、歩留り改善などの経験をもつ人材の採用・育成を進めております。

加えて、製品開発後の量産フェーズや、生産子会社への開発技術の速やかな移管を強化するため、「生産技術・製造技術のエキスパート」を育成しております。

 

「これからの進化」を実現する人材と多様性の確保を含む育成方針に沿った具体的な取組事例は、下記のとおりです。

 

取組事例

グローバル

マーケティングの推進

世界のKOL医師との

製品開発

グローバル生産体制

の構築

・コア技術/術式等勉強会

・各本部での勉強会

海外工場における現場研修

 

多様な背景を持つ経験者採用

 

なお、人材の多様性においては、経験者採用を積極的に進めることで、これまで自社になかった多様な視点を取り込んでおります。また、男女問わず活躍できる環境を目指して、女性管理職比率の向上に取り組んでまいります。さらに、「多様性受容の文化」醸成のための情報発信や研修の場を設けます。

 

人材戦略を実現する社内環境整備方針

人事制度の改訂に伴い、組織全体として社員一人ひとりの役割認識の強化を目的として全社的な教育体系を整備し、その一環として社員の階層別研修を開始しております。加えて、業務効率化や生産性向上など、事業運営の高度化に必要な専門性を高めるための教育制度の整備を進めております。具体的には、全社横断的な取組として、業務のデジタル化を進めるとともに、社員のITリテラシー向上に向けた様々な施策に取り組んでまいります。

 

指標及び目標

人材戦略とそれぞれの重点領域に即した指標及び目標は下表のとおりです。目標達成のため、定期的にその実績をモニタリングしております。

 

重点領域の実現に向けた取組

指標(注)

2023年8月期実績

成長を支える経験者採用

採用充足率

目標超過

経験者採用(管理職)

管理職の経験者採用比率

27%

女性リーダー育成

女性管理職比率15%以上(単体)

9%

人材開発への投資

人材開発投資額

年間17万円/人

チャレンジを促す人事制度の運用

運用高度化施策の実行

計画に沿い進捗

ワークエンゲージメントの向上

コミュニケーション向上施策の実行

計画に沿い進捗

(注)当社では人材の多様性を図る取組として女性管理職比率の指標は重要と捉え、女性管理職比率のみ目標(2026年8月期)を設定し、それ以外の取組は指標としてモニタリングしてまいります。

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年11月22日)現在において判断したものであります。

 

区分

項目

リスクシナリオ

対応策

経営

為替相場の異常な変動

 

当社グループが為替リスクを負っている一部の外貨建て取引における影響のほか、円建て取引においても価格引き下げ要求等、間接的な影響を受ける可能性があります。また、海外子会社への生産移管により、外貨建てによる製品仕入等を行っているため、予想外の為替変動が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、海外子会社の現地通貨建て財務諸表を連結財務諸表作成等のために円換算しております。従って、為替レートの変動により換算に適用するレートが変動し、円換算後の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループの海外売上比率は高く、また、売上の多通貨化を推進する意図から外貨取引を増加させておりますが、海外取引においても一部円建てで販売することで為替変動の影響を回避しております。さらに為替感応度分析を行うことで業績に与える影響を把握するとともに、リスクヘッジの基本方針及び手続等を定めることで、リスクが顕在化した際に迅速に意思決定できる体制を整えております。

 

医療政策の見直しによる販売価格の異常な変動

当社グループの属する医療機器事業は、診療報酬、薬価基準及び特定保険医療材料の公定価格見直し(引き下げとなるケースが大半となっています。)が、概ね2年に1度実施されております。また、わが国にとどまらず、医療費抑制政策は世界的な傾向となっております。これに伴い、販売価格が想定を超えて下落し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

主力であるベトナム工場において、工程の自動化推進による継続的な製造コストの低減に加え、当社の微細加工技術を活かした高付加価値製品の販売により、これらの影響を最小化するよう努めております。

 

新製品及び新技術に係る長い事業化及び製品化期間

当社グループは、縫合針等の医科・歯科医療機器の製品化研究を行うとともに、それら全域にわたる研究開発を行っております。当社グループの研究開発は応用研究が中心となりますが、医療機器として、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保に関する法律」(以下、「医薬品医療機器等法」という。)に基づく製造販売に係る許認可が必要となります。これらの過程で、有効性や安全性に関して予測されなかった問題が判明あるいは発生し、期待する時期に新製品を発売できない場合や、当社グループの実施した臨床試験で良い結果が得られ、承認等申請した場合であっても、安全性、製造設備の適格性等の様々な理由による承認の遅れや、承認が得られない、又は自主的に申請を取り下げる等の場合があります。さらに、海外においても当社製品の販売の前提として各国固有の品質基準や検査基準を個々に満たす必要があり、その対応には予想を上回る長期間を費やす場合があります。これらの場合に、当初想定した経営成績の達成時期が遅れる可能性、また、当社グループの研究開発費が、売上高の増加に比べ継続的に不相応な増加をすれば、収益性に影響を及ぼす可能性があります。

