文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
当社は「リモートワークを当たり前にする」というミッションのもと、リモートワーカーがより活躍できる環境を構築するべく、あらゆる仕事のリモート化の実現を目指しております。
当社は自らリモートワークを実践しており、取締役会、監査役会、監査役監査、内部監査等を含む全ての会議体や業務をリモートワーク環境下で実施しております。
事業においては、日本・海外の各所に所在するリモートワーカーによって、マーケティング・商談・契約・役務提供の全てをオンラインで提供しており、「リモートワークを当たり前にする」というミッションを自ら体現することで、顧客企業に新しい働き方とそれによる付加価値を提案しております。
従業員の研修活動としては、セキュリティブックの配布、eラーニングや理解度テストを定期的に実施しております。また全社周知が必要な重要事項等については社内ポータル上で適時に情報配信を行い、啓蒙活動を率先して行っております。
当社のミッションに基づいた持続的な成長と企業価値向上を示す指標として、売上高、事業セグメント別売上高、売上総利益、売上総利益率、販管費、販管費比率、営業利益、営業利益率を経営上重要な指標として位置付けております。
また、売上高の拡大には、顧客企業稼働社数、解約率・継続期間、ARPU、MRR、広告費、CAC、LTV、獲得コスト(CAC)の回収期間、LTV/CAC(ユニットエコノミクス)の拡大・改善が必要であると考えております。
以下では、当社の全社及び事業セグメント別の売上高、売上総利益、販管費、営業利益及び各KPIの推移を掲載しており、収益性を維持、向上しつつ、成長性が拡大していることを示していると当社では考えております。
(注) 2019年8月期~2020年8月期において、事業セグメント別の売上高については集計していないため記載しておりません。
(注) 1.各数値は契約が3ヶ月以内に終了する顧客及びReworkerのみ利用している顧客を除いた数値(継続案件)であります。
2.各期8月末時点の数値であります。
3.解約率は、当期解約社数を各月の月初時点稼働社数の和と当期開始社数の和で除した数値であります。
4.ARPUは、Reworkerのみ利用している顧客を除いた年間売上を、前期末時点稼働社数に期中の開始社数の二分の一(月途中開始案件を鑑み概算値として算出)を加え解約社数を減じた数で除した数値であります。
5.MRRは、継続案件の月額売上であります。
6.広告費及び販促費は、会計上の広告宣伝費と販売促進費の和であります。
7.CACは、広告費及び販促費と顧客獲得に要した営業人員の人件費の和を、当期の受注数で除した数値であります。
8.LTVは、ARPUを粗利率で乗じた数値を、解約率で除したものであります。
9.獲得コスト(CAC)の回収期間は、CACを、ARPUと売上総利益率を乗じた数値で、除したものであります。
10.LTV/CACは、LTVをCACで除した数値であります。
少子高齢化が進行し、生産年齢人口が減少している昨今、1億総活躍社会の実現を目的に2019年に開始された働き方改革以降、社会では多様な働き方が生まれております。2020年のコロナウイルスの蔓延を契機として、リモートワークが加速度的に社会に受容されておりますが、労働人口の減少による中小企業の人材不足は継続して発生しております。スキルや経験があるにもかかわらず、労働時間や居住地などを理由に活躍できる機会を制約されている人材もいることから、当社は、リソース不足を課題とする顧客企業とワーカーとの間に立ち、それぞれに「労働機会」「リソース」を提供することで、双方の課題解決に寄与していきたいと考えております。

従来のBPO企業においては、オフィスや支店を構えることによる地代家賃や維持費用、出社や支店間移動に伴う通勤移動費用、ワーカーが作業をしていないアイドルタイムの給与等が生じるため、これらの費用を回収可能な価格設定とする必要があり、販売ロットが大きくなる傾向がございました。その結果として、顧客企業の資金事情によっては導入ハードルが高く、利用しにくいという側面があったものの、当社は、これらの課題をリモートワークの利点を活かし、最大限の費用排除を可能といたしました。この結果、販売ロットの小ロット化を実現し、資金事情によりBPO利用が難しかった中小企業や個人事業主などを中心にサービス導入が広がり、2023年8月末時点でサービス導入企業数累計は約4,300社となっております。実際に、顧客企業の8割以上が従業員数300人以下の中小企業になっており、幅広い顧客企業が利用できるビジネスモデルを実現しているといえます。
フルリモートワーク(注11)を駆使することによる従前の企業との差別化要因は以下の4点であります。
(注) 11.フルリモートワークとは1日も出社しない完全なリモートワーク形態のことであり、当社においては、重要書類・備品管理等に必要な人員を除き、2023年8月末日時点において従業員(臨時従業員含む)の98.6%がフルリモートで勤務しております。
