第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社グループは、お客様(あらゆるステークホルダー)の信用を得ることを第一目的とし、社会からより信頼される会社になるよう、日々努力してまいります。そして、会社の成長と安定を目指し、与えられた役割が何であるかを常に考え、誠実に、確実にやり遂げる集団を目指しております。1970年6月の会社設立以来、「誠実に」「確実に」を社是とし、「責任」「挑戦」「創造」を経営理念に掲げ、「環境ニーズを創造する」をコンセプトとして事業を展開しております。廃棄物のリユース・リサイクルを通じた環境負荷低減と資源循環への取組みや環境にやさしい製品づくりを常に実践し、微力ながら社会に貢献してまいりました。近年の世界的な社会環境の変化、ESG(注1)やSDGs(注2)に代表される地球規模の持続可能性(サステナビリティ)に対する意識の高まりもあり、当社グループは環境事業を中心とする事業活動を通じて、企業としての社会的責任を果たしていくことで、株主の皆様、取引先の皆様からの期待に応えていく方針です。

 

(2) 経営環境及び経営戦略

当社グループを取り巻く経営環境は、新型コロナウイルス感染症の影響は薄れた一方、依然として緊張状態にある米中関係及びウクライナ・ロシア情勢の長期化等の地政学リスク、資源・エネルギー価格の高騰や調達リスクには十分に留意する必要があります。また、ESG/SDGsへの関心が広く浸透しつつあり、企業は経済的価値を追求するだけでなく、社会的価値の向上にも配慮したサステナビリティ経営が求められる傾向が強くなっております。

このような状況下において、当社グループは環境を軸とした事業活動を展開し、サステナブルな社会の実現に貢献するとともに、社会から必要とされる環境リーディングカンパニーとなることを目指し、更なる成長を図ってまいります。中部エリアの当社本社工場(愛知県刈谷市)、東日本エリアの当社茨城事業所(茨城県稲敷市)及び西日本エリアのサンワ南海リサイクル株式会社(連結子会社:和歌山県和歌山市)の国内3拠点を中心に設備投資を段階的に実施することに加え、アライアンス体制も拡充することにより、新規顧客開拓と取扱数量の増加に注力するとともに、物流の効率化により輸送時のCO2排出量削減にも取り組んでまいります。

 

(3) 経営上の目標を達成するための客観的な指標等

当社グループでは主な経営指標として、企業の事業活動の成果を示す営業利益を注視し、収益性判断の指標に売上高営業利益率及び取扱数量(産業廃棄物の引取数量と商品・製品の販売数量の合計であり、商品・材料の仕入数量等は含まない。)を掲げております。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上の課題

 当社グループの対処すべき課題は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

① コンプライアンス体制の整備、充実

当社グループは産業廃棄物のリユース・リサイクルを始めとした環境関連事業を中心に事業を展開しております。「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」を始めとする環境関連法令の遵守は経営上の重要課題と位置づけ、リユース・リサイクルのプロとしての意識向上、教育訓練、情報発信などの施策を継続的に実施し、お客様に信頼していただける事業を継続して実践してまいります。

 

 

② 重大事故及び労働災害発生防止の取り組み

当社グループは、多くの生産設備や運搬用車両を使用していることに加え、消防法上の危険物や酸・アルカリなど多種多様な化学物質を取り扱っております。当社グループにおいては、重大事故及び労働災害発生防止の取り組みとして、リスクアセスメントや定期的な安全講習会、教育確認テスト等を実施しておりますが、過去に当社工場で爆発事故や火災等が発生しております。特に、2017年3月には当社茨城事業所にて従業員1名が亡くなる重大な爆発・火災事故が発生しました。過去に当社工場で発生した爆発事故や火災等の原因を特定し、再発防止を目的とした対策を定め、全社展開しております。二度と事故が起こらないようにハード面・ソフト面それぞれの側面から安全対策を実施していくとともに、風化防止と安全に対する意識を高めるための継続的な教育・訓練を実施し、安全を最優先する文化を社内に根付かせてまいります。

 

③ 事業所体制の整備

中部地区にある本社(愛知県刈谷市)、東日本の拠点となる茨城事業所(茨城県稲敷市)、西日本の拠点となるサンワ南海リサイクル株式会社(和歌山県和歌山市)のグループ3拠点体制による事業の広域化と連携による効率化をさらに推進していく考えであります。茨城事業所においては、本社に次ぐ東日本エリアの拠点として、電子材料向け製品の製造から産業廃棄物の再資源化・有効利用まで幅広く手掛け、スマートデジタル社会・環境負荷低減・資源有効利用の実現に貢献してまいります。西日本エリアのサンワ南海リサイクル株式会社においては、西日本エリアの拠点として、2020年11月より稼働開始した廃酸・廃アルカリの中和施設の他、2022年11月より汚泥や廃プラスチック類等の混練施設も稼働開始しており、更なるリサイクル事業の推進と事業を通じた社会貢献をしてまいります。また、九州地方では半導体関連企業の工場建設や設備投資が急速に行われており、多量の産業廃棄物が発生すると予測されております。発生する有機溶剤等の産業廃棄物を再資源化し、循環型社会の形成に貢献していくことを目的として、連結子会社サンワマテリアルソリューションズ株式会社を2024年6月に設立しております。

 

