第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、「首都圏における中小企業と個人のお客さまのための金融グループとして、総合金融サービスを通じて、地域社会の発展に貢献します。」との経営理念を実現するため、お客さまの「信頼性・満足度」、「新たなビジネスやサービスを創出する能力」、「課題解決力」の向上に努めるとともに、以下の3つを経営方針に掲げ、経営目標の達成に取り組んでおります。

 

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(2)経営環境

わが国経済は、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や日米金利差等を背景とした円安、資源・原材料価格の高騰等の影響を受けたものの、新型コロナウイルス感染症の収束化と経済活動の正常化の両立により、緩やかな回復基調を辿りました。

個人消費については、感染第7波・第8波の収束や全国旅行支援の政策効果もあり、宿泊・飲食を中心としたサービス消費が着実に持ち直しました。生産活動においては、上海ロックダウンによる供給制約や市況悪化に伴う半導体の在庫調整等により一部業種に弱さが見られたものの、設備投資が緩やかに持ち直したほか、入国制限の緩和及び円安によるインバウンド需要の増加を受け、対面型サービス業を中心に景況感の改善が見られました。

今後の先行きについては、アフターコロナ期に移行する中で、賃上げによる個人消費が下支えとなる等、内需を中心に景気の回復基調の維持が期待される一方で、世界経済の減速や国内の物価上昇等が景気の下振れリスクとして懸念されています。

 

(3)中期的な経営戦略

当社グループでは、2021年度から中期経営計画(計画期間3年)をスタートさせ、その中で掲げるビジョン(目指す姿)「お客さまの新しい価値を創造する東京発プラットフォーマーとなる」の具現化に向け、「経営基盤の拡充」と「ビジネス構造の改革」を進めるとともに、きらぼしプラットフォーム(※)の拡充を図っております。

また、グループ力を活かしサステナビリティへの取組みを更に強化することで、地域経済及び地域社会の持続的成長に貢献するとともに、当社グループの経営体力の強化と競争力の向上を実現してまいります。

※きらぼしプラットフォームとは、さまざまなプレーヤーや事業者の皆さまに、当社グループの持つ新たなビジネスやサービスを創出する能力と課題解決力をご提供することで、共通価値やサービスを共に創造する場所です。

 

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また、当社グループでは、役職員全員が共通して持つべき意識・価値観・考え方として、「社会貢献、組織の発展、自己実現、自らの幸せを実現させること」を「きらぼしフィロソフィー」として策定しております。そして、その実現に向け、「きらぼしフィロソフィー」を実践する役職員を「きらぼしびと」(※)と定義し、3つの行動指針(“高い志”を持つひと、どうしたら出来るのかを常に考えるひと、結果にコミットし、果敢に挑戦し続けるひと)を策定しております。

※きらぼしびと:きらぼしフィロソフィーを実現する人です。

 

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さらに、2023年5月より新たなブランドコミュニケーションとして、「TOKYOに、つくそう」プロジェクトを開始しました。本プロジェクトは、中小企業の事業承継やカーボンニュートラル、少子高齢化や子育てなど、社会情勢の急激な変化によりお客さまのニーズ、課題も多様化・複雑化する中、きらぼしグループの役職員一人ひとりが3つの行動指針を体現する「きらぼしびと」として問題解決に力を尽くし、お客さまとの価値共創に取り組み、「東京を輝かせる」という使命を果たしていくことを目的としております。

 

<ビジュアル・アイデンティティー>

 

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当社グループの中核企業であるきらぼし銀行、デジタルバンク「UI銀行」等、グループ会社が一体となり、東京発プラットフォーマーとして金融・非金融サービスを提供し、その結果として、収益の安定化、事業収益の多様化に伴う収益の増加並びにOHRやROE等経営指標の改善を目指します。そして、収益性の向上と財務体質の強化を通じ、ステークホルダーの皆さまと共通価値を創造していくとともに、地域経済と地域社会の持続的な発展に貢献してまいります。

 

(4)目標とする経営指標及び進捗状況

中期経営計画に掲げたKPI、KGIの達成に向け、質の高いサービスを幅広く提供すべくグループ体制の整備、コンサルティング機能の拡充を進めるとともに、業務改革や人材育成に取り組み、お客さまの多様化するニーズにお応えするとともに、円滑な資金供給に努めました。

2022年度におけるKGI(財務目標)につきましては、取引メイン化の推進、事業性ファイナンスの増加により、それに伴う法人の役務収益を中心に堅調に推移したこと等から、当期純利益およびROEは計画を上回る実績となりました。一方、きらぼし銀行のコアOHR改善に関しましては、経営の効率化や高度化に向けた前向きなDX施策への継続的な投資による経費削減等により、50%台に改善いたしました。

 

 

<中期経営計画のKGI(財務目標)>

項目

2022年度

(※特殊要因を除く)

(参考)

2023年度

目標

実績

目標差異

目標

当社

<連結>

ROE

5.9%

6.5%

(5.4%)

+0.6%

5.9%

親会社株主に帰属する当期純利益

195億円

211.5億円

(175.8億円)

+16.5億円

200億円

子会社連結利益貢献額

△7.2億円

△15.6億円

(△15.6億円)

△8.4億円

23億円

自己資本比率

8.1%

8.0%

(8.0%)

△0.1%

8.3%

きらぼし銀行

<単体>

コアOHR

57.1%

55.5%

(59.8%)

△1.6%

57.3%

顧客向けサービス業務利益

209億円

216.6億円

(216.6億円)

+7.6億円

234億円

※特殊要因:持分法適用関連会社による配当

 

(5)対処すべき課題等

当社グループはこれまで、グループ会社の整備等によりグループ一体で総合金融サービスを提供するための体制を構築するとともに、店舗・人員・システムを中心とした合理化施策により経費削減を進めるなど、経営の効率化を推進してまいりました。

一方、当社グループを取り巻く経営環境は、少子高齢化やマイナス金利政策に加えて、世界的な物価高騰、ロシア・ウクライナ情勢をはじめとする地政学リスク等の顕在化などから先行きの不確実性が増しております。また、新型コロナウイルスによる新しい生活様式の浸透、経済活動の変化、デジタライゼーションの加速により、お客さまのニーズの多様化、サステナビリティへの意識の高まりも伴って、金融機関に求められる社会的使命も大きな転換期を迎えています。

こうした環境下、当社グループにおいては、ビジネスモデルの構造改革とグループ連携を通じた持続可能な成長モデルの構築が課題であるとともに、グループ統合リスク並びにコンプライアンス管理などガバナンスの強化がこれまで以上に重要になると考えております。

当社グループは、課題に対処するため、以下の項目について取り組んでまいります。

 

(プラットフォームの構築とビジネスモデルの変革)

金融機関における競争環境が変化する中で、金融サービスに加え、ビジネスマッチング等お客さまの本業に結び付く非金融面でのサービス提供に努めてまいりましたが、法人のお客さま同士が協働できる場を創造するとともに、その先にある個人のお客さまも含めたサービスを提供できるエコシステムを構築することで、お客さまの付加価値を高めることが重要になっております。

そのため、法人のお客さまに対しビジネス機会を今まで以上に提供できるプラットフォームを構築していくとともに、DXを推進し、個人のお客さまのニーズに合致した商品やサービスを体現できるビジネスモデルの構築を進めてまいります。

 

(DXの推進)

デジタルマネー「ララPay」と、スマートフォンアプリを通じて金融サービスを提供する「UI銀行」の連携などによる金融ビジネスのデジタル化をはじめ、グループ各社との連携によるグループ内サービスの相互利用や外部連携パートナーとのハブ機能の発揮に向け、デジタルを起点とした対面・非対面サービスの融合、金融・非金融サービスのシームレスな提供を実現してまいります。

 

(個人のお客さまへの取組み)

高齢化が進展する中、きらぼし銀行の預金取引の大半を占めるシニア層との信頼関係を次世代につなげるため、外部機関との連携等により、金融と非金融双方でシニア層のニーズへお応えしてまいります。また、富裕層、オーナー層などのお客さまが抱える課題に対し、単なる「商品提案」ではなく、お客さまとの信頼関係を築き、人生のゴールに向けて寄り添い、幅広いサービスを提供する「FD(フィデューシャリー・デューティ)営業を実践してまいります。当社グループは今後、デジタル戦略の中核を担うデジタルバンク「UI銀行」やキャッシュレス決済アプリ「ララQ」を展開する「きらぼしテック」を中心に、外部連携も活用しながら、きらぼしライフデザイン証券等グループ各社における連携を進め、サービスの充実を図ってまいります。

 

(法人のお客さまへの取組み)

創業から成長期、衰退期までのお客さまの多様な課題にお応えするため、きらぼし銀行では、従来型の融資取引にとどまらないストラクチャードファイナンスやメザニンファイナンスを、きらぼしキャピタルではファンドを通じたエクイティ投資を推進しており、さまざまな形でお客さまの支援に、グループ全体で取り組んでまいります。また、お客さまとのリレーションを深め、取引メイン化を促進するとともに、迅速な対応を図るため、案件検討体制や審査・リスク管理態勢を強化してまいります。

社会的な課題の一つとなっている中小企業の事業承継に対しては、グループ各社の機能を活用し、オーナーさまの意向に沿った解決策の提案を行ってまいります。

 

(サステナビリティへの取組み)

サステナブルファイナンスをはじめ、SDGs評価プログラム等複合的なサービスの提供により、SDGsに掲げられるさまざまな社会的問題の解決に向けて、ESG地域金融の観点から積極的に支援を行ってまいります。また、多様化するお客さまの問題解決に向け、引き続きグループの総合力強化を図るとともに、外部機関との更なる連携強化を進め、お客さまの幅広いニーズにお応えしてまいります。

 

(経営基盤改革とグループ経営資源配分の最適化)

ブランチ・イン・ブランチによる拠点削減等のコスト削減を進める一方、お客さまのニーズに合わせた拠点の設置、各種合理化・高度化のための前向きな投資を行っており、今後も、店舗・本部の更なる効率化による人員創出、ワークスタイルの変革、DXによる生産性の向上を進めてまいります。

 

(グループリスク管理)

