第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社および当社の子会社(以下「当社グループ」という。)の経営方針、対処すべき課題等は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

 情報技術に関する全てを当社グループの「事業領域」とし、個人の個性と能力を発揮することに価値を置いた「企業風土」のもと、創造性に富んだ情報技術によってお客様の要求を超えたソリューションを提供し、お客様の夢・理想を実現させ、豊かな社会の発展に貢献することが、当社グループに課せられた「社会的役割」であるととらえております。

 当社グループは、「IT can create it.」(クリエイティブな発想で、ITの持つ無限の可能性を現実のものとする)の企業スローガンのもと、情報技術の持つ新たな可能性の実現に取り組んでまいります。

 また、当社グループの事業活動において、CSR(企業の社会的責任)への取り組みを重要なものと位置づけ、社会からの信頼や期待に応えていくために、お客様、株主、社員、取引先、地域社会をはじめとするあらゆるステークホルダーの方々と積極的にコミュニケーションを図りながら事業活動を行うことにより、社会の持続的発展への貢献を目指しております。

 

(2) 目標とする経営指標

 当社グループは、売上高、営業利益、当期純利益、自己資本比率を最も重要な指標としており、安定性と成長性を兼ね備えた企業集団を目指しております。今後につきましては、経営基盤の強化による更なる収益力の向上と効率化を追求することにより、企業価値を高めてまいります。

 

(3) 今後の経営方針

 当社グループが属する情報サービス産業では、DXを背景とするIT投資需要が今後も拡大すると見込まれております。一方で、IT技術は日々進化し、社会環境や顧客ニーズも大きく変化しております。当社グループは、こうした事業環境のなかで持続的な成長を果たすべく、2023年3月期を初年度とし2027年3月期を最終年度とする5ヵ年中期経営計画「Vision2026」を策定いたしました。ビジョンとして『100年先までも選ばれ続ける企業へ』を掲げ、「基盤事業の質的転換」「プライムビジネスの拡大」「新領域へチャレンジ」の3つの方針のもと、取り組みを推進しております。この5年間の間にこれまで培ってきた当社の強みを磨き高収益化に取り組むとともに、将来の事業環境の変化も見据えて改革を進める計画です。2027年3月期の数値目標はグループ連結で、売上高240億円、営業利益14億円、営業利益率6%を目指しております。

 

<5カ年中期経営計画「Vision2026」の概要>

期間

2023年3月期~2027年3月期

基本方針

① 基盤事業の質的転換

 ・プロダクト、クラウドサービスの活用拡大

 ・請負案件の受注拡大

 ・資本業務提携を行った3社との連携強化

  (株式会社JR東日本情報システム、兼松エレクトロニクス株式会社、

   キヤノンマーケティングジャパン株式会社)

 ・不採算プロジェクトの抑制

② プライムビジネスの拡大

 ・プライム顧客の拡大

 ・営業力、提案力強化(コンサルタントの育成等)

 ・ソリューション提供力強化

③ 新領域へのチャレンジ

 ・新領域への参入(サイバーセキュリティ領域、デジタル金融領域等)

最終年度(2027年3月期)の

数値目標

売上高   240億円

営業利益  14億円

営業利益率  6%

 

 

(4) 会社の対処すべき課題

今後の国内外の情勢は、当面の間前期と同様に不透明な状況が継続するものと予想しております。特にウクライナ情勢や中東情勢等の地政学的リスク、日米金利差等に起因する更なる為替変動リスク、2024年11月に予定されている米国大統領選挙などは、わが国を取り巻く経済環境に大きく影響を及ぼすものと考えております。

一方で、経済産業省が2018年に公表したDXレポートでは、日本企業の多くが現在の老朽化した基幹業務システムを利用し続けることで、デジタルトランスフォーメーションの実現やデータ活用の足かせとなり、莫大な経済損失を生じる懸念があることから、企業に対して2025年までに既存システムを刷新するよう求めております。また、新型コロナウイルス感染症対策の中で急速に進展した、ワークスタイル・ライフスタイルの変革への対応として、ネットワーク環境の整備・強化やデジタル化などがさらに加速する可能性もあると考えております。これらのことから、企業における基幹システム刷新を含めたIT投資に対する意欲は、この先も底堅く推移するものと見込んでおります。

