第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社グループは「アイディアとテクノロジーで世界をもっとハッピーに」というミッションを掲げております。当社グループは全ての人々の幸せな未来の生活を想像し、アイディアとテクノロジーでサービスを創造し、提供することで社会的課題を解決し、みんながハッピーでいられる社会を実現してまいります。当社グループは、このミッションに基づく事業活動が社会に貢献し、ひいては企業価値の最大化につながると考えております。

 

(2) 経営戦略等

当社グループは、「ソリューション事業」を安定成長事業として収益の基盤をつくり、「キャッシュレスサービス事業」を高成長事業として中長期的な収益拡大を目指す方針であります。

各事業におきまして、顧客との年間契約に基づきサービスを提供しており、月額利用料、決済取扱高に応じた手数料、その両方もしくは年間ライセンス料というリカーリングビジネスによる継続的な売上を得ることを最重要の戦略と位置付けております。これらのリカーリングビジネスが占める売上の割合は、2023年8月期で売上高の66.0%、初期費用、物品販売、受託開発等のスポット売上が23.8%、その他の売上10.2%で構成されております。

当社グループのリカーリングビジネスの拡大のために、以下の開発を計画しております。

① より大規模かつ、顧客の要望に対応できるよう、パブリッククラウドサーバ(注)を活用したデータ処理能力の向上及び多種多様な機能を搭載した独自Payプラットフォームの開発

② サービス連携パートナー等の他社システムとの連携を容易にし、長期的に顧客がサービスを利用できるような多種多様なAPIの開発

③ 効率的な市場シェア拡大を目指したウェブ等による受発注システムの開発

④ デジタルマーケティングサービス領域では、チャージバック等のサービスラインナップ拡充のための開発、銀行口座からの支払いが可能なコード決済サービス「Bank Pay」との接続に関する開発、従来は応募にハガキを利用していたレシート販促キャンペーンをデジタル化したインスタントウィンサービスなど、独自Pay利用促進・付加価値向上のための新サービスの開発

 

2022年3月に発表した当社グループの中期経営計画の長期事業Value「独自Payを第4のキャッシュレス決済手段にする」を当社グループ全従業員で共有し、リカーリングビジネスの中でも、特に「キャッシュレスサービス事業」に経営資源を集中し拡大を図っております。上記の開発計画を推進することにより、小規模な個店向けに即日サービス提供が可能となり、また月間数千億円規模の決済を伴う大規模顧客にも対応できるようにすることで、業績の拡大を図ってまいります。

(注) パブリッククラウドサーバとは、広く一般のユーザーや企業向けにクラウドコンピューティング環境をインターネット経由で提供するサービスのことを指します。サーバや通信回線等を調達・所有する必要がなくなり、クラウド事業者が提供する仮想化されたサーバやネットワーク等のクラウドリソースを必要なときに、必要な分だけ利用することができます。スケールアウトやスケールインを自由自在にリアルタイムで変更できる利点があり、急なアクセス数の増加や会員数の増減にあわせて最適なITリソースを確保することが可能であります。

 

 

(3) 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等

各事業の目標達成状況を判断するための客観的な指標は下記のとおりであります。

事業

客観的な指標

キャッシュレスサービス事業

・独自Pay決済取扱高:店舗等でエンドユーザーが支払った金額

・顧客数:当社グループのサービスを利用する顧客社数

・エンドユーザー数:当社グループがデータベースとして管理する、エンドユーザーが保有する店舗の会員カード等に付されたIDの累計数

ソリューション事業

(メッセージングサービス)

・解約率:当月に解約となったリカーリング売上÷月初のリカーリング売上×100

・取引社数:当社グループのサービスを利用する顧客社数

 

 

(4) 経営環境

高成長事業として位置付けております「キャッシュレスサービス事業」に関連する国内のプリペイド決済市場(注1)は、2025年には28兆5,868億円市場に成長すると予測されております。当社グループの「アララキャッシュレス」及び「バリューカードサービス」が属するサーバ型前払式支払手段は、「Felica」(注2)等に代表される非接触IC電子マネーを超えて、2023年3月末に約13兆7千億円(注3)となっております。

また、経済産業省は、2025年までにキャッシュレス決済比率を40%程度とし、将来的には世界最高水準の80%を目指す(注4)としております。

安定成長事業として位置付けております「ソリューション事業」の主なサービスである「メッセージングサービス」に関連する国内メール送信市場は、2022年度、2023年度予想はともに約8%増と安定した成長が見込まれております(注5)。

(注) 1.出典:2022年1月株式会社矢野経済研究所「2022年版 国内キャッシュレス決済市場の実態と将来予測」

2.「Felica」とは、ソニー株式会社が開発した非接触型ICカードの技術方式、及び同社の登録商標であります。交通系電子マネーやコンビニエンスストア等が発行する電子マネー等で利用されております。

3.出典:一般社団法人日本資金決済業協会2023年11月掲載「第25回発行事業実態調査統計」

4.出典:2018年経済産業省「キャッシュレス・ビジョン」

5.出典:2023年1月株式会社アイ・ティ・アール発行「メール/Web マーケティング市場2023」

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループが対処すべき主要な課題は、以下の項目と認識しております。

