第一部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

 

回次

第16期

第17期

第18期

第19期

第20期

決算年月

2019年8月

2020年8月

2021年8月

2022年8月

2023年8月

売上高

(千円)

179,102

222,760

365,992

659,988

771,862

経常利益又は経常損失(△)

(千円)

95,238

92,373

95,666

9,840

67,468

当期純利益又は当期純損失(△)

(千円)

95,988

92,063

95,288

9,006

81,338

持分法を適用した
場合の投資利益

(千円)

資本金

(千円)

50,000

50,000

50,000

50,000

52,121

発行済株式総数

(株)

33,560

33,560

3,356,000

3,356,000

6,716,400

純資産額

(千円)

218,514

278,601

233,462

570,609

508,414

総資産額

(千円)

451,267

428,031

351,346

801,128

894,090

1株当たり純資産額

(円)

37.36

46.22

38.35

86.97

77.22

1株当たり配当額

(円)

(1株当たり中間配当額)

(―)

(―)

(―)

(―)

(―)

1株当たり当期純利益又は

1株当たり当期純損失(△)

(円)

16.63

15.74

15.69

1.40

12.37

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益金額

(円)

1.34

自己資本比率

(%)

48.4

65.1

66.4

71.2

56.9

自己資本利益率

(%)

2.2

株価収益率

(倍)

876.5

配当性向

(%)

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

78,302

92,419

97,687

114,249

66,918

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

12,692

210

691

34,654

107,132

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

248,638

64,479

14,679

323,787

14,900

現金及び現金同等物
の期末残高

(千円)

396,317

368,587

255,529

658,911

499,759

従業員数

(名)

16

17

22

29

38

〔外、平均臨時雇用者数〕

―〕

―〕

―〕

―〕

2

株主総利回り

(%)

58.8

(比較指標:東証グロース指数)

(%)

(―)

(―)

(―)

(―)

(102.9)

最高株価

(円)

18,690

1,128

(2,650)

最低株価

(円)

1,880

667

(2,050)

 

(注) 1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。

 

2.持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社が存在しないため記載しておりません。

3.当社は、2021年8月11日付で株式1株につき100株の割合で株式分割を、2022年12月1日付で株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。第16期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失を算定しております。

4.第16期から第18期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため、また、1株当たり当期純損失であるため、記載しておりません。また、第20期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。

5.第16期から第18期及び第20期の自己資本利益率については、当期純損失であるため記載しておりません。

6.第16期から第18期の当社株式は非上場であるため株価収益率を記載しておりません。また、第20期の株価収益率については、当期純損失であるため記載しておりません。

7.1株当たり配当額及び配当性向については、無配のため、記載しておりません。

8.第16期から第20期の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、有限責任監査法人トーマツにより監査を受けております。

9.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は年間平均人員を括弧内にて外数で記載しております。

10.第16期から第19期の株主総利回り及び比較指標については、2021年11月24日に東京証券取引所マザーズ市場に上場したため、記載しておりません。

11.最高株価、最低株価は2022年4月3日以前は、東京証券取引所マザーズにおける株価を記載し、2022年4月4日以降は東京証券取引所グロースにおける株価を記載しております。ただし、当社株式は2021年11月24日から東京証券取引所マザーズ市場に上場されており、それ以前の株価については該当事項はありません。また、当社は2022年12月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。第20期の株価については、当該株式分割後の最高株価及び最低株価を記載しており、株式分割前の最高株価及び最低株価を括弧内に記載しております。

12.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第19期の期首から適用しており、第19期以降に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっております。

 

 