グループ事業戦略、経営ビジョンの堅確な達成及び将来像に掲げる「金融にも強い総合サービス業」への発展を下支えすべく、当社が定める「グループリスク管理基本方針」に基づき、信用リスク・市場リスク等を的確に管理し、適切なリスクテイクを可能とするリスクマネジメント手法の高度化を図ってまいります。また、利便性と安全性の高いサービスを提供するため、価値創造とリスクマネジメントの両面からサイバーセキュリティ対応に取り組んでまいります。

今後、ロシア・ウクライナ情勢をはじめとする地政学リスク等の顕在化による原材料価格の高騰等により、企業収益及び資金繰りへの影響が懸念されます。当社グループは、引き続ききめ細かな金融支援機能およびコンサルティング機能の発揮により事業支援を図ってまいります。

 

(コンプライアンス)

コンプライアンスを経営の最重要課題の一つと捉え、コンプライアンス重視の企業風土の醸成を進めることで、業務の健全性と適切性の確保に努めております。

株主の皆さまに信認され、お客さまや社会から信頼される地域金融グループとしての社会的責任を果たしていくため、当社が定める「コンプライアンス・プログラム」に基づき、徹底したコンプライアンス管理態勢の構築に努め、リスクオーナーシップの確立など企業倫理が徹底・浸透できる態勢の構築を更に進めてまいります。

 

(コーポレート・ガバナンス)

コーポレート・ガバナンスを経営の最重要課題の一つと捉え、社外役員・外部有識者の知見も活用したうえでグループ経営管理態勢や監督機能の強化を進めるとともに、業務運営に際し透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うためコーポレート・ガバナンス機能の充実を図り、持続的な企業価値の向上に努めてまいります。

 

(外部環境の変化への対応)

新型コロナウイルスと共存・共生する新しい生活様式の浸透により緩やかに景気回復が見込まれる一方、ロシア・ウクライナ情勢をはじめとする地政学リスク等の顕在化、世界的な物価高騰、インフレーションの進行に伴い、先行きの不透明感がみられ、地元企業等への影響が懸念されます。このような緊急事態の時こそ、「地元企業等の資金繰りを安定させる」という社会的使命を果たすことが地域金融グループの存在意義であると改めて強く認識し、中小企業の皆さまの資金繰りや業況の変化に対して、引き続き迅速かつ適切に対応できる支援体制の強化を図ってまいります。更に、中小企業経営のホームドクターの役割を担う地域金融グループとして、適切に金融及びコンサルティング機能を発揮してまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループでは、持続可能な地域社会の構築に向け、2019年に東京きらぼしフィナンシャルグループSDGs宣言を策定いたしました。2021年12月には、地域社会の発展・持続可能な地域社会の課題解決への関与を掲げた「社会的責任に関する基本方針(サステナビリティ方針)」を制定しています。持続可能な地域社会の構築に向けた取組みを推進することで地域・お客さまの持続可能性を高め、ひいては当社グループの持続可能性も高まるものと考えております。

 なかでも環境問題(気候変動対応等)、人的資本(人材育成と社内環境整備等)への対応を経営上の重要課題(マテリアリティ)と位置付けております。環境問題については、2021年2月にTCFD(気候変動関連財務情報開示タスクフォース)に対する賛同、2022年3月にはサステナブルファイナンスの取組みを開始いたしました。地域・お客さまの持続可能な成長の支援及び当社グループの社員一人ひとりが自らの価値を高め、エンゲージメントを向上させていくための取組みを推進しております。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ

①ガバナンス

 当社グループでは、環境問題について経営上の重要課題(マテリアリティ)として捉え、持続可能な地域社会の実現ならびに当社グループの持続的成長に向けた取組みの管理・推進体制を構築しております。

・ 事業戦略部内にサステナビリティに関する企画や全体管理を行う「サステナビリティ推進室」を設置し、各種方針に基づく、当社グループのサステナビリティ推進の企画・立案、グループ各社・関連部署等との調整をおこなっております。環境問題については、サステナビリティ推進室が主管となり、経営会議における付議・報告、取締役会への付議・報告を行う態勢を整備しております。

・ 経営会議では、サステナビリティ課題として環境問題に関する施策・方針や取組状況などについて付議・報告をおこなっております。(年1回以上)。

 取締役会は、サステナビリティ関連の議案(方針策定や目標設定、取組みの進捗状況等)について付議・報告された内容に対し適切に監督する役割を担っています。

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②戦略

 サステナビリティに関する経営戦略

・ 環境問題によるリスク及び機会への対応を進めるため、お客さまや地域の皆さまとの対話を深め、持続可能な地域社会の実現に向け地域社会への貢献を目指します。サステナブルファイナンスや事業性評価に基づく融資、各種ファンド等の活用ならびに起業・創業・販路拡大・事業承継等企業のライフステージに応じた付加価値の高い金融サービスの提供を通じて、地域・お客さまとの共通価値を創造し、地域経済の持続的成長に向けた取組みを推進してまいります。

・ 人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略についての詳細は、有価証券報告書の「第2事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組(2)人的資本」に記載しております。

 

 

 リスクと機会

・ 環境問題の内、主に気候変動によって現在および将来に想定される当社グループが直面するリスクと機会を短期(5年)、中期(10年)、長期(30年)の時間軸で以下の通り認識しました。

・ 今後、当社グループおよびお客さまのリスクの把握・低減に努めるとともに、機会を当社グループの成長に繋げてまいります。

 

移行リスク

法や規則

脱炭素等による規制強化や政策変更がお客さまの財務に悪影響を及ぼすことによる信用リスクの発生

中期~長期

テクノロジー・市場

脱炭素社会の移行に伴うテクノロジーの急速な転換に乗り遅れることや特性商品・サービスの需要の変動に対応できず、お客さまの財務に悪影響を及ぼすことによる信用リスクの発生

短期~長期

レピュテーション

脱炭素社会への移行に順応できず、レピュテーションが低下することでお客さまの財務に悪影響を及ぼすことによる信用リスクの発生

中期~長期

当社グループの気候変動に関する取り組みや情報開示が不十分とされる評判リスク(戦略と行動の乖離など)の発生

短期~長期

物理リスク

急性

風水害等の突発的な気象事象の発生により被災したお客さまの事業活動の停滞または停止、および不動産担保の毀損による信用リスクの発生

短期~長期

当社グループの本支店、データセンターの被災によるオペレーショナルリスクの発生

短期~長期

慢性

気温上昇、雪氷圏の減少、海面上昇等の長期的な気候パターンの変化により、お客さまの財務に悪影響を及ぼすことによる信用リスクの発生

長期

機会

サービス

お客さまの脱炭素社会への移行や環境問題対応を支援するサービスの提供等、ビジネス機会の増加

短期~長期

商品

金融商品・サステナブルファイナンスの提供

短期~長期

資源効率化・エネルギー源

省資源・省エネルギー化による自社の事業コスト低下

短期~長期

評判

ESGを重要視する投資家や資本市場からの評価向上

短期~長期

 

 

 炭素関連資産

・ 石油・ガス、石炭、電力会社(太陽光・再エネ関連除く)セクターの当行貸出金等に占める割合は、0.7%となっています。

・ 今後、基準に基づく開示対象セクターの開示に向け、データ整備等を進めてまいります。

・ 対象セクターについては、お客さまとの建設的な対話(エンゲージメント)を通じて、二酸化炭素排出量の把握や気候変動影響の低減のための事業再構築等の支援に努めてまいります。

※開示対象セクターの業種区分はGICS基準をベースとし、当社グループにおける業種分類で集計

 

 シナリオ分析

・ シナリオ分析の実施により、脱炭素社会への移行に向け、お客さまの事業転換を進めることの重要性を認識しました。今後、他のセクターに対する定量分析も実施し、セクター毎の気候変動リスクが当社グループに与える影響を把握するとともに、対象セクターにおけるお客さまとの対話(エンゲージメント)を通じて、お客さまの持続可能な経営が進むように支援してまいります。

 

<分析プロセス>

・ 各セクターのリスク(移行リスクと物理リスク)と機会を分析

・ 移行リスクのシナリオ分析対象セクターを決定

・ 移行リスク、物理リスクともに分析対象に応じたシナリオを設定し、与信コストへの影響を分析

 

≪移行リスクの定量分析結果≫

分析対象

エネルギーセクターのうち、電力とガス、及び運輸セクター

分析内容

該当事業者の2050年までの財務予想により債務者区分を判定し与信費用増加額を算出

使用シナリオ

IEA(国際エネルギー機関)NZEシナリオ(1.5℃シナリオ)

※不足するデータはAPSシナリオの値を代用

与信費用増加額

最大で約40~140億円

 

≪物理的リスクの定量分析結果≫

テーマ

営業停止による財務影響

担保不動産毀損額

分析対象

関東圏1都3県に本社を有する事業者

全先

分析内容

2050年までの累積損害期待額を算出し、該当事業者の財務予想により発生する与信費用増加額を算出

2050年までの累積損害期待額を算出し、毀損により発生する与信費用増加額を算出

使用シナリオ

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)

RCP2.6シナリオ(2℃シナリオ)、RCP8.5シナリオ(4℃シナリオ)

与信費用増加額

最大で約89億円

 

 

③リスク管理

・ サステナビリティ項目のなかでも環境問題を重要なリスクの一つとして捉え、影響度合いと蓋然性を考慮のうえ、統合的リスク管理の枠組みで管理できる体制の構築に取組んでまいります。

・ 当社グループが地域金融機関グループとして持続可能な地域社会の実現に貢献するため、環境・社会に影響を与える事業に対する投融資方針として、「環境・社会に配慮した投融資方針」を制定しました。本方針には気候変動と関連性が高い石炭火力発電事業、森林伐採事業、パーム油農園開発事業も対象に含まれています。

・ リスク分析結果等を踏まえ、今後、お客さまとの建設的な対話(エンゲージメント)を進めてまいります。この中で、お客さまの課題やニーズを把握し、解決策を提供することでビジネスチャンスの把握と当社グループおよびお客さまのリスク管理の強化を進めてまいります。

 

 

④指標及び目標

 環境関連投融資額実行目標の設定

2022年度から2030年度までの環境関連投融資実行額2,000億円

2022年度実績:255億円

 