これらの前提を踏まえまして、当社グループは2023年3月期を初年度とする5カ年中期経営計画「Vision2026」をスタートし、「基盤事業の質的転換」「プライムビジネスの拡大」「新領域へのチャレンジ」の3つの基本方針のもと、事業拡大と高収益化の実現に向けて取り組みを進めております。

当社は、当社が果たすべき社会的役割として、高品質で付加価値の高いソリューションを提供することにより、お客様の夢・理想を実現させ、豊かで安心・安全な社会の発展に貢献してまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

(1) ガバナンス

当社グループは、持続的に成長し、長期的に企業価値を向上させ、社会やステークホルダーの皆様から信頼され成長を期待される企業となるためには、コーポレート・ガバナンスが極めて重要であることを認識しており、経営の健全性・透明性の確保、意思決定の迅速化、経営監督機能の充実化、ステークホルダーの皆様との適切な協働により、コーポレート・ガバナンスの充実を図っております。

また、サステナビリティに関するガバナンスとして、安全・安心かつ安定した最適な製品・サービスを提供すること、事業を通じて持続可能な社会の実現を目指すことが当社の社会的責任と考えており、それらを実現するための組織として社長を委員長とするCSR委員会を設置しております。推進体制および活動状況は次のとおりです。

<推進体制>


 

<活動状況>

・CSR委員会の年2回開催

・サステナビリティ基本方針に則った年度の全社方針および目標の設定

・CSR委員会の下部組織であるCSR実務会議(各部門の代表者で構成)を毎月実施

・CSR実務会議では、目標達成の進捗管理、課題への対応等を実施

・上期、通期の達成状況をCSR委員会(経営会議メンバーおよびグループ会社社長)へ報告

 

(2) 戦略

当社グループは、社会からの信頼や期待に応えていくために、お客様、株主、社員、取引先、地域社会をはじめとするあらゆるステークホルダーの方々と積極的にコミュニケーションを図りながら持続可能な社会の実現を目指しております。これら実現のため、当社グループが取り組む7つの重点領域とその概要は次のとおりです。

 

① 組織統治

経営の健全性・透明性を保ちながら、継続的に企業価値を向上させていくために、経営の効率化・意思決定の迅速化を図りながら適切なコーポレート・ガバナンスの構築・維持に取り組みます。

② 人権の尊重

・あらゆる企業活動の場面において、人々の人権を尊重し差別のない職場環境を目指すとともに強制労働を認めません。

・従業員一人ひとりの個性や異なる発想・価値を受け入れ、多様な人材が能力を十分に発揮し成長できる企業を目指します。

③ 労働慣行

情報サービス産業の最大の経営資源は人材であることを認識し、人材の育成と高度化、適正な評価と魅力ある処遇、ワーク・ライフ・バランスなどを実現し、社員一人ひとりが将来を託し夢をかなえられる環境を目指します。

④ 環境

地球環境問題を社会の共通課題と捉え、環境負荷の低減を目指し、持続可能な社会の実現に寄与します。

⑤ 公正な事業慣行

法令及び定款の遵守に限らず、社会規範や倫理、道徳など基本的な行動規範の遵守を徹底し、公明正大な事業活動を推進します。

⑥ 消費者に対する課題

品質・情報セキュリティ・個人情報保護・環境についてのマネジメントシステムを運用し、安全・安心かつ安定した製品・サービスを提供します。

⑦ コミュニティへの参画及び発展

企業市民として社会と共生し、次世代人材の育成、地域社会・国際社会への協力、地球環境保護に寄与します。

 

(3) リスク管理

当社グループでは、自然災害、事故、伝染病および会社の事業運営に重大な影響を及ぼすリスクの未然防止、発生したリスクへの速やかな対応を行うことにより事業運営を継続することを目的とし、リスクマネジメントを推進しております。推進体制として「リスク管理規程」に基づいてリスク管理委員会を設置し、リスクごとに事業継続のための対処方法等を各種管理規程に定め、それらに基づいたリスクマネジメントを実行しております。推進体制および想定しているリスクカテゴリーは次のとおりです。

<推進体制>


 

