第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 経営方針

当社は、「ネットを空気に変える」というコンセプトを掲げ、もはや生活インフラとなったインターネットが、いまだに利用にあたりITリテラシーを必要とする現状を変え、インターネットそのものを空気のように、全く意識することなく使いこなせる存在に変えていくことをミッションとして、創業以来すべての人々が等しくインターネットのもたらす創造性・便利さを享受できるようサポートする製品・サービスの開発に尽力しております。

また、常に新しい分野において積極的に研究開発を行い、知的財産を構築することにより、新しい市場の創出とイノベーションの創出を同時に行うことで、「世界の人々に大きく良い影響を与える普遍的なテクノロジー・サービス・ビジネスモデルを創りだす」ことを目指しております。

 

(2) 経営戦略等

当社は、「ネットを空気に変える」というコンセプトを掲げ、『1.IoTプラットフォームサービス』、『2.リモートマネジメントサービス』、『3.サポートサービス』、『4.その他サービス』の4サービスを展開しており、「世界の人々に大きく良い影響を与える普遍的なテクノロジー・サービス・ビジネスモデルを創りだす」ことを実現するため、以下の3つの成長戦略により事業の拡大を図ってまいります。

 

① 既存製品・サービスによる国内シェアの拡大と潜在市場の開拓

・エンタープライズ向けの強固なセキュリティ技術・製品群提供によるシェア拡大

・豊富な特許群を組み込んだ独自製品・サービスによる優位性の拡大

・販売チャネルの販売力とカバレッジの広さを利用した販売拡大

・成長市場でのシェア1位を利用したアライアンス戦略の推進、及び相互シナジーによる価値提供

・新たに創出される市場・環境変化への製品・サービスの研究開発及び展開

 

② 既存製品・サービス延長領域(周辺領域)による市場創出

・オフィス業務の効率化・コスト削減を実現するDXの推進

 

③ 新規製品・サービスによる市場創出

・AI・IoT・Robotics市場の研究開発及び製品・サービス展開

・各産業領域とITの組み合わせによる産業構造の再構築(農業、医療、建設など)、DXの推進

・デバイスマネジメントテクノロジーとビッグデータを活用した製品・サービス展開

・豊富な特許群を組み込んだ独自製品・サービスによる優位性の確立

・継続的なプラットフォームへの開発投資によるプラットフォーム強化

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、2024年3月期も引き続き「第4次産業革命」において中心的な企業となるための開発投資が重要であると考えております。そして、売上高の増加がこの投資の源泉であり、将来的な利益の源泉となるものと考えており、売上高の増加を客観的な指標として重視しております。

 

(4) 経営環境

昨今、AI・IoT・Roboticsなどの技術進歩は目まぐるしく、あらゆる産業において、新しい技術革新である「第4次産業革命」が起こりつつあります。AI・IoT・Roboticsが融合することで、生産・製造現場の効率化にとどまらず、全ての産業を変えるインパクトを持つものと考えられています。

 

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループが対処すべき主な課題は以下のとおりです。

① 売上の拡大

当社グループのビジネスモデルは、ストック型のライセンス収入を中心とした売上構造となっております。当社グループでは、圧倒的なシェアを持つ「モバイルマネジメントサービス」を着実に成長させるとともに、急速に拡大するDX市場でイノベーションを創出し、大きな成長を実現するべく事業展開を行ってまいりました。このような戦略のもと、当社グループでは、引き続き、順調なモバイルマネジメントサービスを着実に成長させつつ、X-Techサービスについては、特にアグリテックのドローン農薬散布サービス、オフィスDXの文書管理系サービスなどの大幅な成長を実現させるべく積極的な投資を進めてまいります。なお、当社グループは、第4次産業革命において中心的な役割を果たす企業となることを標榜しており、その実現に向け優良な投資機会が生じた場合、柔軟かつ積極的に成長投資を行っていきたいと考えております。

 

② 開発人員の拡充と組織の強化

当社グループの主要な収入源であるストック型のライセンス収入においては、複数の大規模プロジェクトに対応するために開発部門人員の拡充及び開発体制の強化が最重要課題となっております。当社グループでは、優秀なエンジニアが競争力の主要な源泉となると考え全社一丸となり採用活動に取り組んでおります。

一方で、当社グループの事業分野であるIT関連の人材、特にAI関連の人材については、市場全体でエンジニア不足が顕著となっております。優秀なエンジニアを獲得していくほか、現在の開発人員に対して研修や勉強会を実施するなど組織の底上げを図るとともに、人事制度や給与制度の見直しを行い退職リスクの削減にも努めてまいります。

また、プロジェクトに合致した技術を有している派遣社員を活用し、プロジェクトマネジメント手法の改善などによりさらなる開発体制の強化・改善を図ってまいります。

 

③ 知的財産戦略の強化

当社グループは、「事業成長の源泉はイノベーションにある」と考えており、創業以来、研究開発活動に積極的に取り組んでまいりました。特に2018年3月期からは、「第4次産業革命」において中心的な企業となるための足がかりを作るため、研究開発部門の人員体制及び運営体制の強化に取り組んでまいりました。