① 成長サービスにおける新たなビジネスモデルによる業績拡大

「キャッシュレスサービス事業」は、今後も市場規模が拡大すると予測されており、大手企業の参入等による競争激化が見込まれます。そのような環境においても当社グループが継続的に業績を拡大するために、独自Payの強みを活かしたビジネスの多様化を検討しております。例えば、電子ギフト対応により、発行額に応じた手数料を得たり、消費者の利便性を高めるために汎用の電子マネーとのシステム連携を計画したり、デジタルマーケティングサービス領域では、メーカーの販売促進支援として、エンドユーザーが特定商品を独自Payで購入すると、購入者に相応の電子マネーが付与され、当社グループは当該取扱手数料を得ることができるチャージバックシステムの開発の推進、銀行口座からの支払いが可能なコード決済サービス「Bank Pay」との接続に関する開発、従来は応募にハガキを利用していたレシート販促キャンペーンをデジタル化したインスタントウィンサービスなど、独自Pay利用促進・付加価値向上のための新しいビジネスモデルの展開も積極的に検討し、業績の拡大を図ってまいります。

 

② 優秀な人材の確保

当社グループの収益の源泉は、サービスの企画力であり、その企画を最新のテクノロジーで具現化する開発力及び保守運用力であります。これを維持・発展させるためには、当社グループのミッションに共感し、高い意欲を持った優秀な人材を数多く確保することが不可欠であります。高度な企画力、開発力及び運用力を持つ優秀な人材を積極的に採用し、人材の定着率を高めるために、従業員にとって働きやすい環境づくりに取り組んでおります。具体的には、自席だけでなく、オープンスペースでの執務環境の提供や裁量労働制を採用することで、柔軟な働き方を支援しております。

 

③ 営業力の強化による収益向上

全国に店舗展開を行う多業態飲食チェーンや、大手スーパーマーケット・ドラッグストア等の受注が進んでおり、受注先企業規模の大型化によってサービス導入までの準備に期間を要し、人的リソース不足が発生することでの、販売費及び一般管理費の増大傾向は継続しております。自社の営業力だけではなく、代理店やサービス連携パートナー企業等を活用した営業力の更なる強化が必要と考えております。決済手数料率についても、当社及び株式会社バリューデザインの経営統合前の価格競争によって提供価格が低下し、収益性に課題が生じております。当経営統合により徐々に当該課題については解消し、手数料率の値上げ等により収益改善に取り組んでまいります。デジタルマーケティングサービス提供による売上拡大、独自Pay利用促進によるリカーリング売上増など、収益性の向上を推進してまいります。

 

④ システムの安定性の確保

当社グループは、インターネットを利用して顧客にサービスを提供しているため、システムの安定稼働が必要不可欠であります。このため、顧客の増加に合わせサーバの処理能力を増強する施策を継続的に実施し、システムの安定性の確保に努めてまいります。また、パブリッククラウドサーバの利用を積極的に推進することで、データ量の増加にもフレキシブルな対応が可能となり、ディザスタリカバリー(注)による安全性も担保しやすくなります。

(注) ディザスタリカバリーとは、地震や津波等の天災や、テロ、不正侵入等によりシステムが壊滅的な状況になった際に効率的、かつダウンタイムを最小限にして復旧・修復すること、また、その災害に備えたシステムや体制を指します。

 

⑤ 個人情報管理体制の強化

GDPR(General Data Protection Regulation:EU一般データ保護規則)等による世界的な個人情報管理の規制強化を背景に、個人情報を保有する法人の情報管理の実効性強化が求められております。当社グループでは、2008年8月に一般財団法人日本情報経済社会推進協会のプライバシーマークを取得する等、個人情報保護に努めておりますが、更に今後は、「キャッシュレスサービス事業」の拡大に合わせて、PCI DSSに準拠したシステム開発を行い、セキュリティ基準の認定取得を計画しております。

(注) PCIDSSとは、Payment Card Industry Data Security Standardの略で、世界的に統一されたクレジットカード情報保護のためのセキュリティ対策フレームワークを指します。

 

⑥ アジアへの事業展開の体制構築

当社グループは、アジアにおいて、シンガポール、タイ、マレーシア、インドにおいて、現地法人を設置しております。各国とも代理店等と共に新規顧客の開拓を続けておりますが、案件は徐々に規模を拡大し、案件数の増加が進んでおり、新規営業やサービス運営、及び現地法人の運営体制の強化が課題となっております。また、会員管理やモバイル決済など、各国の事情に合わせたサービスニーズの提供に向けた現地企業との提携や、M&Aなども視野に入れた各国の同業企業との連携などを行い、アジア主要国での実績の早期確立・拡大に努めてまいります。

 

⑦ 内部管理体制の強化

当社グループは、今後も更なる業容拡大を図るため、成長段階に沿った業務運営の効率化やリスクマネジメントのための内部管理体制の強化が必要と認識しております。内部統制に基づき業務プロセスの整備を行い、業務を有効的かつ効率的に行ってまいります。また、内部管理体制を充実させるために、研修や社内勉強会等を開催し、内部統制及びコンプライアンスの強化に努めております。