<リスクカテゴリー>

事業環境リスク

災害リスク

事業・戦略リスク

財務リスク

労務リスク

法務・コンプライアンスリスク

過失リスク

故意・犯罪リスク

事故・故障リスク

 

 

 

なお、当連結会計年度末において想定されるリスクと対処等の詳細については「第2 事業の状況、3 事業等のリスク」をご参照ください。

また、サステナビリティに係るリスクに関しては、社長を委員長とするCSR委員会にてリスクの識別、優先的に対処すべきリスクの絞り込みを行い、具体的な計画・目標の策定、および進捗状況の管理を行っております。

 

(4) 指標及び目標

当社グループでは、環境問題への取り組みを企業の社会的責任と認識し、豊かな社会と環境の実現のため、生物多様性の保全及び温室効果ガス削減に取り組んでおります。そのために、電力使用量・紙使用量・廃棄物量の削減に努めるとともに、グリーン調達率の向上を図り、2030年度までに温室効果ガス排出量を2013年度比で46%削減することを目標としております。

当社グループにとって最大の経営資源は「人」であると考えており、人的資本経営の実現に向けて従業員エンゲージメントの向上をはじめとした取り組みを推進しております。お客様に最適な製品・サービスを提供し、持続可能な社会の実現に貢献するためには、社員が心身ともに健康で、公私ともに充実した生活を送ることが大切な要素であると考え、「健康経営」と「ワーク・ライフ・バランスの実現」の取り組みも実施しております。年次有給取得率の向上、月間平均残業時間の削減を図るとともに、仕事と子育て・介護等の両立を支援・推進する諸制度の整備等を進め、男性による育児休業取得率の向上にも取り組んでまいります。また、当社グループは、社員一人ひとりの個性や異なる発想・価値観を受け入れ、多様な人材が能力を十分に発揮し成長できる企業を目指しており、多様な人材の活躍を支援するために、国籍や性別、障がいの有無などによる区分のない採用活動・人材登用を行っております。管理職に占める女性労働者の割合につきましては、2026年3月末までに5名以上増やすことを目標として掲げ、割合の向上に努めてまいります。

男女の賃金格差につきましては、当社の賃金制度は年齢や性別に関係なく同一職務であれば同一賃金を支払うものとして設計されておりますが、現状においては男女間において賃金格差が生じております。これは、管理職に占める女性労働者の割合が低い水準にとどまっていることが主な要因であると考えております。社員一人ひとりが能力を最大限に発揮できるよう、上記の取り組みをはじめとする適材適所の人材活用を推進してまいります。

なお、人的資本・多様性に関する指標の当事業年度末の実績につきましては、「第1 企業の概況 5 従業員の状況 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金差異」をご参照ください。

 

3 【事業等のリスク】

 本有価証券報告書に記載している各事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 特定取引先への依存に関するリスクについて

当社グループは、日本電気株式会社および関係会社(以下「NEC・関係会社」という。)、日本電信電話株式会社を中心としたNTT関係会社(以下「NTT・関係会社」という。)、東日本旅客鉄道株式会社および関係会社(以下「JR・関係会社」という。)などの特定取引先から安定した受注があり、相応の経営基盤を築いております。その業務内容は主に社会インフラ企業の基盤システム構築業務であり、一般的な業務系システム(会計業務、販売業務、在庫管理業務、購買業務等)とは異なり、特殊業務分野に位置づけられます。当社グループは、この特殊な業務を長年に渡り担当しており、これらシステム構築の実績とノウハウを多く持っていることが強みになっている反面、これら特定取引先からの売上高は、当社グループの売上高の概ね5割を占めており、これら特定取引先への依存度は非常に高い状況にあります。したがって、これら特定取引先の業績動向等によっては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

当該リスクに備えるため、当社グループでは、基盤事業の拡大および新規事業の創出による事業領域の拡大などにより、新たな取引先獲得に向けた体制を構築し、対応しております。

 

 

-売上高実績-

 

 

 

 

取 引 先

前連結会計年度

当連結会計年度

自 2022年4月1日

自 2023年4月1日

至 2023年3月31日

至 2024年3月31日

金額(千円)

比率(%)

金額(千円)

率(%)