④ リサイクルによる付加価値向上

当社グループは廃棄物を「燃やす、埋める」といった旧来の産業廃棄物処理の手法とは一線を画し、廃棄物を資源と捉え、入荷する廃棄物の性状を細かく分析し、再生製品として利用できるか確認し、可能な限り多くのリサイクル製品を製造することを事業の特長としております。循環型社会の形成に向けて、関連法令も含めて様々な制度により適正処理、3R推進が図られている中、リニアエコノミー(直線経済)からサーキュラーエコノミー(循環経済)への転換のためには、再資源化技術とその品質確保が重要となります。当社グループは、「製品の製造・販売」から「使用済み廃棄物の再資源化・有効利用」の流れを「物流」や「品質保証」までも含めた一連の対応により、サーキュラーエコノミー形成に貢献することを目指しております。それらを推進していくためには、旧来の処理方法よりもコストが多くかかるという課題がありますが、より効率的な処理技術、付加価値の高いモノへ再資源化する手法を開発していくこと、収集運搬の効率化、幅広い業種を顧客に持つ当社グループの特長を活かしたリサイクル製品の活用推進を図ることが課題と考えます。

 

⑤ 技術力の向上と社内組織体制

当社グループは、廃棄物を「資源」と捉え、そのリユース・リサイクルを行うことを事業の根幹としております。近年の環境に対するニーズの多様化、高度化といったお客様の期待に応えるためには、より付加価値の高い、かつCO2排出の少ないリユース・リサイクル技術が求められております。特に、半導体や電池に代表される電子材料分野や次世代自動車に係る業界は今後も飛躍的な成長が見込まれております。そのような分野では、より厳格な品質管理が要求される高純度化学品の供給や希少金属及びCFRP等の新素材の再資源化、廃電解液等の安全な処理と有効利用が求められております。当社グループでは、積極的な技術開発、設備投資、同業他社とのアライアンスなどを通じ、技術力を向上し続けることで収益の拡大と企業価値の向上に努めてまいります。そのためにも、営業部門・製造部門・研究開発部門が密に連携し、品質・付加価値の高い製品・サービスを提供できる組織体制を構築しております。

 

 

⑥ 社会的認知や協力体制の構築

当社グループはリユース・リサイクルを事業の中心として活動しておりますが、その社会的な認知が十分でないと考えております。「静脈産業(注3)」とも呼ばれる当社グループの事業ですが、上場を契機に当社グループの事業内容を広くPRすることなどにより、行政や地域住民の方々、教育・研究機関や企業等との協力体制の構築をさらに推進することが課題と考えております。

 

⑦ 人材の確保と育成

当社グループ顧客の環境に対するニーズ、各種環境法令及び化学物質等の取扱いに係る規制や社会の意識などはより高度化し、細分化されていくものと考えております。顧客や社会の要求を踏まえ、当社グループが事業を継続し、発展させていくためには、これらのニーズや要求に的確に応え続けていくことが重要であり、必要な人材確保、育成を継続的に行っていくことが課題であると考えます。

 

⑧ 業務改善の推進

新型コロナウイルス感染症への対応により急激に進行した働き方改革の推進に関連して、企業活動における情報システムの活用は今後も増えていくものと認識しており、スピード感をもって適切な施策を実行することは経営上の重要な課題と認識しております。当社グループにおきましても適切なガバナンス体制を確保したうえで、投資も含めたITの効果的な利用、情報セキュリティの強化を重点的に実施し、業務の質の改善を図ります。

 

(注1)ESG

Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の3つの頭文字からなる企業活動の社会持続性に関する指標をいいます。

(注2)SDGs

2015年9月に国連で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中で発展途上国のみならず先進国自身が取り組むべき事項として掲げられた国際社会共通の目標であり、エネルギー、経済成長と雇用、気候変動等に対する取り組みをはじめとして計17の目標にて構成されております。

(注3)静脈産業

自然から採取した資源を加工して有用な財を生産する諸産業を、動物の循環系になぞらえて動脈産業ということに対して、それらの産業が排出した不要物や使い捨てられた製品を集めて、それを社会や自然の物質循環過程に再投入するための事業を行っている産業は静脈産業と呼ばれております。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループは、「環境ニーズを創造する」をテーマに事業活動を展開しており、廃棄物のリユース・リサイクルと環境にやさしい製品づくりを通じて、環境負荷の低減や限りある資源の有効利用に注力してまいりました。ESG(環境・社会・ガバナンス)を念頭に置いた経営や、持続可能な開発目標(SDGs)への貢献が求められる中、「環境ニーズを創造する」に準じた事業活動を推進することで社会的な価値を創造し続け、社会から信頼される企業となるよう、日々努力しております。今後も、当社グループの果たすべき役割が何であるかを常に考え、「誠実に 確実に」対応することで、サステナブルな社会の実現に貢献する企業へと成長し、「社会から必要とされる環境リーディングカンパニー」となることを目指してまいります。

そのような状況下において、企業の強み・個性をベースとして価値を生み出し、様々なステークホルダーの立場も踏まえて中長期的な企業価値の向上を実現するための議論を行い、共通認識することが重要であると考え、取締役及び執行役員の全員が参加して「マテリアリティ」を特定する作業を進めてまいりました。

まずSTEP1として、GRI(Grobal Reporting Initiative)が提示するガイドライン等の一般的な策定手順、当社グループの理念であるMission・Vision・Value及びSWOT(強み・弱み・機会・脅威)、ESG、SDGs等を踏まえて課題をピックアップしました。次にSTEP2として、当社グループにとっての中長期的な企業価値に影響を及ぼす重要度と、様々なステークホルダーにとっての重要度の両面から評価しました。そこで抽出された最重要課題に対し、STEP3として、当社グループが目指す方向性及び社会的に求められる事項と再度照らし合わせて、整合性・妥当性を確認した後、当社グループのマテリアリティとして特定しました。

 

当社グループのマテリアリティ

1.脱炭素社会への貢献

2.循環型社会への貢献

3.スマート・デジタル社会への対応

4.無事故無災害の永続的な継続

5.働きがいのある職場環境構築

 