また、知的財産権は、他社との差別化の根幹となるものであり、あるいは新市場・新顧客開拓のための重要な手段でもあるため、事業展開と同期した知的財産権の獲得となるよう、事業戦略と知的財産戦略の一体的立案・推進に加え、業務の迅速化・効率化にも取り組んでまいりました。

このような取組みの一例として、「OPTiM Contract」での研究開発成果を権利化した特許第6290459号「契約書管理システム、契約書管理方法、および契約書管理プログラム」(令和3年度九州地方発明表彰・文部科学大臣賞)や、「OPTiM Geo Scan」での研究開発成果を権利化した特許第6928217号「測定処理装置、方法及びプログラム」が挙げられます。

また、取組みで得た知見は、知的財産による産業発展に寄与すべく国内外に発信しております。2023年4月の世界知的所有権機関(WIPO)主催イベントでは、当社代表取締役社長の菅谷への知財活用に関するインタビューが紹介されました。また、WIPOのIP Advantage(世界各国の知財活用事例データベース)に、当社農業事業での知財活用事例が掲載されました。

今後も、知的財産権獲得による競争優位の確保に取り組んでまいります。

 

④ 資本コストや株価を意識した経営

 2023年3月31日に東京証券取引所より発信された「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応等に 関するお願い」に従い、PBR(株価純資産倍率)などの指標を意識した経営を実践することにより、重点分野への戦略投資・成長投資の強化などの施策を実践することで持続的な成長を図り、企業価値の向上に取り組んでまいります。

 

 

 

 

⑤ プライム市場の上場維持基準への適合

当社は、2022年4月の株式会社東京証券取引所の市場区分の再編において、プライム市場に移行いたしましたが、「流通株式比率」については、基準を充たしておりません。今後、当社が中長期的な企業価値の向上を図るうえにおいては、その前提として当社がプライム市場の上場維持基準を充足することが重要な経営課題になるものと考えております。

当社は、2024年6月27日付け提出の「上場維持基準の適合に向けた計画書に基づく進捗状況について」に基づき、流通株式比率の適合に向けた取組みを実施することで、2025年3月期中を目途に、上場維持基準を充足させていく方針です。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

基本方針

当社は経営理念で掲げる通り、世界の人々に大きく良い影響を与える普遍的なテクノロジー・サービス・ビジネスモデルを創り出すことを目的として事業に取り組んでおり、AI・IoT・Cloud・Mobile・Roboticsを使った新しい価値を創造し続け、あらゆる産業のDXを推進することそのものが、あらゆる人々に、豊かでサステナブルな未来の実現に寄与すると考え、重要課題(マテリアリティ)を以下のとおり特定いたしました。

 

・持続可能な社会の実現

アグリテックにおけるピンポイントタイム散布サービスの推進により、従来のヘリによる防除をドローンに代替することで、化石燃料使用の削減や減農薬を推し進め、環境面からも持続可能な社会の実現を目指します。

 

・イノベーション提供による地域社会貢献

OPTiM Digital Experienceプラットフォームをベースとした自治体向けスーパーアプリ・プラットフォームを佐賀市のみならず、他自治体に展開することにより、より多くの住民の行政サービスへのアクセス性を高め、行政側の省力化とともに、地域社会への貢献を推進します。

 

・コンプライアンス体制構築

法令等の面からも、ステークホルダーの皆様へ当社の安心安全及び安定したサービスを提供するために、定期的な社内研修などを実施し、さらに強靭なコンプライアンス体制の構築を図ります。

 

また、重要課題の実現のために、多様な人材の活躍支援、社員の能力発揮を後押しする学びの支援、安心して長く活躍できる基盤作りなどを通して、社会やお客様への価値提供の源泉である人材の活躍を支援することが肝要であると考えております。

 

ガバナンス

サステナビリティへの取組みは取締役会における主な検討事項の一つであり、経営管理本部、経営企画本部を中心に、必要に応じて全部署から関連情報を集約したうえで、随時取締役会に報告しております。取締役会では、取り組みの進捗状況や、重要なリスクや機会に関する情報などの報告内容を基に、外部環境の変化も鑑みたうえで、現行の目標・取組みの効果検証及び必要に応じた方針変更などについて協議・意思決定を行っております。

 

リスク管理

当社ではサステナビリティを含む当社を取り巻くさまざまなリスクに対応するため「リスク管理規程」を規定し「リスク管理委員会」を開催のうえ、各種リスクの特定及び評価を実施しています。当該リスクは取締役会に報告され、取締役会はリスクに関する対応指示・監督を実施しています。

また、従業員はもちろんのこと、非正規社員も含め、自ら通報できる内部通報窓口(当社常勤監査役が対応)を設置し、法令等に違反する行為について通報を受付けており、あわせて通報者に対する不利益な取扱いを禁止する旨を社内規程において規定しています。

 

戦略(人的資本について)

当社における、主な人材の活躍支援に対する考え方及び取組みは以下の通りです。

 