2 【沿革】

   株式会社サイエンスアーツ設立以後の当社に係る経緯は、次のとおりであります。

年月

概要

2003年9月

東京都港区虎ノ門に当社設立 ITコンサルティング事業を開始

2004年3月

資本金を18,225千円に増資

2005年10月

資本金を79,975千円に増資

2006年1月

資本金を104,975千円に増資

2006年12月

本社を東京都渋谷区初台に移転

2007年9月

データベース管理システム「ALTIBASE」の販売を開始

2007年9月

資本金を117,475千円に増資

2008年12月

「ALTIBASE」が国内最大手医療機器メーカーのデータベースとして採用

2009年11月

本社を東京都中央区日本橋人形町3丁目に移転

2009年12月

資本金を134,475千円に増資

2010年11月

大手システムインテグレーターが金融機関向けに提供するFXシステムに「ALTIBASE」採用

2011年5月

本社を東京都中央区日本橋人形町1丁目に移転

2013年4月

資本金を50,000千円に減資

2013年7月

本社を東京都中央区日本橋堀留町に移転

2015年9月

スマートフォンIP無線サービス Aldio(アルディオ)の開発・販売を開始

2017年10月

本社を東京都中央区東日本橋に移転

2018年4月

1対多のグループ一斉音声通信Aldioの通信技術における国内特許を取得

2018年9月

1対多のグループ一斉データ通信における映像配信技術の国内特許を取得

2018年10月

第三者割当による自己株式の処分により115,050千円調達

2018年12月

第三者割当による自己株式の処分により149,850千円調達

2019年4月

本社を東京都新宿区神楽坂に移転

2019年10月

「株式会社シアンス・アール」から「株式会社サイエンスアーツ」へ社名を変更

2019年10月

「Aldio」から「Buddycom(バディコム)」へサービス名を変更

2020年8月

第三者割当による自己株式の処分により152,150千円調達

2020年10月

1対多のグループ一斉音声通信Buddycomの通信技術における韓国での特許を取得

2020年11月

第三者割当による自己株式の処分により50,150千円調達

2021年1月

1対多のグループ一斉音声通信Buddycomの通信技術におけるシンガポールでの特許を取得

2021年4月

1対多のグループ一斉音声通信Buddycomの通信技術における中国での特許を取得

2021年11月

東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場

2022年4月

東京証券取引所グロース市場に移行

2022年7月

1対多のグループ一斉音声通信Buddycomの通信技術におけるドイツ、イギリス、フランス、イタリアでの特許を取得

2022年11月

1対多のグループ一斉データ通信における映像配信技術における米国での特許を取得

2023年1月

1対多のグループ一斉音声通信Buddycomの通信技術(サーバー側)における米国での特許を取得

2023年8月

本社を東京都渋谷区渋谷に移転

 

 

3 【事業の内容】

(1) ミッション

当社は「世界中の人々を美しくつなげます」というミッションを掲げ、デスクレスワーカー※1をつなげるライブコミュニケーションプラットフォーム「Buddycom」の開発・販売を行っております。

インターネットが普及した現代では、デジタルトランスフォーメーションの進展のもと、情報の媒体は紙からデジタルコンテンツへのシフトがますます進んでおります。

全世界の労働人口のうち、デスクレスワーカーの割合は80%を占め※2、日本国内の就業者に限ってもその割合は46%にのぼりますが※3、一方で世界のデスクレスワーカー向けのサービスを主業とするスタートアップへの投資額は全体の1%に過ぎません※4。従って現場を支えるデスクレスワーカーのためのサービス提供は、まだまだ不十分な状況にあると言えます。

当社は、デジタルコンテンツの作成方法がPCのキーボードやモバイル端末からの手入力が主流であった当時から、デジタルデバイスを使いこなせない高齢者や、業務上デジタル端末への入力に支障がある現場の人々にとって、音声をそのままデジタル化する手段に対するニーズが一層高まっていくものと考えていました。また、アナログ無線の終了(2022年11月30日)や公衆PHSのサービス終了(2021年1月31日)に伴い、従来無線機やPHSなどでコミュニケーションを取っていた現場においても、新たなコミュニケーションの手段が必要とされております。

このような環境のもと、当社のBuddycomは、単なる音声によるコミュニケーションにとどまらず、インターネットを介したクラウドサービスであることを活かし、独自に開発した技術によって、音声の他、画像や動画などのコンテンツのやり取りを可能にしました。インターネットにつながる環境であれば世界中どこにいてもつながり、さらにはやり取りしたデータやコンテンツがデジタル化されて蓄積されるなど、これまでにはない新しいコミュニケーションツールとして成長を遂げてきました。

当社のBuddycomは、鉄道会社、航空会社、GMS(General merchandise store=総合スーパー)、介護施設、工場、商業施設、大規模小売店舗など、あらゆる業種・業態において有効なホリゾンタル※5なサービスとして、すでに758社のお客様にご利用いただいております(2023年8月末実績)。