 

⑧ 従業員教育等の支援強化

個々の従業員がミッションやビジョンを理解し、委譲された権限を適切に執行し、あらゆる製造原価、販売管理費の投資対効果を最大化させることができるよう、継続した従業員教育を行っております。一人ひとりが、新しい事業を生み出し、更には起業できるような人材を育成することが、当社グループの収益拡大につながると考えております。その他にも、外部の優秀な人材及び企業との交流を促進するために、従業員による自主的なイベントの開催等を支援しております。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方および取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) ガバナンス

当社グループは、「アイディアとテクノロジーで、世界をもっとハッピーに。」というミッションを掲げ、全ての人々の幸せな未来の生活を想像し、アイディアとテクノロジーでサービスを創造し、提供することで社会的課題を解決し、みんながハッピーでいられる社会を実現することを目指しております。

当社グループは、中長期的な企業価値の向上の観点から、サステナビリティをめぐる課題および人的資本に関連する課題を経営上の重要課題と認識しており、サステナビリティに関する取組や人的資本への経営資源の配分を進めることで企業価値の向上を図ってまいります。

また、当社グループにおいては、取締役会がサステナビリティ全般に関するリスクおよび機会の監督に対する責任と権限を有しており、グループ経営会議、リスク管理委員会等で協議・決定された内容の報告を受け、その対応方針および実行計画等に関する経営上の重要事項を審議・決定しております。

 

(2) 戦略

当社グループは、人材が最も重要な経営資源のひとつとして捉えております。従業員の成長なくして企業価値を向上させることは困難であり、多様性の確保がイノベーションと新しい価値観の創出に繋がるなど当社グループの競争力の源泉になるものと考えております。また、外部環境の変化が激しい状況下においても、持続的に成長しステークホルダーに信頼される企業であるために、より一層の人的資本への投資を多面的かつ積極的におこない、グループミッション・グループヴィジョンの浸透と多様な価値観を持つ従業員一人ひとりの適性とステージに合わせた様々な成長機会の提供など、人材の積極的な採用と育成の促進による組織力強化を推進してまいります。

人材育成方針とその方針に沿った社内環境の整備状況としましては、当社グループの中長期展望に基づく重点項目として①経営人材の育成強化による組織力向上②海外で活躍できる人材の育成を重要な目標として掲げております。具体的には①経営人材の育成強化による組織力向上策として、従来からの外部研修に加えて次世代幹部育成を目的に外部からプロ経営者を招聘して企業経営に関する多角的な視点を育む機会を創出することで経営関与への高い動機を醸成し、経営への高い関与度合いを高める土壌づくりのために、経営課題に対する取り組みや新規事業プロジェクトのバックアップ体制の整備とチャレンジする姿勢を評価する組織風土の醸成など、様々な施策に取り組んでおります。②海外で活躍できる人材の育成に対しては、国内拠点・海外拠点間の人材交流・人材登用のほか海外法人の営業同行などに取り組んでおります。また、中途採用においても国籍等を限定することなく海外における事業展開や必要な職務に応じて積極的におこなっていく予定です。

 

(3) リスク管理

当社グループでは、「リスク管理規程」を定め、リスク管理を推進する組織として、管理(コーポレート)管掌取締役を委員長とするリスク管理委員会を開催しております。同委員会ではサステナビリティや人的資本に関するリスクを含む経営リスク全般の洗い出しと重要な課題への対応を優先して行っており、定期的に管理(コーポレート)管掌取締役を通じて取締役会に報告しております。

 

 

(4) 指標及び目標

当社グループでは、上記「(2) 戦略」において記載した、人材の育成及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は次の通りであります。

指標

目標

実績

経営幹部(執行役員以上)として当社グループにおける企業経営への関与を希望する従業員割合

2025年8月期末における
国内グループ全従業員の45%

2023年8月期末

グループ全体41.0%

(全男性従業員に占める比率40%)

(全女性従業員に占める比率42%)

当社グループが掲げるグループミッション・グループヴィジョンに共感し、当社グループの一員であることを誇りに感じている従業員割合

2025年8月期末における
国内グループ全従業員の60%

2023年8月期末

グループ全体55.3%

当社グループが展開する海外事業への関与を希望する

従業員割合

2025年8月期末における
国内グループ全従業員の40%

2023年8月期末

グループ全体36.0%

(全男性従業員に占める比率40%)

(全女性従業員に占める比率30%)

 

 

 

3 【事業等のリスク】

本報告書に記載した事業及び財務、経理の状況等に影響を及ぼす事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を記載しております。当社グループは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社グループ株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討していただく必要があります。

なお、記載のうち将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内包しており、実際の結果と異なる可能性があります。

 