・多様な優秀人材の獲得

当社では、新卒・中途問わず社会やお客様への価値提供の源泉となる優秀な人材の獲得を実施しております。また、優秀な人材であれば、経営理念にも掲げる通り、年齢・性別などのあらゆる属性を問わず積極的に採用しており、その方針を今後も継続してまいります。

 

・社員の能力発揮を後押しする学びの支援

当社では、プロダクト・サービス開発に関連する社内研修・勉強会・合宿の開催や、業務遂行に必要な知識・スキルを獲得するための外部研修への参加や書籍購入を支援する制度などを通じて、社員の能力の発揮を最大化させる自己研鑽の支援を実施しております。新入社員研修では、IT未経験者がエンジニアリングの基礎を学ぶIT研修を実施しており、適性があり、かつ本人の希望があれば未経験でもエンジニアとしてのキャリアを積むことができる体制となっております。このような学びの支援を通じて、多様な人材の多様な活躍を後押ししております。

 

・安心して長く活躍できる基盤作り

当社では、あらゆる属性を問わず、優秀な人材がそれぞれのライフステージの変化に対して柔軟に安心して活躍できるよう、在宅勤務制度、時短勤務制度や出産・育児休業取得制度などの整備及び活用支援を行っております。

 

指標及び目標

上記で記載した基本方針・戦略(人的資本について)に則り、人材の多様性を含む人材の育成に関する方針、社内環境整備に関する方針に係る指標として次の指標を用いております。

当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりです。

指標

目標

実績(当事業年度)

管理職に占める女性労働者の割合

2030年3月31日まで4.8

3.8

女性の新卒採用の比率

毎年15を目標

26.7

 

※当社グループでは、上記において記載した方針及び指標については、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難です。このため、上記の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。

 

 

3 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。

 

(1) 特定の人物への依存について

当社の創業者であり代表取締役社長である菅谷俊二は、設立以来の最高経営責任者であり、経営方針や事業方針の決定、開発、サービスラインナップ、製品コンセプトなどに関してリーダーシップを発揮しており、また、当社グループの有する特許の多くは菅谷が発明したものであるなど、当社グループは当人の属人的な能力に依存しております。そのため、各部門の責任者へ権限委譲を進めることで、当人に過度に依存しない経営体制を構築しておりますが、万が一、当人に不測の事態が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) システムダウン及び情報セキュリティに係るリスクについて

当社グループの事業は、サービスの基盤をインターネット通信網に依存しております。従って、自然災害や事故によりインターネット通信網が切断された場合には、当社グループのサービス提供は不可能になります。また、予期しない急激なアクセス増による一時的な過負荷によるサーバーのダウンや、当社グループや取引先のハードウエアやソフトウエアの欠陥などにより、当社グループのサービスが停止する可能性があります。このようなトラブルなどが発生し、機能が十分に活かせないような事態が発生した場合には、当社グループの業績の低下に繋がる可能性があります。また、コンピューターウイルスの混入、外部からの不正な手段によるコンピューター内への侵入、役職員の過誤等による重要なデータの消去又は、不正入手の可能性もあり、これらの事態が発生した場合には、当社グループに直接的・間接的な損害が発生する可能性があるほか、当社グループのサービスへの信頼が失墜し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 特定取引及び特定取引先への依存について

当社グループは、KDDI株式会社に対して、IoTプラットフォームサービスの提供により売上高が増加しており、同社に対する売上高の割合は、当連結会計年度においては、31.1%となっております。KDDI株式会社とは、契約書上、以下のような事由を即時解除事由として定めています(内容は例示であり、全ての契約書の内容が以下のとおりであるとは限りません)。

・いずれかの当事者が、支払停止又は支払不能、手形又は小切手が不渡り、差押え・仮差押え・仮処分又は競売の申立、破産・会社更生手続開始又は再生手続開始の申立、解散又は営業の全部若しくは重要な一部を第三者に譲渡しようとしたときや、正当な理由によらないで本契約の全部若しくは一部を履行しないとき。

・当社が契約によって生ずる権利又は義務を、相手方の承諾を得ないで第三者に譲渡、継承、委任及び請け負わせたときなど

なお、当社グループは、KDDI株式会社と良好な関係を維持しており、現在において解除事由等は生じておりませんが、上記解除事由に抵触し、契約を解除された場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(4) 市場動向について

当社グループの収益の柱としては、MDM市場及びAI市場を中心に事業展開を進めておりますが、MDM市場及びAI市場が想定よりも拡大しなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 競合について

当社グループは、IoTプラットフォームサービス及びリモートマネジメントサービスに関して国内においては一定のポジションを確立することができておりますが、グローバルプレーヤーを中心に競争が激化しております。競合とのシェア争いに勝てなかった場合や価格競争が激化した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 新規事業について