今後もさらなる機能の拡充にともない、お客様が支えているミッションクリティカル※6な現場に欠かせないコミュニケーションツールとしてご活用いただくことにより、よりよい社会の実現を目指してまいります。

 

※1 デスクレスワーカー:机の前に座らない最前線で活躍する労働者のこと。農業、教育、ヘルスケア、小売、ホスピタリティ、製造、輸送、建設などの産業に従事しております。

※2 出所:2020年12月15日 Emergence Capital 「The State of Technology for the Deskless Workforce」

※3 出所:2023年5月31日 総務省統計局 「令和4年 労働力調査年報」

※4 出所:2018年8月6日 Emergence Capital 「The Rise the Deskless of Workforce」

※5 ホリゾンタル:「水平」を意味する単語。特定の業界・業種に関係なく「業務課題」を解決するサービス。

※6 ミッションクリティカル:常に稼働していなければならない重要な任務や業務のこと


 

(2) 事業の概要

当社は「ライブコミュニケーションプラットフォーム『Buddycom』」の利用ライセンス(ID)を、サブスクリプションにより、セールスパートナー(販売代理店)を通じてエンドユーザーに販売しております。

エンドユーザーは、お手持ちのスマートフォンやタブレットにアプリをインストールし、Buddycomをお申込みいただいた際に付与されるIDと指定のパスワードを入力してログインすれば、すぐに使い始めることができます。

あわせてBuddycomをお客様の現場でより有効に活用いただくために必要な、イヤホンマイクなどのアクセサリーも販売しております。

Buddycomの主な特長は以下のとおりです。

① 開発当初よりBtoB向けの大規模運用を想定した設計思想と自社内製による開発

当社はBuddycomの前身であるAldioの設計段階から、BtoB、とりわけ大企業のミッションクリティカルな現場での運用と、機能の多角化を想定して開発に取り組んでまいりました。

具体的には、以下のような技術的特長があります。

a) 一度に大人数で使っても高品質で低遅延の音声通話を実現するため、音声圧縮コーデックとしてOpus※7を用い、独自の通信プロトコルを開発いたしました。

b) 最適なフレームワークやソフトウェアの組み合わせと独自のサーバー運用により、Buddycomにしかない多彩な機能や、強固なセキュリティ機能などの多角化が容易なシステム構成となっております。

c) Buddycomはこれらの開発を、外注を一切使わず、100%正社員エンジニアによる内製化により実現しております(ただしサービスの提供に際して、音声テキスト化のためのテキスト化エンジン並びにトランシーバー翻訳のための翻訳エンジンにつきましては、外部のクラウドサービスを利用しております)。当社の開発部門に所属する者は全社員の約4割を占め、継続的に開発を行うことによって、引き続き安定的なアプリケーションの稼働と新たな機能の追加をタイムリーに実現できる体制となっております。

 

※7 Opus:IETF(InternetEngineeringTaskForce)によって開発され、主にインターネット上でのインタラクティブな用途に合わせて作られた非可逆音声圧縮フォーマットのこと。

 

② 大規模運用を可能にする機能

Buddycomは①に記載の通り、エンタープライズ向けの大規模運用を想定して設計されており、ひとつのグループに登録できる人数は無制限です。また、グループ数も無制限に登録ができ、初期画面のグループコマンドですぐにグループの変更が可能です。さらに、音声受信については一度に8グループまで指定したグループからの送信を同時に受信することができます(マルチグループ受信)。

これらの特長を生かし、既にイオンリテール株式会社(小売)、東海旅客鉄道株式会社(鉄道)、日本航空株式会社(航空)、株式会社ニチイ学館(介護)など、多くの大企業において、現場を支えるデスクレスワーカーのみなさまにお使いいただいている実績があります。

機能の詳細は(7)Buddycomの機能『大規模運用を可能にする機能』をご参照ください。

③ 誰でも簡単に使えるシンプルなUIと多彩な機能

Buddycomはスマホやタブレットなど、インターネットに接続できる端末があればアプリをダウンロードするだけですぐに利用ができ、免許や届け出などの手続きは不要、かつ専用機器の購入や設備の設置などの初期費用が一切不要です。