NEC・関係会社

5,746,811

30.0

5,896,052

28.7

NTT・関係会社

1,914,850

10.0

1,967,812

9.6

JR・関係会社

2,116,587

11.0

1,487,611

7.3

小   計

9,778,249

51.0

9,351,477

45.6

その他一般

9,395,458

49.0

11,160,501

54.4

合   計

19,173,708

100.0

20,511,978

100.0

 

 

 

 

 

(2) 業績の季節的変動に関するリスクについて

当社グループは、事業の特性上、契約期間として年度(4月から翌年3月)を基準にしている案件が多く、納期に合わせ作業も増える傾向にあることから、第4四半期連結会計期間に認識される収益の割合が高くなる傾向にあります。このため、当社グループの売上高は、第4四半期連結会計期間に増加し、業績に季節的変動が生じます。

当該リスクに備えるため、当社グループでは、単年度事業計画作成時において予測可能な範囲で季節的変動を織り込んだうえで利益計画を策定するほか、経営の安定化を図るため、季節的変動の少ない案件の受注拡大に注力しております。

 

(3) プロジェクトの採算管理に関するリスクについて

当社グループが属する情報サービス産業においては、一般的に受注ソフトウェア開発について多様な顧客のニーズ対応および最新の技術が求められることから、そのサービス内容を契約締結段階で詳細に確定することが困難な場合があり、当初の見積りと実際発生した工数との間に乖離が生じる可能性があります。このような事態が発生し、プロジェクトの採算が確保できなかった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

当該リスクに備えるため、当社グループでは、品質、コスト、納期の目標を達成するためのリスク管理要領において、プロジェクトレビュー基準を定めるほか、直接プロジェクトを推進する部門から独立したプロジェクト管理部門を設けて、契約時、計画書作成時、工程終了時ごとにプロジェクト監視を行い、リスク管理に努めております。また、会社が重要であると判断したプロジェクトについては「全社レビュー対象プロジェクト」に指定し、プロジェクトの工程レビューにプロジェクト管理部門が参加し、全社として問題解決に当たる仕組みを構築しております。

 

(4) 協力会社の確保に関するリスクについて

当社グループは、業務遂行上必要に応じて協力会社に業務の一部を委託しており、当社グループの売上原価に占める外注費の割合は約4割となっております。協力会社を活用する理由としては、固定費の削減や、事業展開が柔軟になるなどのメリット確保のためのものと考えております。しかしながら、協力会社の活用は、当社グループのみならず、競合他社においても行われており、必ずしも高度な技術レベルの協力会社を一定数以上確保できるとは限りません。優良な協力会社を安定的また継続的に確保できない場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

当該リスクに備えるため、協力会社の活用に際しては、要求事項を明確にし、請負型発注への転換、協力会社の集約を実施し、ビジネスパートナーとしての位置づけを明確に行ったうえで、長期・安定的な取引の構築を図るとともに、納品物の品質向上を指導し実現しております。

 

(5) 提供するシステム・サービスにおける不具合発生に関するリスクについて

当社グループがお客様に提供するシステムにおいて、誤作動、バグ、納期遅延等の不具合が生じた場合、顧客に損害を与えるだけでなく、損害賠償責任の発生や当社グループに対する信頼を喪失することにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

当該リスクに備えるため、当社グループでは、品質、コスト、納期の目標を達成するためリスク管理要領において、プロジェクトレビュー基準を定めるほか、直接プロジェクトを推進する部門から独立したプロジェクト管理部門を設けて、契約時、計画書作成時、工程終了時ごとにプロジェクト監視を行い、リスク管理に努めております。また、お客様へ納品する際には、出荷判定会議を行い、バグの状況や品質など最終的に確認を行う仕組みを構築しております。

 

(6) 優秀な技術者の確保に関するリスクについて

当社グループの提供するサービスは人材、特に情報処理技術者の能力や、資質に大きく依存しております。当社グループの今後の事業戦略を考えると、ITコンサルティングやプロジェクトマネジメントのノウハウを有する人材の確保が重要となります。現時点においては、必要な技術者は確保されていると考えておりますが、労働市場の逼迫等により、必要とする優秀な技術者または労働力を確保できない場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

当該リスクに備えるため、当社グループでは、新卒者を対象とした定期採用と中途採用を積極的に実施し、徹底した能力・実績主義に基づく評価・報酬体系を導入し、優秀な人材の確保に努めております。