当社グループは、中期的な事業方針として環境変化に強い、バランスの取れたポートフォリオ経営の推進を掲げており、今後も環境の変化に応じて柔軟に新規事業や新規サービスを展開していく方針です。そのため、今後も引続き新規事業に取り組んでいく中で、研究開発費が先行し、利益率が低下する可能性があります。また、新規事業や新規サービスの展開にあたっては、事前に環境分析や市場分析等を慎重に行ったうえで事業化することとしておりますが、新規事業が想定どおりに伸張しない場合、あるいは予期せぬ事象が発生した場合などには、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 技術革新への対応について

当社グループが事業を展開するIT業界では、技術革新のスピードが速く、利用者のニーズも常に変化しております。当社グループはこれらの変化に対応すべく、新技術の研究開発や新機能の付加に関して他社に先駆けて行うようにしておりますが、OS等の新バージョンへの対応や新機能の付加の遅れ、さらに、新たな機器・端末への対応が遅れた場合、又はX-Techサービスを含む当社グループのサービスに代わる代替サービスが登場した場合などには、当社グループのサービスの競争力が剥落し、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 知的財産権について

当社グループの事業領域において、第三者の特許が成立した場合に、当社グループの事業展開に支障が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。若しくは、当社グループの特許が第三者から侵害された場合に、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、特許の有効期限が切れた後にサービスがコモディティ化してしまう可能性があります。

 

(9) 法的規制について

当社グループの事業は、主として、特定商取引に関する法律、割賦販売法、個人情報の保護に関する法律、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)、消費者契約法による法的規制を受けております。また、当社グループの事業の一部においては、関連する法令として、医師法、医療法、薬機法、航空法等の規制の影響を受ける場合があります。

当社グループは、コンプライアンス体制の強化及び整備に努めておりますが、万が一、これらの法的規制に抵触するなどの問題が発生した場合、又はこれらの法的規制の改正などにより新たな規制が加わった場合などは、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 内部管理体制の強化について

当社グループは、企業価値の継続的な増大を図るためにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であると認識しております。業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な運用、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守を徹底してまいりますが、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(11) 配当政策について

当社は、株主に対する利益還元と同時に、財務体質の強化及び競争力の確保を経営の重要課題の一つとして位置付けております。当社は成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、事業の効率化と事業拡大のための投資に充当していくことが株主に対する最大の利益還元に繋がると考えております。このことから、創業以来当社は配当を実施しておらず、今後においても当面の間は内部留保の充実を図る方針です。将来的には、各事業年度の経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針ですが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期については未定です。

 

(12) 業績の下半期への偏重について

当社グループは、ソフトウエア開発やシステム構築を顧客企業向けに行っていることから、年度の初めに予算が確定し、同年度内にて当社グループの製品等を完成させるため、下半期に検収時期が偏重する傾向にあります。そのため、検収時期の遅れにより売上計上時期が延期される場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 研究開発について

当社グループは、単なる受託開発ではなく、自社で開発した技術をライセンス提供するというビジネスモデルを展開しており、その根幹を支える研究開発に多くの予算を投入しております。研究開発は、調査やレポートをもとに、利用者のニーズや競合他社の動向等を予測のうえ、方針を決定しておりますが、予測が大きく外れた場合や、研究開発に係る方針を転換しなければいけない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14) 海外展開について

当社グループは、今後、積極的に海外へ事業展開を行っていく方針です。海外展開を行っていくうえで、各国の法令、規則、社会情勢及び利用者のニーズに対応できず、スムーズに事業を推進して行くことが困難となった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、各国で反日活動などのカントリーリスクが顕在化した場合には、当社グループの海外展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15) 優秀な人材の確保・育成について

当社グループの事業展開において、新規のサービスを提供するなど、ソフトウエア開発やシステム構築には高度な技術スキルを有する人材が必要とされております。そのため、インターンシップやプログラミングに関する勉強会、情報交換など、さまざまなイベントを当社グループで実施することにより優秀な学生・プログラマーとの接点を持つ機会を作り、より効率的な採用活動を行うとともに、技術革新のスピードに対応したスキルを身につけられるような育成を行っているほか、一部派遣社員の受け入れにより必要人員を確保しております。しかし、優秀な人材の確保や育成が想定通りに進まない場合や、優秀な派遣社員が確保できない場合、若しくは派遣料が変動した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16) IoTプラットフォームサービスにおけるOEM売上及び販売パートナー売上について

当社グループのIoTプラットフォームサービスにおいては、自社販売にとどまらず、OEM提供による売上や販売パートナーを通じた売上が多くを占めております。当社グループでは、現状のOEM提供先や販売パートナーのニーズを随時確認し、迅速に対応するとともに、利用者へのサポート体制を強化することで、さらなる関係強化を図っておりますが、OEM提供先や販売パートナーが、競合他社への乗り換えや営業施策の変更により当社グループ製品の販売を停止した場合などは、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(17) 敷金・保証金について

当社グループは、OPTiM TOKYO(東京本社)をはじめ事務所等に関して賃借しております。その際、契約先会社に関しては諸手続きを経て与信確認を行い、リスクを軽減しておりますが、契約先会社の状況で敷金・保証金が返還されない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(18) 発明報酬の支払について