積極的な研究開発活動のもと、新製品及び新技術の開発を進めるとともに、設計開発部門にも専任の薬事業務担当者を設置し、薬事及び品質管理体制の拡充を図っております。

また、開発マーケティングを強化し、開発テーマの選択と集中を図ることで、開発リソースの有効活用に努めております。

 

 

 

区分

項目

リスクシナリオ

対応策

経営

特定の法的規制

当社は、国内において「医薬品医療機器等法」及び関連法規の規制を受けており、各事業活動の遂行に際して以下のとおり許認可を受けております。これらの許認可を受けるための関連法規及び諸条件の遵守に努めており、現時点では、当該許認可が取り消しとなる事由は発生しておりません。しかし、法令違反等によりその許認可が取り消された場合には、規制の対象となる製品の回収、または製造並びに販売を中止することを求められる可能性があり、これらにより当社の事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。

また、当社は、「医薬品医療機器等法」及び関連法規等に基づく許可を受けて医療機器の製造・販売を行っております。今後の関連法規改正等により当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

一方、海外においても欧米諸国の法規制だけでなく、中国、東南アジア諸国の法規制も近年厳しくなっており、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

グローバルに事業を展開するため、製造及び販売先国の関連法規の遵守、規格への適合を図るとともに、品質マネジメントシステム構築と継続的改善を図っております。

また、内部監査等を通じて、関連法規制への対応及び品質管理の状況等について、定期的な確認を実施しております。

 

品質リスク

当社グループは、医療機器の設計、開発、製造段階で、製品の安全性の確保について全力を挙げて取り組んでおりますが、製造時に偶発的に不具合等が発生する可能性があります。

予期せぬ不具合やその疑いなどにより、万一大量に製品を回収することになった場合、回収費用等の発生や薬事規制上の対応、売上高の減少等の影響のみならず、当社グループに対する信用が低下し、企業価値が棄損する可能性があります。

医療機器QMS省令、体制省令、GVP省令や品質マネジメントシステムのISO規格などに基づき、厳しい品質管理・品質保証体制を整備し、製造段階のみならず販売後も品質のモニタリングを行っています。万一、不具合等が発生した際は、迅速に対応できる体制としております。

 

設備投資

リスク

当社グループは日本国内にスマートファクトリーを建設しておりベトナムでは生産工場の増設を進めておりますこれらの設備投資に伴う投資資金を全て自己資本で調達する予定ですが設備の建設、設置の過程で材料価格や人件費の高騰など投資資金が大幅に増加する可能性があります。また、当社グループの業績の伸びが想定を下回るあるいは業績が悪化することに伴い、余剰設備が発生する可能性があります。これら事態が発生した場合、当社グループの財政状態に著しい影響を及ぼす可能性があります。またスマートファクトリーによる原価低減効果が期待以上に発現しなかった場合などその結果によっては将来の経営成績に影響を及ぼす可能性があります

スマートファクトリー建設の意思決定にあっては、事前に採算性評価(Net Present Value:正味現在価値を基準とした投資判断)を行っております。

また、想定されるリスクに対するモニタリングを実施しております。

 

 

 

区分

項目

リスクシナリオ

対応策

社会

環境

カントリー

リスク

当社グループは、ベトナム、ミャンマー、ラオス、中国、ドイツ、インド、マレーシアに子会社を保有しており、医療機器またはその部品の生産及び販売等を行っております。当社売上原価に占める各生産子会社への外注費の割合は3社合計で8割程度となっております。また、それらの国において、予期しない法律又は規制の変更や、政情不安・戦争・テロ・暴動及び天変地異などの不可抗力等による事故などが発生した場合は、製品供給が一時滞るといった可能性があり、取引の継続性が不安定になることを含め、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、中国では景気減速、国産優遇政策及び反腐敗キャンペーン等が発生しており、現時点で当社の製品販売に影響を及ぼしておりませんが、中長期的には影響を及ぼす可能性があります。