(1) 事業環境に関するリスクについて

① インターネットの利用環境について

当社グループの事業の多くは、インターネット関連事業であり、インターネットの利用環境の安定性・継続性は当社グループの事業の基本的な条件であります。今後、インターネットの利用に関する新たな規制の導入や技術的障害の発生、その他予期せぬ要因により、インターネットの利用環境が変化した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② SaaS型サービスへの依存について

当社グループでは「キャッシュレスサービス事業」及び「ソリューション事業」の主なサービスである「メッセージングサービス」において、ソフトウエアやアプリケーションをインターネット経由で提供する、SaaS型サービスを提供しております。

当社グループでは顧客のニーズに合ったSaaS型サービスを継続的に開発することで優位性を高めております。しかしながら、SaaS型サービスの新規参入の技術的な障壁は必ずしも高いとは言えず、資金力、ブランド力を有する大手企業をはじめとする競合他社により類似したサービスが開発され、価格競争が激化した場合や、より画期的なコンセプトをもった商品及びサービスが市場に出現した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 技術革新への対応について

当社グループが属するインターネット業界においては、新技術の開発及びそれに基づく新サービスの導入が頻繁に行われており、変化の激しい業界となっております。そのため、常に新しい技術要素をITエンジニアに習得させておりますが、何らかの理由で技術革新への対応が遅れた場合、当社グループが提供するサービスの競争力が低下する可能性があります。

また、新技術への対応のため、予定していないシステムへの投資が必要となった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを回避するためにITエンジニアの通年採用や資格取得補助等を実施しております。

 

④ システムトラブルについて

当社グループの「キャッシュレスサービス事業」及びソリューション事業の主なサービスである「メッセージングサービス」では、データセンター内のクラウド環境及び通信ネットワークの保守・運用・管理を外部に依存しております。安定的なサービス提供のため、複数のサーバによる負荷分散、設備の増強や定期的なバックアップの実施等を図り、システム障害を未然に防ぐべく取り組んでおります。加えて、障害が発生した場合を想定した定期的な防災訓練の実施、アクセスログチェック機能やソフトウエア障害を即時にスタッフに通知する仕組み、顧客が閲覧できる障害掲示板の提供を行っております。また、外部からの不正アクセスの回避対策等を行っておりますが、以下のようなシステム障害が発生した場合には、信用失墜や損害賠償による損失が生じる等、当社グループの事業及び業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

a) サービス提供を行っているコンピュータシステムへの急激なアクセスの増加や、電力供給停止等の予測不可能な要因によって当該コンピュータシステム及び周辺システムがダウンした場合。

b) コンピュータウイルスやハッカーの侵入等によりシステム障害が生じた場合。

c) 従業員の過誤等によって、当社グループの提供サービスのプログラムが書き換えられたり、重要なデータが削除されたり等した場合。

このようなリスクをできる限り回避するため、パブリッククラウドへの完全移行のための開発、セキュリティ対策を推進しております。

 

⑤ キャッシュレスの市場拡大について

2018年経済産業省「キャッシュレス・ビジョン」のとおり、政府としてキャッシュレス市場拡大を推進しておりますが、景気悪化のほか、紛争、事件、事故、災害、異常気象、感染症の蔓延、法規制の変更等により、キャッシュレス市場の低迷やキャッシュレスサービス事業者又はその顧客の事業の見直しの必要が生じた場合には、高成長事業と位置付けております「キャッシュレスサービス事業」の業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、「キャッシュレスサービス事業」は、経済環境の変化及び雇用情勢の悪化に起因する個人消費低迷の影響を受けるほか、消費税率の引上げ、所得税率の引上げ及び社会保険料の負担増加等により、個人の消費に対する心理的抑制が働いた場合、独自Pay決済取扱高が減少する恐れがあり、「キャッシュレスサービス事業」の業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 他社との競合について

当社グループは、主たる事業領域において他企業も同様の事業を展開しております。特に「キャッシュレスサービス事業」については、参入障壁が比較的高いと当社グループは認識しているものの、市場の拡大により競合が激しい状況にあります。当社グループは、最適なユーザビリティを追求したシステムの構築、コンテンツの提供、システム利用時の安全性の確保及びカスタマーサポートの充実等に取り組み、差別化をして競争力の向上を図っております。しかしながら、当社グループと同様のサービスを展開する企業等との更なる競合激化や、価格競争等が発生し、十分な差別化が図られなかった場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 主要な事業活動の前提となる事項について

当社グループは、ソリューション事業の主なサービスである「メッセージングサービス」において、総務省に対し電気通信事業法に基づく届出電気通信事業者(旧一般第二種電気通信事業者)の届出(届出番号 A-30-16777)を行い、他人の通信の媒介を行っております。これにより当社グループには、通信の秘密の確保等の義務が課せられております。当該届出には有効期間の定めはなく、取消の事由もありませんが、通信の秘密の確保に支障があると認められ、総務省より業務改善命令を受けた場合、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、現時点において、電気通信事業に係る規制の強化等が行われるという情報はなく、顧問弁護士等を通じて新たな規制の情報を直ちに入手し対応するための体制を整えておりますが、社会情勢の変化等により規制の強化等が行われた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 法的規制について