従前からITエンジニアなど一部の限られた職種においてリモートワークが活用されておりましたが、2020年コロナウイルスの蔓延を契機に多くの会社・職種でリモートワークの導入・活用が進みました。コロナウイルスの蔓延が一定の落ち着きを見せてくると、一部の企業ではリモートワークから出社に戻す動きが見られ、緊急事態宣言後のテレワークの見通しにかかるアンケート調査(注12)で、「テレワークの頻度を下げる・実施しない」と回答した割合は、回答者の半数を超える57.2%に上りました。一方で、今後もテレワークをしたいという回答は、回答者の86.9%に上り、出社に戻したいという風潮とリモートワークを継続したいという風潮に大きなギャップが生まれているものと思われます。2021年9月~2022年8月における正社員・契約社員・派遣社員の求人応募数の月平均は約2,000名となっており、約400名の従業員(臨時従業員を含む)が入社しております。コロナウイルス蔓延期間中から収束の兆しを見せ始めた同期間において、当社のリモートワーク求人への応募は好調に推移しており、高い採用力を維持しているといえます。
(注) 12.アデコ株式会社による「新型コロナウイルス感染症の拡大との関連を中心としたテレワークに関する調査」(2020年7月発表)より引用。
新規事業やプロジェクトの立ち上がりの際は、必要な人員を固定で求人・採用する必要があり、且つ案件の開始までに一定の時間が必要となります。当社においては、フルリモートにより、時間的・地理的な制約を最小限にすることで、多くのリモートワーカーが当社事業に参画しております。当社に登録のあるリモートワーカーの中から専門性の高いスキルを有する登録者を、案件ごとにスピーディーかつ柔軟に活用することが可能です。その結果、新たな取り組みの際、適した専門性を持つメンバーを早期に調査・アサインするなど、チームの組成がしやすく、スピード感をもった事業の推進を可能にしております。
当社は2014年の創業から今日まで、フルリモートによる企業経営を自ら実践し、事業においても、各種サービスをフルリモートで顧客企業に提供しております。それらを実現するため、独自のインフラと運用方法を構築してまいりました。具体的には、独自サービスである採用メディアを運営し、リモートワーカーの集客を実施しております。その他、ワーカー管理、セキュリティ管理フロー、業務マッチングプラットフォーム、各種のディレクションシステムにおいて独自のシステム・運用を確立し、これらを最大限に活用することにより、約800名の従業員(臨時従業員を含む)を有する大規模なフルリモートワークの事業運営を実現しております。
従来のBPOでは、顧客企業がBPO事業者に見積依頼を行い、営業が案件別に個別提案を実施する流れでサービス提供がなされておりました。案件ごとに、対応する人員を固定で確保していく仕組みになっており、開始までの要件定義負担が大きく、定価も定まっていないことから、中小企業がBPOを利用しづらい実態がございました。それらの実態を受け、当社では、リモートワークを活用し必要な人材を時間単位で柔軟に組み合わせることにより、月額定価でのサービス提供を可能にしております。タスク単位で必要な人材を都度アサインできることから、開始までの要件定義の負荷を下げ、中小企業からの受注を拡大しております。
当社は創業から今日に至るまで、既存事業からの独立、新しいサービスの立案や海外展開をはじめとした新規事業の開発、M&Aを実施し、リモートワークによる各種サービスを展開してまいりました。「リモートワークを当たり前にする」というミッションの実現においては、セグメント拡大の実行による、事業・サービスの多角化が重要であると認識しております。セグメント拡大とは、「リモートワークを当たり前にする」というミッションの実現のため、あらゆる仕事のリモート化を目的に、事業やサービスを多角化する施策であります。現時点においては、「市場規模・成長性」「労働集約率の高さ」「リモートワーク化の容易さ」の3点を、新たな投資領域を決定する検討軸とみなしております。セグメント拡大を目的とした最適化された組織体制を以下のとおり構築し競争優位性を高めていきます。

CSO(注13)管轄の戦略部門にて、セグメント拡大における企画立案を担います。SOM(既存業務領域)から、SAM、TAMと事業領域を拡大していくため、投資領域の調査、M&Aの調査・実施、新規事業の企画立案等を専門的に担ってまいります。
(注) 13.CSOはChief Strategy Officerの略称であります。
COO(注14)が管轄する既存の各事業部とCRO(注15)が管轄するセールスマーケティングチームにて、安定的な事業運営のためのプロセス・体制づくりを実施いたします。売上成長を最大化するための事業運営KPI(稼働社数、解約率、ARPU、MRR)及びセールスマーケティングKPI(CAC、LTV、広告費、LTV/CAC)の拡大・改善を従前から進めております。各事業部において解約率の低減、ARPUの向上及びLTVの最大化を実現する施策を講じるほか、セールスマーケティングチームにおけるCACコントロールを一層緻密に実施してまいります。
