第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「革新」「法令順守」「環境」の3つを経営の柱とし、常にお客様を第一に考え、人・物・情報を集積・発信し、印刷を核に持続的に発展し、社会に貢献することを経営理念として掲げ、さらに以下の5つの経営基本方針によって当社が目指すべき姿を明確にしております。

① 積極経営

変化に迅速に対応できる企業を目指すため、俊敏な判断力と行動力で対応するとともに前向きな投資には積極的に取り組んでまいります。

② イノベーション経営

柔軟で多面的な広い視野を持ち、継続的に変革・革新を続けます。

③ コンプライアンス経営

法令、規律を順守し、社会的信用のある企業経営を堅持します。

④ 環境経営

ISO14001、FSC認証取得企業として、環境保全に積極的に取組んでまいります。

⑤ 人間尊重企業

自由闊達の社風を尊重し、社員の主体性、創造性、チャレンジ精神を大切にします。

 

(2) 目標とする経営指標

当社は、生産性の向上と経費削減を推進することにより営業利益率を高め、自己資本当期純利益率(ROE)を向上することを目標とし、企業価値の増大に努めていく所存であります。

 

(3) 経営環境及び対処すべき課題

今後の見通しにつきましては、世界経済は、ウクライナや中東地域での情勢不安の長期化などの地政学リスクや、各国の金融引き締めなど、先行き不透明な状況が続くものと思われます。また、日本経済においては、景気回復が期待されるものの、人件費や物流費の増加などの影響が懸念されます。

なお、当社グループとしましては、2025年に向けた90周年スローガン「Challenge for Change 2025 ~変革への挑戦~」のフェーズ2となるメインテーマとして2022年度より「One Sun Messe」を掲げ、更なる事業成長と企業価値向上を実現できるよう努めております。また、次年度の基本戦略のテーマを『印刷を、超える。』として、本業の印刷事業を超える事業変革の推進と構造を確立していくチャレンジの年として、2035年の創業100周年に向けて確実な一歩を踏みだすための重要な年と位置づけてまいります。

 

①企業理念及びサンメッセフィロソフィー

当社は「革新・法令順守・環境の3つを経営の柱とし、常にお客様を第一に考え、人・物・情報を集積・発信し、印刷を核に、持続的に発展し、社会に貢献します。」を経営理念に掲げています。また、100周年(2035年)のありたい姿に向け、「サンメッセらしさ」を定義した「サンメッセフィロソフィー」を2020年に策定(2024年に一部改訂)し、その浸透を図っています。

これらを当社のDNAとし、中長期経営アクションプランの推進に向け、お客さまにとって価値あるサービスの提供を追求し、地球環境に配慮した経営を推進し社会に貢献するとともに、業績の維持・拡大を図り一層の企業価値向上を目指しています。

 

②当社を取り巻く環境

Society5.0(*1)というビジョンのもと、デジタル庁の発足により国の施策としてのデジタル化が強力に推進され、SDGsやサステナビリティに対する意識が高まっています。

さらにはリモートワークの急激な普及などによって、ペーパーレス化が予想以上の速さで進んでおり、印刷業界を取り巻く環境はより厳しさを増しています。また、為替相場における円安や地政学的リスクにより、エネルギーや資材価格、物流コストなどが軒並み高騰し、大きく利益に影響を及ぼしています。

このような事業環境において、商業印刷のみに依存しない新たな提供価値の創出に向けた具体的なアクションを加速していくことが必要です。

(*1) 内閣府の「第5期科学技術基本計画」において、我が国が目指すべき未来社会の姿として提唱された概念。

 


 

③Innovation for 100th anniversary サンメッセ 新・中長期経営のアクションプラン

急激な環境変化に対応すべく、当社は、2019年度からInnovation for 100th anniversary サンメッセ 新・中長期経営のアクションプランを達成すべく、2035年100周年の “ありたい姿”を追求し、その中期的位置づけである2025年に向けたスローガン「Challenge for Change 2025 ~変革への挑戦~」を推進し、夢ある企業への創造に向けたチャレンジを行っております。

 


 

2022年度からはフェーズ2として「One Sun Messe」をキーワードに取り組みを進めており、2024年度は「印刷を、超える。」をテーマに、本業の印刷事業を超えるための事業変革を推進していくストラクチャーの確立にチャレンジしていきます。

「Challenge for Change 2025」では当社の強みである「社内一貫生産による一社責任体制」を最大限活かし、「守る」、「攻める」、「挑戦する」という3つの重点基本戦略を推し進めています。