当社グループの「キャッシュレスサービス事業」を利用する顧客は、資金決済に関する法律に準拠し、独自Payやポイントをエンドユーザーへ提供しております。現時点において、同法による規制の強化等が行われるという情報はなく、顧問弁護士等を通じて新たな規制の情報を直ちに入手し、対応するための体制を整えておりますが、社会情勢の変化等により、規制の強化等が行われ、顧客が同法に対応するための負担が増加した場合、顧客が引き続き独自Payを提供することへの萎縮効果を招き、結果として当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループのソリューション事業における主なサービスである「メッセージングサービス」においては、現時点において、事業への大きな阻害要因となる法的規制はありませんが、電気通信事業法、特定電子メールの送信の適正化等に関する法律及び特定商取引に関する法律が施行される等、インターネットに関する法整備が進んでおり、今後新たに関連業者を対象とした法的規制等が行われた場合、当社グループの業務が一部制約を受け、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの顧客の電子メール配信行為は、特定商取引に関する法律、特定電子メールの送信の適正化等に関する法律、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)等、様々な法的規制等の影響を受けます。これらの法規制等の導入・強化・改正等に対して当社グループの顧客が適切な対応を行わなかった場合及び当社グループが顧客に対し適切な対応を怠った場合は、顧客の業績が悪化する可能性があり、このような事態となった場合には、間接的に当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ 自然災害等について

当社グループでは、自然災害に備え、各事業において顧客の情報資産が格納されるデータセンターを分けて管理することでリスクを分散させております。ただし、データセンターやその周辺ネットワーク設備等に被害を及ぼす災害、事故等が発生し、情報資産の消失又はサービスの提供が維持できない状態に至った場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 事業の運営に関するリスクについて

① サービス等の不具合によるリスクについて

高度化したソフトウエアの瑕疵を完全に解消することは一般的に不可能と言われております。当社グループが開発し、提供するアプリケーション、ソフトウエアやシステムにも、瑕疵がある可能性があります。今後も信頼度の高い開発体制を維持・構築してまいりますが、事業運営に支障をきたす致命的な瑕疵が発見され、適切に解決できない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 知的財産権の管理について

当社グループは、事業活動を行うに当たり、第三者の特許権、商標権、著作権等の知的財産権を侵害しないよう細心の注意を払っておりますが、万が一、当社グループが第三者の知的財産権を侵害した場合、損害賠償請求やロイヤリティの支払要求、使用差止請求等が発生し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの権利保護のため、事業に関連する特許、商標に関して適宜出願申請しておりますが、権利の取得ができない可能性があるほか、第三者によって当社グループの保有する特許や商標を侵害される可能性もあります。こうした場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 情報管理体制について

当社グループは、提供するサービスに関連して、多数の顧客企業の機密情報や個人情報を取り扱っております。これらの情報資産を保護するため、個人情報保護方針、情報セキュリティ基本方針を定めると共に、プライバシーマークを取得し、情報資産を適切に管理し、保護しておりますが、このような対策にもかかわらず、重要な情報資産が外部に漏洩した場合には、当社グループの社会的信用の失墜、損害賠償請求の発生等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 人材の採用・育成について

当社グループが今後の業容拡大を図る上で、専門性を有する人材の採用・育成は不可欠であります。そのため、人材の採用及び育成を継続的に行っております。今後、各事業において、人材獲得競争が激化し、優秀な人材の採用が困難となる場合や、在籍している人材が大量に社外流出した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 
⑤ 代理店及びサービス連携パートナーとの関係について

当社グループは、代理店及びサービス連携パートナーを活用した顧客への各サービスの販売力強化を図っておりますが、代理店及びサービス連携パートナーの事業展開等により、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。また、多くの顧客と契約を締結している代理店及びサービス連携パートナーとの契約が終了した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 業務委託先との取引関係について

当社グループは、サーバ管理型独自PayをSaaS型サービスにて提供しており、顧客に継続して安定的にサービスを利用していただくために、これらサービスの一部を外部に委託しております。例えば、システム運用管理の一部を外部に委託しております。これらの業務委託先と当社グループの関係は良好でありますが、今後取引の継続が困難になった場合には、当社グループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 事業体制に関するリスク

① 特定の人物への依存について

代表取締役会長である岩井陽介、代表取締役社長である尾上徹の経営の最高責任者として経営方針や事業戦略の決定をはじめ、当社グループの経営において重要な役割を果たしております。当社グループは、両氏に過度に依存しない経営体制を整備するため、取締役間の情報共有や執行役員制度の導入による経営組織の強化を図っております。しかしながら、何らかの理由により両氏もしくは、どちらか一方が業務を継続することが困難になった場合には、現状では当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 海外展開におけるリスクについて

当社グループは、現在、シンガポール、タイ、インド等のアジア地域を中心に、海外への事業進出を図っております。グローバルな事業活動を展開するうえで、各国における法的規制、政情不安や事業環境の不確実性等のリスクを完全に回避できる保証はありません。このようなリスクに直面した場合には、当該国における費用が当初の見込みを上回る可能性があり、当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があります。

 