(注) 14.COOはChief Operating Officerの略称であります。
(注) 15.CROはChief Remote work Officerの略称であります。
既存の管理部門及び情報システム部において、既存事業のほか、セグメント拡大によって増加する事業のコスト管理を実施いたします。セグメント拡大によって事業の増加が見込まれますが、事業が増加した場合においてもコストの増加を抑制する仕組み作りを実施し、利益の最大化に努めてまいります。
当社が提供するWaaS事業やその他事業は、中小企業の人手不足や、コロナ禍においてリモートワークの認知度が向上したことにより、需要と供給の両面で追い風の状況であります。今後も高い成長性を維持していくために、新規顧客の獲得、クロスセル・アップセルなどによるARPUの向上のほか、ユニットエコノミクスは700%超と高い水準にあり十分な投資余力がある状態であるため、売上と利益のバランスを見極めながら、積極的に営業展開・広告投資を実施し、売上拡大に取り組んでまいります。
組織として統一した品質を提供するとともに、適正な営業利益を獲得する体制を整備していく方針であります。当社では、独自システムを活用したキャスティング業務の自動化により業務を効率化することでフロントの生産性を向上させるとともに、計数管理を高度化し、販管費の増加を最小限に抑えるコストコントロールの徹底を図ることで適正な営業利益の確保に努めてまいります。
当社は、顧客から受託した業務に資する情報を取得し、当社正社員及び業務委託先間で必要に応じて共有しながら業務を行うため、データ保護責任者(DPO)を設置し、ISMSの取得などのオペレーションを確立するとともに、個人情報については、プライバシーマークを取得するなど、個人情報や機密情報の徹底した管理体制の構築・運用に努めております。当社は、これらの対策の重要性を認識した上で、今後も継続的に情報管理の徹底に努めてまいります。
当社は成長段階にあるため、継続的な成長をしていくために、組織的な管理体制を整備・運用していくことが重要であり、経営の公正性や透明性を確保するために、内部統制システム強化に取り組んでおります。
事業が拡大していく中で、積極的な採用により当社の従業員の増加が見込まれます。当社では、業務における属人性を排除し、組織規模の拡大に対応した社内管理体制の充実やシステム化が必要不可欠であると考えております。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
サステナビリティに関する考え方や取組については取締役会及び経営会議において協議し、決定いたします。
取締役会は、当社のサステナビリティ課題への対応方針及び実行計画等についての審議・監督を行います。また、決定内容は全社員へ周知徹底を図ります。
当社における重要なサステナビリティ項目は以下のとおりであります。
・人的資本
・社内環境の整備
それぞれの項目にかかる当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は以下のとおりであります。
当社は、多様化する価値観、ニーズを先んじて捉え、創業時より掲げている「リモートワークを当たり前にする」というミッションを実現することが、持続的成長を可能にすると考えております。リモートワークを活用することで時間や場所といった制約にとらわれず、プライベートと仕事を無理なく自然に両立できる就業環境の整備を実現し、全社でリモートワークを実践することにより、自分らしく働くことができる企業文化・風土を従業員の全員が実感を持って日々醸成しております。
人材の確保にあたっては、選考プロセスも全てオンラインで完結する環境整備を行うことで、時間・場所に捉われない採用活動を実現し、多様な人材を日本及び海外から集めることが優秀な人材の確保に繋がっております。
今後もリモートワークによる労働バイアスの解除を通じ、働く場所や時間などライフスタイル上の制約があることを背景にこれまで働く機会に恵まれなかった人々に対し、働く機会を提供することが、人材そのものと多様性の確保に通じるものと考えております。
人材育成に関しては、基本オペレーションの教育を丁寧に行い、定期的なeラーニングの実施、各種の相談窓口の整備により業務推進の効率化を図っております。
国内労働環境における人手不足が深刻な昨今、時間・場所にとらわれず多様な人材を登用していくことが、持続可能性を高めるものと確信しております。国内・海外問わず、リモートワークで就業する全従業員が、生産性高く、効率的に就業できる環境を作ることを目的に、リモートワークを軸にした経営管理、業務管理及びシステム・セキュリティ環境を構築してまいりました。
働き方については、全社的にフレックスタイム制度を導入し、勤務時間の柔軟性を高めるほか、時短勤務の契約形態を設けてその社員に合った環境を提供することで、働く場所だけではなく時間の柔軟性を確保しております。