 

(7) 技術革新ならびに技術の陳腐化に関するリスクについて

当社グループが属する情報サービス産業においては、技術革新のスピードが速いため、先進のノウハウとシステムを保有し、かつそれらを継続的にアップデートしていく必要があります。当社グループにおいては、急速な環境変化に対応できるような組織運営を進めておりますが、想定している以上の技術革新等による保有技術の陳腐化等が生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

当該リスクに備えるため、当社グループでは、新しい技術の習得に向けた研修の実施や新たな技術・サービスの創出に、継続的に取り組んでおります。

 

(8)法的規制等に関するリスクについて

当社グループは、事業運営上関係する各法令へ対応するための体制を整備し、法令遵守に努めており、現状において法令に違反する事象は認識されておりません。

しかしながら、法令違反等の事象の発生、あるいは当社グループの事業を規制する現行法令の改正および新法令が制定される可能性があります。そうした場合に、当社グループの社会的信用の失墜や、当該規制への対応に際して、サービス内容の変更や新たなコストが発生すること等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

当該リスクに備えるため、当社では、他部門から独立した組織としての内部監査部門を設け、グループ子会社を含めあらゆる方面での内部監査を実施しております。また、コンプライアンス教育を実施するほか、定期的にコンプライアンス等に関する教育や案内をグループ全社に実施し、社員の意識向上を図っております。

 

(9)セキュリティ管理に関するリスクについて

当社グループは、顧客の情報システムを構築する過程において、個々の顧客業務内容等の内部情報を入手しうる立場にあり、情報セキュリティの確立・維持が重要な課題と認識しており、情報管理体制の強化に努めております。しかしながら、不測の事態により、顧客情報や従業員の個人情報が外部へ漏えいすることとなった場合には、社会的信用の失墜や損害賠償請求の発生等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

当該リスクに備えるため、当社グループは、顧客データ管理の安全性や信頼性に重点をおいた施策をとるほか、QMS(品質マネジメントシステム)、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)、プライバシーマーク認証取得企業として、品質重視の開発・運用の推進および個人情報の管理強化に取り組んでおります。

 

(10)知的財産権の保護に関するリスクについて

当社グループが属する情報サービス産業においては、自社技術保護のための特許申請が増加する傾向にあります。このような環境において、当社グループも自社特殊技術の保護、他社との差別化および競争力のあるサービスを永続的に提供するために、知的財産権、特に特許の出願の推進を行っております。

また、第三者の知的財産権を侵害しないよう努めており、現時点において侵害はないものと認識しておりますが、将来において第三者の知的財産権への侵害が生じてしまう可能性は否定できません。第三者の知的財産権を侵害していることが発覚した場合、当社グループへの損害賠償請求、信用の低下およびブランド力の劣化により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

当該リスクに備えるため、社内の全コンピュータ機器を対象にソフトウェアのインストール状況を監視するシステムを導入するとともに、社内におけるライセンスの利用状況を定期的に調査し、知的財産権の侵害やソフトウェアライセンスの不適切な利用の防止に努めております。

 

(11)自然災害等に関するリスクについて

当社グループでは、地震・台風等の自然災害、人的災害、新型インフルエンザ等の感染症の拡大などの災害発生により被災した場合には、迅速かつ適切な対応による事業継続が優先であると認識しております。しかし、想定を超える規模の災害に被災した場合には、事業の全てまたは一部が停止するなど、重大な影響を受ける可能性があります。また、当社グループの取引先が被災された場合についても、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

当該リスクに備えるため、当社グループでは、災害対策規程を策定し、対応方針を定めております。また、緊急事態時において、継続して事業推進ができるよう、テレワークの環境整備も併せて行っております。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要、ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

 

 (1) 経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5類感染症へ引き下げられるなど、社会経済活動の正常化が進むなかで緩やかな回復が続きました。一方で、ウクライナ、中東情勢などの地政学的リスクや世界的な金融引き締めによる海外景気の下振れリスクに加えて、資源価格の高騰や円安による物価上昇により、先行き不透明な状況が続きました。