(4) その他のリスクについて

① 訴訟について

当社グループは、本報告書提出日現在において、訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、事業を展開する中で、当社グループが提供するサービスの不備、情報漏洩等の何らかの問題が生じた場合、これらに起因した損害賠償請求訴訟等の提起がなされる可能性があります。その場合、当該訴訟に対応するために費用と時間を要する可能性があるほか、当社グループの社会的信用が毀損され、また、損害賠償の金額、訴訟内容及び結果によっては、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② ソフトウエア資産の減損について

当社グループは、今後の業容拡大を図るため、継続的にソフトウエアの開発に向けた投資を行っております。各事業の実績が事業計画を大きく下回り、期末時点での業績見通し等から、当該ソフトウエアの資産価値が著しく低下したと判断した場合には、減損損失を計上しております。このような状況になった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 財務制限条項について

当社グループは、安定的な資金運用を図るため、金融機関から資金調達を行っておりますが、一部の金融機関との取引について、借入契約に財務制限条項が付されたものがあります。万が一、これらの条件に抵触した場合には、借入金利の上昇や期限の利益の喪失等、当社グループの経営成績及び資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 外国為替相場の変動に関するリスクについて

当社グループは、アジア地域を中心として海外へ事業進出を図っております。各国における取引は外貨建てで行っており、為替相場が変動した場合には、当社グループの経営成績及び財務状態に影響を及ぼすこととなります。

 

⑤ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

当社グループは、当社グループの役員及び従業員等に対するインセンティブを目的として、新株予約権を付与しております。また、今後においても、新株予約権を活用したインセンティブプランを活用していく方針であります。これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。

なお、本報告書提出日の前月末(2023年10月31日)現在における新株予約権による潜在株式数は1,122,760株であり、発行済株式総数11,855,563株の9.5%に相当しております。

 

⑥ 税務上の繰越欠損金について

当社グループは、2023年8月期末現在において、税務上の繰越欠損金が存在しております。当社グループの経営成績が順調に推移することにより、繰越欠損金が解消した場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることになり、当社グループの業績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

第2四半期連結会計期間において、2022年6月に行われた企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度との比較・分析にあたっては暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いています。

 

① 財政状態

(資産)

当連結会計年度末における資産合計は4,401,658千円となり、前連結会計年度末に比べ360,641千円増加いたしました。

このうち、流動資産は2,349,653千円(前連結会計年度末から573,049千円の増加)となりました。これは主として、現金及び預金が396,613千円、受取手形、売掛金及び契約資産が257,353千円それぞれ増加したことによるものであります。

固定資産は2,052,004千円(前連結会計年度末から212,407千円の減少)となりました。これは主として、リース資産が4,777千円、ソフトウエア仮勘定が44,060千円、繰延税金資産が29,953千円それぞれ増加した一方、建物が14,493千円、のれんが137,965千円、顧客関連資産が70,350千円、敷金及び保証金が40,689千円それぞれ減少したことによるものであります。

 

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は2,238,492千円となり、前連結会計年度末に比べ371,143千円減少いたしました。

このうち、流動負債は1,134,607千円(前連結会計年度末から1,027,061千円の減少)となりました。これは主とし買掛金が215,131千円、前受金が37,315千円、その他流動負債が90,126千円それぞれ増加した一方、一年内返済予定の長期借入金が1,300,000千円、短期借入金が50,000千円それぞれ減少したことによるものであります。

固定負債は1,103,885千円(前連結会計年度末から655,917千円の増加)となりました。これは、長期借入金が706,662千円増加した一方、社債が32,000千円、繰延税金負債が21,541千円それぞれ減少したことによるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は2,163,165千円となり、前連結会計年度末から731,785千円増加いたしました。これは主として、第三者割当による新株の発行及び新株予約権の行使により、資本金と資本剰余金がそれぞれ307,076千円増加し、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が114,126千円増加したことによるものであります。

 

② 経営成績の状況

当連結会計年度の世界経済は、新型コロナウイルス感染症による影響が緩和され、緩やかな持ち直しが続きましたが、インフレ率の高止まりや金融引き締めが消費全般や設備投資に与える影響、ウクライナ情勢等の不透明感など、下振れリスクの高まりも見られました。わが国経済も、経済社会活動の正常化が進み、ウィズコロナの下で、個人消費や設備投資は持ち直し、企業収益も総じてみれば改善しましたが、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等下振れリスクには依然として注意が必要な状況にあります。

このような環境下において、当社グループでは、経営統合における重複するコストの削減、新たなサービス開発への投資、事業拡大のためのパートナー開拓を推進し、中期経営計画の根幹である「独自Payの自律的なエコシステム」を加速する取り組みを行ってまいりました。その結果、当連結会計年度における独自Payの決済取扱高の計画1.2兆円を上回る1.22兆円を達成し、独自Payの収益基盤の強化を実現してまいりました。

以上の結果、当連結会計年度における売上高4,476,307千円(前年同期比284.1%増)、営業利益163,604千円(前年同期は営業損失160,620千円)、経常利益133,385千円(前年同期は経常損失1,506,062千円)、親会社株主に帰属する当期純利益114,126千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失1,834,218千円)となりました。また、当社グループが経営戦略上の重要指標であると捉えている調整後EBITDA(*)は497,635千円となりました。