 

 

特定された内容は、1~3については事業活動に関わるもの、4及び5については事業基盤を支える内容となり、攻めと守りのバランスが取れた結果となりました。このマテリアリティを全社で共有し優先的に取り組むことは、経済的価値の向上と社会的価値の向上を両立し、当社グループが目指すVision「社会から必要とされる環境リーディングカンパニー」へとつながり、結果として企業集団としてのサステナビリティへと寄与するものと考えております。

 

(1)ガバナンス及びリスク管理

①ガバナンス

事業活動に関わる攻めのマテリアリティ1~3につきましては、主に執行役員会及び経営会議(業績・技術)でマネジメントを行っております。

特に経営会議(技術)においては、今後の新たなニーズに対応していくための技術開発、投資等について取締役、執行役員及び経営幹部が議論を重ねます。経営会議(業績)においては、実際の事業活動にどのような成果が上がっているのか数値で確認するとともに、課題の整理と実現していくための対応策を同様のメンバーで議論しております。その結果も踏まえ、執行役員会ではさらに将来の方向性について検討しております。

さらに、環境委員会及び省エネ委員会では、当社グループの事業活動が環境にどれだけの負荷を与えているか、あるいはどれだけの環境貢献効果があるのかを可視化し、改善していく活動も行っております。

一方、事業基盤を支える守りのマテリアリティ4、5につきましては、主に労働安全衛生委員会、健康経営推進チーム及び新設のDX推進部門等でマネジメントを行っております。消防法上の危険物や酸・アルカリなど多種多様な化学物質を取り扱っている当社グループにおいて、安全の確保は事業の根幹に据えるべきものであり、また企業が成長し存続していくために必要な人財はコストではなく、将来に向けた投資であると考え、それをサポートしていくための体制を整備しております。

②リスク管理

当社グループにおけるサステナビリティに関わる重要なリスクとして、事故・災害の発生及びコンプライアンス違反等は、許認可の取消し並びに事業活動の停止にもつながるものであると認識しております。また、市場ニーズの変化に係る情報を収集し、対応するための技術力向上ができなければ、顧客の受注を獲得できず、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

これらのリスクを回避するためにも、前述のガバナンス体制等において定期的に検証を行い、重要性の高い事案及び顕在化したものについては、取締役及び執行役員で構成されるコンプライアンス委員会並びにリスク管理委員会で検証を行い、発生防止に向けたコントロールに努めてまいります。

 

(2)サステナビリティに関する戦略

当社グループは環境を軸とした事業活動を展開し、サステナブルな社会の実現に貢献するとともに、社会から必要とされる環境リーディングカンパニーとなることを目指し、さらなる成長を図ってまいります。中部エリアの当社本社工場(愛知県刈谷市)、東日本エリアの当社茨城事業所(茨城県稲敷市)及び西日本エリアのサンワ南海リサイクル株式会社(連結子会社:和歌山県和歌山市)の国内3拠点を中心に設備投資を段階的に実施することに加え、新たな拠点構築の検討や各地域でのアライアンス体制も拡充することにより、新規顧客開拓と取扱数量の増加に注力するとともに、物流の効率化により輸送時のCO2排出量削減にも取り組んでまいります。

当社グループでは、リユース事業、リサイクル事業及び化学品事業を今後の成長ドライバーと位置付けております。化学品事業においては、持続的な成長が期待される半導体・電池をはじめとする電子材料業界への営業活動を強化し、高純度化学品の販売とともに使用済み廃棄物の再資源化に注力してまいります。リユース事業及びリサイクル事業においては、資源を海外からの輸入に依存している国内情勢に加え、昨今の資源価格の高騰や調達リスクへの対応、ESG/SDGsへの取り組みとして、国内での資源循環ニーズはますます高まっていくものと見込まれております。独自の再資源化技術をさらに醸成し、マテリアルリサイクルを加速させることでサーキュラーエコノミーの形成に貢献するとともに、脱炭素に向けた大きな課題となっている石炭・重油等の化石燃料の代替として廃棄物由来エネルギーを供給すること等により、サステナブル社会の実現に貢献してまいります。

 

(3)人的資本に関する戦略並びに指標及び目標

<人的資本経営の取組>

不確実で多様性重視の時代にあっては企業も個人もより柔軟で、自律的なプロアクティブ行動が求められます。また、少子高齢化、人材の流動化の時代にあって、人材の確保・維持を含めた魅力的な組織づくりが求められます。そのような環境下のもと、従業員1人ひとりにフォーカスした「人事のパーソナライゼーション」(個別最適化)の考えのもと、社内の多様な人材を理解し、個々の従業員に個別最適な働く環境や成長機会を提供することが企業の使命と捉えております。

①当社グループの人的資本経営の考え方

a.「人的資源管理」から「人的資本投資」へ

人材はコストではなく将来に向けた投資であると考え、従業員自らスキルやマインドを磨くことを会社が支援していきます。

b.個人と組織の関係性

「相互依存」から「個人の自律×組織の魅力」へ

相互に選び・選ばれて、相互に共感・成長する関係を構築し、従業員自ら考え行動しキャリア成長するよう会社が支援していきます。

c.MVV(Mission・Vision・Value)の実践と浸透

当社グループの理念であるMVVが全社に浸透し実践される職場が上記 a、b の根底であると考えます。

 

②働き方改革

<戦略>

働きやすい環境の実現のみならず、仕事の本質を「時間の提供」から「価値の創出」と考える企業文化への転換を目指しております。成果を出しながら改善を実施し、時間外労働を削減した従業員により多くの賞与を配分することや、ノー残業デーの取組等によりワークライフバランスの職場環境を構築しております。これらの活動をより深化することにより、定着率の向上にもつながるものと考えております。