当社グループが属する情報サービス産業につきましては、本年4月に経済産業省が発表した2024年2月の特定サービス産業動態統計(確報)によれば、売上高合計は前年同月比9.3%増と23ヵ月連続で前年を上回ったほか、売上高の半分を占める「受注ソフトウェア」も前年同月比10.6%増と23ヵ月連続で前年を上回りました。

このような事業環境のもと、当社グループは、2023年3月期より5ヵ年中期経営計画「Vision2026」をスタートし、「基盤事業の質的転換」「プライムビジネスの拡大」「新領域へのチャレンジ」の3つの基本方針のもと、事業拡大と高収益化の実現に向けて取り組んでおります。

5ヵ年中期経営計画「Vision2026」の2年目となる当連結会計年度は、「基盤事業の質的転換」に向けて、引き続きプロダクトやクラウドサービスなどの活用拡大や、2021年に資本業務提携を締結した3社(株式会社JR東日本情報システム、兼松エレクトロニクス株式会社、キヤノンマーケティングジャパン株式会社)との連携の強化、請負案件の拡大、不採算案件の抑制等の取り組みを進めました。また、医療ソリューション事業の強化に向けて、4月1日付でグループ内の事業を集約しお客さまの課題解決をより強力に支援する体制を構築したほか、自社開発の医療機関向けソフトウェアパッケージの主力製品である病理検査システム「Medlas-BR」の大幅な機能強化を実現しました。「プライムビジネスの拡大」に向けては、ERPパッケージを活用した基幹システム刷新の提案活動を推進したほか、お客さまのDX実現を支援する業務最適化コンサルティングやデジタル化ソリューションの提供拡大に取り組み、各種イベントや展示会に積極的に出展しました。「新領域へのチャレンジ」に向けては、サイバーセキュリティ領域においてセキュリティ脆弱性診断の提供を開始したほか、デジタル金融領域において案件に参画するなど、事業領域の拡大に向けた取り組みを進めました。

 

※ 当社グループでは、お客さまと直接契約を結びサービスやソリューションを提供する事業を「プライムビジネス」と称しております。

 

当社グループの当連結会計年度の受注高は20,971百万円(前年同期比1,467百万円増7.5%増)、売上高は20,511百万円(同1,338百万円増7.0%増)、営業利益は873百万円(同135百万円増18.3%増)となり、営業外収益として持分法による投資利益221百万円を計上したことなどにより、経常利益は1,090百万円(同168百万円増18.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は729百万円(同246百万円増51.1%増)となりました。

 

セグメント別の業績を示すと、次のとおりであります。

 

① システム開発事業

受注高は13,355百万円(前年同期比378百万円増2.9%増)、売上高は13,810百万円(同1,459百万円増11.8%増)、営業利益は705百万円(同186百万円減20.9%減)となりました。

当連結会計年度におけるシステム開発事業は、安定的な収益獲得を実現すべく、事業部門を越えた体制構築を進め、当社グループの強みでもある大型案件の獲得と確実な遂行に取り組むとともに、今後更なる拡大が見込まれるIoTやクラウド等のDX関連の技術力強化やローコード開発ツール、ノーコード開発ツールなどの活用により業務の効率化、低コスト化を図るなど、積極的に事業を推進してまいりました。

この結果、受注高につきましては、官庁系、公共系での既存案件拡大、医療系、クラウド系での案件獲得に加え、2022年7月に設立しシステム開発事業に含めたキーウェア東北株式会社が2023年1月にいわぎんリース・データ株式会社のシステム部門の事業を承継し事業を本格稼働させたことなどにより、前期比で増加いたしました。売上高につきましては、運輸系において大型案件の開発終了などによる減少があったものの、キーウェア東北株式会社の事業開始による純増に加え、公共系において前期に受注した大型案件の開発が順調に進捗したことなどにより、前期比で増加いたしました。営業利益につきましては、一部の子会社において職場環境の充実等を目的として実施した設備工事関連による一般管理費の増加などが影響し、前期比で減少となりました。

 

② SI事業

受注高は5,912百万円(前年同期比1,095百万円増22.7%増)、売上高は5,158百万円(同56百万円増1.1%増)、営業利益は228百万円(同226百万円増)となりました。