社会変化の加速化が進み、ペーパーレス化の傾向は止まらぬ中、デジタル転換への進展と業務のオートメーション化はより進化しています。業務効率改善に向けたデジタル・トランスフォーメーション(DX)にも対応し、コアである商業印刷事業を堅持しながらも成長事業への戦略的重点投資を図り、事業ポートフォリオの変革に挑戦しています。

 

④事業ポートフォリオ改革と資本政策

2018年度から新たな成長戦略として取り組んできた情報セキュリティ事業(IPS(*2)事業)、パッケージ事業、情報コミュニケーション事業(コーポレート・コミュニケーション事業、ICT事業)、BPO(*3)事業など、付加価値の高い印刷事業へのシフトを推進しています。この総合印刷企業でありながらも、新たな価値を活かすことこそが当社最大の強みであり、これら事業がようやく形になりつつあることで、本年度においてはその事業内訳としてのセグメント公表を予定しています。事業セグメントの情報開示イメージは図表の通りとなり、コア事業である商業印刷事業は全体でシュリンクする傾向下にある中、情報セキュリティ、パッケージ、情報コミュニケーション、BPOの各事業を中心に、その他の事業にも目を向け着実な変革を図ってまいります。

事業ポートフォリオ改革と併行して進めなければならないもう一つの大きな課題は、資本政策です。事業成長を伴う設備投資を進める上で、資本コストを慎重に判断していかなければなりません。今後、「ROE」「ROA」などの経営指標を重要な位置づけとして検討し、ROIC(投下資本利益率)を経営目標として掲げる検討を進め今後の経営推進に活かしていく予定です。そのためには、本業の利益向上を第一に取り組むとともに、資産効率の向上、政策保有株式の縮減あるいは一部売却の検討も視野に入れ、資本コストや株価を意識した経営推進の計画を進めてまいります。

(*2) Information Processing Service

(*3) Business Process Outsourcing 企業活動における業務プロセスを専門業者に委託すること

 


 

⑤戦略的人財改革 ~100周年を見据えた90周年事業のスタート~

人的資本経営の重要性が問われる中、当社では人財活用を戦略として位置づけ、当社ならではの人事戦略の構築を進めています。次世代を担うリーダーシップの育成や経営に関わるスキルを習得する機会を提供するほか、個人のスキルを活かせる専門職の導入、より柔軟な働き方の整備など、会社と個人がフェアで対等な関係となり、共に価値を生み出すパートナーという関係づくりを目指すため、今後、人事評価制度を見直しヒト中心の人財マネジメントを重要な視点として推進してまいります。

これらは100周年を見据えた90周年事業「印刷を、超える。」をテーマとして、本年度より、1)事業ポートフォリオ改革、2)90周年事業実行委員会を若手社員中心に設置し、会社全体の風土改革を推進、3)サクセッションプラン策定の位置づけとしたSun Messe Passion & Execution 次世代リーダー育成プラン、4)新事業開発プロジェクトと位置づけた当社の将来の収益の源泉を得るためのスタートアップ施策など、4つの具体的なアクションを推し進めます。今後も、社員の多様性をより尊重し、社員の価値観を意識した視点を大切に戦略的人事改革に果敢に挑んでまいります。

 


 

⑥サステナビリティ経営の推進

当社は、岐阜県下の上場企業で真っ先にSDGs宣言を発し、17のゴールのうち7つを貢献すべき課題として特定。本業を通じたSDGs視点を強く意識し、SDGsを経営実装すべく独自性の高い推進を図っています。

その軸となるのが、サンメッセ社会価値共創事業モデル「SSI-G(Sun Messe Social Impact Gifu)」です。当社が運営するSDGs共創プラットフォーム「Re:touch(リ:タッチ)」を中心に、文化、教育、リジェネレーション(再生)、環境、DXの5つのフィールドで、産官学やNPO/NGOなど数多くのパートナーシップの創出を実現し、岐阜県内における独自のポジションの構築に努めています。

 


 

喫緊の課題である気候変動対策については、2022年6月に当社としてのカーボンニュートラル宣言を公表。2050年カーボンニュートラルを実現すべく、来年度中にはロードマップ策とKPI策定を行い、その具体的な戦略を公表できるよう努めます。引き続きCDP(*4)への自主回答、TCFD(*5)提言、経済産業省が推進するGXリーグ(*6)にも参加し、脱炭素に向けた包括的な取り組みを進めてまいります。

また、フランスのEcoVadis(エコバディス)社が実施するサステナビリティ評価において「シルバー」を取得。2023年5月には、当社の人権や調達の考え方を示す「サンメッセ人権方針」「サンメッセサステナブル調達方針」を策定。あらゆるステークホルダーとの共創による、サステナビリティ経営推進の仕組みづくりに積極的に取り組んでいます。