<指標及び実績>

・有休取得率

2021年度

2022年度

2023年度

52.1%

58.8%

61.7

 

 

・月間の平均残業時間(1人あたりの時間)

2021年度

2022年度

2023年度

23.8時間

24.4時間

23.6時間

 

 

・定着率

2021年度

2022年度

2023年度

92.3%

93.9%

95.0

 

 

③多様性の推進

<戦略>

女性従業員の働き方改善アンケート実施やレディースアクティビティ活動などにより、女性従業員が働きやすい環境づくりを進めております。「心も体も働きやすい職場づくり」「職場改善」を女性目線で実施し、女性の活躍を目指します。具体的な取組事例は以下のとおりであります。

・年1回婦人科検診を必ず受診できる体制づくり

・食生活改善や健康に関するセミナー開催

・育休後の時短勤務を6歳まで延長

・子の看護休暇を特別休暇(有給)

 

<指標及び実績>

・女性平均勤続年数

2021年度

2022年度

2023年度

6.06年

6.46年

6.36

 

 

・育休復帰率

 

2021年度

2022年度

2023年度

男性

該当なし

100%(1/1)

100(6/6)

女性

100%(5/5)

86%(6/7)

100(1/1)

合計

100%(5/5)

88%(7/8)

100(7/7)

 

注 ( )内は、復帰人数/対象人数

 

④健康経営の推進

<戦略>

当社グループは、企業が健全であるためには、従業員1人ひとりが心身ともに健康であることが重要と考え、積極的に従業員の健康管理に取り組み、健康で生産性の高い従業員によるさらなる成長を目指します。健康経営推進体制として、健康経営統括責任者である代表取締役社長のもと、健康経営推進事務局が中心となり実施しております。健康経営責任者は、計画にしたがって推進された施策の実施内容及び検証結果の報告を受けて総括を行い、コンプライアンス委員会へ答申し、執行役員会及び取締役会で報告します。具体的な取組事例は以下のとおりであります。

・健康経営宣言、基本方針の公開

・外部相談窓口設置

・外部復職支援プログラム導入

・健康社食導入

・健康セミナー開催

・特定保健指導実施

 

 

3 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 労働災害、労働安全衛生のリスク

当社グループでは、多くの生産設備や運搬用車両を使用していることに加え、消防法上の危険物や酸・アルカリなど多種多様な化学物質を取り扱っております。そのような中で、2017年3月には当社茨城事業所での爆発・火災による死亡事故を発生させてしまったことから、より充実した安全管理が不可欠であると認識しております。そのため、労働安全衛生委員会を設置し、従業員等への安全教育、作業前の危険予知活動といった啓発活動並びにパトロールの継続的な実施に加え、毎月26日を「三和安全の日」と定めて過去の事故事例を繰り返し周知すること、リスクアセスメントや保護具についての教育などを行う他、茨城事業所では地元消防と合同での安全大会を定期的に開催するなどの取り組みを通じ、事故を未然に防止する安全管理を徹底しております。また、時間外労働の管理強化及び定期的な個別面談やストレスチェックなどによりメンタルヘルス不調の従業員が発生しないように努めております。しかしながら、万一重大な事故や労働災害などが発生した場合には、被害者への補償や復旧にかかる費用の発生、事業やレピュテーションに悪影響が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 法令遵守

当社グループが事業活動を行ううえで関わることになる主な法的規制には以下のようなものがあります。

・廃棄物の処理及び清掃に関する法律

・消防法

・毒物劇物取締法

・工場立地法

・化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律

・ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法

・貨物運送取扱事業法

・道路交通法

当社グループはこれらの法律に基づき、様々な許認可を取得して事業活動を営んでおりますが、万一これらの法律に抵触し、事業の停止命令や許認可取り消し等の行政処分を受けた場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

また、環境に関する主な法的規制には以下のようなものがあります。

・大気汚染防止法

・水質汚濁防止法

・騒音規制法

・振動規制法

・悪臭防止法

・土壌汚染対策法

・特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律

・エネルギー等の使用の合理化に関する法律

当社グループはこれらの環境関連法令への対応のため、適切な設備を各工場に設置し、継続的なモニタリングや訓練を行うことにより、環境汚染を防止しております。しかしながら、不測の事態により環境を汚染してしまった場合には、賠償責任や復旧のための費用が発生する可能性があります。また、将来、環境に関する規制がより一層厳しくなった場合には、設備の改修、入替、増設などのために多額の支出が生じ、それらにより当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

当社グループは産業廃棄物のリユース・リサイクルを始めとした環境関連事業を中心に事業を展開しており、主要業務である産業廃棄物処理業は、各都道府県知事又は政令市長の許可が必要となります。事業許可の有効期限は通常で5年間、優良産廃処理業者認定制度による認定を受けた事業者は7年間となっており、事業を継続していくためには許可の更新が必要となります。更新手続き及び変更手続き申請等に不備・手続き漏れ等がある場合は、申請が不許可処分とされ、事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。

なお、廃棄物処理法第十四条第3項及び第8項において、「更新の申請があった場合において、許可の有効期間の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは、従前の許可は、許可の有効期間の満了後もその処分がされるまでの間は、なおその効力を有する」旨規定されております。

また、廃棄物処理法には事業の許可の停止要件(廃棄物処理法第十四条の三)並びに取消し要件(廃棄物処理法第十四条の三の二)が定められております。不法投棄、産業廃棄物管理票(マニフェスト)虚偽記載等の違反行為、処理施設基準の違反、申請者の欠格要件(廃棄物処理法第十四条第5項第2号)等に関しては事業の停止命令あるいは許可の取消しという行政処分が下される恐れがあります。当社グループは、現在において当該要件や基準に抵触するような事由は発生しておりませんが、万一、当該要件や基準に抵触するようなことがあれば、事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