 環境負荷低減目標の設定

Scope1、2について、2013年度対比2030年度60%削減

・ これまでも温室効果ガス排出量の削減に取組んでおり、今後も継続してLED照明への移行、環境に配慮した営業車両への入れ替えを進めるとともに、再生可能エネルギー由来電力への切り替え等を進めてまいります。今後、Scope3の計測手法の検討を進めてまいります。

年度

2013

(基準年)

2019

2020

2021

2022

Co2排出量(t-Co2)

10,985

6,477

5,832

5,409

4,130

 

Scope1

721

652

480

485

450

 

Scope2

10,263

5,824

5,351

4,924

3,680

2013年度比Co2排出量削減率

 

△41.04%

△46.91%

△50.76%

△62.40%

※1:2013年度は、合併前の旧東京都民銀行および旧八千代銀行の実績の合算となります

 

 

(2)人的資本

①戦略

 当社グループにとって、最も重要な資本は“きらぼしびと”です。“きらぼしびと”である職員が、お客さま・地域社会のウェルビーイングの実現を目指し、職員一人ひとりの幸せ=ウェルビーイングが企業の価値を高めていきます。

(人材育成方針)

 当社グループは「職員一人ひとりが自らの価値を高め、企業価値の向上に貢献する」という基本的な考え方のもと、人材育成を進めております。お客さまに価値あるサービスを提供するための「個の強化」を目的として、職員の自発的な専門性向上を促す「道場研修」の実施、さまざまなバックグラウンドを持つ専門人材の中途採用等を行っている他、互いに刺激し高め合い多様な仲間を尊敬し合う「企業文化の醸成」を目指し、「きらぼしびと研修」の開催、女性の管理職登用推進等に取組んでおります。「採用」「育成」「人員配置」を戦略的に行うことで、職員の「挑戦」する機会、地域社会に 生きるすべての方々に喜びを届ける機会の好循環を生み出し、職員の成長が当社グループの成長へと 繋がる仕組み作りを推進してまいります。

(社内環境整備方針)

 当社グループは「良好な職場環境を常に追求し、職員一人ひとりの働きがいを高めていく」という社内環境整備方針のもと、女性及び男性の育児休業取得促進、テレワーク・フレックスタイム制の整備、関係性の質の向上を目指した各種コミュニケーション活性化策等に取組んでおります。

 また、「職員と家族の健康保持・増進、いきいきと働ける職場づくり」をテーマに健康マネジメントに取組み、2022年度には「万一の事故・病気の際に役職員と家族の生活をサポートし、職場復帰を支援すること」を目的に、休職時の所得を一部補償する制度を導入しました。ファイナンシャル・ウェルネスを通じて、職員が心身の健康のみならず、将来の金銭的な状況について安心感を持てるよう支援し、企業の価値創造や生産性の向上に繋げていくことを目指してまいります。

 

②指標及び目標

 上記①戦略における「人材育成方針」及び「社内環境整備方針」に関する指標ならびに当該指標を用いた目標を以下の通り設定しております。

 

 

指標

実績

目標

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

人材育成方針

道場研修参加者

74名

1,550名

1,064名

1,200名

中途採用者人数

50名

50名

30名

50名

女性管理職比率

15.3%

16.8%

16.9%

18%

社内環境整備方針

女性育児休業取得率

100%

100%

100%

100%

男性育児休業取得率

46.2%

37.3%

100%

100%

※主要な連結子会社である㈱きらぼし銀行における指標及び目標を設定しております。

 

3【事業等のリスク】

事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。これらのリスクは、それぞれが独立するものではなく、ある事象の発生により複数のリスクが増大する可能性があります。また、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点で予見できない又は重要と見なされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。

当社グループは、こうしたリスクの発生可能性を認識したうえで、管理体制の強化に取り組み、発生の回避及び発生した場合の適切かつ迅速な対応に努めてまいります。リスク管理につきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」にも関連した記載がありますのでご参照ください。

なお、以下の記載における将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

1.財務に関するリスク

(1)信用リスク

① 不良債権に関するリスク

当社グループは、貸出金に対する審査態勢の強化及び小口分散化された貸出ポートフォリオの構築、貸出先に対する事業性評価に基づく金融支援・本業支援の実践、信用格付・自己査定の適切な運用を通じて貸出資産の健全化に努めております。

きらぼし銀行においては、融資管理部と営業店が一体となり、モニタリングを通じて貸出先の業況変化の早期把握と適切な対応を進めております。また、業績不振企業に対する経営改善支援や財務指標に基づく業況悪化の予兆を早期に捕捉する取組など不良債権の発生防止にも取り組んでおります。しかしながら、国内外の景気動向、不動産価格や金利、為替相場、株価等金融経済環境の変動、取引先企業の経営状況の変動等の予測不能な不確実性により不良債権が増加する可能性があります。

 

② 貸倒引当金に関するリスク

当社グループは、自己査定等に基づき、将来の損失額を見積り、貸倒引当金を計上しております。しかしながら、経済情勢や貸出先の経営状況の悪化、担保価値の下落、自己査定及び償却引当に関する基準の変更、その他の予測不能な不確実性により貸倒引当金の積み増しが必要となり与信関係費用が増加する可能性があります。

 

③ 貸出先への対応に関するリスク

当社グループは、貸出先に債務不履行等が生じた場合においても、回収の実効性その他の観点から、法的な権利をすべて行使しない場合があります。また、こうした先に対して追加貸出、債権放棄等による支援を行う場合があり、こうした支援により、短期的には当社グループの不良債権や与信関係費用が増加する可能性があります。

 

④ 担保・保証に関するリスク

担保や保証による回収見込額は、現在の景気動向や不動産市況、貸出先の事業性評価等を前提として算定しております。今後、不動産価格等の下落や貸出先の事業性減退による担保価値減少(不動産担保、集合動産担保等)や、保証人の信用状態の悪化等の予測不能な不確実性により、与信関係費用が増加する可能性があります。

また、不動産市場における価格の下落や流動性の欠如、集合動産の陳腐化や経年劣化、有価証券価格の下落等の要因により、担保権を設定した不動産や集合動産、有価証券等の換金、または貸出先が保有するこれらの資産からの回収額が減少する可能性があります。

 

⑤ 他の金融機関の動向に関するリスク

当社グループは、業況が低迷している企業等であっても改善が見込まれる場合には、貸出条件の変更や追加のご融資にも応じておりますが、他の金融機関が急速な貸出金の回収や取組方針等の変更を行った場合には、短期的に与信関係費用や不良債権が増加する可能性があります。

 

(2)市場リスク

① 有価証券の価格下落リスク

当社グループは、市場性のある株式や債券等の有価証券を保有しております。これらの有価証券の価格下落により、評価損や売却損が発生する場合があり、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。特に価格変動性の高い商品としては株式や投資信託を保有しており、経済情勢や有価証券市場の需給環境の悪化により、短期的にも相場の急変時には損失が拡大するリスクがあります。当社グループでは自己資本の範囲内でこれらのリスクに見合う資本を割り当てているほか、損失限度額を設定することでリスク量や損失額を一定の範囲に抑えるように運営を行っております。

 

② 金利変動リスク

当社グループでは、金利などの市場動向を注視し、機動的に市場リスク対応を実施するため、金利変動リスクの管理を行っています。しかしながら、資金運用と資金調達に金利または期間のミスマッチが存在しているなかで金利変動が発生した場合には、資金収益が減少し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があり、政策の見直しや経済情勢の変化により中長期的には大きな金利変動が発生する可能性があります。当社グループでは金利変動の影響を受けやすい長期の債券のほか、円貨と比較して金利変動の高い通貨の外貨建て債券を保有しておりますが、自己資本の範囲内でリスクに見合う資本を割り当てているほか、損失限度額を設定することで、リスク量や損失額を一定の範囲に抑えるように運営を行っております。

 

③ デリバティブ取引

当社グループは、主として国内の取引先企業・金融機関との間でデリバティブ取引を行っております。デリバティブ取引は、市場金利・為替相場等の変動によってもたらされる市場リスク及び取引先の契約不履行によってもたらされる信用リスクを有しているため、想定を超える市場金利・為替相場等の変動や取引先の契約不履行により、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。国内外の経済情勢等により、市場金利・為替相場等の変動が想定以上に起きる可能性があることから、必要に応じてリスクのヘッジ取引を行うなどの対応を行っております。取引先の契約不履行のリスクも顕在化のリスクは低くはないものの、小口分散が図られているため、当社グループの業績に与える影響は限定的なものと認識しております。

 

④ 為替リスク

当社グループは、資産及び負債の一部を外貨建てで保有しております。外貨建ての資産と負債が通貨ごとに同額ではなく互いに相殺されない場合には、その資産と負債の差額について為替相場の変動により円貨換算額が変動し、評価損や実現損が発生する可能性があります。世界各国の経済情勢や景気変動で、短期的にも為替相場は大きく変動する可能性は高いと認識しております。これらのリスクを完全に回避することはできませんが、為替ポジションの限度額、損失限度額を設定し、リスク量、損失額を一定の範囲に抑えるように運営を行っており、必要に応じて為替リスクのヘッジをするなどの対応を図っております。

 

(3)流動性リスク

当社グループは、資金繰りの適切な管理に努めておりますが、経済環境の変化や金融市場全般または当社グループの信用状況等が悪化した場合には、資金調達コストが上昇し業績に悪影響を及ぼすことがあるほか、資金調達が困難になれば財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、資金の流出に備えた十分な流動性資産を保有するよう流動性リスク管理の枠組みを定め運営を行っており、短期的にはリスクが顕在化する可能性は低いものと認識しておりますが、中長期的には調達環境の変化によりリスクが顕在化する可能性があります。

 

(4)決済リスク

当社グループは、多くの金融機関と取引を行っております。取引にあたっては一定の基準を設定しており、リスク顕在化の可能性は低いものと認識しておりますが、金融システム不安が発生した場合や大規模なシステム障害が発生した場合には、金融市場における流動性が低下する等、資金決済が困難となる可能性があります。

 

(5)退職給付債務に関するリスク

当社グループは、割引率や年金資産の期待運用収益率等について、一定の条件の下で、従業員退職給付債務及び退職給付費用を算出しておりますが、予測不能な不確実性が含まれております。年金資産の時価下落や運用利回りの低下、退職給付債務を計算する前提となる割引率等、算出の前提条件に重要な影響があった場合は、退職給付費用が増加し、中長期的にわたり当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)繰延税金資産に関するリスク