各国の法律又は規制の変更や政情等を定常的に確認し、有事の際には人命の安全確保を最優先し、適切な対策の実行に努めております。

また、製品の安定供給を実現するため、日本にスマートファクトリーを建設する計画を推進しております。

 

気候変動関連リスク

当社製品は微細なものが多く、それらを加工する加工機自体も小さいことから、電力消費及び輸送等において環境負荷は軽微となりますが、中長期的気候変動や異常気象による社会インフラ、気候変動関連政策変更、気候変動に対する金融市場の嗜好や社会通念の変化、技術革新等による低炭素社会への急速な移行等への対応を失敗することにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

想定されるリスクについて、取締役会及び執行役会等に定期的に状況を報告するとともに、対応方針について意思決定を行い、リスク顕在化の影響の極小化を図っております。

 

サイバー攻撃によるリスク

サイバー攻撃、具体的には、マルウェア(不正かつ有害な動作を行う意図で作成された悪意あるソフトウエア)の感染、DDos攻撃(分散型サービス妨害攻撃)及びビジネスメール詐欺等は、国内でも増加が見られ、金融業界全体でますます大きな脅威となっております。外部からの不正アクセス、コンピューターウイルスの侵入等により事業活動に影響が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、サイバー攻撃により、当社グループのサービスの停止や情報漏洩(顧客情報、当社グループの経営・業務運営上の情報等)、データの破壊・改ざん等が発生し、当社グループの業務運営及び業績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

情報セキュリティリスク管理に関する規則・ルールの制定に加え、不審なプログラムの挙動を判定し実行防止すEDR(Endpoint Detection and Response)システムを導入しております。並行して従業員のリテラシー向上に向けた対策として情報セキュリティ教育等を定期的に実施してまいります。

 

 

 

区分

項目

リスクシナリオ

対応策

災害

感染症

災害の発生リスク

当社は、2011年3月に東日本大震災が発生した際、建物や製品在庫が破損するなどの被害を受けました。また、ベトナム工場では設備老朽化による火災の発生等のリスクがあります。このような災害が発生した場合には、製品供給が一時滞る可能性があり、取引の継続性が不安定になることを含め、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

災害の発生を防ぎ、万が一災害が生じた場合の被害を最小限に抑えるために、地震や火災を想定した防災訓練や定期的な設備点検等を実施しております。

また、国内拠点ではBCPを作成し、被災時でも早期に事業復旧できるよう準備を行っております。ベトナム工場では専門家による漏電・火災リスクの調査や対策の実施、老朽化した施設の改修を進めております。

 

感染症等

リスク

感染症等の流行、またその感染症等の流行による政府等当局からの出勤禁止令及び病院での手術件数の減少等によっては、当社グループの事業活動及び収益等に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの生産の約9割はベトナムの生産子会社となっており、ベトナムの生産子会社にて感染症が発生し、従業員が出勤停止となる場合、子会社の操業が停止するリスクがあります。このような状況になった場合、製品供給が一時滞る可能性があり、取引の継続性が不安定になることを含め、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

交替制在宅勤務(リモートワーク)及びフレックス勤務の導入を継続しております。

今後感染症が流行した場合、WEB会議の推奨、毎日の検温やマスク着用の徹底等、従業員及びその家族の健康維持・安全確保を最優先とし、感染予防対策の徹底に努めてまいります。

生産子会社で発生するリスクを回避するため、海外の生産拠点を分散し、生産能力が1か所に集中しない様に国内にスマートファクトリーの建設等を進めております。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

 当連結会計年度においては、経済環境は、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和され、日本国内外における人々の活動も回復するなど、社会活動並びに経済活動の正常化へ向けた動きが見られました。一方で、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、原材料・エネルギー価格の高騰、インフレリスクに対応した欧米諸国での政策金利の引き上げや急激な為替変動、中国の景気減速懸念等の影響により、依然として先行き不透明で注視が必要な状況が続いております。

 このような環境下、当社グループは、「世界一の品質を世界のすみずみへ」という使命を掲げ、当社グループの製品を世界中に提供し、世界の人々の幸福に貢献することを目指しております。当社グループの更なる成長に向けて、2022年8月期より中期経営計画をスタートし、営業・生産・開発の各機能のグローバル化を進めることでビジネスモデルの変革を行い、企業理念実現のための取組を着実に進めています。中期経営計画の2年目となる当連結会計年度においては、重点製品であるNiTiロータリーファイル「JIZAI」1の量産体制構築と売上拡大に向けたマーケティング活動の強化を進めております。