当社グループが本書提出日現在において保有している産業廃棄物処分業、特別管理産業廃棄物処分業、産業廃棄物収集運搬業、特別管理産業廃棄物収集運搬業の許可は以下のとおりです。

 

・当社

(処分業許可)

許可自治体

業区分

許可番号

許可期限年月日

茨城県

産業廃棄物処分業

第00821006150号

2030年3月18日

愛知県

産業廃棄物処分業

第02320006150号

2030年12月26日

茨城県

特別管理産業廃棄物処分業

第00871006150号

2030年3月18日

愛知県

特別管理産業廃棄物処分業

第02370006150号

2029年8月26日

 

(収集運搬業許可)

許可自治体

業区分

許可番号

許可期限年月日

愛知県

産業廃棄物収集運搬業

第02300006150号

2029年3月30日

愛知県

特別管理産業廃棄物収集運搬業

第02350006150号

2029年3月30日

 

 

・サンワリューツー株式会社

(収集運搬業許可)

許可自治体

業区分

許可番号

許可期限年月日

茨城県

産業廃棄物収集運搬業

第00801005459号

2027年12月2日

愛知県

産業廃棄物収集運搬業

第02310005459号

2025年7月3日

和歌山県

産業廃棄物収集運搬業

第03000005459号

2030年7月16日

茨城県

特別管理産業廃棄物収集運搬業

第00851005459号

2027年11月10日

愛知県

特別管理産業廃棄物収集運搬業

第02350005459号

2029年8月18日

和歌山県

特別管理産業廃棄物収集運搬業

第03050005459号

2026年12月9日

 

(注)サンワリューツー株式会社につきましては、この他にも国内47都道府県において収集運搬業の許可を保有

   (ただし、北海道、島根県及び沖縄県の産業廃棄物収集運搬業を除く。)しております。

 

 

・サンワ南海リサイクル株式会社

(処分業許可)

許可自治体

業区分

許可番号

許可期限年月日

和歌山市

産業廃棄物処分業

第07220212107号

2024年10月20日

和歌山市

特別管理産業廃棄物処分業

第07270212107号

2024年10月20日

 

 

・サンワ境リサイクル株式会社

(処分業許可)

許可自治体

業区分

許可番号

許可期限年月日

愛知県

産業廃棄物処分業

第02320213472号

2024年12月26日

 

 

(3) 地域住民との関係について

当社グループにおきましては、工場及び事業所等を設置している地域の周辺住民とは定期的に交流を行うほか、環境汚染防止対策として、リサイクル設備における臭気対策や地域清掃活動等の環境美化に取り組んでおります。そのような取り組みの中で地域の皆様からのご意見もいただきながら、事業活動が円滑に継続できるよう配慮しており、各拠点と周辺住民の関係は概ね良好に推移しております。しかしながら、安全や環境に対する不備の発生や、流布される風評や報道により地域住民と当社グループの関係が悪化した場合には、各拠点において事業を行うことに対する反対運動が起きるなど、当該地区での操業に支障をきたす可能性があります。これらの結果、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 市場ニーズの変化

当社グループは産業廃棄物の有効活用、資源循環を事業として行っております。環境に関わる法令や条例の変化、顧客の環境に関するニーズの変化は今後も高度化、細分化されていくものと考えております。当社グループは常に情報収集や技術力の向上などの対応により、資源有効活用の新たな需要に応えてまいりますが、拡大する需要を的確に受注に結びつけられなかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 原油・ナフサ価格の変動

当社グループが取り扱うリサイクル製品のうち、再生燃料や再生有機溶剤には原油・ナフサ価格に影響を受けるものがあります。原油・ナフサ価格が急激に変動するなどの要因により、販売数量が変化する場合や販売価格が下落する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 自然災害や感染症への対応

近年は甚大な自然災害が頻発しております。当社も自然災害を想定した訓練を定期的に行っておりますが、大型地震やゲリラ豪雨、落雷等に見舞われ、工場建屋や機械装置、貯蔵施設、運搬車両等が多大な損傷を受け、長期間稼働不能となる可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症の更なる感染拡大やその影響が長期化した場合、経済活動の停滞や従業員等への感染により当社グループの事業活動の継続に支障が出る可能性があります。これらの結果、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 借入金と金利変動

当社グループは設備投資資金、運転資金を銀行からの借入等により賄っており、業容拡大に伴う設備投資、運転資金の増加は今後も想定されます。当社グループは借入金比率の低減を図り財務体質の強化に努めてまいりますが、金利の上昇傾向が続いた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当連結会計年度末の有利子負債残高は5,342百万円、総資産に占める有利子負債比率は25.3%であります。

 

(8) 業界における競争の激化について

環境ビジネスの一角として廃棄物処理業への注目は今後一層高まるものと予想され、それに伴って他業界からの新規参入が増加する、あるいは財務体力や技術不足を補完するための企業合併が多数発生する可能性もあります。当社グループと商圏が重なる領域において、新規参入や業界再編といった事業環境の変化が起き、価格競争が激化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 情報漏洩等に関する対応

当社グループは、事業の過程で取引先の機密情報を共有することがあります。また、当社グループ独自の営業・製造・技術的なノウハウ、従業員の個人情報も取り扱っております。これらの管理については、情報管理に関する規程を制定し、セキュリティ対策を行い、これらの重要な情報を適切に扱うよう全ての従業員等に周知徹底をしておりますが、意図的な行為や過失などにより外部に流出する可能性があります。これら情報の流出により、社会的信用の失墜による売上減少や損害賠償に対応するための費用、さらなるセキュリティ対策のための多大な支出等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 新事業のリスク