(*) 調整後EBITDAは、営業利益と減価償却費(無形固定資産に係る償却費を含む)の合計額となっております。

 

主なセグメントの概況は以下のとおりであります。

なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しております。変更の詳細は、「第5 経理の状況 注記事項 (セグメント情報等) セグメント情報 1.報告セグメントの概要 (3) 報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。

 

a.キャッシュレスサービス事業

「キャッシュレスサービス事業」については、独自Payの決済取扱高の増加、2022年6月から開始されたマイナポイント第2弾に関連した施策による収益が計画を上回りました。2023年1月に実施いたしました連結子会社である株式会社バリューデザインとの事業統合による効果も出始めており、受注、収益及び利益が順調に推移しております。キャッシュレスサービス事業の当連結会計年度末における顧客数は1,067社となり、累計エンドユーザー数は186,286千人となりました。また、当連結会計年度における独自Payの決済取扱高は1,222,426,205千円と堅調に増加いたしました。

その結果、キャッシュレスサービス事業の当連結会計年度における売上高3,792,315千円(前年同期比679.2%増)、セグメント利益620,852千円(前年同期比12,419.5%増)となりました。

 

b.ソリューション事業

「ソリューション事業」については、主要なサービスであるメッセージングサービスにおいて、事業者向けにメッセージ配信を行う法人企業へのアウトバウンド営業活動を引き続き強化しております。それにより、新規契約数の増加につながってきております。当連結会計年度における解約率は0.2%、取引社数は247社となりました。また、ARサービスにおきましては、積極的にWeb広告を行うことで認知度が高まり、これまで集客ができていなかった業種・業界からの受注件数の増加につながりました。

その結果、ソリューション事業の当連結会計年度における売上高689,576千円(前年同期比1.6%増、セグメント間の内部売上高5,585千円を含む)、セグメント利益226,606千円(前年同期比7.6%減)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ396,613千円増加し、1,490,946千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは561,862千円の収入となりました。これは主に、減価償却費196,065千円、のれん償却額137,965千円、売上債権の増加額255,926千円、棚卸資産の減少額61,597千円、仕入債務の増加額212,650千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは87,636千円の使用となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出19,857千円及び無形固定資産の取得による支出111,068千円、敷金及び保証金の回収による収入47,650千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは80,727千円の使用となりました。これは主に、長期借入金(一年内返済予定を含む)による収入984,322千円、長期借入金(一年内返済予定を含む)の返済による支出1,593,338千円、新株の発行による収入299,993千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入313,338千円によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績
a) 生産実績及び受注実績

当社グループが提供するサービスの性質上、生産実績及び受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

b) 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年9月1日

至 2023年8月31日)

前年同期比(%)

キャッシュレスサービス事業  (千円)

3,792,315

779.25

ソリューション事業  (千円)

683,991

100.76

合計(千円)

4,476,307

384.08

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、キャッシュレスサービス事業におきまして、当連結会計年度より、連結子会社である株式会社バリューデザインの損益を連結しており、同社の売上を販売実績に含めているためであります。

3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年9月1日

至  2022年8月31日)

当連結会計年度

(自 2022年9月1日

至  2023年8月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

ブルーチップ株式会社

220,711

18.9

 

(注) 当連結会計年度については、売上高の10%を超える販売先が無いため、記載を省略しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

この連結財務諸表の作成に当たりましては、経営者が採用した会計方針及びその適用方法並びに経営者によって行われた見積りや評価が含まれております。これらの見積りにつきましては、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、不確実性を伴うため、実際の結果はこれらとは異なる場合があります。

詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。

 

② 経営成績の分析
a) 売上高

当連結会計年度における売上高は4,476,307千円となりました。これは主に、「キャッシュレスサービス事業」において、顧客の独自PayとマイナポイントのID紐づけを行うシステム提供による一時的な売上高の増加やチャージ機等の販売、新規顧客の獲得によるものになります。

 

b) 売上原価、売上総利益

当連結会計年度における売上原価は2,179,605千円となりました。これは主に、「キャッシュレスサービス事業」のサービス基盤であるデータセンター費用やシステム運用コスト、カード製作原価、チャージ機等の仕入によるものであります。この結果、売上総利益は2,296,702千円となりました。

 

c) 販売費及び一般管理費、営業利益

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は2,133,098千円となりました。これは主に、「キャッシュレスサービス事業」において代理店手数料、のれんの償却費などが発生したことによります。この結果、営業利益は163,604千円となりました。

 

d) 営業外損益、経常利益

当連結会計年度における営業外収益は13,694千円となりました。これは主に、持分法による投資利益及び円安による外貨建て債権に対する為替差益が発生したことによります。一方、営業外費用は43,913千円となりました。これは主に、金融機関からの借入に対する支払利息、シンジケートローン契約の締結によるアレンジメントフィー等が発生したことによります。この結果、経常利益は133,385千円となりました。