当社では、上記「(2)重要なサステナビリティ項目」に記載のとおり、各種の取組を進めておりますが、現時点で具体的な指標は設定しておりません。今後、取締役会において人的資本及び社内環境整備に関する方針に関する指標の策定に向けた議論を行い、指標及び目標の開示を検討してまいります。
当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項等に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項は以下のとおりであります。また、必ずしも事業展開上のリスクに該当しない事項についても、投資者の投資判断において重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。
当社はこれらのリスクの発生可能性を認識した上で、その発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容を慎重に判断した上で行われる必要があると考えております。
なお、以下の記載事項は、本書提出日現在の事項であり、将来に関する事項は本書提出日現在において当社が判断したものであります。また、以下の事業等のリスクは、すべての事業活動上又は投資判断上のリスクを網羅しているものではありませんのでご留意下さい。
当社は、通信ネットワーク、コンピューターシステム及びチャットツール等を使用し、自社内における経営・業務管理のほか、顧客との連絡やサイトの運営等、多岐にわたるオペレーションを実施しております。安定的な運用のためのシステムの強化や、セキュリティ強化を実施しており、システムの運用・管理には万全を期しておりますが、リモートワークが主たる運営基盤であることから各種システムへの依存度が高いため、想定外の自然災害や事故等により設備に甚大な被害があった場合や、システム障害、ネットワーク障害、ウイルス感染、ソフトウェアやハードウェアの欠陥、サイバー攻撃等が発生した場合は、業務に支障をきたし、当社の事業及び業績に多大な影響を及ぼす可能性があります。
当社の事業は、下請法、労働者派遣法、職業安定法等、様々な法的規制を受けております。当社では関係者の不正行為等が発生しないよう、国内外の法令及び社内規程、ルール等の遵守に努めておりますが、法令等に抵触する事態や関係者による不正行為が発生した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は事業活動に際して、厚生労働大臣より下記の許可を受けております。
当社は関係法令を遵守して事業を運営しておりますが、労働者派遣法に定める派遣元事業主又は職業安定法に定める有料職業紹介事業者としての欠格事由に該当若しくは法令に違反する事項が発生した場合、事業の停止や派遣元事業主又は有料職業紹介事業者の許可の取り消しをされる可能性があり、その場合には事業を営むことが出来なくなる可能性があります。
また、将来これらの法令並びにその他の関係法令が、労働市場をとりまく社会情勢の変化などに伴って、改正若しくは解釈の変更などがあり、それが当社の営む事業に不利な影響を及ぼすものであった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、多様な専門性を持った人材を日本及び海外からも確保しております。当社では、フルリモートワークの勤務形態を提供することで、優秀な人材を厳選して採用することに努めております。また、従業員やキャストとして登録のある業務委託者の働きやすさを重視したリモートワークが前提の業務環境の整備を積極的に行うことで、人材の外部流出防止にも努めております。しかしながら、今後の人材市場の変化により、フロントやキャストをはじめとした事業運営に関わるポジションにおいて、計画どおりの採用が困難になった場合や、採用コストや人件費が増加した場合は、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 事業環境の変化について(発生可能性:低、発生時期:長期、影響度:中)
当社が提供するWaaS事業、その他事業は、中小企業における利用者促進やリモートワーク実施企業の増加などにより今後もニーズが拡大していくものと考えております。また、当社は、特定のクライアントに売上が依存していないことから、特定の業種や顧客の業況による影響は受けづらいという特徴があります。当社の主力サービスであるCASTER BIZサービスの料金プランが6ヶ月契約と12ヶ月契約となっていることから、顧客の短期的な業況変化による解約のリスクも低くなっています。しかしながら、業種や特定の顧客を問わず影響を受けるような長期的な経済環境の悪化が発生した場合に、コスト削減の対象として解約率が上昇し、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、オフィスワークを中心として顧客企業の多種多様な業務を受託しておりますが、人工知能等の新技術の進歩により業務の自動化・省力化が進むことで、当社が従来請け負っていた業務が代替され、減少する可能性があります。当社では、既存サービスの提供を通じて業務効率化のノウハウを蓄積するとともに、新技術を活用した新たな事業の開発を模索するなど対応に取り組んでおります。