当社グループの事業領域や事業規模拡大のため、新規事業や設備投資等に積極的に取り組んでおりますが、新規事業の展開には不確定要素も多く、事業計画どおり達成できなかった場合には、それまでの投資負担が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 固定資産の減損リスク

当社グループは、工場や機械装置、貯蔵施設、運搬車両等多くの有形固定資産を保有しております。当該資産から得られる将来キャッシュ・フローの見積りに基づく残存価額の回収可能性を定期的に評価しておりますが、当該資産から得られる将来キャッシュ・フロー見込額が減少し、回収可能性が低下した場合、固定資産の減損損失を計上する必要が生じるなど、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 人材確保・育成について

当社グループにおける廃棄物の取り扱いは、単純に処分する事業ではなく、化学的手法により再資源化するという高度な技術を要する事業であり、それらを継続・拡大していくためには、優秀な人材の確保と育成に大きく依存することになります。しかしながら、少子化による若年層の労働人口が減少していくことにより、人材確保における競争は高まることが予想されます。さらに採用した人材が諸般の事情で退職する可能性もあります。今後も、当社グループの魅力を高める努力や人材育成の環境整備も継続的に行ってまいりますが、人材の確保・育成に問題が生じた場合、あるいは優秀な人材が社外に流出した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(13) 知的財産侵害に係るリスク

当社グループでは、顧客からの新規廃棄物の処理・有効利用化の依頼や化学品新製品の開発等の様々な研究・開発を行っております。類似特許の先願等の有無については、新たなプロジェクトを開始する際に、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)等を使用して自社で調査を実施するほか、定期調査を実施することで他社の特許侵害が発生しないように努めております。しかしながら、特許出願から公開までの特許情報の非公開期間での調査や公開から時間の経過した登録手続きなど、他社保有の知的財産を侵害するリスクを完全に排除することは困難であります。万一他社特許の侵害が発生した場合、当該事業の停止や損害賠償の支払いなどの悪影響が生じ、当社グループの経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響は薄れた一方、依然として緊張状態にある米中関係及びウクライナ・ロシア情勢の長期化に伴う地政学リスクに加え、世界的な金融引き締め等を背景とした景気後退も懸念されるなど、先行き不透明な状況が継続しております。

国内経済においては、経済活動の正常化が進むとともに賃上げが実施されたこと等により、企業の設備投資や個人消費に持ち直しの動きが見られるなど、全体としては緩やかに景気回復していくことが期待される状況となりました。しかしながら、円安の継続により原材料及びエネルギーコストは高水準で推移し、サプライチェーンの在庫調整などにより半導体や化学業界の一部では稼働回復に遅れが見られ、年度後半に発生した能登半島地震等により稼働低迷の影響は当初の見通しよりも長期化するとの見方が強まるなど、今後の動向には十分に留意する必要があります。また、年度後半に発生した能登半島地震の影響により先行きは不透明な状況となりました。

このような状況下において、当社グループは環境を軸とした事業活動を展開し、サステナブルな社会の実現に貢献することを通じて、社会から必要とされる環境リーディングカンパニーとなることを目指し、2030年度を見据えた長期ビジョン「グランドビジョン2030」を策定いたしました。また、当連結会計年度を初年度とする中期経営計画では、確実性の高い安定的な事業成長・業績拡大を進めるとともに、2030年度に向けて事業規模を倍増させるという目標を実現するため、次期大型設備投資の準備を進める期間と位置付けております。当連結会計年度においては、今後の成長ドライバーとなる産業廃棄物の有効利用やエレクトロニクス業界向けの製品供給等に注力いたしましたが、半導体や化学業界の一部をはじめとする顧客の稼働回復遅れや在庫の消費待ち等、外部環境の影響を大きく受ける状況となりました。

その結果、当連結会計年度の業績は、売上高15,633百万円(前年同期比10.0%減)、営業利益1,279百万円(前年同期比32.1%減)、経常利益1,360百万円(前年同期比29.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,041百万円(前年同期比21.4%減)となりました。

当社グループは、環境関連事業の単一セグメントであるため、セグメント毎の記載を省略しておりますが、主な事業は5つに区分しており、事業種類別の業績は次のとおりです。

 

(リユース事業)

当事業は、廃棄物の再資源化に対する社会的ニーズが年々高まる中、サーキュラーエコノミーの形成に貢献していくことを目指し、有機溶剤、リン酸及び希少金属等のマテリアルリサイクル推進とその付加価値向上に注力しております。資源価格及び各種コスト上昇分の価格転嫁を進めてきたことから、再生製品の販売価格は前年同期比で上昇した一方、半導体業界等の一部で顧客の工場稼働が低迷していることから、取扱数量は減少しました。その結果、売上高は3,085百万円(前年同期比2.0%減)となりました。

 

(リサイクル事業)

当事業は、これまでに東西工場拠点において投資をしてきたリサイクル施設の稼働率を向上させるため、新規顧客開拓による取扱数量の増加に注力しております。当年度後半に発生した能登半島地震により北陸地方からの廃棄物引取数量が一時的に減少したものの、当社茨城事業所(茨城県稲敷市)及び連結子会社であるサンワ南海リサイクル株式会社(和歌山県和歌山市)において、廃油・廃酸・廃アルカリの液体廃棄物と、汚泥・廃プラスチック類等の固形廃棄物のいずれも取扱数量が増加しました。その結果、売上高は5,635百万円(前年同期比6.3%増)となりました。

 

 

(化学品事業)