 


 

(*4) Carbon Disclosure Project

(*5) 気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)

(*6) 経済産業省が公表した「GXリーグ基本構想」に基づき設置され、持続可能な成長実現を目指す企業が、様々な企業群や官公庁、大学などと一体となり、経済社会システムの変革や新たな市場を作るための実践を行う場

 

当社はこれらの活動を通じて、新・中長期経営のアクションプランに掲げる「夢ある企業への創造にチャレンジ」に取り組み、100周年、さらにその先においても、社会に選ばれる企業であり続けられるよう邁進してまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) サステナビリティ全般に関する考え方及び取り組み

①ガバナンス

当社は、長期安定的な企業価値の向上を経営の重要な課題としており、その実現のために企業を取り巻くステークホルダーの満足を図り、経済価値、社会価値、企業価値のバランスをとりながら企業全体の価値を高めていくことが重要と考えております。

当社の企業理念に基づき、Innovation for 100th anniversary サンメッセ新・中長期経営ビジョンの下、印刷を核に総合力を活かしたソリューションを提供することで、サンメッセグループ一体となり連携を強化・促進し、様々な地域課題の解決に貢献するとともに中長期経営のアクションプランを達成するための信頼高い企業像を目指しております。

この実現とサステナビリティ経営をグループ全社において推進するため、代表取締役社長が委員長を務める「サステナビリティ委員会」を設置しております。当社が取り組む環境・社会を含むCSR・サステナビリティに関わる取り組みに関する方針を定め、サンメッセグループ全体の取り組みを加速させ、今後より社会課題の解決に取り組んでまいります。

②戦略

当社は、サステナビリティ戦略の推進において、特に気候変動対策や環境に関する取り組みとして、2022年6月にカーボンニュートラル宣言を公表し、現在、具体的なロードマップ策とKPIを策定中であります。また、「ハリヨが棲める環境への持続的取り組み」を方針として掲げ、当社が環境負荷低減の取り組みを推進することで、地域全体の環境の取り組みが推進されるよう高い志を持って取り組んでおります。

また、人は財と捉え、新しい時代をリードしていく人財育成のため、階層別・職種別の社員教育を実施しております。ポストコロナ禍やワークライフバランス、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)などに対応することで、社員一人ひとりが生きがいを持って働ける環境づくりを推進しております。また、人的資本に関する情報開示のガイドラインISO30414の視点を取り入れ、人的資本経営の推進にも取り組んでおります。2023年には「サンメッセグループ人権方針」と「サステナブル調達基本方針」を策定し、グループ全体で人権の尊重に取り組んでおります。

当社は、岐阜県下の上場企業として初めてSDGs宣言を発し、現在7つのゴールに向けた経営推進を行っております。この本質には当社が創業以来大切にしてきた“事業を通じて地域社会の発展に貢献する”という普遍的なポリシーがあります。

地域への愛、お客様に対する奉仕の精神で、地域から頼られ、そして期待される存在であり続けるため、SDGs推進において事業を通じた視点を強く意識し、SDGsを経営実装すべく意欲的な推進を図っております。

パートナーシップ強化による意欲的な実践において、当社のお客様ネットワーク網を貴重な財産と認識し、民間企業はもちろん、学校教育、医療、金融、官公庁などの自治体、公共団体、NPO/NGO、個人等々、と裾野が広く多種多様なマルチステークホルダーとの協働は、今後の当社における地域での共存共栄により活かしていくものとなります。

岐阜県を中心とした市町村における各地域の社会的課題を解決するという視点を重要課題と捉え、「SDGsを共通言語」とすることでステークホルダーとの連携を意識し、既に多くの活動につなげております。

民間企業だけでなく、官公庁や自治体との協力や、岐阜県内の大学とのSDGs連携や包括協定の締結など、「共創」の取り組みを通じて地域の活性化や環境保全、次世代育成、レジリエントなまちづくりなどを実現し、様々な価値創出に向けたSDGsの達成の機会を広げております。

これらの活動を、当社独自の考え方による「社会価値共創事業モデルSSI-G(Sun Messe Social Impact Gifu)」として体系づけております。

 


 

今後、より多くのパートナーとの出逢いの場を共創に繋げていくことは、当社がサステナビリティ経営を実装し、これらの社会変革に真剣に取り組んでいく姿勢を示していくために重要なことと捉えております。当社が目指す未来への価値共創をさらに推進し、なくてはならない企業としての変革に努めてまいります。