しかしながら、そうした技術革新への対応が十分に図れない場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、顧客から受託した業務に資する情報を取得し、当社正社員及び業務委託先間で必要に応じて共有しながら業務を行うため、データ保護責任者(DPO)を設置し、ISMSの取得などのオペレーションを確立するとともに、個人情報については、プライバシーマークを取得するなど、個人情報や機密情報の徹底した管理体制の構築・運用に努めております。しかしながら、こうした対策にもかかわらず、不測の事態により情報漏洩事故が発生した場合には、損害賠償請求や、解約率の上昇、二次対応コストの増加などにより当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、現在、損害賠償を請求されている事実や訴訟を提起されている事実はありません。しかし、システムダウンによるサービス停止や外部侵入等による機密情報の漏洩等、予期せぬトラブルが発生した場合、又は取引先との関係に何かしらの問題が生じた場合等、これらに起因した損害賠償の請求、訴訟を提起される可能性があります。その場合、損害賠償の金額、訴訟内容及び結果によっては、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、継続的な成長のため、セグメント拡大による事業・サービスの多角化が必要であると考えており、新規事業の企画立案、M&Aの調査・実行を積極的に実施してまいります。
また、認知度、信頼度を向上させることにより、より多くのリード(見込み顧客)を獲得し、また既存の顧客を維持していくことも必要であると考え、積極的に広告宣伝費等にコストを投下してきており、今後も継続して広告宣伝等を行っていく方針であります。広告宣伝費の支出にあたっては、費用対効果(LTV/CAC)を検証し、最適化に努めますが、CACの回収には数か月単位の期間を要するため、支出の期間においては利益率が低下し、一時的に営業損失を計上する可能性があります。
また、新規事業やM&Aへの投資が計画どおりの収益に結びつかない場合、広告宣伝等が十分な成果が得られなかった場合やコストの上昇等が生じた場合等には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社が計画している公募増資による資金調達については、主に事業拡大のための広告宣伝費に充当する予定であります。しかしながら、当社が属する業界の環境が急激に変化することも考えられ、その場合、現時点で計画している資金使途以外へ充当する可能性があります。
また、当初の計画通りに調達資金を使用した場合でも、想定していた投資効果をあげられない可能性もあります。
当社の創業者であり代表取締役である中川祥太は、当社設立以来の代表者であり、経営方針や事業戦略、サービスコンセプト等についてリーダーシップを発揮しております。各事業部門の部門長及びリーダーへの権限移譲や人材育成を進めることで、同氏に過度に依存しない経営体制の構築を進めておりますが、何らかの理由により、同氏が当社の業務を遂行することが困難になった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、社員の大半がリモートワーカーであり、従来よりテレワーク実施体制を構築していることから、感染症等による通常業務への影響は小さくなっております。しかしながら、感染症の蔓延に対処するために、緊急事態宣言や自粛要請などの措置が取られた場合、人や物の流れが滞って経済活動が停滞し、当社顧客企業の事業所が休業となったり雇用調整を行ったりするなどの状況が発生して、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
現在、当社と類似するサービスとして、国内でBPO事業を展開する企業やクラウドソーシング事業を展開する企業、人材派遣・紹介事業を展開する企業は多数存在しますが、当社は、創業からフルリモートワークを導入・実践することにより、効率的なリモートワークによる企業経営を実現しております。事業においても、オフィスワークの人材を月20時間~30時間の契約時間の範囲内で、1案件ごとに分~時間単位の小ロットで顧客企業が活用できるWaaS事業の提供や、独自システムを活用した効率的なタスク×スキルの自動マッチング、リモートワーカーを活用することによる適した人材の早期アサインにより事業優位性を見出していると考えております。
当社では、新たな付加価値を継続的に生み出すことにより、その優位性を強固なものにしようとしておりますが、競合他社の動向によっては当社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社では、企業価値の継続的な増大を図るにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であると認識しております。