当社グループでは、特許技術による製品開発を行うことで、技術的優位性のある製品、サービス提供を行っております。そこで、当社では役職員による知的財産に繋がる発明を促進するため、知的財産権管理規程において、発明の特許申請時に役職員に支払う出願時支払金、特許登録時に支払う登録時支払金、そして特許が製品化され、利益に繋がった場合に支払う利益発生時支払金等を定めております。このうち、利益発生時支払金に関しては、毎期、特許に関する利益が発生する限り支払いが発生します。役職員により、特許に関する所有権などに関する訴えが起こされた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(19) プラットフォーマーとの契約等について

当社グループが提供するIoTプラットフォームサービス、リモートマネジメントサービス等については、Apple Inc.やGoogle Inc.をはじめとする大手プラットフォーム事業者との間で、契約を締結若しくは規約に同意したうえで、プラットフォーム事業者を介して、サービスを提供している場合があります。そのため、プラットフォーム事業者の事業戦略の転換、方針の変更などに伴い、当社グループのサービスの提供が困難となった場合は、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(20) ソフトウエアの減損について

当社グループでは、ソフトウエア(ソフトウエア仮勘定を含む)については、将来の収益獲得又は費用削減が確実であると認められたものを資産計上しております。しかしながら、大規模なソフトウエアにおいて計画の変更、使用状況の見直しなどにより収益獲得又は費用削減効果が損なわれ、資産の償却又は減損が必要となった場合は、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(21) ドローンの安全性について

当社グループでは、事故を起こさずに、人と安全に共生するドローンの実現に努めております。リスク分析などに基づく本質的な安全設計を進めるとともに、当社グループが共有する技術を活用することで、GPSが届かない環境下や悪天候の中でも、安全に飛行できるような機体を開発しておりますが、万が一、当社グループの製造した機体が墜落することなどにより人や財産等に損害を与えた場合は、重大な製造物責任賠償やリコールによる多額の支払や費用発生及び社会的信用の失墜などにより、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(22) グループ経営について

当社は、連結子会社と協働し相乗効果を発揮した経営を目指しており、密接な事業連携が必要なため、同社の役員には当社役員や従業員が一部兼務しております。連結子会社の損益状況は、当社グループの連結財務諸表に結合され、当社グループの財政状態及び経営成績に影響が及ぶ可能性があります。また、連結子会社に対する投資価値は、連結子会社の事業状況によって変動する可能性があり、連結子会社の損益状況が芳しくなくその損失の額が大きい場合等投資価値が減少する場合は、投資効果を実現することができず、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(23) 事業投資について

当社グループは、環境変化に対応するために、同業又は関連する事業分野の企業又は事業の買収や投資を積極的に検討・実行しております。企業買収や事業投資の際には、事前のデューデリジェンス等により経営状況や市場動向を調査したうえで慎重に進めるとともに、当社グループに合流した後においても、既存の子会社と同様にグループ間の情報共有や既存営業網の共有等を通じて業績を向上させていくよう努めております。しかしながら、社内外の要因により必ずしも見込みどおりに進むとは限らず、買収資産の毀損や収益性の低下によって、のれんや固定資産の減損、投資有価証券評価損等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(24) 食品の安全性について

価値ある商品やサービスをお客様に安全・安心に提供し続けるために、グループ一丸となって品質の維持・向上に取り組んでおります。しかしながら万が一、製品、サービスの品質トラブルが発生した場合には、お客様の健康危害や不安の発生、それに伴う企業ブランドの毀損、社会的信用の失墜、対応に係るコスト増加のリスクがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(25) 新株予約権行使による株式の希薄化について

当社グループは、取締役及び従業員等を対象として、業績向上に対する意欲・士気向上を目的としたストック・オプション制度を採用しております。これらのストック・オプションの行使が行われた場合には、発行済株式総数が増加することにより1株当たりの株式価値が希薄化し、株価形成に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度において当社グループでは、前連結会計年度より継続して、圧倒的なシェアを持つ「モバイルマネジメントサービス」を着実に成長させるとともに、「X-Tech(クロステック)サービス」について急速に拡大するDX(※1)市場でイノベーションを創出し、大きな成長を実現することを目指し、両者を両輪として当社グループの事業を展開させてまいりました。

以下、当連結会計年度における具体的な進捗について、「X-Techサービス」「モバイルマネジメントサービス」「その他サービス」という分類にしたがいましてお伝えいたします。

はじめに、積極的な成長投資の中心である「X-Techサービス」についてお伝えします。

まずアグリテックについては、ドローンを活用した、水稲栽培を行う圃場別にデジタル解析を実施し、適期の防除を可能とする「ピンポイントタイム散布」サービスの導入が、全国の水稲生産者及び農業団体へ急速に広がっております。前年度「ピンポイントタイム散布」サービスをご利用いただいたお客様よりサービスの継続した利用の申し込みや利用規模の拡大についてご相談いただくとともに、新規の導入も急速に拡大しております。