③リスク管理

当社は、「リスク管理委員会」にて全社リスクを一元的に管理するとともに、重要リスクの対応方針や対応方法を審議し、対応状況の確認を行っております。またサステナビリティに係るリスクの選別、優先的に取り組む事柄については、サステナビリティ委員会でより詳細な検討を行い、共有しております。サステナビリティに関する重要リスクへの対応状況は、サステナビリティ委員会においてモニタリングされ、その内容は取締役会へ報告されております。

④指標及び目標

当社は、上記「②戦略」において記載した気候変動対応として、2050年のカーボンニュートラル実現及びScope1+2による温室効果ガス排出量を2030年度比46%に削減することを指標及び目標としております。

また、人財の多様性確保を含む管理指標として、ISO30414に基づく人的資本経営に関する指標で管理を行い、社員一人当たりの売上高、年間総労働時間(社員一人当たり)、女性管理職比率、育児休職の推移などを主要な指標としてその進捗を管理し、取締役会へ報告しております。

 

(2) 気候変動対策

当社は、金融安定理事会により設置された気候関連財務情報開示タスクフォース[TCFD : Task Force on Climate-related Financial Disclosures]の提言へ賛同しております。この提言に基づき、気候変動が持続的成長へ影響を及ぼすことを認識し、事業にもたらすリスクと機会のシナリオを分析することで積極的な情報開示とともに企業価値向上に努めております。

①ガバナンス

当社は、「サステナビリティ委員会」を創設し、事業戦略と結びついた社会課題の解決と、ネガティブインパクトの低減に向けた取り組みを行っております。また、「ISO実行委員会」と省エネを中心に環境保全の役割を担う「省エネ部会」による環境推進体制で、年2回行われるマネジメントレビューを通じて、サステナビリティ全般の方針や目標、その進捗や目標達成状況について社長に報告され、改善や是正の検討を行っております。

②戦略

当社は、2022年6月に「カーボンニュートラル宣言」を公表しています。気候変動に伴う移行リスク、物理リスク、機会要因などを分析し、脱炭素社会実現に向け、今後の事業ポートフォリオの転換とともに「移行計画」による戦略的な対応を行っていきます。複数のシナリオに基づく分析に基づき、その影響を特定し、実施すべき施策を決定していきます。

また、FSC®森林認証紙や環境に配慮した印刷手法の採用等により、環境印刷の受注増が期待されるほか、環境コンサルティングに関する事業機会を拡げるビジネスチャンスを活かしてまいります。


 

③リスク管理

頻発する自然災害に伴う生産拠点・工場への影響や、気候変動によって各種原材料の調達コストが増加するリスクについては物理的に影響を伴うリスクの一環として対処していきます。同時に、今後想定される規制の変化、炭素税の導入や消費者の環境配慮への意識の高まりなどの移行リスク、移行リスクの拡大による各種原材料調達のコスト増加による財務面での影響などに対しても準備をしてまいります。

④目標

気候変動関連目標として、2050年カーボンニュートラルの実現、2030年に2013年度比46%のCO2排出量削減を設定しております。2023年からは、より正確な数値把握のため、基礎排出係数から調整後排出係数に変更。それに伴い基準値及び目標値を変更しております。また、単年での目標として、「事故・刷り直し報告書のCO2を対前年度目標比20%削減」や「環境配慮印刷対応製品、サービスの提供件数及び受注件数」を目標化し、その進捗を管理しております。


(3) 人的資本及び多様性に関する考え方と取り組み

人的資本経営の重要性が問われる中、人財活用に関して戦略的に検証し、人的資本経営に関するISO30414 の視点も取り入れながら、当社ならではの人事戦略の構築を進めております。次世代を担うリーダーシップの育成や経営に関わるスキルを習得する機会を提供するほか、個人のスキルを活かせる専門職の導入や、より柔軟な働き方の整備など、会社と個人がフェアで対等な関係となり、共に価値を生み出すパートナーという関係づくりを目指した施策を行っております。

①人財育成

人財の育成においては、社員教育の注力分野として、デジタル・IT関連の教育を進めています。社会のペーパーレス化が急速に進む中、社員一人ひとりのITリテラシーを高める必要があるため、外部講師による研修などを開催していきます。

また、2024年度からは90周年事業として、サクセッションプラン策定の位置づけとした「Sun Messe Passion & Execution 次世代リーダー育成プラン」を実施しております。

階層別・職種別教育においては、それぞれの「目指す人財像」を明確にした研修を計画・実施しております。営業部門の昇進者は製造現場へ、製造部門の昇進者は営業同行するなど、部署を越えた研修を行っているほか、階層別教育として係長・チーフ職に対して中堅社員教育を行っております。