操作方法は通話ボタンを押しながら話すだけなので、誰でも簡単に、確実に使うことができます。

音声以外にも、テキスト、画像、映像、位置情報などの情報を用いて、翻訳、履歴の再生、動態管理など、多彩な機能を備えております。

機能の詳細は(7)Buddycomの機能『現場のニーズに応える多彩な機能』をご参照ください。

④ 災害にも強いディザスタリカバリー※8対応と、お客様の情報を守るセキュリティ機能

災害やシステム障害などが発生してもサービスの提供を維持するためのディザスタリカバリー対応として、当社は早くからシステムの二重化とサーバーのマルチリージョン化を実現しております。現在ではサーバーは日本だけでなく、アジア、ヨーロッパ、北米の4リージョンの構成で同時稼働しております。

また、低ビットレートモードでは、音声データを128kbpsまで圧縮することができ、災害時等、インターネットにつながりにくい環境下でも通信を確保することが可能です。

さらに、アプリ設定の一括管理や機能制限機能、エンドツーエンド暗号化※9など、お客様の通信履歴を守るためのさまざまなセキュリティ機能を備えております。

機能の詳細は(7)Buddycomの機能『お客様の情報を守るセキュリティ機能』をご参照ください。

 

※8 ディザスタリカバリー:地震や津波などの災害によってシステムの継続利用が不可能になった際の復旧及び修復、あるいはそのためのシステムなどのこと。日本語では災害復旧と訳される。

※9 エンドツーエンド暗号化:送信者と受信者のみが通信の暗号化と復号を行い、途中の経路上の第三者が介入できないようにする暗号化方式。メッセージなどの通信データがすべて暗号化された状態で扱われるため、通信の秘匿性が高い。

 

(3) ビジネスモデルの特徴について

① サブスクリプション型課金モデル

当社のBuddycomは、利用者(ID)数に応じた定額の利用料(所謂サブスクリプション型の課金)をいただいており、安定的な収益獲得が可能なビジネスモデルとなっております。利用契約は1月ごとの契約と、1年ごとの契約があります。

SaaS(Software As A Service)※10形式

Buddycomは、お客様が通信した会話、画像・動画などのデータは、すべてクラウドを通して配信され、同時にクラウドに保存されるSaaS形式で提供しております。セキュリティ上の対策としては、TLS/SSL※11で通信を暗号化しております。

③ ホリゾンタル(ありとあらゆる業種・業界に水平展開可能なサービス)

Buddycomは、特定の業種・業界に限定されることなく、既に多様な業種・業界における現場において幅広く利用されており、今後もありとあらゆる現場における新しいコミュニケーションプラットフォームとしての普及を目指しております。また、インターネットに接続できる環境なら誰でも、どこでも使うことができるため、日本国内にとどまらず、世界中で販売することが可能です。

④ 安定的な顧客基盤と拡張性

Buddycomは一旦現場に導入されると、現場を支えるインフラとして継続的にご利用いただけるサービスとなっております。実際に獲得ID数ベースでみた1ヶ月ごとの月次解約率(ID Monthly Churn Rate)※12は、2022年9月から2023年8月までの12ヶ月間の平均で0.33%となっております。

また、NRR※13は同期間において110.3%の伸びとなっており、受注後にも徐々に導入される店舗や現場、拠点が拡大していく傾向があります。

⑤ キャッシュインが先行するビジネスモデル

Buddycomを1年ごとに契約いただいた場合、利用料は原則として利用開始時に一括で受領しております。

一方売上高は利用月にあわせて月ごとに分割して計上するため、売上高の増加よりも、キャッシュ・フローの増加の方が先行し、健全な財務状況を維持しやすいビジネスモデルとなっております。

 

 

 

 

当社事業の各指標は上記のようなBuddycomの特徴を生かしながら営業力及び開発力の強化を行った結果、以下のように順調に推移しております。

項目

2021年8月

2022年8月

2023年8月

売上高(千円)

365,992

659,988

771,862

うちサブスクリプション

(Buddycom利用料売上)

売上高(千円)

224,675

346,759

498,777

サブスクリプション

(Buddycom利用料売上)

売上高比率

61.4%

52.5%

64.6%

ARR(千円)※14

295,703

440,472

557,602

 

※10 SaaS:Software as a Serviceの略称。ユーザー側のコンピュータにソフトウェアをインストールするのではなく、ネットワーク経由でソフトウェアを利用する形態のサービス。