業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な運用、更に健全な倫理観に基づく法令遵守を徹底してまいりますが、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の構築が追いつかない状況が生じる場合、適切な業務運営が困難となり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当事業年度末現在における当社の発行済株式総数1,557,960株のうち、計1,058,000株は、ベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業有限責任組合(以下、「VC等」という。)が所有しており、当社株式の公募増資前の発行済株式総数に対するVC等が保有する当社株式の割合は67.9%と高い水準となっております。
一般にVC等による未公開企業の株式所有目的は、株式公開後に売却を行い、キャピタルゲインを得ることであります。今後、VC等が所有する当社株式を市場にて売却した場合には、当社株式の売却圧力が顕在化し、市場価格に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、事業拡大を図るために事業の海外展開を進めていく方針であります。そのなかで、各国の景気変動、政治的・社会的混乱、法規制等の変更、大幅な為替変動などが発生した場合、当社の将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当事業年度末には、当社には、税務上の繰越欠損金が存在しております。今後、当社の業績が順調に推移し、繰越欠損金が解消した場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることとなり、当期純損益及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
当社は2014年9月に設立されており、設立後10年に満たない社歴の浅い会社であります。また、当社は現在成長過程にあると認識しており、当社の成長のために広告宣伝、システム開発等の投資が必要となっていることから、過去数年にわたって当期純損失を計上しております。当社は今後もIR活動などを通じて経営状態を積極的に開示していく方針でありますが、当社の過去の経営成績は期間業績比較を行うための十分な材料とはならず、過年度の業績のみでは、今後の業績を判断する情報としては不十分な可能性があります。
当社は、役員及び従業員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブとして新株予約権を付与しております。当事業年度末現在における新株予約権による潜在株式数は137,520株であり、同日現在の発行済株式総数の8.8%に相当し、これらの新株予約権が行使された場合には、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
当社は、株主に対する利益還元を経営の重要課題の一つとして位置付けておりますが、財務体質の強化に加えて事業拡大のための内部留保の充実等を図り、収益基盤の多様化や収益力強化のための投資に充当することが株主に対する最大の利益還元につながると考えており、過去においては配当を行っておりません。
将来的には、各事業年度における経営成績を勘案しながら、株主への利益還元を検討していく所存でありますが、現時点において、配当実施の可能性及び実施時期は未定であります。
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染状況が一定の収束を見せ、2023年5月8日から季節性インフルエンザなどと同じ「5類感染症」へと移行し、行動制限の緩和等により社会経済活動の持ち直しの動きが見られ、景気は緩やかに回復しております。一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化によるエネルギー・原材料価格の高騰や、欧米諸国による政策金利の上昇に起因した急激な円安などによる物価上昇など、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
当社が展開する事業を取り巻く環境としましては、少子高齢化が進行し、生産年齢人口の減少により、企業における採用難の状況が発生しております。特に、「第40回ワークス大卒求人倍率調査」(出所:リクルートワークス研究所)によりますと、2024年3月卒業予定の大学生・大学院生を対象とした求人倍率について、倍率1倍前後で推移している従業員規模300人以上の企業と比べ、300人未満の中小企業における求人倍率は6.19倍と非常に高く推移しており、深刻な人材不足の状況が続いております。また、進行するインフレの影響を受け、2023年春季労使交渉における大手企業の賃上げ率は3.99%(前年比1.72%増)と高い水準で着地しました。この結果、賃金の格差が拡大し、特に中小企業での人材不足の発生が一層懸念されております。