当連結会計年度におけるSI事業は、案件を着実に遂行し生産性の向上を実現すべく、開発におけるプロダクトやクラウドサービスの活用拡大により業務の効率化、低コスト化を図るとともに、前述の資本業務提携をした3社(株式会社JR東日本情報システム、兼松エレクトロニクス株式会社、キヤノンマーケティングジャパン株式会社)との連携強化により新規案件の獲得、領域の拡大を目指すなど、積極的に事業を推進してまいりました。

この結果、受注高および売上高につきましては、基幹システム系、インフラ系での大型案件獲得などにより、前期比で増加いたしました。営業利益につきましては、売上高の増加に加え、前期から継続していた不採算案件が収束したことなどにより、前期比で大幅に増加させることが出来ました。

 

③ その他事業

受注高は1,702百万円(前年同期比6百万円減0.4%減)、売上高は1,542百万円(同177百万円減10.3%減)、営業損失は33百万円(前年同期は125百万円の損失)となりました。

当連結会計年度におけるその他事業は、事業拡大による継続的な成長を実現すべく、既存領域の更なる拡大や、新たなサービスやソリューションの創出、新規顧客やロイヤルカスタマーの創出に取り組むなど、積極的に事業を推進してまいりました。

しかしながら、受注高および売上高につきましては、サポートサービス系などが軟調に推移し、前期比で減少となりました。損益面につきましては、売上高の減少などが影響し損失計上となったものの、販売費及び一般管理費の抑制などに努めた結果、前期比で損失を縮小させることが出来ました。

 

(生産、受注及び販売の状況)

 a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

自 2023年4月1日

至 2024年3月31日

生産高(千円)

前年同期比(%)

システム開発事業

9,487,972

10.4

SI事業

2,979,121

△5.9

その他事業

1,092,780

△12.4

合計

13,559,874

4.2

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.金額は、製造原価によっております。

 

 b. 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

自 2023年4月1日

至 2024年3月31日

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

システム開発事業

13,355,867

2.9

3,636,461

△11.1

SI事業

5,912,444

22.7

1,936,123

63.8

その他事業

1,702,929

△0.4

422,918

60.9

合計

20,971,242

7.5

5,995,503

8.3

 

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

 

 c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

自 2023年4月1日

至 2024年3月31日

販売高(千円)

前年同期比(%)

システム開発事業

13,810,415

11.8

SI事業

5,158,624

1.1

その他事業

1,542,937

△10.3

合計

20,511,978

7.0

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

自 2022年4月1日

至 2023年3月31日

当連結会計年度

自 2023年4月1日

至 2024年3月31日

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

日本電気㈱

1,817,265

9.5

2,214,357

10.8

NECソリューションイノベータ㈱

2,239,557

11.7

1,949,070

9.5

㈱JR東日本情報システム

1,931,594

10.1

1,224,089

6.0

 

 

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末における資産、負債及び純資産の状況は、次のとおりであります。

 

① 流動資産

流動資産残高は、8,099百万円(前連結会計年度末比730百万円増9.9%増)となりました。主な変動要因は、現金及び預金の増加、契約資産の減少であります。

 

② 固定資産

固定資産残高は、4,426百万円(前連結会計年度末比642百万円増17.0%増)となりました。主な変動要因は、建物及び構築物の増加、投資有価証券の増加であります。

 

③ 流動負債

流動負債残高は、3,317百万円(前連結会計年度末比302百万円増10.0%増)となりました。主な変動要因は、未払金の増加、賞与引当金の増加であります。

 

④ 固定負債

固定負債残高は、567百万円(前連結会計年度末比237百万円増72.0%増)となりました。主な変動要因は、資産除去債務の増加であります。

 

⑤ 純資産

純資産残高は、8,639百万円(前連結会計年度末比831百万円増10.7%増)となりました。主な変動要因は、利益剰余金の増加、退職給付に係る調整累計額の増加であります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、1,964百万円(前連結会計年度末比926百万円増89.2%増)となりました。

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

① 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動による資金は、持分法による投資利益の計上(221百万円)、未払消費税等の減少(156百万円)、法人税等の支払い(315百万円)などがあったものの、税金等調整前当期純利益の計上(1,088百万円)、減価償却費の計上(177百万円)、売上債権の減少(265百万円)などにより、1,183百万円の増加(前期は653百万円の増加)となりました。