繰延税金資産は、現時点におけるわが国の会計基準に基づき、一定の条件の下で、将来実現すると見込まれる税金負担額の軽減効果として貸借対照表に計上することが認められております。当社グループは、現時点で想定されるさまざまな予測・仮定を元に将来の課税所得を合理的に見積り繰延税金資産を計上しておりますが、予測不能な不確実性が含まれているため、実際の課税所得が見積額と異なり一部または全部の回収が困難であると判断した場合は、繰延税金資産が減額され、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼし、自己資本比率の低下を招く可能性があります。

 

(7)固定資産減損に係るリスク

当社グループが保有する固定資産については、「固定資産の減損に係る会計基準」(企業会計審議会)を適用しております。保有する固定資産は、市場価格の著しい下落、使用範囲または方法の変更、収益性の低下等不確実性が含まれており、前提条件等の予測不能な変化などにより固定資産の減損損失を計上することになる場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)自己資本比率に関するリスク

当社グループは、連結自己資本比率を「銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(2006年金融庁告示第20号)に定められた国内基準(現時点で4%)以上、また、当社の銀行子会社は、連結自己資本比率及び単体自己資本比率を「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実が適当であるかどうかを判断するための基準」(2006年金融庁告示第19号)に定められた国内基準(現時点で4%)以上に維持することが求められております。当社グループの自己資本比率がこの最低所要基準を下回った場合には、監督当局から業務の全部若しくは一部の停止など行政処分を受ける可能性があります。

当社グループの自己資本比率に影響を及ぼす主な要因として、以下のものがあります。

・債務者の信用力悪化及び不良債権処理の増加に伴う与信関係費用の大幅増加

・景気動向や金利変動に伴う保有有価証券の大幅下落

・繰延税金資産について将来の課税所得の見積額と実際の課税所得との相違等に伴う繰延税金資産の大幅減額

・自己資本比率基準や算定方法の変更

・本項記載のその他の偶発的な損害の発生

なお、当社グループは、今後とも収益力の強化と安定化を進めることにより更に自己資本の拡充を図ってまいります。

 

(9)持株会社のリスク

当社は銀行持株会社であり、その収入の大部分を当社が直接保有しているきらぼし銀行から受領する配当金及び経営管理料に依存しております。リスクの顕在化は低いものと認識しておりますが、一定の条件下では、さまざまな規制上の制限等により、きらぼし銀行が当社に支払うことができる配当の金額が制限される可能性があります。また、きらぼし銀行が十分な利益を計上することができず、当社に対して配当等を支払えない状況が生じた場合には、当社株主に対し配当を支払えなくなる可能性があります。

 

(10)格付低下によるリスク

当社グループは、外部格付機関より格付を取得しておりますが、格付が引き下げられた場合、当社グループの資金・資本調達に影響を及ぼす可能性があります。

 

2.業務等に関するリスク

(1)システムリスク

当社グループの金融子会社は、銀行業務を正確かつ迅速に処理するとともに、お客さまに多様なサービスを提供するため、基幹系システムをはじめとしたさまざまなコンピュータシステムを使用しております。業務上使用しているシステムについては安定的な稼働を維持するためのメンテナンス等障害発生防止に万全を期しております。しかしながら、これらのシステムについて、事故やシステムの新規開発・更新等によるシステムダウンまたは誤作動等の障害が発生した場合、障害や被害の規模によっては当社グループの業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)サイバー攻撃に関するリスク

年々高度化・巧妙化するサイバー攻撃により、情報システムの停止、誤作動、外部流出等が発生するリスクが高まっております。当社グループでは、経営の重要課題の1つとして位置付け、サイバー攻撃に対するサイバーセキュリティ対策の強化を図るべく、グループCIO(Group Chief Information Officer、最高情報責任者)の設置や、リスク管理部にサイバーセキュリティ担当を配置しております。また、サイバー攻撃に備えるべく、外部団体からの情報収集や、サイバー攻撃にかかる訓練・演習の実施、情報リテラシー向上のための教育、システムリスク評価の実施、コンティンジェンシープランの策定等、グループ管理態勢の継続的な強化に取り組んでおります。このほか、外部に公開するウェブサイトなどに対しては、定期的に脆弱性の診断・対策を実施しております。しかしながら、サイバー攻撃により、不正アクセスやサービスの停止、情報漏洩、データの改ざん等が発生した場合、それに伴う損害賠償や、行政処分などにより、当社グループの業務運営や業績、財務状況に悪影響を与える可能性があります。

 

(3)情報漏洩に関するリスク

当社グループは、内部規程及び情報管理態勢の整備や、社内教育による情報管理の重要性の周知徹底、またシステム上のセキュリティ対策等により、顧客情報や社内機密情報等重要情報の漏洩に関するリスクの顕在化防止に努めております。しかしながら、役職員や外部委託先人員の人為的ミス、システム障害の発生、災害等の不測の事態等により重要な情報が外部へ漏洩した場合、損害賠償請求や行政処分を受ける可能性があり、これにより中長期にわたり当社グループの業務運営や業績、財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)法令違反等に関するリスク

当社グループは、コンプライアンスを経営の最重要課題の一つと捉え、態勢の整備やホットライン(内部通報制度)の周知、役職員に対するコンプライアンス意識向上に努めております。直ちにリスクが顕在化する可能性は低いものと思われますが、法令等に違反するような事態が生じた場合には、罰則や行政処分等を受け、当社グループの業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)訴訟リスク

当社グループは、法令等遵守の徹底を図るとともに、各種業務の適法性確保のためリーガルチェックを徹底することにより、訴訟の顕在化を防止しております。今後の業務運営の過程で訴訟を提起され、補償等を余儀なくされた場合、当社グループの業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)マネー・ローンダリング及びテロ資金供与防止に係るリスク

当社グループは、マネー・ローンダリング等の防止を経営の最重要課題の一つと捉え、不断の検証と高度化に努めるとともに、公共の信頼を維持すべく実効性のある管理態勢を確立することを基本方針としております。リスク管理部がグループベースでAML/CFT管理を行い、外部有識者の知見も活用のうえ対策の強化に努めております。しかしながら、不正送金等を未然に防止することができなかった場合は、当社グループの信用や業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)事業戦略に関するリスク

当社グループは、2021年度から中期経営計画(計画期間3年間)をスタートさせましたが、計画に掲げた戦略や施策が実行できない、あるいは当初想定した成果が実現に至らないことなどにより、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)業務範囲拡大によるリスク

当社グループは、法令等に則ったうえで、銀行業務以外の新しい分野にも業務範囲を拡大しております。グループ会社間の連携により、顧客基盤の拡大やソリューション提供力の強化等による連結収益の拡大に取り組むとともに、経費削減等を通じた効率性の向上に努めています。しかしながら、新規業務を取扱うことにより、当社グループは新たなリスクにさらされる可能性があり、それらのリスクは全く経験がないか、または、限定的な経験しかない場合があります。当該リスクが顕在化した場合、中長期にわたり当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)主要な業務の前提に関するリスク

当社の子会社であるきらぼし銀行及びUI銀行は、監督官庁の許認可を受け、銀行業を営んでおります。銀行業の免許には、有効期間その他の期限は法令等で定められておりませんが、銀行法第26条、第27条及び第28条に規定された要件に該当した場合には、業務の停止または免許の取消し等を命ぜられることがあります。現時点において、きらぼし銀行及びUI銀行はこれらの事由に該当する事実はないものと認識しておりますが、将来、何らかの事由により前述の業務の停止や免許の取消し等の要件に該当した場合には、きらぼし銀行及びUI銀行の主要な事業活動に支障をきたすとともに、中長期にわたり当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)事務リスク

当社グループは、預貸金業務や為替業務をはじめ、国債や投資信託、生損保等の販売等、さまざまな業務を行っております。こうした業務において、内部規程及び体制の整備等の定期的な点検、本部の事務指導等によって、適正な事務の遂行に努めております。しかしながら、役職員が過失の有無を問わず不適切な事務処理を行った場合には、当社グループの業績や財務状況に悪影響を与える可能性があります。これらの事象が発生する頻度、可能性は比較的低いものと認識しておりますが、発生した場合の影響を最小限に止めるべく態勢の見直しを継続して行っております。

 

(11)外部委託に関するリスク

当社グループではさまざまな業務の外部委託を行っており、外部委託先の適格性や委託業務内容等について十分に検討を行うなど、委託先の管理に努めております。しかしながら、委託先において受託業務の遂行に支障が生じた場合、あるいは情報漏洩・紛失・不正などがあった場合には、当社グループに間接的・直接的に影響が及ぶ可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)人材確保・育成に関するリスク

当社グループは多様な人材こそが競争力の源泉であると認識し、その育成・確保を行っております。その一環として、組織風土の変革や価値創造を推進する人材の育成・強化に取り組んでいます。しかしながら、当社グループに対する社会的イメージが低下した場合、優秀な人材の確保・育成等が重要な課題となります。事業活動に必要な高い専門性を持った人材の確保等を十分に行うことができなかった場合、競争優位性のある組織能力が実現せず、将来の業務運営が困難となり、中長期的にわたり当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

3.金融環境等に関するリスク

(1)法令・各種規制の改正に関するリスク

当社グループが業務を行ううえで適用される法律及び規則、政策、実務慣行、会計制度、税制等が変更された場合には、法規制や法改正への対応には新たな対応コストが発生することに加え、事業活動が制限を受けることも想定され、当社グループの業務運営や業績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、適宜外部の専門家等を活用しながら法務部門がサポートすることで法を遵守するとともに、法改正等に関する動向を経営層へ発信・周知することにより、法改正等への対応を推進・強化しております。

 

(2)地域経済の動向に影響を受けるリスク

当社グループは、東京都及び神奈川県北東部を主要営業エリアとし、地域の中小企業と個人のお客さまを中心に総合金融サービスを提供し、地域経済・地域社会の持続的な発展への貢献に努めております。さまざまな外部環境の変化により地域経済が悪化した場合には、業容の拡大が図れないなど地域経済の動向が当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)競争リスク