※11 TLS/SSL:SSL(Secure Sockets Layer)は、インターネット上で安全に通信をするための暗号化技術のこと。SSLが3.0までバージョンアップを重ねたのち、TLS1.0という名称に変更されたため、TLS/SSLと併記される。

※12 ID Monthly Churn Rate:ID数の月次解約率。「当月の解約ID数÷前月の契約IDの総数」。年度では毎月の値の平均値を算出。

※13 NRR:Net Revenue Retentionの略称。既存顧客の売上継続率。年度のNRRは「前年度の顧客の期末月のMRR÷前年度の顧客の同月のMRR」で算出されるが、ここでは「2022年8月の顧客の2023年8月のMRR÷2022年8月のMRR」で算出した12ヶ月間の値を記載。

※14 ARR:Annual Recurring Revenueの略称。各期末月のMRR※15を12倍して算出。

※15 MRR:Monthly Recurring Revenueの略称。対象月の月末時点における顧客との契約において定められたID単位で毎月課金される月額利用料の合計額。

 

(4) 顧客への販売手法

① セールスパートナー(販売代理店)による販売

当社はBuddycomの前身であるAldioの販売開始当初、自社営業による直接販売を中心としていましたが、現在ではセールスパートナー(販売代理店)による営業展開にシフトしております(当社ホームページからのインターネットによる直接販売を除く)。セールスパートナーの一部はBuddycomを二次販売店に卸しており、全国各地のお客様への対応が可能な体制を確立しております。

セールスパートナーの主な業種は、携帯電話を始めとした情報通信業、オフィス用品を扱う製造業、卸売・小売業となっております。

② アクセサリー連携

当社のBuddycomは、スマホやタブレットなどの端末にアプリをインストールするだけで利用可能ですが、実際には多くのお客様は、イヤホンマイクやヘッドセットなどのアクセサリー(周辺機器)を用いて利用されております。

当社が推奨し、当社並びに当社のセールスパートナーが販売するイヤホンマイクは、屋内向け(比較的騒音レベルが低く、防水・防塵・耐久性に対する要求が低く、小型かつ軽量であるもの)と屋外向け(比較的騒音レベルが高く、防水・防塵・耐久性を必要とするもの。あるいはグローブの上から等でもボタンが押しやすいもの)に大別され、それぞれに有線タイプと、Bluetoothで接続する無線タイプのものがあります。その他に、PTT専用ボタン(Bluetoothで接続してイヤホンマイクなどと組み合わせて使うスマートボタン)や、ライブキャスト(映像配信機能。(7) Buddycomの機能ご参照)を利用する際のウェアラブルカメラなどがあります。

当社はBuddycomの機能を最大限にご活用いただくために、お客様の現場ごとのニーズに、より即したアクセサリーを提供できるよう、アクセサリー連携を継続的に進めております。

 

(5)パートナーエコシステム

当社はBuddycomをお客様へ提供するに当たり、センサー、カメラ、ロボット、業務システムなど様々なソフトウェア又はハードウェアなどのソリューションを持つ他社サービスとのAPI連携による「Buddycom with Things」を推進しております。他社サービスの相手先をエコパートナーと呼び、このエコパートナーと連携して商品開発や事業活動に取り組み、相互作用しながら共存共栄する仕組みをパートナーエコシステムと呼んでおります。

公表済のパートナーエコシステムの事例としては、シスコシステムズ合同会社のMeraki及びWebex Teamsとの連携や、外部ストレージサービスのBoxやDropboxとの連携、ビジネスチャットのLINE WORKSとの連携、富士通株式会社のAI映像解析ソリューションとの連携、株式会社デンソーテンのタクシー配車システムとの連携、ならびにマクニカネットワークス株式会社の介護用見守りシステム「Attentive Connect」や、扶桑電通株式会社の地域防災共有化システム「BO-SAI navi Difesa」との連携などがあります。

また、2023年8月期には新たに新東工業株式会社の設備や人の動作をモニタで可視化するシステム「C-BOX」や、リアルネットワーク株式会社のAI顔認証「SAFR®」、グローリー株式会社の顔認証システム「来訪者検知システム」、OpenAI社の「ChatGPT」等と連携いたしました。