 

 

② 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動による資金は、無形固定資産の取得による支出(71百万円)などにより、157百万円の減少(前期は50百万円の減少)となりました。

 

③ 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動による資金は、配当金の支払い(99百万円)により、99百万円の減少(前期は474百万円の減少)となりました。

 

(資本の財源及び資金の流動性について)

当社グループは、事業運営上必要な資金を安定的に確保することを基本方針とし、運転資金および設備資金につきましては、自己資金または取引金融機関からの借入により調達しております。このうち、借入による資金調達につきましては、短期の運転資金の調達は短期借入金を基本とし、大規模な設備投資や長期の運転資金の調達は長期借入金を基本としております。

当社グループは、運転資金の効率的かつ安定的な調達を行うため、取引銀行との間でコミットメントライン契約および当座貸越契約を締結しております。これら契約に基づく当連結会計年度末における極度額および借入金残高は、次のとおりであります。なお、コミットメントライン契約には、財務制限条項が付されております。

 

項目

極度額

借入金残高

コミットメントライン契約

および当座貸越契約

3,300,000千円

─千円

 

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しておりますが、グループの事業内容なども踏まえ会計方針を定めております。

連結財務諸表の作成は、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これら見積りについて、現在入手可能な情報や過去の実績などを勘案して合理的に見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、主なものは次に記載のとおりであります。なお、そのうち特に重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。

 

① 収益及び費用

受注制作のソフトウェア開発に係る収益は、履行義務の充足に係る進捗度に基づき認識しております。履行義務の充足に係る進捗度の見積り方法は、見積総原価に対する発生原価の割合(インプット法)で算出しております。なお、進捗度を合理的に見積もることができないが、当該履行義務を充足する際に発生する費用を回収することが見込まれるものについては、原価回収基準により収益を認識しております。また、契約の開始日から完全に履行義務を充足すると見込まれる期間がごく短い案件については、完全に履行義務を充足した時点で収益を認識しております。

サポートサービス等の役務提供に係る収益は、履行義務の充足に係る進捗度に基づき認識しております。履行義務の充足に係る進捗度の見積り方法は、顧客との契約等に基づくアウトプット法で算出しております。なお、進捗度を合理的に見積もることができないが、当該履行義務を充足する際に発生する費用を回収することが見込まれるものについては、原価回収基準により収益を認識しております。

 

② 貸倒引当金

債権の貸倒による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率法により、貸倒懸念債権および破産更生債権等については財務内容評価法により計上しております。

 

③ 受注損失引当金

受注案件の損失に備えるため、当連結会計年度末時点で将来の損失が見込まれ、かつ、当該損失額を合理的に見積もることが可能なものについて、翌連結会計年度以降に発生が見込まれる損失額を計上しております。

 

 

④ 賞与引当金

従業員に対する賞与支給に備えるため、将来の支給見込み額のうち当連結会計年度において負担すべき金額を計上しております。

 

⑤ 投資有価証券

取引関係等の維持・強化のため、特定の取引先に対する投資を行っております。当連結会計年度末における市場価格のない株式等の評価については、投資先の資産状況、経営状況などを勘案し、必要と判断した場合には減損処理を行っております。投資先の資産状況、経営状況がさらに悪化した場合には、追加の減損処理が必要となる可能性があります。

 

⑥ 無形固定資産

無形固定資産のうち子会社の株式取得および企業結合により発生したのれんについては、のれんの効果の及ぶ期間(10年から20年)にわたり均等償却しております。当該子会社の将来における収益によっては、減損処理が必要となる可能性があります。

また、市場販売目的のソフトウェアについては、見込販売数量に基づく償却額と見込有効期間(3年)に基づく均等配分額とを比較し、いずれか大きい額を償却しております。販売が見込数量に達しない場合は、見込販売数量の見直しによる償却額の見直しが必要となる可能性があります。

 

⑦ 繰延税金資産

企業会計上の収益・費用と課税所得計算上の益金・損金の認識時点が異なることから、会計上の資産・負債と課税上の資産・負債の額に一時的な差異が生じる場合において、一定期間内における回収可能性に基づき連結貸借対照表上に繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存しますので、その見積りが減少した場合は、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

 該当事項はありません。