当社は、「リモートワークを当たり前にする」をミッションに掲げて創業し、日本において「リモートアシスタント」が認知されていない時期から、バックオフィス業務などをオンラインで代行するアシスタントサービス「CASTER BIZ」の提供を開始し、「リモートアシスタント」市場を形成してまいりましたが、このような労働者不足の影響から、業務の効率化やコスト競争力の強化、売上拡大などに繋がるアウトソーシングサービスといった人材不足を解消するための需要は底堅く、顧客企業のニーズに応える形でサービスの開発を続け、現在では10以上のサービスを提供するに至っております。
また、コロナ禍において、企業規模・業種を問わず多くの企業においてリモートワークの導入・活用が進み、地理的な制限を取り払った新しい働き方や採用活動が進むなど、出社を中心としたコロナ禍以前の働き方と比較して、新しい働き方・新しい生活様式(ニューノーマル)が広く浸透いたしましたが、行動制限の緩和に伴う出社要請など、コロナ禍以前のワークスタイルに回帰する企業も一定でてきており、リモートワークの継続を希望する求職者からの当社求人への問い合わせは増加傾向にあります。
このような環境下にあることから、当社を取り巻く環境としましては、需要と供給の両面で追い風の状況であり、2023年8月末時点のサービス導入企業数累計は約4,300社、従業員数は804人(臨時従業員含む)へと順調に拡大しております。
当事業年度においては、既存のコア事業であるWaaS事業の成長と、それにより創出された事業資金をもとに新規事業を企画・開発し、直近では既存事業の海外展開に注力しており、全社を通じて積極的な広告投資を実施し、その成果にあわせて人員の採用も進めてまいりました。
この結果、当事業年度の経営成績は、売上高4,179,385千円(前事業年度比25.2%増)、営業利益2,925千円(前事業年度は営業損失162,762千円)、経常利益18,476千円(前事業年度は経常損失161,784千円)、当期純利益29,214千円(前事業年度は当期純損失145,053千円)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
WaaS事業は、継続的な広告投資に伴う安定的な集客、営業努力による受注力の向上並びにセグメント拡大によるサービスラインナップの拡充により、当社サービスを利用する顧客企業数は増加しており、売上高もそれに伴い堅調に推移しております。費用については、前述したWEB広告による継続的な広告投資と、その効率化に取り組んでいるほか、利益創出のため厳格な生産管理と各種費用の見直しを行っております。
この結果、売上高3,320,505千円(前事業年度比25.1%増)、セグメント利益(営業利益)664,606千円(前事業年度比141.3%増)となりました。
その他事業は、人手不足による中小企業の採用難である状況を受けてリモート人材の紹介・派遣の需要が増加し、売上高は引き続き堅調に推移しております。販管費については、新規事業である海外事業において、立ち上げに伴う各種費用支出が発生しているほか、顧客獲得のための広告投資を積極的に行っております。
この結果、売上高858,879千円(前事業年度比25.4%増)、セグメント損失(営業損失)141,715千円(前事業年度はセグメント利益20,715千円)となりました。
当事業年度末における資産合計は1,873,948千円となり、前事業年度末に比べ215,508千円減少いたしました。これは主に、売掛金26,990千円、前払費用7,608千円、建物附属設備6,461千円、繰延税金資産14,079千円が増加したものの、現金及び預金276,063千円が減少したことによるものであります。
当事業年度末における負債合計は834,694千円となり、前事業年度末に比べ244,359千円減少いたしました。これは主に、1年以内償還予定社債200,000千円、契約負債32,415千円が減少したことによるものであります。
当事業年度末における純資産合計は1,039,254千円となり、前事業年度末に比べ28,851千円増加いたしました。これは、新株予約権362千円が減少したものの、利益剰余金29,214千円が増加したことによるものであります。
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、1,486,250千円となり、前事業年度末に比べ276,063千円減少となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
当事業年度における営業活動による資金の減少は、31,870千円(前事業年度末は128,099千円の支出)となりました。これは主に、税引前当期純利益18,838千円があったものの、売上債権の増加額26,990千円、契約負債の減少額32,415千円があったことによるものであります。