 中期経営計画の重要施策の観点では、グローバル生産体制の構築を目的として、ドイツの連結子会社MANI MEDICAL GERMANY GmbH(旧GDF、以下MMG)では2023年8月に新本社・工場が完成し、同年9月より生産を開始しました。MMGは今後、歯科用修復材2の生産能力の増強を図り、欧米及びアジアにおける販売拡大を推進してまいります。また、国内ではスマートファクトリーの建設準備が終了し、2023年10月より建設を開始します。今回建設するスマートファクトリーは、新製品及び新生産プロセスの量産化技術の確立とその後の海外展開を見据えた最初の「パイロット工場」として位置付けており、製品の原価低減を図りながらグローバルでの売上拡大を目指します。グローバルマーケティングの推進の観点では、デンタル関連製品の更なる市場シェア及び売上拡大のため、2023年9月より新たな組織として「デンタル事業本部」を設置し活動を開始しました。デンタル関連製品セグメントの競争力強化及びマーケティング機能強化を2024年8月期の重要課題として設定しております。

 今後も中期経営計画に基づく成長戦略により、企業価値の向上を目指してまいります。

 

(脚注)

1歯の歯髄と呼ばれる神経の治療法の1つである根管治療において、根管内の感染源除去に用いられる柔軟性の高いニッケルチタン製の歯科治療機器

2歯の欠損した部分を人工物で埋めることにより歯の形態を回復し、審美性を高める治療(歯冠修復治療、審美歯科治療)に使用される樹脂材料

 

当連結会計年度における経営成績

 主にアジアや欧州を中心とした地域で製品需要が拡大し、特にアイレス針関連製品の需要が大幅に増加しました。また、円安による海外売上高の押し上げも加わったことを背景に、売上高は24,488百万円(前年同期比19.9%増)となりました。一方、海外子会社における製造原価の上昇等により売上原価は9,066百万円(同15.6%増)、研究開発費の増加及び当社本社の人員体制の強化等の影響により販売費及び一般管理費は8,177百万円(同27.5%増)となりましたが、売上高の増加が上記費用増加を大幅に上回ったため、営業利益は7,243百万円(同17.5%増)となりました。他方、主に円安による為替差益の計上等により、経常利益は7,995百万円(同6.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、営業利益の増加等により5,953百万円(同12.5%増)となりました。

 

 セグメント別の業績概況は、次のとおりです。なお、セグメントの売上高につきましては、外部顧客への売上高を

記載しております。

 

 

売上高

セグメント利益(営業利益)

百万円

前年同期比

百万円

前年同期比

サージカル関連製品

6,784

13.9%

2,121

7.1%

アイレス針関連製品

8,574

37.2%

2,865

63.6%

デンタル関連製品

9,128

11.2%

2,256

△7.2%

連結

24,488

19.9%

7,243

17.5%

 

 

(サージカル関連製品)

 サージカル関連製品の売上高は6,784百万円(前年同期比13.9%増)、セグメント利益は2,121百万円(同7.1%増)となりました。白内障手術で使用される眼科ナイフの需要がアジア及び欧州等の地域で拡大したことにより、前年同期から増収となりました。セグメント利益は、製造関連の費用が増加したものの、売上高が増加した等により増益となりました。

 

(アイレス針関連製品)

 アイレス針関連製品の売上高は8,574百万円(前年同期比37.2%増)、セグメント利益は2,865百万円(同63.6%増)となりました。製品需要の拡大を背景として、アイレス針の受注が中国を中心としたアジア、北米、欧州並びに南米などの地域で引き続き増加したことにより、大幅な増収増益となりました。

 

(デンタル関連製品)

 デンタル関連製品の売上高は9,128百万円(前年同期比11.2%増)、セグメント利益は2,256百万円(同7.2%減)となりました。歯科用修復材をはじめとしたMMG製品が欧米地域で好調であったことに加え、中国やインドを中心としたアジア地域において歯科用根管治療機器(リーマ・ファイル類)及び歯科用回転切削機器(ダイヤバー)の販売が堅調に推移しました。さらに、円安による収益の押し上げの影響により、売上高は前年同期から増収となりました。一方、セグメント利益は販売費及び一般管理費が増加したことにより、前年同期と比べ減益となりました。

 

② 財政状態及びキャッシュ・フローの状況

a.財政状態の状況

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末

 (2022年8月31日)

当連結会計年度末

(2023年8月31日)