マーケティングDXについては、「OPTiM Digital Experience」プラットフォームの提供を中心に取り組んでおります。新しい展開として、デジタルを活用した誰もが暮らしやすい地域・地方を実現する「自治体向けスーパーアプリ・プラットフォーム」を提供開始しました。「自治体向けスーパーアプリ・プラットフォーム」とは、自治体が提供するあらゆるサービスや情報を、ひとつのアプリ、IDを通じて住民の皆様へ提供するためのプラットフォームです。本プラットフォームを活用したスーパーアプリを利用することで、住民の皆様は役所へ行かなくともオンラインで各種行政手続きを行うことができるようになります。さらに、ゴミの収集日、地域の情報、防犯防災など、ご自身に関連する欲しい情報や重要な情報を得ることもできます。また自治体は、窓口業務の省人化や、住民の属性に応じた情報発信を行うことができるなど、行政のデジタル化を推進することができます。本プラットフォームは、「佐賀市公式スーパーアプリ」にて活用されております。同アプリは、提供から9ヵ月間で約38,000ダウンロードを達成し、佐賀市民有効浸透率約3割と新しいデジタル行政インフラとして認識が広がっております。一般社団法人デジタルメディア協会(以下、AMD)の「デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー’23/第29回AMDアワード(※2)」において、「リージョナル賞」を受賞しており、外部機関からも高い評価を得ています。また、同アプリを用いた佐賀市の取組みは、デジタル庁が推進するデジタル田園都市国家構想交付金のTYPE3の交付対象として採択されました。このTYPE3交付対象とは、オープンなデータ連携基盤を活用し、複数のサービス実装を伴う、モデルケースとなり得る取組みというTYPE2の要件に加え、さらに先駆的かつデジタル社会変革による地域の暮らしの維持に繋がり、かつ総合評価が優れている取組みに対して採択されるものとなり、交付金の上限、補助金率も大きくなります。当社グループでは、「自治体向けスーパーアプリ・プラットフォーム」について、「佐賀市公式スーパーアプリ」で培ったノウハウを活かして、全国の自治体へのサービス展開を目指してまいります。

デジタルコンストラクションについては、スマホ3次元測量アプリ「OPTiM Geo Scan」のライセンス契約数が順調に増加をしました。これは、好評な「OPTiM Geo Scan」の基本機能に加え、長距離での高精度な3次元測量を誰でも簡単に実現する「OPTiM Geo Scan Advance」などの、「OPTiM Geo Scan」関連サービスを利用することで、従来の測量に必要だった高額で専門的な測量機器をスマートフォンで代替できることや、図面作成や数量計算などの業務に必要なアウトプットの作成までスマートフォンで完結できることから、土木測量や災害被災現場の測量など幅広いシーンで活用された結果であると考えております。また、「OPTiM Geo Scan」は、国土交通省が提供している新技術情報提供システムNETIS(New Technology Information System、以下 NETIS)において、最高評価である「VE」を獲得しました。NETISとは、新技術の活用のため、新技術に関わる情報の共有及び提供を目的として、国土交通省が整備したデータベースシステムです。NETISに登録されることで、国及び地方公共団体などの発注者や施工業者、コンサルタントなどの方々へ情報が共有され、全国での活用が期待できます。

オフィスDXについては、AIを活用した契約書管理サービス「OPTiM Contract」及び文書管理サービス「OPTiM 電子帳簿保存」のバージョンアップを継続的に実施しております。文書管理を効率化する機能の追加や、契約書及び帳票書類のAI解析精度の向上を行うなどしており、ユーザーの利便性が向上した結果、大幅にライセンス数が増加しております。さらに、両サービスは公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)の「電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証(※3)」を取得しました。ユーザーは改正電子帳簿保存法で求められている電子データ保存要件を、個別に確認することなく要件に適合した保存が可能になります。本認証を取得したことにより、法改正対応へのニーズを取り込むことができ、さらなる成長が期待できます。

映像管理DXについては、クラウドAI映像解析サービス「OPTiM AI Camera」をさまざまなお客様に提供しております。一例として、福岡市及び北九州市へも提供を開始しました。両自治体において「OPTiM AI Camera」は、役所における窓口の混雑状況を可視化し、市民サービスの向上や業務効率化に貢献しています。これらの事例に続き、全国の自治体へ「OPTiM AI Camera」を提供し、自治体DXの推進を支援いたします。

デジタルヘルスについては、遠隔診療サービスの展開を強化するとともに、株式会社メディカロイドの手術支援ロボットシステム「hinotoriTMサージカルロボットシステム」のネットワークサポートシステム「MINS」の取組みが、継続的に成長しております。

次に、もう一つの事業の柱である「モバイルマネジメントサービス」についてお伝えします。「モバイルマネジメントサービス」では、13年連続シェアNo.1(※4)の「Optimal Biz」に関して、より効率的・効果的な環境整備を行い、モバイル端末がさらに浸透する中、多様化、深化する顧客ニーズへの対応を実現できるような体制づくりを実施しました。これらの施策の結果、「Optimal Biz」については、市場の成長とあわせて、順調にライセンス数も増加しております。今後も、市場における優位性の拡大を目指したバージョンアップを実施し、引き続きサービスを成長させていきます。