WEB会議システムやビジネスチャットとの連携では、相互に発話あるいは入力した内容がやりとりできます。また、AI映像解析や見守りシステムとの連携では、AIや見守りシステムが解析又は検知した内容をBuddycomで必要なメンバーに一斉に通知することができます。外部ストレージサービスとの連携では、Buddycomで交わした音声、画像、映像などのデータをお客様がご利用中のストレージサービスに保存することができ、お客様自身で通信履歴の活用や分析に使っていただくことができます。AI映像解析ソリューションとの連携では、AIが接客を必要とするお客様を検知し、スタッフへBuddycomが音声で通知することで、スムーズな接客対応を実現します。

このように、エコパートナーが提供するソリューションやアプリケーションとBuddycomを組み合わせてご利用いただくことにより、Buddycomがお客様に提供できる付加価値が増し、Buddycomの導入が進むことが期待できます。

 

[事業系統図]

 以上の内容を事業系統図に示すと、次のとおりであります。

 


 

 

(6) サービスプラン

Buddycomのサービスプランは、音声によるコミュニケーションに利用したいお客様向けのTalkプランと、音声に加えて映像配信も利用したいお客様向けのLivecastプランがあります。

2つのプランとも、基本機能のみのLiteプランと、音声テキスト化などの付加価値機能やセキュリティ強化のための機能(これらをあわせてエンタープライズ機能と呼んでおります)が付与されたEnterpriseプランを選んでいただくことができます。

これにより、①Talk Liteプラン②Talk Enterpriseプラン③Livecast Liteプラン④Livecast Enterpriseプランの4つのプランを提供しております。

本書提出日現在におけるBuddycomの各サービスプランと標準価格は以下のとおりです。

 

                  Buddycom価格表                (税込価格)

プラン名

Talk

Livecast

Talk Lite

Talk Enterprise

Livecast Lite

Livecast Enterprise

年契約

(一括払い)

 660円
 ユーザー/月相当

(7,920円ユーザー/年)

1,100円

ユーザー/月相当

(13,200円ユーザー/年)

1,650円

ユーザー/月相当

(19,800円/ユーザー・年)

 2,200円
 ユーザー/月相当
 (26,400円/ユーザー・年)

月契約

(月々払い)

1,100円

ユーザー/月

1,650円

ユーザー/月

2,750円

ユーザー/月

3,300円

ユーザー/月

音声通話機能

映像配信機能

 

 

エンタープライズ機能

 

 

 

 

(7) Buddycomの機能

Buddycomは単なる音声によるグループコミュニケーションにとどまらず、ありとあらゆる業種・業界のミッションクリティカルな現場を支えるための多彩な機能を備えております。

主な機能は以下のとおりです。

 

『大規模運用を可能にする機能』
(すべてのプランで利用可能な機能)
① グループ分け

一斉通話ができるグループをあらかじめ設定しておくことができます。設定可能なグループ数は無制限です。

② マルチグループ受信

他のグループの会話を一度に8グループまで、複数同時に聞くことができます。

③ 企業間通信

契約が異なるテナント間であっても、連携することで、他の企業のテナントのユーザーと通話ができます。

 

『現場のニーズに応える多彩な機能』
(Livecastプラン(Livecast Lite、Livecast Enterprise)で利用可能な機能)
① ライブキャスト(動画送信)

現場の状況をLIVE動画で共有しながら、グループ通話ができます。

(Enterpriseプラン(Talk Enterprise、Livecast Enterprise)で利用可能な機能)

② 音声テキスト化

通話した音声がテキスト化されます。頻繁に使用する専門用語を辞書登録することもできます。

③ トランシーバー翻訳

通話した音声が、設定した言語に翻訳されます(グループメンバーが各々言語設定可能)。また、翻訳したテキストの読み上げができます。翻訳に対応している言語は以下のとおりです。

〈Microsoft Translate, Google Translate〉

日本語・英語・中国語(簡体字)・中国語(繁体字)・ベトナム語・タイ語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・イタリア語・ポルトガル語・ロシア語・韓国語・インドネシア語・フィンランド語・オランダ語・ポーランド語・ウクライナ語(18言語)

〈DeepL〉

日本語・英語・中国語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・イタリア語・ポルトガル語・ロシア語・オランダ語・ポーランド語(11言語)