当事業年度における投資活動による資金の減少は、11,033千円(前事業年度末は275千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出8,416千円、敷金及び保証金の差入による支出2,726千円があったことによるものであります。
当事業年度における財務活動による資金の増加は、234,818千円(前事業年度末は730,506千円の増加)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出31,108千円、社債の償還による支出200,000千円があったことによるものであります。
当社の行う事業は提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略いたします
当社の行う事業は提供するサービスの性質上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略いたします。
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載のとおりであります。また、財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、当社の実態等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、国内におけるワクチンの普及による感染者数の減少や、社会的な抑制度合いの低下を踏まえ、業績に重要な影響を与えるものではないと仮定し、当事業年度の会計上の見積りを行なっております。
当事業年度の売上高は4,179,385千円(前事業年度比25.2%増)となりました。
主な要因は、効率的な広告投資と営業向上による受注力の改善が寄与し、当社サービスを利用する稼働社数が増加したことによるものであります。
当事業年度の売上原価は2,560,821千円(前事業年度比24.6%増)となりました。
主な要因は、顧客の増加に伴う労務費の増加によるものであります。一方で、継続して取り組んでいる生産性の改善が寄与し、この結果、売上総利益は1,618,564千円(前事業年度比26.3%増)、売上総利益率は38.7%(前事業年度は38.4%)となりました。
当事業年度の販売費及び一般管理費は1,615,639千円(前事業年度比11.8%増)となりました。
主な要因は、海外事業及びシステム開発への投資額が増加したことによるものであります。広告費は例年継続的に発生しているものの、当事業年度においては前事業年度と比較し減少しております。
この結果、営業利益は2,925千円(前事業年度は営業損失162,762千円)となり、通期で営業黒字を達成いたしました。
当事業年度の営業外収益は32,332千円、営業外費用は16,780千円となりました。
主な要因は、補助金収入による収益、為替差益の発生、上場関連費用の発生によるものであります。この結果、経常利益は18,476千円(前事業年度は経常損失161,784千円)となりました。
当事業年度における特別利益は362千円となりました。特別損失は計上しておりません。
主な要因は、新株予約権戻入益によるものであります。また、法人税等合計に関しては法人税等調整額を14,079千円と見込んだことにより、10,375千円となりました。この結果、当事業年度の当期純利益は29,214千円(前事業年度は当期純損失145,053千円)となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、 経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりでございます。
当社の主な資金需要は、人件費及び事業拡大のための広告宣伝費等であります。これらの資金需要に対して当社では、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、当社のフリーキャッシュ・フロー並びに第三者割当増資による資金調達を資金の源泉としております。
当事業年度末における現金及び預金は1,516,250千円であり、当社の事業を推進していく上で十分な流動性を確保していると考えております。
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。また、今後の経営成績に影響を与える課題につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
当社においては、「リモートワークを当たり前にする」というミッションのもと、WaaS事業及びその他事業を行い、あらゆる業種・職種のリモートワークへの転換を実現していきたいと考えております。
当社が競争力を維持し持続的な成長を図るためには、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対して、常に事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、経営方針を立案していくことが必要であると認識しています。
該当事項はありません。
該当事項はありません。