最後に、「その他サービス」については、「Optimal Remote」や「タブホ」のライセンス売上が計画どおりに推移しております。

 

※1 DX…デジタルトランスフォーメーションの略称。「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念であり、企業がテクノロジーを利用して、事業の業績や対象範囲を根底から変化させるという意味。

※2 AMDアワード…AMDが、毎年過去1年間に発売又は発表されたデジタルコンテンツの中から優秀作品又はサービスを審査のうえ、選定し、その制作者個人あるいはグループの功績を表彰するもの。詳細は以下のWebサイトをご確認ください。https://amd.or.jp/pressrelease/2024/20240305_29th_AMD_award_prize.pdf

※3 電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証…公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)により、スキャナ保存(紙で授受した書類をスキャンして電子データとして保存すること)を行う市販ソフトウエア及びソフトウエアサービスが、電子帳簿保存法の要件を満たしているかをチェックされ、法的要件を満足していると判断したものを認証する制度。

※4 出典:デロイト トーマツ ミック経済研究所 2023年9月発刊、「コラボレーション・モバイル管理ソフトの市場展望 2023年度版」より。

 

 

 

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

a.財政状態

(資産の部)

当連結会計年度末における資産合計の残高は、9,562,534千円となり、前連結会計年度末と比較して1,343,083千円増加いたしました。これは主に、ソフトウエアが787,353千円、現金及び預金が461,892千円、受取手形、売掛金及び契約資産が389,901千円増加した一方で、ソフトウエア仮勘定が169,970千円減少したことによるものです。

 

(負債の部)

当連結会計年度末における負債合計の残高は、2,220,473千円となり、前連結会計年度末と比較して190,331千円増加いたしました。これは主に、未払金が165,133千円増加したことによるものです。

 

(純資産の部)

当連結会計年度末における純資産合計の残高は、7,342,061千円となり、前連結会計年度末と比較して1,152,752千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が1,171,356千円増加したことによるものです。

 

b.経営成績

当連結会計年度の経営成績は、売上高10,243,411千円(前年同期比10.4%増)、営業利益1,940,238千円(前年同期比10.9%増)、経常利益1,844,116千円(前年同期比12.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,171,356千円(前年同期比21.7%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して461,892千円増加し、1,902,753千円となりました。

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により獲得した資金は1,965,133千円(前年同期は2,313,091千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,863,440千円、減価償却費829,535千円による資金増加があった一方で、法人税等の支払額532,148千円、売上債権の増加389,901千円による資金減少があったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は1,504,066千円(前年同期は1,651,715千円の使用)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出1,400,533千円、有形固定資産の取得による支出114,900千円があったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により獲得した資金は825千円(前年同期は199,915千円の使用)となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入924千円があったことによるものです。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する該当事項はありません。

 

b.受注実績

当社グループは受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する該当事項はありません。

 

c.販売実績

当社グループは単一セグメントのため、サービスごとに記載しております。

 

サービスの名称

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

販売高(千円)

前年比(%)

IoTプラットフォームサービス

9,075,503

112.4

リモートマネジメントサービス

751,120

108.4

サポートサービス

86,045

77.8

その他サービス

330,741

82.7

合計

10,243,411

110.4

 

(注) 当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

KDDI株式会社

3,114,648

33.6

3,189,475

31.1

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

1) 財政状態

財政状態の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載のとおりです。

 

2) 経営成績

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、10,243,411千円(前年同期比10.4%増)となりました。これは主に、IoTプラットフォームサービスの売上高が9,075,503千円(前年同期比12.4%増)となり、ライセンス収入が増加したことによるものです。

 

 

(売上原価)

当連結会計年度における売上原価は、5,196,167千円(前年同期比13.0%増)となりました。これは主に、IoTプラットフォームサービスの収入の増加に伴い売上原価が増加したことによるものです。

この結果、売上総利益は5,047,243千円(前年同期比7.9%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は3,107,004千円(前年同期比6.1%増)となりました。これは主に、研究開発費が減少した一方で人件費、業務委託費、及び広告宣伝費が増加したことによるものです。

この結果、営業利益は1,940,238千円(前年同期比10.9%増)となりました。

 

(営業外損益)

当連結会計年度における営業外収益は11,571千円(前年同期比19.7%減)となりました。これは主に、受取手数料によるものです。

当連結会計年度における営業外費用は107,693千円(前年同期比16.9%減)となりました。これは主に、持分法による投資損失によるものです。

この結果、経常利益は1,844,116千円(前年同期比12.8%増)となりました。

 

(特別損益)

当連結会計年度における特別利益は、40,652千円(前連結会計年度の発生はありません)となりました。これは、持分変動利益と国庫補助金によるものです。

当連結会計年度における特別損失は21,328千円(前年同期比7.1%減)となりました。これは、固定資産圧縮損によるものです。

この結果、税金等調整前当期純利益は1,863,440千円(前年同期比15.6%増)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における法人税等合計は、691,860千円(前連結会計年度は649,052千円)となり、前連結会計年度と比べて42,807千円増加いたしました。これは主に、ライセンス収入が増加したことにより課税所得が増加したことによるものです。