④ 動態管理

管理コンソール上でグループ内のユーザーの位置情報や行動履歴を確認することができます。

⑤ 外部ストレージ連携

データの保存場所をお客様が契約するBoxやDropbox Business等の外部ストレージに変更することができます。

(すべてのプランで利用可能な機能)
⑥ 個別通話

グループ内の指定したユーザーだけに限定して発信ができます。

⑦ 双方向通話

複数人が同時に通話ボタンを押して発信することができます(電話のように音声が重なって話せます)。

⑧ 電話発信

ユーザーの電話番号が登録されている場合、Buddycomアプリから、電話アプリを起動します。端末のアドレス帳に電話番号を登録する必要がなくなります。

⑨ 位置情報の確認

GPS機能を利用してユーザーの位置情報を確認することができます。

⑩ Map通話

Map上の範囲内にいるメンバーに一斉発信ができます。

⑪ 通話履歴の再生

サーバーに保存された通話データを、後で再生することができます。

⑫ チャット機能

チャット欄に入力したテキストや画像の送受信ができます。入力したテキストは自動的に音声化されて読み上げられます。

⑬ 履歴保存

音声・画像・チャットデータは送受信後24時間保存され、保存期間中は何度でも再生することができます。

(Enterpriseプランでは動画も含めて保存期間1ヶ月に延長)

⑭ 強制起動

対象のグループに所属するユーザーのBuddycomアプリが立ち上がっていない場合でも、アプリを強制的に起動することができます。

⑮ CSV出力

クラウドに保存されているテキストデータは、履歴保存期間中であれば、テナントの管理コンソールから、何度でもCSVでダウンロードすることができます。

⑯ かんたんログイン

ID・パスワードを使用せずに、管理者から発行されたURLを読み取るだけでログインができます。

(無償で制限付き、またはオプションプランで利用可能な機能)
⑰ Buddycom AI

BuddycomからAIと会話できます。

 

『お客様の情報を守るセキュリティ機能』
(Enterpriseプラン(Talk Enterprise、Livecast Enterprise)で利用可能な機能)
①アプリ設定の一括管理

管理コンソール上で、スマホアプリの設定を管理者が一括管理できます。

② SAML認証※16

IDとパスワードを企業内システムで使用しているものと統一し、認証手段を統一することで情報の流出を防ぎます。

③ 監査ログ

通話履歴の再生・ダウンロード、管理コンソールのログインを記録し、記録されたデータをダウンロードすることができます。

④ IPアドレス制限

管理コンソールへのログインをIPアドレスで制限し、第三者からの不正なアクセスを防止します。

⑤ エンドツーエンド暗号化

通信データをエンドツーエンドで暗号化します。

(すべてのプランで利用可能な機能)

⑥ 2段階認証

ID・パスワードとは異なる数字6桁の認証コードを発行します。

 

※16 SAML認証:Securitey Assertion Markup Languageの略称で、OASISによって策定された異なるインターネットドメイン間でユーザー認証を行うためのXMLをベースにした標準規格のこと。SAMLを利用することで、ユーザーは認証サーバーに1回ログインするだけで、複数のクラウドサービスへのシングルサインオンが可能になる。

 

(8)その他の事業

当社はBuddycomライセンスの販売の他に、大容量データに対応したディスク型のデータベースと、高速アクセスに対応したメモリ型データベースを併せ持つ『ALTIBASE』というハイブリッド型データベースのライセンスの販売、及びサポートを提供しております。

新規顧客へのライセンスの販売は終了しており、引き続き利用中の顧客に対してのサポートを継続中です。

 

 

4 【関係会社の状況】

 該当事項はありません。

 

5 【従業員の状況】

(1) 提出会社の状況

 

 

 

2023年8月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

38(2)

31.5

2.9

5,312

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

Buddycom事業

32(2)

その他

全社(共通)

6(0)

合計

38(2)

 

(注)  1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は年間平均人員を括弧内にて外数で記載しております。

      2.当社では、セグメントごとの経営組織体系を有しておらず、同一の従業員が複数の事業に従事しております。

   3.平均年間給与は、基準外賃金を含んでおります。

    4.全社(共通)として、記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない提出会社の本社管理部門に所属しているものであります。

 

(2) 労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。