当社グループは、東京都及び神奈川県北東部を主要営業エリアとし、成長性の高いマーケットにおいてメガバンクや他の地域金融機関等複数の金融機関等が営業を展開しております。今後、フィンテックの台頭や高度IT社会の加速、また規制緩和等による異業種の新規参入など更なる競争激化も予想され、こうした事業環境において競争優位性を発揮できない場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)普通株式の希薄化リスク

当社は、2016年4月1日付で、第二種優先株式400億円を発行しております。第二種優先株主は、2021年4月1日から2031年3月31日までの間、当社に対し普通株式の交付と引換えに第二種優先株式を取得することを請求することができます。また、当社は、取得請求期間の末日までに当社に取得されていない第二種優先株式がある場合、そのすべてを取得請求期間の末日の翌日に取得し、それと引換えに第二種優先株主に対し普通株式を交付いたします。

また、2016年6月24日付で、第三者割当により第1回第一種優先株式150億円を発行しております。第1回第一種優先株主は、2023年6月1日から2031年3月31日までの間、当社に対し普通株式と引換えに第1回第一種優先株式を取得することを請求することができます。当社は、取得請求期間の末日までに当社に取得されていない第1回第一種優先株式がある場合、そのすべてを取得請求期間の末日の翌日に取得し、それと引換えに第1回第一種優先株主に対し普通株式を交付いたします。

こうした場合、普通株式の株式数が増加し、1株当たりの価値が低下する場合があります。

 

(5)気候変動リスク

持続可能な社会の構築のための2050年カーボンニュートラルを目指す取組みへの要請が高まっています。当社グループでは、2021年12月に「サステナビリティ方針」「環境方針」を制定する等体制を整備するとともに、取引先の気候変動対策に向けた脱炭素等への取組を包括的に支援する体制を整え、推進しております。当社グループ内においては、環境負荷低減のため、再生可能エネルギー由来電力への切替や環境配慮型車両の導入を通じて事業活動に伴う温室効果ガス排出量削減、フィンテックを活用した金融取引、業務の効率化及び生産性向上による省資源・省エネルギー化に努めております。また、「企業の森・きらぼしの森」等を通じて森林管理に取り組み、生物多様性を含めた環境保全・保護に向けた社会貢献などさまざまな活動に取り組んでおります。しかしながら、環境関連の規制強化やステークホルダーからの評価、消費者意識の高まりなどにより企業の環境問題への取組み姿勢によっては、レピュテーション低下につながり、地域社会との関係悪化や投資対象からの除外等当社グループに大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)自然災害の発生や感染症拡大等に伴う業務継続に関するリスク

当社グループでは、自然災害・感染症等対応規程及び体制の整備等により業務継続に向けた対応力の強化に努めております。また、安否確認システムの導入や施設・システム等が継続して安定的に使用できるように建物・設備等の機能を整備するとともに、経年状況の把握と適切な維持管理、防災訓練などの対策を講じ、各種災害・事故・感染症等に備えています。しかしながら、地震、大雨、洪水などの自然災害・異常気象や、インフルエンザや新型コロナウイルス等の感染症の世界的な大流行、停電等の社会インフラ障害、大規模事故、犯罪等の不測の事態が発生した場合、中長期にわたり当社グループの業務運営や業務継続に影響を及ぼす可能性があります。特に感染症等の影響が拡大した場合、子会社であるきらぼし銀行頭取を本部長とする緊急対策本部を設置し、感染予防として、店舗内等の密閉・密集・密接(三密)防止に向けた対策や営業時間の変更、働き方の多様化・柔軟化、出勤態勢の見直し等により同一拠点における業務従事者の同時感染リスクを軽減するための対策を講じることとしております。しかしながら、職員や家族等の感染者の増加等により全店の開店が困難な事態が生じた場合、その都度、必要な対応を図るものの、業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)レピュテーショナルリスク

当社グループは、コーポレート・ガバナンスの充実を図るとともに、適時適切な情報開示による広報・IR活動等ステークホルダーとの積極的な対話を通じて、お客さま満足度や利便性の向上に努めております。しかしながら、マスコミ報道やインターネット等を通じ、当社グループや金融業界等に対するネガティブな情報や事実と異なった風説・風評が拡散した場合には、当社グループのイメージや株価、業務運営、業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

1.経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

(財政状態)

① 資産

当連結会計年度におきまして、資産は前年同期比2,983億円増加し6兆7,421億円となりました。なお、主な資産の状況は次のとおりであります。

○ 貸出金

貸出金につきましては、中小企業等のお客さまを中心とした取引メイン化の積極的な推進や事業性ファイナンスの増加等により、前年同期比3,600億円増加の4兆7,061億円となりました。

○ 有価証券

有価証券につきましては、金利上昇局面において国債・外国証券を中心に有価証券残高が減少したことにより、前年同期比1,557億円減少の8,569億円となりました。

② 負債

当連結会計年度におきまして、負債は前年同期比2,906億円増加し6兆4,151億円となりました。なお、主な負債の状況は次のとおりであります。

○ 預金

預金につきましては、UI銀行による預金の受入(2023年3月末残高3,358億円)等により、残高は前年同期4,678億円増加の5兆6,253億円となりました。

③ 純資産

純資産につきましては、その他有価証券評価差額金が減少したものの、利益剰余金が増加したことにより、前年同期比76億円増加の3,269億円となりました。

 

(経営成績)

当連結会計年度の連結経常収益は、貸出金残高の増加や貸出金利回りの改善等による貸出金利息の増加や、事業性ファイナンス等の法人向け役務取引等収益の増加、持分法適用関連会社の子会社が不動産売却を行ったことに伴い持分法投資利益35億円を計上したこと等により、前連結会計年度比169億円増加の1,252億円となりました。また、連結経常費用は国債等債券売却損の増加等により、前連結会計年度比111億円増加の945億円となりました。その結果、連結経常利益は前連結会計年度比58億円増加の307億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比29億円増加の211億円となりました。

 

当連結会計年度のセグメントごとの経営成績は、以下のとおりとなりました。

〔銀行業〕

経常収益は前連結会計年度比135億円増加の1,049億円、セグメント利益(経常利益)は前連結会計年度比59億円増加の290億円となりました。

〔リース業〕

経常収益は前連結会計年度比3億円増加の136億円、セグメント利益(経常利益)は前連結会計年度比3億円減少の4億円となりました。

〔その他〕

報告セグメントに含まれない「その他」の経常収益は前連結会計年度比20億円増加の179億円、セグメント利益(経常利益)は前連結会計年度比14億円減少の69億円となりました。

 

(キャッシュ・フローの状況)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、貸出金の純増及び借用金の純減による支出等を主因に381億円の支出となり、投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出が発生する一方、有価証券の売却及び償還による収入等により1,324億円の収入となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いによる支出等により33億円の支出となりました。この結果、現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末比909億円増加し9,340億円となりました。

 

 

(1)国内・海外別収支

当連結会計年度の資金運用収支は、前連結会計年度比64億59百万円増加の684億7百万円となりました。

信託報酬は、前連結会計年度比67百万円増加の3億95百万円となりました。

役務取引等収支は、前連結会計年度比14億82百万円増加の167億59百万円となりました。

その他業務収支は、前連結会計年度比42億78百万円減少の△27億50百万円となりました。

種類

期別

国内

海外

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

資金運用収支

前連結会計年度

67,014

1

5,067

61,947

当連結会計年度

78,110

1

9,704

68,407

うち資金運用収益

前連結会計年度

68,412

1

5,289

63,124

当連結会計年度

82,951

1

11,283

71,669

うち資金調達費用

前連結会計年度

1,398

222

1,176

当連結会計年度

4,840

1,578

3,262

信託報酬

前連結会計年度

328

328

当連結会計年度

395

395

役務取引等収支

前連結会計年度

16,490

106

1,319

15,277

当連結会計年度

17,956

144

1,341

16,759

うち役務取引等収益

前連結会計年度

20,592

106

2,017

18,681

当連結会計年度

22,423

144

2,011

20,556

うち役務取引等費用

前連結会計年度

4,101

697

3,403

当連結会計年度

4,466

669

3,797

その他業務収支

前連結会計年度

4,047

△2

2,516

1,528

当連結会計年度

436

△1

3,185

△2,750

うちその他業務収益

前連結会計年度

5,177

△2

2,786

2,388

当連結会計年度

11,353

△1

3,506

7,845

うちその他業務費用

前連結会計年度

1,130

269

860

当連結会計年度

10,916

321

10,595

(注)1.「国内」は当社及び海外に営業拠点を有しない連結子会社の取引であり、「海外」は海外に営業拠点を有する連結子会社の取引であります。

2.相殺消去額は、親子会社間の内部取引の相殺消去額等を記載しております。

 

(2)国内・海外別資金運用/調達の状況

当連結会計年度の資金運用勘定の平均残高は、前連結会計年度比3,763億30百万円増加の6兆2,016億52百万円となりました。資金運用利息は、前連結会計年度比85億45百万円増加し716億69万円となり、この結果、資金運用利回りは前連結会計年度比0.07ポイント上昇の1.15%となりました。

一方、資金調達勘定の平均残高は、前連結会計年度比3,040億66百万円増加の6兆2,869億59百万円となりました。資金調達利息は、前連結会計年度比20億86百万円増加し32億62百万円となり、この結果、資金調達利回りは前連結会計年度比0.03ポイント上昇の0.05%となりました。

 

① 国内

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前連結会計年度

6,093,505

68,412

1.12

当連結会計年度

6,662,149

82,951

1.24

うち貸出金

前連結会計年度

4,123,390

49,994

1.21

当連結会計年度

4,700,955

58,771

1.25

うち商品有価証券

前連結会計年度

817

3

0.41

当連結会計年度

845

3

0.37

うち有価証券

前連結会計年度

1,213,003

16,684

1.37

当連結会計年度

1,156,707

22,384

1.93

うちコールローン及び買入手形

前連結会計年度

17,621

12

0.07

当連結会計年度

14,772

100

0.67

うち預け金

前連結会計年度

636,873

1,188

0.18

当連結会計年度

692,442

1,069

0.15

資金調達勘定

前連結会計年度

6,047,787

1,398

0.02

当連結会計年度

6,539,290

4,840

0.07

うち預金

前連結会計年度

5,115,066

844

0.01

当連結会計年度

5,323,630

1,482

0.02

うち譲渡性預金

前連結会計年度

12,674

2

0.02

当連結会計年度

10,160

2

0.02

うちコールマネー及び売渡手形

前連結会計年度

273,142

33

0.01

当連結会計年度

390,440

72

0.01

うち債券貸借取引受入担保金

前連結会計年度

288,542

231

0.08

当連結会計年度

224,675

1,473

0.65

うち借用金

前連結会計年度

353,402

155

0.04

当連結会計年度

582,673

1,680

0.28

(注)1.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、国内(連結)子会社及び海外に営業拠点を有しない海外(連結)子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。