この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,171,356千円(前年同期比21.7%増)となりました。

 

b.経営成績等の状況に関する認識及び検討内容

当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、市場動向や技術革新への対応等があります。当社グループでは、圧倒的なシェアを持つ「モバイルマネジメントサービス」を着実に成長させるとともに、急速に拡大するDX市場でイノベーションを創出し、大きな成長を実現するべく事業展開を行ってまいりました。当社グループは、「モバイルマネジメントサービス」「X-Techサービス」を中心とした取組みを引き続き推進し、技術革新への対応を進め、知的財産権の取得等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応してまいります。

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。

 

c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、売上高の増加が研究開発投資の源泉であり、将来的な利益の源泉となるものと考えており、売上高の増加、ならびに研究開発投資の成果として知的財産権(特許権)を重視しております。

当連結会計年度における売上高は10,243,411千円を達成しました。売上高の多くを占めるストック型のライセンス収入については、「X-Techサービス」「モバイルマネジメントサービス」を中心にライセンス数を積み上げることができ、順調に推移しております。

知的財産権(特許権)については、他社との差別化の根幹となるものであり、あるいは新市場・新顧客開拓のための重要な手段でもあるため、事業展開と同期した知的財産権の獲得となるよう、事業戦略と知的財産戦略の一体的立案・推進に加え、業務の迅速化・効率化にも取り組んでまいりました。

このような取り組みの一例として、「OPTiM Contract」での研究開発成果を権利化した特許第6290459号「契約書管理システム、契約書管理方法、および契約書管理プログラム」(令和3年度九州地方発明表彰・文部科学大臣賞)や、「OPTiM Geo Scan」での研究開発成果を権利化した特許第6928217号「測定処理装置、方法及びプログラム」が挙げられます。

また、取り組みで得た知見は、知的財産による産業発展に寄与すべく国内外に発信しております。2023年4月の世界知的所有権機関(WIPO)主催イベントでは、当社代表取締役社長の菅谷への知財活用に関するインタビューが紹介されました。また、WIPOのIP Advantage(世界各国の知財活用事例データベース)に、当社農業事業での知財活用事例が掲載されました。

今後も、知的財産権獲得による競争優位の確保に取り組んでまいります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金需要のうち主なものは、研究開発投資を目的とした人件費、外注費、業務委託費などです。

当社グループは、営業活動により獲得した自己資金を運転資金の財源にすることを基本としておりますが、状況に応じて金融機関からの借入による資金調達を実施いたします。

当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、資産合計の19.9%を占める1,902,753千円となっております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績を勘案し合理的に判断しておりますが、実績の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

この連結財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1) 製品・サービスについての契約

 

サービス区分

相手先の名称

契約の名称

契約内容

契約期間

IoTプラットフォームサービス

シスメックス株式会社

「Medicaroid Intelligent Network System」における「OPTiM Cloud IoT OS」ライセンス利用

シスメックス社が「Medicaroid Intelligent Network System」において、「OPTiM Cloud IoT OS」を日本国内において利用するための契約

2022年4月から

2026年9月まで

IoTプラットフォームサービス

株式会社メディカロイド

「Medicaroid Intelligent Network System」における保守・運用の委託契約

CIOSプラットフォームを利用して、メディカロイドが医療機関へ提供する「Medicaroid Intelligent Network

System」の保守・運用業務

2022年4月から

2026年3月まで

IoTプラットフォームサービス

佐賀市

佐賀市スーパーアプリ開発

佐賀市スーパーアプリ機能追加における要件定義・開発

2023年4月から

2024年3月まで

共通

Apple Inc.

iOS Developer Program

License Agreement

iOS搭載端末向けアプリケーションの配信及び販売に関する規約

契約期間の定めはありません。

Google Inc.

マーケットデベロッパー販売/配布契約書

Android搭載端末向けアプリケーションの配信及び販売に関する規約

契約期間の定めはありません。

 

 

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、新規サービスの研究開発及び既存サービスの機能強化のための活動が中心です。当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は697,502千円です。ただし、販売費及び一般管理費における研究開発費は666,946千円となっております。これは、研究開発に係る受託収入を、販売費及び一般管理費の控除項目として処理したことによるものです。

当社グループでは、以下のテーマに沿って研究開発活動を実施しております。

 

(1) IoT/AI プラットフォーム研究開発

センサーやカメラなどを含むIoTデバイスやスマートデバイスなどをマネジメントし、デバイスから収集したデータを人工知能を使って解析するプラットフォームの研究を実施しております。また、プラットフォーム上で動作する汎用的な独自ソフトの研究も実施しております。

 

(2) IoT技術/AI技術/ロボティクス研究開発

インダストリーごと(農業、医療、建設などの各種産業分野ごと)に最適化したIoTデバイス接続技術や人工知能技術、ドローンを含むロボット技術の研究を実施しております。