 


②社員エンゲージメント

当社では社員の会社に対する意識や問題点などを把握し、改善につなげていくため、ES(Employee Satisfaction調査)を実施しております。2023年度の調査では、総合満足度33.5%(前回32.1%)と1.4ポイント増加となりました。各項目の分析を行い、魅力ある会社にしていきます。

③多様な働き方

当社は、自宅やシェアオフィスなどでのリモートワーク、時短勤務を推奨しております。「時短や在宅勤務ができるので子育てしながらでも働きやすい」との理由から、女性の産休・育休取得率は100%、復帰率100%となっております。更に男性の育児休暇取得も推奨するとともに、出産前の社員ヒアリングなどの実践で、制度を利用しやすい環境としております。

④多様性の推進

厚生労働省が定める女性活躍推進に取り組む企業を認定する「えるぼし認定」の最高位である3つ星を2023年8月に取得しました。


「えるぼし認定」は、女性活躍推進法に基づく行動計画の策定と届け出を行った企業のうち、女性の活躍促進に関する取り組み状況が優良な企業について、厚生労働大臣が認定を行う制度です。女性が採用されてから仕事をしていく上で、能力を発揮しやすい職場環境であるかという観点から、5つの評価項目「採用」「継続就業」「労働時間等の働き方」「管理職比率」「多様なキャリアコース」の基準に応じて3段階で評価されます。

当社は5つの認定基準を全て満たし、最高位の3つ星を取得いたしました。

⑤労働安全・健康

当社では、労働安全衛生・健康経営をさらに推進していくために、2021年11月に「労働安全方針」を作成しました。2023年度の業務上災害件数は9件(前年比1件減)となっており、引き続き、労働災害を防ぐ活動を進めていきます。教育として、新入社員研修、各種セミナーのほか、労災体験会を企画し、印刷業務で発生するローラーに挟まれる危険性を認識する「はさまれ体験」なども行っております。

健康面では、製造部管理職を対象にメンタルヘルス研修会を企画し、部下のメンタル面での不調にいち早く気付くための研修を行いました。

“企業は人なり”の視点は、当社の強みを最大限発揮できる大きなチャンスとしても捉えております。これからも社会の持続的発展と、グループ全体の持続的成長を両立していくためのサステナビリティ経営をより一層推進させるための意欲的な活動として据えてまいります。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、当該リスク発生の回避及び発生した場合の対応に努めております。

ただし、記載された事項以外にも予見することが困難なリスクが存在し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、文中の将来に関する記載は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 事業を取り巻く経済環境及び需要動向に関するリスク

当社グループの主力事業である印刷事業は、開発・生産・流通・調達などの事業活動をベースとして展開しており、当社グループの業績及び財政状態は、事業活動を行ううえで経済環境や需要動向の変化により、様々な形で影響を受けております。ペーパーレス化の進行などの市場環境変化の中で、新たな事業領域において売上を拡大することができず、価格競争力向上のための原価削減施策が不十分であった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 法律・規制・著作権に関するリスク

当社グループは、事業活動を行ううえで、投資、環境保護、個人情報保護など、関連する法律や規制の適用を受けております。当社グループの事業活動に影響を及ぼすものとして、例えば、インキ溶剤に関する表示制度・規制や化学物質規制などが制定・導入されております。したがって、将来においても、新たな法律や規制により、事業活動の制約やコストの上昇など当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 事業活動中断のリスク

① 災害、戦争・テロ・暴動、社会的・政治的混乱など

当社グループは、開発・生産・流通・販売・調達などの事業活動をベースとして展開しており、様々な地域における大規模な地震や風水害などの自然災害や、戦争・テロ・暴動、ボイコット、感染症、エネルギー供給障害、交通障害を含む社会的・政治的混乱などのリスクにさらされています。さらに、政治的・経済的条件の急激かつ大幅な変動などの要因により、当社グループの事業活動の継続に支障をきたす可能性があり、その結果、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループの事業活動の中核として重要な拠点が多数所在している国内における地震災害リスクに対しては、当社グループは耐震診断の結果に基づき優先順位をつけて耐震補強工事を進めております。さらに、地震災害が発生した場合の迅速な初期対応の推進及び業務を早期に復旧継続させることを目的とした事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)の策定など、具体的に進めております。しかしながら、実際に地震災害が発生した場合には、操業の中断・縮小、施設等の損害、多額の復旧費用などにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② 情報システム障害、情報セキュリティ管理