2.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高を控除して表示しております。

3.「国内」は当社及び海外に営業拠点を有しない(連結)子会社の取引であります。

 

② 海外

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前連結会計年度

108

1

1.02

当連結会計年度

143

1

0.88

うち貸出金

前連結会計年度

当連結会計年度

うち商品有価証券

前連結会計年度

当連結会計年度

うち有価証券

前連結会計年度

当連結会計年度

うちコールローン及び買入手形

前連結会計年度

当連結会計年度

うち預け金

前連結会計年度

108

1

1.02

当連結会計年度

143

1

0.88

資金調達勘定

前連結会計年度

当連結会計年度

うち預金

前連結会計年度

当連結会計年度

うち譲渡性預金

前連結会計年度

当連結会計年度

うちコールマネー及び売渡手形

前連結会計年度

当連結会計年度

うち債券貸借取引受入担保金

前連結会計年度

当連結会計年度

うち借用金

前連結会計年度

当連結会計年度

(注)1.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、海外に営業拠点を有する海外(連結)子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。

2.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高を控除して表示しております。

3.「海外」は海外に営業拠点を有する(連結)子会社の取引であります。

 

③ 合計

種類

期別

平均残高(百万円)

利息(百万円)

利回り

(%)

小計

相殺消去額(△)

合計

小計

相殺消去

額(△)

合計

資金運用勘定

前連結会計年度

6,093,614

268,292

5,825,321

68,413

5,289

63,124

1.08

当連結会計年度

6,662,293

460,640

6,201,652

82,952

11,283

71,669

1.15

うち貸出金

前連結会計年度

4,123,390

41,559

4,081,830

49,994

117

49,877

1.22

当連結会計年度

4,700,955

209,334

4,491,621

58,771

1,476

57,294

1.27

うち商品有価証券

前連結会計年度

817

817

3

3

0.41

当連結会計年度

845

845

3

3

0.37

うち有価証券

前連結会計年度

1,213,003

202,485

1,010,518

16,684

5,171

11,513

1.13

当連結会計年度

1,156,707

207,799

948,908

22,384

9,806

12,578

1.32

うちコールローン及び買入手形

前連結会計年度

17,621

17,621

12

12

0.07

当連結会計年度

14,772

14,772

100

100

0.67

うち預け金

前連結会計年度

636,982

23,334

613,647

1,189

0

1,189

0.19

当連結会計年度

692,586

42,714

649,871

1,070

0

1,070

0.16

資金調達勘定

前連結会計年度

6,047,787

64,894

5,982,893

1,398

222

1,176

0.01

当連結会計年度

6,539,290

252,330

6,286,959

4,840

1,578

3,262

0.05

うち預金

前連結会計年度

5,115,066

20,351

5,094,715

844

0

844

0.01

当連結会計年度

5,323,630

42,286

5,281,344

1,482

0

1,482

0.02

うち譲渡性預金

前連結会計年度

12,674

2,983

9,691

2

0

2

0.02

当連結会計年度

10,160

710

9,450

2

0

2

0.02

うちコールマネー及び売渡手形

前連結会計年度

273,142

273,142

33

33

0.01

当連結会計年度

390,440

390,440

72

72

0.01

うち債券貸借取引受入担保金

前連結会計年度

288,542

288,542

231

231

0.08

当連結会計年度

224,675

224,675

1,473

1,473

0.65

うち借用金

前連結会計年度

353,402

41,559

311,842

155

117

37

0.01

当連結会計年度

582,673

209,334

373,338

1,680

1,476

203

0.05

(注)1.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高を控除して表示しております。

2.平均残高の相殺消去額は、親子会社間の債権・債務の相殺消去額を記載しております。なお、有価証券については、投資と資本の相殺消去額も含めて記載しております。

3.利息の相殺消去額は、親子会社間の内部取引の相殺消去額を記載しております。

 

(3)国内・海外別役務取引の状況

役務取引等収益は、前連結会計年度比18億75百万円増加の205億56百万円となりました。また、役務取引等費用は、前連結会計年度比3億93百万円増加の37億97百万円となりました。

種類

期別

国内

海外

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

役務取引等収益

前連結会計年度

20,592

106

2,017

18,681

当連結会計年度

22,423

144

2,011

20,556

うち預金・貸出業務

前連結会計年度

754

754

当連結会計年度

757

757

うち為替業務

前連結会計年度

3,177

1

3,176

当連結会計年度

2,659

1

2,657

うち証券関連業務

前連結会計年度

2,058

93

1,965

当連結会計年度

2,177

66

2,110

うち代理業務

前連結会計年度

2,532

2,532

当連結会計年度

2,696

2,696

うち保護預り・貸金庫業務

前連結会計年度

289

289

当連結会計年度

271

271

うち保証業務

前連結会計年度

1,640

660

979

当連結会計年度

1,504

643

861

役務取引等費用

前連結会計年度

4,101

697

3,403

当連結会計年度

4,466

669

3,797

うち為替業務

前連結会計年度

613

613

当連結会計年度

462

462

(注)1.「国内」は当社及び海外に営業拠点を有しない連結子会社の取引であり、「海外」は海外に営業拠点を有する(連結)子会社の取引であります。

2.相殺消去額は、親子会社間の内部取引の相殺消去額等を記載しております。

 

(4)国内・海外別預金残高の状況

○ 預金の種類別残高(末残)

種類

期別

国内

海外

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

預金合計

前連結会計年度

5,181,823

24,239

5,157,583

当連結会計年度

5,684,107

58,720

5,625,386

うち流動性預金

前連結会計年度

3,416,544

17,259

3,399,284

当連結会計年度

3,627,444

51,621

3,575,822

うち定期性預金

前連結会計年度

1,718,713

6,979

1,711,733

当連結会計年度

1,985,704

7,098

1,978,605

うちその他

前連結会計年度

46,565

46,565

当連結会計年度

70,958

70,958

譲渡性預金

前連結会計年度

11,630

2,130

9,500

当連結会計年度

9,500

9,500

 総合計

前連結会計年度

5,193,453

26,369

5,167,083

当連結会計年度

5,693,607

58,720

5,634,886

(注)1.「国内」は当社及び海外に営業拠点を有しない連結子会社の取引であり、「海外」は海外に営業拠点を有する連結子会社の取引であります。

2.預金の区分は、次のとおりであります。

a.流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金

b.定期性預金=定期預金+定期積金

3.相殺消去額は、親子会社間の内部取引の相殺消去額等を記載しております。

 

(5)国内・海外別貸出金残高の状況

① 業種別貸出状況(末残・構成比)

業種別

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

国内業務部門

(除く特別国際金融取引勘定分)

4,346,138

100.00

4,706,163

100.00

製造業

347,532

7.99

388,286

8.25

農業,林業

1,142

0.02

1,285

0.02

漁業

114

0.00

314

0.00

鉱業,採石業,砂利採取業

1,485

0.03

1,773

0.03

建設業

230,856

5.31

225,686

4.79

電気・ガス・熱供給・水道業

23,478

0.54

21,296

0.45

情報通信業

120,872

2.78

133,563

2.83

運輸業,郵便業

84,211

1.93

76,847

1.63

卸売業,小売業

545,185

12.54

557,232

11.84

金融業,保険業

268,258

6.17

344,970

7.33

不動産業

1,222,634

28.13

1,392,496

29.58

不動産取引業   (注)2

461,005

10.60

555,423

11.80

不動産賃貸業等  (注)2

761,629

17.52

837,072

17.78

物品賃貸業

87,086

2.00

91,991

1.95

学術研究,専門・技術サービス業

82,769

1.90

94,491

2.00

宿泊業

18,579

0.42

16,222

0.34

飲食業

56,631

1.30

59,141

1.25

生活関連サービス業,娯楽業

74,886

1.72

86,561

1.83

教育,学習支援業

35,849

0.82

43,266

0.91

医療・福祉

172,870

3.97

201,013

4.27

その他サービス

131,143

3.01

121,641

2.58

地方公共団体

103,377

2.37

88,045

1.87

その他

737,170

16.96

760,033

16.14

海外及び特別国際金融取引勘定分

政府系

金融機関

その他

 合計

4,346,138

――

4,706,163

――

(注)1.「国内」は当社及び海外に営業拠点を有しない連結子会社の取引であり、「海外」は海外に営業拠点を有する連結子会社の取引であります。

2.不動産取引業とは不動産取引の免許を有する業者による不動産業であり、不動産賃貸業等とは主にアパート経営等を営む個人経営者による賃貸業等であります。

 

② 外国政府等向け債権残高(国別)

該当事項はありません。

 

(6)国内・海外別有価証券の状況

○ 有価証券残高(末残)

種類

期別

国内

海外

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

国債

前連結会計年度

226,908

226,908

当連結会計年度

147,887

147,887

地方債

前連結会計年度

62,705

62,705

当連結会計年度

62,398

62,398

社債

前連結会計年度

276,545

276,545

当連結会計年度

249,407

249,407

株式

前連結会計年度

250,452

202,301

48,151

当連結会計年度

267,577

216,778

50,799

その他の証券

前連結会計年度

398,496

50

398,446

当連結会計年度

346,532

49

346,483

合計

前連結会計年度

1,215,107

202,351

1,012,755

当連結会計年度

1,073,804

216,828

856,976

(注)1.「国内」は当社及び海外に営業拠点を有しない連結子会社の取引であり、「海外」は海外に営業拠点を有する(連結)子会社の取引であります。

2.相殺消去額には、資本連結等に伴い相殺消去した金額を記載しております。

3.「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。

 

(自己資本比率の状況)

(参考)

自己資本比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第20号。以下「告示」という。)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。

なお、当社は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては基礎的手法を、それぞれ採用しております。