増減額

総資産

50,113

54,977

4,863

 流動資産

32,503

34,994

2,490

 固定資産

17,610

19,982

2,372

負債

4,698

5,149

450

純資産

45,414

49,827

4,412

 

 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ4,863百万円増加し、54,977百万円となりました。これは主に、流動資産2,490百万円の増加(主に現金及び預金の増加)及び固定資産2,372百万円の増加(主にMMGの新本社・工場の建築に伴う建設仮勘定の増加)によるものです。

 負債合計は、前連結会計年度末に比べ450百万円増加し、5,149百万円となりました。これは主に、未払金及び賞与引当金の増加によるものです。

 純資産合計は、前連結会計年度末に比べ4,412百万円増加し、49,827百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴い利益剰余金が増加したこと、及び円安により在外子会社に係る為替換算調整勘定が増加したこと等によるものです。

 

b. キャッシュ・フローの状況

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

前年同期比

営業活動によるキャッシュ・フロー

6,559

8,026

22.4%

投資活動によるキャッシュ・フロー

△2,173

△4,016

84.8%

財務活動によるキャッシュ・フロー

△2,444

△3,251

33.1%

現金及び現金同等物に係る換算差額

2,085

955

△54.2%

現金及び現金同等物の期首残高

18,057

22,084

22.3%

現金及び現金同等物の期末残高

22,084

23,798

7.8%

 

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、8,026百万円(前年同期比22.4%増)のキャッシュ・イン・フローとなりました。これは主に、法人税等の支払いにより営業キャッシュ・アウト・フローが増加した一方、税金等調整前当期純利益の計上により営業キャッシュ・イン・フローが増加したこと等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、4,016百万円(前年同期比84.8%増)のキャッシュ・アウト・フローとなりました。これは主に、当社及び在外子会社における設備投資に関連する有形固定資産の取得による支出や定期預金の預入による支出が増加したこと等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、3,251百万円(前年同期比33.1%増)のキャッシュ・アウト・フローとなりました。これは主に、配当金の支払額が増加したこと等によるものです。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

  当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年9月1日

至 2023年8月31日)

前年同期比(%)

サージカル関連製品(百万円)

6,415

122.3

アイレス針関連製品(百万円),

8,602

129.3

デンタル関連製品(百万円)

9,956

122.7

合計(百万円)

24,973

124.8

 (注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

 

b.受注実績

 当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年9月1日

至 2023年8月31日)

前年同期比(%)

サージカル関連製品(百万円)

6,784

113.9

アイレス針関連製品(百万円)

8,574

137.2

デンタル関連製品(百万円)

9,128

111.2

合計(百万円)

24,488

119.9

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年9月1日

   至 2022年8月31日)

当連結会計年度

(自 2022年9月1日

   至 2023年8月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

国科恒遠(北京)医療科技有限公司

2,958

14.5

3,250

13.3

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度(以下「前年同期」という。)比4,071百万円増加の24,488百万円(前年同期比 19.9%増)となりました。サージカル関連製品の売上高は、白内障手術で使用される眼科ナイフの需要がアジア及び欧州等の地域で拡大したことにより、6,784百万円(同13.9%増)となりました。アイレス針関連製品の売上高は、製品需要の拡大を背景として、アイレス針の受注が中国を中心としたアジア、北米、欧州並びに南米などの地域で増加したことにより、8,574百万円(同37.2%増)となりました。デンタル関連製品の売上高は、歯科用修復材をはじめとしたMMG製品が欧米地域で好調であったことに加え、中国やインドを中心としたアジア地域において歯科用根管治療機器(リーマ・ファイル類)及び歯科用回転切削機器(ダイヤバー)の販売が堅調に推移したことから、9,128百万円(同11.2%増)となりました。

 損益面においては、売上高が増加したことに加え、前年同期に発生したアイレス針の適正在庫の見直しを目的とした在庫処分の影響がなくなり、生産性が向上したことにより売上原価率が前年同期比1.4ポイント改善しました。その結果、売上総利益は前年同期比2,846百万円増加の15,421百万円(同22.6%増)となりました。

 営業利益は、売上高が増加したこと等により前年同期比1,080百万円増加の7,243百万円(同17.5%増)となったものの、販売費及び一般管理費の増加により売上高営業利益率は29.6%となり、前年同期より悪化しました。

 経常利益は、営業利益が前年同期より増加したことにより、前年同期比451百万円増加の7,995百万円(同6.0%増)となりました。税金等調整前当期純利益は、経常利益が増加したことにより、前年同期比598百万円増加の8,018百万円(同8.1%増)となりました。