当事業は、次世代自動車の台頭やIT技術・情報通信技術の高度化に伴い、半導体・電池等のマーケット拡大が期待される中、そのようなエレクトロニクス業界向けの製品供給に注力しております。しかしながら、原材料の主要品目が大きく価格低下していることに加え、半導体関連顧客の生産調整に伴う需要低下により、溶剤販売数量が減少しております。さらに、第2四半期まで堅調に伸長してきた電池向けの製品においても、今後の成長に対応するための増設工事により、下期においては主力設備を停止し数量が大きく減少しております。その結果、売上高は3,554百万円(前年同期比37.4%減)となりました。

 

(自動車事業)

当事業は、次世代自動車などの新しい可能性が広がる一方、従来からの部品加工分野は需要が縮小していくことが見込まれます。さらに、自動車完成車メーカーの稼働は回復に向かっているものの、サプライチェーンの川上である部品加工メーカー等では積み上がった在庫の消費局面が継続しており、金属加工油や潤滑油等の販売数量は伸び悩みました。しかしながら、売価への価格転嫁が進んだことに加え、顧客工場の生産ライン改廃に伴う設備の撤去・移設や清掃作業などの新たな顧客ニーズへの対応に努め、第4四半期では大型の解体作業案件を実施いたしました。その結果、売上高は2,677百万円(前年同期比10.6%増)となりました。

 

(PCB事業)

当事業は、PCB特別措置法で定められた2027年の処理期限に向けて、適切に処理を進めるためのソリューション提供を通じて顧客の信頼を獲得し、他の事業での取引へ展開していく活動に注力しております。顧客ニーズに的確な対応をしておりますが、想定の範囲内で徐々に市場は縮小しております。その結果、売上高は680百万円(前年同期比16.8%減)となりました。

 

 

(2) 財政状態及び経営成績の状況

 ① 財政状態の状況

当連結会計年度末の当社グループの資産合計、負債合計及び純資産合計を前連結会計年度末と比較すると以下のとおりとなりました。

 

 

資産合計

負債合計

純資産合計

 

百万円

百万円

百万円

2024年3月

21,122

9,043

12,079

2023年3月

20,842

9,808

11,033

 

 

(資産)

当連結会計年度末における総資産は、21,122百万円となり、前連結会計年度末に比べ280百万円増加いたしました。流動資産は7,076百万円となり、前連結会計年度末に比べ430百万円減少いたしました。これは主に現金及び預金が233百万円、受取手形及び売掛金が156百万円減少したこと等によるものであります。固定資産は14,046百万円となり、前連結会計年度末に比べ710百万円増加いたしました。これは主に建設仮勘定が275百万円、建物及び構築物が219百万円増加したこと等によるものであります。

 

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は9,043百万円となり、前連結会計年度末に比べ765百万円減少いたしました。流動負債は4,928百万円となり、前連結会計年度末に比べ43百万円減少いたしました。これは主に1年以内返済予定の長期借入金が252百万円減少したこと等によるものであります。固定負債は、4,114百万円となり、前連結会計年度末に比べ721百万円減少となりました。これは主に長期借入金が789百万円減少したこと等によるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は12,079百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,045百万円増加いたしました。これは主に利益獲得等により利益剰余金が886百万円、その他有価証券評価差額金が157百万円増加したこと等によるものであります。この結果、自己資本比率は57.0%(前連結会計年度は52.8%)となり経営基盤を強化することができました。

 

 

② 経営成績の状況

当連結会計年度の当社グループの売上高、売上総利益、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益を前連結会計年度と比較すると以下のとおりとなりました。

 

 

売上高

売上総利益

営業利益

経常利益

親会社株主に

帰属する

当期純利益

 

百万円

百万円

百万円

百万円

百万円

2024年3月

15,633

4,627

1,279

1,360

1,041

2023年3月

17,367

4,981

1,885

1,936

1,325

 

 

(売上高、売上原価、売上総利益)

当連結会計年度の売上高は15,633百万円(前年同期比10.0%減)、売上原価は11,005百万円(前年同期比11.1%減)、売上総利益は4,627百万円(前年同期比7.1%減)となりました。主な要因としては、化学品事業の売上高が2,123百万円減少、主要材料費が1,694百万円減少したこと等によります。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は3,348百万円(前年同期比8.1%増)となり、営業利益は1,279百万円(前年同期比32.1%減)、売上高に対する比率は8.2%となりました。主な要因としては、売上総利益が353百万円減少したこと等によります。

 

(営業外損益、経常利益)

当連結会計年度の営業外収益は112百万円(前年同期比36.9%増)、営業外費用は31百万円(前年同期比2.5%増)、経常利益は1,360百万円(前年同期比29.7%減)となりました。主な要因としては、営業外収益として受取補償金が36百万円増加したものの、営業利益が605百万円減少したこと等によります。

 

(特別損益、税金等調整前当期純利益、親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は1,510百万円(前年同期比21.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,041百万円(前年同期比21.4%減)となりました。主な要因としては、投資有価証券売却益が150百万円増加したものの、経常利益が576百万円減少したこと等によります。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度の当社グループのキャッシュ・フローを前連結会計年度と比較すると以下のとおりとなりました。

 

 

営業活動による

キャッシュ・フロー

投資活動による

キャッシュ・フロー

財務活動による

キャッシュ・フロー

現金及び現金同等物

の期末残高

 

百万円

百万円

百万円

百万円

2024年3月

2,036

△1,068

△1,202

2,743

2023年3月

2,623

△1,881

△983

2,977

 

 