 

連結自己資本比率(国内基準)

 

(単位:億円、%)

 

2023年3月31日

1.連結自己資本比率(2/3)

8.09

2.連結における自己資本の額

3,163

3.リスク・アセットの額

39,066

4.連結総所要自己資本額

1,562

 

(資産の査定)

(参考)

資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、株式会社きらぼし銀行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について、債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。

 

1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権

破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。

 

2.危険債権

危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。

 

3.要管理債権

要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。

 

4.正常債権

正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。

 

株式会社きらぼし銀行(単体)の資産の査定の額

債権の区分

2022年3月31日

2023年3月31日

金額(億円)

金額(億円)

破産更生債権及びこれらに準ずる債権

198

228

危険債権

1,051

873

要管理債権

84

76

正常債権

42,922

46,613

 

 

「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づく信託業務の状況

連結子会社のうち、「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は、株式会社きらぼし銀行1社であります。

 

① 信託財産の運用/受入状況(信託財産残高表)

資産

科目

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

貸出金

2,733

3.32

2,452

2.16

金銭債権

25,198

30.63

20,886

18.40

有形固定資産

52,428

63.73

87,578

77.18

その他債権

0

0.00

0

0.00

現金預け金

1,902

2.31

2,551

2.24

合計

82,263

100.00

113,469

100.00

 

負債

科目

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

特定金銭信託

2,851

3.46

2,820

2.48

金銭債権の信託

25,453

30.94

20,932

18.44

包括信託

53,958

65.59

89,716

79.06

合計

82,263

100.00

113,469

100.00

 

② 貸出金残高の状況(業種別貸出状況)

業種別

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

製造業

農業、林業

漁業

鉱業、採石業、砂利採取業

建設業

電気・ガス・熱供給・水道業

情報通信業

運輸業、郵便業

卸売業、小売業

金融業、保険業

不動産業

270

9.87

240

9.78

不動産取引業   (注)

不動産賃貸業等  (注)

270

9.87

240

9.78

物品賃貸業

学術研究、専門・技術サービス業

宿泊業

飲食業

生活関連サービス業、娯楽業

教育、学習支援業

医療・福祉

その他サービス

2,463

90.12

2,212

90.21

地方公共団体

その他

 合計

2,733

──

2,452

──

(注) 不動産取引業とは不動産取引の免許を有する業者による不動産業であり、不動産賃貸業等とは主にアパート経営等を営む個人経営者による賃貸業等であります。

 

③ 元本補てん契約のある信託の運用/受入状況

該当事項はありません。

 

 

2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。

 

(1)中期経営計画の進捗状況

当社グループでは「金融にも強い総合サービス業」の具現化に向け、「お客さまの新しい価値を創造する東京発プラットフォーマーとなる」ことを中期経営計画のビジョンに掲げ、DX推進による経営基盤の改革とビジネスモデルの構造改革等に取り組んでまいりました。

 

① DXの推進

当社グループでは、デジタルバンク「UI銀行」および「きらぼしテック」をグループのDX戦略の中核として位置付け、デジタル戦略を展開しております。

UI銀行では、アプリ機能の拡充を目的に、夫婦の共有家計簿・貯金アプリを提供する株式会社OsidOriと業務提携契約を締結し、運営するオウドメディア「UI未来Base」を通じて生まれた異業種連携により、小田急ロマンスカー社内用コンテンツとして、株式会社フライヤーが手掛ける要約本を提供するサービスを実現しました。さらに、在留外国人向け支援として、サブスク型多言語モバイル金融サービスの開発・運営を行うG-Bank Technologies OÜおよび同社傘下の日本法人 株式会社GIG-A社が運営する多言語モバイル金融サービス「GIG-A(ギガ―)」にAPI連携を含めたBaaS型のサービスの提供を開始しました。

きらぼしテックでは、スマホ向けキャッシュレス決済アプリ「ララQ」において、各種キャンペーンの実施や他社Payへのチャージ等の機能の拡充を図り、更なる利便性の向上に取り組みました。また、UI銀行と連携して、UI銀行の口座からデジタルマネー「ララPay」(※)へスマホ操作のみで残高を即時チャージする機能を提供し、お客さまに「ララQ」とUI銀行のサービスを相互に利用いただける機能の拡充を図りました。

その他、きらぼし銀行では、取引先企業の事業成長に質するデータの利活用やAIの活用に関する分析・開発を目的に、日本リスク・データ・バンク株式会社とAIサポートによる高水準コンサルティング営業の実現に向けた基本合意書を締結し、デジタル・対面チャネルを通して、お客さまの課題解決および企業価値向上に取り組んでおります。

※ララPay:きらぼしテックが提供するスマホ向けキャッシュレス決済アプリ「ララQ」の電子マネーの

       決済サービスの名称です。

 

② ビジネス構造改革とグループ連携

法人のお客さまに対しては、きらぼし銀行では、更なる専門性の高度化等を目的に、SF部から不動産ノンリコースローンの業務等を担う部署として「RF部」、PEファンド等への出資業務等を担う部署として「PE室」をそれぞれ独立させました。また、サービス面でのファーストコール(FC)の進化および首都圏におけるシェア向上を目的に、新規開拓に特化した「FCサービス事業部」を設置したほか、本店営業部内の位置付けであった「公共・政策法人部」を、市場性貸出の重要性等に鑑み独立部として設置しました。

具体的な取組みとしては、スタートアップ支援として、外国人が起業しやすい環境の整備を目的に東京都が実施する「外国人起業家の資金調達支援事業」に取扱金融機関として参画したほか、きらぼし銀行が運営するインキュベーション施設「KicSpace HANEDA」にて、将来性のあるスタートアップ企業の事業化・成長化支援を目的としたアクセラレーションプログラム「KicSpace Accelerator(キックスペース アクセラレーター)」を実施しました。2023年3月には「KicSpace Accelerator」支援企業7社の実施報告の最終ピッチを行い、最新技術やアイデアを持つ企業と連携したいというお客さまに多数ご参加いただきました。また、オープンイノベーションに向けた取組みとして、川崎重工のロボット実証施設「Future Lab HANEDA」など、羽田イノベーションシティでの施設間連携により、さまざまな社会課題解決に向けた未来につながるエコシステムの構築に取り組みました。

その他、きらぼしキャピタルでは将来性豊かな成長企業に対する投資を目的に、「きらぼしキャピタル夢・はばたき2号投資事業有限責任組合」を組成し、多様化する資金調達ニーズにお応えすべく、お客さまのライフステージにおけるあらゆる経営課題に取り組んでおります。

海外展開支援においては、マーケットイン型のコンサルティングを目指す中、きらぼし銀行ときらぼしコンサルティングが連携して日本初となるベトナム精白米の輸入販売をサポートしました。このベトナム精白米の輸入支援を通じて、ベトナム企業やベトナム政府機関とのコネクションを構築し、ベトナム・タンロングループとの業務提携契約を締結いたしました。

個人のお客さまに対しては、お客さま本位の業務運営に取り組む中、富裕層、オーナー層などのお客さまが抱える課題に対し、これまで以上に寄り添い、質の高いご提案ができる体制の構築を目的として、「PB推進部」を設置しました。また、UI銀行では、スマートフォンで手続きが完結する個人ローンの取扱いを開始し、幅広い世代の方にご満足いただける金融商品・サービスの提供に努めました。

このほか、当社はグループの体制面として、将来像に掲げる「金融にも強い総合サービス業」の実現に向け、広告企画制作を手がける「株式会社ビー・ブレーブ」を子会社化するとともに、アフターコロナを見据えた更なる金融支援や債権管理業務等への対応強化を目的として、「エイチ・エス債権回収株式会社」(2023年4月1日に「きらぼし債権回収株式会社」へ商号変更)をきらぼし銀行の子会社化し、グループ機能の更なる拡充を図りました。

 

③ 経営基盤の改革とリソースアロケーション

当社グループは、店舗ネットワークの再構築の一環として、湘南エリアでの営業力強化を図るため、2022年8月に藤沢支店を開設しました。また、UI銀行等の活用により戦略的店舗配置を進めた結果、2022年3月末における117拠点から、2023年3月末は114拠点となりました。さらに、店舗運営の効率化を図るべく、順次、次世代店舗の導入を進めております。

 

④ 人材育成と人事制度の改革

当社グループは、役職員全員が共通して持つべき意識・価値観・考え方として、「社会貢献・組織の発展、自己実現、自らの幸せを実現させること」を「きらぼしフィロソフィー」として策定しています。同時に、「きらぼしフィロソフィー」を実践する職員を「きらぼしびと」と定義し、3つの行動指針(“高い志”を持つ人、どうしたら出来るのか常に考えるひと、結果にコミットし果敢に挑戦し続けるひと)のもと、付加か価値の高いサービスを提供できる人材の育成に努めています。

具体的には、法人のお客さま向けに高度な金融支援の提案を行う人材を育成する「SF道場」や、資産継承、資産運用における問題解決に向けた高い提案力を身につける「PB道場」等の研修プログラムによりプロフェッショナル人材の育成に取り組むほか、きらぼしびとの行動指針の浸透を目的とした「きらぼしびと」研修を実施し、高いスキルとマインドを兼ね備えた「きらぼしびと」の育成に取り組んでいます。

そのほか、役割(ジョブ)型の人事制度体系を活用し、外部の専門人材の登用を積極的に進め、グループを通じて付加価値の高いサービス提供が行える体制を作ると共に、スキルやノウハウの伝承に取り組んでおります。

 

⑤ サステナビリティへの取組み

商品・サービスを通じた取組みにおいては、グリーンローンやソーシャルローン、サステナビリティ・リンク・ローンに加え、東京都と連携した「きらぼし脱炭素応援ローン」や「きらぼしサステナビリティ・リンク・ローン」の取扱いを開始いたしました。大企業から中堅・中小企業までお客さまのサステナビリティ経営における課題解決支援に向けたソリューションの充実・強化を図りました。

また、きらぼしコンサルティングでは、お客さまのSDGsへの取組みにおける優先課題を「見える化」する「きらぼしSDGs評価プログラム」サービスを提供し、サステナビリティ分野における課題解決支援に取り組みました。