当社グループの事業活動における情報システムの重要性は非常に高まっており、セキュリティの高度化などシステムやデータの保護に努めておりますが、それにもかかわらず、災害やサイバー攻撃など外的要因や人為的要因などにより情報システムに障害が生じた場合、重要な業務やサービスの停止、機密情報・データや個人情報の盗取や漏洩などのインシデントを引き起こし、事業活動の継続に支障をきたす可能性があります。

また、当社はプライバシーマークの認定や情報セキュリティマネジメントシステム(ISO27001)の認証を取得し、個人情報や機密情報の管理に十分留意しておりますが、今後、不測の事態により、万一情報の流失による問題が発生した場合には、当社グループのイメージや社会的信用の低下、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ ストライキ

当社グループは、円滑な労使関係の構築に努めておりますが、労使間の交渉が不調に終わり、長期間に及ぶストライキなどが発生した場合、事業活動の継続に支障をきたす可能性があり、その結果、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 気候変動に関するリスク

当社グループは、気候変動に伴い、台風の大型化、洪水や渇水の発生頻度の増加による事業活動中断のリスク、降雨パターンの変化に伴う原材料調達に関するリスクがあります。また、当社グループの生産拠点におけるCO2排出量の削減、印刷を中心とした販促ツールにおける環境負荷低減などの製品開発などに努めておりますが、国内外において気候変動対策のための制度・規制の導入が進んだ場合、事業活動の制約やコストの上昇など、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 競争激化に関するリスク

当社グループは、事業を展開する市場において多数の企業と競合しているため、価格競争が激化し受注価格の低下が発生しております。このような事業環境に対し、当社グループは、原価の低減や効率性の追求、顧客や市場への新しい付加価値の高い製品の開発と提案などによる内部努力を継続しておりますが、それらの努力で価格低下を吸収できない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 製品の欠陥に関するリスク

当社グループは、製造業者として製品の品質に万全を期すことに努めております。製品品質の確保、品質に関する早期警報システムの構築など、品質保証体制の充実に努めておりますが、予測できない原因により製品に欠陥が生じた場合は、回収費用、社会的な信用の毀損、顧客への補償や訴訟費用・賠償費用などにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 知的財産侵害に関するリスク

当社グループでは、知的財産を企業の競争力を高めるための重要な経営資源と位置づけ、第三者の知的財産権に対する侵害の予防及び保有している多数の知的財産権の保護に努めております。それにもかかわらず、当社グループの認識又は見解との相違から、第三者から知的財産権を侵害したとして訴訟を受け、当社グループとして損害賠償などが必要になった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 印刷用紙の価格変動に関するリスク

当社グループの製品の主要材料のほとんどは印刷用紙が占めております。その印刷用紙の価格は市況により変動いたします。急激な市況の変化による仕入価格の上昇により、販売価格に転嫁するまでにタイムラグが生じたり、完全に販売価格に転嫁できない場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 原材料調達に関するリスク

当社グループは、事業に使用する印刷用紙、インキ等の原材料を外部メーカーから調達しております。事業活動の維持のためには、十分な量の原材料を適正な価格で調達することが重要ですが、外部メーカーからの供給量の大幅な不足や納期の遅延などが発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 売上債権回収に関するリスク

当社グループは与信管理の強化に努めておりますが、得意先の倒産などによる貸倒れが生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 設備投資に関するリスク

当社グループは、営業キャッシュ・フロー、銀行融資等により必要資金をまかない設備投資を行っておりますが、市場環境の変化により投資回収期間が長期化したり、過大な償却費負担が業績を圧迫するなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(12) 有価証券投資に関するリスク

当連結会計年度末において当社グループが保有している投資有価証券の合計は48億86百万円であり、大半は時価のある株式です。従いまして、株式相場の変動によっては、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 感染症発生及び拡大に関する影響について

当社グループは、感染症の発生及び拡大に際して、顧客、取引先及び従業員の安全を第一に、感染拡大の影響には十分な注意を払いながら、生産・営業活動に努め、影響を最小限となるよう取り組んでまいりますが、事業を展開している地域や当社営業所・工場において感染者が発生し営業継続に支障をきたした場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、政府や自治体により発令された緊急事態宣言等による経済活動の縮小により、各種印刷物の受注やイベントの開催等が減少するなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴う社会経済活動の正常化が進む一方で、ウクライナ情勢の長期化やイスラエル等の中東情勢の緊迫等による、エネルギー価格及び原材料価格の高騰、円安の長期化、継続的な物価上昇による個人消費停滞の懸念等、依然として先行きが不透明な状況が続いております。

印刷業界におきましては、情報媒体のデジタルシフトによるペーパーメディアの需要減少や競争の激化、価格の低迷という構図が長期にわたり継続しており、加えてエネルギー価格や原材料価格の高騰等も重なり厳しい経営環境が続いております。