当連結会計年度におけるフリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計額)は固定資産等の取得や法人税等の支払いなどによる支出等を税金等調整前当期純利益や減価償却費を源泉とした収入等が上回り、968百万円のプラスとなりました。財務活動によるキャッシュ・フローでは長期借入金の返済による支出等が長期借入れによる収入等を上まわり1,202百万円の支出となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払538百万円等があったものの、税金等調整前当期純利益1,510百万円や減価償却費1,041百万円等を源泉とした収入等により、2,036百万円の収入となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入184百万円等があったものの、有形固定資産の取得による支出1,186百万円等により1,068百万円の支出となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入720百万円等があったものの、長期借入金の返済による支出1,762百万円等により、1,202百万円の支出となりました。

 

 

(4) 生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

当社グループは「環境関連事業」の単一セグメントであります。当連結会計年度における生産実績は以下のとおりであります。

 

区分

金額(百万円)

前年同期比(%)

環境関連事業

9,372

87.1

合計

9,372

87.1

 

(注) 金額は、製造原価によっております。

 

② 仕入実績

当社グループは「環境関連事業」の単一セグメントであります。当連結会計年度における仕入実績は以下のとおりであります。

 

区分

金額(百万円)

前年同期比(%)

環境関連事業

6,387

83.4

合計

6,387

83.4

 

(注) 金額は、仕入価格によっております。

 

③ 受注実績

当社グループは、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。

 

 

④ 販売実績

当社グループは「環境関連事業」の単一セグメントでありますが、主な事業は「リユース事業」「リサイクル事業」「化学品事業」「自動車事業」「PCB事業」の5つに区分されます。また、売上高の性質の違いを踏まえ、産業廃棄物処理などの役務提供に係る売上を「処理費売上」、製品・商品等の販売に係る売上を「一般売上」として区分することができます。これらの区分での当連結会計年度における販売実績は以下のとおりであります。

 

事業区分

処理費売上

(百万円)

前期比

(%)

一般売上

(百万円)

前期比

(%)

リユース事業

238

107.0

2,847

97.3

リサイクル事業

4,785

105.7

849

110.0

化学品事業

2

104.2

3,551

62.6

自動車事業

0

104.4

2,677

110.6

PCB事業

678

83.1

1

257.9

合計

5,705

102.4

9,927

84.2

 

(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する

   割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。

 

(5) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

当社グループは、本書提出日現在において、工場5ヶ所(愛知県3ヶ所、茨城県1ヶ所、和歌山県1ヶ所)を保有し、営業所5ヶ所(北海道、東京都、大阪府、香川県、福岡県)を展開しております。

グループ会社の増加に伴い人員も増加し、本書提出日現在において442名体制まで拡大しました。

今後におきましても、事業地域の拡大を成長戦略の1つとして捉え、営業エリアの更なる拡大を目指していく方針であります。

一方で、環境関連事業を営む当社グループは、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」を始めとした環境関連法規制の遵守は経営上最も重要な課題と位置付けており、法令遵守に対する一層の意識向上と体制強化を図るため、社内教育や継続的な施策の実施を図り、社会的信用をより一層得ることに努めてまいります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 財政状態及び経営成績の状況につきましては、「(2)財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 キャッシュ・フロー状況の分析につきましては、「(3)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループは、営業活動から得られる自己資金、金融機関からの借入などを資金の源泉としております。また、当社及び連結子会社間でCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、各社の余剰資金を当社へ集中して一元管理を行うことで、資金の流動性の確保と資金効率の最適化に努めております。

設備資金に関しては、手許資金、長期借入金による調達を基本としております。ただし、設備資金の不足が生じる期間が短期間である場合には、短期借入金による調達で賄っております。長期資金の調達に際しては、金利動向等の調達コストを総合的に検討しております。

資金の流動性については、総務部経理課が適時に資金繰り計画を作成・更新するとともに流動性の維持等により流動性リスクを管理しております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表を作成するにあたって、重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

連結財務諸表の作成にあたっては、固定資産の減損、繰延税金資産の計上等の重要な会計方針に関する見積り及び判断を行っております。これらの見積りは、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる方法に基づき行っていますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は売上高営業利益率及び取扱数量(産業廃棄物の引取数量と商品・製品の販売数量の合計であり、商品・材料の仕入数量等は含まない。)を重要な経営指標として取扱っております。最近2連結会計年度の推移は以下のとおりであります。

 

経営指標

第54期連結会計年度
 (自 2022年4月1日 

 至 2023年3月31日)

第55期連結会計年度
 (自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日

売上高営業利益率(%)

10.9

8.2

取扱数量(t)

350,551

373,122

 

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループの主な研究開発活動は、①産業廃棄物を処分する対象ではなく資源と捉え、再資源化して循環させていくための技術開発、及び②自動車産業やエレクトロニクス産業向けの化学品等について、顧客の仕様要求に応えた製品をつくり込むための技術開発として、混合・分離・評価を行う技術等であります。当連結会計年度における研究開発費の総額は397百万円であり、主な研究開発実績は次のとおりであります。

 

① 産業廃棄物の再資源化を目的とした研究開発では、多様な複合組成の有機溶剤から目的物質を分離するための蒸留技術の開発、混合無機廃酸からリン酸を抽出分離する技術の開発、有用金属を微量に含む廃棄物から目的金属を選択的に回収するための析出・電析技術の開発、難処理廃棄物の安全な再資源化に関わる技術の開発等、マテリアルリサイクルに関する研究・開発を行いました。

② 自動車産業・エレクトロニクス産業向けの化学製品の研究開発では、電池・半導体向けの高純度溶剤の精製技術の研究開発、顧客のニーズに合った油剤製品を調製するための混合・調合技術の開発等、製品の高付加価値化及びその品質管理に係る研究・開発を行いました。

 

なお、当社グループは環境関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。