 

e) 特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度における特別利益は14,383千円となりました。これは主に、連結子会社である株式会社バリューデザインにおいて、同社の主要株主であったJNSホールディングス株式会社(現・テクミラホールディングス株式会社)より短期売買利益受贈益を受領したことによります。一方、特別損失は12,034千円となりました。これは主に、関係会社株式の売却損、在外子会社の清算による為替換算調整勘定取崩損の発生によるものであります。この結果、税金等調整前当期純利益は、135,734千円となりました。

また、法人税、住民税及び事業税73,102千円、法人税等調整額(益)51,495千円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、114,126千円となりました。

 

③ 経営成績等に重要な影響を与える要因について

「3 事業等のリスク」に記載のとおり、市場動向、競合他社、人材の確保・育成等様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、常に当社グループは市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保するとともに、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、人件費、業務委託費、通信費(外部サーバ費)等があります。運転資金は、主として内部資金及び借入金により調達しております。

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,490,946千円であり、また、当座貸越契約の未使用残高380,000千円と合わせ、当社グループの事業を推進していく上で十分な流動性を確保していると考えております。

 

⑤ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載しておりますとおり、当社グループは、事業毎に定める指標を重要な経営指標と位置付けております。2023年8月期におきましても、当該指標の達成状況に関して一定の評価をしておりますが、今後も株主価値向上のための経営施策を実施してまいります。

 

a) 「キャッシュレスサービス事業」

「キャッシュレスサービス事業」については、当連結会計年度より、連結子会社である株式会社バリューデザインの損益を連結しており、同社の収益が加わっております。

顧客の独自PayとマイナポイントのID紐づけを行うシステム提供、チャージ機等の物販、新規顧客の獲得により売上が大きく増加しております。

「キャッシュレスサービス事業」において、収益に関連する独自Pay決済取扱高について実績推移を記載いたします。

 

 

独自Pay関連決済取扱高の四半期推移について>

 

2021年8月

2022年8月

2023年8月

 

第1
四半期

第2
四半期

第3
四半期

第4
四半期

第1
四半期

第2
四半期

第3
四半期

第4
四半期

第1
四半期

第2
四半期

第3
四半期

第4
四半期

独自Pay決済取扱高 (百万円)

52,741

57,281

56,350

57,076

54,805

57,627

57,984

57,881

283,388

307,383

311,485

320,170

対前四半期

成長率(%)

93.4

108.6

98.4

101.3

96.0

105.2

100.6

99.8

489.6

108.5

101.3

102.8

 

(注) 2021年8月期及び2022年8月期の「独自Pay決済取扱高」及び「対前四半期成長率」については、前連結会計年度末から連結決算を行っているため、当社のみの数値となっております。

 

当社グループは、「キャッシュレスサービス事業」を高成長事業と位置付けており、独自Pay決済取扱高の増加と共に、決済手数料の売上高も増加し、成長していくものと考えております。ただし、決済手数料については、顧客毎に決済手数料の算定条件が異なるため、独自Payによる決済取扱高の増減とは完全に一致はいたしません。

なお、「キャッシュレスサービス事業」における当連結会計年度末時点での顧客数は1,067社、累計エンドユーザー数は約186,286千人となっており、2023年8月期第4四半期連結会計期間における独自Payの決済取扱高はグループ全体で約3,201億円となっております。

 

b) 「ソリューション事業」

「ソリューション事業」の主なサービスである「メッセージングサービス」については、当社グループの既存顧客への安定的なサービス提供に加え、データマーケティングサービスを提供する顧客に採用されましたが、売上高は微増となっております。

当社グループは、「メッセージングサービス」を安定成長事業と位置付けており、月次平均解約率及び取引社数を指標とし、顧客にとって長期的に利用したいサービスとなっているのかを判断しております。

なお、「メッセージングサービス」における当連結会計年度の月次平均解約率は0.2%、当連結会計年度末時点の取引先数は247社となっております。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

1.株式会社みずほ銀行をアレンジャー及びエージェントとするシンジケートローン契約

当社は、今後の事業成長に向けた財務基盤の強化及び安定化を図ることを目的として、2023年8月29日に株式会社みずほ銀行をアレンジャー及びエージェントとするシンジケートローン契約を締結しております。

なお、シンジケートローン契約約の概要は以下のとおりであります。

 

① 借入先:株式会社みずほ銀行、株式会社三井住友銀行、株式会社りそな銀行

② 借入総額:1,000,000千円

③ 借入利率:スプレッド + TIBOR

④ 借入実行日:2023年8月31日

⑤ 借入期間:2023年8月31日から2028年8月31日まで

⑥ 担保提供資産:関係会社株式(バリューデザイン株式 576,000株)

⑦ 保証内容:株式会社バリューデザインによる債務保証

 

2.株式会社クラウドポイント社との株式交換契約

当社は2023年10月13日開催の取締役会決議において、株式会社クラウドポイントとの間で株式交換による経営統合を行うことを決議し、株式交換契約を締結しております。

なお、株式交換契約の概要は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」をご参照ください。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。