このような環境下にあって当社グループは、2025年に向けた90周年スローガン「Challenge for Change 2025 ~変革への挑戦~」のフェーズ2となるメインテーマとして2022年度より「One Sun Messe」を掲げ、更なる事業成長と企業価値向上を実現できるよう努めております。なお、当年度の基本戦略のテーマを『変わる、変える。』として、稼ぐ会社に変わるための具体的な施策を推進しております。また、地球環境並びに社会の持続的発展と、グループ全体の持続的成長を両立していくためのサステナビリティ経営につきましても、企業として具体的な取り組みを継続して推し進めております。

以上の結果、当連結会計年度における売上高は166億33百万円(前年同期比3.0%減)、営業利益は2億57百万円(前年同期比7.0%増)、経常利益は4億14百万円(前年同期比4.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2億57百万円(前年同期比21.6%減)となりました。

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

(印刷事業)

一般商業印刷物の売上高は、カタログなどの増加により123億54百万円(前年同期比0.9%増)となりました。また、包装印刷物の売上高は、パッケージなどの減少により25億43百万円(前年同期比6.2%減)、出版印刷物の売上高は11億20百万円(前年同期比3.2%減)、合計売上高は160億18百万円(前年同期比0.6%減)となり、営業利益は2億8百万円(前年同期比87.0%増)となりました。

(イベント事業)

イベント事業につきましては、前期において受注増となったコロナ関連事業が当期には大幅に減少したことの影響等により売上高は6億14百万円(前年同期比40.5%減)となり、営業利益は43百万円(前年同期比65.1%減)となりました。

 

財政状態につきましては、次のとおりであります。

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末と比べて4億31百万円増加して75億74百万円となりました。これは、売掛金が2億20百万円減少しましたが、現金及び預金が6億59百万円増加したこと等が主な要因であります。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末と比べて5億66百万円増加して129億75百万円となりました。これは、建物及び構築物が1億19百万円、繰延税金資産が4億10百万円それぞれ減少しましたが、投資有価証券が12億36百万円増加したこと等が主な要因であります。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末と比べて29百万円増加して53億52百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が1億21百万円減少しましたが、社債が償還まで1年内となったため1億円増加したことや、未払法人税等が58百万円増加したこと等が主な要因であります。

 

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末と比べて1億68百万円減少して30億58百万円となりました。これは、社債が償還まで1年内となったため1億円減少したことや、退職給付に係る負債が71百万円減少したこと等が主な要因であります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比べて11億37百万円増加して121億39百万円となりました。これは、利益剰余金が1億33百万円、その他有価証券評価差額金が9億63百万円それぞれ増加したこと等が主な要因であります。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、24億43百万円となり、前連結会計年度末より6億48百万円増加いたしました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は10億44百万円(前年同期は11億66百万円)となりました。収入の主な要因といたしましては、税金等調整前当期純利益4億4百万円、減価償却費6億31百万円、売上債権及び契約資産の減少額2億12百万円等であり、支出の主な要因といたしましては、仕入債務の減少額92百万円、未払消費税等の減少額1億7百万円等によるものであります。

前連結会計年度と比べ1億21百万円収入が減少した主な要因は、未払消費税等の増減額が2億66百万円減少したこと等によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、2億円(前年同期は4億65百万円)となりました。収入の主な要因といたしましては、投資有価証券の売却及び償還による収入1億45百万円であり、支出の主な要因といたしましては、有形固定資産の取得による支出3億3百万円等によるものであります。

前連結会計年度と比べ2億65百万円支出が減少した主な要因は、投資有価証券の売却及び償還による収入が1億43百万円増加したこと等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、2億2百万円(前年同期は1億32百万円)となりました。支出の主な要因といたしましては、長期借入金の返済による支出1億20百万円、配当金の支払額1億23百万円等によるものであります。

前連結会計年度と比べ69百万円支出が増加した主な要因は、長期借入金の返済による支出が1億13百万円増加したこと等によるものです。

 

 

③ 生産、受注及び販売の状況

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

印刷事業

15,780,962

99.6

イベント事業

15,780,962

99.6

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.金額は販売価格で表示しております。

 

b. 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

印刷事業

16,284,162

100.6

2,550,328

111.6

イベント事業

614,406

59.5

16,898,569

98.1

2,550,328

111.6

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.金額は販売価格で表示しております。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

印刷事業

16,018,891

99.4

イベント事業

614,406

59.5

16,633,298

97.0

 