 親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比663百万円増加の5,953百万円(同12.5%増)となり、自己資本当期純利益率は前年同期と同等の12.5%となりました。

 

 なお、セグメント別の分析は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に、また、今後の事業環境の見通しと当社グループの課題につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおりであります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

  当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態及びキャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

資本の財源及び資金の流動性の分析

 下表に記載のとおり、堅調な営業収益を背景として、継続的に営業キャッシュ・イン・フローを確保しております。また、営業キャッシュ・フローに加え潤沢な手元資金も活用しながら、設備投資(投資キャッシュ・フロー)や配当(財務キャッシュ・フロー)へ資金配分を行っており、高水準の自己資本比率の維持を可能とする財務運営を実現しております。

 運転資金及び設備資金については自己資金により賄っておりますが、資金調達の機動性及び安定性の確保を図るため、取引金融機関と総額800百万円の当座貸越契約を締結しております。

 

 

 

(参考)キャッシュ・フロー指標のトレンド

 

2019年

8月期

2020年

8月期

2021年

8月期

2022年

8月期

2023年

8月期

営業キャッシュ・フロー

(百万円)

5,305

1,941

6,384

6,559

8,026

投資キャッシュ・フロー

(百万円)

810

△38

△3,438

△2,173

△4,016

フリー・キャッシュ

・フロー(百万円)

6,115

1,903

2,945

4,385

4,010

財務キャッシュ・フロー

(百万円)

△1,773

△2,133

△2,232

△2,444

△3,251

自己資本比率(%)

88.7

93.1

91.8

90.6

90.6

時価ベースの自己資本比率(%)

613.8

673.4

501.9

344.9

340.0

キャッシュ・フロー対

有利子負債比率(年)

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

インタレスト・カバレッジ

・レシオ(倍)

35,968.6

919.4

3,583.1

2,921.3

2,947.1

フリー・キャッシュ・フロー:営業キャッシュ・フローと投資キャッシュ・フローの合計

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり、重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

 経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 特記すべき事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、医療の変化と技術の進歩に対応していくために、営業との連携を強化し、世界のKOL(Key Opinion Leader: 影響力の高い医師の方々)の協力を得ながら、医科手術分野及び歯科治療分野における今後の事業の核となるような製品の研究開発と、その基礎技術の研究開発を進めております。同時に従来製品の改良技術、生産技術及び管理技術等の研究開発を行っております。

 現在の研究開発は、当社グループがそれぞれの分野の新製品開発と従来製品改良技術の研究開発を行っております。また、その他共通的研究テーマとして、特許等の知的財産管理、自動生産ラインの研究及び検証を手がけております。

 当連結会計年度における研究開発費の総額は2,187百万円(売上高比8.9%)であります。なお、研究開発費には、特定のセグメントに関連付けられない費用 635百万円が含まれております。

 

 当連結会計年度の研究開発の概要と主な成果は次のとおりであります。

 

サージカル関連製品

 手術用機器全般の製品と眼科手術機器、具体的には皮膚縫合器、眼科ナイフなど、その関連機器の開発を続けております。また、硝子体手術に使われる機器・器具の開発をはじめ、眼科ナイフでは極小切開白内障手術に対応した製品について、長期的視野に立った製品の研究開発を進めております。

 サージカル関連製品に係る研究開発費は、483百万円であります。

 

アイレス針関連製品

 アイレス縫合針、アイド縫合針の開発を主に、特に連続縫合での切味の持続性向上、安全性を保ちつつ更に曲げ強度向上、持針器とのマッチング等把持特性向上、その他使い易さ等を追求しております。さらに、縫合針に取り付ける糸との関係についても研究を行っております。

 アイレス関連製品に係る研究開発費は、271百万円であります。

 

デンタル関連製品

 歯科保存・歯科補綴機器を中心にした歯科治療製品を開発しております。具体的には歯科用根管治療機器、歯科用回転治療機器、歯科用修復材、縫合機器及びその周辺機器を開発しております。さらに、従来の関連治療機器並びに精緻治療のための開発も長期的な視野に立ち継続しております。

 デンタル関連製品に係る研究開発費は、796百万円であります。

 

共通的研究開発

 研究開発部門の支援開発業務を含む共通的研究開発、基礎的研究開発を行っております。主に知的所有権関連技術、IT、海外生産技術、品質管理技術、自動生産ラインの開発です。

 当該研究開発費は、635百万円であります。