スポーツ振興を通じたサステナビリティへの取組みにおいては、府中市との共催イベント「ラグビーのまち府中で車いすラグビーを体験しよう!」を開催したほか、目覚ましい成長を続けるeスポーツ市場に注目し、eスポーツチーム「Meteor(ミーティア)」を運営する「株式会社Litm(リトム)」とオフィシャルスポンサー契約を締結するなど、地域経済と地域社会の持続的な発展への貢献に努めました。

当社グループ内においても、2022年6月より、本社ビルで使用する電力を再生可能エネルギー由来電力に切り替えたほか、きらぼし銀行の営業車両全台を環境配慮型車両へ入れ替え、併せて本店ビル内に電気自動車用の急速充電設備を設置するなど環境負荷軽減に向けた取組みを実施しました。

 

 

(当社グループの業績)

[連結粗利益]

当社グループの当連結会計年度の連結粗利益につきましては、資金利益が前連結会計年度比64億円の増加、役務取引等利益が同比14億円の増加、その他業務利益が同比42億円減少したことから、同比37億円増加の828億円となりました。

 

[経常利益]

経常利益につきましては、前連結会計年度比58億円増加し、307億円となりました。その主な要因につきましては、上記のとおり連結粗利益が同比37億円増加したことに加え、継続的な与信管理体制の強化等により与信関係費用が同比42億円減少したほか、株式等関係損益が同比38億円増加した一方、持分法適用関連会社の子会社による不動産売却益の計上に伴う持分法投資利益が同比29億円減少したこと等によります。

 

[親会社株主に帰属する当期純利益]

上記のとおり経常利益が増加したこと等を主な要因として、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比29億円増加の211億円となりました。

 

 

2022年度(計画)

2022年度(実績)

計画比

経常利益(連結)

278億円

307億円

+29億円

親会社株主に帰属する

当期純利益(連結)

195億円

211億円

+16億円

 

 

損益の概要(東京きらぼしフィナンシャルグループ〔連結〕)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

2022年度

(2023年3月期)

 

 

2021年度

(2022年3月期)

前期比

 

連結経常収益

1

125,291

16,943

 

108,348

連結粗利益

2

82,811

3,730

 

79,081

(除く国債等債券損益(5勘定尻))

3

(89,482)

(10,278)

 

(79,203)

 

資金利益

4

68,407

6,459

 

61,947

信託報酬

5

395

67

 

328

役務取引等利益

6

16,759

1,482

 

15,277

その他業務利益

7

△2,750

△4,278

 

1,528

経費(除く臨時処理分)

8

57,788

1,334

 

56,454

与信関係費用

9

2,258

△4,224

 

6,482

 

貸出金償却

10

19

9

 

9

個別貸倒引当金繰入額

11

4,583

97

 

4,485

その他与信関係費用

12

△2,344

△4,331

 

1,986

株式等関係損益

13

4,646

3,819

 

826

持分法による投資損益

14

3,569

△2,970

 

6,540

その他

15

△206

△1,637

 

1,431

経常利益

16

30,774

5,830

 

24,943

特別損益

17

1,093

1,266

 

△172

税金等調整前当期純利益

18

31,867

7,096

 

24,771

法人税等合計

19

10,798

4,210

 

6,588

 

法人税、住民税及び事業税

20

7,907

3,041

 

4,865

法人税等調整額

21

2,891

1,169

 

1,722

当期純利益

22

21,069

2,886

 

18,183

非支配株主に帰属する当期純損失(△)

23

△80

△80

 

親会社株主に帰属する当期純利益

24

21,150

2,967

 

18,183

 

 

《きらぼし銀行の業績》

[業務粗利益]

当事業年度の業務粗利益につきましては、資金利益が前事業年度比87億円の増加、役務取引等利益が同比11億円の増加、その他業務利益が同比28億円減少したことから、同比71億円増加の857億円となりました。

 

○ 資金利益につきましては、同比87億円増加し、744億円となりました。その主な要因につきましては、メイン化取引の推進や事業性ファイナンスへの取組み等による貸出金残高の増加や貸出金利回りの上昇で貸出金利息が同比74億円増加したほか、持分法適用関連会社からの配当金(64億円)の受取等により有価証券利息配当金が同比40億円増加したこと等によります。

○ 役務取引等利益につきましては、同比11億円増加し、123億円となりました。その主な要因は、事業性ファイナンス等の法人向け役務収益が堅調に推移したこと等によります。

○ その他業務利益につきましては、同比28億円減少し、△14億円となりました。その主な要因としては外国債券の売却損73億円の計上により国債等債券売却損が同比95億円増加したこと等によります。

 

[経常利益]

経常利益につきましては、前事業年度比105億円増加し、365億円となりました。その主な要因につきましては、上記のとおり業務粗利益が同比71億円増加したことに加え、DX施策等前向きな投資などを実施した一方、経営効率化に向けた採用抑制による人員数の減少等により経費が同比9億円減少するとともに、継続的な与信管理体制の強化等により与信関係費用が同比43億円減少したこと等によります。

 

[当期純利益]

当期純利益につきましては、前事業年度比89億円増加し、274億円となりました。その主な要因につきましては、上記のとおり経常利益が増加したことに加え、退職給付信託資産の一部を銀行に返還したこと等に伴い特別利益が同比19億円増加した一方、法人税等合計が同比33億円増加したこと等によります。

 

 

損益の概要(きらぼし銀行)

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

2022年度

(2023年3月期)

 

 

2021年度

(2022年3月期)

 

 

 

 

 

前期比

 

経常収益

 

1

110,764

17,008

 

93,755

業務粗利益

 

2

85,753

7,199

 

78,554

(除く国債等債券損益(5勘定尻))

〔コア業務粗利益〕

3

(90,763)

(12,086)

 

(78,676)

 

国内業務粗利益

 

4

88,234

14,568

 

73,665

 

(除く国債等債券損益(5勘定尻))

 

5

(85,917)

(12,456)

 

(73,461)

 

 

資金利益

 

6

69,946

7,771

 

62,174

 

 

信託報酬

 

7

395

67

 

328

 

 

役務取引等利益

 

8

12,183

1,210

 

10,972

 

 

その他業務利益

 

9

5,708

5,518

 

189

 

国際業務粗利益

 

10

△2,480

△7,368

 

4,888

 

(除く国債等債券損益(5勘定尻))

 

11

(4,845)

(△369)

 

(5,215)

 

 

資金利益

 

12

4,487

980

 

3,506

 

 

役務取引等利益

 

13

204

△15

 

220

 

 

その他業務利益

 

14

△7,171

△8,333

 

1,161

経費(除く臨時処理分)

 

15

50,448

△957

 

51,406

 

人件費

 

16

22,333

△913

 

23,247

 

物件費

 

17

23,848

90

 

23,757

 

税金

 

18

4,266

△134

 

4,401

業務純益(一般貸倒引当金繰入前)

〔実質業務純益〕

19

35,304

8,156

 

27,147

(除く国債等債券損益(5勘定尻))

〔コア業務純益〕

20

(40,314)

(13,044)

 

(27,270)

(コア業務純益(除く投資信託解約損益))

21

(40,392)

(13,074)

 

(27,318)

一般貸倒引当金繰入額

22

△2,562

△4,202

 

1,639

業務純益

 

23

37,867

12,359

 

25,508

(うち国債等債券損益(5勘定尻))

24

(△5,009)

(△4,887)

 

(△122)

臨時損益

 

25

△1,306

△1,804

 

497

 

不良債権処理額

26

4,617

△117

 

4,734

 

 

貸出金償却

 

27

 

 

 

個別貸倒引当金繰入額

 

28

4,238

△163

 

4,402

 

 

債権売却損

 

29

0

 

△0

 

 

偶発損失引当金繰入額

 

30

126

162

 

△36

 

 

信用保証協会責任共有制度負担金

31

240

△118

 

359

 

 

その他不良債権処理額

 

32

12

2

 

9

 

貸倒引当金戻入益

33

 

 

償却債権取立益

 

34

74

29

 

44

 

株式等関係損益

 

35

4,811

390

 

4,421

 

 

株式等売却益

 

36

5,667

△1,470

 

7,138

 

 

株式等売却損

 

37

855

△1,574

 

2,430

 

 

株式等償却

 

38

△286

 

286

 

その他臨時損益

 

39

△1,575

△2,341

 

766

経常利益

 

40

36,561

10,555

 

26,006

特別損益

 

41

1,569

1,731

 

△162

税引前当期純利益

 

42

38,130

12,286

 

25,844

法人税等合計

 

43

10,704

3,344

 

7,359

 

法人税、住民税及び事業税

 

44

7,037

2,917

 

4,119

 

法人税等調整額

 

45

3,666

426

 

3,240

当期純利益

 

46

27,426

8,942

 

18,484

 

 

 

 

 

 

 

 

 

与信関係費用

①+②-③

47

2,054

△4,319

 

6,373

 

 

 

〔連結〕

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

経常収益

 

48

109,618

10,352

 

99,266

経常利益

 

49

34,512

4,023

 

30,488

親会社株主に帰属する当期純利益

 

50

25,068

2,417

 

22,651

 

 

(重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定)

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

次連結会計年度において計画している重要な設備の新設及び資金調達方法は、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)新設、改修」に記載のとおりであります。

また、当社グループは、銀行業務を中心にリース業務や証券業業務、コンサルティングサービスなどの事業を行っており、現在及び将来の事業活動のために適切な水準の流動性を維持することが重要だと認識しており、その管理の枠組みを定め運営を行っております。銀行法・金融商品取引法などの各種法令及び金融庁、その他関係規制当局の定める各種規制を遵守することに加え、これらに準拠した社内規程を策定・運用しながら、支払能力を確保し、資金の流出に備えた十分な流動性資産(現預金等)を保有するように努めております。また、お客さまからの預金を主な源泉とし、営業エリア内の中小企業向けの融資を中心とした貸出と主に市場性のある有価証券投資を行う中で、資金の流出に備え円滑な決済等に必要な水準の流動性を確保しております。

このほか、株主還元は配当を基本とし、適正な内部留保による財務の健全性の確保に努めるとともに、株主の皆さまに対する利益還元を経営の重要施策の一つと位置付け、継続的かつ安定的な配当を実施しております。

 

生産、受注及び販売の実績

「生産、受注及び販売の実績」は、銀行持株会社としての業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。