(注) セグメント間取引については相殺消去しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。当社グループの連結財務諸表で採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1(1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたり、連結会計年度末における資産・負債の報告数値、連結会計年度における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、連結会計年度末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果とは異なる場合があります。なお、特に下記の見積りが連結財務諸表作成において重要な影響を及ぼすと考えております。

a. 繰延税金資産

当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断したうえで繰延税金資産を計上しております。将来の課税所得は過去の課税所得の推移や将来の課税所得の見込に基づいて見積っているため、税制改正や経営環境の変化等により課税所得の見積りが大きく変動した場合には、繰延税金資産の計上額が変動する可能性があります。

b. 固定資産の減損

当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、減損処理の要否を検討しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や経営環境の変化等により前提とした条件や仮定に変更が生じた場合には、減損処理が必要となる可能性があります。

c. 退職給付に係る負債

従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上使用される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、退職率、死亡率及び昇給率など多くの見積りが含まれており、実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件が変更された場合、認識される費用及び債務に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度の経営成績につきましては、次のとおりであります。

印刷事業の売上高につきましては、包装印刷物や出版印刷物は減少しましたが、一般商業印刷物のカタログやチラシなどが増加しました。また、イベント事業の売上高につきましては、前期において受注増となったコロナ関連事業が当期には大幅に減少したことの影響等により大きく減少しました。以上により、前連結会計年度に比べ5億15百万円減収の166億33百万円(前年同期比3.0%減)となりました。

売上総利益につきましては、売上高は減少しましたが、外注加工費の削減などコストダウンの影響等により、前連結会計年度に比べ5百万円増益の34億62百万円(前年同期比0.2%増)となりました。

販売費及び一般管理費につきましては、売上高の減少の影響等により、前連結会計年度に比べ11百万円減少し32億5百万円(前年同期比0.4%減)となりました。

その結果、営業利益は前連結会計年度に比べ16百万円増益の2億57百万円(前年同期比7.0%増)となりました。

営業外損益につきましては、前連結会計年度に比べて殆ど増減はなく1億56百万円の利益(前年同期比0.1%増)となりました。

その結果、経常利益は前連結会計年度に比べ16百万円増益の4億14百万円(前年同期比4.2%増)となりました。

特別損益につきましては、前連結会計年度の特別利益に固定資産売却益や受取保険金を計上した影響等により、前連結会計年度に比べ80百万円減益の9百万円の損失(前年同期は71百万円の利益)となりました。

その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ70百万円減益の2億57百万円(前年同期比21.6%減)となりました。

 

当連結会計年度の財政状態につきましては、「第2 事業の状況」の「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析

「第2 事業の状況」の「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a. 資金需要

設備投資、運転資金及び配当金の支払いに資金を充当しております。

b. 資金の源泉

主として営業活動によるキャッシュ・フローにより、必要とする資金を調達しております。

c. キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況」の「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

なお、キャッシュ・フロー指標は、以下のとおりであります。

 

2020年

3月期

2021年

3月期

2022年

3月期

2023年

3月期

2024年

3月期

自己資本比率(%)

51.9

55.1

55.2

55.8

58.6

時価ベースの自己資本比率(%)

29.4

31.3

28.7

28.3

28.4

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

1.9

3.9

1.9

1.5

1.6

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

94.4

49.5

105.9

137.2

120.8

 

(注)  自己資本比率           :自己資本/総資産

時価ベースの株主資本比率     :株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ :キャッシュ・フロー/利払い

※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

※キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について

2023年5月12日に予想を公表しました「2024年3月期の連結業績予想」にかかる当連結会計年度の達成状況は以下のとおりです。

売上高は計画比3億91百万円減(2.3%減)となりました。この主な要因といたしましては、印刷事業におけるカタログが想定より大きく減少したこと等によるものであります。営業利益は計画比70百万円増(37.4%増)となり、営業利益率は計画の1.1%を上回り1.5%となりました。この主な要因といたしましては、外注加工費などのコスト削減が想定を上回ったこと等によるものであります。

ROEは計画比0.4ポイント増の2.2%となりました。この主な要因といたしましては、営業利益の増加の影響等により、親会社株主に帰属する当期純利益が予想を上回ったことによるものであります。

指標

2024年3月期

(計画)

2024年3月期

(実績)

2024年3月期

(計画比)

2025年3月期

(計画)

売上高

17,025百万円

16,633百万円

391百万円減

(2.3%減)

17,160百万円

営業利益率

1.1%

1.5%

0.4ポイント増

1.9%

ROE(自己資本当期純利益率)

1.8%

2.2%

0.4ポイント増

2.6%

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。 

 

6 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。